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書き起こし レディ・ダ・ヴィンチの診断 #09【運命の小さな患者との再会】 2016.12.06

(田丸綾香)橘先生のプライベートって謎だらけですよね。
娘さんいるってくらいで。
(雪野)脳外科として名をはせていた橘先生がこの病院の解析診断部に来た理由。
(橘志帆)何で。
(雪野)オペをしないと言っている理由と何か関係が。
(高杉)お前言ってたよな?橘先生に娘がいるって。
2年前に亡くなってたんだ。
(雪野)私この前お墓に行ってきたんです。
橘先生は幻覚を見ているんですよね?そうよ。
だから何?幻覚だってわかってる。
私には真央が必要なの。
幻覚だろうがそんなことは関係ない。
私たちはいつも一緒よ。
これからもずっと。
天気よくて良かったね〜真央。
(真央)うん。
どこから見ようか〜。
あっねえあそこは?
(真央)うん。
あっタオルもある。
後でのぞこう。
いろいろありますよどうぞご覧くださ〜い。
かわいい〜。
いらっしゃいませ。
・アオキさんクレープ2個買ってきたよ。
・パパは〜パパあの…タオルタオル。
すいませんこれ下さい。
えっいいの?今日はあなたの誕生日ですから。
おめでとう10歳ね。
ありがと。
どういたしまして。
(真央)う〜んかわいい!ふふっ良かったね。
真央小さいときからいい…いった!ちょっと!もう何なのよ〜。
大丈夫?痛っあっ…。
肩の骨折れた。
うそばっか。
ふふっ。
ドン!
(爆発音)はっ!はぁはぁ…。
はぁはぁ…。
はぁはぁはぁ…。
はぁはぁ…。
はぁ…。
はぁ…。
はぁ…。

(ピアノ)
(拍手)・
(足音)
(一美)何やってるの?ひかり。
あんなところでウナコルダは踏まないでしょ。
こんなことじゃ一流のピアニストになんかなれないわよ。
(一美)他のことにうつつを抜かしてるからよ。
もっとピアノに集中しなさい。
24時間ピアノのことだけを考えてればいいの。
あなたに才能があるから言うのよ。
ひかり!ちょっと待ちなさい!ひかり〜?・
(フルート)・ひかり?・
(ひかり)はぁはぁ…。
ひかり?
(一美)ひかり?
(一美)ひかり?ひかり!どうしたの?ひかり!ひかり…。
あっ…ひかり。
温泉まんじゅうっていくらでも食べれちゃいますね。
(結衣)そうね。
ねえ何で温泉まんじゅうっていうか知ってる?温泉で蒸してるからですか?そう思うでしょ。
でもほとんどの温泉はまんじゅうを蒸すのに適してないの。
じゃあ温泉まんじゅうって…。
単純に温泉地で売ってるまんじゅうのこと。
えぇ〜ただのまんじゅうなんですか?
(結衣)ねえ田丸先生それ何個目?4つ目です。
(結衣)はぁ?
(雪野)岩倉先生の分まで食べてるけどね。
えっ!
(結衣)あの人うるさいわよ〜。
ああ見えてスイーツ好きだから。
そう!
(結衣)う〜ん。
ちょっと!戻すのはなしでしょ。
あぁ〜何やってんの?
(結衣)ほんとだよ〜。

(藤本)すいません。
(結衣)はっ?
(藤本)集中治療室から受け入れの要請が来てます。
うちに?
(藤本)昨日運ばれてきた患者さんらしいんですがいろいろ検査しても病名がわからないみたいで。
解析診断部の出番ですね。
受け入れましょう。
田丸先生と新田先生は私と一緒に集中治療室に。
(綾香・雪野)はい。
患者さんは12歳女の子。
ピアノコンクールのあとに意識を失ったようです。
けいれん発作が目撃されています。

 

 

 

 

 


ピアノコンクールのあと?はい。
容体は?昨日のうちに意識を取り戻してますね。
・あちらが患者さんです。
藤原ひかりちゃん。
はい。
解析診断部の橘です。
これからひかりちゃんの診察を解析診断部でするからね。
はい。
うん。
準備しましょう。
はい。
お願いします。
どこかで会ったことある?だよね。
ふふっ。
真央と同じ年頃だからかな?藤原ひかりちゃんの全身CTスキャンです。
(結衣)これを見るかぎり脳や心臓に異常はありませんね。
心電図は12誘導もテレメトリー連続モニターも正常です。
(夏海)原因不明というわけね。
(岩倉葉子)意識消失それとけいれんを目撃されてるわね。
脳と心臓以外にそれらを発症する病名を挙げてみましょうか。
どう?まずは低血糖低カルシウム血症低ナトリウム血症ですね。
(雪野)血液検査で血糖と電解質異常は否定されてる。
薬物やまれなところではポルフィリン症とか。
服薬歴はないし違法薬物も年齢から考えにくい。
ポルフィリン症も他の症状がないからこの場合は当てはまらない。
(夏海)神経系統の障害かもしれませんね。
神経系統ね。
その線もあるわね。
(夏海)海馬硬化ならけいれんと意識消失を起こします。
ひかりちゃんの症状とも合いますね。
神経障害があるかどうか詳しい神経診察と脳波MRIで確かめましょう。
(雪野)海馬の硬化像はありませんね。
MRIからは何の異常も見当たりません。
(夏海)神経診察でも変わったところはなかった。
脳波も正常ね。
海馬硬化じゃないってことですね。
神経系統に異常は見つかりませんでしたね。
(夏海)けいれんと意識消失なら絶対そうだと思ったんだけど。
(結衣)ひかりちゃんけっこう有名な音楽少女みたいですよ。
えっそうなんですか?
(結衣)ほら。
ほんとだ。
ピアノコンクール優勝って書いてますね。
(結衣)高校生までが出場してるコンクールらしいわよ。
(夏海)高校生にも勝っちゃったの?
(結衣)はい。
将来有望な次世代ピアニストとして音楽関係者の間で注目されてるみたいです。
植松先生やけに詳しいですね。
(結衣)ピアノコンクールのあとで倒れたっていうからちょっと気になって調べたのよ。
そしたらビンゴ。
だったら絶対治してあげないとね。
おはようひかりちゃん。
おはようございます。
あれ?ドラムの練習?ひかりちゃんピアニストなんじゃ。
ピアノもやるしドラムもやります。
バイオリンもやるしギターもフルートも。
そんなに!ほんとに音楽が好きなのね。
はい。
いろんな楽器を演奏するのが好きなんです。
すごいな〜。
音楽の天才なんだね。
そんなことないですよ。
ピアノなんかいっつも先生に怒られてばっかりだし。
ふふふっ。
ねえひかりちゃん少しお話聞かせてくれる?病気を診断するためにいろいろひかりちゃんのこと知りたいんだ。
はい。
ふふっ。
気を失ったりけいれんしたりっていうのは前にもあった?けいれんはこの前初めてだったけど気を失うのはたまに。
う〜ん…どれくらい前から?ひとつきくらい前から。
ひとつきくらい前?コンクール前で集中レッスンに入ってからだから。
ふ〜ん。
才能があり過ぎるのも大変なんですね。
かなりストレスがあったのかも。
はい?集中レッスンに入ってからけいれんが出始めたのよ。
先生に怒られてばかりって言ってたし。
いき過ぎた指導ですか。
熱心すぎる指導は時にパワハラに発展する。
田丸先生お願いがあるんだけど。
もちろんそのつもりです。
おぉ〜おぉ〜。
はぁ〜あ。
だんだん橘先生の使いっ走りも慣れてきちゃったな。
まさか自分から行くって言うなんて。

(宮部)田丸先生!げっ!宮部航平ただいま参上。
宮部さんどうしたんですか?田丸先生を追いかけてきたんですよ。
追いかけてきたってどうして私がここにいることを?橘先生に教えてもらったんです。
えっ?橘先生が?
(宮部)はい。
田丸先生が1人で心細いといけないからそばにいてやってほしいって。
はぁ〜余計なことを。
はい?何でもないです。
ところでその紙袋何なんですか?手土産です。
手土産?相手にわざわざ時間を取ってもらうんですからこれぐらいは。
社会人として常識ですよ。
すいませんね常識人じゃなくて。
大丈夫です。
僕がカバーしますから。
お互い支え合うのがカップルです。
このひとつきくらいでひかりちゃんに変わったことはありませんでしたか?
(一美)変わったことですか?はい。
ひかりちゃん集中レッスンが始まってから具合が悪くなったと聞いたので。
何か原因があるのかと。
ひかりが倒れた原因は私だって言いたいんですか?いえとんでもない。
あの…これ手土産です。
宮部さん!
(一美)そういえばちょうどひとつきくらい前からひかりがフルートを始めて。
フルートですか?
(一美)ピアノ以外にもいろんな楽器をやっていたんです。
ドラムとかですね。
彼女の音楽の才能は本物です。
あっという間にどんな楽器もマスターしてしまうんですけどコンクールに向けてピアノだけに集中してほしくてそれでぶつかることが増えてました。
そうだったんですね。
ひかりは世界的なピアニストになれる素質があります。
私はその手伝いをしたいんです。
どうか治してやってください。
お願いします。
(ひかり)ふぅ〜ふぅ〜。
(ひかり)あぁ…うっあっはぁ…。
あっはぁはぁ…。
(マナーモード)もしもし。
何かわかった?はい森田先生は熱心ですけどパワハラで生徒を追い詰めるようなタイプじゃありませんでした。
ひかりちゃんを精神的に追い込んだんじゃないってことか。
はい。
他にわかったことは?ひとつきくらい前からフルートを始めていたそうです。
ひとつき前からフルート?いろんな楽器を演奏するのがほんとに好きみたいです。
新しく始めてはすぐにマスターするみたいで。
森田先生はひかりちゃんをピアニストに育てたいからそれでもめることがあったと。
なるほどね。
フルートか…。
あっあっ…。
ひかりちゃんしっかりして!ひかりちゃんどうしたの?
(藤本)お茶を飲んでいたら急に。
お茶?
(渡辺)準備します。
胸?胸が苦しいのね?あっあっはぁ…。
橘先生。
心臓か肺ね。
心膜炎気胸もしくは肺塞栓。
新田先生ラインの確保を。
はい。
渡辺君酸素準備して。
(渡辺)はい。
大丈夫だからねすぐ終わるからね。
この傷…。

(雪野)橘先生?はぁはぁはぁ…。
(雪野)ST低下狭心症。
藤本君ニトログリセリンスプレー。
(藤本)はい!あっはぁあっ…。
(雪野)橘先生?
(藤本)先生。
はい。
(ひかり)はぁはぁはぁ…。
(雪野)ちょっと口開けてね。
(藤本)マスク着けるからね。

(足音)
(北畠)あぁ…。
子供の患者診てるんだって?はい。
岩倉先生に聞いてな。
小学生の女の子だって。
心配になってお前の様子見にきたんだよ。
真央ちゃんのこと思い出してるんじゃないかって。
大丈夫か?大丈夫ですよ私は。
あれからもう2年もたつんです。
北畠先生も知ってるでしょ私が立ち直ってるの。
ああそうだな。
まだ仕事が残ってるので行きます。
あぁ…。
あぁ…。
私は大丈夫。
私より先にあの子を診てあげて。
あの子ほっといたら死んじゃう。
助けてあげて。
ひかりちゃんは狭心症を発症していました。
(結衣)12歳の子供がですか?
(夏海)狭心症は生活習慣病だから大概は大人がかかる病気よね。
狭心症心臓に栄養を送る冠動脈が何かの原因で狭くなって心筋に十分な血液を送り込めなくなる病気ですよね。
多くの場合冠動脈の動脈硬化が原因だけど子供の場合は先天性疾患によることもある。
川崎病の後遺症とか高安病とか。
ご両親に確認しました。
川崎病も高安病も既往はありません。
また原因不明ですか。
でも狭心症は現に起こっている。
狭心症の原因がわかれば最初にひかりちゃんが倒れた病気もわかるかもしれない。
でもどうやってそれを調べるんですか?心臓カテーテル検査で詳しく心臓を調べる。
症状があるところに原因は必ずある。
他に方法はないわね。
橘先生の言うとおり心臓カテーテル検査をしましょう。
(結衣)はい。
どこにも動脈硬化は見つかりませんね。
冠動脈の走行異常もないし。
これも狭心症だと思い込んでいただけで別のものなのかもしれませんね。
アセチルコリンを投与して。
(雪野)アセチルコリン負荷試験ですか?もし冠攣縮性狭心症ならアセチルコリンで冠動脈のれん縮を誘発しないと狭窄がどこに出来るか確認できない。
子供には負担が大きすぎませんか?やらなきゃ真実が見極められないじゃない!どうしてもひかりちゃんを助けないとだめなのよ!
(雪野)どうしたんですか橘先生。
田丸先生は何も間違ったことは言っていません。
(雪野)何をそんなに取り乱してるんですか。
(雪野)田丸先生アセチルコリンと硝酸イソソルビドの準備。
後念のためにペースメーカー。
いいんですか?
(雪野)橘先生の言うとおり冠攣縮性狭心症の可能性は高い。
子供には負担が大きいけど万全の態勢を整えれば大丈夫。
わかりました。
(雪野)それでいいですね?橘先生。
ええ。
お願いします。
検査の結果冠攣縮性狭心症だとわかりました。
心臓に血液を送る冠動脈がけいれんして縮んでしまい一時的に血流が途絶えたことで起こる狭心症。
(夏海)投薬治療でいけますね。
冠攣縮性狭心症のほうはね。
(夏海)ほうはね?ひかりちゃんが搬送されてきたときの症状けいれんや意識消失を引き起こしているそもそもの病気がまだ見つかっていません。
(夏海)そっかまだそっちが。
冠攣縮性狭心症と最初の病気には関係性はあるんでしょうか?けいれんで運び込まれたときの心電図は正常だったし意識消失のときに胸痛は訴えていない。
別物と考えたほうがいいわね。
ただいま真央。
おかえり。
(真央)そうなんだ。
あの子ちゃんと頑張ってるんだね。
うん音楽の才能に恵まれていて将来は世界的なピアニストになれるかもしれないって。
へぇ〜すごいね。
ふふっ真央がひかりちゃんの命を救ったのよ。
だから絶対に助けたいと思ってるんだけど。
原因がわからないの?う〜ん。
ひとつき前から失神発作が始まって更にけいれんを起こして病院に運ばれてきた。
心臓も脳もCTでは異常なかったけど心臓に冠攣縮性狭心症が見つかった。
次から次に起こってるね。
それぞれが関係しているかどうかもわからない。
でもひとつき前から症状が出始めたんでしょ。
それからいろいろ起こったんだよね。
うん。
ドミノが順に倒れていくみたいに。
(真央)ドミノじゃないものが列に混じってたり感覚が空き過ぎたりすればドミノはそこで止まるよね?そうね。
でもドミノが倒れ続けてるってことはみんな同じ列に並んでるってことだよね。
最初のドミノが倒れなければこんな状況にはならなかった。
最初のドミノは何?それがわかれば…。
(藤本)ひかりちゃんしっかりして!*ひかりちゃんどうしたの?
(藤本)おCcを0{んでいたら5^に。
お茶?
(ひかり)いろんな3Z4oを|!演奏するのが好きなんです。
ひとつきくらいA0から|!フルートを始めていたそうです。
(ひかり)気を失うのはたまに。
ひとつきくらい前から。
そういうことね。
ふふっ。
ひかりちゃんの病気の正体がわかったんですか?まあね。
きっかけは何でもないことなのよ。
その病気がなければね。
きっかけ…。
今からそれを証明する。
フルートを演奏するんですか?どうしても聴きたいって田丸先生がうるさいのよ。
えっ?ウザいだろうけどちょこっとだけ聴かせてやってもらえないかな?べつにいいですけど。
ほんと?ごめんねひかりちゃん患者さんなのに。
田丸先生ひかりちゃんに謝んなさいよ。
私がですか?あなた以外誰がいるっていうのよ。
ほら早く謝って。
はいすみません。
じゃあ私のリュックからフルートを出してもらってもいいですか?田丸先生。
はい。
はい。
どんな曲がいいですか?何でも大丈夫。
じゃあ。
はぁ〜…。

(フルート)はぁはぁはぁ…。
はぁ…。
あっひかりちゃん!
(雪野)意識消失。
大丈夫。
ひかりちゃんが起こしていたという発作は一過性の意識消失発作だった。
ひかりちゃん。
ひかりちゃん。
(雪野)これが意識消失を引き起こしたきっかけ。
そう。
次から次に起こった症状の一番最初。
ドミノ倒しの1つ目よ。
田丸先生岩倉先生に報告してご両親に脳血管造影検査の許諾を取って。
脳血管造影検査ですか?そう。
これで原因不明の病気が何かはっきりわかるわ。

(雪野)これから脳血管造影検査をします。
(夏海・綾香・結衣)はい。
(雪野)ひかりちゃん検査中に頭痛や吐き気手足のしびれを感じたらすぐに教えて。
(ひかり)はい。
(雪野)では始めます。
局所麻酔を打ちます。
(夏海)はい。
(雪野)バイタル見てて。
はい。

(雪野)ここね。
(夏海)造影剤を入れます。
(雪野)植松先生記入お願いします。
(結衣)はい。
(夏海)頭を動かさずにじっとしていてね。
はい。
ひかりちゃんの病気が判明しました。
ウィリス動脈輪閉塞症つまりもやもや病だったんです。
内頸動脈の末端が徐々に詰まっていく進行性の病気。
不足した血流を補うために細い動脈が伸び煙のようにもやもやして見えることからこう呼ばれる。
(藍)詰まりのせいで脳梗塞を起こしたり細い動脈が破れて脳出血を起こすこともある。
出血の場合は死亡する危険性が高い。
ひかりちゃんは冠動脈のれん縮による冠攣縮性狭心症を発症していた。
ヒントはそこにあったんです。
(結衣)どういうことですか?ひかりちゃんが狭心症を発症したときすぐそばにいれたばかりの熱いお茶があったの。
恐らくひかりちゃんは熱いお茶を吹き冷まそうとして過換気状態になり…。
(ひかり)はぁはぁ!Dうっ。
冠動脈がけいれんして狭まり冠攣縮性狭心症を発症した。
うっ…。
ひかりちゃんが最初に倒れた病気の症状意識消失とけいれんを考えたときにこれが脳で起こったんじゃないかと思ったの。
つまり脳動脈がれん縮を起こしたんじゃないかって。
脳の血管が収縮して意識消失やけいれんが起きた。
(結衣)れん縮なら一時的なものだからCTやMRIには写らない。
私たちが見逃していた理由にもなりますね。
ひかりちゃんが意識消失を発症しだしたのがひとつき前。
ちょうどそのころからひかりちゃんはフルートの練習をするようになっていた。
もしもフルートを吹くことで過換気状態になり脳動脈がれん縮して意識消失やけいれんなどの虚血発作が起きていたとすれば…。
もやもや病の特徴的な症状と一致する。
正解。
狭心症ももやもや病も過換気がきっかけで症状が出ていたんだ。
もやもや病なら治療は血行再建術をするしかありません。
動脈を直接脳表の血管にふん合する直接バイパス術か硬膜や筋膜を脳の表面に敷く間接バイパス術か。
間接バイパス術だと血流が改善するのに数カ月かかる。
意識消失やけいれんの頻度が増加してるから直後から効果が期待できる直接バイパス術になるわね。
脳外科手術でしたら専門は橘先生ですけど…。
(結衣)でも橘先生はオペしないんですよね?新田先生がいるじゃない。
心臓外科に来る前は脳外科にいたんだから。
ここは新田先生に…。
私がやる。
(藍)えっ?橘先生オペをしないことを条件に解析診断部に来たんじゃないんですか?ずっと避け続けてきたじゃないですか。
そうよ。
じゃあ何で?どうしても私の手でひかりちゃんを助けたいから。
なぜ今までオペしないって言ってたんですか?今は言えない。
(夏海)答えになってませんよ。
橘先生。
はい。
ほんとに大丈夫なのね?はい。
わかったわ。
執刀は橘先生助手は新田先生で。
(夏海)いいんですか?橘先生を信じます。
明日藤原ひかりちゃんのバイパス手術を行ないましょう。
(綾香・結衣・夏海)はい。
橘先生。
ん?ちょっといいですか?
(雪野)どういうことですか?今までオペしてこなかったのは幻覚を見てしまうからですよね。
前の病院を辞めたのもそれが原因なんじゃないんですか?なぜ急にオペをするだなんて。
やらなきゃならないのよあの患者さんだけは。
ひょっとして娘さんに真央ちゃんに何か関係があるんですか?
(雪野)橘先生ひかりちゃんを最初に見たときから様子が変でした。
藤原ひかりちゃん。
どこかで会ったことある?真央と同じ年頃だからかな?
(雪野)ひかりちゃんの背中にある大きな傷痕を見たときも…。
(雪野)橘先生?心臓カテーテル検査のときも急に取り乱したりして。
やらなきゃ真実が見極められないじゃない!どうしてもひかりちゃんを助けないとだめなのよ!
(雪野)動揺してるのが伝わってきました。
明らかに今までの橘先生ではありませんでした。
知ってたんですよね?ひかりちゃんのこと。
ひかりちゃんとの間に一体何があったんですか?代わりなのよ彼女は。
代わり?真央は死んだけどひかりちゃんは今も生きてる。
2年前三ツ井運動広場で爆破事件があったの覚えてる?確か工学部の大学院生がテロをまねて起こした事件。
あの場所に私と真央はいたの。
そしてひかりちゃんも。
(真央)う!Aんかわいい!*ふふっNIかったね。
小さいときからいい…いった!ちょっと!ゴォー!ドン!・うわ〜!ウーー…
(サイレンの音)・あぁ〜!ウーー…あっ…。
ウーー…真央。
真央大丈夫?今診てあげるからね。
私より先にあの子を診てあげて。
でもあなただって…。
私は大丈夫。
あの子ほっといたら死んじゃう。
助けてあげて。
はぁ…わかった。
熊…。
えっ!)ピーポーピーポー…
(サイレンの音)すぐ戻るから。
待っててよ。
大丈夫?ひどい傷だわ。
はぁはぁ…。
早くちゃんとした処置しないと…。
んっ!救急車まで連れてくから。
起きれる?真央すぐ戻ってくるからね。
私たちはあの爆発に巻き込まれた。
真央は自分より先に近くで倒れていたひかりちゃんを診るように私に言ったの。
ひかりちゃんは背中を大きく負傷していて危ない状態だった。
私はその場に真央を残して現場に駆けつけていた救急隊のところにひかりちゃんを背負って連れてった。
もうすぐだからね。
お願いします。
・はい。
背中を大きく傷つけてます。
すぐに処置してください。
はい。
大丈夫ね?あっちょ…ちょっと待った!はい?あなたも治療をしないと。
大丈夫です。
いえ止血はさせてもらいます。
はっ!)さあこちらに。
・ドーン!・きゃ〜!・皆さん落ち着いて。
落ち着いてください。
だめです今行っちゃ危ない!娘が!娘がまだあっちにいるんです!放して!救急隊員にひかりちゃんを託したあと2度目の爆発が起きて真央のところに戻ることすらできなくなった。
私はどうすることもできず雨の中真央が保護されてくるのを待った。
・うぅ〜うぅ〜…。
・下がって。
危ない下がってください。
真央真央!真央!真央大…。
真央?真央?真央!ねえ!やだねえ!真央!真央うそでしょ!ねえ!真央!ねえ!やだ!あぁ…。
真央〜!早く行きましょう。
真央!やだ!・行くぞ。
やだ!嫌!や〜だ〜!真央を助けて!真央〜!真央〜!嫌〜!真央はもう亡くなっていた。
そしてひかりちゃんはあの大けがを乗り越えて生きている。
真央が自分より先に診てと言わなければあのときにひかりちゃんは亡くなっていたかもしれない。
真央がつないだひかりちゃんの命。
もしひかりちゃんを死なせてしまえば真央の死が無駄になってしまう。
だから私が絶対にひかりちゃんを助けないといけないの。
真央のためにも。
そんなことがあったのか。
(雪野)ええ。
(高杉)思いもよらなかったよ。
(高杉)でも大丈夫なのか?橘先生がオペをしても幻覚を見るんだろ。
(雪野)このオペは橘先生しか成功に導けない。
(高杉)でもオペ中に何かあったら。
私は橘先生の執刀をサポートする。
必ず成功させるわ。
(高杉)雪野にとって橘先生は恩人だもんな。
今度は雪野が助ける番か。
橘先生がオペを?ええ。
自分でやると言ってね。
(佐々木)自分からやるってオペをしないのを条件に解析診断部に来たんですよね?そうよそういう条件だって。
北畠院長橘先生がオペをしない理由って何なんですか?私にもわかりません。
わからないってそんなばかな。
オペを避けていた人間に執刀を任せられませんよ。
何かあったらどうするんですか?病院全体の責任を問われますよ。
自分からオペをするって言ったんですよね?ええ。
でしたら…。
私が責任を取ります。
北畠院長!私も取るわ。
私の部下ですから。
(佐々木)岩倉先生まで。
・「ミラクル」
(景子)大丈夫だからね。

(足音)
(雪野)オペ室に移動してもらいます。
(景子)先生よろしくお願いします。
はい。
ひかり絶対良くなるからね。
うん。
はぁ〜。
真央行ってくるね。
あぁ〜。
あぁ…はぁ〜。
はぁはぁ…。
橘先生どこにもいません。
まだ来てないのかも。
おかしいわね。
どうしたんでしょうか。
私電話してきます。
プルルル…
(呼び出し音)プルルル…
(着信音)
(北畠)あの事件が彼女の人生を大きく変えてしまったんです。
死ぬ覚悟をしていたってことですか?
(雪野)一刻も早くオペしないと。
あなたに会えなくなるわ。
解析診断部みんなの愛を感じるわ。
この病院に来て良かった。
(藤本)ひかりちゃんの容体急変です!
(真央)苦しんでいる人がいるんだよ。
助けてあげないと。
(雪野)橘先生ならできるはずです。
幻覚を抱えたまま執刀させるわけにはいかない。
どちらかを選ばなければならないのよ。
(真央)私はいつもそばにいるんだよ。
これまでもこれからもずっと。
真央ありがとう。
(真央)ひとを助けることができるって特別なことなんだよ。
(ナレーション)
詳しくは番組ホームページで。
2016/12/06(火) 21:00〜21:54
関西テレビ1
レディ・ダ・ヴィンチの診断 #09[字][デ]【運命の小さな患者との再会】

「運命の小さな患者との再会」
吉田羊 相武紗季 吉岡里帆 高橋克典 伊藤蘭

詳細情報
番組内容
将来を有望視されている天才ピアノ少女・藤原ひかり(根岸姫奈)が、コンクールに出場した直後に意識を失い、けいれんを起こして運ばれてくる。病名が分からず解析診断部で受け入れることになり、ひかりと対面した志帆(吉田羊)は、彼女と以前に会ったことがあるような気がするが、思い出せない。

翌日、ひかりが一カ月ほど前から、度々意識を失っていたことを知った志帆。ピアノ講師によると、その頃からフルートの練習を始めた
番組内容2
という。そんななか、お茶を飲んでいたひかりが突然胸を押さえて苦しみ出し、その処置中、志帆がひかりの背中に見覚えのある傷痕を発見。目の前にいる少女が背負った運命に気付き、あぜんとする。

心臓を詳しく調べた結果、ひかりは狭心症を発症していることが判明。意識消失とけいれんもモヤモヤ病によるものだと分かり、どちらの病気も発症のきっかけは過換気だった。狭心症は投薬治療で改善が見込めるものの、モヤモヤ病は
番組内容3
脳外科手術が必要。オペの執刀医は雪野(相武紗季)になると誰もが思った瞬間、「私がやる」と名乗りをあげたのは、志帆だった。「どうしても私の手で、ひかりちゃんを助けたい」という言葉に葉子(伊藤蘭)は執刀を許可するが、雪野はいつもと違う志帆の様子が気になる。その真意を尋ねる雪野に、志帆は2年前に起きた爆発事件の現場に、自分たち親子とひかりがいたと話し出し…。
出演者
吉田羊 
相武紗季 
吉岡里帆 
白鳥久美子(たんぽぽ) 
滝沢沙織 
庄野崎謙 
小林且弥 
池岡亮介 
五十嵐健人 
笛木優子 
戸次重幸
 ・ 
高橋克典 
伊藤蘭
スタッフ
【脚本】
田中眞一(『チーム・バチスタ2 ジェネラル・ルージュの凱旋』、「チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸」「GTO」他)

【演出】
星野和成(「チーム・バチスタ」シリーズ、映画「チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像」他)

【プロデューサー】
安藤和久(カンテレ) 
豊福陽子(カンテレ) 
遠田孝一(メディアミックス・ジャパン) 布施等(メディアミックス・ジャパン)