本当に子どもの成長の一つに役立ってくれたらいいなとは思っています。
み〜んなもこの絵も。
うんかわいい。
たった一人で全てを演じきる究極の話芸落語。
時代時代の落語家によって数多くの名作が語り継がれてまいりました。
聞き手の想像力で無限に広がる落語の世界
ふだん聞いて楽しむ落語の演目を…。
噺に合わせてあえて映像化致しました。
目の前に鮮やかに現れる笑いと人情の物語
見る落語どうぞ一席おつきあい下さい。
うわっきれい…。
あのお隣いいですか?えっ?いやはいどうぞ。
あの〜この手提げ袋かわいいですね。
ありがとうございます。
実はこれ風呂敷なんです。
え〜?ああ風呂敷。
そういろいろ入るから便利なんですよ。
ほら!フフフ!えっとあのこれは…?ああ。
このあと私余興するんです。
えっ?これを使って?はい。
すみ花久しぶり〜!久しぶり!元気だった?元気だった。
江戸時代風呂敷は多くの人に使われていたそうです。
もともとはお風呂に敷いて使う事からその名が付いたといわれています。
しかし中には思いも寄らない使い方もあったそうで。
(出囃子)ご来場でありがとうございます。
昔は長屋に必ず一人は相談役というんでしょうかね兄貴だとか兄さんだとかいわれているようなそういう人がいて何かトラブルとかそういう事があるとそういうところへ持ち込んだんだそうでございますけどね。
「何だ何だ何だまたそうやって飛び上がって入ってきて。
女なんだから女らしく上がってきなさいよ。
見ろよほら下駄が片っぽひっくり返ってんじゃねえかよ。
どうしたんだよ?」。
「兄さん大変なんです」。
「またそうやって…どうしたんだよ?」。
「どうしたじゃないんですよ。
聞いて下さい兄さん。
今日ねうちの人が横浜まで用足しがあるからってんで朝早くに出かけたんですよ。
出かける時には『お前今日は遅くなるから先に寝てて構わないぞ』ってそう言って出かけたんです。
私すっかりその気になっちゃいましてね。
掃除や何か済ましてお湯行って帰ってきましてそれから町内の新さんを呼びに行ったんです」。
「お前は本当に好きだなお前は」。
「そうなんですよ」。
「そうなんですよじゃないだろお前。
亭主持ちなんだからいくら留守だからといってな若い男引っ張り込んでどうすんだよ?」。
「そら分かってんです私も。
頭ではいけない事だなって分かってんです。
だけど体が欲して止まらないんです」。
「しょうがねえじゃねえかよ」。
「すぐに新さん呼びにやりましてね。
それからお茶なんか飲まないんですよ。
すぐに布団敷きまして」。
「そんな具体的な話は聞きたくないってんだよ」。
「楽しんでいるところへですよ。
驚くじゃありませんかうちの人が酔っ払って帰ってくるんですよ」。
「帰ってくるっておい新吉がいるんだろ?」。
「そうなんですよ。
私も慌てちゃいましてね。
とりあえず新さんに『お前さん私は押し入れへ隠れるからお前さんがなんとかしてね』とこう言ったんです」。
「そんな事新吉にどうにもできる訳ないじゃないかよ」。
「そうなんですさすがにいさん頭がいいですね。
新さんもそう言ってましたよ。
俺にはどうにもできないからとりあえず俺は押し入れへ隠れるからどうにかしてくれとそう言われたもんですからすぐに新さんを押し入れへ隠してね。
それからうちの人を寝かしてそれから帰そうと思ったんですけどうちの人が寝ないんですよ。
また間の悪い事に押し入れの前にどっかりあぐらかいちゃって。
『とりあえずお前さんお酒買ってくるからここ一歩も動かないでちょうだいね』と言ってお酒を買うふりをして今うちを出てきて兄ぃのところへこうやって相談に来たとこういう事なんですよ。
にいさんすいませんけどさ押し入れの中にいる新さんを押し入れの目の前にいるうちの人に分からないように逃がしてやってもらいたいんですけど…」。
「お前ね…。
私だって頼まれてできる事とできない事があるだろ」。
「だってそんな事言ったって兄さん頭がいいから」。
「頭がいいってったってねそんな事はできないよお前。
押し入れん中にその新吉ってのが隠れてんだろ?押し入れの目の前におめえんところの亭主が酔っ払って座ってんだよ。
駄目じゃないかよ」。
「にいさんお願いします。
どうにか分からないように…」。
「そうやってね…」。
「お願いです!」。
「手ぇ合わしたって駄目なんだよ。
何?その押し入れの中に隠れていて押し入れの目の前で酔っ払ってあぐらかいてんだな?ああそうか分かった分かった。
じゃあちょいと行って逃がしてやるから一足先に帰って…いいかい?お前んところの亭主をな押し入れの前から一歩たりとも動かすんじゃないぞ。
分かったな?全くしょうがねえんだから。
おっかあすまねえちょいと押し入れからな風呂敷の大きなやつ一枚出してくんな。
畳んでへいへいへい。
ちょいと出かけてくるから。
えっ?何が?うんうん。
すぐに戻るよあいよ!」。
「本当にしょうがねえんだから。
どいつもこいつも何かあるってえと俺んとこへ飛び込んできやがんだから。
あら〜随分なあ酔っ払って大きな声で…。
おう!いるかい?開けるよ。
よいしょっと!いるかい?」。
「うわ〜!兄ぃ兄ぃ…」。
「何だよおい!酔っ払っててよく分かんねえじゃねえか」。
「酔っ払ってんだ俺は今日。
兄ぃ兄ぃ聞いてくれよ。
俺はさむてえ癪に障ってんだよ。
何がといってね俺は今日ね横浜まで用足しがあるんで朝早くに出かけたんだよ。
出かける時にはうちのかかあにね『おめえ今日は遅くなるから先に寝てて構わないぞ』とそう言って出かけたの。
だけど向こう行くってえと殊の外用が早く済んじゃったからさ遅くなるからと言って早く帰っちゃすまねえかなとは思ったけれどもまあ我がうちだから俺は帰ってきたよ。
うちに帰ってきて『おう今帰ったぞ』とこう言うとうちのかかあが親の仇に出くわしたような顔しやがってさ『あらお前さんもうお帰りかい?遅くなるからと言ってあんまり早いじゃないか。
あんまり早いからすぐに寝なさい』とこういう事を言うんだよ。
俺こんな言葉聞いた事ねえよ俺は。
そしたらさ『だけど私が寝ようてえから寝ましょうよ』とこう言うから『どうしておめえは今日はそう寝たがる』ってんだ。
寝ようと言われてはい寝ましょうなんてのは一緒になって三月か四月だよ。
湯上がりでもって長襦袢でもってさこの辺に後れ毛がこうなってよで斜めんなってさ『お前さん寝ましょう』なんてな事を言われりゃ寝るよ俺だって。
それをどうだい?今うちのかかあ100万年前のトカゲみてえな顔しやがってさ。
寝ようとは何事だってんだよ。
どうしてそう亭主を脅かす…」。
「脅かされてんのか?お前は」。
「そうなんだよ。
あれ?兄ぃはどうしてうちへ来たの?」。
「いやいやこの先でもってちょいともめ事があったんでねそれを収めた帰りにお前んところへちょいと顔を出してみたとこういう事なんだよ」。
「へえ〜。
もめ事ってのはどういうもめ事?」。
「どういうもめ事ってお前は酔うとくどいからな。
いや夫婦もんなんだけどさそのご亭主というのが今朝ね横浜まで用足しがあるってんで朝早くに出かけたそうなんだよ。
出かける時にはかみさんに『お前今日は遅くなるから先に寝てて構わないぞ』とこう言って出かけたそうなんだよ」。
「おおおおおお…。
どっかで聞いたような話だなそりゃ」。
「そうかね…。
そのかみさんってのはすっかりその気になって掃除や何かしてね町内の若い者を呼んできたそうなんだよ。
お茶を飲んだんだと思うんだよ。
布団なんかは敷かないと思うんだよ。
お茶飲んでたんだと思うんだけどさそうしたらその亭主というのが遅くなるからと言って出かけたのにねへべれけに酔っ払って帰ってきちゃったんだとさ」。
「悪いところへ帰ってきたそら」。
「そうなんだよね。
しょうがねえからさその若い者を押し入れへ隠してその亭主を寝かしてから逃がそうと思ったらその亭主が押し入れの目の前にどっかりあぐらかいちゃって寝ねえんだとさ」。
「俺そういうやつ嫌いだよ俺は」。
「俺も嫌いなんだけどね。
どうにか分からないように逃がしてやってくれと頼まれたから分からないように逃がしてその帰りに今お前んところにちょっと顔出してみたとこういう事なんだよ」。
「ちょちょっと待ってよ兄貴。
だってその押し入れん中へ隠れてんでしょ?その押し入れの目の前にその亭主というのが酔っ払って座ってる訳でしょ?そういうのどうやって分からないように逃がすの?」。
「いいよ」。
「いやよくないよ。
ちょっと聞かせてよ」。
「本当にお前は酔うとくどいんだからな本当に。
いやいや種明かすってえとこんなものは訳ないんだよ。
このね大きな風呂敷。
こいつをバ〜ッと広げてそのうちに飛び込んでったとこう思いな。
このうちをそのうちだとしようか。
なっ?その酔っ払い亭主というのをお前だとしようか。
なっ?ちょいちょいちょいと前出ろちょいと前出ろ。
そうそうそう。
ちょいとちょいと前出ろよ。
ちょいと前出さしといてねこの風呂敷をねその亭主野郎の頭にふわ〜っとこうねかけたんだよ。
そいでもってこう四隅をこう絞ったんだこうやってな。
小脇にこう抱え込んだんだこうやって。
何?苦しい?ああそいつも苦しいってそう言ってたよ。
見えねえだろ?見えねえよな?風呂敷かぶってるんだから見えないよ。
見えないと分かったら俺が少〜し前へ出てねその若い野郎が入ってるって押し入れをこうス〜ッと開けたんだよ」。
「いるんだよその野郎が。
青い顔してガタガタガタガタ震えてんだよな。
出ろよ出ろよ」。
「こう言ってやったんだよなその野郎に。
ペコペコおじぎしてんじゃねえ。
こうも言ってやってな。
下駄間違えんじゃねえ。
こうも言ってやってな。
下駄も間違えないでス〜ッと行っちゃったようだから風呂敷をバ〜ッと取ったとこういう事なんだよ」。
「うまく逃がしやがったなおい!俺はそのまぬけな亭主の顔が見てえや」。
(拍手)
(笑い声)面白い…。
どうもありがとうございました〜。
(拍手)ハートが強いな…。
あっ濱ちゃん?おお春花ちゃん!ん…?もう!いるなら教えてよ!うん…あっえ…?あっごめんごめん全然気が付かなくって。
ねえねえ今度また濱ちゃんち行っていい?何かすっごい落ち着くんだよね。
いや映画見た流れでみんなでうちに来たやつねみんなで!あっ春花!あ〜さおり!久しぶり〜。
江戸の町には田舎から奉公や出稼ぎで出てくる男たちが多くなんと女性の倍近く男性がいたんだそうです。
そのため町には独身男性があふれていたんだとか。
見た目やお金ではなく真面目にコツコツ頑張っている人にはいい縁談があったそうで…。
(春花)あっそうだ!うわっ来た…。
ねえねえ濱ちゃん。
うわ〜。
今日このあと時間ある?ちょっと相談があって2人だけで話したいんだけど。
え〜?いや〜今日はちょっとどうだろう…。
(出囃子)一席の間のおつきあいを願っておきますが。
まあなかなか縁というのは自分から結び付けようと思っても結び付かないものでございまして。
神のみぞ知るというやつでございますかね。
「おい早く入ってこいよ。
何がじゃねえんだ。
立ち話もなんだからよ」。
「えっ?どうしたい?」。
「どうしたいじゃねえんだ。
俺は今湯に行ってたんだ。
そしたらよ後から吉公の野郎が入ってきやがってな吉公の野郎とよあの不動坊火焔のところのお滝さんと一緒になるらしいんだ」。
「ちょっとおかしな事言っちゃ駄目だ。
今自分で言って気が付かねえか?不動坊火焔って亭主がお滝さんにはいるじゃねえか」。
「それがそうじゃねえんだよ。
ひとつきほど前北海道の巡業先でもってぽっくりと逝っちまったらしいんだよ。
死んだ途端に悪い借金が次から次へと出てきてな。
お滝さんそんなの一人で返せねえや。
大家のところに相談に行ったらよ長屋いくらも独り者はいるよ。
そん中で吉公を添わしたってんだよ。
悔しいだろ?なんとかできねえかなと思ってよ湯の帰り道々考えたんだ。
明日の朝になったら吉公が血相変えて大家のところに行ってよ大家に土下座して『この話はなかった事にして下さい勘弁して下さい』ってんで詫び入れるようなそんな俺は筋書き考えたぞ」。
「そんな事が…」。
「できるんだよ。
不動坊の幽霊出そうと思うんだ」。
「そんなうまい具合に…」。
「バカヤロー。
本物なんか出る訳ねえじゃねえか。
考えて歩いてる途中向こうから来たのが林家正蔵の弟子の林家正八。
万年前座。
のべつ末廣亭の怪談噺の会だよ。
幽霊の格好してよ客席わ〜っと走り回ってんだよ。
そいつにばったり会ったんだ。
あっ!こいつに幽霊に化けて出てもらおうと思ってな。
お〜来たか!閉まりはしてねえから勝手に入ってこい」。
「どうもありがとう存じます。
先ほどはお声がけを頂きましてひとつよろしくお願いを致します。
え〜っとどのように出るんでございますか?」。
「この長屋屋根に上ってよ屋根からぶる下がってもらって台所のところに出ようと思うんだ。
何か支度できるものあったら言ってくれよ」。
「さようでございますか。
え〜っと幽霊のね衣装と化粧道具は私のところで持っております。
ただ寄席に置いてきてしまってるものがございまして幽霊火焼酎火なんていうのを作ってもらえたらありがたいんでございます。
胡麻竹とか煤竹黒い竹の先に綿をつけましてねこれ昔は焼酎だったんでございますが今はアルコールでございます。
アルコールを染み込ませまして火をつけますと青白い人魂に見えるんでございます。
これが幽霊が出る前にふわふわしてると盛り上がるんでございます。
あったらこしらえられたらで結構でございますが」。
「そう?これ金物屋の鉄つぁんってえの。
手先が器用なの。
できる?うんじゃあ今作ってくれよ。
なるべく黒い竹の先に綿つけてね。
それからねこいつはねチンドン屋の万さんてえの。
万さん今の話聞いた?台所行くってえとね適当に瓶がゴロゴロゴロゴロ転がってるからアルコール買ってきてそれから何が要るかい?」。
「え〜っとそれからですね盛り上がるのに太鼓でございます。
寄席の場合は三味線のお師さんがいまして『幽霊散手』というのを弾いてくれるんですけどもそれに合わせまして大太鼓でもってドロドロドロドロドロ…。
これがあの大変盛り上がるんでございまして。
太鼓があったらで結構でございます」。
「チンドン屋だもの。
太鼓あるよ。
太鼓だけでいい?おう!じゃあ万さん太鼓。
商売道具の。
太鼓だけでいいとよ。
それから何か要るかい?」。
「ええもうそれで結構でございます。
え〜っとそれだけ支度が出来ましたら何時ぐらい?」。
「そうだな12時を回った辺りにしようじゃねえか。
俺は裏梯子掛けて待ってるから。
みんな支度してきてくれよ」。
「鉄つぁんこしらえてきた?おっ先に受け取るよ。
ゆっくり上がってこいゆっくり。
屋根の上滑るよ気を付けて。
大丈夫かい?おっこれで皆そろ…。
そろってないよ。
チンドン屋の万さんだよ。
あの万さんはどうしてこうやって時間ちょうどに来たためしがねえ。
あそこの角曲がってくるのあれ万さんだなあれ。
まぬけだね太鼓だけでいいってそう言ったんだよ。
あれチンドン屋一式つけて来ちゃったよおい。
そんなのつけたら梯子上がってこられねえだろ。
後ろ向きになって上がります?おい足踏み外すなよ。
ガラガッチャンガッチャンなんてんでもう大変な事になるから。
ゆっくりそ〜っと。
うんあと3段あと2段。
よっ!屋根の上も滑るから気を付けろ。
ゆっくり下ろせゆっくり…いいか?よし。
じゃあそろそろ始めるからな」。
「へいお願い致します。
はいそれじゃあまず幽霊火からお願いします」。
「おう万さん買ってきた?」。
「あちっ…つかないね…」。
(笑い)「万さん!逆さにしたが出ないよ!」。
「逆さにしたぐれえじゃ出ないと思うよ。
割り箸突っ込んでかき出さないと」。
「何買ってきたんだい?」。
「うちの町内のはまずいから隣町まで行って買ってきました。
あんころ!あんころ」。
「お前はバカか!どんな耳してんだ!?俺はアルコール買ってこいってそう言ったじゃねえか!何で。
第一瓶持ってあんころ買いに行くやつがどこにいるんだ!?」。
「そういえばね『創業130年になるけどあんころ瓶に詰めたの初めてだ』って…」。
「当たり前だコノヤロ−!2人でぼんやりしてどうしようんだ!これじゃおめえ火がつかねえじゃねえか」。
「だけどさ食べ過ぎると胸が焼けるってのどう?」。
「何言ってんだおめえは。
座布団1枚取っちゃうぞ本当に。
何にも話が進まねえじゃねえかこのウスバカヤロー!」。
「何だよウスバカヤローはねえだろ!俺だってね俺だっておかしいなと思ったよ。
何であんころなのかなと思ったけどさみんなで終わってからさ屋根の上でおいしいあんころ食べるのかと思ったもん。
だったらせっかくだったら隣町のおいしいのがいいと思ってわざわざ隣町に行ったんだよ!それをバカはねえだろバカは!」。
「やめて下さいやめて下さい!2人の喧嘩の声が聞こえますと何にもなりません。
大丈夫です幽霊火なくても出ますんで喧嘩やめて下さい。
2人ですいませんが押さえといて下さい。
いいですか?ゆっくり下ろして下さい。
そ〜っと下ろして下さい。
お願いします。
もっと下ろして下さい。
もう少しですもうちょっと…。
はいはい結構です。
はいそれじゃあすいません。
今度太鼓お願いします!」。
「万さん今度は太鼓!」。
「何だよ…俺はさ終わってから食べるんだったらおいしい方がいいと思ったからわざわざ隣町…」。
「分かったよ!食おう!終わったらみんなで食おう!今は太鼓!」。
「何だよ…おめえの手伝いに来てんじゃねえぞ!みんなお滝さんが好きだからこのプロジェクトXに参加してるんじゃねえかコノヤロー。
叩きゃいいんだろ叩きゃ!叩くよ。
俺だって…。
俺だってお滝さん好きなんだ。
思いを込めて叩くよ!お滝さん…。
チチチンチンチンドドド!」。
「にぎやかすぎます!太鼓やめて下さい!」。
「もうおめえらろくでもねえんだ本当に!おい幽霊!俺だけだよこの3人の中で寄席に行ってんのはな。
寄席なんてえのは人生の中でほとんど役に立たねえけれどもなこういう時に役に立つんだ俺に任しとけ!いくぞ」。
(口笛)「いいですいいです!そのままお続け下さい!」。
「なあ?ほとんど寄席なんてのは人生に役に立たねえけどもなこういう時に役に立つんだ。
俺に任しとけ。
いいか!」。
(口笛)「ホーホケキョ」。
「ホーホケキョ!?あなたの寄席って江戸家子猫だったんですね!」。
「何だか台所でガタガタ大きな音がしますんでねお滝さんお休みになってて結構でございます。
勝手知ったる我が家でございますから。
何だこんな日に限って。
ネズミだって気ぃ利かして出てこなけりゃいいのに本当にな…。
うっうわ〜!?出た出た出た…」。
「誰だ?」。
「誰だ…?聞いてきませんでした…。
ちょっとよろしいですか?驚いたままちょっとよろしいですか?すぐに分かりますんでちょっとお待ち下さい。
すいません私は誰なんですか?」。
「何だよ湯の帰りに話したと思ったら忘れちゃったのかな?不動坊火焔の幽霊だ!」。
「分かりました。
発表します。
不動坊火焔の幽霊だ〜」。
「うわ〜不動坊が出た〜!何しに来た?」。
「何しに来た…。
ちょっとよろしいですか?聞いてまいります。
ちょっとお待ち下さい。
すいません!私は何をしに来て…」。
「『四十九日も過ぎぬのに嫁入りするとは恨めしい』」。
「分かりました。
発表します。
四十九日も過ぎぬのに嫁入りするとは羨ましい…」。
「羨ましいじゃないよ恨めしいだよ!」。
「恨めしい…」。
「何が恨めしいだ?えっ?俺はおめえの借金肩代わりしてんだぞ!恨まれるよりここに下りてきてお礼を言ったらどうなんだ!話があるんだったら下に下りてきたらいいじゃねえか」。
あまりの怖さに思いっきり裾をガッと引っ張ったもんですから一同もんどり打ってガラガッチャンガッチャンガッチャン…。
「何だ屋根から人が降ってくるような天気でもねえのに次から次へと人が落っこ…痛い!瓶のようなものが頭にぶつかって…。
何だネチョネチョしたものが出て…。
てめえたち!いい加減にしねえか!」。
「ほ〜らあんこだってあんなに火がつくじゃねえか」。
(拍手)「落語THEMOVIE」いかがでしたでしょうか?落語に興味を持たれた方は是非寄席に足を運んでみて下さい。
あなたの想像力で無限に広がるエンターテインメント。
それが落語です。
2017/01/18(水) 22:50〜23:15
NHK総合1・神戸
超入門!落語 THE MOVIE「風呂敷」「不動坊」[字]
ふだん、想像で楽しむ落語の演目を、落語家の語るはなしに合わせてあえて映像化。完璧なアテブリ芝居をかぶせてみたら…初心者でも楽しめる新たなエンタメが誕生しました!
詳細情報
番組内容
(1)「風呂敷」…亭主の留守に若い男を引き込んだ女房(野々すみ花)。急に亭主が帰ってきて、男を押し入れに隠したまま出せなくなり、町内の兄貴分(武井壮)に助けを求める…(2)「不動坊」…講釈師・不動坊火焔が急死した。残された女房は働き者の吉さんと結婚することになったが、長屋のひとり者連中(塚地武雅ら)はおさまらない!不動坊の幽霊(鈴木拓)を仕立てて…▽案内人・濱田岳による「現代版マクラ」も必見です。
出演者
【案内人】濱田岳,【出演】武井壮,野々すみ花,塚地武雅,鈴木拓,泉春花,古今亭菊志ん,林家たい平,【語り】落合隼亮