「魔法の言葉覚えている虹の始まったところ」・「あの時世界の全てに一瞬で色が付いた」・「本当の声はいつだって正しい道を照らしている」・「なんだって疑っているからとても強く信じている」・「心臓が動いている事の吸って吐いてが続く事の」・「心がずっと熱い事の確かな理由を」・「雲の向こうの銀河のようにどっかで無くした切符のように」・「生まれる前の歴史のように君が持っているから」・「それだけわかっている」・「僕だけわかっている」
（寝息）
（二海堂）さあでは次は一人一人のニャー達の性格を紹介するぞ。
はいっっ。
お願いします！！！ウムっっいい返事だっ！！
（ブザー）
（天使）「ニャー」。
（二海堂）一歩ずつ前へ進むがんばりやさんニャー！！「まだ一番弱いけどボクがいないと勝てないシーンもある大事な駒ニャッ！！」。
（二海堂）どこまでも「まっすぐ」な一途さん☆「まっすぐ前にどこまでも！後戻りはできないニャー！！」。
（二海堂）ピョンと跳んで右・左☆「ボクだけが敵・味方の頭を飛び越える事ができるニャー☆」。
（二海堂）ちょっと斜に構えたクールさん。
「クールな攻めの主役！！身軽で攻守に優れているニャー」。
（二海堂）王様を守る心強いボディガード。
「『王様の』近くがスキ☆だから『敵の王様』の近くに寄って行って捕えるのも大スキ☆」。
（二海堂）最強の戦士。
まさに勇者ニャ！！！「タテヨコ自在にどこまでも飛べるニャ！！老若男女全てのニャーにモテモテニャー！！」。
（二海堂）はるか斜めにニラミを効かせる重量級ミサイル。
「いつも捨て身のロンリーガイ☆攻撃に気を取られ防御にモロイ所があるから気を付けてあげてね☆」。
「ボクがいないと始まらない！！だからひとりにしないでニャー！！ボクが捕まったらこのゲームは終わりニャー。
だから蝶よ花よと大事にしてニャー」。
王様だけ全部の方向に行けるの!?スゴイ！！
（二海堂）そう☆だって王様だからねっっ。
しかも彼イザとなったらかなりなファイターでもあるんだ。
（王将）「イエー☆」。
そっかあ。
駒には色んな性格があるんだ。
そう。
さらにこの将棋ランドのニャーのすごいとこは…一歩一歩進んで敵の陣地に辿り着いたらなんと…。
「あ…あと一歩で敵の陣地ニャー」。
（二海堂）変身できるんだ！！！「やった！！敵陣に入ったニャ。
ニャーイッ出世したニャー！！」。
「おめでとうニャー」。
「コレをどうぞニャー」。
（ひなたモモ）すっごーい！
（二海堂）だろ？くそ…二海堂め。
しかしこの本…けっこーわかりやすいな…。
どこから出てるんだ？ん？出版社名が無い。
バーコードも…。
値段も書いてないし…でもやけに豪華な…？？
何ですって!?
にににににに…二海堂これまさか？うんオレが描いた。
気付いてくれたかっっ。
ええっスゴイ本当に!?ステキッッ。
私もこんなの描けるようになりたい。
まほう？わかりやすく描けてるだろうか…。
（花岡）ぼっちゃま素晴らしい出来でございます。
カンゲキでございます。
（二海堂）うむっ。
実は小さい頃から絵を描くのは大好きでな。
この趣味を少しでも普及に役立てられればと思ったのだ。
でせっかくだから大東京印刷さんにお願いして簡単な感じでまとめていただき二海堂家の新年パーティーで親族に配ったんだ。
ウオッフォム。
スゴイスゴーイ！！キャーか…かかか…。
カンタンな!?
いやー二人とも興味を持ってくれてよかった。
まぁ細かいルールはおいおい指しながら伝えていくのが一番だからなっっ。
ま一日目にしては上出来だなっっ☆大旨我々は良くやったであろうっ。
うん。
こういう小さな一歩一歩を積み重ねた上に未来というものがあるのだから。
あのう駅はこっちじゃないですよ…？どこまでついてらっしゃるので？どこって桐山の家に決まってるであろう。
へ？き決まって？ませんけど…ませんよね？ハハハ大丈夫。
親友の家に泊まるのに何の遠慮がいるものかっ。
しようよ！！遠慮！！ってゆーか親友じゃないからっ。
ハハハ☆ま案ずるな。
案ずるよっっていうか案じてよ！
（車の走行音）
（花岡）桐山様晴信様。
おかえりなさいませ。
うむ。
遅くなってしまってすまなかった。
よろしく頼むっっ。
これは右側のクローゼットの手前に…。
これはお二人のお夜食と朝食でございます。
（二海堂）いやあ桐山の家は生活用品がなかなか揃えられないのが気にかかっていてな。
良い機会だと思いみつくろわせていただいたよ。
このベッドは折り畳むとソファにもなる優れものだ。
ぜひ使ってくれたまえ。
遅くなってしまったけれどね君への引っ越し祝いだよ☆
（カモメの鳴き声）うっ…う…ん…。
（カモメの鳴き声）あ…あんのやろう。
入らないじゃねーかよ。
どーすんだよ!?くそっっ。
はー…。
（松本）なーにタメ息ついてんだ？一砂さんスミスさん。
（スミス）あれ？今日は二海堂は一緒じゃないの？あそうだ。
ＮＨＫ杯見たぞ。
お前の対局。
つーか二海堂の熱い解説。
心にちゃんと刻んだか？桐山きゅーん。
あの名セリフの数々を。
やっぱ友情って素晴らしいよなっ。
おっといけねぇっっ思い出しただけでもツンッとくるぜっっ。
（スミス）放送のあった日丁度ウチの師匠の誕生会でさ夜みんなで録画したヤツ見てたんだけど。
「本当に勝ちたいんなら粘れっっ攻めるだけじゃなくちゃんと守れっっ！」。
あれ…何だろ…目から水が？やべっっオレ泣きそう。
いっっいい子だっっ。
おっとイカン年は取りたくないのう…。
最近…どーも…涙もろくて…。
に…二海堂ーっっお前ってヤツは…。
（スミス）いやもう大の大人がそろいも揃ってみんなもう涙目になっちゃってさ。
あとで聞いたんだけど撮影の後二海堂貧血起こして座り込んじまったらしいぜ。
え？二海堂が？
（スミス）エネルギー使ったんだろうな相当。
一生懸命だったもんな。
なぁー。
なのになぁー。
なぁー？もうっっっ。
なーんかお前のハートにいまひとつ届いていない感じがホンッと悔しいんだよなぁぁぁ。
二海堂は６勝したぞ。
ものすげえ集中してる。
多分今期は昇級するっっ。
多分今頭の中はＣ１でお前と戦う事でいっぱいだ。
頼むよ桐山。
二海堂をがっかりさせないでくれ。
三勝三敗。
ここで踏み止まらないとずるずると滑り落ちて降級点がつく。
一度ついた降級点は来期以降勝ち越さないと消す事はできない。
２つたまると下のクラスへ落ちてしまう。
マイナスを塗り返す為の戦いは前に進む為の戦いより消耗が激しい
それは義父のＢ１からの降級がかかった長年の一進一退をずっと同じ屋根の下で見つめていて身体中に染み込む程感じた
「自分を大切に自分の将棋を大切にしてくれ頼む！」。
二海堂のあのエネルギーはどこから来るんだろう。
体だって決して丈夫じゃないのに。
自分を疑ったりしないのだろうか。
前へ前へと進もうと粘るあの熱…
そばにいると胸が苦しくなるんだ。
ますます自分が嫌になりそうで
それにしてもホント…よく描けてるわねぇ…。
ヒナもモモも楽しかったみたい。
（モモ）肉球パンチをおみまいするニャー。
（シロちゃん）ギニャーッ！モモダーメッニャー嫌がってるでしょ！！冷蔵庫に絵本のコピー貼って覚えようとしてるくらいよ。
それを見ておじいちゃんは…。
いーよなー。
プロに二人がかりで教えてもらえるヤツなんざあそうそういないぜ？こりゃあもしかしたらすっげえ強くなっちまうかもよ？こりゃ負けられねーな。
つーかオレが教えて欲しいよまったく…。
世の中どうなってんだ…。
…だって。
孫と将棋ができるの楽しみにしてるみたい。
そうやって考えると将棋って不思議ねえ。
何百年も昔からあって盤と駒さえあれば今でも普通に家で楽しめてしかも一回覚えてしまえば大人も子供も全然関係なくみんな真剣に楽しめるなんてね。
それも一生！！不思議なゲームねぇ。
あーニャーちゃん変身したー。
あかりさんのその言葉でよぎったのは父の面影だった。
小さく前後に体を揺すりながら左手をほほに当てて腕を組む。
夢中になると自然に現れる父のクセ。
その姿を見るのが好きだった。
うんと勉強して頭がキリキリとなるくらいがんばらないと見れなかったけどその仕草が見たくて必死にがんばった。
優しくて周りに気ばかり使っていつも笑ってた父の何もとりつくろってないほんとの顔。
父さんが今の僕を見たら何と言うだろう
そうだ
何で忘れてたんだろう。
僕は今父さんがこがれた棋士の世界に立っているんじゃないか…
なんで…なんで忘れていられたんだろう。
こんな大事な事を…
（エレベーターのチャイム）香子さん。
（香子）久しぶりね。
零。
小さい頃真昼に雷を見た。
水色の空に水銀をぽろろと転がしたような淡い閃光。
僕はそのはかなさに心を奪われた。
たとえその輝きが
後に重く激しい雨を連れて来るのだとしても
元気そうじゃない。
どうして…ここに？どうして？変な事言うわねぇ。
義姉が一人暮らしを始めた義弟を心配して様子を見に来るのってそんな不思議なコトかしら？駅まで送ります。
もう遅いから。
なぁに？入れてくれないの？せっかく来たのに。
何でよ。
何でって…散らかってるし…。
いーわよ見せてよ。
何もないですよ見ても。
ふんヘタな言い訳バカじゃない。
「何も無い」なら「散らかって」もないでしょ。
ダメですもう終電が。
冷えたのっ足がっっトイレに行きたいのっ！もうっ全部言わせないでよバカッッ。
ふう…やっと落ち着いた。
ねーここ築何年？外見はボロッちいのに中は意外にキレイなのね。
築２６年。
でも大家さんが丁度リフォームしたばかりで…。
ふーんラッキーだったわね。
ねーれーいタオル頂戴。
ありがと。
ね何でこの町にしたの？あなたこの町に何の縁も無いわよね。
前一度仕事でこの辺に来て…河が広くてきれいだったから。
河？なぁにあんた河とか好きだったっけ？ふうん。
河ねぇ。
１０年も同じ家で顔をつき合わせていてもなぁんにも知らなかった…って訳ね。
え？ねえっ寒いわっこの家。
どーにかなんない？あエアコン古いからあんま効かなくて…。
ふうん。
あっ勝手に開けないで。
あら生意気。
なぁに立派な羽布団じゃない。
それは…引っ越し祝いでもらったんです。
ホントもらったばっかなのね。
アンタの匂いがまだしない。
へえすごい眺めね。
これでホントに６階？高く見えるわ。
河面が低いから？そう…こんな所に住んでたの。
一人で探して一人で決めてホントあんたって勝手よね。
父さん落ち込んでたわよ。
どうやって借りたの？保証人は？神宮寺会長が…。
ふん…やっぱり。
あの人アンタに甘いもんね。
香子さん終電が…。
あんたが帰れば？あの家に。
その方が父さんも喜ぶわ。
ねえなんかシャツ貸してよ。
眠くなっちゃった。
ケンカしたの？父さんと…。
してない。
…ていうか会ってないの。
ここんとこ私帰ってないし。
まだあの男といるの？よかった。
傷残らないで済んで…。
後藤はまともじゃないから…。
あの男はダメだよ。
アンタには関係ないわ。
手を上げられたりしてない？手を？私に？まさか。
でももしそうなったとして…私がおとなしく殴られてると思う？刺すわよ。
寝てるとこ。
もう二度と起きれないくらいね。
そんなに？ええ。
好きよ。
大好きよ。
（時計のアラーム）うぅん…眠れなかったの？ふあー…ダメじゃない。
今日対局でしょう？順位戦の。
相手誰だっけ？そうそう松永さん…。
何歳だっけ？６４…６５？よくがんばるわよねぇ。
Ｃ１まで落ちてもフリークラスには移らないで粘り続け必死の形相…っていうの？父さんと指してるの見た事あるわ。
しがみつくような将棋。
うっとおしかった。
そんなになっても辞められないなんて。
きっとホントに将棋が大好きなのねぇ…。
あなたと違って。
ああそうそう。
松永さんＣ１から降級したらついに引退するらしいわよ。
気が重いでしょ？長生きして老いた犬の首をしめに行くようなものだものね。
わかるわぁ誰だってそんな役かって出たくないもの。
なぁんか心配なのよねぇ。
あなたってこういう時わざと負けてあげたりしちゃうんじゃないかとか思っちゃって…。
ほらあなたって優しいから。
（ドアが閉まる音）
（カモメの鳴き声）
出ていく彼女の髪が陽に透けて一瞬にぶく光った。
そしてその光はやがて激しい雨を連れてくるのだ
（雷鳴）・「その声は流れ星のように」・「次々に耳に飛び込んでは光って」・「魚のように集まりだして」・「冷たかった胸に陽だまりが出来た」・「普通の触れ方を知らないから」・「戸惑っていたら触れてくれた手に」・「どれだけ夜をくぐり抜けても」・「ずっと冷めないままの熱が脈を打つ」・「君がいるそれだけで」・「命の全部が輝く」・「凍りついた心に」・「その鼓動が響き火を灯す」・「いくつもなくなったあとに」・「強く残ったひとつ残った」・「離れないいつでも側に」・「僕の中に一番近くに」
（二海堂）「３月のライオン」次回も楽しみにな。
二海堂晴信著「将棋はじめて絵本」一家に１冊よろしくな！2016/12/03(土) 23:30〜23:55
ＮＨＫ総合１・神戸
アニメ ３月のライオン「第８話」[字]
１７歳のプロ棋士・桐山零。幼い頃に事故で家族を失い、周囲にもなじめず孤独に生きていた。ある日あかり・ひなた・モモという３姉妹と出会い、零は少しずつ変わり始める…
詳細情報
番組内容
ひなたとモモに将棋を教えることになった零と二海堂。二海堂お手製のかわいい将棋ニャーの絵本に、モモたちも大興奮！将棋の基本を楽しく勉強する。いきなり家に押しかけたり、解説で熱いメッセージを送ったりと、零との友情や将棋への熱意をまっすぐにぶつける二海堂。その熱意は零に届くのか…？
出演者
【声】河西健吾，茅野愛衣，花澤香菜，久野美咲，千葉繁，岡本信彦，井上麻里奈，杉田智和，木村昴
原作・脚本
【原作】羽海野チカ，【脚本】東冨耶子，木澤行人
監督・演出
【監督】新房昭之
- もっと読む
コメントを書く