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セリフ書き起こし 忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣(10)吉良の屋敷へ密偵!そこには真実と愛が… 2016.12.03

(きよ)
吉良様の事を知りたい。
私は心に決めたのです
(仙桂尼)万が一にも身元が知れればそなたの身は…。
無論心得ております。
(内蔵助)同志一丸となっての討ち入りをここに決意致す。
(一同)お〜。
きよをこれより皆様の同志と心得て下さいませ。
きよもまた浅野家の家臣でございます。
(瑶泉院)そうか。
内蔵助もついに心を決めたか。
ご家来衆は続々と江戸へ入っております。
恐らくその時は秋から冬かと。
秋から冬。
はい。
奥方様にいまひとつ申し上げたき事がございます。
何じゃ?きよは吉良様の奥方様のおられる上杉家下屋敷へ奉公にあがる事を決めました。
なんと!
(滝岡)きよそれはまことか?
(つま)きよ殿…。
故にしばらくはこちらへ伺う事はできなくなります。
お許し下さいませ。
そうか…。
よき働きを頼む。
はっ。
きよが奉公へ入った白金の屋敷は吉良上野介の奥方富子の実家上杉家の下屋敷であった
奥方様。
新しく奉公致す事になりました女中を連れてまいりました。

(富子)おおそうか。
お入りなさい。
失礼つかまつります。
この度奥方様にお仕え致しますさえと申します。
(富子)そなたがさえか。
はっ。
母様。
母様の名をきよはお借りしました
(富子)よう来てくれました。
さえは琴が得手とか。
今は人目がうるそうてしかたがないがそのうち披露してもらおう。
のうちさ。
(ちさ)はい。
(富子)ああそうじゃ。
ちさもなんぞ致せ。
この方こそ我が浅野家の仇吉良上野介の奥方富子様でした

上野介は刃傷沙汰の後本所へ転居していたが改築が間に合わぬため富子だけがここ白金の下屋敷で暮らしていたのである
まあ!それでは奥方様の方が先に吉良様を見初められたのですか?奥方様は上杉のお姫様。
いくらでもご縁談がおありでしたのにお殿様を一目見て気に入られたのだそうです。
何より驚いたのは老獪と世間で評判の悪い吉良様の夫婦仲がよいという事
お殿様はお若い頃は相当な美男でいらしたとか。
お二人は今もそれはそれはお仲がよろしくてお殿様はとうとう一人も側女を置かれなかったのですよ。
このお屋敷へ奥方様をと仰せられたのも奥方様の身を案じての…。
ちさ。
おしゃべりはそのくらいにして。
奥方様がさえの琴をお聴きになりたいそうです。
はい。

富子様の笑顔はふとその人が敵方である事を忘れさせるような優しさにあふれていました
それでいて凜としたしんの強さは阿久利様いえ瑶泉院様に似ている
穏やかで温かい時が流れていたあのころ。
十郎左様と出会ったあの日
けれど今はもう浅野家のあの日が戻る事は…
(富子)久方ぶりに美しい琴の音を聴きました。
さえ見事でしたよ。
のう。
はい。
ありがとう存じます。
私のつたない琴でお慰めになるのであればいつでも仰せ下さいませ。
さえ殿?さえ殿。
あっさえ殿。
はい。
橘屋からそなたにも差し入れが届いているそうです。
はい。
心の声毛利様…。
(毛利)主がこちらの菓子をさえ様にもお渡しするようにと。
ご苦労さま。
ご好物の菓子どうか残さずお召し上がり下さい。
ありがとうございます。
私には吉田忠左衛門様から仰せつかった大事なお役目がありました
きよに託された役割の一つは富子の里上杉家と吉良家の関係を探る事。
討ち入りとなった時上杉家に行く手を阻まれれば赤穂の浪士だけではとても太刀打ちできぬからである
「異変あれば知らせよ。
吉良の人相知らせよ」

(しの)さえ殿。
そしてもう一つは浪士たちがまだ誰も見た事がない吉良上野介の姿形をその目で確かめる事だった
していかが致しまするか。
断るほかないであろう。
しかし訳もなく断る訳には…。
・吉良のご隠居は一筋縄ではいかぬお方。
吉良様はなかなかおいでになりません
・それがよい。
では私がお伝えにあがります。
・頼みましたぞ。
本所の吉良様がこちらへおいでになるのですか?
(しの)いいえお殿様がおいでになると言いだされたのでもめているのです。
もめる?
(ちさ)あの刃傷の一件以来赤穂の浪士がお殿様のお命を狙っているといううわさがございますでしょ。
この下屋敷で何か起これば一大事と。
(しの)そのうわさもあってお女中が次々と辞めてしまったのです。
お命を狙うなどただのうわさでは?いいえ火のない所に煙は立ちませぬ。
なれどさえ殿心配は無用です。
お殿様がこのお屋敷にお越しになるなどという事はありませぬ。
なぜです?上杉の家がそれをお許しになる訳がないからですわ。
ではご隠居様はようやく諦められたか。
・さようでござりまするな。
・おおそれは何より。
大層ご立派に建て替えられた本所のお屋敷に身を潜めておられるのが一番。
・しかも豪勢な茶室までしつらえられたそうな。
動かれる度いちいち我らが警護に就かねばならぬのでは忙しくてかないませぬ。

(笑い声)なぜ上杉の家臣にあのような事を言われねばならぬのか。
世継ぎもなく改易になりかけた上杉家を救ったのは我が息子綱憲。
私たちは上杉家に嫡男を養子に出したのです。
その恩も忘れあのような事を。
富子の里とはいえ上杉家にしてみれば刃傷沙汰を起こした吉良家との関わりを疎ましく思っていたのである
すまぬ。
さえ余計な事を。
いえそのような事は。

(毛利)よくぞ出てこられましたな。
お参りをお許し頂きました。
ここならお屋敷のすぐ裏手いつでもすぐに来られます。
さようか。
こちらに。
はい。
では上杉にはさほど吉良を守ろうという意気込みはないのか。
はい。
そのようでござります。

 

 

 

 


(三太夫)きよ殿は無事か。
(毛利)え?敵に気付かれているなどという事は…。
(毛利)いえ全くそのような気配は。
以前きよ殿は何者かにつけられていた事があった。
それはまことですか。
吉良の回し者でなければよいのだが。
万が一それが吉良の手先だとして顔を覚えられていたとしたら…。
きよが下屋敷で出くわすなどという事になれば…。
(安兵衛)そのような気配があればすぐに知らせてくれ。
きよ殿が直ちに屋敷を出られるようその方策も立てておいた方がよかろう。
ご心配でござりましょう。
きよ殿に言づてあれば拙者が。
毛利殿は思い違いをされているようだ。
思い違い?許嫁は…拙者ではない。
確かに以前そのような話はありましたが立ち消えとなりました。
私などよりずっときよ殿を案じているお方が。
(毛利)礒貝殿。
(三太夫)あのお二人はとうに夫婦。
拙者ごときが入り込めぬ固い絆で結ばれておる。

(足音)おい聞いたか。
ご家老がついに江戸に向かわれたそうだ。
10月大石内蔵助が江戸へ向かったという知らせが届いた
ご家老が!ご家老がついに江戸に出立された。
まことか!いよいよか。
そして11月大石は江戸に到着する
(主税)父上。
(寺坂)ご家老。
お待ち申しておりました。
さあ。
これに先駆け既に江戸に入っていた浪士たちは50人余り。
大石の江戸入りにより討ち入り計画は一層具体的になっていったのである
毛利様からの文には大石様が江戸入りされた事そして再度「吉良様の姿知りたし」とありました
・上杉のお殿様がこちらへ?このところの寒さで風邪をこじらせたご様子。
上杉家でのご看病のかいもなく病状は悪くなるばかり。
奥方様がご心配なされこちらで静養されるようにと。
さあ皆々支度をよろしゅう頼みますよ。
(一同)はい。
奥方様お水をお持ち致しました。

(富子)あ…さえか。
早う入っておくれ。
はい。
(富子)綱憲…。
ああ…ああ…。
綱憲。
それは数か月前の私の姿でした
きよ…。
十郎左様生きて!熱が一向に下がらないのです。
薬湯を飲ませているのですが効き目がなく…。
お熱を冷ますには絶え間なくおつむりを冷やす事でございます。
ああ…さようであるな。
これで少しは楽になりましょうか。
綱憲。
私の…身内が同じように高熱を出した事がございました。
え?その折におつむりを冷やし続け…。
ようなられたのか?はい。
ではもっとお水を。
かしこまりました。
夜更けになっても奥方様は看病を続けておられます
このお屋敷に入ってはやみつき。
十郎左様を思わぬ夜はありません
奥方様少しお休みになられては。
ああ…さえか。
私が代わりに。
されど…。
ご無理をなされては奥方様に大事があってはなりませぬ。
さえそなたはまこと優しい女子じゃの。
いえそのような事は。
ではしばし休むとしよう。
奥方様。
本所のお殿様はこちらにお見えにはなられぬのですか?え?実のお子がこのように苦しんでおられるのに。
なぜそのような事を。
申し訳ござりませぬ差し出がましい事を。
ただこのような時こそお父上お母上様が一番のお心の支えとなられるのではと。
さよう。
さえの言うとおりじゃ。
実の子に会う事もかなわぬとは…。
では…。
このお方が吉良の実の息子。
上杉家当主弾正大弼綱憲様
もしもこのままこのお方に何かあれば吉良様は真っ先にここへ駆けつけるはず

その時私の中を恐ろしい考えがよぎりました

(富子)さえ。
やはり私が付き添おう。
病の子を放り出し休む訳にはいきませぬ。
綱憲。
この子にはつらい思いばかりをさせてしまいました。
上杉家に世継ぎがなかったばかりにこの子を大名家の跡取りに。
上杉と吉良。
両家の間に挟まれさぞ心労も多かろう。
されど私は上杉の娘。
家を潰す訳にはいかぬのです。
そしてまた吉良も守らねばならぬ。
それが女子の務め。
はい。
さえ。
そなたこれまでにどこぞに奉公にあがった事はあるのですか?はい。
さるお武家様のお屋敷に。
なるほど。
さえの気働きのよさはその武家のもとで覚えたものか。
されどさえもよい年。
なぜ嫁がぬのです?なかなかよいご縁が見つからず。
私も若さゆえのわがままで上杉の意に逆らって上野介様と夫婦になりました。
されどそれがよかったのか悪かったのか…。
綱憲様。
ほらお気を確かに。
綱憲様!綱憲様…。
(富子)この子を見ていると分からなくなります。
奥方様。
お殿様のお熱はきっと下がります。
さえ…。
もっともっとひどい熱だった私の身内もうそのように熱が引きました。
それゆえそのようにお気を落とされてはなりませぬ。
涙を流されてはなりませぬ。
さえ…。
そなたが泣く事ではない。
されど…。
奥方様…。
申し訳ございませぬという言葉を心の中でのみ込みました
きよは…きよは…
お殿様のお熱が下がったのですか?ええ。
今お医者様がお帰りになられてこれでもう一安心と。
ご様子を…ご様子を見てまいります。
さえ殿!奥方様。
さえのおかげです。
奥方様。
ご隠居様も間もなくこちらへおいでになると。
吉良様が来る
ついに吉良様の姿をこの目で

(ちさ)さえ殿!さえ殿。
あっはい。
どうされたのですか?難しいお顔をして。
いえ。
橘屋の手代さんが来てこれをさえ殿にと。
さえ殿は手が離せぬと申したら必ずお渡し下さいとしつこいくらい念を押されて。
恋文でも入っているのではありませぬか?まさか。

討ち入りの日が決まった

ようやく吉良様がおいでになる。
ようやく吉良様のお顔が。
その事を一刻も早く毛利様にお知らせしなければ
・お殿様お着きあそばされました。
お待ち申し上げておりました。
(吉良)綱憲の様子はどうじゃ。
おかげさまでだいぶようなられました。
(吉良)そうか。
それは何より。
こなた少し痩せたの。
大事ないか?
この方が…このご老人が吉良上野介…
2016/12/03(土) 18:10〜18:45
NHK総合1・神戸
忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣(10)吉良の屋敷へ密偵!そこには真実と愛が…[解][字]

きよ(武井咲)は吉良上野介の奥方、富子(風吹ジュン)付き女中となった。きよに課されたのは吉良側の動向と、浪士の誰も知らない吉良の顔を見ること。そこに現れたのは…

詳細情報
番組内容
きよ(武井咲)は、吉良上野介(伊武雅刀)の奥方・富子(風吹ジュン)付き女中となった。富子は実家である上杉家の下屋敷で暮らしていた。きよに課されたのは上杉家の動向と、浪士の誰も知らない吉良の顔を見ること。しかし吉良はなかなか富子の元に現れない。そんな中、上杉家を継ぎ当主となった吉良夫妻の長男、綱憲(柿澤勇人)が病に倒れ富子のもとに移される。かいがいしく看病する富子の姿に、きよの脳裏に思わぬことが…
出演者
【出演】武井咲,福士誠治,佐藤隆太,皆川猿時,大東駿介,石丸幹二,陽月華,中尾明慶,風吹ジュン,伊武雅刀,泉澤祐希,田中麗奈,柿澤勇人
原作・脚本
【原作】諸田玲子,【脚本】吉田紀子