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字幕書き起こし 3月のライオン「第3話」

・「魔法の言葉覚えている虹の始まったところ」・「あの時世界の全てに一瞬で色が付いた」・「本当の声はいつだって正しい道を照らしている」・「なんだって疑っているからとても強く信じている」・「心臓が動いている事の吸って吐いてが続く事の」・「心がずっと熱い事の確かな理由を」・「雲の向こうの銀河のようにどっかで無くした切符のように」・「生まれる前の歴史のように君が持っているから」・「それだけわかっている」・「僕だけわかっている」
(蝉の鳴き声)
(アラーム)うーん…。
眩しい。
いい加減カーテン買わんと…。
からあげ。
最後の一個…。
今日の対局は獅子王戦の6組トーナメント。
相手は二海堂晴信
もうすぐ夏休みか…。
プロになってからは今日が初対局だ
(蝉の鳴き声)
(園内のBGM)
夏休みになるとデパートの屋上などで毎年子供将棋大会が催された。
奨励会に入る前全国の強い子供たちはこういった小さな大会で何度も顔を合わせる。
晴信も僕もそういうイベントでは常連になっていてすでに何度も顔を合わせていた。
あれは何年生の頃だったろう。
おそろしく暑いイベントで僕と晴信は準決勝で顔を合わせた…。
その日はほんとにひどい暑さで
暑いのが苦手な彼は赤鬼のようにまっ赤っ赤でひどく辛そうで見ているこっちまで苦しくなった
午後になると風が止み気温はますます上がって
多分貧血を起こしているのだろう。
彼の顔はどんどん青白くなっていった
傲慢な考えかもしれない…。
でもボクはなんとか最短で詰みまでもっていく道を探していた。
一刻も早く目の前の子を冷房のきいた涼しい場所で休ませねばと思ったのだ。
しかし…
彼は負けが濃くなった終盤ありったけの持ち駒を自陣に投入して必死の抵抗を始めたのだ。
汗まみれのまっ青な顔からは声にならない叫びが漏れ出していた…
(二海堂)「負けたくない。
負けたくない。
負けたくない。
負けたくない。
負けたくない」。
その瞬間僕は自分の思い上がりを恥じた
「負けたくない」。
目の前の人間がこんなに汗まみれでフラフラになってまでここに座っているのは「勝ちたいから」なのだ。
それはもうどうしようもなく僕と同じに…。
長い戦いになった
もう僕の勝ちだった…。
それでも彼は一手一手もがくように見えない道を探して指し続ける…。
しかしついに指す手が無くなる時がきた。
どんなに目を凝らしてももうどこにも自分の玉の生きる道が無い…
負けました。
そう呟くと彼はマンガみたいな大粒の涙をポロポロとこぼし始めた。
僕はそれを蝉の声とデパートの屋上のBGMの中でただ黙って見つめていた。
多分…この先何十年も向き合うかもしれないその顔を

プロになるということは止まらない列車に飛び乗るようなものだ
もう二度と降りる事はできない。
負けて転がり堕ちるまでは…
この小さな宇宙の中で気が遠くなるほどの勝ったり負けたりを繰り返すのだ。
「負けたくない」と喘ぎながら…
おう桐山。
ちょっと覗いてみろ。
お前のライバルが素晴らしい気迫で待ってるぞ。
?な?なんかもう気合い入りすぎてほぼ別のマンガになってるだろ。
なんつーの?こう…「次号詰むや詰まざるや…」みたいな?うらやましーなー桐山ァ☆見ろよあの気迫。
全てお前のためなんだぜ?終生のライバルだって言ってたぜ?彼☆
落ち着け。
まずゆっくり息を吸い込む。
浅い息は視界を狭くする
む?遅いぞ桐山っっ。
待ちくたびれたぞ。
僕は時間通りに来ました。
早く来たのは二海堂さんの方でしょ。
もー…。
そっか☆うむ。
気持ちがはやってしまってな。
さあ。
始めようじゃないか。

2五桂…来た
2四銀
3五歩
同銀
1五歩
強くなっている…。
じわじわとでもゆるがずに攻めてくる。
ダメだ。
受けてばかりではラチがあかない!!
流れを変える!!
(蝉の鳴き声)
汗…。
あの時と同じだ…顔色が悪い…。
二海堂の様子がおかしい!!
すいません。
空調きいてますか?すいません。
どーもエアコンの調子が良くないみたいで…。
(二海堂)いいよ桐山。
あのデパートの屋上に比べたら天国だ。
続けようぜ。
七香…。
歩切れをついて来たか。
ならこうだ。
7六歩
え!?6八銀!?金取りを放置して銀打ち!?なんだ!?なんだコレ!?
(蝉の鳴き声)
うん。
負けたくない。
負けたくないよね

落ち着け息は深く視野は広く。
冷静にさえ行ければこの局面僕の方がいいはずなんだ。
落ち着いて指し続けろ!!
対局は夜まで続き僕は晴信の粘りを振りきり続けた
そして
ありません。
負けました。
ああそうだ。
この顔…同じまんまだ。
子供の頃と。
ちっとも変わっていない。
二海堂もそしてきっと僕も。
きっとこのままずっと…ずっとずっと
晴信さま。
花岡!!?グリーン休暇は!?世界一周はどうしたんだ!?80日間帰って来ないんじゃなかったのか?大奥様にかわっていただきました。
私は10日間で充分です。
船旅は満喫させていただきました。
正直晴信様と離れている方が心配で心配で。
もう不整脈とか起こしかねない危なさでありましたよ。
病院の方へ行っていませんでしたね?このまま森川先生の所へ行きましょう。
もう連絡はしてあります。
晴信様おつらいですか?また腎機能が低下しているのでしょう。
すまない。
申し訳ありません。
私がいない間食事も無茶なさったのでありましょう?すまない花岡…。
いいんです。
わかります。
病院食ばかりではストレスがたまります。
それも子供の頃からです…。
どんなにお辛いか花岡はずっと見てまいりました。
大丈夫。
花岡がついております。
焦らず少しでも体調を戻しましょう。
桐山様は…対局はいかがでしたか?負けた…強かった…。
あんなに強くなってるなんて…。
でも次は絶対に負けない。
はい。
勿論ですとも。
晴信様。
二海堂との対局を終え約束通り僕はみんなのいる家に向かった
(あかり)対局が終わったらまたおいで。
送り盆なの。
ごちそう作るから。
こんばんは。
桐山です。
遅かったね。
おつかれさま。
おなか減ってるでしょ。
入って。
遅くなってすみません。
ほーらモモ。
れいちゃん来たよー。
これ…プリンです。
さ!!どーぞ。
桐山君のは遅いから別に盛っておいたよ☆ありがとう。
桐山くん小食だからちょっとずつ盛ってよけておいたよー☆
おいしそう…でも食べきれるかしら…
でこっちがおばあちゃんとお母さんの分です。
モモのままごとセットに盛り付けてみました。
それナニ?ナニ?ひとくちひとくち…。
おお…ちっちゃい…。
ガーさすがにもうビール二本はキツイなぁ。
うっこらしょっと…。
はふわーっっっ。
おじいちゃん寝ちゃダメよ。
そろそろ送り火焚かないとだし…。
ん…。
あーもう9時過ぎか…。
そだな。
あんまり遅くなるとばーさん達帰るの大変だからな…。
この間は夕方焚いて…。
そう。
この間は迎え盆だったから。
迎える時は「早く来て」「みんな待ってるよ」って陽が暮れる頃焚くの。
で送る時は「少しでも長く居て欲しいから」晩ご飯が終わってから焚くのよ。
でね来る時は早く来て欲しいからきゅうりの馬。
帰りはおみやげたくさん持ってゆっくり無事に帰れるように茄子で作った牛に乗って行ってもらうのよ…。
さぁそろそろお見送りしましょうか。

みんなはいつもとかわらずニコニコしてるけどやっぱりどこかけだるくしんみりして見えた…。
こんな風に馬や牛を用意したりごちそうを用意したりもういない人たちの来る時間や帰る時間をみんなで気にしたり…

ぼくには余計思い出して悲しくなるための切ない儀式にしか思えなかった…
さ…そろそろウチに入りましょうか。
モモもお風呂入って寝よっかね?あたしちょっとコンビニ行ってくる…。
ヒナ?今から?何買いに?えーとねマンガ。
新刊出てるの忘れてたっ。
ボーズついてってくれ。
え…。
いいから早くっっ。
あはい。

足速いな…

どこ行くんだ?そっちはコンビニじゃ…
ひな…。
いた…。
おかぁさん…おかぁさ…。
おかぁさん…。
おかあさん…。
う…あぁぁん…。
声がかけられなかった。
胸がつまるような声だった…
きっとみんなの前ではずっとガマンしてたのだろう…
(ひなたの泣き声)桐山くん…。
ごごめんなさ…すっすぐ戻るからっ。
泣きじゃくる彼女の声を聴いていたら閉じ込めてあった疑問が胸の中でインクみたいに滲み出した
いいよいい…。
ふっえっく…。
もうちょっとここにいよう…。
っくふ…ふえ…。
うっくうう…。
僕は僕はずっと消えてしまったホントの僕の家族の事。
泣いても仕方ないから諦めて悲しいから考えないようにして頭から追い出して追い出して追い出して…でも…本当にそれでよかったんだろうか…
(ひなたの泣き声)
泣いてる彼女と泣かない僕と…二人並んで見上げる美しいただただ美しい七月の夜空…
・「その声は流れ星のように」・「次々に耳に飛び込んでは光って」・「魚のように集まりだして」・「冷たかった胸に陽だまりが出来た」・「普通の触れ方を知らないから」・「戸惑っていたら触れてくれた手に」・「どれだけ夜をくぐり抜けても」・「ずっと冷めないままの熱が脈を打つ」・「君がいるそれだけで」・「命の全部が輝く」・「凍りついた心に」・「その鼓動が響き火を灯す」・「いくつもなくなったあとに」・「強く残ったひとつ残った」・「離れないいつでも側に」・「僕の中に一番近くに」
(二海堂)「3月のライオン」次回もお楽しみに。
みんなも僕と一緒に将棋を勉強しよう!2016/10/22(土) 23:25〜23:50
NHK総合1・神戸
アニメ 3月のライオン「第3話」[字]

17歳のプロ棋士・桐山零。幼い頃に事故で家族を失い、周囲にもなじめず孤独に生きていた。ある日あかり・ひなた・モモという3姉妹と出会い、零は少しずつ変わり始める…

詳細情報
番組内容
二海堂とのプロとしての初対局の日を迎えた零。幼い日の対局を思い出しながら将棋会館へと向かった零は、気迫に満ち満ちた二海堂と相対する。そして始まる対局!それは幼いころから変わらない、「負けたくない」という互いの思いがぶつかる場で……。
出演者
【声】河西健吾茅野愛衣花澤香菜久野美咲千葉繁岡本信彦杉田智和木村昴
原作・脚本
【原作】羽海野チカ,【脚本】木澤行人
監督・演出
【監督】新房昭之