(丸尾)ズバリご注目!ちびまる子ちゃんが始まるでしょう。
(友蔵)ハア…。
佐々木さんが入院して2週間か。
大変なことを頼まれてしまったわい。
(まる子)お母さん200円ちょうだい。
(すみれ)何買うの?
(まる子)えっ?何だっていいじゃん。
200円くらいちょうだいよ。
駄目。
いいじゃん。
駄目。
何を買うのかちゃんと言ったらあげるけど言わなきゃ駄目。
紙芝居屋さんでくじ引いたりお菓子買うからちょうだい。
駄目。
あっ!嘘つき!ちゃんと言ったらくれるって言ったのに。
言ったのにくれないなんて嘘つきじゃん!言やあいいってもんじゃないの。
無駄遣いにあげるお金はないよ。
あんた毎日30円もらってるでしょ。
そのお小遣いでやりくりしなさい。
一日30円じゃ足りないよ。
くじ1回で終わっちゃうじゃん。
くじなんて1回引きゃあ十分でしょ?そんなに何回も引かなくていいの。
ケチ!ケチで結構。
あんたに気前良くしてたらうちがつぶれるよ。
ふんだ!いいもん。
おじいちゃんにもらうから〜。
駄目!すぐにおじいちゃんおじいちゃんってあんたのためにおじいちゃんはいるんじゃないのよ。
違うもん!まる子のためにいるんだもん!何言ってんの?じゃあ他に誰のためにいると思う?え…。
ほらごらん。
言えないじゃん。
おじいちゃんはねまる子のためにいるんだよ。
おじいちゃんも自分でそう言ってるんだから。
まあ…!とにかく駄目だよ!おじいちゃんは駄目!・
(友蔵)わし駄目…?駄目?
(すみれ)いえ駄目じゃなくてね…。
駄目じゃなくて何?駄目じゃなくていいんだけど…。
いいって言ったね。
おじいちゃん行こう。
(すみれ)こらまる子!まったくもう…。
おじいちゃん200円ちょうだい。
200円?いいともあげるよ。
わーい!わーい!
(友蔵)200円じゃ少ないから300円あげるよ。
わーい!おじいちゃん大好き!わしもまる子が大好き!
(まる子・友蔵)・「おじいちゃんとまる子は世界一の仲良しさ」・「2人は幸せラララどこへ行くにも」・「いつでも一緒」まる子といえばおじいちゃん。
おじいちゃんといえばまる子。
(まる子・友蔵)・「オーイエーオーイエー」・「2人は仲良し」いってきまーす。
おじいちゃん。
(友蔵)何じゃ?まる子にお金あげたでしょ?おおあげたよ。
それがどうかしたかい?すいません。
(友蔵)いいんじゃいいんじゃ。
わしゃまる子のためならいくらでもあげるよ。
あの…。
何じゃ?お母さんも欲しいのかい?いえ…。
実はまる子のことで。
何じゃ?まる子がどうかしたかい?ええ。
あの子おじいちゃんに頼めば何でもしてもらえると思っているから。
そうじゃよ。
わしゃまる子のためなら何でもするよ。
それがよくないと思うんですよ。
何で?わし駄目?いえ…。
駄目とかそういうんじゃないんですけど。
まる子のためによくないと思うんです。
ええっ!?
(すみれ)このままおじいちゃんに頼めばすぐ思いどおりになるって癖がついたらあの子大人になってもわがままになったり欲しいものは簡単に手に入ると思い込んだりする人になったら困るんですよ。
そうか…。
わしは…わしはこのままではまる子を駄目にしてしまうのか。
ええ。
前にもおじいちゃんにこんな話をしたことがあったけれどおじいちゃん直らなかったでしょ。
うん…。
わしは前にも一度まる子に厳しくしようとしたけれどどうしてもまる子がかわいくて…。
厳しくなんて…できんよー!おじいちゃんまる子をかわいがってくれるのは本当にありがたいことで私もうれしいんですけれど甘やかすのはまる子のためによくないから。
分かった分かったぞ。
まる子のことを本当にカワイイと思うのならちゃんと厳しくした方がいいのう。
おじいちゃん…。
(友蔵)うんうん。
(さきこ)お母さんあしたノートを買いたいんだ。
お金ちょうだい。
何のノートなの?
(さきこ)算数だよ。
はい。
(さきこ)ありがとう。
あたしもノート買うからお金ちょうだい。
何のノートよ?漢字のノートだよ。
嘘!ええっ!?あんたこの前も漢字のノートを買うって言うから100円あげたでしょ。
(ヒロシ)まる子!お前が悪いぞ。
親をだましてお金をもらおうなんて。
死んだら閻魔さまにケツぶったたかれて舌を引っこ抜かれて地獄に落ちるぞ。
ふんだ!みんなケチだね。
いいもん!うん?やけにあっさり引き下がったな。
あの子おじいちゃんにもらいにいくんじゃないの?あっそうかもね。
でも大丈夫よ。
おじいちゃん今日からまる子に厳しくするって言ってたから。
ホントかよ。
どうせまたまる子に丸め込まれるんじゃねえのか。
たぶんね。
おじいちゃん。
(友蔵)うん?何じゃい?あのさあしたノートを買いたいんだけど100円ちょうだい。
おおそうかい。
ちょっと待っとくれよ。
うん。
(おばあちゃん)おじいさんまる子に厳しくするって言ってたじゃありませんか。
それは無駄遣いのお金をあげたりしないってことじゃ。
今はまる子にノートのお金をあげるんだからいいんじゃよ。
はい100円。
わーいおじいちゃんありがとう。
ウフフフ…。
フフ。
フフフ…。
おじいちゃんまたまる子にお金をあげたでしょ。
うん。
まる子がノートを買うって言うもんじゃからの。
ほらなこのじいさんは簡単にだまされるんだ。
えっ!?わしだまされたのかい?そうよ。
ノートを買うなんて嘘ですよ。
ええーっ!?まる子のやつはどうしようもねえんだ。
このままでいったら将来詐欺師か泥棒になるぞ。
(友蔵)詐欺師か泥棒!?これからも気を付けてくださいね。
あいつはあの手この手でじいさんをだますかもしれないからな。
わしって駄目じゃのう。
すぐにまる子にだまされてしまって。
このままじゃまる子が詐欺師になってしまうよ。
まあそんなに深刻に悩むほどのことじゃないと思うけど…。
これからは気を付ける方がいいね。
(友蔵)うん。
翌朝
ああ…。
まる子遅いわよ。
さっさとご飯食べなさい。
いらない。
まる子!朝飯を食わないと力が出ないぞ。
早く食え。
何か今日は調子が悪いんだ。
お母さん学校休みたいから連絡してよ。
駄目。
あんたはすぐずる休みしたがるんだから。
そうだ!そうだ!調子が悪いのなんて学校に行きゃあ治る治る。
ぐだぐだ言ってねえでさっさと飯食って行っちまえ。
ホントに調子悪いんだってば。
何かだるいんだよ。
(すみれ・ヒロシ)駄目!お前は嘘ばっかりつくからな。
昨日だってじいさんだまして100円もらっただろ。
さあ早くご飯食べて行きなさい。
ううっ。
おじいちゃん…。
あ…。
おじいちゃんももうまる子のこと信じてくれないの?おじいちゃんもしまる子のことを信じてくれるんなら今日学校休むって連絡してお願い。
まる子…。
よしっ!わしが連絡してやるぞ!ホント?おじいちゃん。
(ヒロシ)じいさん駄目だ。
だってまる子が…まる子が!そうやって毎回だまされてるんだろ。
いいかげんに分かれ!まる子すまんのう!えっ。
わしも今回はまる子の頼みを聞いてやれんよ。
おじいちゃん…。
おじいちゃんもまる子のことを信じてくれないんだね。
(友蔵)すまん!おじいちゃん。
謝らなくていいのよ。
嘘をついてるまる子が悪いんだから。
(ヒロシ)そうだ!そうだ!ふんだ。
もういいもん。
もう学校行く。
まる子ー!おじいちゃん気にすることないから。
あ…。
後半へ続く
(友蔵)《わしはとうとうまる子に厳しくしてしまった…》《おじいちゃんもしまる子のことを信じてくれるんなら今日学校休むって連絡してお願い》
(友蔵)《ああ…あのときわしはまる子を信じてやらなかった》《ホントに信じてやらなくてもよかったんじゃろうか…》
(みまつや)ああさくらさん。
あっみまつやさんこんにちは。
佐々木さんの代わりに街路樹の手入れをするのも大変でしょう。
ええ。
佐々木さんは丁寧にやっていたからそれを維持するのは大変ですね。
でも佐々木さんは安心して入院しているようですよ。
さくらさんならきっとちゃんとやってくれているって。
そうですか…。
少しでも佐々木さんの役に立ててよかったです。
じゃあ頑張ってください。
(友蔵)はい。
まる子体は大丈夫かのう。
本当に調子が悪かったんじゃないのかのう…。
(ため息)
(たまえ)まるちゃん元気ないねえ。
どうかしたの?うん…。
何かけさからだるいんだ。
本当!?風邪ひいたんじゃないの?学校休めばよかったのに。
一応親にも言ったんだよ。
フッ…だけど誰も信じてくれなくてさ。
あたしが嘘を言ってずる休みしようとしてるって言われて…。
ええっ!ひどい。
まるちゃんが嘘つきだなんてそんなことないのに!たまちゃんそう言ってくれるのはたまちゃんだけだよ。
ククゥ…。
あたしゃねえこんなとぼけた顔しているからだますよりどっちかっていうとだまされる方だと思うかもしれないけど…。
うちん中じゃとんでもない嘘つきなんだ。
ええっ!それ本当!?ホントもホントだよ。
昨日だっておじいちゃんをだましてまんまと100円手に入れたんだ。
そんなことばっかり毎日してるよ。
えっ…。
ねっあたしってバカでしょ?いやバカっていうか…。
悪い女でしょ?いや悪い女なんてそりゃちょっとまた違うんじゃ…。
とうとうおじいちゃんにも見捨てられちゃったんだよ。
もうあたしの言うことなんて誰も信じちゃくれないんだよ。
トホホ…。
まるちゃん…。
何か頭痛くなってきたよ。
これも嘘ばっかりついてる罰かもね…。
何言ってるの。
まるちゃん保健室に行った方がいいよ。
おやさくらさん。
どうしたんですか?頭が痛いんだって。
何と!?頭痛ですか!それはいけませんね。
はいはい!皆さん静かにしてください!丸尾君みんな騒いでないよ。
一番騒いでるのあんただよ。
おお…私としたことがつい動転してしまいましてすみません。
さあさくらさんこの丸尾が学級委員としてあなたを保健室に連れていきましょう。
いいよたまちゃんと行くから。
ええっ!?
(たまえ)まるちゃん行こう。
うん。
(野口)あーあ。
(丸尾)えっ?
(野口)学級委員なんていざというときゃあんまり役に立たないもんだね。
ガーン!
(野口)クックックッ…。
(丸尾の泣き声)
(山根)丸尾君どうしたんだい?
(丸尾)私などいざというときに役に立たない学級委員なんです。
ウウウ〜…。
(山根)何でだい?たった今さくらさんが頭痛を起こしたのに私は一緒に保健室についていくことを断られてしまいました。
ウウウ〜…。
それなら他のことで役に立つように頑張ればいいじゃないか。
(丸尾)おお!何と前向きな意見でしょう。
山根君あなたは一見弱々しく地味な少年に見えますがその心はファイトでいっぱいでしょう。
そう言われると照れちゃうな。
だけど俺そうなんだ。
胃腸は弱いけれどファイトはあるんだ。
素晴らしい実に素晴らしいでしょう。
(野口)そんなに山根が素晴らしいのなら次の学級委員は山根がなるといいね。
クックックッ…。
(丸尾)ク〜…ウウウ…。
(丸尾の泣き声)
(山根)丸尾君しっかりしろよ。
何でもいいからとにかく役に立てよ。
はい私ももっと頑張ります。
(保健の先生)あらまあ!37度5分ね。
大したことないけどすぐにうちに帰ってお薬飲んで眠りなさい。
まるちゃん1人で帰れる?うん大丈夫だよ。
《ああ…ふらふらする…》《どうしよう…》・
(友蔵)あっ!まる子!うん?どうしたんじゃー!学校で熱が出て早引けしてきたんだ…。
まる子しっかりしろ!
(友蔵)《まる子すまん》《やっぱり本当に調子が悪かったんじゃな…》《それなのにわしは…くっ》《わしは分かってやれなかったんじゃ》《まる子がこんな目に遭ったのも…》《わしのせいじゃ〜!》
(すみれ)まさか本当に体の具合が悪かったなんてねえ。
まる子ごめんよ…おじいちゃんが悪かったんじゃ。
おじいちゃんが学校に連絡してあげればよかったんじゃ。
許しておくれ!いいんだよいつも嘘ばかり言っておじいちゃんをだましていた罰が当たったんだ。
全部まる子が悪いんだよ。
まる子…まる子は悪くないよ!まる子は全然悪くないんじゃよ!おじいちゃん…。
いつもおじいちゃんを困らせてばっかりでごめんね。
あたしついおじいちゃんに甘えちゃうんだ…。
それでおじいちゃんを困らせてばっかり…。
いいんじゃよ〜!まる子わしゃちっとも困っとらんよ。
いくらでも甘えておくれ。
わしゃいつだってまる子の味方なんじゃ。
誰が何て言ったってもう負けないぞ。
おじいちゃんは絶対まる子の味方じゃ。
おじいちゃん…。
おじいちゃんあたし元気になったらおじいちゃんと遊園地に行きたいなあ。
よし行こう行こう。
おじいちゃんと一緒にジェットコースターに乗るんだ。
(友蔵)うん…乗ろうなあ。
楽しいだろうねえ。
うん楽しいとも。
おじいちゃんとまる子はいつも楽しいに決まっているさ。
そうだねああ…早く元気になりたいな。
そうじゃよ。
早く元気になるんだよまる子。
うん。
(ヒロシ)何!?まる子のやつ本当に熱が出たのか?そうなのよ。
そんなに大したことはないのにおじいちゃんが…。
何?じいさんがどうした?まる子が熱を出したのも自分のせいだとか言っちゃって。
(すみれ)もう誰に注意されても自分はまる子の味方をするって言い張っちゃってるの。
(ヒロシ)何だよまた結局いつもどおりの甘やかしじじいに戻っちまったのか。
(すみれ)ええ…。
(ヒロシ)しょうがねえなああのじいさんも。
翌日
(山根)丸尾君。
(丸尾)はい何でしょう?あのさ君誰かの役に立ちたいって昨日言ってただろう?はい私は確かにそう言いましたが。
それならささくらのじいさんの手伝いをしたらどうだい?はあ?さくらさんのおじいさんが何かやっておられるのですか?うん今ね佐々木のじいさんがケガをして入院してるんだ。
佐々木のじいさんと申しますとあのいつも植木の世話をしてらっしゃる方ですね?そのじいさんとさくらさんのじいさんが何の関係があるというのですか?さくらのじいさんが佐々木のじいさんの入院中に代理で植木の世話をしているのさ。
おおそうなんですか。
それは大変ですね。
分かりました。
私がお手伝いに参りましょう。
昨日さくらさんを保健室に連れていってあげられなかった罪滅ぼしも兼ねてさくらさんのおじいさんのお手伝いをいたしましょう。
丸尾君頑張れよ。
(丸尾)はい!
(野口)山根君はいいアドバイスをするね。
丸尾君より優秀なんじゃないの?ガーン!
(野口)クックックッ…。
(丸尾の泣き声)
(山根)あっまあまあ。
エヘヘ…。
おおまる子元気になったかい。
うんもう大丈夫みたい。
よかったのう。
ねえおじいちゃん昨日の約束覚えてる?おお覚えてるとも元気になったら遊園地じゃ。
そうそう。
あのさもう元気になったから今から行こうよ。
えっ今から?病み上がりなのに?平気平気!お母さんに言ったら怒られるから2人でお医者さんに行くって嘘ついて行こうよ。
おじいちゃんよろしくお願いしますね。
ああちゃんと病院に行ってくるよ。
おじいちゃん行こう。
おう。
(まる子・友蔵)エヘヘ…。
(丸尾)おお!これはさくらさんとおじいさん。
今からどちらへ?病院じゃよ。
そうそう病院。
そうですか。
それはお大事に。
あの〜ところで私本日さくらさんのおじいさんの植木の世話の手伝いをさせていただこうと思って来たのですが…。
あっ!すっかり忘れとった。
ちょうどよかった。
あんたやっといておくれ。
えっ!私が1人でですか!?よろしくね。
さあ行こう。
ちょっと待ってくださ〜い!おじいちゃん佐々木のじいさんの代わりを丸尾君にやってもらえてよかったねえ。
おおよかったのう。
(友蔵)《わしゃ佐々木のじいさんより何よりまる子なんじゃ》
(佐々木)ばあさんや。
今日もさくらさんは植木の世話をしてくれているかのう?
(佐々木の妻)ええ。
してくれていますよきっと。
(佐々木)うん。
たった今友蔵がまる子と共に遊園地に行くためにこの病院の真下を元気に歩いているとはまったく知らない佐々木のじいさんであった
植木元気じゃろうか…。
ズバリ何でこうなるんでしょう。
お母さんありがとう。
4つも給食袋作ってくれて大変だったよね?なのに…前田さんのバカ!かわいくないなんて言う人には絶対あげないよ。
お母さんが許してもあたしは絶対許さない!次回の『ちびまる子ちゃん』は…。
お楽しみにね。
(サザエ)サザエでございます。
・「お魚くわえたドラ猫」2017/02/12(日) 18:00〜18:30
関西テレビ1
ちびまる子ちゃん[字][多][デ]【友蔵、これでいいのか考えるの巻】
『友蔵、これでいいのか考える』の巻
詳細情報
番組内容
あたしゃねぇ、こんなとぼけた顔してるけど、ウチん中じゃとんでもない嘘つきなんだ。おじいちゃんをだまして、まんまと100円手に入れたりする悪い女なんだよ。それでもおじいちゃんは私の味方だよね。
今回のちびまる子ちゃんは『友蔵、これでいいのか考える』っていうお話だよ。お楽しみにね。
出演者
まる子: TARAKO
お父さん: 屋良有作
お母さん: 一龍斎貞友
おじいちゃん: 島田敏
おばあちゃん: 佐々木優子
お姉ちゃん: 豊嶋真千子
ほか
スタッフ
【原作】
さくらももこ
【OP曲】
「おどるポンポコリン」
【END曲】
「100万年の幸せ!!」
【脚本】
さくらももこ
【絵コンテ】
西山映一郎
【演出】
前田薫平
【作画監督】
山崎登志樹