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地上波テレビの字幕を全文書き起こします

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字幕書き起こし 戦争と平和(6) 2016.10.30

ターシャは結婚を約束したアンドレイと会えず寂しさを募らせていた。
そこに彼女を誘惑する男性が現れる
(アナトール)本当にかわいい。

新たな恋をしたナターシャは駆け落ちを企てるが…

失敗に終わる
(泣き声)
その事実を知ったアンドレイは…
(アンドレイ)僕は許せない。
許す気もない。
ターシャはアンドレイから別れを告げられたのだった

(メチヴィエ)気を強く持って。
(伯爵夫人)いつになったらあの子は元に戻るのかしら?
(ロストフ伯爵)医者は「体は回復してきてる」って言ってる。
でもあれじゃ魂の抜け殻よ。
本も手にしない。
しゃべらない。
歌わない…。
ピエールが来ると元気になるが…。
あんな冷たい男との婚約を許すんじゃなかった。
その気にさせておいて1年間もほったらかすなんて。
裏切るようにしむけたようなものよ。
あああなた。
快活なあの子はどこへ行ったの?ウン…。

(ナターシャ)ハァ…神様どうかお導きを。
よりよい人生を送れるように。
(大歓声)
(将兵たち)陛下万歳!陛下万歳!
(ナポレオン)川の向こうはロシアだ。
ついに時は来た。
進軍の合図を。

(ロシア皇帝)今回の平和条約の不履行は断じて許されない!
(一同)そのとおりです!ロシアからフランス兵を全員引き揚げさせないかぎり和解はしない。
ドルベツコイ。
(ボリス)フン…。
(ロシア皇帝)ここへ。
この親書をナポレオンへ届けよ。
ハァ…ハッ。
身に余る光栄に存じます陛下。
ナポレオンに伝えろ。
一兵でもロシアに残れば和解しないと。
さあ行け。
道中無事で。

(フランス兵)ここでお待ちを。
(ナポレオン)ムッシュー・ドルベツコイ。
私は陛下への親書を…。
余は戦いなど望んだこともない。
余につけばモルダヴィアとワラキアを得られたものを。
ロシア皇帝自身が招いたのだ。
この戦いをな。
しかもロシア軍の士気は低い。
アッ…いえそんな。
その逆で…。
反論するな。
余は知っている。
ロシア軍の惨めな現状も。
兵力は20万。
こちらはその3倍だ。
フランス軍がネマン川の対岸へと引けば交渉に応じます。
いやもう遅い。
遅すぎる。
ロシアは余が頂く。
だが気にするな。
君のせいじゃない。
皇帝には親書を返す。
(側近)皇帝陛下に耳を引っ張られることは大いなる名誉と考えられております。
フン…。
それは…どうも。
まったく。
また戦争だ。
ナポレオンがネマン川を渡りスモレンスクへ向かって進軍中だと。
あああなた…。
(ロストフ伯爵)大丈夫だよ。
モスクワにたどりつけるはずがない。
でもニコライが…。
(ロストフ伯爵)もうベテラン将校だ。
自分の面倒は自分で見られる。
ハァ…。
希望を捨てず祈るのみだ。
(ペーチャ)僕も入隊したい。
絶対に駄目!許しませんよ。
まだ15なのに。
友達はみんな志願してる!入隊させてくれないなら家出して自力で入隊する!ああ…。
いいんじゃないか。
認めてやったほうが。
あなた!どこへ入るかさえこっちで考えてやれば。
危なくない所に。
ああ…。
安全な所なんてある?ウン…。
(アンドレイ)ああチホン。
久しぶり。
調子は?
(チホン)うまくいっております。
(ブリエンヌ)お着きになるのを今か今かとお待ちしていました。
どうぞお入りになって。
ここは君の館か?いいえそんな…。
君がここの女主人か?いいえ私は…。
父とマリアと息子はどこだ?
(ブリエンヌ)中であなた様をお待ちです。
アァ…。
(ニコーレンカ)パパ!パパ!ああ…。
(マリア)アァ…。
元気か?マリア。
また戦争へ行ってしまうの?遊んでおいで。
ほかに道はない。
フランス軍が迫ってきている。
ここで一緒に暮らしてほしい。
ニコーレンカだってかわいそう。
でもしかたないだろう。
息子の飲み込みは早いですか?先生。
(デサール)早いです。
まだ幼いですが既に数学の才能の片鱗が感じられる。
(ボルコンスキイ公爵)ああハハッ。
叔母のマリアとは大違い!ハハッ。
時間をかけて代数や幾何を分からせようとしたが無駄だった。
このぼんやりした頭ではな!私たち女には高尚な学問は向いていないけれど違った種類の知恵が備わっているんです。
ハハハハッ。
どういう知恵だ?それは私から申し上げることではありませんでしょう?フフフフッ…。
お前はまた今日もあの巡礼者どもをもてなしていたな。
皆さんいい人たちです。
お前に取り入ればいい思いができると知っとるからだ。
ハッ…。
なんでそうだまされやすいんだ!ウン…。
よく分かっとるよ。
お前の言いたいことは。
マリアに優しくせねばとは思うがあのバカみたいに信心深いのを見るとつい腹が立つ。
いつもぼんやりしとるしな。
目に涙をためて。
どうしてああいつも陰気なんだ。
その点フフッ…ブリエンヌはしっかりしとる。
ハハッ…。
いい女だとは思わんか?ん?聞かれたから言います。
これは言うつもりなかったけど。
お父さんの態度はむごすぎる。
マリアはお父さんを愛し敬っているのに。
僕に言わせればお父さんとマリアの間を裂いているのはあのフランス女だ。
あんな女は横に置いとくべきじゃない。
ああ。
今のがお前の本音なのか?批判するつもりはないけど聞かれたので。
でも間違っていないはず。
貴様…よくも!出て行け!出て行け!お前の顔なんぞもう2度と見たくない!ハァ…。
ハァ…。
お願い。
アンドレイを見送って。
・誰がそんなこと!うせろ!でも戦場へ行くのよ。
これが最後かもしれない。
それは誰のせいだ!?お前がたきつけてケンカさせたくせに!ハァ…。

(マリア)ハァ…。
フーン…。
行かないで済むならいいのに。
いやむしろありがたい。
お前も出て行ければ。
なぜそんなことを言うの?兄さんは戦場へ行くしお父様はもう年よ。
もしかしたら…。
ひとつだけお願いを聞いて。
苦い気持ちを抱えていかないで。
許すことで真に幸せになれる。
許すのは女の美徳で僕には無理だ。
今度アナトール・クラーギンを見かけたら必ず殺す。
そうすれば心も安らぐかもな。

(ナターシャのハミングとピアノの音)
(ピエール)またちゃんとピアノを弾いてほしい。
歌も聴きたい。
アァ…歌いたいけど変な感じがするの。
うまく声が出てこなくて。
アァ…必ず治る。
ずっと伏せってたんだから焦らずに。
でもアンドレイに私…。
あいつは君を許すべきだった。
1年もほったらかして。
それに君はアナトールがどんな男か知らなかった。
君は1度過ちを犯した。
でも今までみんなを幸せにしてきたことを思えばそれが何だ!?僕を見てごらん。
僕なんか過ちだらけの人生だ。
そんなふうに思ってるの?そうとしか思えない。
僕はこの世界をよくしたかった。
同胞を助けたかった。
でも僕ときたら太った酔っ払いの貴族で何をやってもヘマばかり。
人生で成したことは1つもない!私にはいつも優しかった。
いやそれはただ僕が…。
何でもない。
あなたほど親切で私のことを分かってくれる人はいない。
あなたがいてくれなかったら私はどうなっていたか分からない。
だって…。
僕は君を…イヤいけない!いけないって何が?ナターシャもう…こんなにしょっちゅう会いに来るのはよすよ。
えっ!?なぜ?ハァ…それは…。
アァ…教えて!アァ…。
ハァ…。
(足音)フーン…。
ハァ…。
(ボルコンスキイ)まずは便箋を8帖。
この見本と同じものを。
必ずミンスキーのお店で買え。
それからワニスと封ろう。
ここに全部書いてある。
スモレンスクの知事によろしくな。
フランス軍がスモレンスクに迫ってる。
ここからすぐよ。
アンドレイの手紙を読んでないの?うるさい!邪魔をするな!早く行け!チホン。
チホン待って!知事に会ったら父が避難を拒んでいるけどどうすればいいか尋ねて。
それからここが安全なのはあと何日か?分かりました。
情勢を見てまいります。
早く戻ってきてね。
道中無事で!いやいやいやいや。
まさか。
ああまったく。
フランス軍がもうスモレンスクに?まさか。
そんなこと絶対にあるはずがない。
ウッ…ウウン。
ウウッ…。
ウン…。
アァ…クッ…。

(御者)ドーウ。

(男)おい急げ!時間がないぞ。

(女)違う。
そっちを先に積んで。

(男)分かった。
これだな?
(女)急いで!
(男)あとは馬だ。

(中佐)スモレンスクは落ちた。
避難しろ!早く!向きを変えておけ。

(宿屋の主人)ロシアはもう終わりだ!さあみんな持ってけ。
フランス軍には何も残すな!火をつけるのは俺がやる!チホン!?ここで何してる?旦那様がとどまると…。
すぐ逃げろと言え。
あと数日すればフランス軍が領地に現れる。
ただちに避難しろ。
お前もだ。
はい分かりました。
もう駄目なんですか?いいや。
でもお前は逃げろ。
急げ!逃げるものか!でも逃げろってアンドレイが…。
あの憎いフランス人のために家を捨てるのか?ありえん!最後まで領地を守り抜くぞ。
民兵たちを集めろ!上着をくれ。
違う!それじゃない。
正装の軍服だ!みんなもう逃げたから民兵は1人も残ってないの。
私を置いて逃げるはずがない!お前たちが逃げたいなら逃げるがいい!チホン!剣をくれ。
早く!早く!エッ…。
ウゥ…。
アァ…。
戦争に行くの?おじい様。
ハッ…。
そんな…。
早く!アァ…お父様…。
お父様…。
ああ…アッ…。
アッアッ…アッ。
ボグチャーロヴォへ運びましょう!
(あえぎ声)もうしばらくは安全のはずよ。
アァ…。
私は遠回りしていく。
この先に水浴びできる場所があるぞ。
(中佐)はい分かりました。
(笑い声)
(笑い声)・
(笑い声)
(笑い声)
(農民)アンドレイ様。
私の家族は?皆さん避難しました。
ならよかった。

(軍靴の音)ああ…。
アァ…。

(将校)何かお手伝いすることはありますか?大丈夫です。
ボグチャーロヴォへ行くところで。
すぐそこの。
おやめなさい。
フランス軍はあと2日で来る。
モスクワのほうが安全です。
ハァ…。

(ボルコンスキイのあえぎ声)・
(あえぎ声)ああ…。
アアアッ…。
アァ…。
ああ優しい…。
娘よ。
胸が痛む。
許してくれ。
もちろん許します。
アァ…。
ああ…。
アンドレイはどこだ…?会いたいなぁ。
無理よ。
遠くにいるから。
軍に入ってるでしょ。
ああ。
ロシアは負けた。
やつらに。
白い…あの…白い服…。
えっ?何?あれを着てみせてくれ…。
私が好きな…。
チホン…。
私は父の死を願ってた。
でも父は私を愛してくれてた…。
(マリア)愛してくれてた。
ハァ…。
ハァ…。
(マリア)埋葬したらすぐみんなを連れてモスクワへたつわ。
(ブリエンヌ)ホントにそれでいいの?ここに残ればフランス軍から丁重に扱われるはずよ。
父の館に敵が入るのを見たくないの。
(チホン)今よろしいですか?ええ何?民が「馬を出せない」と言っております。
ほらね?みんなもここに残ったほうがいいって思ってるのよ。
フランス軍は私たちを守ってくれる。
それが一番いいと思うの。
敵に守ってもらうぐらいならいっそ死んだほうがマシです!父の思い出への侮辱でもある。
チホンきっと何か誤解がある。
農民の代表を連れてきて。
今すぐ。
表でお嬢様を待っております。
ハァ…。
(マリア)どういうこと?ひどいわ。
不幸に更に追い打ちをかけるの?
(ドローン)ウン…それも神のご意志です。
今夜のうちに出発したいの。
遅くともあしたの朝には。
馬と馬車と荷物の用意を頼める?
(村人)そりゃ無理だ。
馬は1頭もいません。
いないはずがないでしょう。
一体どういうこと?
(ドローン)天罰ですよお嬢様。
ほとんどの馬は陸軍に持ってかれた。
残った馬もやる餌が何もないから…。
(チホン)ウソだ!こいつらはフランス軍に下ったほうが得になるんじゃないかと踏んでるんですよ!
(マリア)誤解があるようだけど一緒に来れば住む所と食べるものは保証します。
でもここに残ったら敵に殺されるだけよ。
いや解放されて土地をもらえる。
あんたらが何をしてくれた!?よくも今そんなことを!父や兄がここにいたらそんな口はきけないでしょうに。
とにかく馬を用意して出発の準備をしなさい!ハァ…ハァ…。
(ニコライ)きれいな所だ。
飼い葉もあるだろう。
フランス軍が来る前に確保しよう。
(イリイン)かわいいかもね。
先頭の子は俺の。
ドウドウドウ。
どうしました?お嬢さん。
(カーチャ)どちらの連隊の方か名前をお聞きしたくお嬢様がお話をと。
伺おう。
パヴログラード軽騎兵連隊のイリイン。
こちらはロストフ伯爵だ。
喜んでお話を伺おう。
何という方だ?ボルコンスキイ公爵のご令嬢マリア様でございます。
公爵様が昨日亡くなりまして。
そこに民がつけ込み無理難題を。
気の毒に。
案内を頼む。
(足音)ご迷惑でしょうがお力を。
(ニコライ)彼らの振る舞いは言語道断。
お嬢様をお助けできて光栄です。
私どもの護衛でここからお連れいたしますのでどうぞご心配なさらずに。
ありがとうございます。

(アンナ)ワシーリイ様本当なの?スモレンスクは炎上しナポレオンがモスクワに来るとか。
(ワシーリイ公爵)いやモスクワに来る前に我が軍が止める。
それにサンクトペテルブルクはモスクワから遠い。
(アンナ)でも最悪の場合私たちはどうなるの?全員ギロチンに?いやナポレオンは敵に対して寛大な男だ。
とはいえフランス語に磨きをかけねばならんが。
ああビリービン面白い時代だよ。
(ビリービン)今夜はエレーヌ様は?ああいや…。
よそからのお招きがあってな。
(客間に流れる音楽)フン…。
エレーヌは今微妙な体調なんだ。
愛人は2人いるが夫は不在。
ベズーホフの子でないのは明らかだ。
どう切り抜けるか…。
(エレーヌ)結婚して。
あなただけのものにして。
(ドイツの王子)フン…。
無理だよ。
そうだろ?もう結婚してるのに。
それは名目だけよ。
夫とは…1度も…。
ウン…あからさまには言えない。
結婚を…無効にできるの?できるでしょ。
ピエールは私が頼めば何でもしてくれる。
逆らわない人だから。
私と結婚したいでしょう?アァ…そうだな。
ああもちろん。
ん〜。
すぐピエールに手紙を書く。
アァ…。
(カチーシ)まだそんなことしてたの?カードめくりなんて子供みたい。
自分の運命を決めようとしてるんだ。
戦争に行くつもりなんですって?そうしようかと思ってる。
あなたが?戦争を知らないくせに?だからこそ知りに行くんだ。

(ニコライの手紙)「父さん母さん。
そろそろモスクワを離れて下さい。
オトラードノエなら安全です。
僕は元気にしていますのでご安心を。
しばらく戦場には出ておらず連隊のために新しい馬を買い付けたりしています。
今いるのも美しい田舎で戦時中とは思えません」。
「少し前ですがボルコンスキイ公爵令嬢のマリアさんをお助けしました」。
あら!「領地がフランス軍の進む方向にありたまたま近くを通りかかった僕が令嬢を護衛して安全な場所へお連れしたところとても感謝されました」。
次は消されていて読めない。
「ご家族の皆さんによろしくとのお言葉をいただきました」。
(伯爵夫人)まあ!うまくいけば我が家の問題は解決するかも。
(ニコライの手紙)「僕はもうすぐヴォロネジに着きますが州知事ご夫妻からお招きを受けています。
父さん母さんと古いお知り合いだとかでお会いするのが楽しみです」。
州知事)やあ!「時の人」のご到着だ!よく来てくれたな。
さあ飲んでくれ。
(イリイン)ありがとうございます。
(娘たち)アハハッ。
上玉ばかりだ。
フフフッ…。
(館内に流れる音楽)
州知事夫人)やっとお会いできてうれしいわ。
僕もうれしいです。
アハッ…マリアさんを救出したのはあなたなんですって?ああちょうど通りかかってよかったです。
あなたにとても感謝してらしたわ。
マリアさんは今おば様とここヴォロネジにいるのよ。
ホントに?ええ本当よ。
あしたの朝お宅を訪ねてご挨拶してらっしゃい。
またお会いできるなんて。
ピッタリのお相手だわ。
取り持ってあげましょうか?フーン…何かと複雑でして…。
(足音)
(扉を開ける音)おいでです。
ウーン…ウフッ。
ウフフッ…。
ロストフ様。
お嬢様。
この街においでだと聞いてうれしかったです。
運命を感じますね。
ウフッ…ええ。
本当に。
ご家族の皆さんはお元気ですか?
(ニコライ)ええ元気です。
妹はずっと伏せっていたんですがよくなってきました。
どうぞお大事に。
私妹さんが大好きでまたぜひお会いしたいです。
ええぜひ。
人生には驚くようなことが起きますね。
ええ本当に。

(アナトール)いよいよ決戦だな。
もうすぐだ。

(クトゥーゾフ将軍)ああ!アンドレイ!とても光栄です。
また将軍と共に戦えて。
うれしいねぇ。
ハハハッ。
私も会えてうれしい。
父上は元気か?ああ亡くなったと昨日知らせが。
おお…それはお気の毒に。
父上を尊敬していた。
若い頃偉大な兵士でな。
そうだったか…。
戦場では隣にいてくれるのか?ありがたいお言葉。
でも自分の部隊を率いて前線で戦いたく…。
修羅場だぞ。
言われなくとも承知だろうが。
我々は恐らく2万人を失うだろう。
だがやつはもっとだ。
そして思い知る。
自分は無敵ではないと。
ここは我々の土地だ。
一戦も交えずしてモスクワへ入れるわけにはいかん。
ゆえに…ここで戦う。
ここで阻止する。
ボロジノで。
はい。
幸運を祈る。
また会えることも。
すみません。
ここの地名は?
(将校)ボルディノ…。
いやボロジノだ。
全員ロシア軍?そうだ。
あっちがフランス軍。
丘の上にたき火が見えるだろ?ところで君は…医者か何か?いや…違う。
僕は様子を見に来ただけで。

(歌声)・
(ドーロホフ)ベズーホフ伯爵!ドーロホフ。
ハッ…ハァ…。
ここで会えて本当によかったよ。
明日以降どちらが生きているかは神のみぞ知る。
仲たがいしたこと後悔してる。
ひどいことをしてしまった。
どうか許してほしい。
アッハァ…。
ハァ…。
ハァ…。
ハァ…。
(いななき)
(バケツにつまずく音)
(兵士)おい気をつけろ!申し訳ない。
ボルコンスキイ公爵は?あちらだ。
ピエール?こんな所に何しに来た?君に会いに!それにロシアのために僕にできることはないかと…。
おい勘弁してくれ。
血みどろの戦いが待ってるってときに君のお守りはできない。
いいか。
まだ間に合う。
このまますぐに家へ引き返すんだ。
イヤだ。
せっかく来たのに。
安心しろ。
君の邪魔はしないから。
アァ…分かった。
じゃあ入れ。
あしたは勝てるのか?食い止めることはできる。
その価値は勝利と同等。
皆の士気も高い。
今回は逃げ出すような兵士もいまい。
激戦になる。
やはりモスクワに戻ったほうがいいぞ。
イヤだ。
帰らないよ。
はるばる来たのに。
自分の目で見たい。
怖くないか?ちっとも。
死ぬときは死ぬんだ。
怖がって何になる?失うものもない。
僕も全く同じ気持ちでいる。
ターシャと会ってきたけどまだ君を愛してるし許してほしがってる。
もう終わったことだ。
2度と話題にするなと言ったはずだぞ。
アァ…。
領地に戻ってから来た。
果樹園を歩いていたらまだ幼い村の少女が2人実を取って食べてた。
僕を見て慌てたらしく笑いながら走って逃げていった。
「好きなだけお食べ」って言ってやりたかったな。
スカートをたくし上げて走るから白い足がキラキラとまぶしくてね…。
僕が愛したのは彼女の魂だ。
全て錯覚だったのか?あるとき彼女は僕に…森で会った老人の話をしてくれた。
親切な人だったと。
そのうれしさを僕に伝えようと必死に言葉を探していた。
結局言葉は見つからなかったけど…彼女の目を見れば分かった。
分かるよ。
僕は魂を愛したけど。
知ってる。
あのクラーギンのけだものは彼女をただの甘い肉体としか見なかった。
まあいい。
終わったことだ。
終わらせる必要ない。
もういい。
寝る時間だ。
あしたに備えて寝よう。
アンドレイ…。
もういい!
(ナポレオン)戦士諸君!いよいよだ。
戦いが始まる!アウステルリッツで戦ったように戦えば勝利は間違いない!
(将校)諸君の名はここボロジノで戦い勝利を収めた英雄の名として後世に残ることであろう!
(一同)陛下万歳!
(砲撃音)ハッハッハッ…。
(兵士)怖くないんですか?いや〜別に。
君は?怖いですよ。
死ぬかもしれないんだから。
ひるむな〜!
(中佐)危ない!伏せてください!伏せて!
(爆発音)
(ナポレオン)来たぞ。
モスクワだ。
ロシアの新しい夜明けだ。
本当に君なのか?ごめんなさい。
どうか私を許して。
全ては単純明快だ。
世界は愛されたがっている。
ああもうすぐお迎えが…。
2016/10/30(日) 23:00〜23:45
NHK総合1・神戸
戦争と平和(6)[二][字]

若者たちの愛と葛藤を描く大型歴史ドラマ。ナポレオン率いるフランス軍がロシアへの侵攻を開始し、アンドレイは再び戦地へ。ピエールはナターシャへの思いを強めていく。

詳細情報
番組内容
1812年。ナポレオン率いるフランス軍は和平を破り、ロシアへの侵攻を開始する。アンドレイは再び戦地に戻ることを決意。家族に別れを告げにいくが、父親と口論になってしまう。ナターシャはアンドレイとの婚約解消後、落ち込む日々が続いていた。ピエールはナターシャを励ますために何度も彼女の家を訪れるのが、次第にナターシャへの思いが抑えきれなくなっていく。
出演者
【出演】ジェームズ・ノートン間宮祥太朗ポール・ダノ加瀬康之リリー・ジェームズ坂本真綾,ジャック・ロウデン…小松史法,ジェシー・バックレイ…渋谷はるか,カラム・ターナー花輪英司ほか
原作・脚本
【原作】レフ・トルストイ,【脚本】アンドリュー・デイビス
監督・演出
【演出】トム・ハーパー
制作
〜イギリス BBCウェールズ制作〜