（五十八）おおすみれ。
（五十八）何や？どないしたんや？
（すみれ）お父様…。
紀夫さんの事何か分かった？分からんねや。
（五十八）申し訳ない。
（五十八）紀夫君は戻ってくるかもしれへんけど戻ってこおへんかもしれん。
ちょっとずつでええから紀夫君がおらへん人生を考える事も必要やないかと思うてる。
新しい事も始まる。
前を見るんや。
前…？前って…どこですか？これからの事や。
紀夫さんの事を考える事は…後ろを見ている事やと…お父様はそうおっしゃるんですか？ああそうや。
すみれ！
（栄輔）すみれさん！・「『雨上がりの空に七色の虹が架かる』」・「ってそんなに単純じゃない」・「この夢想家でもそれくらい理解ってる」・「たとえば１００万回のうちたった一度ある奇跡」・「下を向いてばかりいたら見逃してしまうだろう」・「さぁ空に架かる虹を今日も信じ」・「歩き続けよう」・「優しすぎる嘘で涙を拭いたら」・「虹はもうそこにある」・「きっと虹はもうここにある」すみれさん！待ってやすみれさん！すみれさん…。
（はな）
この日すみれは店には戻りませんでした
（君枝）すみれちゃん大丈夫かなぁ…。
（戸が開く音）
（喜代）すみれお嬢様。
お客様ですよ。
今日は…。
（明美）来てもうたわ。
明美さん。
自分で決めるしかないんやない？あんたの旦那が死んどるか生きとるかあんたが決めたらええ。
決めたら楽やで。
そんな事は…決められる訳ないやない。
生きとったら会われへんくてもええやないか。
元気に生きとってくれれば…。
そう思われへんのやったら諦める事や。
誰も責めへんよ。
旦那の親御さんかてそう言うてんやろ？おはよう。
おはようございます。
（良子）すみれちゃんおはよう。
おはよう。
おはよう。
相談相談。
子ども服の型紙どんなものがええのか話してたのよ。
わぁ…。
あっそうや。
お店の名前どうする？名前？もうベビーのものだけ売る訳やないしあさやさんからも引っ越す訳やから新しい名前付けた方がええよね。
そやね。
（ゆり）あっお帰りなさい。
（潔）ゆり。
ん？今後の事で話があるんや。
う…うん。
近江の麻糸を原料にして布にできへんやろうかと。
それは…。
そうや。
お義父さんとお義母さんがしとった仕事や。
わしはゆりに近江へ行ってお義母さんがやっとった事とおんなじ事をやってもらえないやろかと思うてる。
離れて寂しい思いさせるかもしれん。
つらい事もあるかもしれん。
並大抵の事やないのも分かってる。
こんだけ苦しい事をどっか遠慮があってよう言われへんかった。
わしらの未来のため坂東営業部の復活のために先代のお義父さんとお義母さんがやっとった事をわしはゆりとやりたい。
やっと考えてる事言うてくれた。
私もそうできたらええなってずっと考えてたのよ。
ゆり…。
お母様もやってた事やもの。
私も頑張りたい！わしらは変わっていかなあかん。
そやけど何があってもわしが惚れたゆりは変わらんはずや。
あ…。
フフッ。
行ってきます。
（喜代）行ってらっしゃい。
行ってきます。
栄輔さん…。
おはよう。
おはよう。
心配しとった…。
一人でどんだけつらい思いしてるんやろって。
栄輔さん…。
はあ…。
あの…わしで…。
わしでよかったら…。
坂東さんのお宅ですか？はいそうです。
坂東すみれさん宛ての手紙です。
ありがとうございます。
誰やろ…。
それは待ち焦がれていた紀夫君からの便りでした
（紀夫）「すみれ。
すみれが無事でいる事を信じています。
桜の咲く頃帰ります。
早くすみれに会いたいです。
坂東紀夫」。
紀夫さん…。
紀夫さん…。
生字幕放送でお伝えします2016/11/18(金) 08:00〜08:15
ＮＨＫ総合１・神戸
連続テレビ小説 べっぴんさん（４１）「未来」[解][字][デ]
紀夫（永山絢斗）は帰ってこないかもしれない、前を見て生きるようにと五十八（生瀬勝久）から言われて絶望するすみれ（芳根京子）。するとある朝、待ちわびた手紙が届く。
詳細情報
番組内容
絶望するすみれ（芳根京子）に五十八（生瀬勝久）は、紀夫（永山絢斗）は帰ってこない可能性もある、前を向くことが大事だと告げる。大雨の中、その場を飛び出したすみれを、栄輔（松下優也）は追いかけるが、何もいうことができない。店に行かず家に閉じこもるすみれを明美（谷村美月）が訪ね、「生きているか死んでいるか、自分で決めれば楽」と励ます。店に向かおうとすると、そこに待ちわびていた紀夫からの手紙が届く。
出演者
【出演】芳根京子，生瀬勝久，菅野美穂，高良健吾，蓮佛美沙子，谷村美月，百田夏菜子，土村芳，曽我廼家文童，宮田圭子，松下優也
原作・脚本
【作】渡辺千穂
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