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字幕書き起こし 日本の話芸 昔昔亭桃太郎 落語「春雨宿」 2016.11.13

(テーマ音楽)
(出囃子)
(拍手)
(出囃子)
(拍手)
(昔昔亭桃太郎)こんにちは。
(笑い)まぁプロ野球もなんか今あまりテレビでやんなくなっちゃってラジオが多いですね。
ええ。
私なんかもラジオ専門でまぁ解説者とアナウンサーのやりとり聞いてると面白い事もあって。
「関根さん」。
「はい」。
「あれほど強かった巨人がこのところ負け続けてますが今巨人負けてる原因は何ですか?」。
「それは5つございます」。
「何ですか?」。
「まず調子が悪い」。
(笑い)「点が取れない。
勝てない。
弱い。
相手が強い。
この5つです」。
(笑い)これは巨人とヤクルトで戦って9回の表終わって3対2でヤクルト1点リード。
9回の裏巨人最後の攻撃。
ツーアウト満塁になったんです。
バッター阿部でね。
阿部がヒットを打つと巨人のサヨナラ逆転勝ちヤクルトのピッチャー伊藤が抑えりゃヤクルトの勝ちってんでアナウンサー興奮しまして「山田さん。
大変な事になりましたね〜。
これで阿部がヒットを打つと巨人のサヨナラ逆転勝ち伊藤が抑えりゃヤクルトの勝ちという事で投げてる伊藤バッターの阿部今どんな気持ちでしょうね?」ったら「そうですね阿部は打ちたいし伊藤は打たれたくないんじゃないですか?」。
(笑い)当たり前だよそんな事は。
これは巨人と横浜9回の表終わって0対0。
9回の裏巨人ワンアウト1塁2塁。
「柴田さん」。
「はい」。
「巨人ようやく三塁。
チャンスきましたね」。
「そうですね。
サヨナラのチャンスですね」。
「手に汗握りますね」。
「これこそ野球のだいご味ですよ。
しばらく黙って見てましょう」ってじゃあ分からんじゃないか聞いてるほうは」。
(笑い)小樽の石原裕次郎記念館がなくなるんですね。
30年間続いて。
私のところでは私が2回妻が2回娘が3回行きました。
それでまぁ1,800万人が行ったってんですがね。
まぁああいう所は1回行けば行かなくなるんでもうやっぱりやめざるをえないんでしょうね。
でもまぁ私が小学校の頃でしたが私は長野県の小諸市であの石原裕次郎ブームってのはすごかったですね。
「嵐を呼ぶ男」でね。
うちは家族7人で見に行きました。
そのぐらいすごかった。
で「嵐を呼ぶ男」でドラムを叩きながら裕ちゃんが歌うんですよね。
あれがとても格好良かったんだね。
・「俺らはドラマーやくざなドラマー」・「俺らがおこれば嵐を呼ぶぜ」・「喧嘩代わりにドラムを叩きゃ」・「恋のうさもふっとぶぜ」なんてんでね。
オホン。
(拍手と笑い)・「俺らはドラマー」
(笑い)・「浮気なドラマー俺らがほれたら嵐を呼ぶぜ」・「女抱きよせドラムを叩きゃ」・「金はいらねえオンの字さ」なんてんで。
(拍手)・「俺らはドラマー」
(笑い)・「やくざなドラマー俺らが叩けば嵐を呼ぶぜ」・「年がら年中ドラムを叩きゃ」・「借金取りも逃げて行く」なんてのもある。
(拍手)だんだん拍手が少なくなってきましたね。
(笑い)これがもう石原裕次郎ブームってのを作ったんですね。
でも私なんかもやっぱりあれ湘南で育った人は羨ましいと思いましたね。
私なんか信州の山ん中ですからもう湘南の人は羨ましいと思った。
大体湘南で生まれた人ってぇのはあか抜けてんですよね。
石原慎太郎裕次郎加山雄三ワイルドワンズ桂米丸。
(笑い)なんか若いんだよね。
だからあの〜日本では若い男性が赤いシャツ着たり黄色いセーター着たりねそれからネックレスやったりブレスレットやったりジーパンはいたりすんのあれ全部湘南からきてんですよね。
それからエレキギター。
ね?食べる物だってスパゲッティとかねハンバーガー全部湘南からきてる。
格好いい。
だから湘南ってぇと「海とヨット」ってこう浮かびますね?私なんか信州だから「蕎麦と味噌」とこうなる。
(笑い)だからまぁ慎太郎さんと裕次郎さんで湘南で格好いい遊びしたんじゃないんすかね青春時代は。
「兄貴。
海でも行こうか?」。
「どうだい?この海の青さ」。
「いつ見ても飽きないね。
時間あるからヨットでも乗ろうか?江の島グルッと一回りしよう」。
「いや〜潮の香りがたまらない」。
こういう会話してる。
(笑い)私なんかも兄弟で随分会話しましたがね…。
(笑い)まぁこんな格好いい会話はしませんでしたね。
「兄貴。
畑へでも行こうか?」。
(笑い)「どうだい?この麦の青さ」。
「いつ見ても飽きるね」。
(笑い)「時間あるからリヤカーへでも乗ろうか?」。
(笑い)「隣村まで行こう。
今日は兄貴の引く番だぞ」。
「それにしても肥やしの臭いはくさいな」。
(笑い)だから裕次郎さんが亡くなった時もお兄さんが挨拶してね。
絹のハンケチで涙拭いたりしてね。
絹のハンケチなんてなぁ涙吸い込まないんじゃないかと思いますがね。
それでまぁ泣きながら挨拶してた。
「私も裕次郎も子供の頃から海が好きでした。
できる事なら裕次郎の骨は黒潮の流れる太平洋に返してやりたいと思います。
皆さん。
どうか海を見たら裕次郎を思い出して下さい」。
挨拶まで格好いい。
あなたの兄弟が海の傍で生まれたからいいんですよ?私みたいに農村に生まれたらあんな挨拶はないんだから。
例えば私が亡くなったとして家の兄が挨拶しますね。
あんな格好良くいきませんよ。
「私も桃太郎も子供の頃から大変田んぼが好きでした」。
(笑い)「できる事なら桃太郎の骨は田んぼのあぜ道に…」。
(笑い)「カエルと一緒に埋めてやりたいと思います」。
(笑い)「皆さん。
カエルを見たら桃太郎を思い出して下さい」。
(笑い)もう粋でも何でもない。
で当時日活映画には私の知り合いもちょっといましてね三浦一夫ってのがいてね端役で出てたんですよ。
当時は日活の役者のことを「ガイ」って言いましてね裕ちゃんは「タフガイ」小林旭は「マイトガイ」二谷英明「ダンプガイ」和田浩治「ヤンチャガイ」三浦一夫「モンダイガイ」っつった。
(笑い)あと女優さんでは浅丘ルリ子さんとか吉永小百合さん芦川いずみさん松原智恵子さんなんてのがいてね。
まぁ吉永小百合さんが一番好きでしたね。
まだきれいですよね。
で私今でも小百合ちゃんの考え方次第では女房と別れてもいいと思ってます。
(笑い)あとまぁ日活ではないですが松たか子さんが好きでしたね。
ただ松たか子さんみたいな娘さんは普通の家庭では育たないんですね。
生まれつき裕福で生け花とか踊りとか琴とか三味線習わして適当に厳しくスクスクスクスク育てるああいう娘さんができる。
だからお父さんなんかもちゃんと躾けてんじゃないでしょうかね。
「こうしろ
(幸四郎)」とかっつって。
(笑い)
(拍手)まぁ拍手は3つでしたがね。
まぁ今日本はストレスを抱えてる方が多いと思いますがストレスを晴らすのには何がいいか。
私は川の流れのCDを聞いて寝ます。
これがとてもストレス解消になるの。
それで一番いいのは旅に出る事だそうですね。
旅ったってそんな遠くへ行く事ない。
1泊2日ぐらいでね。
もう行ってくると気分転換になる。
これがとてもストレス解消になる。
だから旅に行く前の2日間帰ってきてから2日間それで気分がガラッと変わるっていうんですよね。
だから「ストレスがたまったな」と思ったらこう旅に出るのが一番いいんだそうですね。
「おい。
君塚温泉ってのはまだだいぶあるかい?君塚温泉」。
「うん。
俺は初めてじゃないんだよ。
2回ばかし来た事あんだけどねどうやら道に迷ったらしいな。
まぁいいやどっか家で聞いてみよう」。
「どっか家ったってお前こんな山ん中に家なんかある訳無えじゃねえか」。
「そんな事ないよええ?歩けばあるよ。
心配すんなよ地球は丸いんだよ」。
(笑い)「歩いて探そう」。
「あっそう。
じゃあ歩こうか。
ただ歩いてもつまんねえな」。
「じゃあ俺お前の知能テストするから。
な?お前に俺問題出すからお前答えてみろ」。
「ああいいよ。
何でも答えるから。
うん。
何?」。
「『千曲川旅情の歌』『破戒』を作った作家は誰だ?」。
「そんなの簡単だよ。
2人いるよ」。
「誰だい?」。
「島崎さんと藤村さん」。
(笑い)「それ島崎藤村ってんだよ。
しょうがないねおい。
じゃあ次だ。
な?日本が真珠湾攻撃した時の最高司令長官は誰だ?」。
「そんなの簡単だよ。
山本五十六」。
(笑い)「『五十六』ってんだよ」。
「では『働けど働けどわが暮らし楽にならざりじっと手を見る』。
これを作ったの誰だ?」。
「簡単だよ。
石川豚木」。
(笑い)「しょうがねえなこのばかは。
じゃあ近藤勇と土方歳三と沖田総司がいた組は何て組だ?」。
「3年2組」。
(笑い)「呆れたもんだね〜。
では『西南の役』で活躍した薩摩の偉人は誰だ?」。
「あ〜簡単だよ。
西郷輝彦」。
(笑い)「しょうがねえばかだなこいつは。
あれおい家あったよ」。
「あっあったね」。
「あった。
何だ?これ『宿屋』としてあるよ。
いやにおいチッポケな汚い宿屋だね。
女の人出てきたよ。
女中さんかな?ちょいと呼んでみよう。
ねえちゃん。
こっちこっち。
ねえちゃん。
こっちこっち」。
「ハア〜?わ〜しのこと呼ばっただかに?」。
「なんか音程が狂ってるな」。
(笑い)「ねえちゃん。
ちょいと聞くがね君塚温泉ってのはまだだいぶあるかい?君塚温泉」。
「ヘエ〜?ケメ塚温泉でごぜえますか?たんとはごぜえませんけどヘエ〜」。
「たんとはねえってよ。
たんとはねえってどのくらいあるんだい?」。
「ヘエ〜山越え8里ばかりごぜえますヘエ〜」。
「8里だってよ。
どうする?着いたら夜中だよ。
しかたない今日はここへ泊まろう」。
「エエ〜ッここへ?」。
「そうだよ」。
「汚いよ」。
「いいじゃねえか1泊だけだから。
何もここで所帯を持とうってんじゃないんだから。
ここへ泊まろうよ。
ねえちゃん。
2人空いてる?あ〜そう。
今ね谷川歩いてきてね川へ足突っ込んで靴ん中泥だらけなんだよ。
すまないけどね足洗うんでバケツに水1杯くんねえか?」。
「ヘエ〜この辺は水が不便でごぜえまして谷川まで行かねえてぇと水がごぜえませんのでヘエ〜お手間とらせませんすぐ汲んで参りますんでヘエ〜。
あの〜ケメ子さんケメちゃん」。
「ケメちゃんだって。
おい。
変な名前だね。
あっあそこで笑ってるよ。
あれケメちゃんだよ。
ケメちゃん。
水汲んできてくれ。
笑ってないで。
ええ?汲んできてある?なんだ汲み置きがあんだってよ。
じゃあ荷物下ろそうか。
あ〜肩こっちゃったね。
ええ?ホコリだらけだよ。
じゃあ俺先洗うから。
あっねえちゃん。
靴はいいよ自分で脱ぐから。
脱がしてくれる?うれしいね。
だから田舎の人は好きなんだよ。
ねえちゃんケメ子さんってんだろ?ケメ子」。
「わしゃケメ子でねえよ」。
「ええっ?だってあのおねえちゃんケメ子さんてそう言ってたで」。
「わしゃケメ子でねえったらよぅケメ子だ」。
(笑い)「同じだよ。
どんな字書くの?ケメ子って。
どういう字?」。
「ケメ子ケメ子…。
あっさっきお前さま方行きなさる言うてたケメ塚温泉のケメだよ」。
(笑い)「ケメ塚温泉のケメ。
分かんねえかい?『ケメの名は』ってぇのあったろ?」。
(笑い)「あのケメだよ。
『ケメといつまでも』のケメ。
『ケメたちがいて僕がいた』のケメ。
『ケメと僕』のケメ『ケメ僕』のケメ」。
「『ケメ僕』のケメだってよおいカマボコみたいな顔して」。
(笑い)「ねえちゃん本当は君子さんってんだろ?君子さんだろ?」。
「そうではねえったらよぅケメ子だ。
『かけけけこ』の『け』だよ」。
(笑い)「分かんねえか?お前なまってんじゃねえか?」。
(笑い)「お前がなまってんだよ〜。
ほら向こうにいるねえちゃんあの〜飯頼むようんお腹すいてんだ。
そう酒はねビールより日本酒がいいな日本酒。
特級ある?ある?じゃあ2級3本」。
(笑い)「あれ?ねえちゃんどうしたの?笑ってんの?泣いてんの?変わらない顔だね〜」。
(笑い)「何に泣いてんの?」。
「ええわすお前さまの足を見てたら故郷のこと思い出してね〜ぇ」。
「ええ?俺の足と故郷とどういう関係あんだ?分かった。
ねえちゃん故郷に彼氏かなんかいるんだろ?それで俺の足見て彼氏のこと思い出したんだろ?」。
「そうではねえったらよぅ。
故郷にいるとな夕方になると父っつぁま野良から牛引っ張って帰ってくるだよ。
帰ってくるとその牛の足を洗うだ。
その牛の足に似てる」。
(笑い)「冗談言うな本当にもう。
牛と一緒にされてたまるか本当にもう。
部屋どこだ?部屋」。
「どうぞこつれへこつれへ」。
「『こつれへこつれへ』だってよ。
どつらだ?どつらだ?これが『こつれへ』か?いやに汚えこつれへだね。
どうする?風呂入っちゃうか?うん。
ねえちゃん風呂沸いてるかい?」。
「へえ。
沸いております」。
「うんじゃあ入っちゃおう。
面倒だから着物脱いで裸で行こう。
うん脱いで。
お前も裸になって」。
「あ〜りまあ〜。
裸んなっては駄目だよ〜ぅ」。
「何で?おい。
湯へ入るのに何で裸になったら駄目なの?」。
「駄目だってばさ。
途中に駐在所があるよ」。
(笑い)「広い家だねおい。
ねえちゃん。
ここ家ん中に駐在所あんのかい?」。
「そうではねえったらよぅ。
ここは支店なんだよ支店。
支店は水が不便なもんで風呂沸かさねえだよ。
風呂へ入るんだったら本店のほうへ行って下せえ」。
「本店行けってよ〜。
どうする?サッパリするから行くか?ああ。
じゃあねえちゃん本店行ってくるよ」。
「ど〜ぞ」。
「で本店ってのはどこにあんだい?」。
「ケメ塚温泉にごぜえます」。
(笑い)「だからそこへ行かれねえからここへ泊まってんじゃねえかよ」。
「もういいよ風呂は。
飯頼むよ飯。
おうねえちゃん行っちゃ駄目だよ。
酌してくれ酌。
『酌は髱』なんて事言うんだから」。
「田舎者ですまねえよ〜ぅ」。
「ウア〜ッ田舎者どころか東京行ったって珍しいよ」。
(笑い)「オ〜ットットハイヨ」。
「ハ〜ッ」。
「ア〜ッ」。
(笑い)「今一杯やって飯食って退屈だ。
何かねえちゃん遊ぶものないか?遊ぶもの。
何かないか?ええ?碁?将棋?そんなのやらねえんだ。
ええ?『相撲取ったら』?」。
(笑い)「誰が相撲取んだよ。
何か無えかよ?表行きゃあるだろ?表」。
「あっパツンコがあるよパツンコ。
ツンジャラジャラツンジャラジャラって」。
「パチンコだろ?」。
「そうでねえよパツンコ」。
(笑い)「『たつつつ』の『つ』の『つ』だよ」。
(笑い)「また始まったよ。
パチンコやって出んの?あっそう?じゃああとで一稼ぎ行こうじゃねえか。
パチンコ屋ってぇのはどこにあんの?」。
「隣だよ」。
「この家の?」。
「本店の」。
(笑い)「また始まったよ〜。
しょうがねえ。
おっ向こうにいるねえちゃんさっきから黙ってんね。
ねえちゃんどこでとれたの?ええ?秋田?秋田でとれたの?ヘエ〜。
秋田の名物っつうと何だい?」。
「美人だよ」。
「ええ?」。
「秋田美人と言って美人だよ」。
「聞いたかよ?おい『名物にうまい物なし』とはよく言ったもんだね〜」。
(笑い)「他に秋田の名物ってぇと何だい?」。
「蕗だよ」。
「蕗なんかどこへ行ったって売ってるじゃないか」。
「そうでねえよ〜ぅ。
秋田の蕗ってぇのはでかくて大きいよ〜ぅ。
畳六畳敷きぐらいのはざらだよ。
雨降った時なんか10人ぐらい雨宿りできるかんねこらぁでけえよ〜ぅ」。
「でかい蕗だね〜。
何て蕗だい?」。
「ほらふきだ」。
(笑い)「からかわれてんだよ〜。
しかし秋田の名物といっては何と言っても民謡だよ。
何かねえちゃん一つ歌ってくんねえか?」。
「それよりお前さま方今東京で浪花節ってぇのが流行ってるそうでねえか。
浪曲が。
一節唸って下せえよ」。
「おい。
お前浪曲やれってよお前。
ええ?唸れよ。
得意だろ?俺口三味線入れるから。
いいか?「ヨ〜ッ」。
・「ペンペンペンペン」「ヨ〜ッ」。
・「旅〜行けば〜ア〜アア」・「駿河の〜道に〜茶の香り〜イ〜イ」・「ここは名におう〜東海道」・「名所古跡の多い〜とこ〜ろ〜オ〜オ」・「溶けて流れる白雪〜よりも」・「清い男の心意気」・「意地のたてしき清水の湊」・「吹けよ〜潮風有度町行けば〜ア〜ア」・「男次郎長〜の〜声がする〜」・「末になったらこの人の」・「身内にな〜って男を磨く」・「ご存じ森の石松を」・「不弁ながらも〜務めま〜しょ〜う」「まぁこんなとこだがな〜」。
(拍手)もうちょっと拍手くると思ったがな〜。
(笑い)
(拍手)「まぁええもんだね〜。
じゃあわしも歌おうかね〜」。
「頼むよ」。
「『秋田音頭』を歌おうかね〜。
『秋田音頭』なんかいいね。
『秋田音頭』ドンドンパンパ。
『秋田おばこ』なんてのがあるけど『秋田音頭』がいい」。
「頼むよ」。
「声が悪くてすまねえよ〜ぅ」。
「ウウ〜ン。
顔のいいのは声もいいって言うけどね」。
(笑い)「まぁ今日はいいや」。
(笑い)「頼むよ」。
「歌おうかね〜ぇ」。
・「ヤ〜ットナ〜ヨ〜イヤサあ〜ソレソレ」・「秋田音頭でソレナット」「いいねおい。
どんどんやってくれ」。
・「ハア〜学校の先生がけん玉落として」・「生徒に拾われた」・「女房頼んで拾いにやったば」・「みぞをじでねでくでたどどだ」
(笑い)「お前日本人かい?」。
(笑い)「それチベットの歌かなんかじゃねえのか?」。
(笑い)「お前黙ってろよ〜。
ねえちゃん。
俺はお前の歌よく分かるんだよ。
こいつ分からねえらしいんだ。
それで俺こいつに通訳するからもう一遍区切って歌ってくんねえか?区切って」。
「ほうかね〜ぇ?」。
・「学校の先生」「分かった。
『学校の先生』と言ってるんだよ。
秋田の言葉鼻に抜けるから『ふぇんふぇ』となったんだ。
そうだろ?ネエちゃん」。
「ふんだふんだ」。
(笑い)「『ふんだふんだ』っつってるよ。
学校の先生がどうしたい?」。
・「学校の先生がけん玉落として」
(笑い)「あんなもの落ちるの?」。
(笑い)「驚いたねおい。
それでどうしたい?」。
・「あ〜生徒に拾われた」「あっ生徒それ拾って持ってっちゃったの?これ先生困ったろうね。
それでどうしたい?」。
・「あ〜女房頼んで」・「拾いにやったば」「あっ女房頼んで拾いにやったの?うん。
じゃあどうしたい?」。
・「は〜みぞをじでねでくでたどどだ」「これは通訳にも分かんないよ」。
(笑い)「どうしたってんだ?ねえちゃん」。
「味噌煮にして食っちゃった」。
(笑い)「あんな物食えるの?」。
「わしゃ好きだよ」。
(笑い)「好きだってよおい」。
「今晩あたりお互いに気を付けようよ」。
(笑い)「でもおかしいよ何か話が。
ねえちゃん何を落っことしたんだい?」。
「げん玉だよ」。
「何だい?げん玉って」。
「コンニャク玉の事だよ」。
(笑い)「早く言えそれ早く」。
(笑い)「心配するじゃねえか心配を」。
(笑い)「しょうがないね全く。
じゃあ味噌汁飲もう。
うん。
これ田舎味噌。
ね?これうまいんだ。
うん」。
「プウ〜ッ」。
(笑い)「これねえちゃんいやに塩っ辛いね。
「すまねえよ〜ぅ。
味噌が足りねえもんで塩を入れたよ〜」。
「変な物入れんなよおい」。
「プウ〜ッ」。
(笑い)「なんかジャリジャリして泥くせえね」。
「すまねえよ〜ぅ。
この辺は水が不便なもんでさっきお前さま方の…」。
(笑い)「足洗った水入れただよ〜」。
「変な物食わせんなよ〜。
お化け屋敷だねまるでおい。
あらっ今度家ん中雨降ってきたよ?ねえちゃん家ん中雨降ってきたよ」。
「降るんではねえよ〜ぅ。
漏るんだよ」。
(笑い)「同じだよ。
どうすんだ?こんな雨降ってきて」。
「大丈夫だってばさ〜心配するこたぁねえよ。
長靴と傘貸してやるだから」。
(笑い)「じゃあなにかい?おい長靴履いて傘差して布団の中で寝ろってぇのかい?」。
「そうではねえったらよ〜。
長靴履いて傘差して本店まで行っとくれ」。
(笑い)
(拍手)
(打ち出し太鼓)2016/11/13(日) 14:00〜14:30
NHKEテレ1大阪
日本の話芸 昔昔亭桃太郎 落語「春雨宿」[解][字]

昔昔亭桃太郎▽落語「春雨宿」▽第687回東京落語会

詳細情報
番組内容
昔昔亭桃太郎▽落語「春雨宿」▽第687回東京落語会
出演者
【出演】昔昔亭桃太郎