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字幕書き起こし 忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣(4)殿ご乱心!松の廊下!そして恋が悲しい 2016.10.18

(十郎左衛門)殿に我らが夫婦になる事を願い出る。
浅野内匠頭寵臣礒貝十郎左衛門と恋に落ちたきよ。
一方浅野内匠頭はご公儀より勅使饗応役を拝命した
(内蔵助)指南役は吉良様。
(笑い声)
(きよ)
3月12日。
江戸城では勅使饗応の儀が始まりました。
儀式は3月14日まで続きます
何をしておる。
奥方様。
お殿様がつつがなくお役目を終えられお戻りになる日が分かるようにと。
(阿久利)ああ〜。
あと3日か。
はい。
今頃はお城に上がられた頃やもしれぬ。
昨日の痞の知らせには肝を冷やしたが。
事なきを得てよろしゅうございました。
(弥兵衛)そうなのじゃ!吉良上野介様は事あるごとに殿に嫌がらせをしておるらしい。
さようでございますか。
それで殿はご心労が絶えぬようだ。
(弥兵衛)何しろ評判の悪い吉良様じゃろう。
高家である事を鼻にかけそれはもうことごとく人を見下し嫌みばかり。
せんだってなどご息女の嫁ぎ先津軽家の宴席で「越後の米はうまいが津軽の米はまずい」とこう言い放った上床の間に飾ってあった秘蔵の香炉を持って帰ってしまったそうじゃ。
正月の祝いの席でじゃぞ。
(ほり)もうそれは嫌みというよりも思ったとおりそのまんまでございますね。
この度のお役無事に終えて頂かん事にはわしらも落ち着かんのう。
(安兵衛)これ以上殿に何事もなければよいのですが。
その事を一番案じていたのは奥方様。
私も祈るような気持ちでした。
つつがなく事が終われば十郎左様と私は…
夜になり雨が降りだしました。
明日14日は将軍綱吉公への答礼の儀。
これをもって城内でのお役目は終わりとなるのです

翌朝雨は上がり雲の切れ間から日がさし始めました
(梶川)浅野様。
吉良様はどちらかご存じありませぬか?ああ吉良様。
ご勅使ご院使の本日のご到着刻限が早まりましたが支度がいまだ調いませぬ。
(吉良)うむ。
冬からいきなり夏が来たようでございます。
(滝岡)打ち掛けをお脱ぎになられましては?いやよい。
ご正装では殿もさぞ暑苦しい思いをされてる事じゃろう。
何?浅野殿。
赤穂の田舎大名がよくしくじる事じゃ。
本日もまたお役目を辱める事であろう。

(風の音)一大事でございます!何事じゃ。
殿が…お殿様がご城中にて刃傷を。
刃傷…。
(口々に)刃傷?お殿様がお刀を…。
お城で?どなたをお斬りあそばしたのじゃ?あ…いえそれは…。
聞いてまいれ!はい。
待て!殿はご無事か?すぐに伺うてまいります!
(けん騒)成瀬様。
奥方様へお伝え致しまする。
堀部様。
恐ろしい事が起こった。
(安兵衛)殿が斬りつけたけんかの相手は吉良上野介様だ。
(長矩)この間の遺恨覚えたるか!う…。
え〜い!殿中でござる!殿中でござる!それでお殿様は?殿は今ご詮議のためご城内に留め置かれているそうだ。
どうなるのだ一体。
知らせはご門内に控えていた片岡様からのもの。
けんかというだけで詳しい事はまだ何も分かりませぬ。
だが城内での刃傷となればただでは済まぬ。
大事な勅使御饗応の最中。
公方様のお怒りはいかばかりか。
これは…覚悟せねばならぬ。
覚悟…。
殿は恐らく…。

(一同)奥方様。
取り乱してはならぬ。
何事があろうとも赤穂浅野家の誇りを忘れぬよう努めよ!
(一同)はっ。
お供の衆が戻られました。
十郎左様。
何もかも無になった。
私の事は忘れてくれ。
お待ち下さい!十郎左様。
なぜでございますか?無とは…。
殿は田村右京大夫様のお屋敷へ。
はい。
田村屋敷へお…おあ…おあ…お預けと相…相なりました。
そうか…。
はい。
して殿が刃傷に及んだ吉良上野介様は?は?吉良様はいかが相なった?あ…いえその事は。
殿はご自身の生死を懸け事をなされたのでござりましょう。
成ったか成らぬか!それが武士にとって一番の大事ではござりませぬか!申し訳…ござりませぬ。

昼八つ急報が赤穂へ出立した。
そして浅野内匠頭の刃傷事件はその日のうちに江戸中に広がったのである
(家臣)どうしてこのような事に。
どうしたらいいのです?堀部様!伝奏屋敷から荷が戻りました。
よし。
皆すぐに手助けに参れ。
(一同)はっ!
(安井)先ほど戸田采女正様よりご書状を仰せつかまつりました。
殿は田村右京大夫様お屋敷にてご切腹の仕儀と相なりました。
切腹…。
(安井藤井)は。
(藤井)浅野家はお家断絶。
赤穂浅野家全ての領地はお召し上げとなります。
ではこのお屋敷も。
一両日中に引き払う事と相なりまする。
(すすり泣き)
(仙桂尼)そはまことか?ははあ。
ご苦労でありました。
3月14日七つ現在の時刻で言うと午後4時ごろ。
浅野内匠頭切腹とお家断絶が決まった。
家臣の悲しみは深く突然の知らせに誰もが途方に暮れた
(読経)
(掛け声)
だがその事を赤穂にいる大石内蔵助は知る由もなかった
余の所業乱心にあらず。
覚悟の上でなした事。
場所もわきまえず不調法つかまつった。
そなたに一つ…願いがある。
は。
家臣らへ遺書を遣わしたい。
ごもっとものお望みなれどそれはかなえられぬ事にございます。
ならば伝えてほしい。
今から申す事を我が家臣片岡源五右衛門礒貝十郎左衛門いずれかへ。
浅野内匠頭は遺言を残し田村屋敷庭先に簡易にしつらえられた死の座へと向かった。
仮にも5万石の大名の庭先での切腹は当時でも考えられぬ事であった。
事件から僅か7時間後の事である

(風の音)まことか。
はい。
先刻田村右京大夫様お屋敷で既にご切腹との知らせがございました。
早いな。
あまりにも…あまりにも早すぎる。
せめて最後に一目…。
(泣き声)皆の者。
直ちに滝岡の指示に従うて屋敷立ち退きの支度をせよ。
は。
おきよ殿。
礒貝様がお殿様のご遺骸をお迎えに田村様のお屋敷に向かわれるそうです。
え?ここへはもうお戻りにはならず泉岳寺にてご埋葬となられると。
では奥方様は?最後のお別れもかないますまい。
むごすぎます。
奥方様はお殿様がお志を遂げられる事を何よりも願うて…。
奥方様はお殿様がどれだけ…。
おきよ殿。
片岡様礒貝様らご近習はお殿様とはご格別なおつながり。
よもやそのような事はとは思いますが…。
え?何分にもこの騒動。
何が起こるか分かりませぬ。
何もかも無になった。
私の事は忘れてくれ。
まさか…。
まだお屋敷内におられるはず。
おほり様。
十郎左様。
きよ殿。
死なないで下さい。
お願いです。
死なないで下さい。
十郎左様。
きよ殿。
許せ。
殿なき今私は…。
十郎左様。

(片岡)急な事ゆえ介錯人の手元が狂ったのであろう。
肩にあのような傷痕…。
介錯すら一太刀で済まぬとは。
最期の最期まで殿は…さぞ苦しまれた事であろう。
殿からのご遺言だ。
「この段かねて知らせ申すべく候えども今日やむをえざる事に候ゆえ知らせ申さず候不審に存ずべく候」。
片岡様…。
早うせい。
されど…奥方様。
貸せ。
よいから貸すのじゃ!十郎左様…。
お願いです。
死なないで下さい。
死んでは…なりませぬ。
2016/10/18(火) 02:45〜03:19
NHK総合1・神戸
忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣(4)殿ご乱心!松の廊下!そして恋が悲しい[解][字][再]

江戸城で内匠頭(今井翼)が刃傷事件をおこす。即日切腹、浅野家はお取りつぶしとなる。十郎左衛門(福士誠治)はきよ(武井咲)に私のことは忘れてくれと告げるが…。

詳細情報
番組内容
江戸城内で殿が刃傷事件を」の一報は浅野家をしんかんさせた。内匠頭(今井翼)は即日切腹、浅野家はお取りつぶしとなる。阿久利(田中麗奈)は殿が命をかけた吉良への刃傷は成功したのかにこだわり、きよ(武井咲)に武士の妻の姿を見せつける。十郎左衛門(福士誠治)はきよに対し「何もかも無になった。私のことは忘れてくれ」と告げる。混乱の家中で十郎左衛門が殿への忠義から自分も死のうとしていると、きよは直感するが…
出演者
【出演】武井咲福士誠治田中麗奈中尾明慶佐藤隆太皆川猿時今井翼笹野高史石丸幹二三田佳子伊武雅刀
原作・脚本
【原作】諸田玲子,【脚本】吉田紀子