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地上波テレビの字幕を全文書き起こします

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字幕書き起こし オイコノミア「又吉直樹 ネット時代をどう生きる?」 2016.11.11

(テーマ音楽)
(又吉)「あれ?ここはどこだろう?こんなにたくさんテレビが捨てられている」。
(テレビ)「『テレビは終了しました』。
『テレビはオワコンです』。
プシュー!」。
「ああ待ってください!間に合わなかった…」。
テレビってホントに終わってしまうのかな…。
声がちょっと小さいからかな…。
(安田)又吉さんこんにちは。
どうしました?先生テレビがオワコンっていうのはホントですか?そうだとしたらテレビ出てる僕はどうなるんでしょう?確かにインターネットの登場でテレビ以外のメディアが加速度的に増えましたよね。
今日は経済学を使って一緒に考えていきましょう。
僕の生活がかかってるんでよろしくお願いします。

 

 

 

 

 


今メディア界が大きく変わろうとしています。
パソコンやスマホでいつでもどこでも映像を楽しめるようになりました。
そんな中テレビは終わっているコンテンツオワコンという説も…。
テレビを主戦場とする又吉さんどうする?経済学が力になります。
テレビ放送が始まって63年。
機材も番組も進化してきました。
これが最初のテレビの機材ですよね?そうですね。
意外にもうちょっとこうバカでかいかと思ってたけどそこまで大きくはない。
そうですね。
これで最初は撮ってたんですよね。
うん。
へぇ〜!先生こちら。
これ懐かしい感じの茶の間ですよね。
そうですね。
ええ。
家族みんなが集まる茶の間。
その中心はテレビでした。
僕が子供の頃もまだテレビ直接こう引いたり押したりするやつでしたけどね。
最初の方は。
そうですよね。
はい。
リモコンなんかもなくて直接行ってチャンネルね誰が変えるんだとか。
まあテレビもね各部屋にみんな小っちゃいテレビとかをね持ち出すようになってそれが今ではスマートフォンとかタブレットとかもう各自が家族のメンバー各自が自分でメディアにアクセスするようにね変わってきましたよね。
確かにみんなで見るというよりも一人一人で楽しむっていうところもね増えてきましたよね。
生放送からスタートしたテレビはVTRテープの出現により表現の幅を大きく広げました。
あそこに写真出てますけどこのVTRをしょって撮りに行ってる。
しょってますね。
へぇ〜!この辺からなんとなく…。
うんうん。
近づいてきましたよね。
そうですね。
「連想ゲーム」1991年までやってたり。
あっそう。
僕も見てました。
こうやってテレビの歴史を改めて見ていくとテレビのね果たしてきた役割の大きさとかを実感しますよね。
そうですね。
時代のなんかそういう証拠とかテレビが残してくれてるっていう部分は大きいですよね。
あれはだからビデオデッキですか?大きかったですもんね昔ね。
大きかったですね確かに。
先生現代のカメラはやっぱりいいですね。
50〜60年前から進歩してますよね。
してますねぇ。
先生テレビの歴史を振り返ってきましたが今日はインターネット時代にテレビは本当に終わりなのかを考えるということなんですけど。
はい。
テレビでお笑いをやってる僕からしたらかなり切実な問題なんですよね。
でも又吉さんはねそれこそ芥川賞も受賞されて作家としての地位を確立しつつあるんでテレビが終わっちゃってもいいんじゃないですか?全然駄目ですよ。
やっぱりテレビ出たいですしテレビは大事ですよね。
今日はインターネットと言えばこの方ということでゲストをお呼びしてます。
(津田)よろしくお願いします。
お願いします。
津田大介さんです。
こんにちは。
津田大介です。
よろしくお願いします。
津田さんといえばもう「tsudaる」という言葉があったほどTwitterとかネット関係?フフフッ。
ああ。
あれ自分で付けたわけじゃないんですけどなんか「現代用語の基礎知識」に新語で登録したんですけど特に別に普及するわけでもなくしぼんでいって本人的にはすごい微妙な感じなんですけれども。
そうなんですよ。
津田大介さん。
ツイッターのフォロワー90万人を抱えるジャーナリスト。
メディア論を中心にテレビ出版でも活躍しています。
津田さんどうなんですか?テレビが「オワコン」というふうに言われてるそうなんですけど。
う〜ん。
昔に比べると厳しいことは間違いないとは思うんですよね。
なんか結構地上波テレビなんかもかなり経営が厳しくなってきてるみたいなね話は多分又吉さんもご存じだとは思うんですが。
一番でも大っきいのは昔はかつてはテレビは娯楽の王様だったわけですよね。
はい。
とにかくもう家に帰ってつければ誰かが見ているしまあ本当にそれこそ長嶋茂雄さんの引退試合とかもみんな見たし。
ただやっぱり娯楽が増えましたよね。
まず。
僕らの子供の頃と比べてもどんどんどんどん増えてしかもスマホで何でもできるようになっちゃったのでだからまあ暇潰しをする時に別にテレビを見なくても全然暇が潰せるようになってしまったということが多分一番大きな環境の変化はあると思いますね。
僕はやっぱりテレビ。
テレビで子供の頃にお笑いを見て「ああなんかおもしろそうな世界だな」と思って入ってきたのもあるんで。
テレビはそういう意味で特別?やってほしいですしその自分がテレビ出るようになってからのテレビのその影響力みたいなものはすごい感じたんですよ。
だからやっぱりすごいものなんだなというのはいまだに僕は思ってるんですけどね。
でもかつてだったらテレビってゴールデンタイムって大体夜7時から9時ぐらいまでの一番見る時間。
今7時に家に帰って見たいテレビのために電気つけたりとかしますか?しませんよね。
7時にはなかなか帰れないかも。
そうなんですよね。
あとはやはりテレビ録画機もどんどん進化しますよね。
今だったら全録なんてのも出てきてるし見たい番組は自分の好きなタイミングで見してくれよっていう事になってきてる…。
この図でもあると思うんですよね。
今津田さんおっしゃったように視聴行動のパターンが変わってきてることでちょっとグラフを用意したんですけれども。
これがですねメディア総接触時間ですね。
個々人がどれぐらいの時間メディアに接しているか。
10年前2006年と2016年比較になってるんですけれども2006年だとトータルのメディア接触時間のうち半分以上ですね51.3%がテレビだったと。
2006年の1日のメディア接触時間の割合です。
インターネット関連とはパソコンスマートフォンタブレットを指します。
テレビが半分以上を占めインターネットは20%程度でした。
ところが現在テレビは全体の40%弱まで落ちインターネット関連が44.8%と倍以上に伸びています。
他にちょっと注目して頂きたい点としてテレビの割合は大きく下がってるんですけれどもトータルのメディア接触時間というのが1人あたりですけど1日約5.6時間だったものが6.6時間。
1時間ぐらい延びてるんですね。
この10年間で。
家に帰ってテレビを見るという形から自分の隙間時間とかを使ってスマートフォンだったりアクセスしやすいメディアに接してるという事がここからもうかがえますよね。
このねデータを見るときに実は重要なのがインターネット関連伸びてる中で多分結構大きいの占めてるのは多分ラインとかメールとかSNSとかだったりするんですよね。
多分今多くの時間というのがコミュニケーションに奪われてるんですよね。
なるほど。
別にインターネットで動画を見るとかそういう事だけじゃない。
またかつてだったらテレビを見てればよかったんだけれども逆にテレビのようなものを探したときにインターネットで動画を探すこともできますし自分の好きなタイミングで見られるという事これも大きいですよね。
いろんなことにテレビが押されてきてるって聞くとどうしたらいいのかなと思っちゃうんですけど。
うん。
テレビに強力なライバル出現。
インターネットによる動画配信サービスです。
じわじわ利用者を増やしている動画配信サービスとテレビはどう違うのでしょうか?ではテレビとあとネットの動画配信ですね。
それがどんなビジネスモデルなのかを見ていきましょう。
結論から先に言うと経済学で見るとテレビもネットの動画配信も「プラットフォームビジネス」という形で表現できます。
プラットフォームビジネス?イメージとしては土台となる市場にいろいろな参加者がのっかってくるようなビジネスと。
のっかってくるその土台をプラットフォームというふうに呼んでいます。
まずはですねプラットフォームビジネスではない通常の市場についてイメージしていきたいと思います。
例えばですねここにこれ企業のつもりなんですけれども会社があってで消費者がいますと。
はい。
例えばこの企業はですね車を作っていると。
売り手である自動車メーカーが消費者に車を売っていると。
そうすると商品の車が企業から消費者のもとに行って代わりにお金が消費者から企業に行くと。
これが通常の市場ですよね。
売り手と買い手がいると。
非常にシンプルで分かりやすいと思いますけれど。
プラットフォームビシネスというのは売り手対買い手ではなくてプラットフォームの上にですね売り手とか買い手とか場合によっては他のプレーヤーいろんな人がのっかってくるそういう非常に多面的な市場を表しています。
今回そのプラットフォームの話をするということでこれは一応土俵っぽいというイメージでそのものずばり土俵を作ってくれたんでこれを使って説明していきたいと思います。
テレビのビジネスの場合にはここに…中心にですねテレビなのでテレビ画面があると。
でこの番組をですねテレビは配信すると。
どういったプレーヤーがこのプラットフォームにのっかってくるかっていうとまず企業がのっかってきます。
典型的には広告をテレビを通じて配信するスポンサー企業ですね。
他にテレビの視聴者番組を作る制作会社映画などのコンテンツ事業者もテレビというプラットフォームビジネスの参加者になります。
ここでお金の動きにまた注目してみたいんですけれどもまずスポンサー企業ですね。
スポンサー企業がお金をテレビ局に支払うと。
広告を流してもらう対価としてお金が行くわけですよね。
もちろんこのお金を使ってコンテンツを買ってきたりとか制作会社で人を雇って映像コンテンツを作ると。
で肝心の視聴者サイドなんですけれどもここは非常にテレビのビジネスモデル面白いところで彼らは実はお金を払わないと。
民放の場合はもうタダで視聴する事ができるので0円。
一見するとお金を全然払わないというのは不思議な感じがするんですけれどもこれもやっぱりプラットフォームビジネスの特徴で単に売り手と買い手の間だったら買い手は必ずお金を払ってもらえないとビジネスとしてペイしない訳ですよね。
ところがプラットフォームの場合は…そういう少し変わったビジネスモデルになっています。
う〜ん。
でこのテレビの市場なんですけど又吉さんはどこにいると思いますか?僕ですか?はい。
制作会社が作る番組にいるんでなんとなく自分ではこの中にいるような気はしてるんですけどね。
そうですね。
まさに今日の番組自体もそうですけれどもコンテンツサイドにいるときに又吉さん恐らくこの辺にいると。
ただ一方で又吉さん自身もテレビ見られたりすることも?見ます。
はい。
あるいは自分の出ているお笑いのコンテンツを今度は広告として流したりとか書かれた小説のコマーシャルとかなるとこっち側に入ってくることもありえると。
ああ。
いろんな形でこのテレビプラットフォームビジネスにおける役割を又吉さんいろんな形で演じているという事が分かります。
そうか。
いろんな立ち位置があってみんなでこう作っていってるっていうことなんですね。
はい。
今度は動画配信サービスの仕組みを見てみましょう。
ここではインターネットを通じて配信された映像をパソコンやスマホなどさまざまな機器で見ることができます。
有料のサービスと無料のものがあります。
こちらが動画配信サービスのプラットフォームです。
いろいろな参加者がいてスポンサー企業が広告費を支払っているというところまではテレビと同じです。
この先がちょっと違うんですけれどもネット動画の配信サービス2種類あってここでは有料の配信サービスを考えます。
月々いくらお金を払って動画見放題みたいなサービスをイメージして頂きたいんですけど。
その場合は各視聴者がお金を今度はですねこの…プラットフォーム側に払うわけですね。
先ほどのテレビでは1円も払わずに番組を見れたんですけど今度は払うと。
ネット動画サービスこれ有料版のケースですけれども。
…の場合にはスポンサー企業からもお金は入ってくるけれどもこの視聴者からも課金すると。
そういったビジネスモデルになっています。
なるほど。
ここでもやっぱり又吉さんがどういった形でこのプラットフォームに移せるかというの。
え〜っ!これ難しいですね。
僕もネットとかを利用しますからまずまあここっていうのありますよね。
うんうんうん。
動画…。
動画見たりとかまあたまにネット番組にちょっと出たりとかっていう経験もまあ少ないですけどありますし。
こことここを行ったり来たりしてるんですかね。
あとは又吉さんの場合でいうと書かれた小説「火花」。
あれがネットドラマになりましたね。
著作権者ですよね。
そういった形でも関わっている。
コンテンツの大本の部分を持っているっていう。
ああ。
そういった形でもプラットフォームの一部にいらっしゃると。
著作権僕にあんのかな?あるはずです。
著者ですからあるはずです。
あるはずです。
ホントですか?契約書をちょっと確認した方がいいと思いますけど。
吉本がどれぐらい持ってるかがありますからね。
重要なのはこのプラットフォームビジネスの場合にはプラットフォームの運営主体こういう企業ですね。
はい。
場合によっては一銭も取らないみたいな事もできると。
なるほど。
トータルで一番もうかる形でビジネスモデルを組んでる。
ここが重要になってくるんですね。
う〜ん。
やっぱり値段が…サービスの値段が高くなればなるほど実際に使ってくれるユーザーの数というのは普通は減っていくと考えられます。
なのでたくさん視聴者を引き付けようと思ったら値下げをするというのは割と簡単に考えられる方法でそれで行きついた姿がもう0円というビジネスモデルですね。
とりあえずタダでいいからたくさん見てくださいと。
タダでそういった面白いコンテンツを見せちゃうと損する気がするんだけれども…そうすると…う〜ん。
そのモデルを突き進めたのがテレビですよね。
なるほど。
誰からお金をとるかいくらとるかってのはかなりケースバイケースで変わってくる。
う〜ん。
だから今テレビ局とか新聞社とかそういう既存のメディアビジネスが厳しくなってるというのはインターネットっていうねすごい巨大なプラットフォームビジネスというかプラットフォームビジネスをやりやすいインフラが出てきちゃったが故にそれでだから押されてるというところあるんでしょうね。
競争相手がすごく増えたわけですよね。
はいはい。
テレビ局の場合は昔は電波に限りがあるのでちょっと寡占状態だったわけですよね。
局ってやっぱり局が限られていたんだけれどもインターネットだったら別に自分でホームページ作ったり自分で配信しちゃったら無限に放送局作れてしまうのでその分だから競争も激しくなるという事なんでしょうね。
ネット社会になったとか言われてるじゃないですか。
うん。
まだ伸びていってるんですか?ちょうどあるんです。
媒体別の広告費の推移。
これを見て頂くとインターネットが右肩上がりで伸びているのが分かります。
伸びてますね。
うん。
テレビの方がインターネットよりも大きいんですけれどもまあこの上昇トレンドを見るとねえ追いつかれるのも時間の問題かなという印象はありますね。
基本的な仕組みは同じ。
似てるんですよね。
何が違ってくるかというと広告の価値ですよね。
それが技術の進歩によってインターネットを通じた媒体の場合は例えば一利用者ごとに応じたターゲット化された広告なんかを打ちやすいと。
一方でテレビの広告というのは基本的に同じ時間帯に番組見てる人に同じCMを流さなきゃいけない。
技術革新がほとんどないんですよね。
う〜ん。
片やインターネットはそういったきめ細かい広告がどんどん打てるようになってくる。
そうするとスポンサー企業からしてもより効果の期待できるものにお金を払うというのがもうこういったグラフにも表れてるのかなという印象がありますね。
なるほど。
ネットだと検索して何か例えば何かに特化した事を調べてる人にはそういうものが出たりしますよね。
そうなんです。
そしたら直接買いやすかったり商品は売れやすいと。
そうなんですよね。
どんどんどんどん要はお勧めする精度とかが上がってきてるってことが重要でそういった事を生かしやすいのがインターネットの広告。
非常に生かしにくいのがやっぱりテレビの広告という違いはあると…。
まあ広告費なんかはもう国によってはテレビを超えちゃったところありますね。
確かイギリスなんかはもうテレビの広告費をインターネットが抜いて。
日本はまだテレビの広告費の方が大きいですけどこれもまあ時間の問題じゃないかと思いますね。
なるほど。
実際にイギリススウェーデンオランダではネットの広告費がテレビの倍近くを占めています。
一方アメリカ中国日本はテレビの割合が高くなっています。
国によってテレビ局の数や規模などメディア環境が異なるとはいえネットの広告費は更に伸びると予想されます。
芸人の中にインターネットを中心に活躍している後輩がいると知り又吉さん会いに行きました。
こちらですかね。
こんばんは。
(R藤本)おっ!よう!ああ!久しぶりやったな。
又吉さんよ。
カイジとベジータだ。
広大とR藤本でしょ?違う。
ベジータだ。
これ何してるんですか?今から配信をやるから。
あっここで配信を?そうだ。
へぇ〜!すごいだろ。
これ。
この空間で全部が完結してるんだ。
適当な大人2〜3人と。
R藤本さんと伊藤広大さんは動画配信サイトでレギュラー番組を持っています。
漫画のコスプレをしながらゲームの実況やお笑いを生放送しています。
さあそこにあるぞ。
この上は?その上…もっと右に行って。
(伊藤)そこから。
右から。
どこどこ?その上に乗れ。
カメに気をつけろ。
カメに。
あっ!おい!ああっ!始まってるぞ。
始まってやがったな。
さあというわけで実は番組始まってるんだもう。
始まってた?もう。
そうだ。
そしてカイジとベジータのゲーム実況だ。
今日は意外すぎるゲスト。
なんとなんとだよ。
お前ら。
ピースの又吉が…見えてないと思うがスーパーマリオの1の2をクリアしたぞ。
今。
ありがとうございます。
おめでとう!ああ!先生先生って来てるぞ。
このコメント。
いやいや。
なんで大先生が?なんで来たんだ?今日は。
僕実はねベジータさんとカイジさんのねぇ知り合いなんですよね。
知り合いではあるが。
まあそうだな。
ええそれでちょっと来ましてね。
後輩芸人と動画配信を体験した又吉さん。
ネットで活動することについて話を聞きました。
フフフフッ。
(R藤本)何だ?フフッ。
R藤本は…。
ベジータだ。
そうか。
ベジータはインターネットの番組には自発的に出ようと思ったんですか?たまたまある1コーナーの企画をやったときに再生数が多いとなったときにこの惑星吉本のやつらがやれと。
なるほど。
それからもうずっとだな。
あっそこから始まった。
そうだ。
ひとつ勘違いしてほしくないのが基本的にはテレビに出たいんだ。
なるほど。
テレビにはやっぱり出たい?そうだ。
別に俺は仕事をインターネットに絞ってるわけじゃないからな。
なるほど。
そういうふうになってしまっただけだ。
テレビのオファーがあればもちろんテレビも出るけど。
当たり前だ!でもインターネットには需要があって。
需要があって活動の幅として。
なるほど。
まあそういう芸人は多いと思うがな。
なるほど。
ネットなら自分で考えることもできるし。
ああ割と自由に?自由だな。
ということはもし仮にテレビにいっぱい出る事になったとしてもネットの番組も並行してやっていきたいという気持ちがあると。
それは両方あるなやっぱりな。
ネット自体にもやっぱり何かしらの魅力があると。
そうだ。
見てる人との何かこのつながりが距離が近いというか。
距離は近いぞ。
だからネットが居心地がいいと?居心地がいいばかりでもないぞ。
やっぱりテレビと違って反応がダイレクトだ。
ああ!特にその場でコメント書き込めるやつなんか。
たたかれることもある。
はいはい。
どうだ?そういうのどうだ?エゴサーチとかするタイプか?いやあんまりしないですけど自分が小説書いたときは自分の作品名で結構いろいろ探したりしました。
レビューがあったり。
中には悪い評判もあるだろう。
あったあった。
そういうのでどう思うタイプだ?う〜ん。
ああなるほどなとか。
そういう読み方やったんやなとか。
ああそのぐらいか。
あんまり傷ついたりはしない。
たまに核心ついてくれるやつも?核心つかれるとハッとしてあっ!自分が気付いてないところ気付いてる人がいた。
なるほどな。
俺の場合戦闘民族だからその場で「うるさいだまれ!」と言い返す事ができる。
戦うわけ?戦える。
やつらもそれはそれで気持ちよかったりもするし。
うるせえよって余計言ってくるやつもいるし。
このやり合いが…。
なるほどな。
大事だと。
ここ読まずに無視してるともうこいつらはもう離れていくから。
ああ!そこはちゃんと読んだうえで対処していくと。
読みつつ。
どうだ?そういうのは。
あんまり向いてないかもしれない。
実際何かやってるときにいちいちコメントが。
あと関係ない質問とか。
あの…4人以上になるとしゃべる気なくすっていう。
ちょっと何が?仲いいグループでも3人まではこう率先してしゃべろうと思うけど4人になると自分以外の3人の時間を自分が独占するのがちょっと怖くなってくるから。
全く向いてないな。
向いてない?1,000人以上同時に見ていろいろ言ってくるわけだから。
それはちょっと難しいかもしれんな俺には。
やっぱりネット見てるやつって若いやつだ。
10代。
あっ10代が見てるの?まあ20代俺の場合30代もいるがな。
去年の芸人で一番学園祭に行ったやつ誰か知ってるか?知らない。
宇宙海賊のゴー☆ジャスだ。
何でなんですか?やつはとにかくネットでの人気がすさまじい。
(ゴー☆ジャス)「山口県には山口さんという人が結構いっぱいいる」。
こちらがインターネットで注目のゴー☆ジャスさん。
再生回数およそ150万回を誇る人気のネット番組を持っています。
10代のそのゲームファンに一気に支持を受けて…。
へぇ〜!そいつらが学園祭の実行委員だったりするわけ。
10代二十歳ぐらいのやつが。
ゴー☆ジャス呼びたい呼びたいと。
引っ張りだこ。
俺は2校だったがな。
少ないですね。
ネットに力を入れてる割には。
入れてる割にはな。
えっ?学祭はちょっとみたいなのあるんですか?全然ないぞ。
あ〜!そうなんですね。
ネットには可能性があるという。
可能性はいろいろある。
違うやり方でやった方がいい。
テレビとは違う一面を見せることが。
自分の濃い趣味でもなんでもいいからな。
ああそういうことが出来るという意味ではやっぱり自由度が高い?まあそうだな。
割と自分発信のものができるという。
できるな。
ああそれはちょっと魅力的かもしれないですね。
そうだ。
ありがとうございました。
じゃあな。
何ですか?それは。
トランクスを未来に見送る時のポーズだ。
ああありがとうございます。
ネットじゃ受けてるぞ。
ハハハッ。
ありがとうございます。
2016年又吉さんの小説「火花」が映像化されました。
芸人を目指す若者の姿を描いた作品。
「生きている限りバッドエンドはない」。
映像化したのはテレビでも映画でもなく有料の動画配信サービスでした。
「僕のまねですよね?」。
テレビの出演とは違った関わりがあったと思うんですけどどういうふうに感じられましたか?反響はやっぱりありましたしそれによってまた本がちょっと動いたりとか。
なるほど。
動画によってああこういうことやったんやというのが分かったって言ってくれる人がいたりとか僕の小説にとってはすごいいい影響があったんじゃないかなというふうに僕はすごいありがたく思ってるんですけど。
純文学のやっぱり小説よりも間口を広げるっていうのがね多分メディアが変わることの意味があるんでしょうね。
しかもね小説読んで気になった人がそのタイミングでネット動画申し込めば見れるわけじゃないですか。
テレビの場合だと一旦そのタイミングを逃しちゃうともうドラマをなかなか見るの難しいと思うんですけど。
そうですね。
アメリカなんかだと今ねそういうネットドラマがすごく普及しててあれって全話同時に公開するんですよね。
そうなんですよね。
だから「火花」とかでも見たかったらもう一気に10何時間かけても見ちゃってもいいし視聴者のペースで楽しめるというのがそれがやっぱりネット的というかネット時代なんだろうなと思います。
僕も性格的には一気に楽しみたいんですよ。
漫画とかでも単行本ですっごい面白くて追っていくんですけど追いついて次2か月先かってなるとちょっとたまってから読もうみたいになっちゃって結局何年も読んでないみたいな。
興味がやっぱり途切れちゃうのが途中でねストーリーの場合はそれがあれなんですね。
読まなくなるきっかけになっちゃう…。
又吉さん自身はネットの動画配信サービスを使って何かドラマとか見られた事ありますか?ちょうどこれから見ていきたいなと思ってたところなんですけどね。
僕は何本か見た事あるんですけどあれって面白いのはどんどんどんどんユーザーの数が増えていくと提供されるコンテンツも充実してくると。
コンテンツが充実してくると今度はまたそれを目当てにユーザーも増えるという形で…そういった何か特徴があるんですね。
よくネットワーク外部性というような形で表現します。
はい。
…ことをいいます。
例えばクレジットカード。
加入者が増えると加盟店が増えサービスも充実するネットワーク外部性が働きます。
個々のユーザーからするとユーザー自分以外に見てるユーザーの数が増えても直接何か影響はないんですね。
ところがユーザーの数が増えると制作サイドとかコンテンツサイドの思惑が変わってこっちが充実するわけですね。
それによって更なるユーザーを招くと。
ネットワーク外部性が働いて大きくなるプラットフォームというのはある種雪だるま式に成長していくと。
これをまあ「ポジティブ・フィードバック」という言葉で呼ぶこともあります。
ポジティブ・フィードバック。
正の循環が働いていくと一旦ユーザーが増えるとコンテンツが充実する。
コンテンツが充実するとユーザーが更に増える。
ユーザーが更に増えるとますますコンテンツを増やしたくなる。
動画配信の場合加入者が増えると視聴料やスポンサーからの広告費が増え制作費が上がるのでコンテンツの数が増え質も上がり結果加入者が増えるというポジティブ・フィードバックが起こります。
80年代から90年代のテレビってまさにこういうポジティブ・フィードバックばっかりだったんですよね。
とにかくみんな見るし広告料もガンガン入るしバブルだったからじゃあもうこの制作費をかけてもっと面白いもの作ろうみたいな。
それでみんなテレビを見てみたいなね。
今怖いのは逆転するとポジティブの反対でネガティブなフィードバックが働く可能性があると。
何らかのきっかけで視聴者が離れてしまうと視聴率下がってしまう。
そうすると当然広告の価値は下がるじゃないですか。
スポンサーからテレビ局に行くお金が減ってしまうと。
減ってしまうと制作費はかけられなくなるのでコンテンツがレベルが下がってしまうと。
そうするとますます視聴者は離れていくという形でさっきのポジティブ・フィードバックと逆の事が起きかねないと。
それがもしもテレビビジネスで起きてるとするとちょっと気をつけないと。
ああなるほど。
ネットの動画配信の場合にはまだネガティブにはならずにどんどんポジティブ・フィードバックが働いている状況ですよね。
まだ大丈夫そうですかね?実際に有料と無料というのが大きく違うところだと思うんですけど有料になると当然見てくれる視聴者の数が減ってしまうんじゃないか。
あんま獲得できないんじゃないかという心配が出てきますよね。
実際民放なんてタダで見れるわけですから。
タダで見れる強力なライバルがいる中でどれぐらい数が伸びるかっていうのは多分懸案事項だったと思うんですけど実際には有料であるにもかかわらずユーザーの数自体は増えているみたいなんですね。
動画配信サービスにアクセスする手段自体はどんどんどんどん広がっていきますしそっちもコスト自体もかかんなくなっていくかもしれない。
そうなってくると間口が広いんでね今後もユーザーの数が増え続ける可能性は十分にありますね。
増えていきそうですね。
うん。
面白い話でこれ日本のテレビがまだまだ強いという意味でいうとある程度質が高いね地上波テレビ局がこんなに数がある国ってなかなかないんですよね実はね。
だからテレビってすごく強いんですよね。
なるほど。
通常ツイッターとかFacebookとかそういうSNSってどんどんユーザーが増えてるんですけど他の国ってこういうふうに直線で伸びていくんですよねユーザー数が。
日本の場合はすごく面白くて増えるときに一気にこうやって増えてこういう段々で増えていくらしいんですよ。
なんで増えるかっていうとテレビなんですよ。
テレビ?テレビで何か大きな話題があったり取り上げられたりとかするとそれで一気に増えてっていうのがこれは他の国にない特徴みたいである種…確かにネットでいろいろ話題になってる情報とか見ているとほとんどテレビ由来のものも多いじゃないですか。
そうですね。
NHKだと確か3〜4年ぐらい前だと思いますけどダイオウイカのスペシャルってNHKでやったじゃないですか。
あれってだからツイッターですごい話題になったんですよね。
ダイオウイカすごいぞみたいな感じで話題になったらみんなテレビをつけて見だしてどんどん話題になっていくみたいのが起きるので。
だから実は結構その…いい循環になって両方盛り上がっていくのが一番僕としてはありがたいんですけどね。
だから今のところテレビで話題になった事をネットで話題になってネットの方にアクセス集まって広告料とか行くんだけれどもテレビがあんまりその恩恵を受けてられないという状況があると思うのでそこがだからね多分うまくテレビ側もね意識を変えてビジネスモデルも変えていかないとという事だと思います。
なるほど。
これからこういうエンタメ業界がどんどん変わっていくと思うんですけど僕はとりあえずネットに詳しいパートナーを作るというのがいいんですかね?道具としてネットを使う。
まさにプラットフォームビジネスと組んでやっていくというのはこれは新しい時代の芸人とか小説家とかの多分あり方だと思いますね。
なるほど。
さて又吉さんこのネット時代テレビとどう向き合いますか?お二人はそのテレビオワコンと言いながらも出演されてるじゃないですか。
うん。
先生はなぜ出演されてるんですか?一番大きいのは視聴者数が全然違うと。
例えば経済誌に寄稿するとか本を書くとかいろんな手段はあるにはあるんですよね。
やっぱり同時にこれだけの数の人に情報を伝えられるっていうのはテレビぐらいだっていう。
伝えやすいってことですね。
そうですね。
やっぱり届く人が違うんですよね。
ラジオでもレギュラー番組持ってて新聞で書いたり雑誌でも連載持ってたりしてあとインターネットの無料と有料のメディア全部制覇してるんですけどでも届く人が違うんですよね。
テレビに出ないと届かないテレビしか見てない高齢者層の人とかもいるし逆にいうとネットしか見ない若者とかもいるのでなにか伝えたいこととか自分の興味があるテーマがあった時に…僕はもちろんテレビに対する幻想みたいなものを子供の頃抱いててテレビに出てる人すごいって思ってた世代なんで。
だからネットって聞いたときにネットによってテレビ見る人が減ってきてるとか聞くとネットをすごく脅威に感じてる部分が大きかったんですけどまあ……のかなというふうに思いましたね。
おっしゃるとおりで。
だってテレビ局がね今ネットの動画配信とかやってますからね。
オフレコのトークとかカットせざるを得なかったものを見たいという人はネットに来てね。
でもそれは500円ですよみたいな。
そういうのも出来るわけですからね。
なるほど。
テレビを通じてなんか又吉さんがやってみたいことってあったりしますか?先生今回テレビだったじゃないですか。
テーマが。
考えたんですよ。
いっぱいあったんですやりたい事。
(2人)おう!こんなんいいなとか。
もう全部あったんですよ既に。
そのう…。
やられちゃってたって事ですか?全部誰かがやってるんですよ。
やっぱテレビってかなり優秀な人たちがいるんやなって。
単純にコント番組やりたいというのは多分ほとんどの芸人の夢なんで。
コント番組を冠みたいなもので地上波でやるっていうともう上が詰まってるじゃないですか。
たくさん。
それが結構長く続いてたりもすると。
だったら又吉さんがやるって言ってネットでやればいいと思うんですよね。
その点に関して僕ちょっと又吉さんにお聞きしたいのが津田さんの場合は多分いろんなメディアを通じてより多くの人に伝えていこうというなんか目的意識みたいなものを感じたんですけど又吉さんもそうなんですか?それとも自分のお笑いであったりとか自分の小説の分かる一部の人にギュギュッと凝縮して伝えたいのか。
それとも出来る範囲で多くの読者とか多くの人に見てもらいたいっていう。
僕はやっぱり小説ファンとしては小説の全体が文学界全体が盛り上がってくれるとまあ面白い小説に出会う確率も上がるじゃないですか。
僕の。
僕自身の。
それもあるんですよね。
単純にお笑いが好きやからお笑い番組が減っちゃうと嫌なんですよね。
自分が食っていく食っていけないだけじゃなくてそこはやっぱね好きな事をやるっていうのと同時に広げたいというのもあるんですよね。
だから多分又吉さんが実現したい事とかやりたい事まさにそうやって間口を広げたりとかっていうのは実はネットを使うと安いコストで実現しやすい事でもあるんですね。
ネットで又吉プロデュースの面白いコントが見てみたいみたいな。
っていうのがあれば制作費は安いかもしれないけどでもなんか面白い若手とかが出てきてというのがね多分できるかもしれないので「こんな企画があるんだ。
やりたいんだ。
どこか配信してくれる制作費も出してくれる業者さんいませんか?」ってツイッターでひと言書けば翌日に何か連絡来ると思いますよ。
ああ。
やってみたいですね。
う〜ん。
う〜ん。
なるほど。
でもそういうのはホントに又吉さんみたいなコンテンツを作ってる人が基本的には一番偉いんだと僕は思うのでやっぱ…なんかなんとなく安心したんでそうですねコンテンツというかその元となる作品というものを作ろうというモチベーションがこう湧いてきましたね。
おう!それはすばらしい。
8Kシアターですね。
ねえ。
4Kは聞きますけど8Kってのは僕初めてですね。
テレビの将来を左右すると言われる8K。
こんだけ大きいと映像そこまできれいじゃなくても迫力ありそうですけどね。
映画館とどう違うんですかね?フフフッ。
すげえ。
(蒸気機関車の音)
(汽笛)ああ。
(鈴の音)
(鈴の音)音がすごい!ああ。
(鈴の音)きれいでしたねやっぱり8K。
う〜ん。
僕はヒマワリの映像のところがねすごい表現力だなと思って驚きましたけどね。
汽車のやつはもうほとんどそこを走ってんのかなというぐらいのね。
金属の具合とかね臨場感が半端なかったですよね。
もしかしたらこれからこれぐらいのきれいな映像がスタンダードになっていくかもしれないんですかね。
テレビの要は受信機としての性能というのは非常に高いわけですよね。
はい。
これがテレビ番組だけじゃなくてそれこそ今日いろいろ扱ってきたネットの動画配信サービスとかを今見た8Kで流すという事が起きてくるとますます何て言うのかなテレビとネットメディアのこう相互作用とかシナジーみたいのが働いていく可能性はありますよね。
そうですね。
恐らく昔は映画っていう大きな映像芸術が先にあってそれに対してかつてはチャレンジャーだったと思うんですよね。
テレビが。
ネットみたいなものに対してうまくチャレンジャーの気持ちになってねネットもうまく使って娯楽の王様を取り戻すぞみたいなそういう何かマインドの変化が必要かなって思いますけどね。
テレビが衰退していくというよりはホントに一緒にできる事をいろいろ考えていけるっていう可能性を感じる回になったなと思うんですけどね。
ヒマワリのやつもそうやったり氷のね世界もすごい美しかったじゃないですか。
あそこまで美しいものと何か僕たちがやってきたお笑いみたいなものが結びついたらすごく奇妙な何かができるんじゃないかっていうのも見てて思いましたね。
今後そういった新しい化学反応をどんどんどんどん起こしていってほしいですね。
はい。
今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
「見たら」と誘ってくるテレビ。
2016/11/11(金) 00:30〜01:15
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「又吉直樹 ネット時代をどう生きる?」[解][字][再]

スマホの普及に伴い広がりを見せるネット動画配信。テレビを主戦場とするお笑い芸人又吉、この動きにどう向き合うのか?エンタメ動画の未来を経済学で考える!

詳細情報
番組内容
去年、世界最大の動画配信サービスが日本に上陸、パソコンやスマホでさまざまな動画が楽しめるようになった。又吉の後輩には、ネットの動画配信に活路を見出す芸人も出現。テレビはこれからどうなるのか?経済学でみるとテレビと動画配信サービスの仕組みはほぼ同じ。将来のカギは利用者数や広告の影響力の違いにありそうだ。ジャーナリスト・津田大介さんの意外なテレビ・ネット活用法を交え、又吉の生き残り戦略をガチ討論!
出演者
【ゲスト】ジャーナリスト…津田大介,【出演】又吉直樹,【講師】大阪大学大学院准教授…安田洋祐,【語り】朴ろ美