永沢）みんな『ちびまる子ちゃん』が始まるけど見てみるかい？
（まる子）うん？何だろう。
（ヨリちゃん）カワイイ。
（高宮）いいなあ。
（たまえ）わあ！とし子ちゃんそのボタンカワイイね。
（とし子）うん。
お古の洋服だったんだけどお母さんがボタンを新しく付け替えてくれたの。
（たまえ）わあ！すっごく模様が細かいよ。
とし子ちゃんのお母さんさすがおしゃれだねえ。
まったく女子ときたらボタン一つで大騒ぎなんてずいぶん暇だな。
永沢あんたにおしゃれの何が分かるってのさ。
（たまえ）そうだよ。
（永沢）フン僕だって家に帰ればおしゃれな服ぐらい持っているさ。
うん？永沢あんたに洋服のことでとやかく言われたくないよ。
それにしてもとし子ちゃんのボタンかわいかったね。
私もね小さいころ大好きなボタンがあったんだ。
へえたまちゃんも？だけどなくしちゃったんだ。
えっどうして？
（たまえ）そのボタンがあんまりカワイイからずっと見てたの。
そのときにきっと引っ張ったりしたのかな？いつの間にか取れちゃってて。
そういえばとし子ちゃんもうれしそうに見てたもんね。
何でもないボタンはなくならないのにカワイイボタンはなぜかなくなっちゃうんだよね。
お気に入りだとずっと触ってて取れちゃうのかな。
カワイイボタンね…。
あ〜何だかあたしも欲しくなってきたよ。
よしこれで…。
お母さんこの服にボタン付けてよ。
（すみれ）今ちょっと手が離せないのよ。
カワイイボタンを付けたいんだよ。
ねえお願いだからさ付けてよ。
ねえ。
（すみれ）じゃあ何？ご飯作らなくてもいいの？まる子は今日の晩ご飯いらないの？そんなこと言ってないじゃん。
もういいよおばあちゃんに相談するから！
（おばあちゃん）えーっと…あっあった。
ほれ。
おばあちゃんこれ何？
（おばあちゃん）こういうときのためにね昔から余ったボタンを取っておいたんだよ。
わあいっぱいあるね！う〜んどれもまる子の服にはちょっと似合いそうにないかな。
（おばあちゃん）そうかね？今どきのモダンなボタンだったら買ってくるしかないかね。
買う？手芸屋さんに行けば売っているよ。
そうか！好きなボタンを買って付ければいいんだ。
《でもまる子のお小遣い３０円だよ》《絶対足りないよ〜！》おじいちゃん。
（友蔵）何だい？まる子。
おじいちゃんおしゃれになったまる子を見てみたいとは思わない？おじいちゃんはまる子は今のままでもじゅうぶんにおしゃれだと思うぞ。
それがねもっともっとおしゃれでかわいくなるんだよ。
「もっともっとおしゃれでかわいく」！？《オーホッホッホ…》
（友蔵）《お〜！》ホッホッホいやあおじいちゃんが一緒ならまる子の財布も百人力だよ。
このじじいにどーんと任せとけ。
孫がかわいくならんで何のための年金ぞ！
（店員）いらっしゃいませ。
ボタンありますか？
（店員）こちらです。
（まる子・友蔵）うわー！
（友蔵）こりゃすごいのう。
ホントすごいすごい。
うわあ…これカワイイよ。
奇麗じゃのう。
これはどうじゃ？それもなかなかいいね。
（友蔵）うん？《げっ２，０００円。
何とボタン１つでか！》いや〜まる子これなんかどうじゃ？きっとぴったりじゃぞ。
うん？うんそうだね。
あっこれ！わあカワイイのう。
うん？あっこれがいい！ほっ…。
よーしならばわしも同じボタンを買おう。
２人お揃いじゃ。
フフフ。
痛っ。
（さきこ）大丈夫？本当に自分でできるの？お母さんにやってもらったら？自分で付けたいんだよ。
でこうしてこうして…。
できた！
（さきこ）ずいぶん目立つ所に付けたわね。
だってよく見えた方がカワイイじゃん。
ねえどう？まあまる子らしいわね。
（まる子・さきこ）アハハ。
たまちゃんに見せてこようっと。
わあカワイイ！まるちゃん自分で付けたの？すごいね。
エヘヘ。
あっとし子ちゃんだ。
（とし子の母）あらまるちゃんたまちゃんこんにちは。
（まる子・たまえ）こんにちは。
とし子ちゃんどうしたの？
（まる子・たまえ）あっ。
遊んでいたらボタンが取れてなくなっちゃってたの。
どうしても見つけたいって今まで捜していたんだけど…。
そうなんだ。
これだけ捜しても見つからないんじゃしょうがないわね。
また新しいボタン付けてあげるから。
ねっ？
（とし子）でも…。
とし子ちゃんあたしたちも一緒に捜すよ。
（まる子・たまえ）うん。
（とし子）えっ。
そうだよまだ暗くなるまで少しあるから３人で捜そうよ。
（とし子の母）でも…。
これで見つからなかったら諦めるからもう少しだけ。
（たまえ）お願いします。
ありがとう。
じゃあお願いね。
暗くなる前に帰るようにね。
もう一度公園に行ってくる。
うん捜してみよう。
（たまえ）大きなボタンだから見つかりそうだけどね。
ないねえ。
どこだ？
（福丸の吠え声）わあ！まさかあんたが食べちゃったわけじゃないよね？さっきも公園の中捜したのに見つからなかったの。
ここじゃないのかな。
そろそろ夕焼けになっちゃうね。
・
（児童）わあカワイイ！
（とし子・たまえ・まる子）うん？見せて見せて。
（児童）ここで見つけたんだ。
カワイイでしょ。
（とし子）あっ！あれとし子ちゃんのボタンだ。
あったね。
（児童）カワイイね。
（児童）奇麗ね。
あのあっ…。
ホントにカワイイなあ。
ウフフ…。
あの！
（とし子）あっ…。
とし子ちゃん？わあ。
（とし子）フフフホントにうれしそうだね。
あの子にだったら持っててほしいな。
でもとし子ちゃん…。
そうだよホントにいいの？あんなに大切にしてたのに。
うん。
あの子ならきっと大事にしてくれるよ。
わあ。
じゃあねバイバイ。
（たまえ・とし子）バイバ〜イ。
・
（男性）福丸！まっ…「まる」？わあ！・
（男性）待てー！待てー！待てー！こらー！待てってー！どこまで行くのさ。
あれここは…。
よっと。
捕まえた。
まだ遊びたかったんだね。
（男性）いやあありがとう。
はい。
すまんかった。
ホントにありがとねお嬢ちゃん。
エヘヘ…。
はあ。
さくら何やってんだい？うわっ！なんだ永沢か。
いやあ大変だったよ。
捕物帳だよ。
あれ？あっどうだい？これ。
おしゃれだろ。
はあ？わざわざ着替えてそれなの？あたしだってね今日はこのボタン…あっ！なっない！
（永沢）何がないんだい？ボタンがない。
何だいまたボタンか。
あ〜どこかで取れちゃったんだ。
いろんな所走ったからもう絶対見つからないよ。
それは災難だったね。
まあたとえボタンがあったところでその格好じゃおしゃれとは言えないけどね。
永沢やっぱりあんただけにはおしゃれのことでとやかく言われたくないよ。
（すみれ）それで捜しながら帰ってきたの？見つからなかったよ。
じゃじゃーん！まる子やどうじゃ？同じボタンじゃ。
これでペアルックだぞ。
おじいちゃんもうまる子はそのボタン持ってないんだ。
お揃いじゃないんだよ。
ガーン。
わし一人ではしゃいでいたのか。
こんなにカワイイボタンを付けたのに。
なくしたボタンは今いずこ
きっとカワイイ誰かが大事にしていると信じたいまる子であった
日曜日の朝
え〜っ二日酔い？
（ヒロシ）昨日飲み過ぎた…。
すまねえ。
動物園ものすごく楽しみにしてたのに〜。
来週連れてってやるから。
なっ？でも今度の土曜日も山ちゃんと飲みに行く約束してるんでしょ？え〜っ！？こっ今度はそんなに飲まねえって…。
う〜ん…。
ホッホントだって。
信用しろよ。
ハハッ。
信用できない父ヒロシ
（たまえ）それは残念だったねえ。
今度の土曜だってきっと飲み過ぎるに決まってんだから！二日酔いには柿がいいんだって。
えっ？柿？うんお父さんがねお酒を飲む前に食べたら二日酔いしなかったって。
へえ〜柿かあ。
（佐々木）おやまるちゃんたちこんにちは。
佐々木のじいさん。
こんにちは。
こんにち…わっ！柿だ！
（佐々木）ええ。
うちの柿です。
ことしはたくさんなりましてねえ。
たくさん…。
（佐々木）うちだけでは食べきれなくて。
よかったら柿を取りに来ませんか？えっ！いいんですか！？はい。
私はこれから出掛けますが妻がいますから自由に庭に入って取っていっていいですよ。
《やったー！》お邪魔しまーす。
あっ！
（はまじ）次はこいつだ。
よっと！いくぞー！ほらよ。
（ブー太郎）あらよっと。
ブー。
（佐々木の妻）まるちゃんも好きなだけ取っていってくださいね。
はい。
ほらよ。
（ブー太郎）あらよ。
ブー。
こりゃぼやぼやしてられないね。
あたしにもちょうだい。
おっさくら。
しょうがねえな。
ほらよ。
よっ！うん？ギャー！虫！？ほーらよ。
もっといいのちょうだいよー。
文句言うなら自分で取れよ。
そうだブー。
人に甘えるのはよくないブー。
分かったよ。
じゃあ登るからどいておくれよ。
やーだね。
俺が先だからねー。
何さもう！はまじたくさん取ったブー。
よーしじゃあ下りるぞ。
よっと！じゃあなさくら。
（ブー太郎）お先にブー。
ふん！よし！あたしも頑張るよー！よいしょ…。
どっこいしょ…。
ヘヘヘッ…うん？うん？近くにない！？くう！はまじのやつ近い所のをみーんな取っちゃ…。
あっ！あった！！よーし！だ〜あ…。
ただいま。
あっ！まっまる子！どうしたんじゃ！？おじいちゃん…。
（泣き声）何があったんじゃ？わしが力になろう。
ホント？ああ。
わしはいつもまる子の味方じゃ！じゃあ…。
うんうん。
柿を取って。
えっ？か…き？
（佐々木の妻）ええ。
私はこれから出掛けますけどご自由にどうぞ。
あっいやそういうことでしたら日を改めまして…。
早くしないとまたはまじたちに取られちゃうよ。
しかしお留守中に…。
「ご自由にどうぞ」って奥さん言ってる！ええ。
ご自由にどうぞ。
フフフッ…。
（友蔵・まる子）はっはい。
子供のころよくこうして柿の木に登ったもんじゃ。
ほほ〜うここにも…。
《いかん！まさかわし柿泥棒と間違われているのでは》・
（友蔵）わっ…私は佐々木さんの知り合いです。
さくら友蔵７６歳。
怪しい者じゃございません。
おじいちゃんいいから早く取って！あっああ。
子供のころのようにはいかんわい。
あっ！私は佐々木さんの知り合いです。
さくらさん？さっ佐々木さん！うわ〜っ！！おじいちゃ〜ん！！痛てて…。
大丈夫？ああ…寄る年波には勝てんのう。
あっ中野さん。
（中野）あっ。
さっさくらさん。
（中野のせき）
（友蔵）大丈夫ですか？
（中野）あっはい。
つ…妻がかっ風邪気味で薬を買いに。
（中野のせき）中野さんこそひいてるよね。
（中野）ああ…はい。
（中野のせき）
（友蔵）それは大変じゃ。
そうじゃ！よかったらこの柿食べてください。
えっ！？柿は風邪にいいんですよ。
ほら柿が赤くなると医者が青くなるというでしょ。
（中野）はあ…。
で…でもそんな…。
どうか遠慮なさらずに。
早く風邪を治してください。
（中野）ああ…はい。
あ…ありがとうございます。
（友蔵）すまん！しょうがないよ。
柿はまたもらいに行くから。
すまん！《とはいうもののあたしの背丈じゃ届かないし…》《どうしよう。
う〜ん》う〜ん…。
う〜ん…。
翌日
じゃ〜ん！これで遠くの柿も取れるね。
うっしっし！
一晩考えてこれか
嘘…。
（佐々木）ご近所の方にも差し上げたのでもう上の方にしか残っていないのですよ。
そうそう。
いい物がありますよ。
これは柿取り棒といいましてね竹ざおの先をこのように割って作るんですよ。
へえ〜。
・
（カラスの鳴き声）これで柿の実が付いた枝を挟んで取るわけですが…。
《はっ！》
（佐々木）いいですか？ほらこうやって…。
《かっ柿が！こら！食べるなあたしの柿！》うまく枝を挟めたらぐいっと…。
《ああ〜早く取らないと〜》《ああ…》では取ってみましょう。
《ほっ…》
（佐々木）さあまるちゃん。
えっ！？あたし？うん。
（佐々木）両手でしっかり持ってください。
そうそう。
いいですよ〜。
・
（カラスの鳴き声）《うん？》《あいつまた…》よっ！はっ！あ〜んもう〜！ちょっと貸してください。
うん？棒はなるべく体から離さないで。
《はしごとかないのかな？》晴彦も小さいころよくこれで柿を取っていましてねえ。
懐かしいですねえ。
こうしてまるちゃんとまた柿取り棒で柿を取れるなんてうれしいですねえ。
さあやってみましょう。
はしごを使いたいとはとても言えないまる子である
・
（はまじ）こんにちは〜。
あっ！また柿を取らせてもらっていいですかブー。
おや浜崎君と富田君。
まずい！貸してください！
（佐々木）もう少し右。
あっもう少し左。
やったー！わ〜い！
（佐々木）どうですか？苦労して取った柿は。
何だか特別に見えるよ。
そうでしょう？
（はまじ）面白そうだな。
俺たちにもやらせてくれよ。
やーだね。
あたしが先だもんねー。
（はまじ）え〜っ何だよ。
（ブー太郎）ずるいブー。
もっと右だよ右！行き過ぎだブー！左だ左だブー！
（はまじ）よっ！やったー！取れたぞー！最後の１個はあたしが取るよ。
あれは取らずに残しておきましょう。
（３人）えっ？
（佐々木）柿の実はね全部取り尽くさずに１つだけ残しておくものなんですよ。
何でですか？色々な言い伝えがありますが私は木への感謝の気持ちではないかと思います。
何でも根こそぎ取り尽くすのではなく感謝の印を残す。
そうした心掛けはとても美しいことのように思えます。
（はまじ）お前１個かよ。
うん。
これやるよ。
（ブー太郎）おいらのもあげるブー。
えっいいの？ありがとう！
みんなで取った柿の実は夕日と同じ色をして輝いているのであった
はまじが作った新聞がクラスで大人気。
藤木の三角関係の記事は面白かったけど自分のこと書かれたらやだね〜。
今あたしお姉ちゃんともめてるんだ。
絶対バレないようにしなくちゃ。
次回の『ちびまる子ちゃん』は…。
お楽しみにね。
2016/10/23(日) 18:00〜18:30
関西テレビ１
ちびまる子ちゃん[字][多][デ]【かわいいボタンはなぜなくなる？／柿をとりたいの巻】
『かわいいボタンはなぜなくなる？』の巻
『まる子、柿をとりたい』の巻
詳細情報
番組内容
とし子ちゃん、元気出して。きっと大切なボタン、見つかるよ。そうだ、今、佐々木の爺さん家（ち）の柿がとり放題なんだ。たくさんとってわけてあげるよ。柿って体に良いんだよ。
今回のちびまる子ちゃんは『かわいいボタンはなぜなくなる？』『まる子、柿をとりたい』の２本だよ。お楽しみにね。
出演者
まる子： ＴＡＲＡＫＯ
お父さん： 屋良有作
お母さん： 一龍斎貞友
おじいちゃん： 島田敏
おばあちゃん： 佐々木優子
お姉ちゃん： 豊嶋真千子
ほか
スタッフ
【原作】
さくらももこ
【ＯＰ曲】
「おどるポンポコリン」
【ＥＮＤ曲】
「１００万年の幸せ！！」
【脚本】
平岡秀章
田嶋久子
【絵コンテ・演出】
知吹愛弓
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