（雨音）
（毛利小五郎）ふっふふっふふ〜んうわっちょっ！クソッ！これだから雨の日は嫌なんだよ。
（コナン）だったら家にいればよかったのに。
ん？バーロー！蘭がいないせっかくのチャンスなんだぞ！これで飲みに行かないでどうするってんだよ！でも蘭ねえちゃんご飯用意して行ったのに…。
あとで怒られても知らないからね。
フン！そういうオメエだってしっかりついてきてるじゃねえかよ！へへへ〜僕がいた方があとで何かと言い訳できるでしょ？フン！で？何が食いたいんだよ？えっとね〜。
（ドン！キィーッ！）なんだ！？おじさん今の音って…！ああ。
事故かもしれねえ！
犯罪染まる黒いキャンパス
あざやか推理でカラーチェンジ！
現場を照らす車のライト単なる事故が意外な展開
たった１つの真実見抜く見た目は子供頭脳は大人
その名は名探偵コナン！
あっ。
おっ！おいあんた！大丈夫か！？どう？気絶しているだけだ。
でもどうしてこんな道の真ん中で…。
おじさん！あそこ。
え…なんだ？なっ！？ダメだ！亡くなっている。
ボウズ警察に連絡だ。
その必要はないみたい。
あ？
（パトカーのサイレン）
（拡声器：高木の声）中央ラインに停車中の車。
警部殿！？
（高木）毛利さん！？どうして２人がここに？
（目暮）事件の帰りでな。
そしたら中央線に停車している不審な車が見えて…。
しかし毛利君こそこんな所で何を？いやぁそれが…。
偶然近くを歩いていましたら衝突音が聞こえまして。
駆けつけてみたらこの通り…。
な！？どうやら防犯カメラはなさそうだな。
ええ…。
それにこの雨と暗さじゃ目撃証言は期待できそうにありませんね。
そうなると彼に事情を聞くしかないんだが大丈夫なのかね？命に別状はないようです。
救急車も間もなく到着するかと。
彼が意識を取り戻すのを待つしかないか…。
それで被害者の身元は？はい。
ポケットに財布と携帯がありまして身分証から堤直弘さん３１歳。
おそらくですが死因は頭部を強打したことによる脳挫傷かと。
どうも一杯ひっかけてるようですし酔っ払いの飛び出し事故か何かでしょうな。
うむ。
だがまだそうと決めつけるわけにはいかん。
（菊池）うっうぅ…う…ん…。
（高木）あっ！ん！ん？え？ああ！イテテ…。
イテッ！オメエは現場でうろちょろと余計なことしかしねえからな。
ここでおとなしくしてろ！ううっ…頭が…。
あ…！な何か？
（目暮）何も覚えとらんのかね？
（菊池）何って…僕車を運転していて…。
あっそうだ僕は…！僕がはねてしまった人は！？ぶ無事なんでしょうか！？残念ながら…。
（菊池）そそんな…。
（高木）ああ！大丈夫ですか！？どこかケガでも…。
だ大丈夫です。
念のためあとで検査を。
（救急車のサイレン）もうすぐ救急車が来ますから。
はい…。
（目暮）どうですかな？
（救急隊員）口の中を切っていますが他にケガなどはないようです。
ではこのまま現場検証にお付き合いいただいても…。
問題ないかと。
うむ。
ではこちらによろしいかな？はい。
ではお名前から。
菊池俊明です。
お勤め先は？今は無職です。
そうですか。
それでは…。
ハッ！つ堤！？
（菊池）堤！堤…やっぱりお前じゃないか！どうしてこんなことに。
どうして…！あ…お知り合いなんですか？はい。
ん！？
（菊池）まさかお前をはねてしまうなんて…すまん…すまん！被害者とはご友人か何かで？会社の元同僚です。
「元」というのは？堤も私も最近会社をクビになりまして。
同期入社で何かと仲良くしてましたから退社時期も同じになるなんてって笑い話をしていたところでした。
そうですか…。
ではおつらいでしょうが事故当時の詳しい状況をお話し願えますか？はい。
（菊池の声）知り合いのお店で夕飯を食べたあと車で帰宅中だったのですが…。
ああっ！
（キィーッ！）
（ドン！）
（菊池の声）傘をさした人が飛び出してきたのに気づいてすぐにブレーキを踏んだんです。
でもこの雨と暗さで…。
単なる言い訳ですが。
うむ…食事の帰りとおっしゃいましたがもちろん飲酒などは？それはないです。
１滴も飲んではいません。
《ん！？あの傘…》《ん！？》《この傘被害者のだよな…》
（車のドアが開く音）おじさん何してるの？
（菊池）あ！？あぁボウヤか。
自分の傘を取りに来たんだ。
ずっと刑事さんの傘に入れてもらってるわけにもいかないしね。
（高木）目暮警部！救急隊員からこんなものが。
何か見つかったみたいだね。
（菊池）そのようだね。
う〜ん。
（菊池）どうしたんですか？堤氏の遺書が出てきました。
そんな…あいつが遺書を！？つまりこれは飛び出し事故じゃなく自殺だったってわけですな。
ねえその遺書ってどこにあったの？ああ救急隊の人が堤さんの上着のポケットから発見したそうだよ。
菊池さん彼が自殺するような動機に心当たりはありませんかな？会社をクビになり初めの方は就職活動を頑張っていたんですがなかなかうまくいかず…。
（堤）あ〜あ宝くじでも当たらねえかなぁそんなことより就職活動はどうなんだ？あぁ？今更俺を雇おうなんて会社があるわけねえだろ！そんなこと言うなよ。
堤チッ…オメエがつまらねえ話するから酔いがさめちまったぜ。
クソッ…おい菊池金貸せ！会社からの見舞金があるだろ？そんなの全部使っちまったよったく…
（堤）なんでもいいから金よこせ！お…おい！へへ…１枚借りるぜこれからどうするつもりなんだ？さあな…どうしようもなくなったら自殺でも何でもするさ！自殺ってお前…！フン…冗談だよ。
じゃあななるほど会社をクビになり金にも困っていたと…。
まさか自殺するほど滅入っていたなんて…。
僕に相談してくれれば…うっ。
ねえ高木刑事何かついてるよ。
あ？ん？
（高木）本当だ。
何かの糸くずみたいだね。
それって…。
だ〜か〜ら…。
（ゴン！）調子に乗るんじゃねえ！痛い！あっちに行ってろ！雨もひどくなってきたし我々も雨宿りをするとするか。
ですね…。
まあそれほど不審な点も見当たりませんし自殺で決まりでしょうな。
それで…私の罪はどれくらいのものになるんでしょうか？そうですねぇ…交通課の調査次第でまだなんとも言えませんが前方不注意…業務上過失致死罪以上ということにはならないんじゃないッスかねぇ。
そうですか…。
《違う！これは自殺なんかじゃ…》《クソッまだ決め手がねぇ》ヘックシュッ！クソー！びしょ濡れだぜ。
このコートちっとも水をはじかねえじゃねえか！《あ…》《そうか！》《どこかにあるはずだ…》《あった！》
（目暮）しかし遅いな交通課の連中は…。
（高木）さっきの救急隊の話では米花大橋で多重衝突事故があったらしいですからね…。
（プシュッ！）ほげっ！あ〜今日はいきなり…。
も…毛利君！もうきたのか？ま…まさかいつものが？
（変声機：小五郎の声）ああわかってしまったんだよ…これが菊池さんによる計画殺人だということがね。
しかし君はさっきまで自殺だと。
（変声機：小五郎の声）ええ菊池さんの迫真の演技にすっかり騙されていましたよ。
何をバカなことを！
（変声機：小五郎の声）菊池さん…あなたの証言にはおかしなところがいくつかある。
おいコナン。
あれを警部殿に。
は〜い目暮警部！車の近くに落ちてたんだ。
たぶん堤さんの傘じゃないかな？ふ〜む…普通の傘のようだが…。
（変声機：小五郎の声）菊池さんは傘をさした人物が飛び出してきたと証言しました。
あれ？その傘…閉じてましたよね？事故の衝撃で傘が閉じたとかじゃないんですか？
（変声機：小五郎の声）その傘はジャンプ傘という種類のもので開く時はボタンをワンタッチですが閉じる際にはランナーという部分をスライドさせる必要があります。
う〜ん…。
（変声機：小五郎の声）ご覧のように意図して傘を閉じようとしないとその傘は閉じることができないんですよ。
では堤さんはいつ傘を閉じたんでしょう？はねられた後に傘を自分で閉じたとは考えにくい。
となると…。
ああ…僕の記憶違いでした。
堤は初めから傘をさしていませんでした。
そうです間違いありません。
（変声機：小五郎の声）ほう記憶違いね。
本当です！事故で記憶が混乱していたんです。
（変声機：小五郎の声）私の推理では堤さんは菊池さんの車に乗り込もうとして傘を閉じたんです。
違いますか？どういうことだね？
（変声機：小五郎の声）私が現場に居合わせた時車の室内灯が点いていました。
おいあんた！大丈夫か？
（変声機：小五郎の声）そしてあなたが傘を取りに車に戻り助手席のドアを閉めると室内灯が消えた。
つまり誰かが助手席のドアを一度開けたんです。
そして何らかの理由で半ドアのままになっていた。
菊池さん…どうして後部席にあった傘をわざわざ助手席から取ったんですか？そ…それは…。
（変声機：小五郎の声）あなたは室内灯の点灯が堤さんを車に乗せようとした証拠になると思いその事実を隠そうとしたんじゃないですか？ち…違う！
（変声機：小五郎の声）菊池さん…あなたは堤さんを人気がなく防犯カメラのないこの道に呼び出した。
（変声機：小五郎の声）そして現場にやって来た堤さんを車に乗るように促した。
堤さんが助手席に乗り込もうと傘を閉じドアに手をかけた瞬間あなたは車を急バックさせた。
遺体の右手の指に擦過傷ができたのはその時でしょうな。
（変声機：小五郎の声）その後一旦停止すると訳がわからず呆然としている堤さんめがけて車を急発進させた。
待ってくれ。
どうして一旦バックする必要があるんだね？
（変声機：小五郎の声）人をはね殺害するために必要な加速距離を稼ぐためですよ。
車の助手席側サイドミラーがフロント方向に曲がっていたのが車が一度バックした証拠です。
バックした際に堤さんの体にサイドミラーが接触したんでしょうな。
ああっ！
（ドン！）
（キィーッ…）
（変声機：小五郎の声）堤さんをはね飛ばした後あなたはあらかじめ用意しておいた遺書を手に車外に出た。
そして遺書を堤さんの上着のポケットに忍ばせ車に戻ると気絶したフリをした。
これが事件の全容です。
た…確かに筋は通っていますね。
でも証拠はあるんですか？これだけじゃ私が犯人とは言い切れませんよね？確かにこれだけの状況証拠では菊池さんが犯人だと断定は…。
（変声機：小五郎の声）証拠ならあります。
堤さんの所持していた遺書を見てください。
あ…。
なんだね？
（変声機：小五郎の声）紙をよく見てください。
キレイすぎると思いませんか？
（高木）あ〜…。
ん？
（変声機：小五郎の声）堤さんが遺書を上着のポケットに入れた状態で車にはねられていたとしたらもっとその紙はクシャクシャになっていないとおかしい。
（高木）言われてみればそうですよね。
（変声機：小五郎の声）次に遺書の濡れ方が不自然なんです。
確かに！濡れてない所があります。
どういうことだね？
（変声機：小五郎の声）その遺書に撥水加工が施されているということですよ。
ん？どうしてそんなものが遺書に？
（変声機：小五郎の声）遺書そのものにというより遺書が撥水加工されたものと一緒に置かれていたためその撥水成分が移ってしまったと考えるのが自然でしょうな。
う〜ん…。
（変声機：小五郎の声）高木刑事菊池さんの車のダッシュボードを調べてみてくれ。
わかりました！
（高木）ありました！車用のワックスとそれを拭き取ったと思われるタオルです。
うむ。
（変声機：小五郎の声）菊池さん…今日車にワックスを塗りましたね？あなたの右の袖口だけ雨粒をはじいているのがその証拠だ。
（変声機：小五郎の声）遺書に付着している水色の繊維片とそのタオルの繊維が一致すればあなたが遺書を堤さんのポケットに忍ばせたということがハッキリしますよ。
あ…。
（変声機：小五郎の声）雨で証拠が洗い流されるのを狙ったんだろうがそれが逆に裏目に出ましたな。
あいつは会社をクビになる時上司にあることないこと吹き込んで私も巻き込んだんです。
（ドン！）なんだ…堤…どうしてあんな嘘を言ったんだ！そのせいで俺は…フン！わけなんてねえよ！道連れが欲しかったんだよ道連れが！お前そんな理由で俺の人生を…まあ会社をクビになったもん同士仲良くやろうぜ！なぁ同期！へへへ…
（菊池の声）僕はあいつの気まぐれで人生を狂わされたんです。
許せなかった！クッ…クゥ…。
この番号に電話して限定メッセージを聞くと抽選で素敵なプレゼントがもらえるよ
今回のプレゼントはこちら！
うぁ〜っと…。
ああこれでやっと晩飯が食えるな。
うん…あっ！また降ってきた…。
あ…。
あれ？俺の傘は…？え？ああそうだ！あさっきのバス停に置きっぱなしだ！急いで取りに…ヒェッ！《まさに雨晴れて傘忘るってか》2016/11/26(土) 18:00〜18:30
読売テレビ１
名探偵コナン「雨のバス停（ストップ）」[字][デ]
コナンたちは事故の現場に遭遇。車を運転する菊池が急に飛び出してきた堤をはねてしまったのだ。偶然にも２人は会社の元同僚だった。小五郎は事故と判断するがコナンは…。
詳細情報
声の出演
江戸川コナン：高山みなみ
毛利小五郎：小山力也
目暮警部：茶風林
高木刑事：高木渉
堤直弘：石川ひろあき
救急隊員：河西健吾
菊池俊明：野島健児ほか
番組内容
雨の中、裏通りから鈍い音が響く。小五郎とコナンが駆け付けると、交差点付近に停まる車の運転席で菊池が気絶。前方では血を流した堤が絶命していた。目を覚ました菊池は堤の遺体を見て愕然となる。菊池と堤は会社の元同僚だった。菊池は突然、交差点から傘を差した男が飛び出してきて、慌てて急ブレーキを踏んだが間に合わなかったと証言。この後、堤の上着から遺書が発見され、小五郎は飛び出し事故ではなく、自殺と判断するが…
制作
【原作】
青山剛昌（小学館「週刊少年サンデー」連載中）
【監督】
山本泰一郎
【キャラクターデザイン】
須藤昌朋
【音楽】
大野克夫
【制作】
ｙｔｖ
トムス・エンタテインメント
番組ホームページ
ｈｔｔｐ：／／ｗｗｗ．ｙｔｖ．ｃｏ．ｊｐ／ｃｏｎａｎ／
音楽
【オープニング曲】
「世界はあなたの色になる」Ｂ’ｚ
【エンディング曲】
「ＳＡＷＡＧＥ☆ＬＩＦＥ」倉木麻衣
ｙｔｖアニメ情報
青山剛昌先生 全面監修 完全新作
名探偵コナン エピソード“ＯＮＥ”
小さくなった名探偵
１２月９日（金）夜９時放送 金曜ロードＳＨＯＷ！
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