（すみれ）明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。
（さくら）明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。
そうそう。
みんなが起きたらこうやってご挨拶するのよ。
はい！うん。
（はな）
今日は昭和２５年の１月１日です
・「『雨上がりの空に七色の虹が架かる』」・「ってそんなに単純じゃない」・「この夢想家でもそれくらい理解ってる」・「大量の防腐剤心の中に忍ばせる」・「晴れた時ばっかじゃない」・「湿った日が続いても腐らぬように」・「たとえば１００万回のうちたった一度ある奇跡」・「下を向いてばかりいたら見逃してしまうだろう」・「さぁ空に架かる虹を今日も信じ」・「歩き続けよう」・「優しすぎる嘘で涙を拭いたら」・「虹はもうそこにある」・「きっと虹はもうここにある」
（長太郎）明けましておめでとう…ございます。
お母さん。
ん？
（小声で）何でみんな静かなの？
（小声で）さくらシ〜ッ。
おめでたいお正月だというのにこの仏頂面。
何があったのかと申しますと少し長くなりますが数日前からお話しします。
ここは大阪のゆりと潔君の新居です
わぁ〜おぜんざい！さくらおぜんざい大好き！
（喜代）おいしく出来ましたよ〜。
（ゆり）私も喜代さんのおぜんざい大好きやの。
フフフッ。
ありがとう。
（紀夫）立派な家ですねぇ。
（潔）ありがとう。
家があってホッとするわ。
ずっと会社に寝泊まりしてたから。
・こんにちは。
（チャイム）誰やろ？
（節子）う〜寒っ寒っ寒っ！
（静子）お邪魔します。
節子伯母様静子さん。
お〜寒っ寒っ…。
温か〜生き返ったわ。
ほんまや〜。
けどええ家やねぇ。
ありがとうございます。
あっゆりさん。
ほんの気持ちやねんけどねこれちょっとお祝い。
ああ…すいません。
ありがとうございます。
おめでとう。
何かあったんですか？あるある。
家出してきた。
えっ？う〜んもう嫌やあの家…。
何があったんですか？男の人らが仲悪うて…。
長太郎さんと肇が一緒に商売してるやろ？もう合わへんのよ何もかも！何ででしょうねぇ？親子やからでしょうねぇ。
あ〜そやねぇ。
肇も五十八さんの言う事は聞くし距離感の問題なんかねぇ。
またそれが気に入らんのやねお義父さんは。
こちらにはいつまで？
（静子）明日。
えらい短い家出ですねぇ。
フフフ…お義母様が今温泉行ってはって帰ってきはるまでにうちらも帰らんと。
慶一も預けてるし家には長太郎さんと肇と五十八さんだけのはずや。
ウフフッ。
節子！おらんのか？節子！
（肇）静子静子！おらんのか？静子。
（五十八）ああ兄ちゃん。
節子さんと静子さんは？知らんわ。
帰ってこんのとちゃうか？お母ちゃんもおらへんし…。
えっ？でも…困ったものですねぇ。
（チャイム）はい！またや。
こんにちは〜。
あっお父様。
（五十八）おうすみれお前も来とったんか。
ご無沙汰しております。
（忠一郎）う〜寒っう〜寒い！おっこんなとこでお会いするとは。
奇遇ですねぇ！ほ…ほんまほんま！ハハハハ…。
はあ…。
（五十八）正太大きなったなぁ。
あ〜うまいなぁ。
喜代さんのぜんざいは相変わらずうまいなぁ。
フフッ忠さん。
旦那様もどうぞ。
冷めへんうちに。
ああ。
五十八さん正直どない思わはります？うちの人と息子の事。
あないにいがみ合ってばっかりいて…。
もうどないしたらうまい事やっていけますのやろ。
私は兄ちゃんが引く事が大事やと思いますけど。
そうですねぇ。
時代っちゅうのは変わっていきますからねぇ。
私ら世代が当たり前や思とった考え方が古なってしもうて若い人らの新しい考え方を理解できんようになってる。
そこがあかんのちゃいますかねぇ。
あっもちろんそれは兄ちゃんだけやのうて私を含めて私ら世代の話ですけど。
そうですねぇ。
うちの人もそんなふうに一歩引いてくれはったらよろしいんやけど…。
でも自分がここまでやってきたいう思いもあるからそない簡単な事やないんでしょうね。
それはそうですね。
昔から「老いては子に従え」と言いますしな。
忠さんええ事言うやないか。
いや私は思わへんねんけどな。
ハハハッ！それはそうと潔君。
坂東営業部はどうや？うまくいってます。
やっぱりあの洋裁教室の成功が大きかったんやな。
はい。
教室の拡大と比例して布地の売り上げも上がってます。
今が勝負や思て今後の新しい展開を考えてるところです。
へぇ〜具体的に何かあんのか？実は以前からキアリスの形態がええな思うてまして。
（紀夫）形態？自分らで作ったもんを自分らで売るいう形態ですか？そう。
うちも問屋業務だけやなくて昔のように自社工場を作って既製品を小売りするオライオンショップを始めたい思うてるんです。
ほう〜ええやないか！すぐにやったらええねん！はい！一気に全国展開したい思うてます。
一気に全国展開か。
すごいなぁ潔さんは。
やる事が違うわ。
（忠一郎）大したもんですなぁ。
（五十八）ちょっと待ってくれるか。
潔君それは早急すぎるんやないか？一気に全国展開やのうて一店舗一店舗確実にやるべきやと思うで。
何％の利益が出てから次に…。
そないにゆっくりしとったら全国展開までに何十年も…。
いや焦るなって言うたやろ。
いや焦ってるんやないんです。
あの…これは戦略なんです。
わしは反対やな。
そんなこんながありまして現在に戻ります
あ…あの先日はせっかく大阪に来てもろうたのにお父様と潔さんがあんな事になってしまって本当にすいませんでした。
そんな謝らんとってよ。
急に行ったんはこっちなんやから。
ほんまやわ。
そやけどどこも一緒なんやなぁ。
男って何でああなんやろねぇ。
ねえ。
はあ…。
はあ…。
うわ〜すごい！これ全部節子伯母様と静子さんが？そやでぇ。
こんなにたくさん…。
大変でしたでしょう？ん〜…まあな。
（節子）ハハハッ！あっ今年はねおぜんざい作ったんよ。
さくらちゃんがおぜんざい好きや言うてたから。
ありがとうございます。
どうや？その後は？オライオンショップの計画の事ですか？そや。
進めてます。
進めてる？全国各地のええ物件を押さえ始めてます。
（五十八）わしの考えはこないだ言うたよな？そやのに進めてんのか。
お義父さんわしは…。
もうええ。
勝手に進めるんやったらわしの意見は要らんちゅう事やな！？
（長太郎）フッフッフッ…。
（五十八）何ですか？いやおかしいな思うて。
自分とこの話になるとヒッヒッヒッヒ…。
何がおかしいんですか？「人のふり見て我がふり直せ」とはこないな事言うんやな。
父さんそないな言い方はないやろ。
うん？何で私が兄さんに笑われないかんねや。
どういう…意味や？そのまんまの意味ですわ。
何ぃ〜！あっちょっと！お父さん…。
（忠一郎）大奧様のおな〜り〜！
（トク子）またおかしな事言うて忠さんは…。
まあまあ正月やというのに兄弟ゲンカして。
６０過ぎてこんな調子やったら死んでも死にきれまへんなぁ。
（節子）お義母さん…。
どこで子育て間違うたんやろなぁ。
お義母さんにこんな事言わせるやなんてえらい親不孝な事しはりますなぁ。
皆さんおそろいよ。
（紀夫）あっすいません。
遅うなってしもて。
では皆さん明けましておめでとうございます。
（一同）おめでとうございます。
（トク子）頂きます。
（一同）頂きます。
赤コンニャクおいしい！ほんま？よかった。
あっさくらちゃん。
さくらちゃんにねおぜんざい作ったんよ。
うれしい！ほんま？ウフフフ！はい。
あっ。
お持ちしましたよ〜。
よかったねさくら。
はいどうぞ。
頂きます。
（静子）えらいわぁ。
どうされました？このおぜんざいおいしくない。
いつもの喜代さんが作ってくれるおぜんざいの方がおいしい。
喜代さん新しいおぜんざい作って。
さくらお嬢様…。
さくら。
ええのええの。
謝りなさい。
さくら！すみれそないに怒らんでも…。
お母さんさくらがそんな事言う子やと思わなかった！さくら！
（静子）すみれちゃん！もうほんまにええから。
ごめんなさい！ええのええの。
さくらちゃんまだ子どもなんやから。
せっかくのおめでたいお正月やというのに…
（すすり泣き）
苦い思いをしているそれぞれなのでした
2017/01/04(水) 12:45〜13:00
ＮＨＫ総合１・神戸
連続テレビ小説 べっぴんさん（７６）「新春、想（おも）いあらたに」[解][字][デ][再]
紀夫（永山絢斗）や娘のさくらと一緒に近江の坂東家でお正月を過ごすすみれ（芳根京子）。しかし、父・五十八（生瀬勝久）と叔父の長太郎（本田博太郎）がけんかを始め…
詳細情報
番組内容
紀夫（永山絢斗）や娘のさくらと一緒に近江の坂東家でお正月を過ごすすみれ（芳根京子）。おめでたい元旦になるはずが、そこには重々しい空気が。すみれの父・五十八（生瀬勝久）と義兄・潔（高良健吾）は、会社の経営方針で意見が合わず討論に。また五十八の兄・長太郎（本田博太郎）とその息子・肇（松木賢三）も商売のやり方で対立した状態が続いていた。さらには、ささいなことからすみれとさくらの関係まで…
出演者
【出演】芳根京子，生瀬勝久，菅野美穂，高良健吾，蓮佛美沙子，中村玉緒，永山絢斗，本田博太郎，山村紅葉，曽我廼家文童，宮田圭子，三倉茉奈
原作・脚本
【作】渡辺千穂
- もっと読む
コメントを書く