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セリフ書き起こし 情熱大陸【磯田道史/『武士の家計簿』の原作者“平成の司馬遼太郎”に密着!】 2017.01.22

学べば学ぶほど分かってくることがある
自分には知らないことが多すぎる
(磯田道史)何を作ってるかってね気になる…あっもう降りなきゃいけませんな
(スタッフ)ありそうですねあるんですよ
気鋭の歴史学者のシャツのサイズはMのようだ
世の中全然知らないといけないことがあって…
(スタッフ)ちょっと磯田さん後ろ…
(スタッフ)これ付いてました付いてた?ハハハハそうか…そうM寸源蔵島津…
家計簿や災害といったあまり語られることのない歴史に光を当て分かりやすく伝える語り口が人気を呼んでいる
歴史書としては異例のベストセラーとなった「武士の家計簿」は映画化され大ヒットを記録
「鯛じゃ鯛じゃ」「鯛じゃ鯛じゃ」「鯛じゃ鯛じゃ」「鯛じゃ鯛じゃ!」
去年公開されたこの映画も磯田の原作
江戸時代を生きた庶民の精神性の高さを世に問うた
「殿様に銭を貸し利息を頂く」

 

 

 


書くだけでなく歴史の語り部としてテレビの世界でも引っ張りだこ
そしてこの人歴史についてしゃべりだしたらとにかく止まらない
だからいいお節介ができるような人生を送る…の灯籠がありましてねはいこれがねすごい…大御所・家康様のため…これが…これを下って向こう側からダ〜ッとやって来た…で沓掛っていう所があったりするんですけどこの道ですよね光秀が信長を…あの坂を下りてず〜っと…
このあふれんばかりの知識を何のために世に伝えようとしているのか
異能の歴史学者の頭の中を追った
ここが磯田のホームグラウンドだ
准教授として研究生活を送っている
このあまりの汚さ…
去年4月静岡の大学から移ったばかり
部屋はまだ片づけきれていなかった
中には古文書とかもあって…こんなんどうすりゃって思うよねあっ…こういうねこれなんか福知山の米の値段じゃないですか
(スタッフ)へぇ〜こんなのどこから手に入れるんですか?これはね…もう30年ぐらい前ですけど
あらゆる時代の古文書を集め読み込むのが磯田の研究であり趣味でもある
あっこれ…誰かが撮ってますねこれ「希典」って書いてあるから…「二十五六日頃は零下…」零下ですよねこれ「十八度昨今も八度と申すところ日の出の時の温度にござそうろう」乃木希典って日の出の時に朝起きると気温を測ってじ〜っとその日を見るっていう几帳面な性格持ってたことが分かるねへぇ〜
膨大な資料が頭の中にインプットされている
あまりに細かいことを覚えているのにあぜんとさせられることもしばしば
(スタッフ)覚えたことを忘れちゃったりしないんですか?あんまり忘れにくくて時々…え〜っと一番驚いたのは…あっそうだ僕が小学校の時に…それですぐGoogleで…今やってもいいんですけど
実際に調べてみると…
かぶ漬けですよねこれこれ下を見ると「島根県松江市浜佐田町814」
確かに番地まで正確だった
多分ここで作られてた福神漬だったんでしょうねでもここに付けてたタグは忘れるわけですよね
(スタッフ)磯田さんそうですよねスケジュールとかよく忘れてらっしゃる忘れてますよね僕小学校の時自分の名前一時忘れて…数時間すっごい不安にとらわれたことあったんで
(スタッフ)僕も時々連絡取れなくて不安になる…そうですかいやそういうね…
京都市内で妻と2人の子供と暮らしている
この日はテレビ出演のため大阪へ
夕方のニュース番組に生出演する
(西)ご無沙汰しております西さんどうもよろしくお願いします生前退位のところはお任せで一応ポイントをまとめた…
この日のテーマは天皇の生前退位について
磯田が注目したのは三種の神器の行方
それは特例で…特例で恐らく制度を作る贈与税に多分つけることになる
(番組スタッフ)磯田さん入られます
最近は平成の司馬太郎と呼ばれることもある
だが学会という場所が磯田の本籍地
テレビにばかりに出て学者としての本業を疎かにしているのではないか…という声もある
テレビであろうが映画であろうが何であろうが直接的・間接的な手段で関わるものであれば何でもやるとこの問題やっぱり直視したいですよね私はね
歴史には今を生きる人々の悩みを解決するヒントが詰まっている
それを伝えるのが自分の使命だと考えている
この町に今磯田が最も興味を持って取り組んでいる研究対象があるという
東海道の宿場町の風情が残る…
老舗の和菓子屋へ
ここを訪れるのは2回目だ
服部さんお邪魔しますこんにちは…ようこそいえいえありがとうございますまた会えてうれしいです
ご当主の…
伊賀忍者の末えいだという
忍者の実態を調べ本を書くつもりだ
服部家に残る膨大な量の古文書の中にはまだ世に出ていない資料が山ほどあるという
すごいでしょ古文書だらけなんですよこのお家はそうだよねそんな被害が出たようなこと…ふ〜ん…
珍しく黙り込んだ
磯田の目に留まったのは服部家の先祖が織田信長と戦った記録
「左京亮ならびに嫡子・源六とも討ち死にす」だからこの当時の…ところがここからが…
このあとに服部家が存続した秘話が記されていた
ここの…服部武郎わずか…そのとおりの出来事がやっぱりここの過去帳でも裏付けられるということがね
磯田がこの日見つけた古文書には徳川家の歴史を記した書物「三河物語」の記述を裏付ける事実が記されていた
貴重な発見だった
そういうのを見てあ〜っとやっぱりいろんなこと考えますね今はしがない菓子屋ですけど…しがなくはないでしょそれをやっぱり…ねぇ
時間を惜しむようにまだ見ていない古文書を見せてもらう
あ〜…
(服部さん)それをこの間段ボールから…出したんですか
(服部さん)はいホントだホントだこれ…ホントだ忍び戦のこと書いてある忍者介護でやめるんですよ親の介護でやめたと書いてある面白えな「その節トウチジロウエモンは20年以前に病死していたので在所に土地よりそうろう母ござそうろう」「心もとなく存じそうろうにつき母介抱のため在所へまかり上り手作りなどまかりこれありそうろう」要するに農業をやったっていうことですねリアルだね・一緒ですね今と今と同じだね…忍者も介護でやめたりとかするんだね忍者の介護って初めて見たな俺でも切実な悩みなんだろうね母を思う忍者の気持ちそうですねまずここから
この日また歴史が生まれた
それは社会に一体何をもたらすのか
磯田は言う
1970年岡山の武家の家系に生まれた
歴史学者はどうやって出来上がったのか
そう何かこれを通ってね子供の頃行くとね過去へ入っていくトンネルみたいでねタイムマシンの中をね走るみたいにこうやってたんですよお〜くわいの原となりにけるかなこれはちょっと探せないなどうしようこんなに水になって…あっ台風のあとだからか
磯田少年が特に夢中になったのが土器探し
なぜか古いものに惹かれる子供だった
んっ?あっつかっちゃったちょっと…違うかな〜違った違う…残念あ〜そうかダメかあ〜あこんなになっちゃった
夢中になると周囲が見えなくなる
それは40年経った今も変わらない
そうか残念だな今日は僕の家ここなんですお〜自分のとこが一番あるかもどうぞこんにちは
(スタッフ)お邪魔いたしますよろしくお願いいたしますどうぞどうぞうちはいつでもOKです
お母さんそっちのけでまだ土器を探していた
それでここにも何か…そうそうさっきの…いっぱいいろいろ出てきて
子供の頃に集めた石のコレクション
あっこれもね…これはねこれ1個手に入れるのが大変だったんですよあのね黒曜石って西日本にあんまりないんすよ大分の姫島だったかあと僕の近くだと隠岐島にしかないんですよ…でその天然の石器に使われる天然ガラスの黒曜石を求めて…
やっぱりしゃべりだしたら止まらない
母の目には小学生の頃の磯田が映っていた
先生は理解できないから小学校1年2年3年の先生はこの人のことを目の敵にして連絡帳書くまで帰しません言われても…もう口はすごいんですよ遠足とか行くと先生が驚くできない子だと思ってると…
(スタッフ)平仮名書けないのに…
好奇心が強すぎてケガばかりしていた息子に母が言った言葉がある
それであなた…この人難しいこと言うと聞くんです…っていう言うたらこうして聞いて「論語」じゃないですかはいそれで…「お母さん体が丈夫でなく生まれた人に対して失礼よ」…って言ったんですよ小学校1年で私はもうびっくりして…
武器とお城が何より好きな少年に運命的な出会いが訪れる
岡山・鴨方藩士だった磯田家に残る古文書
文字が整然と並ぶさまに心奪われたという
専門の辞書を買い古い文字を片っ端から覚えていった
古文書を読めるということは昔のあらゆる漢字のパターンを記憶しているということなのだ
可能の「可」なんかものすごい崩すよなこう書いてるものがこうなっちゃっても可能の「可」でありこうだし…あるいはもう点打つだけとかもあるもんね問題はつながりなんですな「右の当酉のお年貢皆済の事」っていうのをこう…
こんな文書を新聞を読むのと同じ早さで読めるという
高校を卒業する頃には既に一線級の学者レベルになっていた
大学時代は図書館で古文書をはじめあらゆる本を貪るように読んだ
集中し過ぎて食べるのを忘れて倒れ救急車で運ばれたこともあった
友人たちとの会食に向かう
気になったのは運転手さんの名字
小河原さんと読むんですか
(小河原さん)彦根ですへぇ〜彦根ですか
(小河原さん)生まれは普通はねこの名前長野県とかそっちの甲信地方の名前なんでその辺のお侍さんが召し抱えられて行かないかぎりあるいは今工場か何か勤めたり会社に勤めて移動しないかぎり彦根にはいないんですよ
名字にも詳しい
じゃあ小学校は塩谷小じゃ…
(小河原さん)あっ塩谷小学校ですやっぱり塩谷小なんだ恐ろしい記憶力でしょ赤穂の中心部の小学生が通う小学校とかバ〜ッて地図があるんですよもう日本中の情報にあふれてるいかなる書物よりいいんですよタクシーってのは
博覧強記とはこういう人のことをいうのだろうか
ごめんくださいあっありがとうございます
友人の脳科学者中野信子さんとお互いの友達を紹介し合う約束をしていた
乾杯!
(一同)乾杯!
ファッションデザイナーの宮前義之さんとは初対面
(宮前さん)学校帰ってきたら何かそこでこう1人で…暗くなるまで漫画読んでたりとか最高の時間でした
(中野さん)すばらしい!その時ですか…
「類は友を呼ぶ」
各界の著名人は変わった子だった人が多いようだ
(中野さん)磯田さんの特徴は…
こうした交流があるからこそ無機質な歴史の記述を生き生きと語れるのだ
自宅の書斎
忍者のことをいよいよ書き始めた
ここ数年集め続けている忍者の資料をまとめていく
いつの日か書籍として発表したい
やっぱり…これも珍しい本でね「加藤左馬殿百物語」っていって戦闘マニュアルなんですよ戦国大名の「忍びのことはさまざまのシナ多し…」シナっていうのは種類があるっていうことですけどいろんなことがあると「その道を知ったる者に尋ねるべし」と書いてあるから大名クラス高級指揮官ぐらいになるとやっぱり忍者のことって秘密にされてるから本人たちに聞くしかないよって書いてるんですね忍者ってどういうふうに入ってくるかってことが…「さらりと何の気遣いもなきようにあくるものなり」知らん顔して…いわゆるよくあるじゃないコントとかでデデッデデッデデッデデッ…ジッジッとかってこうやってやるっていうようなやり方はしないス〜ッとやって来て前から住んでるような顔してスッと開けるもんだよ家康の北部戦線で関ヶ原の時に…
歴史学者・磯田道史
このあと30分間しゃべり続けた
あいつらは下手くそだから忍びを放っても捕まって大手門の前にはりつけになってたけど…
リチャード・ギアも認めた作曲家
作曲家の日常は美学に貫かれていた
まるで求道者のごとく
2017/01/22(日) 23:15〜23:45
MBS毎日放送
情熱大陸【磯田道史/『武士の家計簿』の原作者“平成の司馬遼太郎”に密着!】[字]

歴史学者/磯田道史▽映画『殿、利息でござる!』の原作でもある異能の歴史学者のキテレツ生活。新たなテーマは“忍者”!?古文書解読で新説が…?独自の新歴史観に注目!

詳細情報
番組内容
深い時代考察を元に徹底した生活者の視点で激動期の人物を魅力的に描き出す手腕が高く評価され“平成の司馬遼太郎”と呼ばれる46歳。メディアで引っ張りだこの彼が今、取り組んでいるのが“忍者”の研究だ。戦国時代、覇権争いを繰り返す大名にとって欠くことのできない、その生活実態を伝えることは現代社会に何をもたらすのか。「歴史とは、過去と現在のキャッチボールである」と語る異能の歴史学者、博覧強記ぶりの秘密に迫る
プロフィール
【歴史学者/磯田道史】
1970年岡山生まれ。実家が鴨方藩重臣の家系だったことから、幼い頃より古文書に興味を持つ。静岡文化芸術大学教授を経て、現在 国際日本文化研究センター(京都市)准教授。ベストセラーとなった「武士の家計簿「加賀藩御算用者」の幕末維新」で2003年新潮ドキュメント賞受賞。他に「天災から日本史を読みなおす」「徳川がつくった先進国日本」など著書多数。京都市在住の46歳、2児の父。
 
制作
【製作著作】MBS(毎日放送)
【制作協力】ネツゲン