(ヒューズ)土曜は旦那様と奥様の34回目の結婚記念日よ。
ダウントンは伯爵夫妻の結婚記念日を祝う晩餐会を控えていました。
そんな中…
(イーディス)この子の笑顔を見るとホントに癒やされるわ。
預けた娘を心配しドリューの家をたびたび訪れるイーディス
(ドリュー)お嬢様を批判するつもりはありません。
でも訪問は控えろと?
失踪したグレッグソンと娘を思い苦悩します
(トーマス)奥様に何もかもバラすからな。
トーマスに過去の秘密を握られ利用されていたバクスターは…
(バクスター)宝石を盗んだんです。
(コーラ)そのあとは?3年間服役しました。
そして晩餐会では…
(サラ)無意味な戦争を思い出すために村の真ん中に石碑を建てるなんて無駄遣いでしかないわ。
(ブランソン)彼女が言いたいのは…。
(ロバート)君の友人だから彼女をかばうんだろう?
伯爵の誤解を解こうとするトム
彼女は恋人じゃない。
ウッフッ。
何?皆さんが留守の間やましいことは何もしていません。
ギリンガムは思いを寄せるメアリーにある提案をします
(ギリンガム)旅行へ行こう。
僕と。
(メアリー)絶対に秘密にしないと。
その時…
・
(トーマス)火事だ!
イーディスの不注意で屋敷は炎に包まれます
(イーディス)私ったら何てバカなことを。
(テーマ音楽)
(ロバート)では行こうか。
(カーソン)それで…。
(ヒューズ)ああちょっと待って。
(ヒューズ)処分していいかどうかイーディス様に確認しないと。
(アンナ)そうですね。
それで建設資金はどうする?村の積立金のほかに新たに出資も募ります。
手を挙げてくれる者は大勢いるでしょうから。
そうか?それでクリケット場はどうなるんだ?グラウンドの移転は大仕事ですがそれでも夏までには終わる予定です。
(ウィガン)計画ではここに「追悼の庭」を造り中央に慰霊碑を建てようかと。
亡くなった人に思いをはせながら自由に過ごしてもらうわけです。
自然に包まれてゆったりとした安らかな気持ちで思い出に浸れるでしょう。
だがここは長い年月をかけてクリケット場として整備した場所だぞ。
(ブランソン)グラウンドならほかの土地にまた造れますよ。
毎日人が通る村の中心にこそ慰霊碑を置くべきだろう。
祈りをささげる場所としては騒がしいのでは?こういう物は人の集まる所に造るのが一般的だと思うが?つまり「一般的な慰霊碑」で妥協しろとおっしゃるのですか?
(ウィガン)伯爵はお国のために尊い命をささげた若者とクリケットとどちらが大事だとお考えですか?
(いななき)・
(パットモア)さっさと片づけちゃいな。
(トーマス)これでお別れか。
(ジミー)最後に謝りたいんだ。
いろいろ迷惑かけたね。
いいんだよ。
過ぎたことさ。
あんたはいい人だよトーマス。
まさかこんなふうにあんたと友達になれるなんて思ってもみなかったけど…。
でも友達だ。
ああ。
会えなくなるのはさみしいよ。
すごく。
ハァ…アァ…手紙でもくれ。
俺筆不精だけど努力するよ。
これだけは言わせてくれ。
幸せを祈ってる。
心の底から。
君も幸せになれよジミー。
アァ…任せとけ。
ウン…。
じゃ行くよ。
(デイジー)ジミーがいなくなって残念。
(パットモア)分かるよ。
ハンサムな下僕は貴重だからね。
フン。
モールズリーさんで我慢しなくちゃ。
で勉強ははかどってる?全然。
そりゃ学校にも行ってないんだから大変だろうさ。
「大変」っていうより不可能です。
答えも分からないし。
(モールズリー)デザート用意できた?パットモアさんデザート。
ああごめん。
ボーッとしてた。
ああソースもあるんだけど1つのトレーに載せる?バローさんに頼む?1人で運ぶよ。
彼とはモメたくない。
フフン。
ジミーさえいてくれたらね。
フン…。
・
(メイド)チーズが足りないわ。
・
(メイド)貯蔵庫から取ってくる。
ああカーソンさん。
今度は何だ?あのジミーが…ああいやジェームズが辞めた事ですし私が第一下僕になるんでしょうか?この屋敷に下僕は君1人だから第一でも第二でも第三でもかまわんよ。
好きに名乗りたまえ。
(ヒューズ)モールズリーさん。
もうそんな序列に何の意味もないわ。
このご時世下僕を雇える家自体減ってるんですから。
早く食堂に運びなさい。
けさの視察はどうだったの?うまくいったとは言えないがまだこれからだ。
(イザベル)ジョージは一段と大きくなったわねぇ。
あのくらいの年の子は成長が早くてビックリするわ。
(メアリー)かわいい子でしょ?火事の後始末は終わったの?
(イーディス)ああもうほとんど片づいたけど私ホントにバカみたい。
「みたい」じゃなくてバカなんでしょ。
まあ幸いあと1日か2日で修復も終わる。
(コーラ)そういえばチャールズ・ブレイクから手紙が。
(イーディス)彼何ですって?知り合いの美術史家がデラ・フランチェスカの本を書いててうちに彼の絵があると知りどうしても見たがっているそうよ。
私にはメアリーと会うための口実にしか聞こえないけど?
(コーラ)チャールズは来ないわ。
うちに来るのはサイモン・ブリッカーという方よ。
チャールズも招いたほうがいい?どちらでもいいわ。
なら呼びましょう。
知らないお客様だしいてくれたほうが心強いもの。
言っておくけど私は火曜から旅行よ。
あらどこへ行くの?決めてないわ。
2〜3日あちこちドライブして眺めのいい場所があったらスケッチしようかと。
誰と行くんだ?アナベル・ポーツマス。
楽しみだわ。
(イーディス)けさは?お父様。
慰霊碑の場所は決まったの?いいや。
カーソン?まだです。
お嬢様。
(ブランソン)全会一致は難しいよ。
(ローズ)お友達がヨークでロシア難民の救援活動をしているそうなの。
ヨークにもそんなにロシア難民がいるの?ああいるとも。
今やヨーロッパ中に住み着いている。
コミュニティーを作って自分たちの文化を守ろうとしてる。
野蛮な革命の犠牲者だよ。
気の毒だよな?トム。
国を追われた難民には同情しますよ。
だが彼らはまだ運がいい。
本当に不幸なのは国に残って殺された人々だ。
トムにからまないで。
(イザベル)今日病院にねヘンダーソン夫人がすてきな物を贈ってくださったの。
何だと思う?ラジオよ。
音楽にニュース時にはお芝居だって聴けるのよ。
最高の贈り物だと思わない?最近のラジオは昔と比べて性能がいいそうよ。
駄目だ。
アァ…何も言ってないけど。
駄目だ。
(コーラ)そろそろ終わりにして行きましょうか。
(家畜の鳴き声)
(ノック)こんにちは。
(ドリュー)話を合わせて。
マージーお客様だぞ。
どうもこんにちは。
突然お邪魔だったかしら?
(イーディス)こんにちはマリゴールド。
フフッ。
ご機嫌いかが?
(ドリュー夫人)どうぞお掛けになって。
お屋敷の片づけは進んでますか?
(イーディス)ええ今やってるわ。
被害が私の部屋だけでホントによかった。
その子に関心を持ってくださってありがとうございます。
どうぞこのまま目をかけてやってください。
ええもちろんよ。
いや助かります。
本当にかわいそうな子ですから。
この子には実の両親も家族もいないわけですし。
何言ってるの?私たちが家族よ。
まあそうだがほかに3人もいたら大した世話ができないだろ。
バカなこと言わないで。
マリゴールドは我が子同然よ。
大事にしてるわ。
俺が言いたいのはお嬢様さえよければぜひかわいい幼子のために力をお借りしたいってことなんです。
あら落っこちちゃったわね。
ここで遊んでて。
だけどよく考えないと。
もちろんです。
1度面倒を見ると決めたら途中で投げ出せませんからね。
ええそうよ。
中途半端な覚悟ではいけないわ。
例えば後見人になってみるとか?そうね。
この子の後見人にはなれるわ。
後見人ならいます。
洗礼式で私の姉が…。
(ドリュー)ここはぜひ伯爵とご相談なさってみてください。
そうなればうちでおいやめいと一緒に遊べるわ。
(ドリュー)ウーン…そりゃあいい。
マリゴールドは幸運だ。
(ドリュー夫人)お心遣いには感謝しますが…。
(ドリュー)考えてみて下さい。
お願いします。
(バイオレット)失礼。
(イザベル)今先生からインスリンという最新の薬について伺ってたの。
そう。
その薬で多くの命を救えるのは間違いないわね。
(クラークソン)でしょうね。
我が国でも糖尿病の患者は増えているから。
そのうち糖尿病は不治の病ではなくなるかも。
ウフッ。
医療への関心を取り戻したようでよかったわ。
(クラークソン)といいますと?近頃のクローリー夫人を見ているとマートンにまとわりつかれてお忙しそうだったから。
アァ…大げさだわ。
そう?マートンからけさ手紙が届いたわ。
私たちをお茶に招きたいそうよ。
もしかすると彼のお目当ては私でなくあなたなんじゃなあい?いくら年を取っても男の人から好意を持たれれば分かるわ。
彼の屋敷には立派な庭園がありますよね。
ん…といっても花はまだかな。
「次はぜひ花の咲く夏に」とでも言って誘うつもりじゃない?これでも冗談には寛大なほうだけど限度というものがあるわ。
フッ…。
どうぞミス猫っかぶり。
あんたがいい子ぶったおかげでこっちはクビにされかけたぞ。
彼女に構うな。
これは勇敢なモールズリーさん。
何も知らないくせに。
バクスターさんの過去の件で君は彼女を脅していた。
奥様が止めるまでね。
全部知ってるよ。
それしか聞いてないのか?バロー。
パットモアさんを呼んでもらえる?承知しました。
ウン…。
・
(トーマス)ローズ様がお呼びだ。
(パットモア)ああアハハッ…。
おいしい夕食をごちそうさま。
恐れ入ります。
それで私に用があるとか?ええ。
ひとつお聞きしたくて。
お嬢様はあの学校の先生とお知り合いなんですか?バンティングさん?ブランソンさんのお友達。
ええ。
でもブランソンさんには何となく頼みづらくて。
実は彼女に家庭教師をお願いできないかと思って。
でもアナベル様に連絡が行ったら?口裏を合わせてくれるわ。
ハァ…侍女抜きで旅行なんて心配です。
フン…。
お手伝いなしでも着られるように気をつけて服を選ばないと。
彼の手を借りるわ。
もうお嬢様。
今のは聞かなかったことにします。
それより申し訳ないけれどあなたに頼みがあるの。
(アンナ)何でしょう?間違いが起きないように用意が必要よ。
何のことです?ほら分かるでしょ。
いいえ。
イヤだまさか…。
ああ…。
それはそのもしかして…。
だけど私がお店に買いに行くわけにはいかないわ。
気付かれら困るもの。
何を買うんですか?そう思って…マリー・ストープスの本を買っておいたの。
ここに書いてあるわ。
彼に任せてはいかがでしょう?この手のことで男の人が頼りになると思う?それで私が買いに?だってあなたならもし誰かに気付かれたとしても結婚してるんだから堂々と買えるでしょう。
ウン…。
(デイジー)ローズ様が旦那様にラジオをねだってるって本当?ああでも旦那様が買うかどうかは…。
買ってあげればいいのに。
私もラジオでおしゃべりや歌を聴きたいわ。
だったらヨークの演芸場に行ってみたらどうだい?いつでも生演奏を聴けるよ。
(トーマス)バクスターさんをお捜しならまだ上だぞ。
(デイジー)なんでいつもそうトゲのある言い方なの?バクスターさんは俺に協力する約束でここへ来たのに裏切ったんだ。
また適当なこと言って。
本来ならあんな過去を持つ女はこの屋敷には近づくことすら許されないのに。
本人も感謝してるよ。
とてもそうは見えないね。
盗みを働いたって知ってるよな?主人の宝石を盗んだんだ。
何か事情があったんだろ?
(トーマス)いいや。
彼女は寝室に忍び込んで盗んだんだ。
真珠のネックレスやダイヤのブレスレットをポケットに突っ込んで。
しかもそれを泥棒に見せかけた。
だが失敗したわけだ。
(トーマス)ああ。
5年の刑だったが3年で出てきた。
その数か月後に俺がここの仕事を世話してやったんだ。
アァ…。
(ベイツ)アンナは戻ってきたか?まだだ。
今お仲間のバクスターさんの話をしてた。
(ベイツ)俺の「お仲間」って?彼女はそう思ってるよ。
どうやら俺を挑発するつもりのようだが勝手に言ってろトーマス。
興味はないよ。
私もだ。
ウソつけ。
あの話を聞いたんだからな。
あの話って?アァ…別に。
何でもない。
(コーラ)忘れずにチャールズたちの迎えの車を出さなきゃ。
お茶の時間には着くわ。
うちはいつからタダで泊まれるホテルになったんだ?またそんなこと言って。
待ってたわ。
相談があるの。
光栄ね。
何かしら?外しましょうか?アァ…いいえいいの。
気にしないで。
実はドリューさんと話したんだけど彼が亡くなった友人の娘さんを引き取ったこと知ってる?まあ優しい。
フム。
その子がとってもかわいらしい子なの。
だから私も彼女の将来を支えてあげられないかと思って。
例えば学費を援助するとか。
私には原稿料やおじい様の信託財産がある。
ドリューに頼まれたのか?違うわ。
ただお世話をしてあげたいのよ。
自分のためにも。
お前の金だ。
好きに使いなさい。
だが飽きたからって放り出すわけにはいかないぞ。
そんなことしないわ。
(ローズ)おじ様。
この記事読んだ?「いかにラジオは安くて高性能か」って。
いいや。
興味があるかと。
いいや。
フン…。
ブランソンさんのお友達がなぜここにいるんだ?
(ヒューズ)あらいけませんか?前回の演説にはみんなウンザリしていた。
何しに来たのかしらね。
それより慰霊碑のほうは順調ですか?ああそれが旦那様は「追悼の庭」に反対なさっている。
まさか君もか?ええ旦那様に賛成よ。
何?「追悼の庭」なんて大層なものは必要ないわ。
ヨークシャーにある日常の風景こそ死者を悼む場にふさわしいと思う。
せっかく慰霊碑を造るなら村の中心に置いたらどう?そうすれば教会や買い物に行く途中に戦没者を思い出せるもの。
いやはや残念だよ。
旦那様にもガッカリしたが君にはもっと失望したよ。
どんな人間関係にも衝突はあるわ。
(扉のベル)
(薬剤師)いらっしゃいませ。
あの…。
できれば女性のほうがいいんですけど。
かしこまりました。
あちらでお待ちください。
(扉のベル)まだ迷っているのでそちらの方を先にどうぞ。
(男性客)ハァ…ありがとう。
カミソリの刃一箱ください。
はい。
6ペンスです。
どうも。
(扉のベル)
(助手)早くしないとすぐまた別のお客さんが来ちゃいますよ。
そうね。
あの…。
これが欲しいんです。
これと同じ物。
結婚してますよね?ええ。
してますけど。
でも子供は欲しくないと?ええ。
そそうなんです。
なら禁欲って手もありますよ。
それはそうだけど…健康上の理由で万全の備えを。
ああなるほど。
まあそういう事情なら理解できますけどね。
3シリング11ペンスです。
(薬剤師)いらっしゃいませ。
おつりは結構よ。
使い方は分かります?難しいので説明しましょうか?大丈夫よどうも。
1回2錠を一日3回で。
(サラ)授業料は1回に半クラウン。
週に5シリングよ。
(ヒューズ)静かな部屋がよければ私の部屋を使って。
(サラ)じゃ放課後に。
またね。
(パットモア)ああ待って。
そのころは厨房が一番忙しい時間なんだけど。
それより早くは無理。
ああそうかい。
でも…。
楽しみだわ。
だけど授業料は自分で払うから大丈夫です。
ああいいんだよ。
私が出すから。
優しいわね。
立派よ。
そう?自分の仕事を増やしただけのお人よしかも。
(コーラ)ここで何してるの?ローズが難民に古着を寄付するそうだ。
かわいそうなローズ。
どうしてラジオを買ってあげないの?欲しいならハッキリ言えばいいんだ。
「ロバートおじ様ラジオを買って」とな。
買ったらどう?君はアメリカ人だからそう言うんだ。
あんな物生活に必要ない。
何時間もただ木の箱の前に座ってくだらないおしゃべりを聞くなんて時間の無駄にしか思えない。
いち早くニュースだって聞けるしお年寄りには便利かも。
どう思う?ベイツ。
大奥様は嫌がりそうですね。
フン…ラジオなどすぐ廃れる。
待て。
これは駄目だ。
ウゥ…。
アァ…すてきなお屋敷。
(バイオレット)ウン。
ロバートは「ヨークシャー一寒い家だ」と言ってたけど。
いらっしゃいようこそ。
すてきなお宅ね。
それほどでも。
フン…。
お花の時期じゃないけどぜひお庭を拝見したいわ。
今日の段取りは全てマートンにお任せしましょう。
もちろん。
彼の家よ。
ええ分かってるわ。
(マートン)こちらへ。
(バイオレット)ウン…。
(バクスター)今日は随分無口ね。
そうかな?わけを教えて。
分かった。
ゆうべバローさんから君の過去について聞いたんだ。
遅かれ早かれそうなると思ってた。
彼の話は随分とひどいものだったよ。
何て言ってた?彼が言うにはまず最初に君はある程度恵まれた仕事に就いてたと。
裕福なお屋敷の奥様に仕えていたわ。
上級侍女という待遇でね。
だがバローさんは君が雇い主の宝石を盗んだと。
ポケットにこっそり入れたというんだよ。
真珠のネックレスとダイヤのブレスレット。
それから指輪が4つよ。
泥棒に見せかけたことも聞いた?それなら付け加えることはないわ。
だが何かどうしようもない事情があるんだろ?そんなことをしなきゃならなかった事情が。
(バクスター)どんな事情?分からないけど例えば大切な人が困っていてその人を救うために大至急金が必要だったとか。
私はただの泥棒よ。
モールズリーさん。
投獄された犯罪者なの。
信じないよ。
信じたくないんでしょ?でもこれだけは言える。
もうあの時の私とは違う。
お茶を飲んだあとはテラスを散歩しましょう。
いいわねぜひ。
実は最近検疫に関する本を読んだのであなたと議論したかったんですよ。
でも彼女には退屈よ。
(マートン)それもそうだ。
あなたの助言を聞いていれば間違いない。
(バイオレット)クローリー夫人は誰かに助言するのが何より好きな人ですからね。
そうでしょ?すてきなお部屋ね。
ありがとう。
内装は母の好みなんですよ。
なかなか趣味がいいでしょ?母親の自慢話はよくないかな?アハッ。
亡くなった奥様は改装しなかったの?妻はこの部屋を使いませんでした。
玄関から近いので「寒い」と言ってね。
確かにちょっと寒いわね。
玄関に近い部屋はすきま風が入るわ。
私は好きだわ。
ここは女性の部屋なんです。
ええそうね。
書斎や食堂は男性的で応接間や音楽室は女性的だと思うわ。
(マートン)いやそういう意味ではなく女性がいればこそこの空間は完成するんです。
男1人でいるとどうにもいたたまれなくて。
フッ。
ウフッ。
(ベイツ)なぜ一緒に行かない?
(アンナ)えっ?メアリー様とだ。
1週間の旅行だろ?ええ。
でもドライブだし行き先も宿も決まってないって。
アナベル様と?そうよ。
メアリー様らしくないな。
随分無計画だ。
たまにはお嬢様だってほかの人と同じように羽を伸ばしたいのよ。
ああ。
そうかもな。
なぜイーディスは子供に興味を持ち始めたのかしら?好きにさせよう。
グレッグソンは死んだかもしれないのに毎日おいやめいを目の前にしてきっと愛する対象が欲しいんだろ。
まあ将来自分の子ができれば板挟みになるだろうが。
それはその時に考えましょう。
あとはドリューに迷惑をかけないことを祈ろう。
ウン…。
イヤな思いをした?怪しまれました。
でもあとからあの店員の態度が理不尽に思えて。
子供を持つ働く女性が「これ以上子供は要らない」と思うのは自由ですよ。
ええそのとおりね。
あしたもう一度行って追加で買おうかしら。
1つで十分よ。
ウン…。
(コーラ)ブリッカーさん。
(ブリッカー)お招き感謝します。
今絵をご覧になります?夕食後?それともあしたがいいですか?今夜は食後に軽く拝見してあした明るい所でじっくり鑑賞します。
その日焼けはこの冬海外でお過ごしに?エジプトに行っていました。
そうですか。
私はどうも外国が苦手でして。
厨房にいるの?どの部屋か分かりませんがバンティングさんがデイジーの家庭教師を。
食事にお誘いしたら?お友達なんだし。
前回のことがあったし伯爵が嫌がるよ。
でもいるのが分かってて誘わないのは失礼よ。
おば様に聞いてみる。
(ブレイク)変わりない?随分久しぶりだけど。
ご無沙汰してしまってごめんなさい。
謝らなくていいよ。
僕は君を射止められなかったわけだけどね。
なぜそう思うの?だって明らかだろ。
でも落ち込んでるようには見えないわね。
ガッカリしたかい?ウン…。
ところで彼どんな方?サイモン・ブリッカー?知人だ。
絵についての本を書くらしくここの話をしたら飛びついた。
随分とまた日焼けしてるわね。
チャールズ。
傷つけたなら謝るわ。
だけど心の霧が晴れたのは最近のことなのよ。
霧の向こうにトニー・ギリンガムの姿が見えた?そうかもね。
なるほど。
2人の幸せを祈ってる。
今日はそれを言いたくてここへ来たんだ。
・
(コーラ)もちろんかまわないわ。
お誘いして。
いいんですか?あまりに厚かましいんじゃ?何を言うの。
あなたの家よ。
フッ…。
トムはどこへ?バンティングさんが下に来てるのよ。
何?厨房で使用人の勉強を見てるの。
だから夕食にお誘いしようかと。
勘弁してくれ。
冗談だろう?
(コーラ)トムの初めてのお友達なんだから歓迎してあげないと。
では何かあるたびにあのローザ・ルクセンブルクを招待するのか?どなた?殺されたドイツの共産主義者よ。
物騒な例えはやめてちょうだい。
ウン…。
勉強に夢中でパットモアさんの手伝いをするの忘れてた。
あなたには数学者になれる才能があるわ。
誰が私を誘えと言ったの?あなた?いやローズだ。
でも僕もディナーの席に君がいてくれたら心強いよ。
同志と思ってくれるんだったら光栄よ。
でもこの前みたいに伯爵と言い争いになるのは嫌。
だから今日のところは遠慮しておくわ。
ハァ…。
伯爵夫妻にお礼を伝えて。
車で送ってもらう必要はないわ。
歩きたいの。
ここの流儀だ。
でもあなたの流儀は違うでしょう?どういう意味?何でも従うんじゃなくて自分のやり方を貫いてみたら?どうかな。
本気でそうしたければできるはず。
(ブランソン)君と話すと未来に希望が持てるのは確かだ。
ここにいてあの人たちと一緒にいたら未来は開けないわ。
奥さんはこの家の人たちとは違ったんでしょ?あなたの話を聞いてそう思ったの。
偏見がなくておおらかな人だって。
そのとおりさ。
誰とも違う。
かつてあなたは彼女と一緒に自由な世界へ逃げ出したんでしょ。
それを思い出してほしいの。
あのころの自分に…戻れる自信がない。
戻れるわ。
分かるの。
ウン…。
おやすみ。
(コーラ)ええそうね。
お友達はどうした?
(ブランソン)先約があると帰りました。
助かった。
エジプトでは何をしてらしたの?冬から逃げ美しい物を眺めてた。
美しくて古い物でしょう?古いだなんて。
(ブレイク)ロシア難民のために古着を?最初は戸惑ったんだけどそのうち気付いたのよ。
彼らも以前は平穏に暮らしてたんだって。
君と同じように。
そうなの!ダンスや買い物やおしゃべりを楽しんでたら突然荒野に放り出されたのよ。
だから助けてあげたくて。
バンティングさんが招待を断ってくれてよかった。
彼女なら亡命貴族に同情はせんだろう。
彼女はロシアの旧体制には懐疑的でした。
むしろ新体制に期待してる。
僕も彼女と同じ考えです。
つまり君は野蛮な革命軍に非はないと思っているのか?暴力はよくありません。
でもイギリス国民だってかつてチャールズ1世を処刑したでしょう。
私が殺したわけじゃないぞ。
僕だって皇帝を殺してません。
すごいな。
実に白熱した議論ですね。
普通ならここで父が銃を取り出すんです。
フフフッ。
(コーラ)メアリー。
ブリッカーさんを脅かさないで。
我が家の「内戦」に巻き込まれてお気の毒だわ。
仲たがいはなしよ。
激論はここまでね。
少しでも早く絵をご覧になりたいでしょう?お見通しですね。
カーソン。
慰霊碑の話を進めたいがそちらが折れる気はないのか?残念ながら納得できるまでは簡単に意見を曲げるわけには参りません。
そしてまだ納得できないのです。
(ローズ)おじ様。
国王陛下の声がラジオで流れるって新聞に書いてあったわ。
そんなバカな。
あら本当よ。
大英帝国博覧会で演説なさるんですって。
知らせたくて。
本当なのか?そのようです。
旦那様。
恐らくこの国についても語られるだろう。
国民としては陛下のお言葉を拝聴しなくてはならないな。
果たしてそうでしょうか?大臣たちに無理やりやらされる屈辱的な公務とは考えられませんか?陛下が言いなりになってるとでも?そうは申しませんが陛下といえども圧力に負けることはあるでしょう。
だとしたら国民が支えねばならんな。
おい。
ラジオは一日借りるだけだ。
その程度で屋敷は堕落せんから安心しろ。
・
(メイド)待って。
これもお願い。
ここだと聞いて。
外の空気を吸いたくてね。
ガッカリしたのね私に。
いやそんなことはないよ。
君は君だ。
君なりに行動して報いを受けた。
でもあなたの期待を裏切ったわ。
僕は裁くつもりはないよ。
君はもう償った。
私は変わったわ。
もう昔とは違う。
信じてほしいのよ。
じゃあなぜ事情を話さないんだ?だってアッ…君が自分のためにやったとは思えないんだ。
だとしてもそのことは話したくないの。
たとえ誰かのためにやったとしても盗んだのは私だもの。
その罪が消えることはないわ。
だから何も言うなって言うのか?どんな事情があって誰に頼まれようとあなたなら罪は犯さなかった。
ん…ん…それはどうかな。
愛する人が目の前で飢えていたら分からないよ。
でも誰も飢えてなかったわ。
どうか信じて。
過去を消せるならどんな事だってしたいと思うわ。
でも消すことはできないのよ。
あなたのためでも…無理なの。
(ブリッカー)どんな経緯でこれを手に入れたんですか?
(コーラ)収集家だった2代目伯爵が若い頃旅行中に買ったんです。
それはいつ?1789年。
母親の手紙ではフランスへの移動中にバスチーユ襲撃が起きたとか。
それで慌てて母親が呼び戻そうとしたんですって。
母親ね。
母の愛は変わらないわ。
ほかにも変わらない物が。
ウン…。
あしたもし時間があればほかの絵もお見せしますわ。
時間はたっぷりある。
ぜひ拝見したい。
コーヒーでもいかがです?ありがとう。
すぐ行くわ。
アイシスおいで。
ホントにすごいんです。
バンティングさんの説明はとっても分かりやすくて。
そうかい。
「数字の女神」だね。
子供の頃ああいう先生に教わってたら私の人生変わってたわ。
今の人生だって悪くないだろ。
フフッ。
(ヒューズ)一日中忙しかったのに随分ご機嫌ね。
デイジーがバンティングさんを褒めたたえてたところさ。
そう。
でもここだけにしてね。
カーソンさんはよく思ってないから。
どうしてですか?彼女のことこう言ってたもの。
「危険な思想の持ち主だ」って。
(デイジー)きっと立派な思想なんですよ。
(ヒューズ)彼女の思想にかぶれたと思われるわよ。
何の話だ?いえねぇデイジーの手がかぶれたんじゃないかって心配してたんですよ。
ウウン…。
エヘヘヘッ。
ああそういえばあした旦那様と村へ出かけてくるよ。
建設地の下見だ。
ああ…君と意見が対立するのは不本意だ。
私たちは違う人間なんだから対立だってするわ。
分かってるよ。
だが嫌なんだ。
ちゃんと真実を聞くまでは何も決められないわ。
もうお話ししました。
とは言っても全ての事情を話してくれたわけではないでしょう?ウン…。
すぐにクビにしない私もどうかしてるわよね。
宝石泥棒に宝石を管理させてるなんて。
私には何とも。
しかもあなたは犯罪歴を隠していたというのに。
つまり私はクビですか?分からない。
それが当然なのにまだ決められないのよ。
トムに何があった?父はバンティングさんという友人から悪影響を受けたと思ってるけどよく分からない。
トムは自分を押し殺してるわ。
シビルを亡くしてからずっとね。
でも本来の自分を取り戻しつつあると思うの。
それって悪いこと?彼にとってはいいことよ。
もう休むわ。
おやすみなさい。
ねえラジオは諦めるしかないのかしら?国王陛下を持ち出しても駄目なら無理よ。
ウッフッそうよね。
ローズの人生が羨ましいよ。
ダンスと買い物とおしゃべりだって。
ウフフフッ…。
僕も寝るよ。
クタクタだ。
トニーと結ばれたら祝福してくださる?君の幸せを何よりも願ってるさ。
でも後悔しないようによく考えて。
なぜそんなことを?それは君のほうが彼より賢いからだよ。
昔の女性はその知性を隠して生きたけど今は違う。
ちょっと待って。
トニーは私と同じくらい知的よ。
僕にはどうしてもそうは思えないな。
もうバカにしないで。
私はダグラス・フェアバンクスの写真に熱を上げるようなメイドとは違うのよ。
セックスの話に貴族もメイドも関係ない。
これはセックスの話?それとも愛?ああ「セックスか愛か」。
それは永遠の問題だ。
おやすみ。
ああ…。
かわいそうに。
トムはまるで腹話術の人形だ。
あの女教師にいいように操られてるんだ。
きっと彼女のおかげで自信を取り戻してようやく私たちの前で本音を言えるようになったのよ。
今に彼女に唆されて「この家を出る」と言いだすぞ。
かもしれない。
そうなったら寂しいけど決めるのはトムよ。
シビーは渡さんからな。
バカを言わないで。
私は本気だ。
シビルの忘れ形見である大事な孫がみすみすアメリカに連れ去られて貧しい暮らしをさせられるなんてもってのほかだ。
もしその時が来たらトムと話しましょう。
でもその時はどうか冷静にお願いね。
何が「冷静に」だ。
無理に決まってるだろ。
孫が奪われそうなときに怒らずにいられるか。
それとあのブリッカーはアイシスに構い過ぎだ。
人のうちの犬にこれ以上ちょっかいを出すなと伝えておけ。
伝えておくわ。
「ちょっかいを出すな」って。
荷造りはできました。
例の物はここに。
ありがとう。
それから着替えやすい服を選びましたので。
彼に手伝ってもらうわ。
お嬢様本当に行かれるんですね。
ええ行くわよ。
アンナこれからの時代夫婦の距離はますます近くなるわ。
おばあ様たちの時代は広い部屋で使用人に囲まれて夫婦はほぼ別々に過ごしていた。
でも現代の夫婦は違う。
彼が私にふさわしいか確かめたいの。
友人として恋人として夫として。
でも危険が大きすぎます。
やめて。
一晩に2回もお説教されたくないわ。
ブレイクさんにも言われたばかりよ。
話したんですか?「トニーを選ぶ」とだけ言ったわ。
とにかく再婚するんだったら絶対に失敗はしたくないのよ。
では幸運をお祈りします。
(村人男性)おはようございます。
おはよう。
どうだ?この場所。
完璧だと思わないか?お言葉ですが旦那様ここに慰霊碑を造れば女性たちの井戸端会議の場になるだけです。
ここなら日常の生活を営みながら戦没者を思い出せる。
国のために命をささげた者たちを祭る大切な石碑が単なる腰掛け用の石段になります。
(エルコット夫人)こんにちは伯爵。
エルコットさん。
どちらへ?ああ今息子を待ってるんです。
ああやって父親のお墓に話しかけるのが好きで。
わざわざお墓参りとは感心ですな。
いいえ買い物や郵便局へ行く時はいつも一緒についてきてお墓に話しかけるんです。
夫はすばらしい父親でした。
そのことを息子にも忘れてほしくなくて。
この先も決して。
なるほど。
よく分かります。
ありがとうエルコットさん。
今の話に感銘を受けました。
そうだろ?カーソン。
そうですね。
胸に響きました。
(ロビー)こんにちは。
無線通信なのになんで線がたくさんあるの?
(パットモア)なんでだろうね。
(技術者)いいか?
(技術者)ああ。
スイッチを入れて。
何も聞こえないわ。
今調整しますので。
ウフフッ。
(チューニングの音)・
(技術者)こっちはいいぞ。
(ラジオから流れる音楽)よし。
ああ待って!これジャック・ヒルトンの曲?ああすごいわ感動しちゃう。
(ラジオから流れる音楽)何をしてるんだ?使用人がどうしてここにいる?大奥様もお見えになるのだぞ。
見てよこれ。
ねえ触ったら感電して倒れる?ラジオを聞けばショックで倒れるだろう。
(ヒューズ)ワクワクするわ。
そう思わない?カーソンさん。
このお屋敷もやっと時代に追いついたってことよ。
まさにそれを恐れていたんだよ。
ウン…。
ウフッ。
(マリゴールド)ウッ…。
フフッウゥ。
(イーディス)ウフフッ。
アハッアーアッ…。
ウフッ…。
アウェ…。
さあおいで。
よしよし。
今回のことお二人は本当にかまわないのね?
(ドリュー)大変ありがたいお話です。
なあマージー。
ええホントに。
これも全てマリゴールドのためよ。
それはご親切に。
成長を見守ってもかまわない?夢を与えてあげたいの。
あまり途方もない夢は見させないでくださいね。
このようなすばらしいお申し出に感謝します。
また来ます。
バイバイ。
ウフン…。
バーイ。
(扉の開閉音)アット…。
どうしたんだ?別にどうもしないわ。
もっと感謝したらどうだ?あの方にとって所詮マリゴールドはただの人形なのよ。
さんざんかわいがって飽きたら放り出すんだわ。
それは絶対にない。
どうして言い切れるの?分かるんだ。
庭にいる。
お茶の時間になったら呼べ。
(ラジオ国王陛下)「私は今大きな喜びと満足を感じています。
王妃と共にこの場に立ち大英帝国博覧会の開催を祝うことができるのですから」。
こっちの声は向こうに聞こえるのかね?まさか。
聞こえませんよ。
メアリー・クローリーです。
(フロント係)いらっしゃいませ。
クローリー様。
どうぞごゆっくり。
どうもありがとう。
(ラジオから流れる音楽)さて今のがジョージ5世国王陛下のお声だ。
どうだ?カーソン。
ヒューズさん。
感想は?国王陛下には玉座のほうがお似合いです。
(ヒューズ)私は陛下をより身近に感じました。
皆それぞれよい経験になっただろう。
(イザベル)ヒューズさんの言うとおりラジオのおかげで陛下の人間味を感じられたわ。
それはいいこと?君主制は謎めいているからこそ繁栄したの。
その謎が解かれ威厳を失えば王族もただの人よ。
あらそれが問題?ええ。
バッキンガム宮殿に残りたければね。
(コーラ)まるで陛下が隣にいるようだったわね。
浮かない顔ね。
感動しなかった?ジミーがいなくなって寂しいでしょうね。
あなたたちは特別仲がよかったから。
向こうにとって俺は特別じゃない。
そうかしら?あなたを好きだったわ。
かもな。
少しは。
けどここでの俺は嫌われ者だ。
好かれたい?居場所が欲しくなる時もあるよ。
ウン…。
おかしいよな?いいえちっとも。
ラジオは明日の朝回収させますか?返すの!?そんなに急いで取り外さなくてもいいんじゃない?書斎に運んでおけ。
気に入ってくれたのね。
言っとくがもともと嫌ってはいないぞ。
書斎へ運んでくれ。
ウフフッ。
メアリーも聞けたらよかったわね。
旅行なんか行かずに。
(ノック)偽名を使うべきだったんじゃない?
(ギリンガム)できればウソは最小限にしておこう。
万が一誰かに見られても「1人で泊まった」と言える。
よくこんな続き部屋を取れたわね。
まあ僕はマヌケじゃないし支配人は物分かりがよかった。
それで?旅の計画は?シンプルだよ。
チャーチ通りでおいしい夕食を楽しみその後ホテルに戻る。
そして愛し合うのね?そのとおり。
一晩中愛し合うんだ。
お互いクタクタになって起き上がれなくなるまで。
すごく魅力的だわ。
フン…。
(ヒューズ)アァ…そういえば慰霊碑の件はどうなりました?ああ解決したよ。
村に建てることに決まった。
ハァ…しぶしぶじゃなければいいけど。
私が意見を変える時は心から納得した時だ。
それに実に喜ばしい。
何がです?我々2人の意見が再び一致したわけだ。
君と意見が対立するのはつらいからな。
アァ…。
まあうれしいわ。
そんなこと言われたら髪が乱れてないか鏡を見たくなる。
また冗談を。
本気ですよ。
(ノック)ああ警察の方があなたに会いたいと。
警察?
(ウィリス)いや〜巡査部長のウィリスですよ。
やああなたでしたか。
ああありがとうバローさん。
驚かすならもっとうまくやるんだな。
下がっていいぞ。
座ってウィリスさん。
お茶でもどうぞ。
それでご用件は?ええ。
それが妙な質問ですが単刀直入に伺います。
去年ギリンガムの従者でアレックス・グリーンという男がこちらに?ええ泊まりましたよ。
そのすぐあとに亡くなったのでよく覚えています。
(ウィリス)ああよかった。
それを確認したかったんです。
ああどうも。
それで後日事情聴取をすることになるかと。
どういうことです?実は新たな手がかりが出て調べを進める前にその信憑性を確かめたくて。
その「新たな手がかり」って何なんですか?目撃者です。
グリーン氏は生前「ダウントンでひどい目に遭った」と。
なぜ今更そんな証言が?事故死と思って誰も言わなかった。
バイバイ。
もうこれ以上耐えられない。
いくらあの方が寂しくて子供が欲しいからってこの子は渡さないから。
油断はできません。
だって…夫には知られなくても警察が。
心配ないわ。
いよいよ結婚の準備だね。
2016/12/11(日) 23:00〜23:52
NHK総合1・神戸
ダウントン・アビー5 華麗なる英国貴族の館(2)「消えぬ火種」[二][字]
20世紀前半の英国貴族を描いた大ヒットドラマ第5章。メアリーはギリンガム卿(きょう)と秘密の旅行を計画するが…。イーディスは娘に堂々と会える方法を考える。
詳細情報
番組内容
メアリーはギリンガム卿(きょう)との相性を確かめるため、2人きりで秘密の旅行をすることに。旅の準備をアンナに頼むが、その内容にアンナは戸惑う。密かに預けた娘が恋しいイーディス。堂々と会うために後見人になることを考え始める。ラジオが欲しくてしかたないローズは、ロバートに買ってもらおうとあの手この手で働きかける。屋敷には、美術史家のブリッカーが伯爵家が所有する絵画を見るためにやって来て…。
出演者
【出演】ヒュー・ボネヴィル…玉野井直樹,エリザベス・マクガヴァン…片貝薫,ミシェル・ドッカリー…甲斐田裕子,ローラ・カーマイケル…坂井恭子,アレン・リーチ…星野健一,リリー・ジェームズ…下山田綾華ほか
原作・脚本
【脚本】ジュリアン・フェローズ
監督・演出
【演出】キャサリン・モースヘッド
制作
〜イギリス カーニバル・フィルムズ/アメリカ マスターピース制作〜