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セリフ書き起こし オトナの土ドラ・リテイク 時をかける想い #02【未来人に余命宣告!?】 2016.12.10

(薫)今度こそ正解ですかね。
(新谷)それだけ似てるんだから間違いないだろ。
このオバケはこの人の未来の姿ですかね…。
(新谷)少なくとも血のつながりはあるんじゃないか?会いに来てる可能性は高い。
(新谷)何か怒ってる?いえ。
あっ。
来たぞ。
行きますか?待て。
あっ!慎重に行くぞ。
坪井さん。
法務省の新谷です。
坪井信彦さん。

 

 

 


(坪井)どうして…。
未来から来た方の素性を突き止めるのも私たちの仕事ですから。

(足音)一緒に来ていただけますか?
(坪井)わっ!わっ。
ちょっと!待て!やっと分かっていただけましたか?行きましょう。
ねっ。
俺は捕まらない。
言っただろ。
俺には未来の記憶がある。
(雷鳴)課長。
出勤前に皇居の周り走ってきたらどうですか?何で?足遅過ぎるからです。
昨日のは足の速さ関係ないだろ。
そうですね。
超ビビってましたもんね。
雷に。
あの至近距離でビビらない人間なんかいないって。
お前だって固まってただろ?
(まさ子)はいはい。
朝からケンカしないの。
マイハズバンドお薦めの紅茶でも飲んで。
それにしてもホント厄介ね。
その本。
落雷も分かってるって?私たちからしたら予言の書じゃない?まあ身元が分かったんで一歩前進です。
でももうあのアパートには現れないと思います。
(まさ子)今日はどうするの?まあ取りあえず現代の坪井さんをマークですね。
どっかで接触してくる可能性はまだありますから。
一日中尾行か。
(電子音)
(まさ子)うん?練馬区天気雨。
オバケ雨ですかね?どうします?他に情報は?
(まさ子)今のところ出てこないわ。
じゃあ尾行だな。
はい。
白い服とか例のケーブルとか目撃情報見つけたら連絡するわね。
よろしくお願いします。
いってらっしゃい。
仲良くするのよ?バイトですかね?じゃあ俺車回すから。
バイト先以外に向かうようだったら連絡して。
やっぱり電車は乗らないんですね。
ああ。
何か昨日からずっと怒ってないか?お前。
そんなことないですよ。

(ドアの開く音)
(まさ子)早かったわね。
2日連続逃がしちゃった?
(国東)昨日オバケを逃がしたという報告は上がってませんよ?あら。
珍しい。
政務官殿がわざわざ地下にお越しになるなんて。
(国東)たまには陣中見舞いと思いましてね。
(まさ子)手ぶらで?あっ。
ごめんなさい。
いけませんね。
いえいえ。
課長と薫ちゃん。
頑張ってますよ。
どうぞどうぞ。
(国東)この課を設立して1年半。
先日別荘に隔離したオバケでちょうど10人目でした。
もっと成果を上げられるはずです。
あなた方3人なら。
(まさ子)褒めてるの?プレッシャーかけてるの?
(国東)両方です。
相変わらずね。
(彬)あっ。
すいません。
(彬)あのう。
ちょっといいですか?
(彬)うーん。
「ちょっと」じゃ分からないです。
「ちょっと」と言われてもそれが10秒なのか5分なのかそこはっきりしてもらわないといいか悪いかなんて答えられませんけど。
あのう。
じゃあ早ければ1分で。
(彬)じゃあどうぞ。
この十円なんですけど平成二十九年って書いてありますよね。
(彬)ホントですね。
気が付きませんでした。
製造ミスかな?もしくは未来で造られた十円ですかね。
はい?これどこで手に入れました?いましがたここでもらった十円ですけど。
誰に?
(彬)うーん。
予言者ですかね。
予言者?
(呼び出し音)もしもし。
課長。
今どこですか?喫茶店。
何一人でぬくぬくしてるんですか!大声出すなよ。
尾行気付かれるぞ。
大丈夫です。
もうバイト先着いてますから。
早く来てください。
別の未来人の手掛かりをつかんだんだよ。
ホントですか?けさのはやっぱりオバケ雨だったんだな。
今から重要参考人に話聞くからそっちはしばらく任せていいか?いや。
だから車がないと…。
なるべく早く向かうから。
頼むな。
漆畑彬さん。
平成6年生まれ。
確かに。
(彬)法務省民事局戸籍監理課?新谷真治さん。
はい。
怪しい者ではありません。
(彬)怪しいか怪しくないかは僕が判断することですけどね。
名刺なんて簡単に作れますし。
どうしたら信用してもらえますかね?えっ?信用してないなんて僕言いましたっけ?信用してない人に自分の免許証見せないんじゃないかな?早速ですがさっき言ってた予言者というのは?えっ?コーヒーおごってくれたら話すって言いましたよね?まだ飲んでませんけど。
そうですね。
そろそろいいですか?
(彬)さっき自動販売機の下に小銭を落としまして。
はあ。
(彬)こう拾おうとしてたんですよ。
こうやって。
ああ。
はい。
分かります分かります。
(彬)そしたら急に誰かに襟首をつかまれて「立て」って。
見たら50くらいですかね。
中年のおじさんがいて。
「いや。
僕は落とした十円を拾おうとした」って説明したら「十円くらいならやるからこっち来なさい」って言うんですよ。
(彬)「危ないから」って。
そのときもらった十円です。
そうですか。
予言というのは?はい?さっき予言者にもらったって。
ああ。
そうなんですよ。
そのおじさんから十円を受け取った2〜3秒後に…。
(子供)《おい。
どこ蹴ってんだよ?》
(彬)あのおじさんに「こっち来なさい」って言われてなかったら頭にボール直撃してましたね。
ほう。
(まさ子)十円はともかくその予言ずいぶん地味。
まあそうなんですけど。
その前にも2回。
それも今日同じおじさんからピンチを救われてるっていうんですよ。
(まさ子)どんなピンチ?買い物袋を川に落としそうになったのを食い止めてくれたっていうのと。
ハトにふんを落とされる寸前で突き飛ばしてくれたっていう。
そんなささいなことのために未来から飛んできたりしたらリスクと成果が釣り合わないでしょ。
ちなみに日本の硬貨に刻印されてる年号は製造された年ですって。
年号の製造ミスの情報も見当たらない。
未来の十円ね。
それは。
じゃあ捜す価値ありますね。
予言おじさん。
取りあえず写真送るんで捜してみてくれません?その青年と予言おじさんが一緒に写ってる画像ね。
姿が分かれば直接話聞いて確認できるんで。
イエッサー。
Icandoit.
(バイブレーターの音)もしもし。
課長?坪井さんの尾行打ち切りましたよ。
課長が車回してくれなかったせいですからね。
俺のせいって…。
じゃあこっち来るか?別の未来人まであと一歩のとこまできてるから。
はい。
今どこですか?今は…。
お前の後ろにいるよ。
えっ?バカ。
尾行中だぞ。
すいません。
どうしましょうか?取りあえずそのまま自然に…。
あっ!今お前の前にいる中年男性。
未来人かもしれない。
何話してるか聞いとけ。
自然にな。
はい。
(彬)いや。
こっち近道なんですけど。
何話してた?それがもうすぐこの路地から…。
那須野。
すいません。
大丈夫か?平気です。
それよりさっきの男。
未来を予知してました。
強盗とぶつかってケガするから迂回しろって。
やっぱり未来人だったか。
追ってください。
早く!分かったよ。
あのう。
すいません。
ちょっといいですか?・えっ?「ちょっと」って言われてもそれが10秒なのか5分なのかはっきりしてもらわないといいか悪いかなんか答えられませんけど。
漆畑さん?漆畑さんですよね?絶対そうですよね?
(漆畑)えっ?法務省の新谷と申します。
一緒に来てもらえますか?
(漆畑)どうしてですか?未来からやって来た方を保護するのが私の仕事です。
(漆畑)えっ?確かに僕はこの時代の人間じゃないですけど。
でもあなたについてったらどんな利益があるんですか?もしくはついていかなかったらどんな不利益が生じるのかそこ詳しく説明して…。
ああ。
じゃああのう。
コーヒーおごるんで話聞かせてもらえますか?もう日も暮れかけてますし時間帯的にはコーヒーよりもビールの方が適切だと思うんですけど。
いいですよ。
つまり現代のあなたとあの女性をくっつけるためにタイムマシンを使ったと。
はい。
2016年の僕はゆうべここで彼女に会ったんです。
彼女の方から話し掛けてきました。
大阪から出張で来てるって。
関西の人ってみんなああなんですかね。
初対面なのにフランクでよく笑って。
怖かった。
怖かった?ええ。
怖かったんです。
何てことない会話すんの久しぶりだったし。
しかも女性で美人で優しくて。
すぐに限界がきて先に帰りました。
そしたら彼女「またあした」って。
大阪戻る前にここに寄るって。
なるほど。
(漆畑)最近になって気付いたんです。
あれが恋人をつくる人生唯一のチャンスだったって。
恋人は飛躍し過ぎな気がしますけど。
(漆畑)えっ?えっ?今夜ここで何かやらかしたんですか?
(漆畑)いえ。
何もしてません。
今夜僕はここに来ませんでした。
どうして?
(漆畑)朝から嫌なことが続いて。
ちっちゃなことですけどそういうの重なると気になっちゃうたちで。
それで彼女に会ってもろくなことないだろうって判断したんです。
その嫌なことを回避させるべく今日一日動いてたってことですか?
(漆畑)はい。
そんな回りくどいことしなくても「今夜居酒屋へ行け。
彼女に会え」って言えば済む話だったんじゃないんですか?じゃあ逆に聞きますけど突然現れた中年男にそんなこと言われて「はい。
分かりました」って言うと思います?ああ。
はい。
(漆畑)ですよね?ですよね?まっとにかく事情は分かりました。
ただ私の仕事は未来から来た人物を現代に干渉させないように保護することですから。

(戸の開く音)・
(従業員)いらっしゃい。
(男性)2人なんだけど。
どうして干渉しちゃいけないんですか?結局僕は来ない。
何も変わらないじゃないですか。
もうほっといてください。
本来あなたがケガをするはずだったあの場所で別の人間がケガをしました。
(漆畑)えっ。
あなたは現代を変えてるんです。
これ以上動き回らないでください。
せめて彼女が帰るまでここにいさせてください。
分かりました。
(柳井)ご協力ありがとうございました。
じゃあ私は。
(柳井)あっ。
送ってくよ家まで。
いえいえ。
悪いですよ。
(柳井)いや。
下心とかじゃないよ。
(柳井)まだ近くに犯人いるかもしれないし。
それに薫ちゃん。
顔見られてるんだし。
一人じゃ危ないから。
ああ。
じゃあお願いします。
(柳井)うん。
…にしても元お兄さんにはがっかりだよ。
ケガした薫ちゃん置いて仕事に戻るかね?ひどい男だ。
うちの課長のこと悪く言うのやめてもらえます?
(七奈美)店長。
昨日ここおった人今日もう帰っちゃいました?
(従業員)いや。
今日はまだいらしてないですね。
(七奈美)そうなんや。
ちょっと。
ちょっと待ってください。

(チャイム)ちょっと。
駄目ですって。
お願いしますよ。
ちょっと。
困りますよホント。
さっき納得してくれたんじゃないんですか?
(漆畑)すいません。
分かりました。
ちょっ。
ちょっ。
いいかげんにしてくださいよ。
ちょっと。
(彬)あっ。
さっきの。
ああ。
どうも。
(彬)えっ?何ですか?何でもないです。
間違えました。
(漆畑)あのう。
居酒屋行こう。
(彬)はい?
(漆畑)今すぐ行って彼女に会おう。
(彬)僕の勝手でしょ。
(漆畑)いや。
ちょっ。
会いたいんでしょ?
(彬)何なんですか?
(漆畑)せっかく新しい服も買ったんだからさ。
(彬)いや。
あれは欲しかったから買っただけです。
もう行きましょう。
(漆畑)このままだと一生一人だぞ。
ちょっと!いいですよ別に!・
(鍵を掛ける音)諦めましょう。
ねっ?僕もそうだった。
一人で問題ないと思ってたし実際何の問題もなく生きてきた。
誰に気を使うこともなく何のあつれきもなく悠々自適に生きてきたよ。
でも今後悔してる。
最近しょっちゅう考える。
「このまま死んだら僕の走馬灯には何が流れるんだろう?」って。
何も流れないんじゃないかなって。
寂しいでしょ。
寂し過ぎるでしょそんなの。
だから…。
だから…。
私も一人なんです。
2年前に離婚したんで。
娘がいるんですけど会わせてもらえません。
同じころ友人も同僚もみんな離れていって。
今じゃそばにいるのは部下が2人と上司が1人だけです。
だから考え方しだいであなたの方が…。
大丈夫ですか?
(漆畑)うっ!?漆畑さん!具合どうですか?
(漆畑)ご迷惑をお掛けしました。
ホントですよ。
保険証も戸籍もない人間を病院に運ぶと色々面倒なんですから。
(漆畑)すいません。
検査結果はあしたにならないと出ないみたいで。
(漆畑)余命3カ月です。
医者から持ってあと3カ月って言われました。
友達も家族もいない僕ですけど死ぬ前に誰かのために何かをしたいって思いました。
でもその誰かが思い浮かばなくて。
47年も生きてるのに。
それで過去の自分のために?
(漆畑)はい。
いや。
しゃべりたかっただけかもしれない。
ただ誰かと話したくて自分とならって思ったのかもしれません。
もっと話したかった。
(国東)あっ。
今夜の会食同席しますか?君も政治家を目指しているのなら会っておいて損はないでしょう。
(史子)ありがとうございます。
(国東)じゃあ行こう。

(史子)はい。
政務官室です。
お待ちください。
戸籍監理課の新谷課長です。
(国東)はいはい。
はい。
もしもし。
どうしました?はい。
あっ。
ちょっと待ってください。
先に。
重病人のオバケですか。
初めてのケースですね。
はい。
保護施設に連れていくのは困難ですので戸籍を作成して入院手続きをします。
おそらくこのまま病院でみとることになるかと。
(国東)いやいや。
今すぐ別荘に送って隔離してください。
どのみち助かる見込みがないのにわざわざ入院させることはないでしょう。
ですが他の患者さんへの接触を最小限に抑えれば彼一人入院してもそれほど現代に大きな影響は…。
(国東)現に今私大事な会食に遅れそうになってますよ。
ほんのわずかでも未来人が現代に干渉したら確実に何かが変わります。
それを防ぐためには隔離するしかないんです。
それは分かっていますが。
(国東)あなた昨日もオバケを取り逃がしたそうですね?今すぐ別荘に連れていってください。
いいですね?
(不通音)
(当たる音)
(漆畑)えっ?あのう。
どこに連れていかれるんですか?いいんですか?駄目ですよ。
(チャイム)寝ちゃったか。
(漆畑)いませんよ。
はい?僕電気つけっ放しじゃないと寝られないんです。
消えてるってことは出掛けてます。
それって…。
着替えてるよ。
来てくれてありがとう。
いや。
別に。
自分の意志で飲みに来ただけですけど。
(漆畑)うん。
うんうん。
どうでした?えっ?何がですか?あの女性と会ったんですよね?いや。
会いませんでしたけど。
(漆畑)えっ?
(彬)いなかったんで。
はい。
(漆畑)そっか。
いや。
だからただ飲みに来ただけですけど。
親父さん。
(従業員)はい。
ここに座ってた女性。
キャリーバッグ持ってた人。
何時ごろ帰りました?
(彬)いいですからもう。
(従業員)えっと。
ついさっき。
そちらのお客さんとちょうど入れ違いくらいで。
いつ来た?5分くらい前に。
間に合う。
(彬)えっ!?「えっ!?」じゃなくて。
追い掛けないと。
いや。
でもまだ一口しか飲んでませんし。
何カッコつけてんだよ?
(彬)痛っ。
あっ。
カッコ悪いんだからカッコつけんな!ほら!
(漆畑)うまくいくと思います?うーん。
(漆畑)分かってます。
そんなわけないですよね。
僕と彼女がどうにかなるなんてそんなの奇跡だ。
でもタイムマシンだって6年後にできるなんてとうてい思えない。
今の時代からしたら奇跡ですよ。
奇跡は起こるんです。
新谷さん。
はい。
ずっと気になってたけど頼めなかったメニューがあるんです。
頼んでいいですか?ええ。
どうぞ。
すいません。
(従業員)はい。
(漆畑)あれ下さい。
(従業員)2名さま分で?いや。
4人分で。
(漆畑)えっ?いや。
奇跡が起きて2人で帰ってくるかも。
あっ。
うまくいったら帰ってこないか。
いえ。
いきなり2人は彼には無理です。
あなたが言うならそうなんでしょうね。
(漆畑)あっ。
でもいいんですか?車なのに。
今日は置いていきます。
そっちこそ大丈夫ですか?体の方は。

(戸の開く音)
(漆畑)とっくに駄目ですから。
笑いづらい。

(足音)どうした?
(彬)えっ?何がですか?いや。
それ。
お疲れさまです。
何で一緒にいるの?何があった?えーと。
強盗の人質になりました。
(漆畑)はっ?
(彬)僕ではなく彼女が。
男にナイフを突き付けられたんです。
(漆畑)えっ!?さっきの強盗です。
柳井さんが追い掛けてたんですけどそばにいた女性が犯人の人質になってしまって。
でそれから?
(彬)覚えていません。
うん?彼犯人に飛び掛かったんですよ。
(彬)無我夢中で。
もみ合って。
でも彼女のことちゃんと守って犯人は無事逮捕されました。
おおー。
(彬)気が付いたら彼女に抱き付かれてまして。
(漆畑)おお!
(彬)そのまま勢いで告白しました。
(漆畑)おおー!おめでとう。
(漆畑)ありがとうございます。
(彬)いや。
振られたよ!
(漆畑)えっ。
そうなの?はっきりと。
あなたたちのせいですからね。
僕は別にそんなつもりなかったのに。
あなたたちが何かいけるみたいな雰囲気出すから乗せられて。
この結果ですよそれが。
鍋食べますか。
まあそのうちまたいい出会いがありますよ。
(彬)もういいです。
ずっと一人で。
あんな惨めな思いさせられて次探そうなんて思えるわけないじゃないですか。
(彬)謝ってくださいよ。
あなたも。
まずは食べましょう。
ねっ。
4人前ありますから。
(彬)いや。
僕おなかすいてるなんて一言でも言いましたっけ?この時間ですよ。
もう夕食は済ませてるかもしれないとか考えませんかね?普通。
無理にとは言いませんけど。
おなかがすいてるかどうかより次いつこの鍋を食べるチャンスが来るのか?それを考えた方がいいと思うけどね僕は。
来ないよ。
君が誰かと鍋を囲むことなんて。
この先ずっと。
(彬)そんなの分からないじゃないですか。
分かる。
今がラストチャンスだ。
いただきます。
いただきます。
(彬)食べませんよ僕は。
(彬)帰りの会の空気ですね。
うん?
(彬)ありましたよこういうこと。
小学校のとき僕が「うん」って言うまで帰れない空気。
武藤君。
(彬)何で知ってるんですか?武藤君がどうしたんですか?
(彬)昼休みにケンカして帰りの会でみんなの前で立たされて。
そしたら武藤君謝ってきて僕が彼を許すまで帰れない空気になったんですよ。
だけど許さなかった?
(漆畑)いや。
(彬)許しました。
(漆畑)ホントは許せなかった。
(彬)ええ。
許せなかったのに許しました。
別に武藤君のこと嫌いだったわけじゃないからいつかきっと仲直りはしてましたよ。
でも今はまだ許したくないんだっていうことを伝えるすべを当時の僕は持っていませんでしたし誰も僕の気持ちを推し量ろうとはしなかった。
だから許すしかなかった。
もう二度とあんな思いはしたくない。
だからホントは食べたい鍋も食べない。
ダメージ受ける前に理屈こねて予防線張って結果傷つくことは回避できるかもしれない。
何も失わずに済むかもしれない。
でも得るものも何もない。
ずっとそうやって生きてたって楽しくないぞ。
(漆畑)僕は今日君に会って新谷さんに会って話をして思ったようにいかなくて。
でも楽しかった。
僕はそんなの楽しめない。
(漆畑)じゃあゆうべは?ゆうべ彼女に話し掛けられて思うようにしゃべれなくてどうだった?どう思った?怖かった。
でも楽しかったよな?楽しかった。
だからでしょ!楽しかったのに。
楽しかったからいい思い出のままにしておきたかった。
いい思い出がずっといい思い出であり続けるとは限らない。
(彬)えっ?
(漆畑)思い出なんて変わるんだよ。
(彬)変わりませんよ。
(漆畑)変わるんだよ。
今日あの子に会ってなかったらゆうべのことがどんなにいい思い出でも25年後君は後悔する。
(彬)何を訳分からないこと言ってるんですか?楽しかったはずの思い出に苦しめられることもあればつらかった記憶がいつまでも残るわけじゃない。
武藤君のことだってそのうち忘れる。
忘れませんよ。
もう10年以上も忘れてないんですよ。
忘れるわけないじゃないですか。
(漆畑)いや。
君は絶対に忘れる。
(彬)何でそんなことが言い切れるんですか?あなたに僕の何が分かるんですか?だいたい誰なんですか?あなたは。
僕は。
僕は…。
どこの誰かも分からない人に僕のことをとやかく言われたくないですよ。
誰だか分かれば聞く耳を持つのか?
(彬)えっ?だったら教えてやろうか?課長?彼は…。
未来の君だよ。
課長。
彼は君と同じような生き方をしてきた。
君はこのまんまだと25年後彼のようになる。
さっき聞いてたんですよね?アパートで。
だからここへ来た。
だから彼女の元へ走った。
違いますか?せっかく外に出たんじゃないか。
ちょっと傷ついたぐらいでまたドア閉める気か?彼は今彼の人生を君のために語ってんだよ。
ちゃんと聞いてやれよ。
だから何ですか?この人の人生なんて僕には関係ないでしょ。
(漆畑)うん。
そうだな。
関係ない。
僕には友達がいないけど君はつくればいい。
僕は結婚してないけど君はこの先するかもしれない。
僕には未来がないけど君にはある。
君と僕は違う人間だ。
うまいか?思ってたよりは。
ありがとうございます。
機嫌直ったか?はい?張り込みのときお前の肉まん食べたからずっと怒ってたんだろ?どうせ子供だって言いたいんでしょ?いや。
子供なのは俺の方だ。
部下の肉まん勝手に食べたり未来人の願いかなえるわ。
駄目な上司だな。
尊敬しますよ。
課長のそういうとこ。
むしろそういう上司だから許してあげます。
やっぱりお茶も買えばよかったな。
ありがとうございます。

(ドアの開閉音)あっ。
いいですよ。
寝てて。
着いたら起こしますから。
(漆畑)いえ。
大丈夫です。
しばらくこういう景色も見られなくなるんですよね。
ゆうべの鍋おいしかったですね。
彼シイタケ食べてました。
僕苦手なんですよ。
シイタケ。
でも彼は食べた。
変わったんでしょうねきっと。
恋人できますかね?まずは友達からじゃないですか?
(漆畑)いいなぁ。

(ドアの開く音)・お待たせしました。
どうぞ。
(漆畑)どうも。
じゃあ行きますか。
またやりましょうよ。
鍋。
いいですね。
シイタケは抜きにしますか?いや。
今度は食べてみます。
2016/12/10(土) 23:50〜00:45
関西テレビ1
オトナの土ドラ・リテイク 時をかける想い #02[字][デ]【未来人に余命宣告!?】

新谷(筒井道隆)は、ある青年に様々な予言をしてみせるという謎の男(マギー)を追う。尾行を続け話を聞くと、その謎の男は重大な秘密を抱えていて———

詳細情報
番組内容
現代にやってきた未来人を保護、隔離すべく奔走する新谷(筒井道隆)と薫(成海璃子)は、以前逃がしてしまった未来人・坪井(笠原秀幸)を見つける。ところが、追いつめたところで突然落雷が起き、新谷たちが驚いている隙にまたも逃げられてしまう。坪井が未来から持ってきた本には、競馬の結果や事件・事故だけでなく、落雷の事まで載っていたのだ。翌日、新谷は、製造年が平成29年と刻まれている10円玉を持つ
番組内容2
青年・漆畑(タモト清嵐)と遭遇する。漆畑は、見知らぬ男(マギー)に何度か助けられ、10円玉も彼からもらったと語る。助けられた内容と言えば、ボールがぶつかりそうだったのを回避したり、荷物を落としそうだったのを受け止めてくれたりと地味なことばかり。さすがにその男は未来人ではないと諦めていた矢先、まさ子(浅野温子)が、ネットでたまたま漆畑が映り込んでいた写真の傍らに未来人らしき男がいるのを発見する。
番組内容3
その後、新谷が漆畑の尾行を続けた結果、その男に接触する事に成功する。話を聞くと、47歳になった漆畑自身だと言う。
未来から来た漆畑は、若い自分とある女性を結びつけるため、2016年に現れたと言うが、そんな彼には重大な秘密があった———
出演者
新谷真治: 筒井道隆 
那須野薫: 成海璃子 
柳井研二: 敦士 
大西史子: おのののか 
国東修三: 木下ほうか 
パウエルまさ子: 浅野温子
スタッフ
【企画】
横田誠(東海テレビ)

【脚本】
橋本博行

【音楽】
末廣健一郎 
Brian Shore

【プロデュース】
後藤勝利(東海テレビ) 
布施等(MMJ) 
本郷達也(MMJ)

【演出】
植田尚