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字幕書き起こし NHKスペシャル「見えない“貧困”〜未来を奪われる子どもたち〜」 2017.02.12

「NHKスペシャル」。
今日のテーマは「見えない貧困」です。
徹底して見えない貧困を解き明かします。
今子どもたちに見えない貧困が広がっています。
千葉県内の公立高校。
一見どこにでもいる生徒たち。
しかし生徒にアンケート調査を行ったところ教師たちにも見えていなかった実態が浮かび上がってきました。
アルバイトをしている生徒の半数以上がその理由を「生活費のため」と答えたのです。
この高校2年生の女子生徒もその一人です。
非正規の仕事をする母親を助けるために2つのアルバイトを掛け持ちしています。
ありがとうございます。
働きづめの日々です。

 

 

 


スマートフォンを手に着飾って街を行き交う子どもたち。
今日本ではこの中の6人に1人が貧困状態に置かれています。
しかし子どもたちが具体的にどのような困難に直面しているのかほとんど分かっていませんでした。
今各地の自治体では貧困状態にある家庭の中の細かい状況まで聞き取るこれまでにない調査を始めています。
小学5年生の女の子です。
小学生になってからお下がりばかりで新しい服を買ってもらった事がありません。
働く母親に代わって毎日家事をしています。
中学3年生の男子生徒。
塾や習い事に通えず高校進学後に部活動を続ける事も諦めたといいます。
調査からは子どもが当たり前に持っているはずの物人とのつながり教育の機会などが奪われている事が分かりました。
私たちは子どもたちの未来のために何をしなければならないのか考えていきます。
日本の子どもの6人に1人が貧困状態にあるとよくいわれるんですけども実は具体的にどんな状況に置かれているのかっていうのは分かっていない。
つまり見えてこなかったんですよね。
今実はいわれている貧困というのは相対的貧困という事なんですがこれ聞いた事ありますか?聞いた事なかったですね。
この相対的貧困というのはどんなものなんでしょう?その人が暮らしている社会の普通の生活水準と比較して下回っている状態の事を言うんですよね。
その水準というのは国ですとか地域ですとかあるいは時代によっても異なるのでだから絶対的ではなくて相対的という事なんですね。
具体的にこれどんな数字かといいますと収入の少ない人から収入の多い人までこうやって並べていってその真ん中の人ですね。
この人の収入を基準にしてその半分より以下。
相対的貧困の水準としてこのラインよりも下の人が貧困層という事ですね。
6人に1人ですか。
日本の場合には6人に1人が貧困状態にあるという事なんです。
これ年収だとどれぐらいになるんですかね?実際の金額にするとこうですね。
基準となる1人世帯の場合には122万円。
そして両親と子ども2人の場合には244万円というのが基準です。
月収にこれをすると20万円。
月額およそ20万円以下だと貧困状態だという事なんです。
20万円というふうに聞くとギリギリどうにか生活できるんではないかなというのも少し思ってしまうんですけども。
そうですね。
そう思いますよね。
ただ困っている人というのは現実にいる訳なんですよね。
だからこそこれ見えない貧困というふうにいわれているという事なんですね。
しっかりこれを調査して子どもたちが具体的にじゃあ何に困っているのかこれを可視化しよう。
つまり見えなかったものを見えるようにしようというこういう実態調査が全国の自治体で今年度初めて行われている大規模な調査。
これは大事ですよね。
そうなんですよね。
国の補助金で行われているものだけに限ってみても62の自治体で調査が行われて今次々に結果が分かってきてるという事なんですね。
その中でも最も規模の大きい調査を行っているのがこの大阪府なんですね。
今年1月大阪で実態調査の中間報告が行われました。
回答したのは全市町村の小中学生と保護者およそ5万世帯。
全国最大規模の調査です。
世帯の手取り収入の中央値の半分未満。
相対的貧困にあたる困窮度1の世帯は今回の調査では12.3%に上りました。
この調査では生活の実態を明らかにするために新たな指標が使われました。
剥奪指標です。
経済状況が標準的な家庭と比べ貧困状態に置かれた子どもたちは何を奪われているのか調べました。
およそ200の質問項目から剥奪状況を調査。
見えない貧困の実態が初めて浮かび上がってきました。
「病院に行かせる事ができない」という指標では標準的な世帯が0.6%に対し困窮度1の家庭は7.7%。
困窮度1の家庭が高くなっていました。
(一同)頂きます。
関西地方に暮らす母子家庭の4人家族。
高校生の長女中学生の長男小学生の次女そして母親の陽子さんです。
週に5日病院でパートをしている陽子さんの収入は月におよそ14万円。
児童扶養手当などを含めても相対的貧困の状態です。
家賃や光熱費などを引くとほとんど手元に残りません。
一見不自由なく見える暮らし。
しかし家具や家電ピアノなどほとんどが譲ってもらったものだといいます。
中学3年生の彰くんが持っている運動靴は一足のみです。
中学校の制服は3年間姉のお下がりで通しました。
子どもに新しい服や靴を買えないという家庭は困窮度1で27.6%。
その一方スマートフォンやタブレット機器は困窮度1の家庭の子どもの61.5%が持っていて標準的な家庭を上回っていました。
高校3年生の姉の舞さん。
iPhone5S。
中学3年生の時からスマートフォンを渡されています。
陽子さんはパートの仕事でほとんど家にいません。
スマートフォンは母親が子どもの安全を確認するためのライフラインになっているといいます。
調査からはある傾向が浮かび上がりました。
ゲーム機自転車テレビ。
子ども同士のつきあいやコミュニケーションに欠かせないものについてはほとんど違いはありませんでした。
その一方で彰くんは本をほとんど買ってもらった事がありません。
子どもの知識を深めるために必要な本。
困窮度1では29%が購入していないと回答しました。
更に部活動で使う運動用具。
これも28.3%の家庭が購入を控えていました。
彰くんは中学校の3年間バスケットボール部でキャプテンとして活躍してきました。
しかし高校で続ける事は諦めました。
彰くんは家庭の経済的な事情を友達に話した事はないと言います。
放課後同級生と遊ぶ事もなくすぐに家に帰ります。
朝早くから夜遅くまで働く母親に代わって家事をするためです。
家族4人分の洗濯。
しかしなつみさんは小学校に入ってから新しい服を買ってもらった事はありません。
今回の調査では子どもたちから奪われているのが物だけではない事が分かってきました。
人とのつながりの剥奪です。
家族や人とのつながりは子どもたちがこの社会で生きていくために必要な土台です。
学校から帰っても家に親がいない子どもは標準的な家庭が37.7%なのに対し相対的貧困にあたる困窮度1の家庭で50.1%。
親子の大切な思い出になる家族旅行に行けないと答えた世帯は困窮度1で46.2%に上ります。
なつみさんの母親が帰ってくるのは夜7時ごろ。
それまで兄の小学6年生の大樹くんと子どもだけの時間が続きます。
母親の真弓さんは日中の仕事と宿直の仕事を掛け持ちして子どもたちを育てています。
真弓さんの収入は手当を入れて月におよそ20万円。
見て見て見て。
大樹くんが書いてくれた置き手紙を写真に撮っていつも持ち歩いています。
戸建ての住宅は亡くなった父親が買ったものです。
病気の母親への仕送りもしているため一日の食費を家族全員で1,000円ほどに抑えています。
お金や時間を家族旅行に使う余裕もありません。
外からは見えにくい物や人とのつながりの剥奪。
最も深刻なのが子どもの成長にとって不可欠な教育や経験の剥奪です。
困窮度1で学習塾や習い事に通わせる事ができない家庭はそれぞれ30%以上です。
更には誕生日を祝えない学校行事に参加できない家庭も標準世帯の10倍以上。
子どもにとってごく普通の経験も失われている事が分かってきました。
なつみさんたちも塾や習い事に通いたいと考えています。
しかし母親の真弓さんは子どもの将来について考える余裕はないと言います。
夜9時。
真弓さんが再び宿直の仕事に出かける時間です。
母親が帰るのは翌朝7時。
この日も子どもたちだけで眠りにつきます。
大規模調査から見えてきたのは子どもたちの未来が奪われかねない現実でした。
見えない貧困は見えないようにしているんですよね。
私自身も母子家庭なのですごく分かる事がたくさんあったんですけども。
本当に子どもながらに我慢を知らない間に覚えてしまうんですよ。
中学校に行く前に中学校の運動会に行くと前の子が使っていた制服も売ってるんですよね安く。
そこで手に入れて入学式の時に着ていくんですけどやっぱりブレザーとかもここの名前の刺しゅうが違ったりとかするんですけど。
まあ開かなければ見えない。
ちょっと肩幅広くてもバレないっていう我慢を覚えてしまうっていうのすごく今ふと思い出しました。
宮本さんどうでしょう?お母さんも言ってらしたんだけれども仕事の厳しさそれからお金がない事それから時間のなさね。
この3つですね。
この3つっていうのはとてもよく重なってるというふうに的確に表現されてたんだけれどもそういう親たちが日々暮らしをしていると子どもに言葉がけをしたり「お前はかわいい子で頑張れよ」って言うような余裕って失うんですよね。
その辺りのところは貧困っていう問題の奥深さといいますかね単にお金がないという問題でない重要なポイントではないかと思いますよね。
大阪の実態調査でも人とのつながりや教育の機会を失う事で子どもたちが健全に成長する環境が剥奪される事が分かってきました。
経済的な側面にとどまらない貧困問題の根深さです。
村尾さん今の調査で多分具体的に貧困状態に置かれた子どもの状況というの分かってきたような気もするんですけれども。
結構僕も一緒で実は私も小学校6年生の時に母親を亡くしていて僕は父子家庭で育ったんですね。
今思うとお父さんやお母さんやそういった親や大人と一緒に過ごしたかった夜の時間が独りで過ごさなきゃいけない。
そうですね。
本当にお母さんだったりお父さん頑張ってくれてる事は子どもながらにすごく分かるので何か甘えちゃいけないなとか一緒にいてほしいっていうのを言っちゃいけないなというのを子どもながらに悟っちゃうんですよね。
こうした子どもたちの支援を進めようと実態調査を行ってきたのが東京の大田区なんです。
その調査結果からは当たり前の権利が奪われる事によって子どもの精神面にも深刻な影響を及ぼしているという事が分かってきました。
大田区では区立小学校に通う全ての5年生とその保護者を対象に剥奪指標を用いた調査を実施。
およそ3,500世帯から回答を得ました。
子どもが当たり前に持っているはずの物や経験14項目を選び経済的理由で3つ以上剥奪されている世帯を支援の対象としました。
更に剥奪が子どもの心にどのような影響を及ぼすかも詳しく調べました。
区が支援が必要だとした世帯は21%に上りました。
中には相対的貧困にはあたらない子どもも含まれていました。
調査に答えた親子です。
両親はどちらも非正規の仕事をしています。
14項目の剥奪指標のうち新しい服や靴を買う事毎月おこづかいを渡す事など4つができないと回答しました。
物流倉庫で夜勤の仕事をしている夫は腎臓の病気で入院を余儀なくされる事もあります。
そのため仕事ができず収入が夫婦合わせて20万円程度の月もあり不安定な生活です。
医療費がかさみ借金せざるをえない時もありました。
国民健康保険の保険料も滞納しています。
子どもの心の調査からは物や経験などの剥奪が子どもから自己肯定感を失わせている事が明らかになりました。
「頑張れば報われると思うか」という質問に対し区が支援が必要だとした子どものうち23.7%が「そう思わない」と答えました。
更に「自分は価値がある人間だと思うか」についてはその半数近くが「そう思わない」と答えたのです。
修くんは忙しい両親に遠慮して自分のしたい事や言いたい事を我慢する事が多いと言います。
「頑張れば報われる」「自分は価値のある人間だと思うか」という問いには「そう思わない」と答えました。
いや〜苦しいですね。
自分の将来が楽しみとはなかなか言えないなっていうふうに子どもが思わず言ってしまうっていう。
本当にインタビューに答えたお子さんがすごく発言が大人びてましたよね。
もっと子どもらしくいていいんですけどもどうしてもやっぱり親が苦しい状態にあると何で自分はお父さんとかお母さんの力になってあげれないんだろうっていう苦しさがすごくあるなっていうのは思いましたね。
私もやっぱり母がそうなった時に早く家庭にお金を入れたいって思いましたけどそれは難しい。
じゃあどうしたらいいのか分からないっていう。
未来をもうちょっとね希望あるものにするためにはやっぱりある程度環境も必要じゃないですか。
夢を見れる環境が必要なんですけど今のVTR見てるとそこがやっぱりちょっと足りないというか苦しい状況だなと思いましたね。
湯澤さんこの背景を含めた現状をどういうふうにご覧になりますか?就職氷河期といわれた世代がいますがそこがまた今親御さんの世代になっているという中でやはりもう自助努力とか自分で頑張んなきゃいけないっていう価値観この日本の中ですごく強いですけれども自助努力の限界だと私はつくづく本当に思います。
これはもう個人の頑張りを超えていますね。
非正規で稼ごうと思ったら夜間の方が時給は高い。
でもそれは子どものために頑張っているのに子どもと過ごす時間子どもをケアする時間が奪われるっていう負のスパイラルの中に置かれると保護者の方も経済的なストレスってすごくあると思うんです。
で親の余裕のなさというのが来てるという事が分かったんですけども実は親世代の状況を生み出しているのが雇用関係雇用環境の悪化といいますかよくないという事だと思うんです。
で平均給与を見てみますとここ数年は回復傾向にはあるんですけれどもそれでも420万円前後で推移していると。
従来は基本的に大企業正社員が給料をもらうとそこに全部付加給付といいますか住宅手当もあり配偶者手当家族手当がありですね医療保険制度も全部あると。
だからそれで家族がもち子どもがちゃんと教育を受けられたんですけれども今後はたとえ非正規雇用であろうともですね今のような全くの無権利状態裸の状態のまま放り出されるというような事はあってはならないと。
こちらご覧下さい。
夫婦と子ども1人の世帯で見た場合ですが子どもにかかる費用は小学校中学校とこのように高くなって高校生になると月平均およそ8万円くらいになる訳なんですね。
でこうした負担を全て親に頼れずに高校生がアルバイトで家計を支えるというこういう実態が分かってきました。
私たちは千葉県の高校で行われた調査に注目しました。
千葉県内の16校が生徒のアルバイトの実態について行ったアンケート調査です。
およそ2,500人から回答がありました。
アンケートからは高校生がアルバイトで家計を支えている実態が見えてきました。
アルバイトをしている人のうち週4日以上働いている人は半数近く。
平日4時間以上働いている人も半数近くに及んでいます。
調査を分析した…アルバイトの収入がある事で高校生の生活の厳しさが見えにくくなっていると指摘します。
学校では友達と明るく過ごし悩みがないように見える…アンケートの自由記述欄には「働く事が多くて少ししんどいです」と書いていました。
高校入学と同時にアルバイトを始めた理恵さん。
休日は朝7時から働きます。
いらっしゃいませ。
こんにちは。
休日は1日8時間平日は4時間働きます。
シングルマザーの母親の収入は手当も含めておよそ月18万円。
理恵さんはそれには頼らず自分で生活費を賄っています。
アルバイト代は月におよそ7万円。
生活費や通学費用更に進学のための積み立てに充てています。
理恵さんの収入を合わせると世帯収入は25万円近くです。
アルバイト代が家計の支えになっているのです。
高校のアンケート調査で働く目的を聞いたところ生活費のためと答えた人が51%。
更に進学費用のためが18%に上りました。
ファミリーレストランでの仕事を終えるとすぐに次のアルバイト先へ向かいます。
コンビニのアルバイトを掛け持ちしているのです。
働きづめの週末が終わり迎えた月曜日。
疲れがたまり学校を休む事も増えました。
アルバイトをしている生徒のうち「学校をやめたくなるほど悩んだ事がある」と回答した人は31%に上っています。
理恵さんの担任は今回のアンケート調査を行うまで生徒たちの実情は分からなかったと言います。
間もなく高校3年生になる理恵さん。
今の一番の悩みが進路の選択です。
理恵さんは専門学校や大学に進学したいとアルバイト代をためています。
しかしその貯金だけでは進学する事はできないと言います。
アンケートでは「進学費用をどう払うか」という質問に対し親が全てを払えずアルバイト代や奨学金で賄うという人が半数を超えました。
今2人に1人が奨学金を借りて大学に進学しています。
奨学金の借り方や返済のしかたまで教える高校もあります。
大学進学を目指している高校3年生の真央さんです。
英語の教師になりたい真央さん。
成績は学年トップクラスです。
真央さんは両親と3人暮らし。
高齢の父親は定年退職していますが年金があるため相対的貧困にはあたりません。
しかし住宅ローンの返済などで余裕がありません。
パート収入で家計をやりくりしている母親に負担はかけられないと思っています。
決定通知書と…。
進学費用は親に頼らず奨学金を借りる事にしました。
しかし奨学金を借りても進学が危ぶまれる事態に直面していました。
受験まで2か月を切ったこの日。
真央さんは進路を相談するために先生を訪ねました。
この時問題となったのが入学金など78万円。
奨学金の支給が始まる前に払わなければなりません。
真央さんは教育ローンを借りるしかないと説明されました。
やっぱしんどいよな。
じゃあね。
失礼しました。
気を付けてね。
しんどい状況ですねちょっとね。
そんなところがあります。
今社会への入り口で子どもたちが大きな負担を背負わされている現実が見えてきました。
世代的にも近い訳で高橋さんどうご覧になりました?そのさきざきの返済できるのかどうなのかも不透明なところに「やります」「お金借ります」っていうジャッジを求められるっていうのはかなり厳しいなっていうのはすごく思いました。
子どもの相対的貧困というのを仮に放置したりした場合ですけどもこんな数字があります。
そうなると進学率が下がっていってそうすると非正規雇用にしか就けなくなる。
そうすると多くの人たちの収入が減っていく訳ですから結果的にですね42.9兆円というこういう数字の社会的な損失になるというこういう試算も出ているんですよね。
すごい数ですよね。
数値ですね。
このまま放置しているとこういう事になるおそれがあるという。
本当にだから一人一人の問題っていうよりも社会で本当に考えていかなければいけない問題ですね。
大事なのはこの実態調査をきちんと分析してそれを対策に生かすという事が大事ですよね。
自治体でできる事自治体だからこそできる事早期予防とか発見とかそういう事もありますが国でなければできない事というのは明確にありますからそこを税制や社会保障や雇用の問題もそうですしそこを何も手付かずで子どもの貧困対策というふうになった時にはやはり傷が出来た所にばんそうこうを貼るというような事で終わってしまうという側面もありますから両輪で進めていかなきゃいけない。
親がどうであれですねどんな子であれ教育保障っていう事がこの社会をもたせるためには重要だという事をみんなが感ずる事。
そして社会資源をそのために投入するっていう合意にたってですねやるという事を是非ここでもっとこうあれですよね力を入れる段階にあるんだと思いますよね。
村尾さん若者の一人としてもこういう実態を放置せずに改善するにはどうしたらいいっていうふうに思いますか?よくやっぱり今自立が大事だと。
本当に大事だと思うんですけどでも僕そういうふうに今の子どもたちの置かれてる環境って僕自立じゃなくて孤立を生み出していくんじゃないのかなっていうのをすごく感じますよね。
孤立ですか。
声を上げられない。
助けを求めない。
じゃあ実際に子どもが声を上げようとすると例えばネット上でバッシングを受けたりするという事が…。
しんどいって事を言ってる事に対してやっぱり寄り添うっていうのか大事にしていってほしい。
子どもたちの声をやっぱりつぶさないって事が大事なのかなっていうふうに…。
私10年以上貧困をテーマにした番組にずっと関わってきたという事があるんですけど子どもの貧困をそのままにしていくと次の将来未来にわたる貧困とも関わってくる訳ですからその意味ではここを突破口にして貧困の問題全体を俯瞰して考えるというところまでトータルに考えるというこういう事が重要なんじゃないかっていう気がしますけどね。
高橋さんどうですか?そうですね世間の…一般的に見るとどうしても手を挙げて厳しいですっていうところに国自体も目を向けて助けようと…目に見えるものを助けようとしますけどやはり声を上げれず苦しんでる人たちもいるんだっていうのを改めて感じました。
…が確実にあるんじゃないかと。
そしてそれを守るのは国なんじゃないかなっていうふうに思いました。
この番組を本当に一人でも多くの方に見て頂いて何か感じて頂けたらうれしいなっていうふうに思います。
今回の取材で私たちが出会った子どもたちの声です。
「同じ高校生でも見ている世界や将来の夢はさまざまです。
しかしその100通りの違いが格差であってはいけない」。
「本当にやりたい事が奪われるのってどうなんだろう。
すごい不安になる。
学費の問題で苦しんだりだとか本当に想像したくなくなってくるぐらい怖い」。
「兄と自分とお母さんでみんなで泣きながら寝たりした日々送ってたんですけど。
自分がそんな立場だからこそ社会に訴えて貧困問題とかも自分から自ら取り組んでこんな社会こんなクソみたいな社会変えてやりたいって思ってて」。
「オリンピックとか高齢化とかそんなところには目が行くのに実際支えていくこういう高校生とかが苦しい現状に…ちゃんと目が行ってますかって。
もっと見てほしい」。
2017/02/12(日) 21:00〜21:50
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル「見えない“貧困”〜未来を奪われる子どもたち〜」[字]

子どもの6人に1人が「相対的貧困」と言われる日本。しかし具体的に何に困っているのか見えていない。自治体による新たな大規模調査から「見えない貧困」の実像に迫る。

詳細情報
番組内容
子どもの6人に1人が「相対的貧困」と言われる日本。しかし、具体的に何に困り、どういった支援が必要なのか明らかにされてこなかった。今年度、自治体や国が初めて大規模調査を実施。調査から「新しい服が買えない」「アルバイトで家計を支えている」など具体的な状況が初めて可視化された。「見えない貧困」の実像に迫り、子どもたちにどのような支援が必要なのか、解決の道筋を探る。
出演者
【司会】高橋みなみ,鎌田靖