（君枝）昨日昭一さんと話したの。
仕事は辞めてほしいって言われた。
（すみれ）君ちゃんがそう決めたならそれがええと思う。
頑張って早う元気になってね。
（明美）これでええの？え？ほんまにこれでええの？今日ね…。
（昭一）うん。
すみれちゃんと明美さんが来てくれたの。
ちゃんと伝えた。
お店にはもう戻らないって。
ああ…そっか。
（はな）
幸せの形はさまざまです。
だからこそ難しくもあるのです
・「『雨上がりの空に七色の虹が架かる』」・「ってそんなに単純じゃない」・「この夢想家でもそれくらい理解ってる」・「大量の防腐剤心の中に忍ばせる」・「晴れた時ばっかじゃない」・「湿った日が続いても腐らぬように」・「たとえば１００万回のうちたった一度ある奇跡」・「下を向いてばかりいたら見逃してしまうだろう」・「さぁ空に架かる虹を今日も信じ」・「歩き続けよう」・「優しすぎる嘘で涙を拭いたら」・「虹はもうそこにある」・「きっと虹はもうここにある」
（麻田）バナナです！君枝さんに持ってったって下さい。
ありがとう！行くで！うん…。
せっかく来てもろうたのにすいません。
こないだ来てもろうた時よりも悪うなっとって…。
（琴子）病院やから安心はしてるんですけど…。
そやから今日は…。
どうぞ。
お見舞いのバナナです。
あ…ありがとうございます。
私は看護婦です。
今までいろんな患者さんを見てきて気が付いた事があるんです。
何ですか？人を元気にするのは希望です。
なんとか現状維持しよう思うんやなくて元気になればその先にこんな事が待ってるって未来を夢みる事がそれが一番人を元気にするんです。
君枝さんは子どもの頃ご主人がお見舞いに来てくれるのを心待ちにしとった。
そんなご主人なら未来や夢を見る事が一番大事な事やと分かるんやないですか？それでも簡単に「はい」とは言えません。
それは分かります。
みんな…。
君ちゃんが大切やから…。
（時子）もううちの子夜全然寝てくれへんようになってしもて…。
（綾子）あらっ夜泣き？そうひどいもんや。
何やろなぁ急に。
こんにちは。
ああこんにちは。
こんにちは。
急に夜泣きか…。
いつから？３〜４日前からやろか。
そうか…。
おっぱいは？夜はおなかいっぱいになるよう飲ませとうし足りんかったらお米すって飲ませとう。
おしめは？おしめは…この間もろうたもんやから今までのものよりは気持ちええはずなんやけど。
はいはいはい…。
ちょっと来て。
（時子）うん。
これ。
えっ？ああそれは通気性もええし着せたら泣かへんようになると思うで。
ああ…。
持ってって。
近所のよしみよ。
いやいやでもでも…。
ええのよ。
赤ちゃんのためよ。
なあ？
（赤ちゃんの泣き声）ありがとう。
うん。
（時子）どうした？どうした？大丈夫よ〜。
（麻田）ちょっと気付いた事があるんですが買うてくれてるのはほとんど麗子さんとそのお友達やないかと思うて…。
（麗子）これとこれとこれ頂戴！たくさん買うてくれるお客さんがいる事はいい事です。
けどお客さんが少ないいう事は問題や思いますよ。
確かに…。
（五十八）要するに店の存在を知ってもろうて継続的にお客さんに来てもらうためには何をしたらええかいう事やな？そう。
（ゆり）そないな事まで考えてるんや。
お姉ちゃんも一緒に知恵を貸してよ。
あ…そうね。
今の時代やから現金で買えない人がたくさんいる事も分かるけどいい品物を作って売ってるっていう自信はあるの。
それが一番大切な事や。
あとは自分たちで自分たちならではの何かいうのを見つけられるかどうかや。
自分たちならではの何か…。
そや。
売り文句や。
最低でも３つは入れんとな。
母親の気持ちが分かる。
２つ目は？えっと…赤ちゃんのために…。
赤ちゃんのために作り方にもこだわっていい生地を使ってる。
３つ目は？フフッ宿題や。
はい。
昭一さん…。
君枝。
先生がな落ち着いたら外出していい言うてたで。
そう。
頑張ろな。
うん。
（２人）はあ〜。
私たちにしかできない事…。
何やろなあ？それが見つかったら…。
はあ〜。
３つ目の宿題か…。
（戸が開く音）あっ。
君ちゃん！どうしたの？もう退院？ううん。
一時外出よ。
昭一さんがね私が元気になれる場所に連れてってくれるって。
そしたらここやったわ。
そう。
元気になった？
（君枝）なったなった。
ウフフフ…。
やっぱり君枝にはここが必要な場所なんやな。
楽しく生きるために…。
昭一さん…。
そやけどまた倒れてしまったり無理をしてしまったりしたらと思うと…。
戻るいうてもな前みたいな訳にはいかへん。
ちゃんと時間決めな。
一日…そうやなぁ長くても４時間かな。
それも毎日はあかん。
明美さん…。
うちがちゃんと見てます。
私も…！よろしくお願いします！こちらこそよろしくお願いします！ありがとう…。
いろいろありましたがこうして君枝ちゃんはすみれたちのもとに帰ってきました
そして…
こんにちは。
時子さん。
（明美）どないしたん？
（時子）泣かへんかった。
あの肌着着せたらうちの子いっぺんも泣かへんかった。
朝までぐっすり気持ちよさそうに寝とった。
あ〜よかった。
やっぱりな暑かったんや。
子どもは大人より随分と体温高いからな。
ほんまやなぁ。
ありがとう。
このお礼はいつか必ずするわ。
待っとってな！
（明美）ええわそんなん。
ほんまにもうありがとう！行こか。
よし。
ありがとう。
ありがとう。
まるでベビー相談室ですね。
それよ！
一方良子ちゃんは…
（良子）勝二さん今日は誰に会うの？
（勝二）造船会社の頃の後輩や。
ええお仕事紹介してもらえそう？そないな事お前が考えんでいい言うてるやろ。
話がまとまったらその時話す。
そうね。
行ってらっしゃい。
2016/11/09(水) 12:45〜13:00
ＮＨＫ総合１・神戸
連続テレビ小説 べっぴんさん（３３）「笑顔をもう一度」[解][字][デ][再]
すみれ（芳根京子）と明美（谷村美月）が見舞いに行くと、入院していた君枝（土村芳）の容態は悪化していた。明美は夫の昭一（平岡祐太）に、人生には希望が必要だと訴え…
詳細情報
番組内容
すみれ（芳根京子）たちの店に来るお客さんはいつも同じ人たちに限られていた。そこで麻田（市村正親）は、客を増やすための対策を考えるべきだと提案。父の五十八（生瀬勝久）に相談すると、商売には最低でも３つの売り文句が必要だと示唆される。一方、入院していた君枝（土村芳）の容態は悪化していた。すみれと一緒に見舞いに行った明美（谷村美月）は、夫の昭一（平岡祐太）に、生きていくには希望が必要だと訴え…
出演者
【出演】芳根京子，生瀬勝久，菅野美穂，蓮佛美沙子，谷村美月，土村芳，市村正親，平岡祐太，曽我廼家文童，宮田圭子，松下優也，いしのようこ
原作・脚本
【作】渡辺千穂
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