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セリフ書き起こし 洞窟おじさん 完全版(3) 2017.02.19

(加山)おいおい…おい。
はいお願いします。
ではこれから頭を輪切りにして脳を調べますね。
あ!?ちょっと…バカ…。
やめて下さいちょっと!剥がせよこれ!ちょ…ちょっと!やめて下さい!あっ!離せ!冗談じゃねえ!暴れるな!確保!誰か助けてくれ!こいつら俺の頭輪切りにしようとしてんだよ〜!ハハハハッ超ウケる〜。
そんな輪切りにする訳ないじゃん。
あ〜よし。
しょうがねえだろ。
だってあんな機械見た事ねえんだから。
フフフフフ。
ねえ大きな組の親分なの?えっ俺が?何で?だってさほらすっごい警察の人来てるから。
あ〜あのよ…。

 

 

 

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ん?それやっぱやんなきゃ駄目か?検査に必要だから。
大丈夫。
私ね毎日やってるから。
超うまいんだよ。
大丈夫痛くないから。
よし。
はい寝て。
足をそうそう載せて。
でお尻こっちに向けて。
じゃあいくよ入れるよ〜。
はい。
よし。
ちょっと冷たくなるけど我慢してね。
大丈夫?うい…。
フフフ…そんな痛くないでしょ?
(うなされる声)痛いよ!
(勇蔵)お前みてえなやつはな死んだって構わん!シロ…シロって!死ぬなよ〜。
お願いだよ〜。
死ぬなよ〜。
(知見)お前と俺が友達?バカか?友達な訳ねえだろ?
(うなされる声)あ〜!うるせえ!何度も何度もさっきから!看守さん!なんとかしてよ!
(桃園)ん?もう〜どうしたのよ。
昔の事聞いたろ。
そしたら頭にいろいろ浮かんできちまって眠れねえんだよ。
悪いな。
でもこっちも仕事だから。
ほとんど事件と関係ねえ事聞いてっけど。
フッ…。
(服部)おい釣り名人。
はい。
川に行った俺は釣りを覚えた。
腕前がメキメキ上がった俺の事をみんなは釣り名人と呼んだ
しかし本当に名人だな。
何でこんな釣れるんだ?魚の癖見つければ誰でもできる。
それが難しいんだよ。
例えばな今日どれくらい釣れっかは最初に上げた魚で分かる。
生きがいいねおい。
え?こうやって手のひらに載せて温けえとその日はよく釣れる。
冷てえと駄目だ。
はあ〜。
何でだ?理由なんかどうでもいいんだ。
実際そうなんだから。
はあ…。
これ見てみ。
あっ!ウナギも取ってきたのか!何で言わねえんだよ買うぞ。
1匹3,000円だ。
高っ。
見てみろよ。
腹黄色いだろ?うん。
天然物の証拠だ。
天然のウナギは料亭の人が高く買ってくれんだよ。
でウナギ取るにはやっぱりこれだ。
置き針が一番だな。
餌はミミズ。
竹の真ん中に釣り糸結んで針つけて川にさしておけばいいだけ。
夜7時に仕掛けて12時には引き上げる。
朝まで置いとくと暴れて自分で首巻いて死んじゃうんだ
死んだら高く売れねえだろ?へえ〜よく考えてんだな。
・何無視してんだよ!
(笑い声)おい蹴ろ!何か言えよ!汚えんだよ。
何か言えよ。
・何か言えよ!あ〜あ〜。
こら!こら!お前ら!何やってんだよ!こら〜!あんた大丈夫?
(荒本)ああ…すいません。
すいません。
大丈夫?大丈夫です。
あんたこの辺で見ない顔だね。
どっから来たの?宮崎です。
それどこ?社長!はあ〜!元です。
元。
いや〜社長。
立派なもんだそれは…。
いえいえ。
金借りたところが悪くて…で5年前夜逃げです。
はあ〜。
家族は?います。
妻と子どもが2人。
うん。
どうしてんの?田舎に残してきました。
もうほとぼりも冷めたと思うのでお金がたまったら帰ろうと思ってます。
待ってんの?みんな。
分かりません。
でも信じてます。
はあ〜。
ああ振りかけ。
すいません。
加山さんのご家族は…?俺?俺は…。
俺は13の時に家出してからずっと一人で生きてるから。
13歳から?はい。
今何歳ですか?多分56歳ぐらい。
43年も?ええ。
えっ…年下?年上?ハハッ!ハハハハ!苦労したんだね。
うるさいよ。
ハハハハ。
お代わり。
いやいや。
ラーメンも。
おいしかった。
うん。
ごちそうさま。
ありがとう。
気ぃ付けて。
お礼。
いやいやいやいいよいいよいいよ。
読まねえから。
時間なんて腐るほどあるだろ?いや…あの違うの。
俺さその…字が読めねえんだよね。
よし!座って。
何だ?これ。
俺は今日からお前の先生だ。
いいよ俺勉強するの嫌いだから。
自分の名前ぐらい自分で書けるようになれ。
ほら!はい!よし。
じゃあいくぞ。
加山。
加山。
「か」。
「か」…。
「や」。
「ま」。
(2人)「ま」。
うん。
(2人)「か」。
んんんん…。
(盛本)お〜すげえすげえ!ああ組合長。
熱心だよなあ。
まだ続いてるとはよ。
先生が怖えんだよ。
ん?今日もこのあとテストだし。
でもよちょっと…。
この「め」とこの「ぬ」とこれ何でこんな似てるんだ?あっ似てんなあ。
加山さんよ実はな…。
(荒本)本当に来るのか?今日は水が濁ってっから絶対来る。
濁ってると何で取れるんだ?先生勉強できるのに何も知らねえんだな。
何だよ?教えろよ。
川が濁ってっと網が見えねえからだよ。
なるほど。
いや夜だよな。
それ関係あるか?魚って夜に…。
シ〜シ〜。
(小声で)本当だ。
(足音)
(網を投げ込む音)行こう!よし!こら!俺はなこの川の監視員だ。
やめろ!やめろ!観念しろおめえ!痛い痛い痛い痛い!・
(悲鳴)先生これ頼む。
おめえもじっとしてろここで。
(真佐子)ちょっと離して下さい。
やめて下さい。
(男)何で?行こうよ!こら!何やってんだてめえ!何だ?誰だ?うせろ!うせろって!ほら!分かったよ。
こら!分かったよ。
うわっ!分かったよ行くよ。
あんた何やってんだ?こんな夜中に。
危ねえよ。
(真佐子)すみません。
ありがとうございます。
あああんたか。
(真佐子)え?うわ〜すげえ!うわ〜!どうぞ。
これ何ですか?これはウインナーです。
ウインナーへえ…。
うわっうめえ!うめえ!フフフッ。
じゃあもう一つどうぞ。
えっいいんですか。
はいタコです。
タコ?ウインナー?そう。
ウインナー。
ハハハハッ!
(荒本)じゃあこれは何だ?
(荒本)おい聞いてんのか?あ…はい。
じゃあこれは何だ?いち。
よし。
じゃあこれは?あ?ヒヒ〜ンて鳴く動物だ。
分かんねえな。
え?パッカパッカパッカパカラッパカラッパカラッパカラッパカラッヒヒ〜ン!ブルルルル。
てめえ分かってやがったな?フフフフフうまだ。
よし。
じゃあこれ続けて読んでみろ。
一馬。
違うんだ。
何で?だって一と馬だろ。
だけどこの場合は一馬と読む。
お前の名前だ。
俺の名前?そうだ。
一馬で?そう!一馬?一馬。
えっ分かんねえな全然。
何で同じ字なのにいろいろあるんだ?いや先生もういいわ。
もう漢字分かんねえ面倒くさい。
駄目だ駄目だ駄目だ!いやいやもう…。
名前ぐらい書けるようになれ。
じゃなきゃこれからがねえぞ。
何だい?それ。
お前好きなんだろ?あの人の事。
だったらこれからの事も考えろ。
そういうんじゃねえよ先生。
バカ先生あれだよ。
時々飯持ってきてくれっからちょっとつきあってるだけだよ。
嘘言うなお前。
鯉の取り方とか自慢げに見せてるくせに。
よっしゃ!おっでけえぞ。
あ〜。
うっ!あ〜!大丈夫だ。
こっからが勝負なんだよ。
えっどういう事ですか?鯉はな餌取った所に必ず戻ってくんだよ。
見てろ。
あ〜本当だすごいよ!加山さ…あ〜!えっ…え!?え?おら〜!ハハハ!ウフフフフすごい!やった!えっえっ嫌嫌嫌嫌〜!嫌!何!?嫌〜!やだ!怖い怖い〜!あ〜!何だよ?おめえ女知ってんのか?知らねえ。
分かんねえ。
お前すぐ「分かんねえ」って言うな悪い癖だ。
でもよ女を知っているっていうのは何を知ってるっていう事なんだ?そりゃお前…そのあれだ。
裸とか見た事あるかって事だ。
ねえ。
女はおっかねえし。
見たくねえのか?う〜ん…。
う〜ん…。
よしよしよしよし。
お前今金いくら持ってる?金?うん。
2万円。
うん十分だ。
ここから一番近い場所だとな…。
あっ「ストリップ」ってカタカナ分かるか?ストリップ。
間違いないここだ。
いらっしゃいませ。
お一人ですか?ストリップ…。
奥にありますので。
奥に。
ストリップ。
はい。
(アナウンス)「本日第1回公演トリを務めますのは我が劇場のマドンナ麗美さんです」。
(拍手)
(アナウンス)「本日第2回公演トリを務めますのは我が劇場のマドンナ麗美さんです」。

(アナウンス)「本日第3回最後の公演のトリは我が劇場のマドンナ麗美さんです」。
何なの!?ちゃんと座ってなさいよ。
まあいいじゃねえか客誰もいねえんだから。
そういう問題じゃないの。
集中できないじゃん。
そう?こんにちは。
ああこんにちは。
あの…今日加山さんは?今日はちょっと用事があっていねえんだ。
ああ…珍しいですね。
どちらへ行かれたんですか?え?
(小声で)ストリップにちょっと…。
え?ストリップを見に…。
え?ストリップ…。
ストリッ…プ?えっ!?え?え?ストリップってストリップ?そう。
あの…触っちゃ駄目か?
(麗美)駄目。
失礼します。
(麗美)なめんじゃないよ!
(加山のうめき声)コノヤロー!二度と来んじゃねえぞバカタレ!コノヤロー!
(けんかする声)死んじゃう!死んじゃうよ!苦しい!あ〜!あっちいよ!
(道明)お前根性あんな。
うちで働かねえか?毎日裸がタダで見れるぞ。
本当か?
(桃園)ストリップ劇場で働いてたの?ああ。
東京から若い女が来るっていうから住み込みで働いたんだ。
お弁当配ったり…
失礼します。
ライトやったり…
掃除したり
そしてとうとう東京から若い女来たんだよ。
最初はすげえ興奮したんだけどよ…
あれ…あれな何度も見てっと飽きるなあれ。
何やってんだ俺。
で俺だからその場から逃げ出したんだよ。
そんで街歩いてたらとんでもねえ目に遭っちまってよ。
何?
(宅間)何だよ。
言えよ。
何だよ。
歩いてたら女に水をかけられて…。
「乾かすから」と家に連れ込まれ…。
はあ?ベッドに縛りつけられて…。
え!?そのまま…。
最後の方ちょっと聞こえないよ。
何?え〜!?アハハハハハハ!・
(たたく音)
(小声で)ないないない。
それはないよ〜。
嘘じゃねえよ。
ぽっちゃりした30代ぐらいのいい女だったんだよ。
マジかそれマジか。
怖くてよでも。
怖くないんだって。
それ途中でやめるからだよ。
いやいや痛かったんだすげえ。
チクッとしたんだよ。
ほんで俺便所の窓から逃げたんだよ。
ちょっと!アハハ〜…。
そしたらその女が追いかけてきて俺必死に逃げたんだよでも。
そしたらよもっと驚く事あったんだよ
何だよ。
ちょっと待って!あ〜!何だよ。
(二郎)お前…一馬か?あ?何で俺の名前を…。
忘れたのか?二郎だ!よく見ろ!二郎だ。
(富子)お代わりないから大事に食べな。
生きてたのか?お前。
お前米もしょうゆも干し芋も全部持ってっただろ。
あん時家に戻ってたらおやじに殺されてたぞ。
あんな家誰が帰るもんか。
ハハハッしかし洞窟に住んでたとはな…。
大変だったろ。
家よりマシだ。
そうか。
よく殴られてたもんな。
何で俺ばっかりだったんだ?理由なんかねえ。
はけ口が必要だったんだ。
それがたまたまお前だったって事だ。
そっか。
俺悪くねえんだ。
何が悪いのかなってずっと考えてきたのに。
なあうち来るか?女房がうるせえからあれだけど3日ぐらいなら泊まれると思うからよ。
まだ小せえ子どももいるから相手してくれよ。
いいの?あいつやっと帰ってきやがった。
先生!先生!ハハッ。
先生久しぶりだ。
バカヤロー。
連絡ぐらいしろ。
おめえ心配するじゃねえか。
1か月だぞ。
悪い悪い。
でもな先生いろいろあったんだよ。
あ?ちょっとこれ見てくれよ。
これ。
誰だ?これ。
兄さんの子どもだよ。
兄さんに会ったんだよ。
ストリップ見に行ってな何でかそこで働く事になったんだよ。
でもな嫌でな途中で逃げ出したんだよ。
何やってんだ?お前。
何すんだよ!ちゃんと辞めるって言ってから辞めろ。
そういうとこが駄目なんだよ。
先生だって夜逃げしたくせによ。
あ…。
先生!先生!先生違うんだよごめんよ。
違うんだよ。
いろいろあったんだよ。
な!それで兄さんに会ったんだよ。
すごいだろ?40年ぶりだぜ。
それで兄さんの家に行って3日間一緒に暮らしたんだよ。
泊めてもらったんだよ。
よかったなあ。
何で戻ってきたんだ?でも奥さんは迷惑そうにしてるしよもともとでももう兄さんと俺も仲がいい訳じゃねえしな。
でもな子どもと一緒に虫捕ったり魚の釣り方教えたりしたんだよ。
そしたらよ子どもがすごい俺に懐いてくれてよ。
子どもっていいなあ!そうだな。
先生の子どもにも会いてえな。
宮崎って歩いたらどれくらいかかるんだ?バカ歩けるか。
そうか。
でも先生の子どもに会いてえよ。
かわいいか?先生の子ども。
うん。
組合に入ってもねえのにおかしいだろ。
最近魚も取れなくなってきてんだよ。
そもそも何だよ釣り名人って。
出てってもらってくれよ。
だけどあいつがいるから密漁防げてんだろ?その分あいつが取ってんじゃねえか!そんなに取ってねえよ。
橋の下からも出てってもらってくれよ。
それ関係ねえだろ。
あの土手は子どもの通学路だ。
何かあった時に責任取れんのかよ。
あ〜あ…。
期限は1か月。
頼んだよ!木林。

 

 

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林。
森。
森。
ああ…うん。
なるほどあれか木が増えるって事か。
そうだ。
漢字っていうのは表意文字っていって意味があんだ。
ひょういも…?あ〜理屈はいい。
とにかく木が増えると林になる。
ああそうだ。
そして森になる。
そうだ。
かあ〜漢字ってすげえな。
え?お前帰ってきてからえらく熱心だな。
先生にも言ったろ。
俺子ども欲しいんだよ。
だからちゃんとした職に就かないといけねえだろ。
うんいい心がけだ。
真佐子さんには気持ちを伝えたのか?え?違う…違うよ!いやそんなんでやってんじゃないよこれ。
はいはいはい。
じゃあもうやんねえからもう。
変に思ってっからやんねえからもうじゃあ。
はいはい次「森」。
このままではいけないと思ってます。
けじめをつけたいんです。
本当に奥さんと別れるんですか?よし今日はこれまで。
終わり?うん。
あ〜…。
あ〜疲れた。
うん。
今日は来るかな?誰が?先生も意地悪だな。
お前がいない間も3日に1ぺんは来てたからそのうち来るだろ。
いっぱい勉強してるよ俺。
ヘヘッ。
ところで先生いつ帰るんだ?そうだな…金がたまったらな。
へえ〜まだたまんねえの?宮崎って遠いんだな。
うん遠い。
加山さん!ああ!びっくりした。
何してるんですか?ああいや…。
これあの…あれなんだよ。
遊園地が潰れたらしくてないっぱい捨ててあってくれるっていうからもらってきたんだよ。
へえ〜。
懐かしい。
昔お父さんと乗った。
ああそう。
あっあれだ。
お土産あんだよ。
これバナナみたいだけどバナナじゃねえんだこれ。
あの期限は1週間過ぎてっけど俺の経験じゃ全然大丈夫だから。
フフッありがとうございます。
しばらく来ないでごめんなさい。
いえいえ俺も1か月ぐらいいなかったから。
乗る?はい。
ハハこれ…。
アハハハ。
おっとっと!
(ベル)楽しい〜。
気持ちいい〜。
フフフッ!あ〜っ!フフフフ…。
(ベル)外は気持ちいいですね。
俺はずっと外に住んでっから分かんねえけどな。
フフフ…そうですね。
一日中会社にいると息詰まりますよ。
へえ〜会社ってそんな空気薄いの?アハハハ…。
ハハハハ…。
何がおかしいの?いいんです。
フフフ…。
いやよくねえ。
教えてくれよ。
俺もっといろいろよいろんな事知りてえんだよ。
どうして?う〜ん…。
どうしてですか?俺もこのままじゃいけないと思っててよ。
ちゃんと職に就いていつか子ども欲しいんだよ。
うん。
そっか。
うん。
加山さん何かストリップ見に行ってから変わったかも。
先生か?加山さん前向きで元気になった。
私も元気もらいました。
いや違うんだよ。
ストリップ行って元気もらったんじゃないんだよ。
兄さんの子どもになんだよ。
分かってますって。
フフフ。
真佐子さん。
はい?あの俺…。
俺は…。
アハハッ!あっ俺先生やっつけてくるわ。
ハハハ…。
フフッ。
加山さん!帰りま〜す!ええっ?私も変わらなきゃ。
先生何で彼女に…。
いねえか。
(荒本)「一馬へ。
中途半端で授業を終わる事を許してくれ。
実はもう2か月前には帰るお金はたまってた。
だけどなお前がストリップから帰ってきて『子どもっていいな』って言った時俺目が覚めたんだ。
勇気出さなきゃって」。
としや…。
さつき…。
(すすり泣き)
(荒本)「俺は本当は帰る事を恐れていたんだ。
だってもし家族に『何で帰ってきたの?』って言われたら俺はもう生きていけない。
だからお前に教える事を言い訳にしてたんだ。
ずるいよな」。
(荒本)「でも俺には家族しか残ってないんだ。
大切なものの前で何を逃げてるんだって」。
(荒本)「だから帰る事にした」。
(荒本)「黙っていなくなる事を許してくれ。
だけど文字ってすばらしいだろう?文字が読めるからこうして気持ちを伝えられるんだ。
いつか宮崎に遊びに来てくれ」。
(荒本)「俺も頑張る。
お前も頑張れ。
荒本達雄」。
俺は今日からお前の先生だ。
いいよ俺勉強すんの嫌いだから。
自分の名前ぐらい自分で書けるようになれ。
ほら。
「ま」。
「ま」。
お前好きなんだろ?あの人の事。
そういうんじゃねえよ先生。
誰だ?これ。
兄さんの子どもだよ。
子どもがすごい俺に懐いてくれてよ。
子どもっていいな。

(すすり泣き)先生…。
(服部)最近先生見ねえな。
じゃまた来るわ。
ああ。
(盛本)おうこんちは。
加山さんよ…ちょっと話があるんだ。
はあ!?何だよそれ!分かってくれよ。
しかたねえんだよ。
何でだ?20年この川で生きてんだぞ。
組合で決まった事なんだよ。
もうおしまいだ。
魚取れねえ。
俺どうやって食ってくんだよ?死ねって言うのか?いや食い物だったらコンビニの残りとかいろいろあんだろう。
俺はゴミはあさらねえんだよ。
じゃあよ…また山に帰ったらどうだ?ふざけんな!ここにはな知り合いいっぱいいるんだよ。
山に戻ったらまた独りぼっちになるじゃねえか!なめんじゃねえぞ!俺は今までお前守ってきたんだよ!なあ何でだと思う?かわいそうだったからだよ。

 

 

 

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逃げんじゃねえ!いいか?魚取ったら橋の下のうちは無くなるからな。
いいな?かわいそうだからじゃねえ。
俺が便利だったからだろ?お互いさまだよ。
(舌打ち)恩知らずが!本当に。
(ドアの開閉音)
(舌打ち)
(真佐子)加山さん!何かあったんですか?ああ…いえ。
あの…私結婚する事になりました。
それで彼の転勤が決まって北海道に行く事になりました。
ごめんなさい。
あの…。
ああ…あ…。
おめでとうございます。
私…加山さんに勇気づけられました。

(物音)ありがとうございます。
あの…元気出して下さい。
いらっしゃいませ。
350円頂戴致します。
550円お預かり致します。
200円のお返しでございます。
(すする音)
(電車の走行音)
(裁判長)被告人は13歳の時に家出をしてその後関東各地の山や川で生活をしていたが今年9月12日食料に窮して自動販売機から現品を窃取しようとしたが発覚し未遂に終わった。
待て待て!待て待て!こらっ!
(裁判長)自己中心的な動機から安易に犯行されたものであり被告人の刑事責任は決して軽視できない。
しかし13歳の少年時代から独力で生活してきた事。
これまでに前科前歴もなく今回が初めての公判請求である事。
この法廷においても犯行を後悔し反省している事。
住宅改装業を営む釣り仲間の証人が被告人を住み込みで雇って面倒見る旨確約している事などの事情を照合した上今回に限り刑の執行を猶予する事にする。
以上。
猶予って何だ?
(ささやき声)
(裁判長)執行猶予とはね刑務所には入らず自由の身って事です。
ただ今後何か犯罪しちゃうと執行猶予取り消されちゃうから十分注意して。
ね。
はい…。
(桃園)
留置場を出ていく時には…
刑事さん俺変わる。
逃げないで頑張ってみるわ。
じゃ。
…と語っていた加山一馬通称洞窟おじさんはその後誓いを守り一生懸命に働き仕事の尊さを学びました。
めでたしめでたし。
なんてドラマのようなきれい事では終わらない。
ましてや奇跡的に初恋が実る事もない。
引き取り先の人ともギクシャクし規則的な生活にも耐えられず洞窟おじさんは3か月で山へ逃げてしまう
とはいえ「彼は山に帰った。
その後を知る人はいない」。
…と映画のように思わせぶりにも終わらない。
洞窟おじさんは寂しさに耐えられず山を下りてきた。
さまざまな人々が尽力しようやく働き先が見つかった
何でこんな田舎なんだ?ぜいたく言うな。
働かせてもらえるだけありがたいと思え。
(長嶋)あ〜。
(軽部)ちょっと待ちなさい!長嶋君待って!ちょっと!待ちなさい!こんにちは〜。
あっ加山さん?加山さん担当に任命された軽部です。
よろしく!
(長嶋)あ〜。
(軽部)あっちょっと!すいません!待ちなさい!ちょっと!返して!それ返して!
(長嶋)あ〜。
(軽部)長嶋君!待て!まさか…ほれちゃった?
(長嶋)あ〜。
(軽部)待ちなさい!長嶋君!加山さん!
山奥の施設で出会った女性。
社会復帰が嫌で逃げた俺に彼女は言う
それでも生きてんの!それでも意味があんの!
俺は言う
山に帰ります。
ところどころで不真面目だった洞窟おじさんも最終回は結構マジ。
ほぼ実話だけに当たり前か
生きるって楽しいんだな。
2017/02/19(日) 15:05〜16:04
NHK総合1・神戸
ドラマ 洞窟おじさん 完全版(3)[字]

衝撃の実話をドラマ化。13歳で家出、山奥の洞窟に隠れ住み43年後に発見された男の人生を描く。全4話。リリー・フランキー、尾野真千子、浅利陽介、坂井真紀、生瀬勝久

詳細情報
番組内容
衝撃の実話をドラマ化。第3話。平成15年、加山一馬はとある川べりで魚を釣って暮らしていた。ホームレスから文字を習い、ストリップにも出かけた。ある日、一馬は酔っ払いにからまれる女性を助ける。50歳過ぎにしての初恋だった。だが、漁業組合から魚釣りを禁じられてしまう。生活の糧を奪われた一馬は…。壮絶な人生にもかかわらず、どこか胸を打つ男の物語。リリー・フランキー、尾野真千子、浅利陽介、坂井真紀、生瀬勝久
出演者
【出演】リリー・フランキー,生瀬勝久,小市慢太郎,坂井真紀,浅利陽介,尾野真千子,でんでん,森下能幸,菅原大吉,志保,野間口徹,相馬眞太,倉島春太,西野隼人,中台あきお,檜尾健太,大澤由理,クラほか
原作・脚本
【原作】加村一馬,【脚本】児島秀樹,吉田照幸