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字幕書き起こし クローズアップ現代+「アメリカ新大統領誕生〜超大国の行方を大胆予測〜」 2016.11.09

今も衝撃の余韻がやみません。
トランプ新大統領で、日本そして世界はどこへ向かうのか?3人のスペシャリストたちが大胆予測!20年以上にわたってアメリカ外交を研究してきた国際政治学者の藤原帰一さん。
日米の経済事情に精通したみずほ総研の安井明彦さん。
そして独自の目線で大統領選挙をウォッチしてきたデーブ・スペクターさん。
その3人の方々とお伝えしてまいります。
大接戦となりましたアメリカ大統領選挙。
トランプ氏の勝利という、この結果に、今、世界中に激震が走っているという状況なんですが、デーブさん、前、この番組に出られたとき、トランプ氏が勝利したら、どうするっておっしゃってましたっけ?
日本に永住するって言いましたけども。
もう住んでますけれども。
もうしてるからね。
改めて、トランプ氏の勝利。
アメリカ人がやってること、よく分からないですね。
自分で言うの変ですけども、もうそれだけのショックでもう、予想外でしたね。
正直に言いますとね。
ショックで予想外という声もありますけれども、世界はでは、どんな受け止めなのか。
ちょっとツイートなど、反応をご紹介したいと思いますね。
例えば、駐米フランス大使、イギリスのEU離脱とこの選挙、もはやなんでも起きうる、世界が目の前で崩壊している。
めまいがするという声もありますが、一方で、藤原さん、フィリピンの大統領、ドゥテルテ氏は、祝辞ですね。
トランプ氏の勝利を心からお祝いするという声もありますし、フランスのルペン党首、そして、ロシアのプーチン大統領からもおめでとうという声が来ています。
藤原さんは、トランプ氏の勝利、予想は?
予想はもちろん外れました。
私はクリントン候補が勝つだろうと考えていました。
そして、マリーヌ・ルペン、ドゥテルテ、プーチンから礼賛される大統領がアメリカの指導者となったことに、いまだに衝撃を受けています。
お2人とも、ちょっと衝撃でなかなか、ちょっとぼう然としてらっしゃるのかもしれないですけど、市場もどういう反応だったかというと、トランプ氏が当選確実になるにつれて、日経平均株価も下がっていきましたね。
一時は1000円以上下がりました。
そして、為替も円高に振れて、現在は1ドル103円98銭から99銭での取り引きなんですけれども、マーケットの観点から、安井さん、今回の勝利をどう分析されますか?
株価は本当に大荒れになりました。
マーケットはもう、クリントンさんで大丈夫だろうというふうに安心していた節がありますので、開票が進むにつれて、どうやら様子がおかしいとなるにつれて、もうどんどん下がっていくという展開です。
為替はそれほど動いていないということですけれども、株価については、これからヨーロッパ、アメリカのマーケット、どう動いていくのか、とても気になるところですね。
まさに皆さん、予想だにしなかったということなんですけれども、なぜ、では予想を覆して、トランプ氏が勝ったんでしょうか。
改めてトランプ氏とは、大富豪、不動産王。
非常に知名度はありますけれども、政治経験は全くない人だということですよね。
そして、非常に派手な言動で知られていまして、選挙期間中も、いろいろな失言などもありましたよね。
ちょっとこちらのデータご覧いただきたいんですけど、これ、何かといいますと、とある調査会社が、過去のいろいろな大統領候補の嫌われ度を示したデータなんですね。
今回はクリントン氏、そしてトランプ氏、両方とも、言い方悪いですけど、嫌われ者どうしの戦いだったという表現もありますけれども、中でもトランプ氏というのは、史上最も、50%を超える嫌われ度だったということなんですけれども、それでも勝利したことは、一体なんだったのか。
その勝因を分析してまいりましょう。

 

 

 

 


まずなんですけれども、これ、要因の一つといわれているのが、選挙に行ったことのない、隠れトランプ票の掘り起こしを、実はトランプ陣営というのは熱心に進めていたんではないかということもありますし、安井さんの分析。
既成の政治への批判、これ、どういう分析でしょうか?
今回、トランプさんが勝ったというのもありますけれども、クリントンさんが負けたという側面も強いんだろうと思います。
予備選挙を通じてトランプさん、それから民主党のサンダースさん、つまりこれまでの政治家じゃない人が欲しいという選挙だったにもかかわらず、クリントンさんは民主党の大統領で3期目を狙う、しかも10年、20年、30年にわたって、国政にいるプロの政治家だった。
この選挙の流れ、既成の政治を変えたいという流れに全くマッチしていない候補だったというのが、クリントンさんの敗因だったのかなと、結果的にトランプさんに追い風になったというふうに考えています。
安井さんはつまり、トランプ氏の勝利というよりは、クリントン氏の負けが結局、勝ちを呼んだんじゃないかということですよね。
という面があるんじゃないかと思います。
藤原さんはどう分析されますか?
今、隠れトランプということばがありましたけれども、なにぶんにもトランプさんは大統領の過程で、女性のことを豚と呼んだような人ですから、この人を支持すると、公言するのはなかなか難しいですね。
ですから、世論調査で自分の支持を明言しなかった人がいるんじゃないかということは、伝えられてました。
さらに、トランプ氏の支持者をこれ、出口調査の結果で、出口調査もそれほど正確じゃないんですが、見ていくと、白人がクリントンに入れた人が37%、そして、トランプ氏に入れた人が58%、ホワイトは明らかに20ポイント以上ですね、トランプに入れてるわけですね。
それで白人で高卒、大卒ではない人、それ以下というふうに見ていくと、これがクリントンが28%であるのに対して、トランプ氏は67%なんですね。
異例といってもいいぐらい、白人で高卒というところに集中している。
それから男性です。
クリントン氏は男性が入れたのが41、トランプが53。
明らかに男性が入れてるわけですね。
女性は54%がクリントンに入れています。
最後、中高年ですが、若年層を取りますと、18歳から29歳のグループで、クリントンは55、それにたいしてとらんぷは37。
65歳以上だと、クリントンに入れたのが45、トランプが53、つまり中高年が入れていて、若者はトランプさんにあんまり入れてない。
そういうパターンを見ることができます。
そのデータを聞くだけでも、何かしら、社会の分断というのが見えてくる結果でもありますよね。
非常に単純にいえば、白人のブルーカラー、これは本来は民主党の基盤だった所ですけれども、それを大きく奪うことによって、ペンシルベニア、オハイオ、ミシガンといった、民主党が強いはずの所でも、大敗を喫したということになります。
そしてデーブさんは、なかなか過激な表現ですね。
これ、有権者のことですね、もちろんね。
無知、無学、無茶。
っていうのはですね、正しい情報や真実、あるいはヒラリーが長年、いわれている疑惑が晴れても、説明がついてても、信じようとしない。
トランプが全く具体案がなくても、政策もなくても、とにかく信者になってるんです。
将来、もし彼が当選した場合は、アメリカあるいは世界中にどういう影響を起こすかも、全く責任取らない票の入れ方で、無茶っていう感じもするんですよ。
結局、今、藤原さんがおっしゃったとおりですが、ヒラリーの勝因になるはずだったマイノリティーの人たちの投票率も今回、だめだったと思うんですよ。
つまり支持層、トランプの支持層、本当に否定できないものが、もちろんいますけれども、それを取り消すためのマイノリティーたちは行ってあげるはずだったんです。
どうもそれが、都会でも、民主党よりの州でも足りなかったということは、全く予想外でした。
今回の大統領選の詳しい検証というのは、本当に細かなデータというのはこれから出てくる、検証されるものだと思いますけれども、では、日本にいる私たちは、この結果をどう受け止めていくのか。
視聴者からは、結局、こういう声があるんですね。
次の大統領の政策による具体的な日本への影響などについて知りたいんですという声もあります。
これから日米関係が2どうなるんだという声、多数寄せられています。
反移民を訴え、国民の間に対立感情を呼び起こしたトランプ氏。
そして、経済への影響は?
トランプ新大統領の下日本とアメリカの今後を読み解きます。
日米関係、まず気になるのは、日米安保の行方なんですけれども、先ほどもVTRにありましたとおり、日本に関して、大金をむだにしているという発言をしているわけなんですけれども、つまりこれは何かというと、米軍の駐留経費をもっと負担しろという趣旨なんですね。
さらに、日本が負担を増額しない場合には、日本がみずから核武装することを容認するという発言さえもしていると。
そのほか、東アジアの関係についても、このような発言をしているわけなんですが、藤原さん、日米同盟の行方はどうなるんですか?
トランプ氏が選挙戦で言ったことばと違う行動を取るだろう、まともな政治家の方針になるだろうと、希望的な観測は、これから2か月ぐらい、日本を支配することになると思いますが、私はそれほど楽観してません。
もともと日米同盟については、日本の国内ではアメリカにやりたい放題、属国ではないかという反発があって、アメリカからは、逆にアメリカが人とお金を出して、なんで守ってやる必要があるのかという議論があるわけですね。
トランプ氏が行っている議論は、後者のほうになるわけです。
なんでアメリカが日本を守ってやる必要があるのか。
日本がお金を出していることをたぶん、トランプ氏、知らなかったと思うんですけれども、半分出してるんだよと言われたら、全部だしゃあいいじゃないかと、切り返したわけですね。
この流れはどういうところにつながってくるかというと、結局、駐留経費を大幅に増額しなければ、これからの政策は維持しない、同盟の見直しをしても構わない。
そして、そのことが結果的には日本の中で、一つには、これで米軍は撤退するだろうという希望的な観測、はっきり言えば。
実際に視聴者から、沖縄にある米軍基地はこれから引き揚げていく方向に進みますか?という質問が来ていました。
そういう議論があるだろうと思います。
日本がお金を丸ごと払わなかったら、撤退してもかまわないという、撤退しても構わないといえば、これでやっと基地が出ていくのかという期待が生まれるでしょう。
実はアメリカの力を削減することを、トランプ氏は考えていない。
各国が独自の武装をというふうに言ってますけれども、どこまでなのかは分からないんですね。
孤立主義なんですね。
アメリカに関わるところじゃないところには、力を出さないという、そういう発想が一方にあるんですが、他方では、アメリカの安全のためには、なんでもやる。
ですから、孤立主義と軍事介入の結び付きという、最悪の結び付きなんです。
ただ、そこまでの政策に、急進的に走ることなく、安全運転を図ることを、多くの人が期待するということになるでしょう。
まさにそれを希望するというところですけれども、さあ、続いて気になる日米の経済への影響を見ていきます。
やはりこれですね。
TPP、アメリカが離脱するんではないかという懸念なんですけれども、トランプさんは、これについて、こんな発言をしているんですね。
TPPでアメリカの製造業は致命的な打撃を受ける。
つまりTPP、明確に反対と言っているんですけれども、安井さん、これ、アメリカは離脱することになるんですか?
トランプさんは、もうTPPは、就任したら初日に離脱を発表するというふうに言ってますので、これだけはっきり公約してるということは、必ずやってくると考えたほうがいいと思います。
トランプさんがまともな方向にいくんじゃないかという考え方の中には、議会コントロールしてくれるんじゃないかという期待もあるわけですけれども、こういったTPPの離脱とか、通商政策の分野では、トランプさんの一存でできる部分というのもだいぶありますので、ここは気をつけていかなければいけないところだと思います。
どう思われますか?TPP。
TPPは長引き過ぎてしまって、大きくなり過ぎたんです。
プラス面もあるんです、たくさん。
ただ、プラス面があると同時に、マイナス面もあるわけですから、誰も軍配を上げられない状態です。
日本でも得する人もいれば、損する人もいるんですよ。
消費者が得するけど、業者も潰れてしまう。
だからこれ、結論が出ないものですので、これで自然消滅してしまうのは、むしろいい流れだと思うんですよね。
日本もこれだけ時間をかけて議論してきましたけれども、これいったん、リセットになる可能性が高くなってきたと?
でもね、トランプ氏が今さらTPPはなんなのかって、資料を読んだり、勉強するわけがないんですよ。
安保条約のことも知らないし、日本も戦闘機やいろんなものを、ほかの国も一緒に買ってるわけですよ。
軍事産業も大きいわけです、アメリカは、言うまでもないんですが。
日本はどこまで経費を負担していることを分かっていれば、日本から撤退するなんて、そんな発言も言わないわけですよ。
だから、彼に何もかも説明してあげないと、こういうリアルに話が進まないと思うんですよね。
そのほかにも、日本と中国は、為替操作をしているという批判がありまして、さらに、日本がこのように、日本に対抗して輸入品に高関税、高い関税をかけるというような発言もしていまして、つまりはその経済というのは、内向きになっていくんじゃないかということで、それが世界経済にどんな不透明感を与えていくのか、そこも心配されるところなんですが、話は超大国アメリカ自身の今後について見ていきたいと思います。
アメリカは今回、トランプ氏が勝利したことによって、大きな転換点を迎えることになるのではないか。
ツイートでは、このような意見もあるんですね。
映画監督のマイケル・ムーアさん。
結末、どのようなものであっても、そこから始めるしかないといった声もありますが、アメリカ社会は果たしてどこへ向かうんでしょうか?
反移民を訴え、国民の間に対立感情を呼び起こしたトランプ氏。
選挙を通じて深まった人種や価値観の分断は果たしてどうなるのでしょうか?
今回の選挙を通じて、アメリカ国内のさまざまな分断が、改めて浮き彫りになっているわけなんですけれども、その一つ、人種、そして価値観の分断なんですね。
こちらはアメリカの人種構成なんですけれども、現在、6割が白人なのが、2055年には白人は半分を切るだろうといわれている。
この状況の中で、トランプさんは排外的な発言を繰り返してきたわけなんですね。
例えば、不法移民は強制送還。
ほかにも、壁を築いて流入を止めると。
その金を払うのはメキシコだ。
さらに、イスラム教徒の入国を禁止するべきだ。
こういった発言があるわけなんですけれども、デーブさん、今回、当選しましたけれども、本当にやるんですか?
ずっと扇動的な発言が多くて、むしろ、それが評価された部分があったと思うんですけど、特に彼の支持層の中に、似たような価値観の人もいますからね、ただ、ある程度、公約やらないと、なんだったのかと言われますから、支持者にも。
ある程度のアクションを取ると思うんですけれども、ただ、大統領ができることの権力というか、権限が限られているし、例えば宗教別で入国、断れないんですよ。
そのやり方もないんですよ。
国別があるにしてもですね。
ですから、現実的には、できることはそこまでないと思いますよね。
デーブさんはそう見てらっしゃる。
安井さんは、これ、経済の観点から、移民を排除していくっていうのは、どう将来的には影響が出るんですか?
移民を排除するというような考え方は、アメリカ経済にとってはとても危険な考え方だといっていいと思います。
移民の皆さんというのは、アメリカの大事な消費者ですから、いなくなれば、その分、消費は減ってしまいます。
それに労働者ですから、働く人も減ってしまう。
アメリカの成長率が先進国の中で高い一つの理由は、人口が増えている、移民も含めてということですから、そこを止めてしまうというのは、アメリカの強みをわざわざ消してしまうような行為だといっていいと思います。
トランプ氏の奥さんだって、移民ですからね。
メラニアさんですよね。
そうなんですよね。
だからその矛盾を抱えながら、実際にどういった政策を出してくるのかっていうのは、非常に気になるところなんですけれども、さて、その分断、もう一つ、これ、さらに深刻なのは、経済的な分断なんですね。
こちらは、アメリカの経済が拡大していることを示す図なんですけれども、アメリカの全世帯のうち、僅かトップの3%、ここにアメリカの富の50%以上が集中している状況にあるんですね。
この格差への怒りこそ、トランプ逆転勝利を生んだと指摘しているジャーナリスト、話を聞きました。
15年にわたって、アメリカの貧困問題を取材してきた、国際ジャーナリストの堤未果さんです。
トランプさんは選挙戦で、こういった格差に対して、不安を抱える人たちに、こういったことを訴えてきているわけですよね。
一方には減税、そして富裕層には、税収を確保するというようなことを言っているんですけれども、本当にこういった政策で、格差解消につながるのか、再び堤さんに聞いています。
堤さんのこのような意見もありましたけれども、藤原さんはどう見られますか?
私は堤さんのご意見に反対ですね。
当選したのはトランプであって、サンダース氏ではありませんから。
格差に対して、その格差の是正をするために、さまざまな形で、いろんな取り組みをしていこう、サンダースさんの流れがあるとすれば、外国のせいだ、そして移民、難民のせいだ、こいつらに仕事をとられてるんだ、ヘイトスピーチですね。
その移民とか難民とか、外国の企業とか、そいつらのせいでこうなったんだよということを言ったのが、トランプ氏なんですよ。
全く問題が違うんですね。
グローバル経済についてはいろんな議論があるでしょうけれども、そこから外れようとすれば、もちろん、経済的に大きな打撃を、アメリカは受けることになる。
それも言うまでもないと思うんですけれども、経済政策として、これ、実現できるものじゃないですから。
この政策はできないと?
全く矛盾しますね。
ですから、成果が上がらない。
それは外国のせいだよということになるわけです。
排外主義の政権が生まれたことを、深刻に受け止めなくちゃいけない。
マイノリティーを迫害し、外国人を排斥する政権が生まれたこととセットで、これを考えていかなければいけないと思います。
その格差を是正するための政策がうまく行かないとしたら、分かりやすい敵みたいなものを作り出して、そちらに感情を?
政策をやる気があるとしてのことですよね。
という可能性はあると。
安井さんは、格差の是正、トランプ氏がどのように取り組むと見られていますか?
それほど特効薬のような政策を、トランプさんが持っているとは思っていません。
ただもちろん、トランプさんだけでなくても、やはりどうやって格差を是正するかっていうのは、先進国みんなが悩んでいる課題ですし、そこにいい対策がないわけですね。
だからこそ、スケープゴートを探すように、グローバリゼーションを批判してみたり、移民を批判してみたりというような目立ち方をしてしまう。
かなり問題は根深いんだろうと思います。
なるほど。
だから簡単ではないんです。
例えばオバマ政権で、最低賃金15ドルにして、ファストフード店、それがうまくいっている例があるんですが、潰れてしまってるレストランもいっぱいあるわけですよ。
だからこれといった対策は、パーフェクトなものはないんですよ。
オバマ自身が、明らかに一般市民とか、困ってる人への同情とか、シンパシーはあるんですよ。
トランプ氏がそこまで情熱的にやってくれると思うこと自体が、正直言ってナンセンスなんですよ。
当選するために、そういうレトリックだけをばーんって言って、通ったのは通ったんですけど、そのあとの責任、誰が取ってくれるかっていう心配事があるんですよね。
まさに私たちはまだこの掛け声、訴えしか聞いていないので、実際にこの政治経験のないトランプさんがどのような政策をはこんでいくのかは、まだ未知なんですけれども。
分かりやすい例、言っていいですか?iPhoneってありますね、携帯の。
スマートフォン。
それ、中国のものをストップして、あるいはとんでもない輸入税をかけて、そうすれば、アメリカで作れないことはないんです。
アメリカで作ったら、4倍になるんですよ。
人件費が。
原価が。
そうすると、また高くなるんですよ。
そうすると誰も買わないですよ。
そんな単純なことすら、彼は全く考えないで、そういうスローガンばっかり先行して言うから、あとのことを全く考えてないんですよ。
まさに今のご指摘、グローバル経済という、もはや、もう逆行できないような世界になっている中で、トランプ氏の政策っていうのが、実際に本当にどのような効果をもたらすのかは、非常にわれわれとしても見通しが立たないわけなんですけれども、藤原さん、お尋ねしたいんですけれども、そういう世界とのつながりは深まる中で、今、各地でいろんな所で内向き化が進んでいってますよね。
アメリカという世界最大のアメリカが今回、このような決断をしたこと、これは、世界にどのような影響を与えていくんでしょうか。
これ自体が大きな影響があると思いますね。
そのような外国のせいだ、難民のせいだ、移民のせいだっていう形での政治は、ヨーロッパで広がってたんですけれども、ヨーロッパは移民の規模が、人口比で全然違う。
アメリカは移民が非常に多くを占めている国。
そこでマイノリティーを迫害して、外国のせいだという政権が出来ちゃったということの波及効果というのは、とてつもないものがあります。
ドゥテルテがアメリカの大統領になったわけじゃない、フィリピンの大統領ですからね。
これは核兵器のボタンを押すことができる人ですから、真剣に考えなきゃいけない。
最後に30秒ほどになりました。
安井さん、その経済の観点から、今後、トランプ氏が登場してくることによって、どんな影響を見ますか?
やはり不透明さの高まりですお待たせ致しました。
2016/11/09(水) 22:00〜22:25
NHK総合1・神戸
クローズアップ現代+「アメリカ新大統領誕生〜超大国の行方を大胆予測〜」[字]

アメリカ新大統領誕生で世界はどうなるのか、各界の論客たちが緊急討論!アメリカ社会の分断は解消されるのか?TPP離脱はあり得るのか?日米同盟の行方は?

詳細情報
番組内容
【キャスター】鎌倉千秋
出演者
【キャスター】鎌倉千秋