（小山）ちょっと手間かかり過ぎですねぇ。
一工程二工程減らしましょう。
（すみれ）そんな事をしたら私たちの作るキアリスのものやなくなります。
私たちが作った肌着やお洋服がキアリスのものやなくなるならこの話は全部なかった事にして下さい。
なかった事にして下さい。
・「『雨上がりの空に七色の虹が架かる』」・「ってそんなに単純じゃない」・「この夢想家でもそれくらい理解ってる」・「大量の防腐剤心の中に忍ばせる」・「晴れた時ばっかじゃない」・「湿った日が続いても腐らぬように」・「たとえば１００万回のうちたった一度ある奇跡」・「下を向いてばかりいたら見逃してしまうだろう」・「さぁ空に架かる虹を今日も信じ」・「歩き続けよう」・「優しすぎる嘘で涙を拭いたら」・「虹はもうそこにある」・「きっと虹はもうここにある」
（紀夫）ほんまに申し訳ありませんでした。
うち大急ですよ？ええ。
うちの社長は何が何でもキアリスさんと契約したいと言うとるんです。
はい。
（小山）うち大急ですよ！？頼みますよ坂東さん！
（紀夫）はい。
何を考えてるのや。
何で先方の前で突然あんな事を…。
あちらは破格の好条件を出して下さってるのやぞ。
はぁ…どんなに名誉な事か…。
（紀夫）少し考えてからでもよかったんや…。
考えても変わらないと思ったの。
うん…。
（勝二）ああ〜！はぁ〜。
やる言うたりやめる言うたり何なんや全く…。
（昭一）結局振り回されっ放しやなぁ。
要は自分らの思うとおりにできるかどうかだけやからなぁ。
ああ女はええなぁ。
（昭一）お気楽や。
ところで話は変わりますがそちらさんの子育てはどんな感じで？どんな感じ？言わなあかん事をつい大声でどなってしまって…。
へぇ…。
ええやないですか？えっ？女房に任せれば。
ああ…。
大丈夫ですか？そない飲んで。
（ゆり）潔さん私ね考えてる事があるの。
（潔）何や？これを大急に提案したいのやけど。
「大急百貨店で学ぶ大人のための洋裁教室」？そう。
すみれたちが子ども服の型紙と生地を売ってるでしょう？それを見て思いついたの。
デザインでお世話になってる吉田美代先生に講師をお願いしてうちの生地を使っておしゃれな洋服を作るの。
生地も売れるし生徒さんたちはきっとうちのお客さんになってくれると思う。
（大島）売れる仕掛けを考えて持ってきてくれ。
どこもやってないような新しい仕掛けをね。
大急の集客にもつながるし話題性もある。
いけるんちゃうか？これ。
ほんま？ほんまにそう思う？ほんまや。
うちが大急とキアリスをまとめたんや。
この教室をきっかけに更に食い込めるはずや。
（ドアが開く音）ああ紀夫さんお帰りなさい…。
大丈夫？えっ…飲んでるの？そら飲みたくもなりますよ。
え…？
（長谷川）ただいま戻りました…。
（ゆり）お帰りなさい。
（潔）紀夫君？やりたない言うてます。
どういうこっちゃ。
（ゆり）ああ…！
（一同）おお〜！やりますわやります。
笹井水水！どうぞ…。
あ…。
はい紀夫君こっからは…。
はい…おお〜。
（ゆり）危ない危ない危ない。
頭危ないよ。
お邪魔します。
こんばんは。
さくら元気やった？
（さくら）元気やった！
（ゆり）フフッ！あ〜あ〜。
帰ったでぇ…。
ちょっと大丈夫？紀夫さん紀夫さん！
（ゆり）話は紀夫さんから聞いたよ。
すみれの思いは分かる。
そやけどそれやったら大勢の人にすみれたちの作ったいいものを届ける事はできないよ。
うん…。
飛躍のええ機会やのに…ほんまに断ってええんか？そうか…。
申し訳ありません。
一度はやる言うたのに潔さんの顔に泥を…泥を塗るような事になってしもてほんまに…。
ごめんなさい。
それはええよ。
わしらのためにやる訳やなし。
大島さんにはわしから断っておくわ。
迷惑かけて…ごめんなさい。
紀夫さん…。
立場を分かってるのにごめんなさい。
もうええ。
（ノック）
（明美）は〜い。
（玉井）具体的な話したいんや。
困る言うてるやない。
明美さん話ぐらい聞いてや。
えぇ？ヘヘヘ…。
断るのはそれからでもええがな。
何よ？話って。
早うして。
ここにあるキアリスの商品と似たもん作ろ思うとるんや。
もちろん新しい名前付けてな。
質やとか何やとかそんなややこしい事は抜きにして…。
ここより安い値段で売るんや。
これまでの給金の１００倍は稼げるはずや。
そんな事やる訳ないやろ。
お母ちゃん…病気で死んだんやろ？あんたはみんなと違うて一人なんやで？旦那もおらん。
子どももおらん。
家もない。
何かあった時に助けてくれるのは何や？金やろ。
フフフッ。
それは明美さんが一番知ってるはずやで。
よう考えといて。
また来まっさ。
（足立）どうぞ。
ありがとう。
タケちゃんも座り。
はい。
あんたも苦労してきたんやろ？えっ？よう気が付くもんなぁ。
人の事よう見とう。
苦労っち言えば苦労なんかなぁ？おやじが死んでしもうて一番上の姉ちゃんの旦那さんが家も工場も継ぐ事になって…。
わしらは外に出ろっち言われたんです。
さみしいなぁ…。
寂しくねえです！わしには明美さんやすみれさんや良子さんや君枝さんがおりますけん。
え…？小山さんお世話になってます。
紀夫君どないしたんや？大島社長が…。
直接すみれさんにお会いしたいと申しております！へぇ〜何でやろ？とにかく明日一緒に行く事になったから。
気が進まないわ…。
ここまで尽力して下さったんや。
ええ条件もぎょうさん出して下さったんやぞ。
きちんと顔突き合わせて話をする事は礼儀やろ！わがまま言うんやない。
うん…。
（小声で）すごいな…。
どうぞ。
（ドアが開く音）大急百貨店社長の大島です。
初めまして。
キアリスの坂東すみれです。
（はな）
この出会いがすみれたちにもたらすものは…
2016/12/03(土) 12:45〜13:00
ＮＨＫ総合１・神戸
連続テレビ小説 べっぴんさん（５４）「チャンス到来！」[解][字][デ][再]
話を断ったすみれ（芳根京子）に、紀夫（永山絢斗）は怒りをぶつけるが、すみれの気持ちは変わらない。すると百貨店社長・大島（伊武雅刀）が直接会えないかと言ってくる。
詳細情報
番組内容
百貨店の話を断ったすみれ（芳根京子）に、紀夫（永山絢斗）はなぜもっと考えてものを言わないのかと怒る。やけになり酔っぱらった紀夫を連れてきた潔（高良健吾）とゆり（蓮佛美沙子）にも、「自分の気持ちを変えることはできない」と頭を下げるすみれ。一方、明美（谷村美月）のもとには、妖しい男が類似品の商売をしないかと迫る…。翌日、百貨店の社長大島（伊武雅刀）がすみれに直接会いたいと言ってくる。
出演者
【出演】芳根京子，高良健吾，菅野美穂，蓮佛美沙子，谷村美月，百田夏菜子，土村芳，永山絢斗，田中要次，平岡祐太，宮田圭子，松下優也，いしのようこ，伊武雅刀，中島広稀
原作・脚本
【作】渡辺千穂
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