(はな)
人と人とは出会うべくして出会うのだといいます
戦後の焼け跡で…
ある思いを抱いた女性たちがいました
べっぴん。
それは特別な品の事をいいます。
小さな赤ちゃんのためにその赤ちゃんを思うお母さんのために想いをこめて幸せを届けたい。
良子ちゃん君枝ちゃん明美ちゃんそしてすみれ。
4人は始まりの時を迎えました
・「『雨上がりの空に七色の虹が架かる』」・「ってそんなに単純じゃない」・「この夢想家でもそれくらい理解ってる」・「たとえば100万回のうちたった一度ある奇跡」・「下を向いてばかりいたら見逃してしまうだろう」・「さぁ空に架かる虹を今日も信じ」・「歩き続けよう」・「優しすぎる嘘で涙を拭いたら」・「虹はもうそこにある」・「きっと虹はもうここにある」
(潔)あちこちの工場を回りながら生地仕入れてきたから分けたるわ。
(すみれ)わあ〜!あ…うわぁ〜!あっ…お支払いなんやけど。
要らん要らん。
でもそういう訳には…。
今回はご祝儀や。
(栄輔)もらっといたらええって。
そやで。
焼け残った工場で元気にしとったおっちゃんたちはみんな口々に「五十八さんどうしてる?五十八さんに会いたい」言うんや。
お義父さんはすごいな。
そう。
潔さんもうまくいくとええね。
ほんまや。
うわぁ…。
(良子)オートバイの君よ。
相変わらずすてき〜。
(君枝)良子ちゃん!もう人妻でしょ。
初恋を思い出してただけやわ。
あっ君ちゃん良子ちゃん。
(2人)こんにちは。
みんな元気でよかったな。
はい!青春に戻ったよう…。
(麻田)ほんまやね。
(明美)潔君!おう明美やないか!元気にしとったか?うん。
どないしたん?この生地を持ってきてくれたんです。
何かあったらいつでも言うてな。
アニキおらん時でも遠慮せんと。
栄輔さんありがとう。
フフッ…。
妹と何や重なってな…。
さくらちゃんもおるし応援ぐらいさせてもらいとうて。
ほな帰るで。
またな。
ありがとう。
(2人)ありがとうございます。
ありがとう。
ホの字やな。
ほう〜。
あんたに惚れてる言うてるんや。
やっぱりそうよね?そんな訳…紀夫さんがいる事も知ってるし。
知ってても止められへん恋心いうのもあるんやで。
そうよそうよ。
これだけあればたくさん作れるわ。
なっ?この生地でおしめでしょ。
ガーゼで肌着も作って…。
あああかんで。
えっ?ガーゼは肌着に向かんよ。
もともとガーゼは何のために使われとうか知っとうか?何のためやろ…?医者が使うためや。
あ〜!
(明美)そやから使い捨てや。
2枚重ねやから夏は暑いし汗もよう吸わんのや。
確かにそうね。
さすが看護婦さん。
(明美)肌着はメリヤスや。
そうか!あっもうちょっと大きくしたらどやろ?
(君枝)あっじゃあ…え〜っと…。
(喜代)もうちょっと大きい方がええんちゃいますか?「大は小を兼ねる」言いますやろ?心地ええのはぴったりかちょっと大きいくらいなんやって。
大人やって大きいもの着せられたら嫌でしょ?一度洗ったらこんな縮んでしまって…。
メリヤスは縦に縮んで横に伸びるみたい…。
これもういっぺん洗濯したら…ほらっ。
ほとんど縮んでませんわ。
ほ…ほんまや!一番最初に洗う時が一番縮むって事は…。
作る前にいっぺん洗ったらどうかな?あれ?
(良子)裏返し?そう!最初から裏返して作ったらどうかなと思って…。
(明美)確かに縫い目が表にあった方が赤ちゃんの敏感な肌を刺激せぇへんわな。
これでいこか。
はい!ねえ。
ポスターにマーク入れたいと思うんやけど…。
マーク?うん。
どんなのがいい?四つ葉のクローバーはどう?昔からよくクローバーの刺繍してたな。
うん。
何で?クローバーの4つの葉にはそれぞれ意味があるんです。
「勇気」「愛情」「信頼」「希望」。
みんなそろうと幸せになれるの。
4人でずっと忘れないでやっていけたらって思うんやけど…。
旦那さんからもらった腕時計…この時計屋さんに売ったの。
(ドアが開く音)
(時子)あっこんにちは。
こんにちは。
こんにちは。
ああ…ここの時計屋の娘で時子いいます。
ベビーショップあさや頑張って下さい。
はい。
すみれたちはこれまでどおりあさやさんの一角をお借りしてお店を開く事にしました
(3人)ありがとうございます!すみれちゃんどうかしたの?ここに何か飾れないかなぁと思って…。
どんな?ベビーのものを売ってるよって分かりやすいように…。
う〜ん…。
何か…何かな…。
あっ!
(君枝)どうかな?うわぁ〜かわいい!あとは色遣いが大事よね。
色ねぇ…。
紺色はどう?ポイントで赤を使えない?それやったらこの飾りボタンの留め糸を赤にしたらどう?こんにちはすんません。
(時久)お邪魔します。
お父ちゃんこの人やで。
あああんたか。
時計屋さん…。
聞いたで聞いたで。
頑張りや。
あんたのあの時計売らんと取っとくから。
よかったなぁ!うん。
そのころ3人の子どもたちはというと…
こんなに散らかしてしもて…。
この子たちもこの子たちで将来またさまざまな人生模様が繰り広げられる事になります
何しとんの?あっ明美さん。
子ども服を作ってるんです。
看板代わりに飾るの。
看板のためにこないな時間まで。
私たちの顔でしょう?妥協はできないわ。
ええねぇ。
うん…。
でもちょっともの足りない気がする。
ここに刺繍があったらすてきやない?出来た。
ええやん。
いよいよね。
(麻田)今日からやで!ベビーショップあさや。
ほんまにもうええもんが並んでてないっぺん来て!ねっ。
もう…見るだけでも損はさせへん思うで!どうですか?どうですか?ねっどうです…。
お客さん第1号やで!いらっしゃいませ!
(3人)いらっしゃいませ!あ〜!
(五十八)すみれ元気やったか?お父様!
そのころ私たちのもう一人の娘は…
・サツや!栄輔逃げろ!
(ゆり)えっどないした?ゆり!何なんやお前ら!離せ!離さんかい!
よからぬ事が起きようとしている事などつゆほども知らぬすみれでした
ええでしょう?2016/10/29(土) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 べっぴんさん(24)「四つ葉のクローバー」[解][字][デ][再]
すみれ(芳根京子)は、女学校時代の友人の良子(百田夏菜子)・君枝(土村芳)と看護婦の明美(谷村美月)と共に、子供の着心地を一番に考えた「べっぴん」作りを開始し…
詳細情報
番組内容
すみれ(芳根京子)は、女学校時代の友人の良子(百田夏菜子)・君枝(土村芳)と看護婦の明美(谷村美月)と共に4人で知恵を出し合い、子供の着心地を一番に考えた「べっぴん」作りを開始する。お店の象徴となるマークを四つ葉のクローバーに決め、靴屋の麻田(市村正親)のお店の一角を借りて「ベビーショップあさや」の開店にこぎつけた。開店後、最初に訪れたのは…
出演者
【出演】芳根京子,生瀬勝久,菅野美穂,高良健吾,蓮佛美沙子,谷村美月,百田夏菜子,土村芳,市村正親,曽我廼家文童,宮田圭子,松下優也
原作・脚本
【作】渡辺千穂