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地上波テレビの字幕を全文書き起こします

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字幕書き起こし Chef 〜三ツ星の給食〜 #02【天才シェフvs給食鬼ルール】 2016.10.20

(光子)私の料理を世界中のお客さまが待ってるのよ。
(光子)始めるわ。
(篠田)今日のVIPのスペシャリテは鴨のはずだ。
(篠田)店のオーナーはこの私だ。
料理を作るのはこの私。
(長沼)鹿のローストジャンヌダルクの凱旋です。
(奥寺)柿谷さまたちが病院に搬送されました。
(奥寺)集団食中毒です。
(篠田)プライドが高い彼女が辞めやすい状況をつくってあげたんですよ。
まさか食中毒は偽装?総料理長をあなたに任せたい。
(オーナー)食中毒で世間を騒がせたあなたを雇う店はないと思いますよ。
(早紀)オファーがありまして。
(早紀)ここが星野シェフの新しい職場です。
給食…。
(晴子)星野さんは?
(晴子)今はどちらのお店にいるんですか?
(篠田)給食の調理師になったそうですよ。
冗談でしょ?何このポンコツ軍団。
ホントに給食作ってんの?ちゃんと。
これが本物の…。
まっず。
(児童)揚げパン食べたい!
(児童)うわしょっぱ!
(荒木)お前の料理まずいって言われたんだ。
(篠田)残念だが君はシェフとしてはもう終わりだ。
私の料理はいつだって最高においしいのよ!来ると思った。
(荒木)三ツ星のシェフなんだろ。
三ツ星の店行け。
行くわよ。
最高においしい給食を作ってからね。
今日のメニューは何?
(チャイム)今日のメニューは焼きそばわかめスープ根菜の煮物。
レシピは献立表に書いてあるとおりだ。
(一同)はい。
全然ワクワクしないわ。
あのさぁ料理ってねお客さまがメニューを見たときに期待に胸を膨らませるようじゃなきゃ駄目なのよ?胸膨らませる前に腹膨らませること考えろこのど素人。
誰がど素人よ。
私はね三ツ星のシェフです。
(荒木)三ツ星だか何だか知らねえけどな時間どおりに給食作れねえやついらねえんだ。
行くぞ。
(一同)はい。
彼女の名前は星野光子
三ツ星レストランから小学校の給食室にやって来た自信満々の天才シェフは最高の給食を作れるのでしょうか
さてさてこよいは試練の連続
私の料理はいつだって最高においしいのよ。
給食の星見た?
(児童)私映ってた。
(児童)俺手だけ!
(児童)あの番組人気だよね。
「私の料理は最高においしいのよ」
(児童)まずかったけどな。
(一同)アハハ!
(久美)奥寺シェフずいぶん変わったよね。
(ルリ)前はもっと影薄かったもんね。
(久美)そうそうそう!でも何かさ…。
(マヤ)お疲れさま。
(一同)お疲れ。
お疲れさまです。
(マヤ)星野シェフ…。
(児童)激まず。
私の料理が…まずい?・
(ドアの開く音)
(一同)お疲れさまです。
(長沼)そろそろ開店の準備をお願いします。
(一同)はい。
(男性)これにはさすがの星野シェフも思わず…。
嘘でしょ…。
(男性)ショックを受ける星野シェフ。

(荒木)駄目だ!まだ入るな!えっ?
(荒木)お前これ温度測ったのか?温度?
(荒木)表面温度計で温度測ってからだ。
表面温度!?
(馬場)衛生管理上問題ないか確認するんです。
表面温度が高過ぎる食材は使えません。
(荒木)それが給食のルールだ。
そこまでするの?
(荒木)お前みたいにな食中毒出すわけにいかねえんだ。
食中毒…。
(馬場)入んないで!食中毒はね間違いだったって分かったのよ。
私は店のオーナーにはめられ…ちょっと!聞いてる?聞いてるね?
(荒木)駄目だ!ざるのまま運ぶな。
いいか?ここはなドライ運用だからな床に水を一滴もこぼさないようにこのバットに載せて運ぶんだ。
水ぐらいいいじゃない…。
(日高)床に水を一滴でもこぼすとさ湿度も上がるしさはね上がった水から細菌が繁殖するかもしれないんだよ。
一滴も駄目なの?
(荒木)それが給食のルールだ。
(荒木)おい駄目だ!包丁使うな。
下ごしらえするんでしょ!?
(荒木)今日は野菜の量が多いんだ。
全てあの機械でやる。
野菜には素材の性質や調理法に適した切り方があるの!
(小松)いちいち切り方変えてたら時間に間に合わないだろ?じゃあ前日から仕込めばいいじゃない!数日前から仕込む料理なんていくらでもある。
(荒木)駄目だ。
今日出すものは今日仕込む。
はぁ!?
(馬場)衛生管理上給食では前日調理は禁止されています。
(小松)ちゃんこも朝から仕込むよ。
(荒木)決められた時間で324食を作る。
それが給食のルールだ。
(早紀)下ろして下ろして。
自然でいいですよ。
はいOKです。
(早紀)はいOK。
次こっち。
カメラ目線いらないですよ。
好きだなみんなカメラ。
普通でいいですよ。
ヴィアンド。
肉!肉もっと持ってきて。
(荒木)駄目だ。
それ以上肉入れんな。
何でよ?肉ほとんど入ってないじゃない!
(荒木)決められたカロリー超えるんだ。
はぁ!?
(敏子)給食では一人当たり640キロカロリーと決められてんの。
超えたら駄目なの?
(荒木)それが給食のルールだ。

(荒木)駄目だ。
勝手に材料減らすな。
だってねマイタケ入れると食感がちぐはぐになるの!
(荒木)組み合わせ変えるとビタミンB2の栄養素が欠けるんだ。
はぁ!?
(小松)12栄養素を決められた量取らなきゃいけないんだよ。
量まで決まってるの?
(日高)光子さんこれ見てないでしょ?嘘…。
こんなに細かく?
(荒木)それが給食のルールだ。
(日高)Yo!こんなに?こんなに細かく?
(小松・荒木)ルールだ。
給食の。
もういい!
(早紀)ああ!
(荒木)駄目だ!塩…。
(小松)入れちゃったよ…。
一握りよ。
(小松)いやいや北桜の塩まき並みに入れてたぞ。
(日高)一人当たりの塩分量はね2.5gなの。
2.5?
(荒木)それが給食の…。
(光子・荒木)ルールだ!ルールルールってどこの誰が決めたルールなのよ。
(小松)文部科学省が学校給食法で決めたルールだ。
でもこのままじゃまずいのよ!
(馬場)作り直してたらまた時間間に合わなくなりますよ。
(敏子)前回のこともあるし確実にPTAで問題になる!
(荒木)これ具材だけ取り出してスープ作り直しだ。
急げ!もう時間ねえぞ!
(一同)え〜?もう…。
(小松)余計な手間かけやがってもう!いくらルールだからってね客にまずいものを出しちゃ駄目でしょ!
(須藤)三ツ星シェフもルールの前ではお手上げですね。
(早紀)面白くなってきたんじゃない。
(女性)再開するのを待ちわびていたんです。
そしたらランチを始められるって聞いて駆け付けてきたんです。
(長沼)ありがとうございます。
(長沼)こちらがランチのメニューとなっております。
おいしいね。
イッツソーデリシャス。
(シェフ)シェフ。
エシャロットです。
(シェフ)シェフ。
ミニョネット。
(奥寺)骨デグラッセ
(シェフ)ウイシェフ。
(シェフ)シェフ。
キュイッソ見てください。
ヴィアンド。
そのまま10分休めて。
(シェフ)ウイシェフ。

(扉の開く音)
(篠田)お疲れさまです。
(一同)お疲れさまです。
(奥寺)お疲れさまです。
柿谷さまがうちのことを雑誌で取り上げてくれます。
来週にはテレビの取材を入れています。
よろしくお願いしますよ。
総料理長
はい。
(篠田)それと来月から席数を増やそうと考えています。
席数を?気まぐれに当日にメニューを変更するシェフはもういないんです。
事前に決められた食材を一括仕入れができます。
お客さまの数を増やせば増やすほど仕入れコストは下がり利益率が上がりますよ。

(扉の開く音)
(長沼)オーナー。
東都銀行の町田頭取夫妻がいらっしゃいます。
ああ。
よろしくお願いしますよ。
(町田)ランチを始められたと聞いてね。
妻がどうしても行きたいって言いだして。
(町田の妻)ディナーだと予約が全然取れないでしょう?ラ・レーヌでランチなんてうれしいわ。
ありがとうございます。
(町田)オーナー。
色々大変でしたね。
(篠田)新しいシェフの下再出発しますので今後ともよろしくお願いいたします。
(長沼)こちらがランチのメニューでございます。
(町田)私はスズキのポワレを頂くよ。
(町田の妻)あら。
神戸牛のアントルコートのロティトリュフ風味はないの?
(篠田)あれは…。
食材の仕入れが困難でございまして。
(町田の妻)残念ねぇ…。
あの料理は星野シェフでしか作れないのよね。
食べたかったわ。
(町田)だよねぇ。
私の料理はいつだって最高においしいのよ。
(馬場)ビデオ撮ったんだ?残せるものなら残してごらんなさい。
私が作った最高の料理。
(児童)こんなの食べたことない。
まずーい。
(児童)激まず。
(敏子)テレビ出てると衣装代や化粧品代がやたらかさむわ〜。
(小松)かっぽう着にマスクでろくに顔なんて映ってねえよ!
(敏子)4秒映ってたわよ!そうそう聞いた?新しく調理補助の女性が来るんだって。
(小松)かわいげのないおばさんは1人でじゅうぶんだ!
(馬場)また1から教えるんですか?俺絶対嫌だね。
(敏子)私だって嫌よ!
(日高)俺は…顔によっては考えます。
(荒木)みんないいか?新しく調理補助の方が来てくれることになった。
高山晴子です。
よろしくお願いします。
彼女な東政大の大学生だ。
(敏子)こんな若い子初めてじゃない?
(小松)おばさんじゃない…。
(馬場)しかもカワイイ。
(小松)バカ。
カワイイなんていうレベルじゃないよ。
(馬場)目の横幅と目と目の間の幅の比率が111。
(馬場)まさに美人の黄金比率だ。
(日高)こんにちは日高です。
何か困ったことがあったら全部僕に言ってください。
ありがとうございます。
よろしくお願いします。
まずい。
(荒木)誰か彼女に手順を教えてやってくれないか。
(小松)俺やります。
俺!やっぱりこれまずい!
(日高)光子さん今ね給食の話じゃなくて誰がはるちゃんの教育係になるか考えてるんですよ。
(敏子)今さりげなくあだ名付けたね?ねえ。
せめてメニューを考えさせて。
だから…。
メニュー決めんのは俺だ。
お前は俺が決めたレシピどおり作ればいいんだ。
言われたとおりに作ったらまずかったじゃない。
まずいか?私の料理がまずいなんてテレビで放送されるわけにはいかないのよ。
(晴子)フッ…。
おやおや?まさかとは思うけどあなた今笑った?はい。
子供は正直だなぁと思って。
何が正直なのよ。
まずいもんはまずいんですよ。
誰?あなたに子供の給食なんて作れるわけがない。
まさかとは思うけど何であなたみたいながきに私が言われなきゃいけないの?
(馬場)顔に似合わず意外と毒舌。
(日高)このギャップがたまらん!
(小松)はるちゃんの言うとおりだ。
お前には無理だ!私は三ツ星のシェフ。
(小松)その三ツ星シェフがルール無視して好き勝手作った給食を子供たちはまずいと言ってたじゃないか。
あれは私の料理のレベルが高過ぎたの。
世界最高峰の料理に小学生がついてこられるわけがない。
クリスティアーノ・ロナウドには少年サッカーのゴールは狭過ぎた。
お前な少年サッカーだって手使ってゴールしたらルール違反で得点認めらんねえだろ。
うまいって言わせたきゃルールの中でやんだ。
(荒木)これから片付けの時間なんだ。
よかったら見学してかないか?
(晴子)はい。
(日高)そうだ今日さはるちゃんの歓迎会やらない?
(小松)いいねぇ!
(敏子)荒木さんの空揚げ食べたいなぁ。
仕方ない作ってやるよ。
(馬場)荒木さんは元居酒屋店主なんですよ。
(日高)そうなんだよ。
さあはるちゃんこっち。
こっち来てこっち。
(馬場・日高)さあさあさあ。
さあ。
テレビ見たよ。
あらそう。
(児童)面白かったよ!よかったね。
(児童)お母ちゃん笑ってたよ。
お母ちゃんによろしくね。
(金沢)星野光子シェフ。
どなた?
(金沢)ミッシェル・ブランショ広告宣伝部の金沢勝と申します。
ミッシェル・ブランショってあのフランスのファッションブランド?少しお時間よろしいでしょうか?
(秘書)うちの金沢は星野シェフの作品にとても魅了されています。
作品?到着いたしました。
どうぞ。
(金沢)パリの本社からの要請で当社ではブランドイメージ向上のためにこの本社ビルの最上階にフレンチレストランをオープンすることになりました。
お客さまはお買い物された後に当社のエスプリを反映した最高の料理も楽しんでいただけるわけです。
オープンは1カ月後を予定しています。
あのスターシェフフレディック・ショパンと交渉していたんですがパリの別のレストランに引き抜かれてしまいまして。
フレディックなら修業時代一緒でした。
確かに腕はいい。
でも…シェフ・ド・パルティになるのは私の方が早かった。
ウイ。
あなたの作る料理が素晴らしいのは知っております。
一度ラ・キュイジーヌ・ドゥ・ラ・レーヌで食べました。
最高においしかった。
ああ…その言葉久しぶりに聞いたわ。
実はこのレストランのシェフをあなたにお願いできないかと思っております。
シェフ?私に?ウイ。

(ドアを開ける音)ああ…。
うわ〜…。
私もテレビのお仕事もあって色々忙しいんですけれどもそこまで熱心に言ってくださるのにその気持ちをむげにしたら女が廃るわ。
オファーお受けします。
ああいやいや…。
私は星野シェフにお願いしたいと思っているのですがうちの社長が例の食中毒騒ぎで難色を示しておりまして。
あれはでたらめなんです!しかし世界中でニュースになりましたから。
ハァ…。
じゃあどうすればいいの。
星野シェフは今テレビで給食作りをやってらっしゃいますよね?ええ。
うちの社長があの番組を好きで見ております。
星野シェフが作る給食を子供たちがおいしいと言う姿がテレビで放送されれば社長を説得できると思うのですが。
分かりました。
必ず子供たちにおいしいと言わせてみせます。
ダッコー。
決められたレシピ。
《メニュー決めんのは俺だ》限られた予算内での食材。
《一人分の給食のコストは240円だ》決められたカロリーと栄養素。
(敏子)《一人当たり640キロカロリーと決められてんの》
(小松)《12栄養素を決められた量取らなきゃいけないんだよ》そして塩分。
(日高)《一人当たりの塩分量はね2.5gなの》徹底した衛生管理。
(馬場)《衛生管理上給食では前日調理は禁止されています》それに限られた時間と労働力。
(荒木)《決められた時間で324食を仕込む》《それが給食のルールだ》《それが給食のルールだ。
ルールだ》痛っ!
(子供たち)すいません!あっ!この前のおばさん。
あらあらあら。
こんな時間まで元気があっていいわね。
(子供)あのおばさんただ者じゃないぞ。
(子供)くるぞ。
(子供)あの距離から打ってくるぞ。
ふんっ!ああ!ゴールは狭い。
でも絶対決めてみせる。

(小松)《12栄養素を決められた量取らなきゃいけないんだよ》
(荒木)《それが給食のルールだ》
(日高)《一人当たりの塩分量はね2.5gなの》
(荒木)《それが給食のルールだ》
(荒木)《決められた時間で324食を仕込む》《それが給食のルールだ》
(金沢)《星野シェフが作る給食を子供たちがおいしいと言う姿がテレビで放送されれば社長を説得できると思うのですが》
(荒木)駄目だ!ざるのまま運ぶな。
一滴も駄目なの?
(荒木)それが給食のルールだ。
肉もっと持ってきて。
(荒木)駄目だ。
(荒木)それ以上肉入れんな。
何でよ?
(荒木)それが給食のルールだ。
(荒木)駄目だ塩入れんな!
(小松)入れちゃったよ…。
いくらルールだからってね客にまずいもの出しちゃ駄目でしょ!
(男性)さすがの星野シェフも細かく決められた給食作りのルールに戸惑うばかり。
(須藤)ねぇハロウィーンやんか。
何であんなんはやってんの?
(女性)お疲れさまでした。
(一同)お疲れさまです。
(須藤)ハロウィーンがまったく…あれがはやる意味が分からんねんな。
クリスマスでええやん。
ねえ?
(・『ラジオ体操第一』)
(小松)はるちゃん。
重いもんは持たなくていいから。
元力士の俺に任せてよ。
ねっ?
(日高)来る途中にね君に似合う花を見つけたんだよ。
どうぞ。
(馬場)今度ぜひ熱狂と興奮のるつぼにご招待します!
(敏子)ねえ星野さんいつもより激しくない?
(・『スリラー』)はるちゃん重いもんは…。
フォー!はるちゃん。
(馬場)絶対興奮する。
(荒木)えー今日のメニューは…。
今日から給食をおいしくするから。
まだそんなこと言ってんのかよ!給食はルールを守って作ればいいんだよ!そのルールを守って最高においしいと言わせてみせる。
今日のメニューはメーンにハヤシライス。
サブに白菜とゴボウのマヨネーズ和えよね?これが今日するべきこと。
メーンのハヤシライスは牛筋からフォンを作る。
赤ワインでマリネして臭みを取ってから軟らかくなるまで弱火で3時間煮込む。
だしがきいていると決められた少ない塩分でもじゅうぶんおいしく調理できる。
ルーもバターと小麦粉で1から作る。
肉は炒める前に下味として赤ワインと米粉を加える。
仕上げのとろみにはココナツミルク米粉を混ぜ合わせるとコクが出て…。
サブの白菜とゴボウのマヨネーズ和え。
野菜は絶対手切り。
料理によって切り方を変えるから。
ゴボウは子供が食べやすいように繊維に沿ってささがき。
ニンジンは軟らかくなるように繊維を切る。
白菜は炒める前に下ゆですることで水っぽくならない。
あっ包丁使い分けるからマイ包丁セットよろしく。
駄目だ。
ルール守ってねえじゃん。
守ってるわ。
カロリー栄養塩分予算。
全部ルールどおり。
(荒木)時間だ。
こんだけ手間かけたら12時に間に合うわけねえだろ。
間に合わないなら早く始めればいいじゃない。
あしたから作業の開始を2時間早めます。
(敏子)2時間!?
(日高)えっ6時ってこと?やるわけねえだろ!6時なんて朝稽古だってまだ始まってないよ。
(馬場)早朝手当も出ないのに。
(敏子)手間をかけた分洗いもんだって増えんのよ!ちょっと待って。
全ての肉や魚に下味を付けたらもっとおいしくなる。
6時じゃなくて5時スタート。
早くなってどうすんだよ。
(荒木)いいかげんにしろお前。
ここはレストランじゃないんだぞ。
そんな手間かけてどうすんだよ。
おいしいものを作るのに手間がかかるのは当たり前。
俺たち給食作ってるんだぞ。
給食ならおいしくなくてもいいわけ?私はおいしい給食が作りたい。
何よ?おいしい料理を作るためならあなたは何を犠牲にしたっていいんですか?当然。
料理人ならおいしいものを作るために一切手を抜いてはいけない。
(早紀)あの子もなかなか面白い素材ね。
さあやりましょう。
急がないと間に合わないわよ。
今日もいつもどおりやるぞ。
(一同)はい。
へーい。
おや?
(小松)はるちゃんすんごい。
(馬場)私たちが教えることは…なさそうですね。
(日高)料理学校とか通ってたの?
(晴子)子供のころからずっとやってたんです。
(敏子)お母さんを手伝っていたの?
(晴子)物心ついたときから母はいなくて父と2人だったんで。
だから小学生ぐらいから家のご飯は私が作ってたんです。
(小松)荒木さんとこと同じシングルファーザーの家庭だったんだ。
(荒木)何かバイト始めたのもできるかぎり大学の学費で負担かけたくないからだそうだ。
(小松)泣ける!
(日高)何ていい子なんだよもう。
(馬場)間違いなくいいお嫁さんになる!
(敏子)何か話でき過ぎてない?
(小松)バカ!見ろよ。
あのよどみのない瞳。
やっぱりまずい。
(晴子)私は普通においしいと思います。
普通においしいって何よ。
それはつまり誰にでも作れるおいしさってことでしょ?
(晴子)おいしさってただ味だけが問題じゃないと思いますけど。
はぁ?
(晴子)友達と一緒に楽しく食べる。
それが給食のおいしさなんじゃないんですか?やっぱり!
(馬場)残食量は平均値ですよ。
(敏子)子供は好き嫌いが激しいのよ。
これはねうちだけじゃないんだよ。
まずいから残してるのよ?
(小松)またそれかよ。
この食べ残しを見て何とも思わないわけ?
(荒木)俺たちはルールにのっとって給食作ってんだ。
やりたきゃ1人でやれ。
(早紀)星野シェフ。
そう何もかも急に変えようとしないでできることからやっていきましょう。
(須藤)この企画評判なんすよ。
そういうわけにはいかないの。
ここで成功しないと次には行かれないの。
次?
(小松)何なんだよ星野のやつ。
あのおいしさへの執着尋常じゃない。
(馬場)あれはいわばおいしい依存症です。
あんなに手間かけられるわけないじゃん!
(荒木)よーしできたぞ。
(一同)おっ!いただきます!
(小松)いただきます。
(日高)熱っ!
(荒木)気を付けろよ。
(日高)あっちっち。
(馬場)最高においしい!そりゃなぁ半日かけて漬け込んで揚げ方だって手間暇かけてっからな。
下ごしらえのポイントはしょうゆにパイナップルジュース。
揚げるときは二度揚げ。
何度も聞きましたよ。
荒木さんの空揚げを超える空揚げを私は食べたことがありません。
普通の空揚げとは全然違うよね。
(小松)あれ…。
誰かそんなこと言ってなかったっけ。
(一同)あっ。
バカ野郎お前ら。
ルールのある給食作ってんのと違うんだよ。
バカ野郎。
(日高)俺のはるちゃん遅いな…。

(馬場)《衛生管理上給食では前日調理は禁止されています》
(荒木)《こんだけ手間かけたら12時に間に合うわけねえだろ》《俺たちはルールにのっとって給食作ってんだ》《やりたきゃ1人でやれ》おはよう!
(一同)おはようございます!
(児童)今日の給食ってさんまの生姜煮だよね?そうだよ。
(児童)あれまずいよね。
(児童)変なにおいがするんだよ。
(児童)ていうか骨が食べづらい!荒木さん。
荒木さん。
おはようございます。
(荒木)おはよう。
(児童)おばちゃんおはよう。
(児童)おばちゃん今日の給食ってさんま?
(敏子)さんま。
(一同)うえ〜。
うわ〜最悪!
(児童)テンション下がる!食べる気しない!
(小松)あっはるちゃん早いね。
(日高)どうしたの?
(小松)あっ。
あらあらあら皆さんおはよう。
(日高)えっ?今日のメニューをおいしくするための下ごしらえは全部終わっています。
衛生管理も問題ないわ。
早く来て下ごしらえするために納品時間を早めてもらったの。
(敏子)全部1人で?そうよ。
だってやりたきゃ1人でやれって言ったから全部1人でやりました。
(日高)機械も使わず全部包丁で?当然です。
(小松)あっ…えっ?これさんま三百…これって…全部1人で?修業時代はね睡眠時間3時間。
あとはずーっと立ちっぱなしで下ごしらえ。
それが365日何年も続いた。
だから私体力には自信があるの。
後はあなたたちいつもどおりの作業してくれれば構わないから。
お茶してきます。
すいません。

(荒木)よし。
やるぞ。
(一同)はい。
はーいセビアン!切り干し大根完成。
(日高・光子)セビアン。
具沢山けんちん汁完成。
(日高)フゥ〜!セビアン。
みかんゼリーも完成。
(小松)鶏肉アレルギーなので食べられません。
メーンのさんまの生姜煮も完成です。
(荒木)よし。
さんまも配缶するぞ。
(日高)はい。
(聡美)校長。
検食お願いします。
(玉枝)今日はさんまの生姜煮なのね。
(玉枝)いただきます。

(児童)あ〜…今日さんまだ。
(児童)これまずいよなぁ。
(児童)先生さんま嫌だ!
(聡美)そんなこと言わないの!いつものさんまだと思ったら大間違いよ。
(児童)どう見たって普通のさんまじゃん!
(児童)そうだよ絶対おいしくない!
(一同)そうだよ〜…。
絶対おいしくない!残せるものなら残してごらんなさい。
私が作った最高においしい料理。
(聡美)じゃあいただきます。
(一同)いただきます。
はーい召し上がれ。
(児童)こんな料理食べたことない!おいしい!
(児童)いつものさんまじゃない!そうでしょそうでしょ?
(児童)おいしい!骨まで軟らかい。
(児童)全然臭くない。
(一同)おいしーい!子供が魚を嫌いな理由は生臭さと骨のせい。
だから生姜とネギの頭と一緒に煮てですね。
みんなおいしいね!今説明中だから。
今説明…。
(一同)おいしい!おいしい!ヤバい!
(須藤)さすがっすね星野シェフ。
須藤ちゃん。
何やってんの。
(須藤)須藤ちゃん?ここはアップでしょ。
アップ。
アップ違う。
こっちこっち。
あおらないで。
はいみんな。
おいしい?
(一同)おいしい!笑顔〜!さんまの生姜煮子供たちがおいしいって言ってる。
(日高)これ初めてのことだね。
みんな笑ってる。
(馬場)ああ。
テカってない?テカってない?大丈夫?次の教室行こう!次の教室。
はいこっちです。
どうぞ。
はい須藤ちゃん遅い遅い。
(須藤)須藤ちゃん…はい。
(一同)おいしい!
(児童)先生!軟らかくておいしい!わ〜よかった!よくかんで食べるんだよ。
(須藤)僕らもすいません。
いただきます。
(一同)いただきます。
(男性)うんま!
(須藤)うまっ!うまっ…。
(日高)ホントうまいねこれ。
いつもと全然違うわ。
ここまで味が変わるんですね。
(敏子)もし給食残ったら私が全部食べる。
さんまちょうだい?
(男性)さんま駄目ですよ!もしもし。
いつものさんまだと思ったら大間違いよ。
(児童)こんな料理食べたことない!おいしい!
(一同)おいしい!・
(ドアの開く音)
(長沼)オーナー。
失礼します。
CNBテレビの矢口さまがいらっしゃいました。
(篠田)分かった。
(長沼)矢口さまお入りください。
どうぞ。
(篠田)番組楽しく拝見してますよ。
(早紀)ありがとうございます。
どうぞ。
おかげさまでこちらにいた星野シェフの出演しているコーナーは視聴率20%を超えてるんです。
今までとは勝手の違う厳しいルールの中給食作りに奮闘している彼女の姿が視聴者の共感を呼んでるんです。
それはよかった。
星野シェフは給食というフィールドが合ってると思いますよ。
私もできれば人気コーナーですので長く星野シェフには給食作りに関わってもらいたいんですがこのままでは難しいかもしれません。
どういうことですか?彼女フレンチ業界に復帰するかもしれないんです。
私はこの業界にそれなりのネットワークを持っています。
彼女を雇うなどという話は聞いてませんよ。
ミッシェル・ブランショ
あのフランスのファッションブランドが丸の内の自社ビルにフレンチレストランをオープンすることはご存じですか?シェフはフレディック・ショパンのはずだ。
彼はパリの他の店に引き抜かれたんです。
そこで新しいシェフを探してるらしいですよ。
わぁ…。
社長は星野シェフに興味を持っております。
あとは最高の料理で説得してください。
望むところです。
(金沢)依頼された食材は全て揃いました。
何を作るかは星野シェフの自由です。
大リーグ養成ギプスを外すってこういう感じなのね。
何ですか?えっ?音楽かけて。
・ウイシェフ。
柿エプルーシェ。
(シェフ)ウイシェフ。
アスペルジュソテー。
ウイシェフ!ノン!セビアン。
アントレはフォアグラのポワレ柿のサラダ仕立て。
ポタージュはパリソワール。
ポワソンは鯖とトマトのアンクルート。
ヴィアンドは仔羊のロティ。
デセールは洋ナシのクルスティアン。
(社長)最高においしい。
メルシーボークー。
(一同)素晴らしい。
最高です。
ああ…ありがとうございます。
星野シェフ。
後日会議で決定することなのですがいいお返事ができると思います。
よろしくお願いします。
(金沢・光子)ダッコー。
はいみんな。
おいしい?
(一同)おいしい!
(男性)さすが天下の三ツ星シェフ。
(男性)給食という細かくルールが決められた味だけを追求することができない料理。

(馬場)星野さんが1人で全ての下ごしらえ始めて1週間残食量がいつもの半分になってます。
(小松)何かさテレビの放送あってから街で子供の食べもんなんだから手間かけなさいって主婦たちに怒られたんだよ。
(敏子)私も同じようなこと言われた。
星野さんに協力してあげたら?って。
俺もね付き合ってる14人に説教された。
「手抜きじゃね?」
(馬場)私も競艇場で真面目にやれって怒られました。
(小松)何かさあの女が正しくて俺たち悪者になってない?何言ってんだお前たち。
俺たちやるべきことやってんだ。
しょせんあいつは腰掛けだ。
ほっとけばいいんだ。
(チャイム)ああおいしかった〜。

(ドアの開く音)
(須藤)お疲れさまです〜。
どうぞ。
どうぞこちらどうぞ。
ちょっと汚い所で申し訳ない。
小汚いとこでね。
(金沢)失礼いたします。
(小松)どちらさま?
(須藤)こちらはねファッションブランドのミッシェル…ブ…。
(金沢)ミッシェル・ブランショ
(須藤)それです。
(金沢)金沢と申します。
(須藤)そうです。
星野さんにお話があるということで。
(金沢)このたび当社ではフレンチレストランをプロデュースするにあたり星野シェフと交渉させていただいておりました。
(敏子)えっ?
(晴子)あの人レストランに復帰するんですか?あっ食べちゃったの?
(金沢・光子)あっ!あ〜!星野シェフ。
はい。
正式にあなたにシェフをお願いすることが決定いたしました。
ありがとうございます。
(金沢)この前の試食会社長や重役一同あなたの料理を絶賛しておりました。
この後本社にて契約書を交わしていただきます。
あと開店準備等ございますのでできるだけ早く来ていただきたいのですが…。
あしたから伺います。
皆さん。
大変お世話に…なってませんね。
(小松)そ…そっかそっか…。
よかったよかった。
(馬場)星野さんは念願のレストラン復帰。
私たちも悪者扱いされなくて済む。
これはウインウインですね。
(日高)さみしいなぁ…。
でもはるちゃんいるからいいか。
(敏子)店に行くから安くしてよ。
(日高)そうだ荒木さん。
行きましょうよ。
バターと生クリームで味ごまかしてる料理なんて誰が食うかっつうんだよ。
三ツ星取っちゃったら予約取れなくなるので早くいらした方がいいですよ。
着替えてきまーす。
外でお待ちしております。
(須藤)お願いします!ちょっとホントにいい絵を撮りたいんですよ。
お願いします!皆さん見送りにいらしてます。
それでは皆さん。
(金沢)いや〜社長や重役たち星野シェフの料理を食べてから毎日のように言っております。
「最高においしかった」「あんな最高なものは食べたことがない」と。
私も何度も聞いています。
最高だったって。
(児童)おばちゃん。
今日の給食もおいしかったよ。
(児童)うん。
おいしかった。
(一同)おいしかったよね!やっとあなたたちも本当の味が…。
(児童)ねえ今日さコンビニでウマチキ食って帰ろうぜ。
あれ最高にうまいよな!
(児童)ウマチキ最高!ウマチキ?
(一同)ウマチキ最高!最高?《おいしい!》
(一同)《おいしい!》
(金沢)《最高においしかった》
(社長)《最高においしい》
(男性)《最高においしい》《ああありがとうございます》《最高においしいです》星野シェフ?どうされました?
(秘書)シェフ?そうだった…。
何かが足りないと思ってたのよね。
足りない?そちらのレストランに行く話はなかったことにしてください。
へっ?レストランに行くのを見合わせます。
えっ?
(金沢)どうして…えっ?ねえねえねえねえ。
今日の給食どうだった?
(児童)おいしかったよ。
(児童)うん。
おいしかった。
(児童)おいしかったおいしかった。
(児童)行こう。
(一同)うん。
行こう。
ほらね。
やっぱり足りない。
(金沢)いや…いやいや!あの…みんな「おいしい」「おいしいおいしい」って。
ねっ?そうよ。
みんな「おいしい」なのよ。
どうしてよ!私の料理はおいしいんじゃない。
最高においしいのよ!最高が足りない!え〜!?嘘?そこ引っ掛かる?バカだ…。
(早紀)星野光子。
想像を超える最高の素材ね。
ただのおいしいなんかで引き下がれない。
私の作った給食を最高においしいと言わせるまでここを辞めるわけにはいかないのよ!はいどいて。
はいどいて。
ウマチキって何?2016/10/20(木) 22:00〜22:54
関西テレビ
木曜劇場>Chef 〜三ツ星の給食〜 #02[字][デ]【天才シェフvs給食鬼ルール】

陰謀で店を追われ、給食に再就職した天才シェフ・星野光子は給食の細かいルールに苦しむ。その彼女に外資から料理長就任話が舞い込むが、復職の条件がまさかの…

詳細情報
番組内容
三つ葉小学校の給食事務エリアで「調理前ミーティング」が行われていた。荒木(遠藤憲一)から献立について聞かされた光子(天海祐希)は、全然、ワクワクしない、と不満を口にした。荒木は、ワクワクで胸を膨らませることよりも、腹を膨らませることを考えろと一喝する。そこから「食材の検品」「洗浄」「切裁」と下準備が始まった。徹底された衛生管理の下、厳格なルールに従い行われていくことに光子はとまどうが、荒木や調理師
番組内容2
補助の小松(荒川良々)らは黙々とこなしていく。いざ「調理」となった時、肉が少ないと思った光子が肉を追加しようとするが、荒木に肉はもう無いと言われる。一食640キロカロリーという規定があり、それを超えてはいけないため、使う量きっちりしか発注していないのだ。光子は野菜の組み合わせを減らしたり、塩を加えようとするが、ことごとく制止されてしまう。そんな光子を、早紀(友近)は面白がるように見つめていた。
番組内容3
一方「ラ・キュイジーヌ・ドゥ・ラ・レーヌ」の厨房では、奥寺(豊原功補)が中心となって動いていた。そこへ来た篠田(小泉孝太郎)は、席数を増やそうと思っていると満足気に話した。昼時となり、できあがった給食を光子らが食べていた。ルール通りだがおいしいとは言えない給食に、光子はため息をつく。そこへ、新しい調理補助として晴子(川口春奈)が入ってくる。光子は晴子を一瞥(いちべつ)するも、まるで興味を示さず…。
出演者
天海祐希 
小泉孝太郎 
川口春奈 
荒川良々 
池田成志 
市川しんぺー 
伊藤修子
 ・ 
豊原功補
 ・ 
友近 
遠藤憲一 


スタッフ
【脚本】
浜田秀哉(『ナオミとカナコ』、『ラストホープ』他) 

【演出】
平野眞(『5→9 〜私に恋したお坊さん〜』、『HERO』他) 
田中亮(『ラスト・シンデレラ』、『オトナ女子』他) 
森脇智延(『HERO』、『医龍−Team Medical Dragon−』他) 

【プロデュース】
長部聡介(『離婚弁護士』、『医龍−Team Medical Dragon−』他)
スタッフ2
高田雄貴(『OUR HOUSE』、『テディ・ゴー!』他) 

【主題歌】
松任谷由実「Smile for me」(EMI Records/ユニバーサルミュージック) 

【制作】
フジテレビ