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字幕書き起こし 忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣(8)ある男の出現で急展開!二人の最後の日に… 2016.11.12

(きよ)いえそれは…。
戯れに買い求めたものです。
決して夫婦になどとは…。
(十郎左衛門)何もかも覚悟の上。
なれど…。
今宵だけは…。
お帰りなさいませ。
今日は冷えております。
温まり下さい。
きよ殿。
はい。
そなたの手も冷えておるのではないのか?荒れておるな。
いえ。
何です?あっ…いや。
私はもう見なくても覚えてしまいました。
十郎左様のお顔の全てを。
あの門六様とは思えませぬ。
え?泣いてばかりいた。
いや…何を。
泣いてなどおらぬ。
泣いておられました。
兄様に投げ飛ばされて。
投げ飛ばされたが泣いてなどおらぬ。
いいえきよは見ました。
道場の陰でこっそり泣いておられるところを。
あれは悔し涙だ。
ほらやはり。
よう見ておったな。
こんなたわいもない事を語り合える時は長くは続かないと分かっていました。
それゆえ一層今の幸せをかみしめていました

 

 


(安兵衛)礒貝殿おられるか?堀部殿。
堀部殿何事です?吉良様が隠居なされたと?養子の左兵衛義周様に家督を譲られたのだ。
なんと!もはやご公儀が吉良様を罰する事はありえぬ。
(不破)隠居の身となればどこへなりと自由に動ける。
ご実子上杉綱憲様のお国元米沢に逃げ込む事もできる。
急がねばならぬのではありませぬか。
ああ。
我らの手が届かぬ所に行かぬうちに事を起こさねば。
俺は今夜にでも吉良を斬る!はやるな数右衛門。
堀部殿。
この事大石様は?早飛脚にてお伝え申した。
ならば…。

(ほり)ごめんくださいまし。
ごめんくださいまし!おほり様いかがなされました?
(安兵衛)ほり。
旦那様。
高田様より文が。
堀部殿。
高田殿は何と?高田郡兵衛脱盟致した!
(片岡)なんと!まさか!なぜです!?よりにもよってあの高田様が。
殿亡きあと真っ先に赤穂に駆けつけた男であったのに。
「伯父内田三郎右衛門の養子となる事を辞退する理由見いだせずよって大事の露見避け候が何よりと存じやむをえず盟約を脱する事お許し下されたく候」。
高田とうとう…。
堀部殿はこうなる事を知っておられたのですか?養子の一件高田から聞かされておった。
あやつはあくまで仇討ちに加わりたいと。
だが養子の話を固辞すれば腹を探られ我らの企てが外へ漏れる。
故に苦渋の決断を…。
我らを思うての…。
高田…。
この事上方の者たちにはいかように。
知らせてはならぬ!大事の前だ。
我ら江戸の一党は一心同体であると思わせねば。
一人の裏切りもあってはならぬ。
この後浪士の中から脱盟する者が続々と現れ仇討ち自体が危うくなる事をこの時の十郎左衛門たちはまだ知らなかった
(仙桂尼)花のない庭はつまらぬ。
先日奥方様のところで大石様にお会いしました。
このような仕儀となり奥方様には一方ならぬご苦労をおかけしておる。
今後ともしかとお仕え致すよう。
謹んで承ります。
(瑶泉院)内蔵助これを。
(内蔵助)これは…。
そなた大層寒がりであったな。
はあ。
ありがたき幸せ。
しかと最後までこの大石にお預け下さいますよう。
信じております。
もとより。
頼もしいお方とお見受けしました。
ご家来衆もそれぞれお志のために励んでおられます。
そのお志がお家再興のためであって仇討ちでない事を願うております。
お言葉ですが仙桂尼様。
それでは亡きお殿様のご無念をお晴らしできぬのでは?きよ。
そなた面変わりしたの。
随分と大人びてきた。
礒貝様のお店を手伝うておると聞いたが。
酒屋になればいずこなりとも怪しまれず行き来できますゆえ。
村松家の者らも皆きよの事を自慢しておった。
我が身を顧みず働いておると。
大したお役には立っておりません。
お店を開けたのは木屋のおじ様のお力添えあっての事。
孫三郎殿と吉良様のお屋敷の前で会うたそうじゃな。
はい。
孫三郎殿が申しておった。
きよが吉良様のもとにご奉公を望むなら口をきいてもよいと。
吉良様にご奉公!?無論おやめなされと言うたが。
吉良様のもとに入るなどもっての外。
私はきよそなたに仇討ちの片棒だけは担いでほしゅうない。

その侍は明らかに私の後をつけてきました。
姿を隠そうともせずに。
いつでも斬れるぞと威嚇しているのか小柄な体から殺気が立ち上っていました
このまま源助町へは戻れませぬ。
十郎左様に危害が及ぶやもしれませぬ
お助け下さい!追われています。
(條右衛門)きよ!いかがした。
編み笠のお侍に後をつけられて。
何!?けがはないか?ここまでは追ってくるまい。
安心致せ。
妖しいやからはおりませぬぞ。
編み笠の武士もおらぬ。
お騒がせして申し訳ありません。
美しき女性が一人で歩いておれば懸想して追いかける愚か者もおる。
きよ殿ならぞろぞろ行列が出来ようぞ。
(笑い声)後をつけられたのは初めてか?はい。
されど瑶泉院様にお仕えしている滝岡様が先日お墓参りに行かれた折にやはり何者かに後をつけられたそうです。
一体どこの…。
吉良家の密偵やもしれぬの。
吉良様の?吉良は家名に難が及ばぬように隠居をしてはみたもののかえって身の危険を感じているようだ。
密偵の数を増やして赤穂浅野家の旧臣の動きを探っておるとか。
さようでございますか。
無論ご公儀の手の者とも考えられる。
どちらにせよくれぐれも用心する事だ。
はい。
安兵衛は近々本所に剣術道場を開くとか。
本所といえば吉良様のお屋敷がある場所。
ああ。
川のこっちにおったのではじれっとうてならぬとな。
あやつらしい豪胆な策に出おった。
まことに。
村松家の三太夫も親子そろって仇討ちに加わりたいと申し出たとか。
(三太夫)そなたをいまだ許嫁と思うておりますゆえ。
さようで…。
くそ〜!わし一人じゃ!このでかいずうたいを持て余しておるのは!おじ様?安兵衛らには命の捨て場所がある。
それに引き換えわしには仕えるべき主君もこの刀を抜く場もない。
仕官もかなわずただ一人腹を減らしておる我が身が情けのうてしかたない。
生きておってもつまらぬわ!おじ様。
きよは今日一日だけのきよです。
今この時だけを生きております。
皆様が待ち望んでおられるその日をきよも念じて待っております。
されど心が揺れてたまらなくなる事も…。
お願いです。
おじ様は命を散らそうなどとお考えにならないで下さい。
でないときよはすがる縁がなくなります。
きよ悪かった。
お主の気持ちも考えず…。
すまぬ。
すまぬ。
そなたは笑っている時が一番なのじゃ。
ほり殿もそうじゃ。
女子は笑っていてくれ。
でないとわしはどうしたらいいか分からぬようになってしまう。
頼む。
笑うてくれ。
甘えた事を申しました。
もう二度と弱音は吐きませぬ。

思わぬ方が訪ねてこられました
きよ殿が住んでおられると聞き及んだのですが仇討ちのための目くらましですか。
吉良邸の探索の手伝いなどを頼んでおります。
実はきよ殿とは縁談がございました。
今となってはそのような事も…。
ただ気持ちは…。
いや失礼致しました。
村松殿。
私は貴殿に…。
拙者は礒貝殿をおとがめするつもりでここに来たのではございませぬ。
むしろこうしたお働きに感服致しております。
ついては拙者をこの家に居候させてはもらえませぬか。
拙者も赤穂のお家のために働きたいのでございまする。
仇討ちに加わりたいのでございます。
このとおり。
村松殿お手をお上げ下され。
番頭と相部屋でも構いませぬ。
いや土間でも。
お願い申し上げまする。
村松様がそのような事を。
まことに一本気なお方とお見受けした。
申し出お受けするつもりだ。
されど三太夫様が来られるとなれば私は…。
十郎左様は私にここを出ていけと。
時が来たのだ。
急にそのような…。
断る訳にはいかぬ。
これからは戦場にいると思わねばならぬ。
きよ。
村松殿にとってそなたは許嫁。
我らを信じてくれるお方をこれ以上は欺けぬ。
嫌です。
よさぬか!なんと自分がふがいない。
覚悟しておりましたのに…。
初めてそなたと言い争うた。
あと一日だけだぞ。
今宵の夕げはごちそうをそろえます。
きよ。
そなたに一つ頼みがある。
翌日2人で暮らす最後の日。
十郎左様のお母上貞柳尼様をお訪ね致しました
十郎左衛門からきよ殿そなたの事は聞いておりました。
何のお役にも立てず…。
貞柳尼様お体に障ります。
どうか横になって下さい。
この方が楽なのです。
申し訳ござりませぬ。
病の事存じておりましたら早うに参りましたのに。
私がふせっている事は誰にも言わぬように。
とりわけあの子には。
されど…。
このような時に心配をかけたくないのです。
はい。
そこを開けてもらえますか。
これは…。
亡きお殿様から賜ったものです。
きよ殿これら全てをお持ち頂けませぬか。
十郎左衛門は今困窮しているはず。
なにがしかの足しになります。
承知致しました。
仰せのとおり致します。
きよ殿そなたを選んだ十郎左衛門は強き運命の下に生まれた子。
そなたが行かれる道も決していばらの道だけではないと信じます。
お優しきお言葉きよは胸に刻みまする。
堀部殿。
さすが堀部殿。
この道場からならば吉良邸は目と鼻の先。
それだけにこちらも用心を怠らぬようにせねば。
事を起こす前に正体が露見すれば元も子もないゆえの。
不破の事だが。
不破殿がいかが致しました?大石様から仇討ちに加わる事許すとのお沙汰があった。
なんと!帰参がかのうたのですか。
帰参というてもお家はもうのうなっておるがの。
数右衛門さぞ喜んだ事でしょう。
明日にも事を起こすと勇んでおったわ。
目に浮かびまする。
きよ殿にも伝えてやらねば。
そうだ。
きよ殿に大事はなかったか?きよ殿が何か?聞いておらぬのか。
無量院からの帰り何者かに後をつけられ堀内道場に逃げ込んできたと條右衛門が申しておったぞ。
まことでございますか?なぜ申さなかった?襲われそうになったと。
それは…。
聞いておったら私のそばにおってはならぬと申していた。
そなたにもしもの事があったら悔やんでも悔やみきれぬ。
すぐに林昌軒へ帰れと。
故にそなたは口に出さずに…。
さぞ恐ろしい思いをしたであろうに…。
すまぬ。
もはやいらぬ未練。
十郎左様。
今日が最後でよかったのだ。
きよ支度せよ。
ここで暮らした事冥土の土産となろう。
礼を言う。
きよこそ幸せでございました。
息災で。
ご武運を。

ひたひたとその日が近づいていました
2016/11/12(土) 18:10〜18:45
NHK総合1・神戸
忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣(8)ある男の出現で急展開!二人の最後の日に…[解][字]

身も心も結ばれたきよ(武井咲)と十郎左衛門(福士誠治)は限られた二人の時間をかみしめる。そこへ三太夫(中尾明慶)訪ねてきた!縁談は立ち消えになったのに三太夫は…

詳細情報
番組内容
身も心も結ばれたきよ(武井咲)と十郎左衛門(福士誠治)。吉良(伊武雅刀)が隠居したとの情報に、あだ討ちを急がねばと江戸の浪士たちの間に緊張が走る。きよも見知らぬ男に後をつけられるが、それを隠し、限られた十郎左衛門との時間をかみしめる。そんな時、二人の酒屋へはなんと三太夫(中尾明慶)が来ていた。きよと三太夫の縁談は先延ばしになったまま刃傷事件で立ち消えになったが、きよへの気持ちの変わらない三太夫は…
出演者
【出演】武井咲,福士誠治,田中麗奈,佐藤隆太,皆川猿時,笹野高史,大東駿介,石丸幹二,陽月華,中尾明慶,風祭ゆき
原作・脚本
【原作】諸田玲子,【脚本】塩田千種