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字幕書き起こし 忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣(9)生死の境を救うのは愛!48人目誕生の瞬間! 2016.11.19

施設の関係者から説明を受けていました。
(きよ)
私は芝源助町で酒屋を装い十郎左様と共に暮らしていました。
そんな中村松三太夫様が訪ねてこられたのです
(三太夫)拙者をこの家に居候させてはもらえませぬか。
私にここを出ていけと。
(十郎左衛門)時が来たのだ。
私は十郎左様のもとを去り浅草の実家に帰る事を決めたのです
ついに閉門中の浅野大学に幕府の処分が下った
その知らせが京都山科の大石のもとへ届いたのは6日後
大学様が…。
閉門は解かれた。
だが大学様に家禄は与えられず広島のご本家に差し置きとなられた。
では浅野家の再興は…。
松の廊下の刃傷事件から1年4か月。
浅野家再興の道は断たれたのである
7月28日辰の刻。
大石は京都円山の安養寺塔頭に同志18名を集めた
おのおの方。
これまでこの大石がとってまいった手段についてはさぞ手ぬるいと思うた事であろう。
だがここに至ってのご公儀のお沙汰。
この上は最後の一挙。
進むべき道はただ一つ。
同志一丸となっての討ち入りをここに決意致す。
(一同)お〜。
大石は10月までに一切の整理をし江戸へ下向致す。
おのおの方も必ずご出府あるよう心得よ。
(安兵衛)ご家老。
大石様がお心を決められた?
(弥兵衛)あっこれこれ。
これこれ。
お家再興が断たれた今ようやくご家老も腹をくくられた様子。
これからは同志一丸となって討ち入りへ突き進むと言明されたそうじゃ。
こうなったからは一日も早う事を起こしてもらわねばわしの方が先に死んでしまうわい。
吉良方の様子についての調べは進んでおるのですか?
(弥兵衛)江戸各所に潜んでいる同志たちがおる。
安兵衛が戻り次第それらをまとめねばならぬ。
條右衛門お前にも力を貸してもらわねばならんぞ。
はい。
それから條右衛門。
ほりがお前のために仕立て直した着物がある。
ほり殿が?
(ほり)はい。
いくら何でもその身なりではのう。
さあさあ奥へ。
(條右衛門)あ…。
毛利様。
ご近習の皆様はこの事は?無論伝わっているはず。
さようでございますか。
きよ殿。
小耳に挟んだ事があるのですが…。
何でございましょう。
きよ殿には吉良家につてがあるというのはまことでござりますか?何故その事を。
今この時何としてでも敵の様子を探り出し皆様へお伝えするのが拙者の役目と思うております。
毛利様。
もしそのようなつてがあれば是非一度お聞かせ願いたいと。
吉良家の事を知りたいと言った毛利様のお言葉が耳に残っていました。
大石様のご決断を受けおのおのが今おのおのの役割のもと動き始めようとしている
十郎左様は待ち望んだこの知らせを聞き今何を思われているのか
会いたい…
回想今日が最後でよかったのだ。
もはやいらぬ未練。
すまぬ。
兄様!お聞きになりましたか?京の円山で大石様が…。
(善左衛門)源助町も相生町もこの話で持ちきりだ。
酒屋へ行かれたのですか?十郎左様は何と?きよお前十郎左の事聞いておらぬのか?十郎左様が何か?床にふしておるのだ。
え?それもひどい熱でもう4日食べ物も喉を通らず日に日に弱っている様子。
だがかたくなに誰にも知らせるなと言い張っているらしい。
見舞いに行ってやれ。
お前がそばにいてやれば十郎左もきっと…。
十郎左様はさような事は望まれぬと思います。
(善左衛門)何故そのような事を。
あの方はさようなお方。
誰にも知られたくないと言われたあのお方のところへ私が出向く訳にはまいりませぬ。
事を成す前に十郎左が命を落としてもよいのか。
ただの風邪やはやり病で俺がここまで言うと思うか?お前が思ってるより事は深刻だ。
(元哲)行ってやれ。
父様。

 

 

 


(元哲)行かねば悔やむ事になる。
ありがとうございました。
(与八)きよ様。
(三太夫)きよ殿。
兄から礒貝様の事をお聞きし手伝いへ参るようにと。
よう来て下さった。
いえ。
お医者様は何と?
(あえぎ声)十郎左様。

 

 

 

 


(あえぎ声)すぐに冷たいお水をくみ直してきて下さい。
はい。
それから新しい布をたくさん。
それと肌着の替えも。
(与八)はい。
薬湯はどこです?ちゃんとのまれているんですか?喉を通らぬようで。
分かりました。
十郎左様しっかりなさって下さい。
きよです。
お分かりになりますか?きよです。
十郎左様…。
お分かりになるのですね。
十郎左様。
きよがついております。
しっかり。
しっかりなさって下さい。
十郎左様。
十郎左様。
これをお使い下さい。
ありがとうございます。
その日から寝ずの看病が始まりました
十郎左様。

そして数日後の夕刻
きよ様。
熱が引いてきたのではありませぬか?え?顔の赤みが薄らいでまいりました。
与八さん。
きよ様の看病のおかげでございます。
少し白湯でも飲ませましょう。
与八さん白湯を。
はい。
与八さんすぐにお医者様を!へい。
残念ながらこれ以上手の施しようがござりませぬ。
えっ…。
今夜が峠とお考え下さい。

(十郎左衛門のうめき声)十郎左様!十郎左様。
何でございますか?十郎左様。
吉良を…。
吉良を…。
吉良を討たねば…。
今死んではなりませぬ!その思い達するためにも生き返って下さいませ!うっ…。
十郎左様。
あの日そうおっしゃったではありませぬか。
必ずお殿様のご無念をお晴らしすると。
吉良様が生きてる限り殿のご無念を晴らさずにいられようか。
私は必ず吉良様を討つ。
この命に代えても。
それゆえきよは…きよは…。
生きて下さい。
生きて。
きよ…。
十郎左様…。
十郎左様。
きよ…。
きよ…。
少し休まれた方がよい。
もう丸2日寝ておられぬ。
拙者が代わろう。
なれど…。
きよ殿の思いしかと見極めた。
拙者の事は気にせずともよい。
三太夫様…。
代わろう。
きよ殿はそちらへ。
あっ…十郎左様。
礒貝殿。
きよ。
十郎左様。

十郎左様は一命を取り留めました。
そうしてその翌日からうそのように熱は引き始めたのです
すまぬ。
いえ。
私の方こそここへはもう二度と参らぬとお約束致しましたのに。
ご回復なされようございました。
さあ少しでもお口に。
そなたにこの命救ってもろうた。
礼を言う。
されど…その命もまた散りゆくために使わねばならぬな。
きよ殿に謝らねばならぬ。
十郎左様はきよを見損なっておられます。
きよは十郎左様に本望を遂げて頂くためそのお命をお助けしたのです。
そのために生きて頂きたかったのです。
きよ…。
十郎左様がこのまま本懐遂げずにお命をなくすような事になれば十郎左様にどれほどのご無念が…。
この一年おそばにいて十郎左様のそのお気持ちがきよに分からぬとでもお思いでございますか?それが分かればこそ…そのお気持ちが分かればこそきよは…きよはお命をお助けしたいと思ったのでございます。
きよ殿。
十郎左様が何と言われようともきよは十郎左様の手助けを致しとうございます。
十郎左様。
きよをこれより皆様の同志と心得て下さいませ。
きよもまた浅野家の家臣でございます。
与八さん後を頼みますよ。
へい。
きよ殿。
いろいろとご苦労でござった。
そなたのおかげで助かり申した。
三太夫様。
三太夫様。
十郎左様にお伝え願いたき事がございます。
何でござるか。
こちらへ。
私に吉良様のお屋敷へご奉公にあがるお話がございます。
きよは吉良屋敷へ入りますと。
きよ殿それは…。
皆様のお役に立てるとあらばきよも本望でございます。
それから数日後吉田忠左衛門が隅田川の茶屋へ極秘で江戸の同志を招集した。
その中にただ一人の女がいた
いらっしゃいませ。
どうぞお部屋はこちらでございます。
こちらです。
いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
皆様お集まりになられたようですな。
はい。
間もなく全てのお客様が。
うむ。
いらっしゃいませ。
ご全快になられたのですね。
心配をかけた。
きよ殿。
はい。
村松殿から話は聞いた。
くれぐれも…くれぐれも体に気を付けよ。
私は丈夫でございます。
いずこへ参りましても倒れたりは致しませぬ。
その日一同は京都円山での会議を受け今後の事を話し合った。
だがこれまでとは違い討ち入り一筋と進むべき道は決まったのである。
万事大石の指揮に従う事に異存のある者はいなかった
そしてきよには重大な役割が待っていた
美しゅうございましたか?江戸の月は。
万事丸うて上々にござった。
それはようございました。
で都鳥はいつ?まだまだちらほらじゃ。
秋から冬が時ゆえこれより次々と飛来しよう。
秋から冬。
それまでに屋敷内をようよう調べ隙間風をなくせば用意万端。
よろしゅうお頼み申す。
かしこまりました。
隅々まで調べてまいります。
(仙桂尼)やはり吉良様のお屋敷へ。
はい。
(仙桂尼)そうではないかと案じておりました。
仙桂尼様きよの勝手をお許し下さいませ。
時が近づいてきた今きよは皆様のお役に立ちたいのでございます。
何もせずただ見ている事はできませぬ。
そなたは己の身の危険がどれほどのものか心得ておるのか?万が一にも身元が知れればそなたの身は…。
無論心得ております。
されど奉公先は奥方様の住む白金の上杉様の下屋敷。
吉良様のおられる本所でない事が残念でございます。
そなたには何を言うても無駄なようじゃ。
きよ。
私とて浅野家に仕えた身。
皆様のお役に立ちたいというそなたの思い分からぬ訳ではありませぬ。
仙桂尼様…。
先代の奥方様のためお殿様のため一生をかけ尽くしその後は尼となりこうして墓守を。
寂しさも悔しさも嫌というほど味わいました。
それゆえもう血は…。
愛する者に無駄に命を捨ててほしくはないのじゃ。
きよ。
そなたは妹さえの娘。
その愛を一身に受けこうしてここにいる事忘れてはなりませぬ。
御仏から頂いた尊い命。
大切になさいませ。
伯母様。
きよ…。
仙桂尼様の肌のぬくもりはまるで母のようでした。
こんなにも慈しんで下さる仙桂尼様の思いを…。
母様。
きよをお許し下さい。
そしてきよを…お守り下さい
さあこちらへ。
奥方様。
新しく奉公致す事になりました女中を連れてまいりました。

(富子)おおそうか。
お入りなさい。
失礼つかまつります。
この度奥方様にお仕え致しますさえと申します。
(富子)そなたがさえか。
はっ。
母様。
母様の名をきよはお借りしました
(富子)よう来てくれました。
さえは琴が得手とか。
今は人目がうるそうてしかたがないがそのうち披露してもらおう。
のうちさ。
(ちさ)はい。
(富子)ああそうじゃ。
ちさもなんぞ致せ。
(ちさ)私はとても…。
この方こそ我が浅野家の仇吉良上野介の奥方富子様でした
2016/11/19(土) 18:10〜18:45
NHK総合1・神戸
忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣(9)生死の境を救うのは愛!48人目誕生の瞬間![解][字]

赤穂浪士による討ち入りが決定するが、十郎左衛門(福士誠治)は生死の境をさまよう。懸命に看病するきよ(武井咲)は、それでも討ち入りに執念を燃やす姿にある決意をする

詳細情報
番組内容
大石内蔵助(石丸幹二)がついに討ち入りを宣言。江戸に潜む浪士たちの動きも活発に。その頃十郎左衛門(福士誠治)は生死の境をさまよっていた。きよ(武井咲)は駆けつける。縣命に看病するきよと十郎左衛門の姿は、きよを想う三太夫(中尾明慶)にも夫婦とうつる。意識の混濁した中で十郎左衛門は「吉良を討たねば」という言葉を絞り出す。それを聞いたきよは自分も浅野家の家臣として、同志の一人としてあることを決意する。
出演者
【出演】武井咲,福士誠治,佐藤隆太,皆川猿時,笹野高史,大東駿介,石丸幹二,陽月華,中尾明慶,風吹ジュン,伊武雅刀,三田佳子,泉澤祐希,中村倫也
原作・脚本
【原作】諸田玲子,【脚本】吉田紀子