突然ですがこの世にはいくつの色が存在すると思いますか?
(取材者)へえ〜。
ここは日本一の品ぞろえを誇る画材の専門店。
ずらりと並ぶ8,000色の絵の具。
漫画に油絵模型にオモチャ。
あらゆる材料を求め1日4,000人以上が訪れる。
どうして人は何かを創りたくなるんだろう?この場所で72時間。
みんなの頭の中を少しだけのぞかせてもらおう。
秋の大型連休最終日。
こちらのビルが今回の舞台となる画材店。
早速入ってみよう。
色鉛筆の棚を眺めている女性。
(笑い声)えっ?え〜そうなんだ。
確かに目移りするほど多彩な品ぞろえ。
売り場は1階から5階まで。
上のフロアには更に本格的な画材も。
おっ外国人のおねえさん。
筆ペンに興味津々。
(笑い声)機能もデザインも豊富な日本の文具。
プレゼントやお土産にも人気らしい。
こちらにも外国の人。
NHKなんですけれども。
はい。
あれ?日本の漫画?へえ〜。
フランスから来て9年になる彼。
漫画を愛し過ぎて独学で練習中らしい。
なるほど。
夢はいつか「コミケ」で同人誌を売る事。
頑張って。
しゃがみ込んで熱心に商品を見つめる男性がいた。
最近怪獣フィギュアのデザイナーとして独立したばかり。
昔から大好きだったウルトラマンの世界をイメージしているそう。
お体の…?そうですね。
それで…あの〜まあ…怪獣は自由?はい。
つらい時を支えてくれたのは子どもの頃のワクワクした気持ち。
へえ〜。
(笑い声)額縁が並ぶフロアの一角。
店員と話し込む人がいた。
あっ作られるんですか?はい。
趣味の油絵を度々展覧会に出しているという女性。
でもここまで高価な額縁を注文するのは今回が初めてらしい。
なるほど。
へえ〜。
えっヘビメタ?へえ〜。
結婚して30年。
独特な感性を持つ旦那さんとの長〜い夫婦生活。
えっ奥様の?うん。
決意とともに作る額縁…。
これから先どんな絵を飾るんだろう?じゃあどうも。
ありがとうございました。
お元気で。
夜9時画材専門店の一日が終わった。
撮影2日目は朝から荒れた空もよう。
店の裏では商品の搬入が始まっていた。
油絵のキャンバスばかりが大量に。
あっ毎日。
並べられたそばから手に取る男性がいた。
こんにちは。
う〜ん…そうですねまあ…なるほど。
あっ飲食店。
店長さん…やきとり屋さんの。
仕事が終わり帰宅した深夜。
ふとキャンバスと向き合いたくなる時があるらしい。
(笑い声)だったんですけど…アイシー。
ヘンリー。
あっイエスイエスイエス。
サンキュー。
夜台風が関東に接近。
人が減り静かになった店内。
その片隅に仕事帰り風の男性がいた。
日本の伝統的な画材らしいけど…。
能面を彫ってる?等身大の能面?コンサルティングの仕事をしているという男性。
作品を車に乗せているというので見せてもらう事に。
ちゃんとつけれるようになるんですね。
始まりは5年前。
展覧会で見た能面になぜか心を奪われたという。
海外への出張も多いけどどこに行くにも肌身離さず持っていくらしい。
(笑い声)体の奥底から沸き上がるえたいの知れない衝動。
開店間もなく墨汁を探す男性がいた。
はい。
なるほど。
建設現場で働きながら20年ずっと抽象画を描き続けてきたという。
(笑い声)お金になればみんな協力して…。
嫌がられる事は承知で今日もこっそり買いに来た。
もやもやした物?もやもやした…。
そうなんですか?やめたくてもやめられない。
自分だけの自由な世界が待っている。
頑張って下さい。
ありがとうございます。
あ〜なるほど。
すごいですね。
2016/11/04(金) 22:50〜23:15
NHK総合1・神戸
ドキュメント72時間「夢みる巨大画材店」[字]
鉛筆から絵の具、コミック用品、彫刻まで。あらゆる画材が揃う巨大専門店が舞台。なぜ人は何かを表現したくなるのか、“無名の芸術家”たちの小宇宙を旅する3日間。
詳細情報
番組内容
日本一の品揃えを誇る、巨大画材店が舞台。1本50円の鉛筆から絵の具、コミック用品、彫刻まで。あらゆる画材がビルの5フロアを埋め尽くす店を、毎日4000人が訪れる。コミケで同人誌を売るのが夢というフランス人、デビューしたばかりの漫画家の卵、「家族には邪魔と言われるけど、描かずにはいられない」と話す男性…。なぜ人は何かを表現したくなるのか、頭の中の小宇宙を旅する3日間。
出演者
【語り】ムロツヨシ