全文書き起こしサイト

地上波テレビの字幕を全文書き起こします

スポンサードリンク

セリフ書き起こし 地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子 第10話(最終回) 2016.12.07

(登代子の声)亀井編集長が今すぐ会いたいって。
先輩『Lassy』に異動になるんだよ!
(さやか)春の特大号の企画をうちの新人編集者が考えてプレゼンすることになってるんだけどあなたも参加してみない?
(河野悦子)『Lassy』の企画をですか?
(さやか)どれだけ本気で『Lassy』に来たいと思ってるのか見せてもらいたいの。
来週の月曜日12月5日に私にプレゼンしてみせて。
日にちはあまりないんだけどどう?やってみる気ある?もちろんです!やらせてください!じゃあ前日の夜9時までに企画書をメールして。
はい!頑張ります!
(登代子)プレゼンがうまく行ったら次の人事で絶対に『Lassy』に異動になるよ。
どうしよう…緊張して来た!大丈夫!先輩なら大丈夫!自信持って。
私にできることがあったら何でもするから何でも言って。
ありがとう森尾!
(登代子)先輩!ついに…ついに…長年の夢が叶うときがキタァ〜!よし!やるぞ!
(貝塚)コーエツ!タコ!フゥ〜!
(貝塚)いいところにいた。
是永どこにいるか知ってるか?えっ?さっきまで一緒だったよ。
ホントか?何?何かあった?ちょ…ちょっと来い。
何?何なの?本郷先生が盗作で告発されたんだ。
えっ?是永を連れてすぐに来てくれ。
なっ頼むぞ。
本郷先生が…盗作!?
(茸原渚音)「本年11月30日御社より出版された小説家本郷大作のデビュー30周年記念作品集『ゼロ知識証明』の表題作である小説の内容が3週間前の11月9日当方がブログにて発表した小説『悪魔の階段』の内容と酷似している。
当該本の速やかな回収と出版中止の措置を求めると共に御社ホームページトップページにて盗作に対する謝罪文の掲載を要求する。
12月5日月曜日までに応じない場合は『週刊往来』にリークする直木龍之介」。
直木龍之介?
(折原幸人)誰なんですか?それ。
自分のホームページに小説を書いてる自称小説家だ。
今のところこの名前以外の情報もないんだ。
内容はどれぐらい似ているんですか?人物名以外はほぼ丸写し。
サイト上に直木龍之介の小説がアップロードされたのが11月9日。
本郷先生の新作が出版されたのが11月30日。
この2つだけ見るとサイトのほうが早いんですが校閲部で先生の新作の初校を校閲したのが10月5日。
あ…。
ですから先生が盗作したとは考えにくいですね。
そうですよね!そうですよ!でも先生がこの作品を書く前にウェブ小説の元原稿あるいはそれに準ずる何かを手に入れてたとしたら日付問題は簡単にひっくり返っちゃうんだよ。
そっか…。
先生は今どちらに?全く連絡がつかないんですよ自宅にもいないし何度留守電を入れてもコールバックがないんですよ。
締め切りを抱えてるわけでもないのに雲隠れとは…先生らしくないですね。
いや実はこの作品の執筆中から先生の様子がいつもと違うな〜って思ってたんですよね。
違う?何が?
(貝塚の声)今回は初稿を書き上げるのがいつもより早かったんだよ。
内容もエロミスじゃなくて本格的なミステリーだったしちょっと気になって聞いてみたんだ。
こんなに早く原稿頂けるとは思ってなかったので今までの作品とは一線を画す作風だなと思いましたので何か心境の変化でもあったのかなと
(本郷)別に何もない何それちょっと待ってよ。
だったら本郷先生が盗作したっていうの?そんなことあるわけないでしょ。
俺だってそう思いたいよ。
でも現時点では先生が盗作したという可能性を否定できないんだ。
茸原さん。
はい。
本郷先生の無実を証明するために協力してもらえませんか?もちろんです。
校閲部としてできる限りのことをやらせていただきます。
何かタコヤダ。
本郷先生のこと疑ってるとかホント信じらんないんだけど。
先生がそんなことするはずないじゃんね。
う〜ん…。
えっ?幸人君も疑ってるの?疑ってはいないよ。
でもちょっと気になることがあってさ。
何?誰だか知らないけどよく親父のケータイに電話がかかって来るんだ。
(幸人の声)今日の昼にもかかって来てさ親父仕事の電話だって言いながら俺の前では取らずにわざわざ別の部屋に行って取ったりして。
何か俺に隠し事してるのは確かなんだよね。
そうなんだ…。
とにかく一刻も早く親父を見つけて12月5日までに盗作疑惑を晴らさなきゃ。
そうだね。
あ…ちょちょ…ちょっと待ったちょっと待って。
あれ?12月5日って何か他にも大事なことあった気がする。
(さやか)12月5日に私にプレゼンしてみせてあっ!!あっ!あっ?えっどうしたの?えっちゃん。
いや何でもない大丈夫。
あ〜寝ちゃった。
痛…痛っ痛た…。
あっヤバい…ヤバい遅れるヤバい…。
本郷先生はうちの看板作家だぞ!よりによって盗作とは…。
事実だったらことだぞ。
いえ事実ではないと思っています。
そもそもこの直木龍之介って男は何者なんだ?個人サイトの管理人を特定するには情報開示請求が必要なんです。
(総務局長)騒ぎになったら仮に盗作が事実じゃなかったとしても社のイメージに傷がつきます。
うちの社の責任という結論になるのが一番困ります。
一日も早く本郷先生の居場所を突き止め事態の早期収拾に努めてくださいはい。
本郷先生の新作を校閲したのは初校が河野さん。
再校が米岡君。
念校が藤岩さんでしたね。
(3人)はい。
河野さん達はそれぞれ担当したゲラを見直してみてください。
盗作であることを証明するより盗作でないことを証明するのは極めて難しいのですが何か一つでも気付いたことがあれば報告してください。
(米岡)分かりました。
目黒さん坂下さん青木君はフォローに回ってください。
(3人)はい。
ただしどちらが盗作したかということは決め付けずにあくまでも公平な立場でお願いします。
先入観を持たないことは真実への近道です。
社内の人間にもくれぐれも内密にお願いします。
期限は12月5日の月曜日。
では早速作業に掛かってください。
(一同)はい。
貝塚さん。
(貝塚)おぉ。
親父から連絡は?
(貝塚)あぁ…まだない。
そうすか…。
自宅にも帰ってない?先生一体どこ行ったんだよ。
やっぱり盗作したのは本郷先生じゃありません。
(りおん)なぜ言い切れるんです?例えばこの「気付く」っていう書き方。
先生は平仮名で「気づく」ではなくてこうやって漢字で「気付く」って書くんです。
でもそうやって書くのは本郷先生だけじゃないでしょ?「して貰う」っていうのもこの漢字と平仮名が混じった書き方。
あとこの「頂く」っていうのも絶対に漢字なんです。
で一人称をこうやってシーンごとに変えてるんですよ。
これ先生の特徴なんです。
同じ登場人物でも一人語りの時は「あたし」。
友達や家族に話す時は「私」。
目上の人やかしこまった時は「ワタクシ」と先生はいつも使い分けていますよね。
で今回の小説でもカタカナで「オレ」漢字で「俺」一部分だけ「僕」って書かれてるんです。
で直さないのは分かってるんですけど一応確認の意味も込めて指摘出ししたんですよ。
でやっぱり先生は採用されませんでした。
それがウェブ小説でもそのまんま書かれてるんです。
ホントだ!じゃあもしかして僕の間取りも?やっぱり!これ僕と先生が考えた家のまんまだ。
(梢)どういうことですか?プロットの段階で模型作って一緒に考えたんです。
あっちょっと待って。
ほらほら…!これ。
(青木)これ変わった家ですね。
そうなんだよ!でもそこがミソ。
先生の希望でハリウッドスターの家みたいにしたいって言われて。
でもこの海に面した庭で殺人が起きるからここは崖にしたいって言われて。
先生とあれこれ相談しながら考えたんです。
こんな変わった構造の家が偶然同じなんておかしいでしょ?
(目黒)おかしいですね。
盗作したのは本郷先生じゃなくて直木龍之介の可能性が高いね。
うん。
問題は社外に出回るはずのないゲラがいつどんな方法で第三者に盗作されたかということですね。
(米岡)う〜ん…。
(登代子)お疲れさまで〜す!あっ打ち合わせ中?森尾!どどど…どうした?どうした?あっ先輩に一瞬用があって大丈夫ですか?そっかうん大丈夫全然大丈夫どうした?あっちで聞くよ。
どうしたどうした?
(登代子)あっはい。
あの今夜ねエソンヌの展示会があるんだけど一緒に行きません?春の新作発表会だから企画のヒントになると思って。
めちゃくちゃ行きたい〜!でしょ?けど〜…あの〜…今ものすっごく面倒くさい校閲やっててさぁ。
あっそうなんだ。
うん。
あのほら四大文明の前に超古代文明が存在したとかクリスタルスカルの謎は?とかホント事実確認がものすっごく面倒くさい校閲をしててさ。
そっかそっか忙しいんだね今ね。
うん…展示会は行けないんだけど企画はちゃんと考えるから。
分かったじゃ何かまた参考になりそうなことあったら連絡するねじゃ頑張って。
うんありがとう。

 

 

 

 


(登代子)お疲れ〜。
お疲れさまです。
(登代子)ちょちょ…ちょっと待ってどうしたの?その顔。
えっ?クマすごいよあと充血もしてる。
あ〜…。
今日撮影だってことうっかり忘れて徹夜しちゃったんだよね。
あ〜例の新作か苦労してんの?ううんいやもうほぼ出来てるんだけどさ夢中になっちゃって。
ハハっ。
いや小説って読者の気持ちを動かすために書くっていうか何かどうやったら面白がってもらえるかなって考えながら書くようなとこがあって聞いてくれる?うん。
ノンフィクションってさ書いてる自分の気持ちがまず動かされるの。
取材対象に感動させられて触発されてそれをどう書いたら読者に伝えられるかってとこが一番考えるとこで。
こう取材対象と読者の橋渡しをしてるようなイメージなんだけど何か俺これのほうが合ってるのかもしれない。
書いててすごい楽しいし使命感に燃えるんだよね。
(登代子)フッそっかやっと書きたいもの見つかったんだね。
うん。
(登代子)じゃあそれなら今月ちょっと撮影減らす?今ならまだ調整利くし。
そんなことできないよ。
俺を推してくれた森尾さんに迷惑掛かっちゃうから。
いやでもさ…。
幸人君メークお願いします。
はい。
お願いします。
・は〜い・うわ〜ホントだクマ隠してもらってもいいですか。
・クマあっ了解です・あ〜!!ビックリした〜もう。
藤岩さん急に大っきい声出さないでくださいよ!すみませんでも分かったんです。
やはり盗作したのは直木龍之介のほうです。
しかもどの段階で盗作されたかも分かりました!えっ?これ見てください。
私が出した指摘出しなんですがこの回想シーンです。
正男と典子二人が初めてデートする祭りの名前おぱっぽ祭。
架空の祭りなので調べる必要はないのですが生まれて初めて聞いた言葉だったので念のため調べてみたところ青森のごく限られた地域の方言で「おぱっぽ」は男性の性器そのものを意味する言葉だったんです。
ブッ!祭りのクライマックスで純情な典子が神輿を担ぎながら「おぱっぽ〜!!おぱっぽ〜!!」…と大声で叫ぶシーンはさすがに問題があるかと。
それホントにそういう意味なんですか?現地に行って確認したので間違いありません。
えっ?現地に行った?藤岩さんが?はい。
何それ!え〜!ちょっと今まで散々私には「事実確認すんな」とか「校閲の仕事はデスクで始まりデスクで終わるのが鉄則です」とか。
自分だって行ってんじゃないですか!どの資料を調べても分からなかったので仕方なくです。
ほぉ〜。
いつもの本郷先生のテイストでしたらエロもエッセンスの一つなのでよかったかもしれませんが今回は本格ミステリーです。
ですからこの「おぱっぽ」という言葉を使うことによって余計な誤解を生んではいけないと思い指摘出しをしたところ御茶柱祭に変更してくださったんです。
(米岡)あっ!あっ!でもウェブ小説のほうは直ってない!そうです初校と再校で指摘したところはウェブ小説でも反映されていた。
でも念校で指摘したところは反映されていない。
つまり犯人は再校と念校の間にゲラを盗んだということになります。
謎は全て解けたじっちゃんの…!いいえまだです。
えっ。
(りおん)盗作された段階は分かりましたが犯人が一体どのような方法でゲラを盗んだのかが問題です。
今回我々は一度も社外にゲラを持ち出していません。
となるとこの部屋もしくは編集部にゲラを盗みに入った者がいるはずです。
(米岡)再生するよ〜えい。
(貝塚)あっストップ!これ誰だ?私だね。
お前か。
ってか出社するの早くないか?続き行くねよいしょ。
あ…。
ってかここ早送りでよくね?いや待て。
明らかに動きが怪しいぞ?まさかお前…。
はっ!何か見つけた。
こいつ〜…ゲラを持ち出す気か?あっいや違う。
こいつ何かを取り出すぞ。
何だ〜?何だ?スキャナーか?
(貝塚)ストップ!ってタコかよ!お前一体何やってんだよ!部屋デコってんだよ。
部屋タコってんじゃねえよ!タコるって何だ!デコるだよ!だってこの部屋地味だったんだも〜ん!っていうかもうタコのせいでみんなにバレちゃったじゃん!とっくにバレてますよ。
えっ?今更何言ってんの?え…えぇみんな知ってたの?えっいつから?割と…最初から?僕も。
ですね。
いや…みんな早く言ってよ!あぁそう?ただいまあっこんばんは〜。
(尾田)はいおかえり!よっ!うっ何でまたあんたいんのよ〜。
何かもう今日一日ず〜っとあんたの顔見てる気がして気持ち悪いんだけど。
別にお前に会いに来たわけじゃねえんだよ。
俺は是永君と待ち合わせしてんの。
あっやだ幸人君来るの?えっ!やった!態度変わり過ぎだろ。
大将いつもの〜。
(尾田)はいよあぁ。
ん?
(尾田)えっちゃんこれさっきバイク便が置いてった。
ありがとう森尾からだ。
あっ企画書のためにわざわざ送ってくれたのね〜。
企画書?実はさ!なんとね!『Lassy』の編集長から企画を考えてプレゼンしてみろって言われたの。
お〜!そうか!そう!いよいよお前の執念が実る時が来たな!何だその言い方ついに夢が叶う時来たな!よしよしよし!とかないわけ?ちょっと言い方が…。
すいませんお勘定お願いします。
(尾田)はいよ。
ちょっとそれよりさ…。
(貝塚)ん?あれどうなった?
(貝塚)何が?編集部の防犯カメラの映像。
チェックしたんだけどなそれらしき人物は映ってなかったな。
そっかぁ…。
つまりゲラは本郷先生の手に渡っている間に盗まれたってことだよ。
なるほどねそういうことか。
けどそうなると本郷先生が見つからないことにはどうにもならないんだよな〜。
そうだよね〜。
(尾田)ありがとうございました。
ごちそうさまです。
おっいらっしゃい!こんにちは。
あっ幸人君!えっちゃん!ここ座って。
すいません遅くなりましたありがとう。
であれから何か進展ありましたか?
(貝塚)ああゲラの内容が盗まれたのは本郷先生の手に再校のゲラが渡った時で間違いないな。
そうですか…。
で本郷先生からは?連絡は?ない?ないです。
あっでもさっきダメもとで母に電話してみたんですけど留守電でした。
まぁ大昔に離婚したっきり会ってないから知ってるわけないんだけど。
えっ会ってるよ?えっ?いやあの立田橋の件で私が余計なことしちゃってあの本郷先生20年ぶりに別れた妻に会ったって言ってたよ。
そうなの?うん。
知らなかった?はいえっ?何で2人とも俺に言わないんだ?
(着信音)あっかかって来た。
(着信音)あっ「母ちゃん」出て出て…。
もしもし?あぁ実は昨日から親父が行方不明でさ。
えっ!?ここにいる!?
(ラジオ)♪〜すずやすずだけ
(尾田)ハハハ…。
すずやじゃねえっつうんだ。
(折原亮子)まぁ〜皆さんよくいらっしゃいました。
どうぞどうぞ。
(貝塚:悦子)お邪魔します。
親父は?すぐ来るわ。
ねっ紹介して。
あぁ…。
あのこちら俺と親父の担当編集者の貝塚さん。
貝塚と申します。
どうもお世話になってます。
いつもお世話になってます。
でこちらが…校閲部の河野悦子さん。
河野悦子ですはじめまして。
あなたが河野さん!はじめまして幸人の母です。
お噂は本郷からよく聞いてるのよ。
ホ〜ントかわいらしい人ね。
えっ!ありがとう…あっうれしい…あっどうしよう…ハハ…。
すいません…。
(本郷)いや〜みんなよく来たね。
(貝塚)先生!あぁこの別荘の存在は君には知られたくなかったんだけどね。
ところでさ何で2人一緒にいるわけ?えっあっフフ…いや。
いやもじもじしてないでさ質問に答えてくれる?いや彼女のおかげで20年ぶりに会って。
まぁそれからまぁちょこちょこ会うようになった…なっ?うん。
だったらそう言ってよ!何でコソコソ…。
あっ!じゃあしょっちゅう電話してたのも母ちゃんだったの?そうだ。
何なんだよ!それ。
(ラジオ)結構毛だらけ猫灰だらけっていうのは…。
(いびき)ん〜…。
(本郷)しかし私が盗作とは穏やかじゃないねぇ。
直木龍之介って人知ってる?直木…龍之介?先生の潔白はすでに校閲部が証明してくれました。
そして再校と念校の間に盗まれたことも分かってるんです。
先生のお手元にゲラがあったのは10月27日から10月30日の間です。
ちょうどその頃大学の同窓会があったわよね?同窓会?
(亮子)年に1度大学時代のゼミ仲間と温泉に行ってるのよ。
まさか40年以上も続いてたなんて知らなかったけど今年も熱海の温泉に行ったのよ。
ふ〜ん。
その際ゲラはお持ちになりましたか?
(亮子)持ってったわよね。
ついでに仕事したいからって言ってこの人だけ前の日から温泉に泊まったし。
それだ!
(貝塚)先生あとはこちらで調べますのでお手数ですが先生のお泊まりになった宿とあと同窓会に出席された方のお名前ご住所頂いてもよろしいでしょうか?断る。
えっ?みんな40年以来の私の友人だ。
友人を疑うようなことはできない。
いや…何言ってんの?だって親父盗作犯にされちゃうんだよ?構わん。
はぁ?先生!盗まれるような場所にゲラを持って行った私が悪い。
要求通り本は回収ホームページに謝罪文を出し出版は中止しなさい。
親父…。
休暇中だ失礼する。
(貝塚)先生!
(貝塚の声)先生はきっと犯人の見当が付いてる。
けど大事な友達を犯罪者にするぐらいなら自分が盗作犯の汚名を着たほうがマシだと思ってるんだ。
それを俺達が引っかき回していいもんなのかなぁ。
親父はひとに優し過ぎるんすよ。
(本郷)明日ちょっと東京へ行く。
(亮子)あなた私が家を出た理由覚えてるわよね?賞を取ってやっと暮らして行けるってなった時に大金だまし取られて。
でもあなたはお友達をかばって警察沙汰にしなかった。
あなたのそういう優しいところが好きだったけど家族としてはついて行けなかった。
ハァ…。
もう二度とあんな思いは嫌だから。
大丈夫だ心配するな。
ごめんね大将。
車借りるだけならまだしも運転までしてもらっちゃって。
な〜にいいってことよ。
えっちゃんの仕事の手助けができるってことは俺の夢が一つ叶ったようなもんなんだよ。
大将…。
ヘヘヘ。
実はえっちゃんの親父さん俺のサラリーマン時代の先輩なんだよ。
えっ?サラリーマン…大将サラリーマンだったんですか?銀行員だったんだけど全く肌に合わなくてね。
アッハハ…。
(尾田)でも辞めたら親の期待を裏切ることになる。
そんな時えっちゃんの親父さんだけ脱サラを勧めてくれたんだ。
へぇ〜。
「あっちもこっちも立てようとするなんて虫がよ過ぎる。
親御さんはがっかりするかもしんねえけど大事なのはお前の気持ちだ」って。
「誰のもんでもねえお前自身の人生なんだ」って。
そう言われた時腹が決まったんだよ。
へぇ〜。
(尾田)でえっちゃんが大学でこっちに来るってことになって親戚も誰もいねえから「娘を頼む!娘を頼む!」…って言われた時にはうれしかったね〜。
これでやっと恩返しができるってそう思ったんだ。
そういうことだったんですね。
(尾田)うん。
だってよ。
オッホホ寝てるし!
(尾田:幸人:貝塚)ハハハ…!あぁ…ごめんごめん…ごめん。
はいえっちゃんおやすみ。
(貝塚)いい話だったのにね。
ありがとう。
よし。
今日こそはやるぞ。
(戸をたたく音)
(貝塚)・開けてくれ!早く!・何なの朝っぱらからマジ…怖いんですけど。
コーエツ。
ん?本郷先生が動いたぞ。
えっ?今是永が尾行してるお前も来るか?
(岩崎正)行くぞそら!よしうまいうまい。
健人ここに投げてごらんはい!
(健人)うん!それ!
(岩崎)ダメじゃん健人頼むよ。
フフフ…。
(本郷)あの子が自慢の孫か。
写真よりずっとかわいいじゃないか。
(岩崎)春江健人と一緒に中に入りなさい。
(岩崎春江)はい行こうか。
何で分かった?直木龍之介なんてちゃちなペンネーム。
いつだったか純文学と大衆文学で賞を分けること自体ナンセンスだって言ってたな。
あの頃からお前作家志望だったんだな。
(岩崎)お前らが全員酔いつぶれて寝た後原稿を失敬してコピーした。
あれ全部か?スキャンすりゃあ一発だ。
40年以上コピーやファクス売ってたからな。
その道ではお前より詳しい。
あぁそっか。
だがその後が大変だった。
盗作のもとを作る作業だ。
話の一部を変更したりカットしたり…。
はぁ〜肩は凝るわ寝不足になるわ体調も崩して大変だった。
(本郷)バカなまねをするからだ。
何でこんなことした?順風満帆なお前の人生に何かしらの汚点を残してやりたくなったんだ。
俺の人生が順風満帆?妻子に逃げられ20年以上も一人暮らししている俺の人生が?離婚なんて聞いてないぞ。
言うかよそんなこと。
でも逆かもしれんな。
友達には弱みを見せるべきだったのかもしれんな。
ホームページの小説見たぞ。
あんなもん小説って呼べるか。
定年になったじじいの戯言だ。
夢を叶えられる人間はお前みたいに才能と運のあるごく一部の人間だけだ。
頭では分かってるでも人生の終わりが見え始めて夢を叶えられなかったという敗北感を抱えたまま死んで行くんだと思ったらお前のことが心底うらやましくなってなぁ。
何で…?何で過去形なんですか?今夢を叶えられなかったっておっしゃいましたけど今まだ書かれてるんですよね?小説。
だったらまだ夢の途中じゃないですか!諦める必要ないじゃないですか!この人誰?息子の彼女だ。
あぁ息子さんの。
あの景凡社の貝塚と申します。
直木龍之介さんですよね?あの私本名は岩崎正です。
どうしてここが?母ちゃんが教えてくれたんだよ。
また余計なことを。
(岩崎)息子さん安心してください。
きちんと自首して片を付けますから。
(本郷)何バカ言ってんだ!だったら俺も自首しなきゃならなくなるだろ。
何を言ってんだ。
俺が大学を卒業できたのはお前のボツにした論文をまぁ勝手に拝借して出したからだよ。
えっ?夢が叶わなかったって言ったな。
でもお前結婚式で泣きながら言ったよな。
家族を持つことが夢だったって。
あれは…。
夢はいくつあってもいい。
全部いっぺんに叶えようなんて虫がよ過ぎる。
俺は仕事を手に入れた代わりに家族を犠牲にした。
今必死にそれを取り戻そうとしている。
確かに全部いっぺんに手に入れようなんて虫がよ過ぎるのかもしれません。
でも岩崎さん諦めないでください。
叶えられなかったほうの夢全力で取り戻してください。
(本郷)なぁ岩崎。
まだ夢の途中にいると思うとこの年でもワクワクして来ないか?あの頃のように一緒に夢を見ようじゃないか。
ありがとな本郷。
(セシル)おかえり〜!コーエツ先輩どこ行ってたんですか?『Lassy』の企画書もう送った?今からやる。
(セシル)えっ?校閲の仕事にかかりきりになって企画全然出来てないの。
えっちょっと…ウソだよね。
あと3時間…とにかくやって来る。
(登代子)えっちょっと…。
(ノック)
(ドアが開く音)
(登代子)先輩そろそろ帰るけど…。
出来た?大丈夫ですか?ちょっとパソコン見せて。
全然出来てないじゃん。
これ来週出そうと思ってた企画書。
もう時間ないからこれ編集長に送って。
そんなズルできないよ。
ねぇ今そんなこと言ってる場合?『Lassy』への異動懸かってるんだよ?
(セシル)そうですよ企画書は異動してからいくらでも作れるじゃないですか。
まずは明日のプレゼン成功させないと。
先輩が長年見て来た夢が終わっちゃうかもしれないんですよ。
はいこれ送って。
あっ先輩おはようございます。
おはよう。
(百合)プレゼン頑張ってくださいね!受付一同応援してますから!ついに夢が叶うんですよね!頑張ってね先輩!ありがとう。
企画書見ました。
ファッション誌志望なだけあるわ。
『Lassy』の特集の傾向もよく研究してる。
口先だけで『Lassy』へ行きたいって言ってるようじゃなさそうね。
それじゃあ細かくプレゼンして。
『Lassy』は私のバイブルでした。
創刊号から全て取り寄せて隅から隅まで繰り返し読みました。
好きだった特集やヒット企画は見出しから言えますしどういうレイアウトでどういうコーディネートだったかも説明できます。
でも今回の企画は森尾が作ってくれたものです。
先輩…。
校閲の仕事にかかりきりになってしまって企画を考える時間が取れませんでした。
せっかくチャンスを頂いたのに本当にすいませんでした!ひとの力を借りてこちらに異動ができても意味がないと思いますのでこの企画は取り下げさせてください。
本当に異動のお話申し訳ありませんでした!ちょっと待って異動って何?えっ?確かに企画は出せとは言ったけどそれはあなたが長年『Lassy』の編集者を希望してるって聞いたからどれだけ本気かを見るためであって異動とかって話は全く出てないんだけど。
あっ…そうなんですか?どっちにしろチャンスが目の前に転がってたのにひとの企画だって正直に白状しちゃうようじゃダメね。
ひとの手柄を奪ってでもはい上がって来るぐらいの根性がなきゃこの世界じゃ生き残って行けないわよ。
あなたもよ森尾。
はい。
しばらくは校閲で頑張りなさい。
また気が向いたら声掛けるわお疲れさま。
以上!
(登代子)いやホントにごめん!ごめんなさい!
(登代子)でもさでもさ何であんなこと言ったの?せっかくのチャンスだったのに。
いや〜もしねあの企画が採用されて異動の決め手になったりしたら何かズルした自分いつまでも許せないだろうなと思って。
潔癖だな〜。
私は先輩に『Lassy』に来てほしいんです!編集者として一緒に働きたいんです!大丈夫!近いうち必ず行ってみせるから心配しないで。
分かりました待ってます。
じゃあその時は私のこと先輩って呼んでもらってもいいですか?ほほぉいいよ!じゃああの心から先輩って呼べるようにスキルアップしといてもらっていいですか?いいよ!もう森尾先輩頼りになる!って言わせてみせますから期待しててくださいね!待ち遠しいわ〜。
まぁじゃあ取りあえずおごって先輩。
えっ何で何で?いいじゃん。
えっ先輩ヤダヤダヤダ。
おごってよ。
せめて割り勘がいいな。
んっ…。
ヤベ!あれ?
(登代子)遅い。
遅れてすいません。
何してたの?本書いてて徹夜してそのまま起きてようと思ったらいつの間にか寝ちゃって。
あれ?他のスタッフさんは?
(登代子)帰ってもらった。
えっ?
(登代子)幸人はクビにするからって言って。
あんたさモデルとしてのプロの自覚がなさ過ぎる。
半端な気持ちでやられたらね本気でやってる人達に失礼だよ!あんたの代わりなんていくらでもいるから今すぐ辞めて。
でも…。
(登代子)ねぇ幸人。
モデルと作家どっちも無理して頑張ってその先に何か得られるものがあるの?やっと書きたいもの見つかったんでしょ。
森尾さん…。
先輩もさ『Lassy』の企画をプレゼンする機会を与えられたんだけど校閲の仕事が忙しかったみたいでせっかくのチャンスふいにしちゃったんだよね。
でもさしょうがないじゃん。
先輩も幸人も2つのことが同時にできるほど器用な人間じゃないんだからさ。
うん。
新作楽しみにしてるよ。
あっ!いたいたいた。
タコ…。
さっきまで会議だったんだ例の件の。
どうなった?
(貝塚)直木龍之介名義のホームページが期限前に削除されていたこともあって今回は愉快犯の仕業だったってことで処理された。
おとがめなし?
(貝塚)うん。
よかった。
でお前は?ん〜?プレゼンがダメで1人で落ち込んでんのか?何で知ってんのよ…。
しょうがねえなぁはい。
しょうがないなぁ。
(貝塚)じゃあ結局『Lassy』への異動は夢に終わったってわけだ。
だから終わってないから。
うん?絶対に近いうちに行ってみせるから。
ただなぁ…。
ん?いや〜本郷先生のことで頭いっぱいになっちゃってさ。
うん。
プレゼンのこと後回しにしちゃった自分に心底がっかりした。
こんっだけ『Lassy』に行きたいって思ってんのにさ何かやること半端だなと思って。
それは半端なんて言わない。
今回お前は校閲部の仕事と『Lassy』異動へのチャンスをてんびんにかけて校閲の仕事を優先した。
それはお前が校閲部の河野悦子だっていう自覚があったからだ。
『Lassy』の編集者になりたくて校閲の仕事はただの腰掛けだって言うようなヤツだったら俺はお前のことを軽蔑してた。
けどお前はたとえ夢が別にあったとしてもまずは目の前にある仕事に全力で向き合うヤツだったんだよ。
だから校閲部のみんなもお前のことを受け入れてくれたんだ。
お前は半端なヤツなんかじゃない。
まぁこの先お前が編集者になろうと校閲者になろうとお前はお前なんだ。
まぁ少なくとも俺はどっちのお前も全力で応援してやる。
…んだよタコ!はぁ?何かあんたの顔見てたらタコ食べたくなって来た帰るわ。
何言ってんだお前。
俺の顔見てタコ食いたくなるって何なんだよ?もういいよもう帰れ帰れ。
すんげぇ似てるよタコに。
似てねえよ。
見てみこれと一緒の顔してる…。
似てねえうるせぇうるせぇもう帰れ帰れ。
これ持って帰っちゃおう。
これも持ってけはいはい…。
(北川)ハハハ…いやぁしかしさえっちゃんが景凡社に入ってからこの店はすっかり明るくなったよな。
(東山)あ〜まったくだ!前はさえっちゃん以外は右見ても左見ても前見てもお前らみたいなオヤジだけだったもんな。
それって私だけじゃ不満ってこと?
(西田)いやいや俺はえっちゃん派だよ。
こいつらは若けりゃ何でもいいんだよ。
お〜い!違〜う。
今のは俺達に対してもえっちゃんに対しても失礼だろお前!謝れお前!謝れ!すいませんでした。
う〜頭が高い頭が高い!フフフ…!ハハハ…!じゃあ久しぶりに今日朝まで行っちゃおっかね〜。
いいよ〜!
(セシル)でも彼ほっといていいんですか?大丈夫!何か締め切り近いって言ってたし。
ほら今作家業ひと筋ですから。
今一番集中したい時期ですから大事な時期なのだから…。
(尾田)あ〜いらっしゃい!
(一同)あっ…。
幸人君?えっ何で?えっ締め切りは?あぁ…それがさ岩崎さん一家がうちに来て宴会が始まっちゃって。
そうだろ?フフフ…。
フフフ…。
奥さんいつもありがとね。
いいえ。
えっちゃん。
ん?ホント悪いんだけどさ部屋借りてもいいかな?あぁうちん家?あっいや…。
いいよ。
ありがとう。
みんなは?大将も帰ったよ。
そっか。
夜食作ったから置いとくね。
出来た。
えっ!えっちゃん読んでくれる?いいの?一番最初の読者はえっちゃんって決めてたから。
じゃあ読ませてもらうね。
おっ!うわぁうまそう。
うわぁ…。
いただきます。
はい。
ハァ…。
面白い。
すっごい面白かった。
ゆ…。
お疲れさま。
ハァ〜…。
ホントイケメン。
あっ…。
あっ読み終わった?うん。
ど…どうだった?面白かった。
ホントに?ホントに。
ホントにすっごくすっごく面白かった!よかった〜。
フフフ…。
幸人君。
ホントにお疲れさま。
ありがとう。
うんフフフ。
幸人君あの…。
うん?何かいろいろ…何かうやむやになっちゃって何かこう付き合う付き合わないって話?あぁうん。
幸人君はホントにすごいと思う。
悩んでもがいて自分で夢つかんで。
ここにたどり着いた。
それってホントにすごいことだと思う。
でも私は校閲部だから校閲の仕事するの当たり前なんだけどでも…。
せっかく夢に近づけるチャンスみすみすふいにした。
えっちゃん…。
長年追い続けて来た夢への扉が目の前で開きかけてるのにホントに悔しい。
幸人君はもがいてもがいてこうして自分で納得できる本が書けるように。
私も自分で納得できる自分になれるように。
『Lassy』に行けるように。
このままの関係でいさせてほしい。
今ね幸人君の胸に飛び込んじゃうと私幸人君に甘えちゃって夢を追うことから逃げちゃうような気がするの。
だから…。
うん。
分かったそうしよう。
いいの?うん。
俺もやっと書きたいと思うことが見つかってこの道一本でやって行けそうな気がしてるだけでまだ何にもできてないから。
自分に納得なんか行ってないし。
まだ結果だって出してないし。
まだまだ書きたいこともやりたいこともいっぱいあるし。
だから俺も頑張る。
えっちゃんも頑張って。
うん。
うん!
(正宗)おはようございます!
(一同)おはようございます!おぉ…。
(米岡)ちょ…正宗君大丈夫?大丈夫です。
これ貝塚さんに持ってけって言われたゲラです。
(米岡)はいありがとう。
またあのタコ〜。
もう今度言われたら自分で持って行けって断りなよ?そんなことできないよね〜?河野っちじゃないんだから。
確かに受け取ったよ。
じゃあまた後で。
また後で。
じゃ失礼します!おっ…おぉ…。
えっ?失礼しました!えっ?2回も何につまずいた?ん?このコードは一体?河野さん!何ですか?これは。
えっ?えっ…。

(米岡)何?これ。
(りおん)河野さん。
はい…。
花を飾ったり妙な小物を置いたりクロスを敷いたり。
そういったこまごましたことは大したことではないと思い見過ごしてまいりましたがさすがにこれはやり過ぎです。
いやこれ私じゃないです。
えっ?違うの?じゃあ一体誰がこんなバカなことを?・それは私です!・
(一同)え〜?部長?河野さんを迎えてからわが校閲部は少しずつ変わって来ました。
地下の暗く地味でしかなかったこの部屋で肩身狭そうに自信なさそうに仕事をしていたあなた達が少しずつ自信を持つようになりました。
作家さんの信用を得編集者と対等になり本を作る上で欠かせない重要な仕事をしているんだと気付いて行ってくれました。
大好きなファッションを自分らしく楽しむ河野さんを見て職場で自分を押し殺す必要などないことを知り皆さんも少しずつ自己主張を始めました。
ファッションを楽しんだりデスクを好きな物でいっぱいにしたり。
あれほど事実確認に出て行く河野さんに目くじらを立てていた藤岩さんが本郷先生の小説に出て来たたった一つの方言を調べるために青森まで行った。
我々は本の間違いを見つけて直す仕事をしていますが仲間に関しては悪いところではなくいいところを見つけて相手を認め合えるステキな人ばかりです。
そんな校閲部が私の自慢であり誇りです。
個性的でステキな人達の集まりである今の校閲部にかつての地味なプレートは似合わない。
だから私が作りました。
えっ作った?えっ部長が自分で?夜なべして作りました。
えっ…。
どうです?今の校閲部にピッタリでしょ?あっ…ピッタリです。
ステキです。
みんなで写真撮りませんか?撮りましょう!はいチーズ!
(カメラのシャッター音)はいOKで〜す。
私代わります。
撮ります撮ります。
ありがとうございます。
(貝塚)おぉっ!何やってんですか?タコちょうどよかった撮ってよ写真。
写真?貝塚君。
うわっ!趣味悪ぅ〜。
お前コーエツお前いいかげんにしろよ。
あ…うん。
(貝塚)あっそうだ!是永是之先生の新作出来上がりました!あっ!
(一同)おぉ〜。
(貝塚)ノンフィクションのストレートな面白さと小説家ならではの目線で描かれた仕事人達が生き生きと描かれていて非常に読み応えのある完成度の高い本になりました!
(貝塚)この本は間違いなく売れます!うん!これは楽しみですねぇ。
(幸人の声)僕がこの本を書くことになった訳を話そうと思う。
あっ!あっ!痛った…大丈夫ですか?ごめんなさい
(幸人の声)きっかけはある女性との偶然の出会いだった。
彼女の職場は出版社の校閲部。
本になる前の原稿を一字一句見て文字や表現に間違いがないかを点検する仕事だ。
目立たず地味な仕事だが間違いのない本を世に送り出すために欠かせない部署である。
そんな彼女には長年夢見ていた仕事があった。
校閲とは懸け離れたどちらかというと派手で目立つ仕事だ。
世の中には夢を叶えた人もいれば叶えていない人もいる。
目立つ仕事もあれば目立たない仕事もある。
中には夢を叶えたけどこんなはずじゃなかったと思っている人もいるだろう。
でもたとえどんな気持ちでいようとどんな仕事をしていようと目の前にある仕事に全力で取り組むことがともすれば平凡な繰り返しになってしまう毎日を意味のある掛け替えのない毎日に変える方法だと彼女は身をもって教えてくれた。
いつか彼女の夢が叶うといいなと思う。
その日まで僕はエールを送り続けたい。
夢を叶えていても叶えていなくても今の仕事に誇りを持って世の中を支えてくれている全ての地味にスゴイ人達に。
何これ。
河野さん。
だってこれおかしいですよ。
『一度行ったら忘れられない洋食屋さん』に載ってるこのマキシム・ド・ジョーヌドゥフのオムライスの匂い。
「海の幸キャビアと山の幸トリュフの夢の共演により口の中にアマゾンの香りが広がる」。
どんな匂い?部長事実確認必要ですよね?はいどうぞ。
はい。
ではいってきます!
DVDBlu−rayBOX発売決定
詳しくは番組ホームページまで
2016/12/07(水) 22:00〜23:10
読売テレビ1
地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子 第10話[終][字][デ]

夢だったファッション誌に異動できる大チャンスが悦子に訪れる!ファッション誌の企画をプレゼンする日が近付づく中、校閲を担当した本郷先生にある大事件が起きてしまう…

詳細情報
番組内容
夢だったファッション誌に異動できる大チャンスが悦子(石原さとみ)に訪れる!そんな中、貝塚(青木崇高)から、校閲を担当した本郷先生(鹿賀丈史)の新作が盗作の疑いで告発されたと知らされる。校閲部メンバーや幸人(菅田将暉)と盗作疑惑を晴らすために夢中になってしまった悦子は、何の準備もしないまま、ファッション誌の企画をプレゼンする日を迎えてしまう…。果たして悦子はファッション誌へ行けるのか…
出演者
石原さとみ
菅田将暉
本田翼
和田正人
江口のりこ

田口浩正
足立梨花
伊勢佳世
曽田茉莉江
松川尚瑠輝
杉野遥亮

ミスターちん
長江英和
店長松本
麻生かほ里
高橋修

鹿賀丈史(特別出演)

芳本美代子
青木崇高
岸谷五朗
【ゲスト】
浅田美代子
本田博太郎
原作・脚本
【原作】
「校閲ガール」シリーズ 宮木あや子(KADOKAWA・角川文庫刊)
【脚本】
中谷まゆみ
監督・演出
【演出】
佐藤東弥
音楽
大間々昂
【主題歌】
「Heaven’s Door〜陽のあたる場所〜」栞菜智世
【オープニングテーマ】
「12月の雨」chay
制作
【チーフプロデューサー】
西憲彦
【プロデューサー】
小田玲奈
森雅弘
岡田和則(光和インターナショナル)
【企画協力】
鈴木光(光和インターナショナル)