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セリフ書き起こし 大河ドラマ「真田丸」総集編 第1章「波乱万丈」 2016.12.30

 

 

(足音)
(三十郎)源次郎様これ以上は危のうござる!
(信繁)せっかくここまで来たんだ。
敵に見つかったらえらい事ですぞ!見つからなければいい事ですぞ!
(いななき)徳川勢だ。
戻りましょう!源次郎様!あっ!何者!失礼。
葵の旗に追い立てられひたすら逃げるこの若者は…。
それより33年後大坂夏の陣において徳川家康を自害寸前まで追い込み日の本一の兵とうたわれる事となる。
だが今はひたすら逃げるのみ。
うわ〜!そのころ武田信玄の息子勝頼は前線で直接指揮をとるべく諏訪上原城にいる。
北に上杉東に北条西に織田南に徳川と有力大名に囲まれ勢力挽回の機会をうかがっていたがこの1月勝頼の義理の弟木曽義昌が突如織田方に寝返った。
信長はこの機を逃さず一気に兵を進めたのである。

 

 

 

 


(穴山)織田の軍勢は既に天竜川まで押し寄せております。
直ちに我らが本拠地新府に帰りお味方を立て直すが肝要かと。
安房守おぬしはどう思う?おそれながら申し上げます。
ここは穴山様が申されるとおり一旦新府へお戻りになるべきでございましょう。
おじけづいたか安房守!西の守りの要であった木曽義昌が寝返ったという事はご領地の西側が丸裸になったも同じでございます。
義昌が織田勢を素通りさせてしまえばお味方は総崩れになります。
今は一旦新府へ引くが上策かと存じます。
今は引き時。
力をためて待つのです。
(跡部)木曽はどうする?木曽討伐は後に取っておきまする。
その時はこの真田安房守が先陣を切り信玄公直伝の軍略をもって義昌の首を取ってごらんに入れましょう。
この時期真田昌幸の家族たちは武田の本拠地甲斐の新府で暮らしている。
安倍川の上で徳川の物見に出くわしました。
徳川は国境に迫っています。
恐らく西の織田の動きを待って一気に攻め込むつもりではないでしょうか。
こちらの構えを悟られぬよう物見だけでも潰しておきましょう。
何か?源次郎お前自分のした事が分かっているのか?誰の許しを得てさように危うい所まで出向いた?勝手なまねをするな!兄上は武田の人質。
しかし私は違います。
次男坊の私なら目をつけられずに自在に動き回れる。
ならばその立場を生かして…。
それは真田の棟梁である父上がお考えになる事。
我々はお指図に従っておればよい。
何だ?その顔は。
勝手な振る舞い申し訳ござりませぬ。
源次郎。
はい。
ここが正念場だ。
いよいよ始まるぞ。
強敵織田との大戦だ!はい!昌幸が家族と対面するのは1か月ぶりの事である。
(昌幸)茂誠殿。
はい。
(昌幸)松はしかとつとめておりますか?それはもう。
申し分のない嫁でございます。
ねっ?あ〜それは何より何より。
ハハハハハ!何じゃ?浮かぬ顔して。
(薫)武田のお家はこれからどうなるのです?案ずるな。
織田は本当に攻めてくるのですか?母上はもう逃げ支度をされているようですよ。
ハハハ!それは気が早いのう。
笑い事ではありません!まあ話を聞け。
新府城はこの真田昌幸が知恵の限りを尽くして築いた天下に聞こえた名城じゃ。
この新府こそが最も安全な場所じゃ。
母上私が言ったとおりではありませんか。
わしは真田の郷に帰りたい。
ばば様。
こんなとこで死にとうはない。
ですから今父上が申されたではありませんか。
ここが一番安全なのです。
はっ?ここにいれば大丈夫なのです!はっ?ばば様無理は言わないで下さい。
何が無理じゃ。
ばば様はそんな事は百も承知。
分かってだだをこねられておるのです。
ねっ?
(昌幸)安心せい。
この真田安房守がいる限り武田が滅びる事は決してない。
武田は滅びるぞ。
えっ!?それだけ織田勢の力は強いという事ですか?強い。
長篠の頃の比ではない。
源次郎。
父上。
実は源次郎勝手に南の様子見てきてしまいました。
差し出たまねを致しました。
お許しを。
しかしそのおかげで徳川勢の動きがいち早く分かりました。
どうか源次郎めを許してやって下さい。
申し上げよ。
私が見たところ徳川勢は…。
もういい。
えっ?興味なし!いやしかし…。
わしはこの城を捨てる事にした。
はあ!?ここにいても先は見えとる。
しかしここは天下に聞こえた名城と!誰が言ったんだ?父上が…。
いずれはそうなるはずであった。
しかしいかんせんまだ出来上がっておらん。
織田が攻めてくるのがちと早すぎた。
しかし…。
新府を捨ててどうされるのです?策がある。
策?源三郎源次郎よいか。
これは我が真田家にとって未曽有の危機。
一つ打つ手を誤れば真田は滅びる。
この苦難を我ら一丸となってどんな事をしてでもこれを乗り切る。
心しておけ。
(2人)はっ!昌幸の策とは甲斐を一旦明け渡し上野にある真田の岩櫃城で武田の再起を図るというものだった。
その準備のため昌幸は一足先に岩櫃へと向かった。
しかし勝頼は甲斐に残る道を選ぶ。
小山田信茂ら重臣たちがこぞって上野行きに反対したのである。
信繁の必死の引き止めも実らず勝頼は小山田の城へとたった。
武田家の命運が尽きようとしている。
人質を免ぜられた信繁たちは僅かな手勢を引き連れ父昌幸が待つ岩櫃へ向かった。
どうしてこのような格好をしなければならないのですか?百姓に化けた方が目立ちにくいではないですか。
確かにこれで無駄な斬り合いを避けられるかもしれぬ。
(松)どこからこのようなものを?私が近くの村で集めてまいりました。
でもなあどこかまだなじんでないんですよねえ。
もう少し汚してみるか。
何を言ってるのです?そうですね!何を言ってるのです!顔に泥を塗りましょう。
面白そう!皆の者顔に泥を。
(一同)はっ!さあ母上私がお塗り致しましょう。
母上は誰よりも気品が顔ににじみ出ていますから誰よりも泥を多く塗りませんと。
あら…。
(いななき)
(三十郎)真田の兵でしょうか?まだ分からん。
織田勢かもしれません。
伏せろ。
(松)ばば様。
(薫)ありがてえありがてえ。
やめて下さい。
やめ…!
(八左衛門)それは扇か?似合わぬ品じゃのう。
(八左衛門)おぬしらまことに百姓か?おっかあ!いつの間にこんなものを!どこで拾った?ひょっとして盗んだんか?
(八左衛門)怪しい!
(松)あれ?八左衛門?お…お松様!?この人たちは小山田様の家来衆です。
大丈夫よみんな!
(八左衛門)真田の方々…。
(松)皆さんはこんな所で何を?もちろんあなた方をお助けに参ったのです。
それはかたじけのうございます。
(松)これでもう安心ですよ母上。
ばば様も!
(薫)輿はありますか?お疲れのようなら家来に背負わせます。
いかがなされますか?歩きます!参りましょう。
さて焼け落ちた新府城の跡に一人の男がいる。
徳川家康。
後に乱世を治め250年に及ぶ徳川幕府の礎を築くこの男も今はまだ三河遠江を領する一大名にすぎない。
武田が滅びたはめでたい事じゃがちっともうれしゅうないのはなぜだ?
(家康)正信…。
これからどうなる?それは殿がどうなされたいかによりまする。
生き延びられればそれで十分じゃ。
おかしい…。
もし!方角が違うように思うのですが。
これでは甲斐に戻ってしまう。
それでよいのだ。
謀られました。
その場を動かぬよう。
(松)ばば様!殺すな!生け捕るのじゃ!
(八左衛門)捕らえよ!
(いななき)父上!迎えに参ったぞ!
(家来たち)うお〜!
(松)離して!離して!ううっ!あっ!引け〜!姉上!母上!追うな!もうよい!母上ばば様おけがはございませんか?私は大事ない。
いくら命があっても足りませぬ!よう戻った。
殿〜!
(昌幸)みんなよう似合うとるのうえっ?ハハハハ!おっばば様!ばば様もご無事でござったか。
何のこれしき。
楽しき旅でありました。
さすが我が母上。
肝が据わっておられる。
ハハハハ!ハハハハ!さっきのやつらは?小山田信茂の手の者でございます。
やはりな。
一刻も早く着替えたいのですがお城は遠いのでございましょうか。
父上こんな所にいてよいのですか?いかにも!この危急の時に岩櫃を離れては…。
助けてやったのに文句ばかりだなおい。
ありがたいとは思っておりますが。
わしにとって最も大事なのは真田の一族じゃ。
あの一刻も早く着替えを…。
父上御屋形様は…?おいたわしや…。
御屋形様…。
(昌幸)武田は滅んだ。
わしは己のふがいなさを責めるのみじゃ。
何をおっしゃいます。
父上に非はございません!いやわしもそう思うんだ。
え…?私もそう思います。
御屋形様はわしを見放された。
この上は織田と戦ういわれはない。
戦うおつもりはないのですか?ない。
北の上杉景勝のもとへ身を寄せるかはたまた東の北条氏政のもとへ行くか。
ここに2本のこよりがある。
一方の端には朱がもう一方の端には墨が塗ってある。
赤が上杉黒が北条。
選べ。
ひょっとして答えはまだ?あ〜選べ。
面白い!いずれか一本を引くがよい。
そのように大事な事をくじで決めてよいのですか?兄上大事な事だからくじで決めるんですよ。
わしは八百万の神に託したのだ。
さあ兄上!ほれほれ。
ほれ!赤が上杉…。
黒が北条…。
何をしておられるのですか?いや父上が…。
どういうおつもりですか?このように大事な事を本当にくじで決めていいのか…。
父上!すまん。
私の考えを申し上げても構いませぬか?申してみよ。
上杉を選びましょう。
上杉にしてみれば信濃は決して織田には渡したくないはず。
となれば真田が味方につくのは願ってもない事。
喜んで迎え入れてくれると思います。
しかし源次郎上杉につけば真っ先に織田と戦いになるぞ。
そうですね。
下手をすると捨て石にされるおそれもある。
はいだったら北条にしましょう。
真面目に考えろ!だからどっちもありだと言ってるんです。
お前本当に分かっているのか!?織田ってそんなに怖いですかね。
ちゃかすな!源三郎源次郎。
はい父上。
わしは決めたぞ。
わしは決めたぞ息子たち。
わしは決めた!上杉と北条どちらにつくのですか?
(こよりが燃える音)どちらにもつかん。
まさか…。
我らだけで織田を迎え討つのですか?織田も迎え討たん。
では?真田は…。
織田につく事にする。
織田に!?昌幸はひとまず信州真田の郷へ戻ってきた。
お帰りなさい。
ああ。
大変な世の中になりましたね。
世の中は大きく変わろうとしてるのにあの山や空はいつも同じだ。
はあ?何だよ?空なんか見てなかったくせに。
会ってくれば?忙しそうだから…。
(きり)会いたいんでしょ?渡してきてもらえないだろうか。
何?やめなさい。
よく買いに行くお暇がありましたこと。
新府に都から商人が来ていたんだ。
あっ次男坊だから暇だったのか。
大きなお世話だ。
ご自分で渡せば?頼むよ。
何で私がそんな事しなくちゃいけないの?お前の分だ。
箱は?ない。
随分扱いに差がありますねえ。
しょうがないな。
では一緒に参りましょう。
それは駄目だ。
行きますよ。
頼むから!珍しい。
(きり)お梅ちゃんにね会いたいって人が。
私に?早く!源次郎様!お帰りなさいませ。
今朝ほど戻りました。
兄と2人で心配しておりました。
でも源次郎様ならきっと切り抜けて戻ってこられるって。
あっこれはまた今度。
めんどくさい人だな!はいお土産だって。
櫛らしいよ櫛。
やめなさい!これを私に?ええまあ。
頂いてもよろしいのですか?いいんじゃないのくれるっていうんだから。
お心遣いすみません。
気に入ったのなら使って下さい。
ふ〜ん…。
これは薪を並べて乾かしているのね。
御屋形様の事伺いました。
おそばにお仕えしていたのに何もできなかった。
こんな事申してはいけないんでしょうけど源次郎様がご無事でよかった。
天正10年3月20日。
昌幸一行は織田信長に会うために諏訪法華寺に入った。
さすが天下の織田勢!弓一つとっても決しておろそかにせず手入れが行き届いておられますね。
(忠勝)これは徳川の弓でござる。
(家康)見事でござろう。
(家康)どちらのご家来衆かな?真田でござる!
(忠勝)真田…。
徳川様はまことに几帳面なお方のようですね。
そう思われますか?寸分違わずに弓が並んでいる。
お指図がよく守られているのでしょう。
褒められたぞ。
ただ!我が真田はもう少し先を行っております。
むむ…。
どういう事でしょう?弓立てには下に車をつけております。
車?素早く大量の弓を運べます。
確かに弓をまとめて運ぶには手間がかかる。
私が考えました。
そなたが?はい!ほう…。
(昌幸)源次郎うろうろするな。
こっちで座ってろ。
失礼しました。
どうもお前は落ち着きがない。
父上に言われたくありません。
真田安房守殿でござるか?いかにも。
初めてお目にかかる。
徳川三河守にござる。
おうこれはこれは徳川殿。
徳川家家臣本多平八郎忠勝!息子の源次郎信繁でござる。
徳川様でしたか。
誰と思って話しておられたのかな。
もうちょっと下の人かと…。
(忠勝)無礼な!まあまあ。
貫禄がないとよく言われ申す。
失礼致しました!信長への謁見が始まった。
(足音)
(足音)
(信長)真田安房守か。
へえ。
よき面構えじゃ。
信長は従属の証しとして上野の真田領を明け渡し人質を差し出す事を要求。
昌幸はこれをのんだ。
何ゆえ私が人質にならねばならんのです!安土になど行きとうない!姉上!お一人で行かれる訳ではありませぬ。
お付きの者や身の回りの世話をする女中も一緒です。
その中に茂誠殿を紛れ込ませます。
茂誠様を?はい。
安土に参ります!はい!ようやく武田の人質を免ぜられたと思ったのに今度は織田ですか!信長公は父上の事を買っておられます。
姉上もきっと大切に扱ってもらえるはず。
そうは言っても人質は人質です!分かってくれ。
我らのような力弱き国衆はこうして大きな力にすがって生きていくしかないのじゃ。
娘が不憫でなりませぬ!母上!松はとっくに覚悟できております!母上。
姉上ご自身が覚悟を決めておられるのですから。
なりませぬ!源五郎。
私が参りましょう。
松はここに残りなさい。
私が参ります。
母上!ありがとうございます!いけませんばば様!お気持ちはうれしゅうございますが父上は私に行けとおっしゃっているのです!ちょっと待て。
(昌幸)お願いできますか?喜んで。
源次郎!いや!ここは姉上でいくべきでござる。
源三郎…?人質とは時には密偵の役目も果たさねばならぬもの。
姉上のような機敏な女子こそがふさわしいかと。
私も機敏ですよ。
姉上ならいざとなれば馬を奪って一気に駆け戻る事もできまする。
ばば様は馬で走れますか?馬…。
姉上でいきましょう!ここは是非姉上で。
真田家のために松も働きとうございます!お願いします!安土に行かせて下さい!松は立派に務め果たしてまいります!松よう申した。
いつの間にこんな大人に…。
ありがとう存じます!6月1日松は安土城下に用意された真田の屋敷に入った。
その夜の事である。
天正10年6月2日早朝。
一代の風雲児織田信長は本能寺において49年の波瀾の生涯を閉じた。
武田家を滅ぼしてから僅か3か月後の事である。
チキショー!何で死んでしまうかのう!信長め!父上は織田に反旗を翻すおつもりですか?信長が死んだとはいえ織田勢は日本一の力を持っております。
分かっておる!織田を敵に回すのは得策ではありません!まさか明智にお味方を?誰もそんな事は言っておらん!父上の本心をお聞かせ下さい!わしの本心か。
でははっきり言おう。
全く分からん!結局信長公の死体は見つからなかったみたいです。
生きてるかもしれませんね。
ここで大軍勢に囲まれたのでは落ち延びる事は難しい。
父上が知ったらさぞ嘆かれる事だろうな。
それにしてもなぜ明智は謀反を…。
しまった!すぐに安土へ引き返す!安土に?ここに来る途中明智軍と擦れ違った。
彼らは安土に向かっていたんだ!姉上が危ない!
(悲鳴)一方謀反の知らせを受けいち早く逃げ出した家康は伊賀の山の中にいた。
いわゆる伊賀越えである。
あとどのぐらいじゃ?山道をあと2里ほど。
伊勢の海までもう僅かでござる!見えてきましたな。
(笑い声)
(半蔵)出立致します。
この先は明智の兵がおります。
明智が?どうするのだ?全力で押し通りまする。
またか…。
(家康)ああ!あああ!殿!殿!
(茂誠)ああ源次郎殿!姉上は?えらい事になった!織田の兵たちが松を城内に連れていってしもうた!城内へ?ああ突然やって来て…。
城内へは入れますか?かなり混乱しているようだから案外すんなり入れるかも!すんなり入れたな。
(松)あっ源次郎!姉上!来てくれないかと思った!早く城を出ましょう!どこ行くの?騒ぎに紛れてこのまま真田に帰ります!帰れるの?見張りは?私たちを集めておいて自分は先に逃げちゃった。
(茂誠)お松!茂誠様!よかった!
(三十郎)さあ急ぎましょう!
(松)あっちょっと待って!ねえほかの人質はどうなるの?そこまで知りませんよ!連れていってあげましょう。
姉上人が多いとそれだけ逃げるのに手間取ります。
急がないと明智の軍勢がやって来てます!だけど見捨ててはいけないわ。
ああ言ってるんでお願いします!一目見た時から気になっていた。
(松)どうして?井戸ぐらいどこにだってあるでしょ。
あっ抜け穴が!あっ!参りましょう!急いで!気を付けて。
三十郎行くぞ!
(三十郎)はっ!
(兵士)いたぞ〜!
(女たち)キャ〜!うりゃ〜!
(松)茂誠様!固まっていてはいけません!
(茂誠)松〜!
(兵士)逃がすな〜!松〜!あっ!来い!
(兵士)うわっ!
(倒れる音)お逃げ下さい!あっ!姉上!こんな事になって申し訳ありませんでした。
やめてくれ…。
源次郎殿には感謝しているんじゃ。
私はここに残る。
どうぞ真田に急いで下され。
兄上を置いていく訳には…。
松のそばにいてやりたいのだ。
兄上…。
いろいろ世話になった。
生きていてこそ。
いいですか兄上生きていてこそです!申し訳ございませぬ。
そばに私がいながら姉上をお助けする事ができませんでした。
人質として差し出すという事は永遠の別れになるかもしれぬという事。
覚悟はしておった。
しかし…。
これも宿命だ。
源次郎忘れるのだ。
(回転扉の音)母上。
(昌幸)もうよい。
母上源次郎を責めてはなりません。
母上申し訳ござりませぬ!うわ〜ん!母上!
(泣き声)
(回転扉の音)この話はここまでじゃ。
佐助安土の様子を聞かせてくれ。
かしこまりました。
何も言わなくていいから私の話を聞いていてくれ。
(梅)はい。
帰ってきたくなかった。
私は明智の動きを読み誤り姉を救えなかった。
ずっと兄より才があると思っていた。
その才で兄を助けていくのが己の務めだと思っていた。
私の才などいざという時何も役に立たぬ。
それがよう分かった。
あの何か言っても構いませんよ。
ではひと言だけ。
どうぞ。
梅は源次郎様が帰ってきて下さってほっと致しました。
真田の郷に何かあった時は必ず私をお助け下さりませ。
約束です。
分かりました。
やがて歴史は大きく動き出す。
甲斐信濃上野を舞台に戦国大名たちがしのぎを削る動乱の天正10年の始まりである。
北には名将上杉謙信から越後を引き継いだ上杉景勝。
この話乗る事にした。
東には希代の英雄北条早雲から数えて四代目北条氏政。
(氏政)これより沼田を攻める。
根絶やしにせよ。
南にはやがて真田一族の前に最大の敵として立ちはだかる徳川家康。
死ぬかと思った…。
そして織田信長の権勢を受け継ぐ者として天下に名乗りを上げた羽柴秀吉。
戦国という大海原に一隻の小舟が漕ぎ出した。
舟の名前は「真田丸」。
波瀾万丈の船出である。
どんな手を使ってもわしは真田をこの地を守り抜いてみせる。
大博打の始まりじゃ!2016/12/30(金) 12:15〜13:00
NHK総合1・神戸
大河ドラマ「真田丸」総集編 第1章「波乱万丈」[解][字]

信州に育った真田信繁(堺雅人)の激動の人生を描いた大河ドラマ「真田丸」総集編の第1章(全4章)真田昌幸(草刈正雄)は織田家につくことを決めるが、直後に本能寺で…

詳細情報
番組内容
戦国時代。信州に育った真田信繁(堺雅人)の激動の人生を描いた大河ドラマ「真田丸」総集編の第1章(全4章)。武田家滅亡により主家を失った真田昌幸(草刈正雄)は、上杉景勝(遠藤憲一)、北条氏政(高嶋政伸)、徳川家康(内野聖陽)、豊臣秀吉(小日向文世)らの勢力争いに翻弄され続ける。昌幸は、どの大名に従うべきか、信繁と信之(大泉洋)にクジを引いて決めるように迫る。さらに、松(木村佳乃)は人質となることに…
出演者
【出演】堺雅人,大泉洋,長澤まさみ,黒木華,藤本隆宏,藤井隆,高嶋政伸,遠藤憲一,斉藤由貴,寺島進,中原丈雄,西村雅彦,草笛光子,藤岡弘、,高畑淳子,近藤正臣,内野聖陽,草刈正雄,【語り】有働由美子
原作・脚本
【作】三谷幸喜
音楽
【音楽】服部隆之