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地上波テレビの字幕を全文書き起こします

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字幕書き起こし バカリズム脚本『黒い十人の女』「愛人たちの晩餐会」 2016.10.20

(風)おはよう。
(久未)おはよう。
朝ごはん食べるでしょ?うん。
もうすぐ出来るからそこ座ってて。
は〜い。
(風・久未)いただきます。
あ…今日田舎味噌だね。
はい。
忘れ物ない?大丈夫。
忘れ物!ん?行ってきます。
行ってらっしゃい。
《一見幸せな夫婦の朝っぽいけど…》ド不倫なんだよな〜。
十股不倫プロデューサー風松吉
残る愛人は3人。
今日新たな愛人が!
渦巻く女の情念と策略
完全にロックオンされた。
そして今宵愛人たちが一堂に会しついに何かが炸裂する!

(佳代)大丈夫あとは楽しもう!あ佳代さんなんかドラマから花来てましたね。
あ〜本当?出るんすか?うん。
今度撮影があるんだ。
へ〜。
まあ断ってもよかったんだけどさそこのスタッフさんとのつながりもあって友情出演的な感じで。
そうなんすね。
うん。
脚本家も知り合いだからさ付き合いで。
え…すごいっすね。
いやすごくないよ別に。
テレビドラマに出たくて女優やってるわけじゃないからさ。
またまた。
放送日わかったら教えてくださいね。
うん。
あ…お花来てますね。
(美羽)あうん。
一応出てもらうからね。
じゃあ私とじゃなくて風さんと来たほうがよかったんじゃないですか?風さんと来ちゃったら後で楽屋行くの気まずいでしょ。
あそっか。
佳代さんも久未ちゃんとおいでって言ってたし。
そうですね…。
《いよいよ妹分的な扱いになってきたな》
(火山)いや今度温泉行こうって話してて。
いいねぇ。
いくつなの?その子。
22歳。
くっくく…。
若いねどうにも。
大丈夫なのか?奥さん。
まあうちはしっかり働いてお金さえ入れれば後は用なしなんで。
そんなことはないだろ?いやいやそんなもんでしょう。
風さんとこは?えうち?うちは…まあ同じようなもんかな。
でしょ?ハハッ。
ハッハハ…。
あれ!もうこんな時間だよ。
行かなきゃ俺。
(志乃)美羽さんも愛人?うそ…何それ。
(夢)こないだ顔合わせの後さ2人が話してるところにたまたま通りがかったの。
うん。
最初仕事の話かなと思ったんだけどどうもそんな空気じゃなくて気になって盗み聞きしたのね。
うん。
そしたらさ…。
そういえばさ…この前奥さんに会ってきたよえっ?愛人私だけにしたら?そうしたら文句言わないから
(夢)だからこの間志乃ちゃんにやめた方がいいって言ったのは…。
志乃ちゃん気を付けてね!風さんに奥さんがいるの知ってるでしょ?えっ?私は志乃ちゃんの味方だから言ってるんだからね
(夢)志乃ちゃんのためじゃなくて自分のためだったんだよ。
最悪…何あのばばあ!ねえ夢さん私どうしたらいいかな。
ん〜まずは志乃ちゃん自身がどうしたいかじゃない?浦上さんと風さんどっち選ぶのか。
(浦上)ありがとうンフッ会いたかった〜!うわ俺も!
(志乃)ん〜。
ん〜。
回想
(美羽)他にも男いるよ。
うそでしょ!?ほんと。
誰?風さん。
風さんって…。
うちのプロデューサー。
(浦上)マジか!
(美羽)マジ。
不倫。
不倫…。
たぶん浦上君と出会う前からだと思う。
風さんとは1年前のドラマで知り合ってるからそこら辺からじゃないかな。
なんだよそれ。
あでも責めないであげて。
え?あの子ずっと悩んでたんだと思う。
そんなときに浦上君と出会ってさ今そこから少しずつ健全な恋愛に向かって進み始めてる状態なんだと思う。
いやいや…進み始めてるってさ…。
確かに風さんへの未練はまだ残ってるのかもしれないけどそれはさ浦上君がまだ志乃ちゃんを掴みきれてないからじゃないかな?いやちょっと待って。
俺のせいなの?浦上君がちゃんと気持ちを伝えれば志乃ちゃんも風さんのこと忘れるんじゃないかな。
なにそれ。
今はまだ揺れてる状態だけどさ本当に浦上君のこと好きだと思うよ。
だから浦上君が不倫をやめさせて幸せにしてあげてよ。
それが出来るのは浦上君しかいないって思うからさ。
現在実際浦上さんとはどうなの?なんかね最近浦上さんとよく会っててちょっとずついいなぁって思うようになってはいたの。
うんうん。
優しいし一緒にいて楽しいしこのまま浦上さんと付き合おうかなとも思ったんだけどなんかね…よくわかんないんだけどね。
夢さんも愛人だって聞いたときもちろんショックだったんだけどそれで嫌いになるどころか逆に風さんへの気持ちがわ〜って復活してきてさ。
なるほど。
完全に風さんになっちゃったの。
うん。
でさらに顔合わせで久しぶりに会ったら…。
志乃ちゃんえ?頑張ってねはいっじゃ!やっぱりいいなぁってなっちゃって…。
そっか〜。
ごめんね。
ううん謝ることじゃないよ。
正直に話してくれてありがとう。
ぶっちゃけさ私もそういうところがあって。
え?そうなの?うん。
私も最初はショックだったし「何よあの男最悪」とか思ってたんだけど。
うんうん。
別れる気持ちよりもなんかこう余計に独り占めしたいっていう気持ちが強くなっちゃってさ。
夢さんもなんだ…何なんだろうね。
ん〜なんかめんどくさいね。
うん。
こういうのって私あまり観たことないんですけど上演時間3時間半って普通なんですか?いや長いね。
ですよね。
どんなお話なんですかね?私もよくわかんないけどチラシを見る限り本人たちの自己満足の世界をひたすら見せられる3時間半だと思うよ。
うわあ…。
だってほら…。
いかにもヤバそうじゃん。
確かに。
これはただ訳がわからないものを芸術!とか言って逃げてるタイプの典型だね。
へ〜。
何なら理解しない方の責任にしちゃう一番ダメなやつ。
なるほど…。
おそらく終わった後楽屋に行ったら佳代さん自身はやりきったっていう顔で「どうだった?」って聞いてくると思うの。
もちろんそれは「さあ褒めて」ってことね。
え〜どうしよう。
まあその時の為に褒めるところを探しながら観とくといいかもね〜。
はい。
大丈夫かな〜。
まあ「独特ですね」とか言っとけば喜ぶんじゃ。
独特ですね?そう。
こういう人って他とは違うのよっていう意識が異常に高いから変わった舞台っていうニュアンスの言葉100%褒め言葉として解釈すんのよバカみたいに。
なるほど…。
あこれ佳代さんに言わないでね。
はい。
まあ佳代さん自体は悪い人じゃないからさ。
《出た。
散々悪口言った後の悪い人ではないという謎のフォロー。
いるんだよなこういうタイプ》ここでいい?
(夏希)うんうんうん。
あれ?なんだ来てたのか。
あ…はい。
《うわ!気まずい気まずい気まずい》ていうか…2人知り合いなの?ああの…共通の知り合いがいてね。
あ〜あそっかそっか。
《それで納得しちゃうんだ》お疲れ様です。
お疲れ様です。
食べる?
(夏希)あありがとう。
どう?あすいません。
ありがとうございます。
《この状況でよく普通にしてられるな…》美羽さんさ雑誌に売ったりとかしないよね。
さすがにそれは出来ないんじゃない。
この前みたいにあくまでもスタッフの立場から説得してくるんじゃない。
なるほど。
たださそれの何が厄介かって…。
うん。
あの人が不倫してることは置いといて言ってること自体はドラマのAPとしては完全に正論なんだよね。
確かに。
連絡先聞いてきたのもそのためだろうし。
なるほど。
あとは食事とかに誘ってそこで色々言ってくんじゃない?味方のふりして。
うざっ。
ていうかさこっちも知ってるんだってこと早くわからせたいよね。
あとはどこのタイミングで突きつけるかなんだよね。
そうだね。
一応さ仕事上は良い関係でいなきゃいけないじゃん。
ん〜良い関係でいられるかな〜。
もう大っ嫌いだもんな。
すでに関係は崩壊してんだけどね。
はっはっはっはっは!は〜はっはっはっは!崩壊よ!何もかも崩壊よ!あっはっはっはっは!・何てことをしてくれたんだ!・あっはっはっはっは!あっそれは!やるのか!まさかあれをやるのか!あぁ!やめろ〜!長かったね…。
4時間弱ありました。
長っ。
挨拶行きます?そうだね。
どうでした?内容。
クソつまんなかった。
私もです。
あまりにもひどかったから寝ちゃいたかったんだけどさキャストの人たちの声が無駄に大きいから寝ることもできなくて拷問だよね。
きつかったですね。
あすいません。
如野さんにご挨拶させて頂きたいんですけど。
あどうぞ。
はい。
佳代さん佳代さん!お客様です!はいはい。
あ入ってもらって。
どうぞ。
失礼します。
お疲れ様ですお疲れ様です。
あ〜来てくれてありがとう。
《本当だ。
やり切った顔してる》あこれよかったら皆さんでどうぞ。
え〜。
そんな気ぃつかわなくていいのに〜。
いえいえ。
ありがとう〜え〜。
あ…ケーキなんで。
あのダメです。
よっちゃ〜ん。
よっちゃん。
よっちゃん!・はい!・これ頂いたから冷蔵庫入れといて。
ありがとうございます!!
(劇団員達)ありがとうございます!!どうぞ〜座って座って。
すいません。
どうだった?《きた》すっごい良かったです。
お話もなんですけど佳代さんの存在が際立ってて。
《まああんな衣装着てたら嫌でも存在感出るけど》ほんと?自分じゃわかんないんだけどね。
あの役は佳代さんにしか無理ですね。
《あんな恥ずかしい役誰にも出来ない》え〜うれしい。
久未ちゃんもありがとうね。
あいえこちらこそ。
どうだった?《きた》あの…なんていうかすごい独特で…。
あほんと?《あ目が輝いた》はい。
今まで見たことがないものを見た感覚ですごい面白かったです。
そっかそっか。
自分ではそんな独特なことやってるっていうつもりはないんだけどね。
《嘘つけ必死だろ》唯一無二ですね。
そうかなぁ。
はい。
あたぶん他の方いらっしゃると思うから私たちはこの辺で。
そうだね。
そう?ほんとありがとうね。
いえいえ。
連絡しますまた。
うんまたゆっくり。
ありがとうございました。
は〜い。
お疲れ様です。
失礼します。
(劇団員達)ありがとうございました!ふう…帰ろっか。
はい。
おうもう終わったの?はい私たちは。
本人いる?中に。
はい。
そっかそっか。
じゃあまたね。
はい。
お疲れ様です。
どうもお疲れ様。
あ〜ら来てくれたんだありがとう。
え〜夏希ちゃんもありがとう。
お疲れ様です。
次のドラマのプロデューサーの風さんと脚本家の皐山さん。
はいどうもお疲れ様でした。
お疲れ様でした〜。
あ〜これこれこれ。
ありがとう〜。
座って座って。
差し入れ頂いたから。
(劇団員達)ありがとうございます!はいどうも。
どうだった?なんか全然よくわかんなかった。
ん〜割と難しいお話だし結構芸術よりだからわかんない人にはわかんないかもね〜。
夏希ちゃんどうだった?いやもうホ〜ントに独特な世界観でした。
そう?いやもう存在感がホントにもう。
自分じゃわかんないんだよね〜。
あんな衣装着てたらね嫌でも存在感出るよね。
(笑い)まあ役者が衣装選ぶっていうか衣装が役者を選ぶ…。
ご飯食べに行こっか?あはい。
(美羽)なんか疲れたね。
4時間ですもんね。
(美羽)佳代さんやり切った顔してたでしょ?はい。
笑っちゃいそうになりました。
風さんもすごいよね。
はっきりわかんないって言ったもんね。
まあ風さんらしいですけどね。
佳代さんもすぐさま芸術っていう言葉出したもんね。
出しましたね。
あそういえば横にいた女の人って?あ〜あの子は脚本家の皐山夏希。
あ今度のドラマの?そうそうそう。
で愛人。
やっぱり。
あの子もそのうち引き摺り下ろさなきゃだね。
そうですね。
ちなみに相葉志乃ちゃんはもう時間の問題かな。
え?そうなんですか?前にあの子もう1人男がいるって話したじゃん?あはい。
その人が私が知ってるディレクターで。
え〜。
この間局でばったり会ってお茶してそこで志乃ちゃんのこと話したの。
え?《こわ》要するにあんたがしっかり捕まえてないからこういう事になっちゃってるんだよ〜みたいな言い方で。
なるほど…。
だから彼がうまいこと引っ張ってくれればとりあえず1人は脱落だよね。
そうですね…。
(美羽)まあ実際あの子のためにも不倫なんかするよりその人と付き合って健全な恋愛をした方が絶対に幸せなはずだからさ。
そうですね。
《それは全員に言えるんだけど》そうだ。
志乃ちゃんも呼ぼうよ。
えっ?来ますかね。
どうかなぁ。
でもうちらが風さんの愛人っていうことは知らないだろうから空いてれば来るんじゃない?♪〜
(電話の待受曲)は〜い失礼します…。
美羽さん?すっごいタイミング。
夢さん。
ん?一緒に行ってもらえない?もちろん。
ほんと?うん。
だってこれは私にも関わってくることだし。
そっか。
私さぁ同じ愛人同士でもあの女だけは絶対許さない。
私も。
(夏美)なんかすごいことになってきてる〜。
(秋子)なになに…?一連の愛人騒動にさらなる動き。
そうなんだ。
私なんかもうややこしすぎてよくわかんなくなって…。
(春江)私も結構前から見失ってる。
大丈夫私が説明するから。
え?全部把握してんの?うん。
メモってる。
(秋子)マジで?
(春江)えっすごい。
待ってすごい。
やばい!あもしもし?さっきありがとう。
今日もう終わり?いやよかったらご飯でもどうかな〜と思って。
うんあもちろん皐山さんも一緒で構わないから。
あ〜ごめ〜ん。
この後さ予定入っちゃってんだよね。
うん…え?皐山先生?…はどうかなぁ。
この後の予定わかんないけど。
うん。
今度必ず時間作るからさ。
うんは〜い。
はいは〜い。
如野さん?うん。
なんかねこの後僕たちと一緒に食事に行きたかったらしいんだけどさもう行かなきゃいけないからね俺…。
え?もう帰っちゃうの?そうごめん。
え〜もう一緒にご飯食べようと思ってお腹すかせてたのに〜。
あ〜そうだったの?ごめんごめん…。
今度さすっごいおいしいとこ連れてくからねっ。
もう…絶対よ。
絶対絶対…。
(携帯のバイブ音)あなんだ?うわっちょっとごめん。
何どうしたの?ええ!?皐山先生?いやそ…わかったわかった…ちょっと待って。
如野さんがかわってって。
は?私?あ…私がどういう立場でいればいいですかね?あそうね〜。
私は一応部外者だから込み入った話に参加するには理由がないとおかしいですよね。
まあ風さんの知人ってことでいいんじゃない?知人?そう風さんを知ってる立場としてやめたほうがいいって話をすれば。
なるほど。
そこで10股だっていうことを教えてあげてとどめ刺そう。
そうですね。
《大丈夫かな。
この前の佳代さんと美羽さんの時みたいなことにならなきゃいいけど…》《さすがにああはならないか》
(夢)ここだね。
(志乃)うん。
大丈夫。
私がついてるから。
ありがとう。
あの女絶対潰そ。
うん潰す。
《私たちはこれから2人がかりで1人の若い女優の恋を邪魔しようとしている》《さも味方のような顔で》《本当にこれでいいのだろうか》《果たしてこんな卑怯な私たちが彼女よりも愛される資格があるのだろうか》《いやそもそもこれは不倫であり愛される資格は誰にもない》《てことは私たちが引き摺り下ろす行為はむしろ正義!あれ?どっちだ》《もうよくわからなくなって…》こんばんは!ビックリしてる。
こんばんは!ビックリしてる。
《え?なんで?》回想風さんもいないのに無理やり誘っちゃってごめんね。
あ〜いえいえ…。
なんかねこれからお世話になる脚本家さんだし率直な感想聞きたいなぁと思って。
あもちろん他にもいろいろお話ししてみたいし。
ごめんね。
迷惑じゃなかった?いや…そんな全然。
よかったよかった。
ここなんだけど安くて美味しいから劇団の子達とねよく…。
あら?こんばんは!こんばんは…。
女優の如野佳代です。
覚えてます?この間顔合わせで…。
ああ…!はい。
脚本の皐山夏希さん。
あどうも。
お疲れ様です。
お疲れ様です。
今度のドラマよろしくね。
はいこちらこそお願いします。
これから2人でお食事?あはい…APさんに誘われて。
APさんって美羽ちゃん?あはい。
弥上さんに。
そうなんだ!?美羽ちゃんね私もお友達なのよ。
そうなんですか?うん!ちょうどあの…私の舞台をさっき観に来てくれてその帰りじゃないかな。
へ〜。
なんだ誘えばよかった〜。
じゃみんなで一緒にご飯食べようよ。
え?そう…ですね。
ね夏希ちゃんもその方が良くない?そうですね〜。
ね。
淡男チームだし決起集会も兼ねて。
ん?あわおとこ?あ『淡い三人の男』略して「淡男」。
ああ〜。
(夏希・志乃・夢)《ダサッ》現在そうだったんですね。
《佳代さんもう仲良くなったの?》聞いてみたら美羽ちゃんたちもいるっていうからさ。
あ〜。
せっかくだからみんなで一緒にご飯食べようよ。
ね。
そうですね…。
《マジで?》すいませ〜ん。
(店員)はい。
先ほど予約した如野ですけど人数増えたんで移動していいですか?
(店員)はい何名様ですか?え〜と6人です。
ここと合流します。
6名様ですね。
かしこまりました。
あそうだ。
個室お願いできます?すみません当店には個室は…。
あれ?なかったっけ?え〜あったと思ったんだけどな。
個室ないけど大丈夫?あ…はい。
じゃああれじゃない?ここで…。
急にまた声が大きい。
声がさっきから大きさ変ですよ。
えそう?あごめんごめん。
《うわこれは予想外の展開。
どうなるんだろ?》
(夏美)とりあえずざっくり説明すると…。
せっかくだから乾杯しよう。
みんなで。
ね乾杯。
(夏美)まず舞台女優の佳代さん。
女優の如野佳代です。
(夏美)この人がどうやら最初の愛人ぽいね。
うちのお店にも来たことあるよね?
(春江)うん見たことある。
美羽さんと久未ちゃんとお友達で他の愛人とも仲良くしたいと思ってる変わった人だね。
(春江・秋子)へ〜。
そしてドラマAPの美羽さん。
弥上美羽ですAPやってます。
(夏美)この人はおそらくニ番目の愛人だと思う。
佳代さんとは真逆で他の愛人を減らしたいと思ってて今は相葉志乃ちゃんを引き摺り下ろそうとしてるっぽい。
うちによく来る人だよね。
志乃ちゃんを呼び出したのこの人?
(夏美)そう!そして受付嬢の久未ちゃん。
神田久未です受付嬢やってます。
(夏美)本当は最近新しい彼氏作って不倫をやめようとしたんだけど失敗しちゃって。
・うわ〜・
(夏美)結局まだ抜け出せないでいる子だね。
・かわいそう〜・
(夏美)佳代さんと美羽さんに可愛がられてるけど本人は渋々ついてってる感じだね。
その人が一番まともっぽくない?
(春江)確かに確かに。
(夏美)そして若手女優の相葉志乃ちゃん。
女優やってます相葉志乃です。
(夏美)この子も最近彼氏ができそうな感じなんだけど友達でメイクの夢さんも愛人同士だってことを知ってなぜかまた不倫の方に戻りつつあるの。
(秋子)えっえっ意味わかんない。
(夏美)ちなみに美羽さんも愛人だって事はさっき夢さんから知らされたみたい。
そうなんだきっつ〜。
(夏美)そしてそのメイクの夢さん。
ヘアメイクをやってます。
水川夢です。
(夏美)仲良しで友達の志乃ちゃんも愛人同士だってことを知ってショックを受けたけど友情は壊れてなくてむしろ志乃ちゃんの味方になってるみたいだね。
(春江・秋子)へ〜。
そして脚本家の夏希さん。
脚本とか書いてます。
皐山夏希ですよろしくお願いします。
(夏美)この人はこの店に来たことがないからわかんないけど美羽さんにはあんまりよく思われてないっぽいね。
(秋子)そうなんだ。
(夏美)とりあえず今わかってるのはこの6人でここにさらに3人の愛人と奥さんがいる状態だね。
え〜すご〜い。
ドラマでもありえないよね。
ちなみに久未ちゃん以外の5人はこれから始まるドラマに何かしらで関わってんの。
マジ?それ。
(夏美)やばくない?その現場。
(秋子)やばい。
ドラマより裏の人間関係の方が面白〜い。
ちなみになんてドラマ?確か『淡い三人の男』だった気がする。
(秋子)ふ〜ん。
こっちなんて10人もいるからね。
黒い十人の女?あそれいいねドラマになりそう。
(夏美)人が多すぎてドラマにならなさそう。
ややこしすぎるかな。
(夏美)うん絶対視聴者ついていけない。
確かに。
ていうかさぁこんだけの人数の女を転がすってどんだけイケメンなんだろうね。
よっぽどじゃない?ハンパないよね。
いいなぁ不倫でもいいからそんなイケメンと出会いた〜い。
(ドアが開く音)
(ドアが開く音)
(真衣)お待たせ。
僕も今来たとこ。
(真衣)ホント?…というメンバーでみんな淡男チームなの。
あわおとこ?『淡い三人の男』略して「淡男」ね。
あ〜。
《ダサッ》《ていうかさすがにこの状況だと志乃ちゃんにあの話はできないよね美羽さん》《例の件はお預けか…命拾いしたな嘘つきババア!》《あ〜帰りたい》そしてここにいる全員が風松吉の愛人。
(美羽)ちょ佳代さん。
ね?美羽ちゃんいやいやそういう事じゃなくて。
大丈夫大丈夫ここは私に任せて。
《え何考えてんのこの人?》《ていうか夢さんもなんだ…》え…何言ってるんですか?たぶん知らなかった人もいると思うからちゃんと説明するね。
プロデューサーの風松吉には9人の愛人がいます。
《はあああ!?》《9人!?》《野球かよ》《このババア何がしたいの?》…てことは奥さん合わせて10股ね。
そのうちの6人がここにいます。
《ああ美羽さんの計画が…》まあみんな恋敵っていうことになるんだけど私としてはここでお互いに敵対心を持つっていうのは違うと思う。
だってみんな不倫したくてしてるわけじゃないわけだしましてや自分の他に9人もいるなんて知らなかったわけだから。
そうでしょ?むしろ私たちは被害者同士なの。
悪いのは風松吉。
憎むならあの男を憎むべき。
おいしい?ううん。
君の方がずっとおいしい。
もしくはあんな男に惚れた愚かな自分。
《お前が一番愚かだろ!》もし今ここで「私おります」っていう人がいたらそれはそれで応援するよ。
だってそっちの方が絶対幸せに決まってるもん。
だけどたぶんここにいるみんなはなかなかそうもいかないんじゃないかな。
だったら敵対心持つより仲良くしたほうが幸せじゃない?ねえ?美羽ちゃん。
さっきから何言ってんの?何が?佳代さん何がしたいの?何がしたいって仲良くしたいのみんなと。
なれるわけないでしょ?そもそも何でみんなと仲良くしなきゃいけないの?《本当それ》だってそっちのほうが何かと都合がよくない?《どんな都合だよ》あのすいません。
はい。
私もちょっと言いたいことがあるんですけど。
どうぞ。
美羽さん。
《来た》夢さん私が言う。
大丈夫?うん。
自分で言いたい。
美羽さんどういうことですか?よく私にあんなこと言えましたね。
《そうなるよね》あんなこと?自分は味方だとかバレたら女優さんとして傷ついちゃうからとか言って自分だって不倫してたんじゃないですか同じ人と!味方だから言ったんじゃなくって敵だから蹴落とそうとしてただけでしょ?《美羽さんピーンチ。
さあどうする》それは違うよ。
何が違うんですか?だってさ志乃ちゃんの不倫がバレたら女優さんとして傷がつくのは本当のことでしょ?《やはりそこを攻めるか》志乃ちゃんはうちらと違って女優さんでしょ?表の人でしょ?まあ一応私もだけどね。
黙ってて。
(美羽)志乃ちゃんはうちらとリスクの大きさが全然違うの。
志乃ちゃんだけじゃなくて志乃ちゃんの事務所にもダメージがあるしこれから始まるドラマだってもしかすると打ち切りになるかもしれないでしょ。
《ここだけは正論だもんね》でもそれは私だけじゃなくて風さんだって立場的にリスクはあるでしょ?てことは誰が相手でもバレたらドラマは打ち切りになるんじゃないですか?そうかもしれないけど志乃ちゃんの場合それだけじゃすまないでしょ。
志乃ちゃんはうちらと違って商品なの。
ちょっとした傷でも志乃ちゃんの商品価値が下がっちゃうの。
私はそれを心配してるの。
一応私も商品だけど…。
黙ってろ中古品!ちゅっ…!
(美羽)私も同じことをしていたとか黙っていたのは悪いけど志乃ちゃんがやめたほうがいいっていうのは風さんの愛人としてじゃなくてドラマスタッフとしての意見。
志乃ちゃんの味方として本当に思っているからそこだけはわかってほしい。
《かなり苦しいけど何とか切り抜けられるか…》美羽さん。
嘘つかないでくださいよ。
え?嘘つかないでくださいよ。
嘘じゃないけど。
(夢)この前顔合わせの後風さんと話してましたよね。
顔あわせ?
(夢)私偶然あそこに居合わせて2人の会話聞いちゃったんです。
え?夫婦仲は邪魔しない代わりに愛人は自分だけにしてくれって風さんに詰め寄ってましたよね?《なにそれ汚っ!》
(夢)確かに美羽さんの言ってる事は正論です。
だけど美羽さんはそれを言える立場じゃないし自分のことを隠して言うってことは結局蹴落としたいだけじゃないんですか?《やっぱりこの人怖い…》まあまあ夢ちゃんもそんな怖い顔しないで。
好きな男を独占したいっていう気持ちは誰にでもあるわけだからさ。
それがちょっと行き過ぎちゃったってだけだからさ。
それもこれも悪いのは風という男なの。
こんなところでいがみあったって仕方ないんだしさ。
はっタクシーとめようタクシー。
そうね。
わぁちょうど来た!タクシー!イエーイ!タクシー!イエーイ!あれ?空車じゃないのにとまんないよ。
な〜んで!?当たり前だよ〜。
志乃ちゃんもショックなのはわかるけどそのショックの原因は風だから。
ねっ!美羽ちゃんのこと嫌いにならないであげて。
ねっ!《原因は風さんだけど油注いだのはお前だからな》
(夏希)…げんにしてよ。
え?いい加減にしてよ!!どうしたの?みんな別れてよお!9股か10股かは知らないけど本命は私なの!まー坊は私と付き合ってんの!横から入ってきて邪魔しないでよお!いや夏希ちゃんそもそもここにいる全員横からだから。
ねっしかもあんた付き合ったのここ2〜3年でしょ?中でも結構横からだから。
ねっ!知らね〜よ!ていうか何なのさっきからおばさん!なんであんたが偉そうに仕切ってんのよ!本妻みたいな顔して!はあ?別にしてないでしょ!そんな顔!《あこれまずい流れ》してんじゃん!悪いのは風とか憎むなら風とかそんなこと言うんだったら別れればいいでしょ?なんで別れないのよ気持ち悪い!気持ち悪い!?別れる別れないは私の自由でしょ!自由じゃね〜よ!目障りなんだよババア!ババアだぁ?ババアだぁてめ〜図に乗んのもいい加減にしろよ!うるせぇっ!あんなクソつまんね〜オナニー芝居見せたあげくこんな場所に集めやがって!そっちこそ何様なんだよ!オナニー芝居だあ!?お前みたいなガキにあの芝居の良さがわかってたまるか!誰にもわかんね〜よあんなクソ芝居!毎回クソ滑ってるくせにどうせ客のせいにして身内で褒めあって満足してんだろ!このオナニー劇団「ガマン汁」が〜!!ガマン汁だぁ!?佳代さん!佳代さん!《あんかけはまずい》あんかけは…反則だろうが〜っ!知らねえよそんなルールよっ!そもそもこんなところに集めて仕切って何がしたいんだよ!?先輩づらしたいだけでしょ!?そんなことする暇があったら家で台本でも読んでろよ!セリフのひとつでも覚えろよ!私が寝ないで書いたセリフなんだからよお〜っ!!お〜ぼえたくてもなあ!ほとんどセリフがねえ役なんだよぉ〜っ!読み込むほどねえんだよこっちは!おう!言ってやろうか!えっあたしのセリフ言ってやろうか!「いらっしゃいませ!お客様何名様ですか?こちらへどうぞ!」以上。
私のセリフ以上!ほら!覚えてるよ!5秒で覚えたわ!悔しかったらもっとセリフ与えてみろ!えっほらっ!どうした!もうおわりか!えっ!もっと覚えらんないぐらいセリフを与えてみろよ!よっ!!セリフをよぉ…。
セリフを〜!セリフを〜!!セリフを…。
《論点は完全にずれてるけどなんていうかこの人の悲しさに比べれば…とみんなが思ったと思う》
(店員)♪〜ハッピーバースデートゥーユー
(店員たち)♪〜ハッピーバースデートゥーユー
(店員たち)♪〜ハッピーバースデーディア
(店員)♪〜夏希さん
(店員たち)♪〜ハッピーバースデートゥーユー
(店員)おめでとうございま〜す!えっと夏希さんはどちらに…。
あ夏希さんおめでとうございます。
(拍手)
(店員)おめでとうございま〜す!
(拍手)
(拍手)
(店員)おめでとうございま〜す!
(拍手)ありがとうございます。
佳代さんがセッティングしたんですか?フェイスブック
今日はありがとう。
楽しかった。
俺も。
おやすみなさい。
おやすみ。
おほっ…。
ただいま〜。
(火山)おっおかえり。
遅かったね。
うんちょっと大学時代の友達とご飯食べてて。
(火山)う〜ん。
ただいま〜。
(火山)おっおかえり。
遅かったね。
うんちょっと大学時代の友達とご飯食べてて。
(火山)う〜ん。

(彩乃)ええ?そんなことになってたんだ。
地獄絵図だったよ。
(彩乃)うわぁ…お疲れ様。
(穂花)なんか久未もかわいそうだけどさ私だんだん佳代さんって人もかわいそうに思えてきた。
だよね!人生であんかけまみれになることなんてそうそうないもんね。
その前はカフェオレも浴びてるしね。
だよね…。
カフェラテじゃなかった?え?カフェオレじゃない?カフェラテ。
そっか。
まあダメージは一緒だよね。
あ〜なんかもう色々ありすぎて疲れた。
(彩乃)まあそりゃ疲れるよね。
(穂花)いろんなことに巻き込まれすぎだよ。
うん…。
なんかさすがに今日のでもういいかなあって思えてきた。
不倫?うん。
久未にはもっといい相手いるよ。
ていうかこのやりとり何回目?5〜6回目かな。
ねえ彩乃。
何?あの〜またお願いします!あ合コン?いいよ。
(穂花・久未)あざ〜す!お前もか!このやりとり2回目ね。
今度は独身でお願いします。
(彩乃)もちろんそこはちゃ〜んと確認します。
私はどっちでも大丈夫だよ。
(久未・彩乃)つよっ。
《こうして私は不倫という絶望の螺旋を降りることを決意した》ちなみにこの宣言も2回目。
(浦上)風さん。
おぉ〜浦上君久しぶりだな。
(浦上)お疲れ様です。
うん。
(浦上)ちょっとお話がありまして。
話?俺に?ええ。
ここじゃあれなんで…。
2016/10/20(木) 23:59〜00:54
読売テレビ
バカリズム脚本『黒い十人の女』「愛人たちの晩餐会」[字][デ]

主演・船越英一郎、脚本・バカリズムでお送りする、史上最大の不倫劇!豪華女優陣が本気でぶつかり合う!衝撃の「不倫コメディ」!愛人集結で壮絶修羅場!

詳細情報
出演者
船越英一郎
成海璃子
トリンドル玲奈
佐藤仁美
  
佐野ひなこ
MEGUMI
平山あや
白羽ゆり
水上剣星
ちすん
新田祐里子

若村麻由美(特別出演)

水野美紀
番組内容
風(船越英一郎)には妻のほかに、なんと9人の愛人がいた。そんな9人の愛人のうち6人が、ついに集結!自分以外にも愛人がいる事、しかも9人いる事を知った愛人達の嫉妬と怒りが爆発する!互いを罵り合う女達がぶっかけ合うのは、とうとう水にとどまらず驚きの展開に…そんな愛人達の激しい争いを全く知らない風は、別の美女と会っていた。そう、またもや新たな愛人が発覚!そして、その愛人はなんと…衝撃の新事実も明らかに!
原作・脚本
【原作】
和田夏十(映画『黒い十人の女市川崑監督)
【脚本】
バカリズム
監督・演出
【演出】
瑠東東一郎
音楽
兼松衆
【主題歌】
「愛/憎」CIVILIA
おしらせ
【番組公式Twitter】
https://twitter.com/ytvdrama #黒い十人の女

【番組公式LINE】
ID:@kuro10
番組ホームページ
【番組公式サイト】
http://www.ytv.co.jp/kuro10/