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地上波テレビの字幕を全文書き起こします

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字幕書き起こし 土曜スタジオパーク▽荒川静香 本田武史 2016.11.12

「土曜スタジオパーク」きょうのゲストはオリンピックの金メダリスト荒川静香さん。
そしてもう1人4回転ジャンプの日本の先駆者本田武史さん。
グランプリシリーズが始まり氷上では熱き戦いが繰り広げられています。
難易度の高い4回転ジャンプへの挑戦。
10代の女子選手の台頭。
今シーズンの見どころを徹底解説します。
さらに強烈なインパクトを与えたあの名演技をもう一度。
羽生結弦選手の史上初の300点超え。
実況⇒出ました!合計322.40。
あの荒川さんのイナバウアー。
名演技をノーカットでたっぷりご覧いただきます。

 

 

 

 


生字幕放送でお伝えします中野⇒きょうのゲストは荒川静香さんと本田武史さんです。
大沢⇒よろしくお願いします。
ビビる⇒どうぞ、どうぞ。
いよいよ今シーズン始まりましたけれどもどうですか。
荒川⇒やはり日本の選手たちも奮闘しているんですけれども世界の選手たちも強豪がいい調子を見せているので見ていてすごい時代だなと思いますね。
すごい時代を見ていると思っていいんですよね。
いいと思います。
どんどん技術が進化しています。
確かに4回転が。
本田⇒4回転、5種類全部出ていますのでね。
すごい時代ですよね。
詳しい4回転の話もこの先たっぷり聞いていこうと思います。
フィギュアスケートについての疑問・質問を募集します。
例えばフィギュアスケートのフィギュアとはどんな意味があるんでしょうか。
ビビるさん、ご存じですか?フィギュアの意味?基本中の基本ですよね。
みんな知ってるの?人名?フィギュアさん?荒川さんにお答えいただきましょう。
荒川⇒フィギュアスケートはスケートリンクの上に形を描くようなコンパルソリーというもので最初、競うものがあったんですね。
そこからフィギュアスケートというのが。
コンパルソリーという形をターンをしたりして氷上に形を描きながらそれをいかに正確にできるかを競う競技からきているんです。
知らなかったでしょ?知らなかったです。
さっきスタッフさんから聞いて。
このような素朴な疑問・質問をお寄せください。
フィギュアスケートについてお二人にたっぷり伺っていきます。
よろしくお願いします。
中野⇒改めてご紹介します。
ゲストは荒川静香さんと本田武史さんです。
よろしくお願いします。
ビビる⇒今、行われているグランプリシリーズ、選手にとってはどんな大会なんでしょうか。
本田⇒グランプリシリーズはどの選手もワールドランキングのポイントを稼げる試合でもありますのでワールドランキングが上がることによって世界選手権やオリンピックの後半のグループで滑れるようになります。
世界一を決める大会ですね。
荒川⇒この大会はシリーズで1人2戦、最大出られましてその2戦勝ち抜いた上位6名が最後グランプリファイナルという大会に出られるのでその6名の中で、またトップを競っていきます。
2戦だけよくてもだめなシリーズ戦なんですね。
6大会あるんですよね。
今シーズンはアメリカ大会から始まってカナダ、ロシアきのうから行われているのがフランス来週は中国、そして再来週には日本。
日本でやるグランプリシリーズがNHK杯というものです。
この中の2つの大会に出て順位に応じて与えられる得点で上位6位に入った選手が来月のグランプリファイナルに進出できます。
シリーズ後半に入ってくるこれからが重要な期間になってくるわけですか。
荒川⇒どの試合も一戦一戦顔ぶれも違いますしどの試合が誰と一緒になるのか運命的なところもあるんですね。
得点の高い選手たちがそろって勝ち抜くのが厳しい大会もあれば運によってはそうではなくて勝ち抜けることもある。
ただ2戦、戦わなければいけないのでどちらもいい結果を残しておかないと順位ポイントが稼げないのでファイナルに行けない難しさがあります。
選手自身がここで演技したいということは言えないんですか。
ワールドランキングの上位何人というのが割り振られてしまうんですね。
偏りをなくすためにあとは開催国がこの選手を招待したいというのがあるんですけれども自分の希望ではエントリーできないんですね。
どういう環境でも突破する力を持っていないとですね。
上手な選手が上位は割り振られます。
僕は、いきたいからアメリカとフランスにしますというのは無理なんですね。
希望は通らないです。
ファイナルに出るのはかなり大きいことですか。
本田⇒グランプリシリーズ6戦のうち勝ち抜いた6人しか滑れない大会ですのでそこで今度の世界選手権にもつながってくることになります。
今シーズンの男子はなんといっても4回転ジャンプが見どころですよね。
4回転ジャンプを日本で初めて成功させたのが、本田さんです。
本田武史さんは20年前に4回転ジャンプに挑戦しました。
15歳のときに初めて成功。
しかし成功率は極めて低いものでした。
何度も練習を繰り返しますが失敗の連続でした。
1年間練習し続け挑んだNHK杯。
公式練習では4回転ジャンプを見事に成功させます。
場内アナウンス⇒11番本田武史さん、日本。
いよいよ本番です。
4回転しましたが着地に失敗します。
諦めずによくとし、再びNHK杯で4回転ジャンプに挑みます。
実況⇒くるか。
やりました、ガッツポーズ!国際大会の本番で初めて決めました。
拍手
大沢⇒きれいな4回転でしたね。
本田⇒ありがとうございます。
うれしそうなガッツポーズが印象的でした。
ビビる⇒演技中のことは覚えていますか?覚えていますね。
やっぱりうれしかったというのとその当時、今みたいにいい映像がなかったので4回転の練習もどうやっていいか分からなかったんですね。
分析もできなかったのでとりあえず回数を跳ぶ練習をしていました。
とりあえず跳んでみようというところから。
あの映像はご自分でお持ちですか。
持っています。
何回も見返しますね。
あのときのジャンプがよかったなというので。
中野⇒本田さんが初めて成功させた4回転ジャンプはトウループというジャンプです。
最初に覚えるジャンプの基本のジャンプということですが後ろ向きに滑ってきて跳ぶ瞬間に左足のつま先、トウを着いて右足で踏み切るというジャンプです。
改めてVTRをご覧ください。
これは羽生選手ですけれども。
本田さん、トウループは改めて。
左足のトウを着いてジャンプをして4回回るというジャンプです。
足をかえられるということとトウを着けるということで遠心力をつけやすいジャンプにはなります。
4回転ジャンプをいちばん最初に降りるのはトウループを跳ぶ選手が多いんじゃないかなと思います。
あの一瞬で4回転回っているんですよね。
どうやって回っているんですか。
本当に一瞬なんですけれども1秒空中にいない間に4回転回らなければいけないので1秒いないんですね。
回転の速さだったり軸の細さを作ってあとは体幹ですね。
空中でどれだけ遠心力に耐えられるか。
自分で何回回ったか分からなくなることはないですか。
最初の覚えたてのころはなんとなくぎゅっとしめていれば回るかなという感覚なんですがそれを体が覚えていって4回回ったら開こうということですね。
回れるかは分かるんですか。
上がった瞬間に分かりますね。
だめだと思っても意外と成功してしまったりするときもあるので意外とジャンプは精神的に左右されるということですね。
メンタル面が大きいんですね。
4回転ジャンプ、ことしから羽生結弦選手はこれまで誰も跳ばなかった跳び方で成功しているんですよね。
先ほどのトウループをはじめジャンプは6種類あります。
下にいくほど基礎点が高くて難しい種類になります。
これまではトウループとサルコウを跳ぶ人はいたんですがこれより難易度の高いジャンプは長い間、だれも公式戦で跳ばなかったんです。
でも羽生選手、ことし世界で初めて公式戦で成功させたのが4回転ループです。
かなり速いんですがビビるさん分かりますか。
速い、これでも速い。
改めてループはトウループとはどう違うんですか。
ループジャンプはエッジ系のジャンプと言われています。
エッジ系だけで回転力をつけなければいけないのでトウループみたいにトウで遠心力をつけてまたぐ感じではないので右先に乗ったまま勢いでいかなければいけないので回転力のつけにくいジャンプになっています。
エッジの部分で踏み切っていくんですか。
そうです。
トウループはつま先を着いて跳ぶんですがループは左足のつま先をつかずに飛びます。
左足をつくことによってジャンプ力を上げることができるんですけれどもループジャンプは右足、片足のまま跳び上がって4回回らなければいけないので回転力がつかないのと力んでしまうと右足が右足で滑っていくんですけれどもその右足が浮き上がらずに終わってしまって転倒してしまうこともあるので、すごく難しいジャンプなのと苦手にしている選手が多いジャンプですね。
話を聞いていても難しいわ。
普通できないよ、4回転。
本当ですね。
片足だけにかかる体重というのも大きいですね。
負担が大きいね。
誰も跳んでいなかったのに羽生選手が跳び始めたのはなぜなんですか。
羽生選手は昨シーズンもアイスショーなどでは4回転を成功させていたんですが昨シーズンの後半から左足の甲のけががありまして4回転トウループのトウを着くときに少し痛みがあるということでトウループは右足だけで跳び上がるのでループを中心に練習したって話は聞きました。
ループのほうが難しいんですものね。
羽生選手が成功させたループ難易度では3番目ですがこれよりもさらに得点の高い4回転フリップをことし世界で公式戦で初めて成功させた日本人選手がいます。
それが宇野昌磨選手です。
18歳、大学1年生。
伸び盛りの選手ですよね。
宇野選手はアメリカ大会では1位ロシア大会では2位と大活躍ですけれども4回転フリップをご覧になっていかがですか。
本田⇒簡単に跳んでしまうなという印象がありましたね。
相当練習をされているんですよねきっと。
宇野選手は本当に練習をすごくよくする選手なのでそういったところでほかのジャンプの安定感も増しましたしプログラムの安定感もすごく高い選手です。
難しいジャンプに挑戦していかないと今は勝てなくなっているということですか。
ほかの選手よりも、1点でも高い0.01点でも高い選手が勝ちますのでほかの選手よりも高いジャンプをやったほうが点数が高くなります。
もちろんリスクはありますけれども。
4回転ジャンプありきというか。
もう、ないと戦えなくなってきましたね。
20年近く前に本田選手が初めて4回転を成功させてこの20年弱でここまで4回転が進化してきたのはどうしてですか。
僕が跳んでいたころは6点満点だったのでどのジャンプを跳んでも6点満点しかなかったんです。
今は加点方式になっていますのでほかの選手よりも点数が高いジャンプを跳んだほうが点数はもらえる。
ジャンプの種類によって、点数が上がっていく時代になったんですね。
採点方法が変わると当然皆さんの演技も変わるということですよね。
そして得意分野で勝負ができることになったんですね。
僕はルッツが得意ですという人が4回転ルッツを練習するようになったんです。
点数が高いので。
そういうところから4回転の種類がどんどん増えました。
4回転ジャンプが苦手な選手もいますよね。
どうするんですか?やっぱり練習しかないですよね。
あとは演技構成点で。
4回転はだめだけどほかは得意だという人はどうしたらいいんですか。
今は4回転がないと…。
厳しいな、それはまた。
それが重要だということですね。
難しい技にチャレンジしているので、どんどん得点が伸びていますよね。
去年は羽生結弦選手がNHK杯で前人未踏の300点超えを成し遂げました。
そのときの圧巻の演技をノーカットでご覧いただきます。
実況⇒映画「陰陽師」より「SEIMEI」。
最初は4回転です。
解説⇒4回転サルコウ。
余裕がありましたね。
軽々と跳んでみせました。
4回転が続きます。
4回転トウループこれも軽々と決めました。
美しい。
トリプルフリップ。
(拍手)
(拍手)
(手拍子)ステップシークエンス。
さあ、後半に持ってくる4回転はどうか。
トリプルアクセルからのコンビネーションも難しいジャンプが続きます。
4回転のトウループ。
トリプルトウループ。
3つを決めた。
トリプルアクセルダブルトウループ。
難しいチャレンジと話したこの後半のジャンプコンビネーション。
難しい入りからのトリプルアクセルシングルループトリプルサルコウ。
(歓声)トリプルループ。
トリプルルッツ。
ジャンプをすべて決めてきた!どこまで得点が伸びるのか。
(歓声)
(手拍子)
(手拍子)コンビネーションスピン。
(拍手と歓声)次元が違います。
場内アナウンス⇒羽生さんの得点216.07。
出ました!合計322.40。
新たな世界に突入しました。
フィギアスケート男子シングルがまさに新たな時代に突入していきました。
拍手
大沢⇒本当に次元が違う。
ビビる⇒すごいね。
次元が違うというひと言にしびれましたね、やっぱりすごい。
これを見たとき驚きましたか?本田⇒すごかったですね鳥肌が立ちましたね。
中野⇒本田さんは解説をされていたんですね。
そうですね、気迫と絶対王者感がこれはいくだろうなという。
その前からなんとなくそういう空気を本人が作ってましたか。
そうですね。
技術としてもものすごく努力をしていますがメンタルもすごいですね羽生選手は。
そうですね。
彼はトリプルアクセルがすごく上手な選手なのでそこに安定感がいくと全体的に安心できる。
スピンも上手なので、いつもどおりやればできるというのが思っているのでそこがすごいです。
VTR中に荒川さんおっしゃっていましたがここぞというときのメンタル面が羽生選手の強さがあるとおっしゃっていました。
荒川⇒大体の選手はチャンスが目の前にあるといつも以上に力んでしまったりちょっと違ったことが起きてしまったりすることがあるんですが羽生選手がそこで見て知って自分を抑えるコントロールする。
天性のものなのか持っているものがあります。
すぐ落ち込みますからねわれわれ。
次元が一緒ですから。
今シーズンの羽生選手の状態ご覧になっていかがですか。
本田⇒やはりけががあった分練習が十分ではないかなと思うんですが一戦目に出た、スケートカナダからNHK杯まで時間がありますのでそこで調整してくると思いますし昨シーズンもそうでした。
スケートカナダで失敗してもNHK杯で最高得点でしたどんどん上がってくると思います。
けがの状態も少しずつ。
けがとはつきあわないといけないというふうなインタビューも書いてありました。
スケーターはみんな同じ条件です。
けがとつきあいながらやっています。
うまくコントロールしながらやってくると思います。
中野⇒昨シーズン前人未踏の300点台これから羽生選手、いってみれば自分との戦いじゃないですか。
これからさらに進化できる部分は?4回転ループが進化の1つです。
そこを決めたところと今シーズン4回転を4回フリーに、入れるということも新たな挑戦になってきます。
まだまだ成長すると思います。
いよいよ再来週に行われるNHK杯に羽生選手は出場します。
どんな演技になりそうですか。
日本で滑るとき緊張感はあると思うんですが先ほど言っていたようにその場所での緊張感をプラスにする選手なのでいい演技にしてくれると思います。
期待したいですね。
続いては女子について見ていきます。
10代の若手が大活躍ですよね。
中でも注目されているのが18歳の宮原知子選手です。
日本のエースへと成長した宮原知子選手。
宮原選手は、とにかく練習熱心。
それがミスの少ない安定した演技につながっています。
昨シーズンは宝塚出身のコーチを招いて指先や表情の細かい動きまで磨きをかけました。
昨年のNHK杯では見事優勝。
さらに初出場のグランプリファイナルでは銀メダルを獲得しました。
解説⇒トリプルループ。
体の使い方やエッジワークがいいですね。
ダブルアクセルトリプルトウループ。
ここで決まったのは大きいですね。
拍手
大沢⇒今シーズンも宮原選手は活躍されています。
カナダ大会では3位になりました。
宮原選手の今シーズンの調子は荒川さんいかがですか。
荒川⇒調子自体は今シーズンも安定していて大きなミスなくカナダの大会もまとめました。
採点が厳しかったこともあってなかなか得点が伸ばしきれなかったというのがあります。
次の試合ではどのジャッジが評価しても絶対に評価してくれるというように仕上げてくると思います。
次は再来週のNHK杯に出場するということです。
期待が持てますかね。
少し時間がありましたのでカナダでの修正点をしっかり修正してNHK杯に挑んで安定感は変わっていないと思いますので彼女の最大の武器は安定感です。
きっちりとどの試合でもこなせるというところが武器だと思うのでそこが生かせるといいなと思います。
楽しみです。
中野⇒まだまだ10代活躍の選手がいます。
その1人17歳の三原舞依選手もシーズンシニアデビューしたばかりの17歳。
グランプリシリーズのシニア大会アメリカ大会では3位に入りました。
三原選手はどんな選手ですか。
荒川⇒ジャンプが非常に得意な選手です。
どのジャンプにも嫌な癖がないのですごくナチュラルに後半まで力をむだに使わずに滑っていける選手です。
メンタルが強いなとこの間の試合を見て感じました。
最近の若い方はメンタルがしっかりしているんですね。
ショートうまくいってフリーに行くときに表彰台に乗りたいと欲が出たときにみんな力が出すぎて失敗することがあるんですが、三原選手は自分らしい滑りができていたのでそういうところでメンタルが強いなと思いました。
17歳なのにね。
どうなっているんだろうね。
緊張具合がコントロールできるんだろうな。
三原選手は来週の中国大会どんな演技を見せてくれるんでしょうか。
荒川⇒安定感のある演技を中国大会でもできるといい結果が期待できると思います。
度胸が最初は新しく参戦していく選手には大事だと思うので思い切り滑ってほしいなと思います。
中野⇒17歳、三原選手ですがさらに若い注目の選手が樋口新葉選手です。
15歳。
ビビる⇒きのう見たなニュースで。
今、開催中のフランス大会に出場していましてきのう行われたショートプログラムでは日本選手トップの5位につけています。
樋口選手の持ち味は?荒川⇒スピード感あふれる演技です。
最初から最後まで演技をスピードが落ちずに展開していきます。
非常に見応えがあります。
後半まで難しいジャンプを組み込んでいく力のある選手です。
フリーもうまくまとめることができたらいい結果というのが見えてくるのかなと思います。
きのうはちょっとショートプログラムのほうではトリプルがダブルになったりしたミスがありました。
負けず嫌いの選手ですのでその悔しさはフリーにぶつけられるじゃないかなと思います。
中野⇒スピードをつけて演技するのは難しいですか。
荒川⇒ジャンプのタイミングを合わせるのがスピードがあることで難しくなります。
恐怖心があるとセーブしてしまいます。
そういう恐怖心なくスピードある中ですべての技を展開していけるというのは1つの持ち味になりますね。
誰もができるということではなくて。
15歳ですからね。
10代の選手の活躍珍しいことではないんですか?荒川⇒世界的にフィギュアスケートは以前から若い選手が難しいジャンプを習得してそれを披露していくというような競技なので。
若い選手は勢いがあるんですが長く自分の味を出しながら活躍し続けられる選手はすごいなと思っています。
二十歳くらいで中堅とかベテランになってしまうんですか。
15歳くらいからシニアの舞台で戦っていきますと二十歳で5年目とか浅田選手になると10年目なります。
若い選手でも長く活躍できる選手っていうのは本当に一握りです。
浅田真央選手、すごいですよね。
そうなんですよね。
早咲きの選手は早くに終えるケースが多いんですがそこまで世界のトップで長く活躍するのはすごいことですね。
荒川さんもね、ずいぶん長い…。
荒川⇒私はスタートが早くなかったんです。
シニアに挑戦したころは世界の壁が高くてかなわなかったですが二十歳を超えたころから世界で戦うことのすばらしさおもしろさが分かってきてこうしたいという意欲が出てきました。
遅かったんです、スタートは。
ご自身の、若いときと今の10代の子たちを見ていて違うところはありますか。
小学生のころから国際経験を積んでジュニア、シニアと上がっていくときには世界のトップで戦うことの意識が高く持てているそういう選手が日本人は多くいます。
先輩のすばらしい後姿を見てみんな育っているので私も頑張ったらこうなっていけるんじゃないかなという夢がつながってきているように思います。
本田選手、男子もそうですか。
本田⇒男子の選手は二十歳を超えてから25歳までの大人の色気というのがいちばんおもしろいんじゃないかなと思います。
4回転を覚えるのは若いほうがいいんですがその選手たちが出せない独特な男らしさというのはやはり男子にしか二十歳超えてからしか出せない演技力もあります。
表現力って重要ですものね。
後輩には俺が日本初だぞと言っているんですか。
言わないです。
言ったほうがいいですよ。
先ほども話してました注目の選手といえば浅田真央選手ですよね。
フランス大会に出場しています。
調子はどうですか。
荒川⇒本来の浅田選手の調子までは上がりきってはいないことはあると思います。
自分で上がらない中でもまとめることができれば次の試合につながることになると話していたので長いシーズンになりますから半年間戦っていく中でどこに自分のピークを持っていきたいのかということが定まっていればそこに向けての調整として周りの若い選手たちは早くに仕上がってくるのでいろいろなペースがありますがベテランの選手ですから自分のペースを守って。
26歳ということで体力的に大変な部分もあるということですか。
体力的というよりもどこにピークを持っていくか的を絞っていくのかベテランの選手の戦い方なのでピーキングのしかたはほかの若い選手たちとはちょっと違っているというのはあると思います。
荒川さんも20代になってから2006年のトリノオリンピックで金メダルに輝きました。
10代のときよりも練習しましたか。
荒川⇒練習のしかたはどんどん年齢に合ったものを見つけていかなくてはいけないんですが体力的には30ぐらいまでそんなに落ちたりというのは感じないんですが疲労回復なんかが変わってくるのでそれに自分の今の状態に合ったトレーニングを導き出せればうまくいくと思います。
年齢によってトレーニングのしかたも変わってくるんですか。
変わってきます。
若いころというのは数をこなして寝れば次の日に備えられるという毎日を繰り返しますがベテランになってくると試合時間で2分50秒とか4分とか短い時間なのでそこで集中力を一気に上げるためにはどう過ごしていくのかピーキングするような練習をしていきます。
変化はあります。
トリノのときはどういう気持ちで…。
金を欲しいという気持ちで臨んだと思いますが。
結果を見据えすぎてしまうと自分の本来あるべき気持ちであるとかやるべきことを見失ってしまうのではないかと恐れていたのであまり結果のことを考えすぎないように抑えて抑えて、気持ちを。
ついつい考えてしまいますよねいろいろなこと。
いい結果を残したいと思うとそこに力みが生まれたりですとかいつもやってきたことと違ったことが起こってしまうのでなるべくいつもどおり。
あのときは力んでないなという感覚がご自分ではあったんですか。
なるべく肩の力を抜いて。
どうやって抜くんですか。
たくさんの大勢の人がオリンピックで。
みんなが見ている。
出発前はメダルをお願いしますと言ってくるじゃないですか。
何ですか、そのプレッシャーっていうくらい。
そういう条件はそこに出てくる選手が全員が同じ条件で出てくるので特別自分が感じるプレッシャーでもないと。
リラックスして自分のリズムで臨むというのは整え方が難しくないですか。
難しいですね。
ピーキングもしようと思えば一日単位で合わなくなってしまうことがあるのでコーチが以前からずっと言っていたように、ふだんの練習で練習をすべて終えて本番は楽しむだけにしておく。
本番で起こったことは運だからというくらいの気持ちでいかないととそういう準備をしていました。
トリノの感動の名演技を皆さん見たいですよね。
ノーカットでご覧いただきます。
実況⇒最初にトリプルルッツからのコンビネーション。
解説⇒トリプルルッツダブルループ。
そして、このあとです。
3回転、3回転。
トリプルサルコウダブルトウループ。
2回転にしました。
トリプルフリップ。
(拍手)体がよく動いていますね。
動いていますね。
表情にも余裕があります。
(拍手)さあ、ここからの2分15秒が荒川静香、長野から8年の思い。
ダブルアクセル。
(拍手)ダブルループ。
(拍手と歓声)
(拍手と歓声)本当にエッジによく乗ってカーブに乗ってショートプログラムのときの倍くらいいい伸びのスケートですね。
(拍手)
(拍手と歓声)
(拍手と歓声)
拍手
中野⇒すばらしい。
大沢⇒何度見てもうっとりしますね。
荒川⇒懐かしいですね。
もう10年も前。
ビビる⇒当時の映像を見ながら伺っていたら結構なプレッシャーがあったようですよ。
このトリノオリンピックで全競技を通じて唯一の金メダルでしたね。
結果そうなりましたけれども。
閉会式直前で取られたわけですから。
日本に金メダルがないなというのを感じながらの当日じゃないですか。
気持ちとしては嫌ですよね。
気持ちとしてはどの競技の選手もそれを目指して挑んでいった結果なので特別、自分がそう期待されていたわけでもないですし。
見ている側は勝手に応援して勝手にメダル頼むぞと言うじゃないですか、すぐに。
今ほどインターネットも普及していなかったのでどういうふうに捉えられているのかというのも知らずに挑めたというのもあります。
何も考えない状態で演技に集中できたという感じですか。
そうですね、考えないようにするためにあらかじめ自分が何を思ってリンクに立って4分間何を考えるかと決めていました。
そうじゃないとそのときのフィーリングに流されてしまうんですよ。
演技中というのはなんとなく覚えているんですか。
結構後半は鮮明に覚えていましてこの大会でもう現役として最後かなと思っていたのですごいいろいろなことが走馬灯のように思い出されながらいろいろな人に応援していただいたなとかありがたい気持ちですごい滑っていたのは覚えています。
最後のほうは笑顔でね。
それが演技の一瞬に出るのかもしれませんね。
少なからずあるかもしれませんね。
そして今度はピョンチャンオリンピック。
再来年の2月ですか。
こうなってくると日本人はまた誰かメダルを取るんじゃないかとすぐなっちゃうんですよ。
再来年だと言っているのに。
どうしても思っちゃうんですよ。
今からメダルどうなんだとなりがちですけれどもただ人材としては期待してしまうのは当然なくらいそろっていますものね。
荒川⇒日本には今メダルが取れる力のある選手が多くいてまだまだ若い選手もこれから上がってくる選手たちもいますのでどの選手が戦ってもその力が出し切れればという期待はすごく高くなりますね。
再来年ということでことしは皆さんどういう位置づけでピョンチャンオリンピックを目指している時期なんですか?ことしはたぶんチャレンジの年。
来シーズンはおそらくもうオリンピックシーズンなので新しい挑戦というよりは今シリーズやった結果を踏まえてどういう構成にするかなので今シーズンで新しい挑戦はすべてしておく選手が多いかなと思います。
今度のNHK杯とかグランプリファイナルもチャレンジ、新しいことに。
新しいチャレンジが多く見られる年だと思います。
海外と比べてかなり日本勢というのは強くなってきていると見ていいんですか?そうですね。
やっぱり世界のトップを引っ張るような技術を持った選手たちが複数いるのでそれを見て下の世代も育ってきていますからすごく層が厚いですね。
本田さん男子もソチオリンピックは金メダルを取りましたけれどもピョンチャンに向けて男子はどうですか。
本田⇒もちろん羽生選手も宇野選手も調子が上がっていますのでメダルの可能性が高いと思うんですが4年に1回のオリンピックの舞台は1回経験できるかできないかという選手がすごく多いんです。
オリンピックの夢舞台に立って滑るということを楽しんでほしいです。
結果よりもまず自分の演技を最高の満足いく演技をしてほしいなと思います。
自分で勝ち取った出場ですものね。
その中で4回転がね。
ななみ⇒♪〜「トゥーランドット」なんだ急に。
荒川さん、本田さんこんにちは。
こんにちは。
ななみちゃんスケートできるの?したいんだけど全く滑れないんだよね。
荒川さん、ななみはどうしたら滑れるようになると思う?荒川⇒やっぱり、まずはスケートリンクに行ってあとは上手な人を見てイメージを持っていくのも1つかもしれないですね。
こう滑りたいという気持ちが大事なので。
イメージと気持ちが大事なんだね。
まずスケートリンクに行くのが問題かもしれない。
誰か連れていってくれないかな?諦めないで頑張る。
まず最初にこちらを紹介しますよ。
世界の一流の指導者が日本の子どもたちに特別指導する「奇跡のレッスン」。
今回はフィギュアスケートです。
指導者はカナダ人の最強コーチシェイリーン・ボーンさん。
心を開けば、すべてが変わる。
フィギュア界のカリスマみずから子どもたちに振り付け。
秘められた感情を引き出していきます。
ななみ⇒この番組見たらななみもイメージ湧いちゃうかもね。
シェイリーン・ボーンさんってすごい人なんだよね、荒川さん。
荒川⇒すごい人です彼女自身もオリンピアンですし表現の空間を使う大きさがほとばしるパッションというんですかそれがすごい魅力的で引き込まれます。
教えてもらって子どもたちがどんなふうに変わっていくのか楽しみ、楽しみ。
ほかにもNHKの最新情報をお届けするよ。
「まるNフラッシュ」。
3年前に引退した宮崎駿さん。
いったい、宮崎さんはどんな余生を送っているのでしょうか。
75歳の宮崎さんは、すっかり世捨て人になっていました。
そんな宮崎さんを変えたのは若きCGアニメーターたちとの出会い。
最新CGを使った短編映画に挑戦し始めます。
軽い気持ちで始めたはずが心に再び火がつきます。
漫画の神様、手塚治虫。
各界で活躍する4人の手塚ファンが結集しました。
手塚治虫への熱い思いを語ります。
月が大好きな橋本マナミさんが最高のお月見を探して旅に出ます。
月光のもとに行われる郡上おどり。
月に照らされた屋久島の幻想的な風景。
月は見るだけでなく食べるもの?うーん!ななみ⇒うーん、おもしろそうな番組がいっぱい。
もう1つ、お知らせがあるよ。
あしたから始まる大相撲九州場所。
初めて8Kスーパーハイビジョンで大相撲を生中継します。
デーモン⇒8Kスーパーハイビジョンこれが超高精細映像かと。
いろいろ見たいところが出てくるね。
立ち合いでバーンとあたったとき表情の細部だったり指先の微妙な動きとか。
ハイビジョンの16倍3300万画素の超高精細だから力士の俊敏な動きも、はっきりと。
それから音もすごい!すり足しをしたり力士の息遣いも聞こえてくるし最前列で見てる音の感じだね。
聞く人を取り囲むように設置されたスピーカーがこれまでにない臨場感を再現します。
だから相撲好きのデーモン閣下も。
いやはや感動した。
のぼりが目印。
スーパーハイビジョン8K大相撲!11月13日からの大相撲九州場所で。
ななみ⇒どすこい、どすこい。
8Kハイビジョンで見るとすごい迫力なんだよ。
詳しくは最寄りのNHK放送局にお問い合わせください。
以上「まるNフラッシュ」でした。
拍手
ビビる⇒ななみちゃんありがとう。
また会おう。
皆さんからファックス素朴な質問、来ています。
本田さんに伺います。
12歳の男の子です。
自分は普通のスケートをしていてもジャンプができず技すら成功できません、ジャンプや技を決めることができるようになるコツを教えてください。
本田⇒ジャンプって練習するのが大事なんです。
成功するときと失敗するときなんで失敗したかという理由が絶対あると思います。
ただたんに跳ぶのじゃなくてなんで失敗したのか考えると調子がいいときは何も考えなくても跳べるんです。
調子が悪いときだからこそ何でなのか考えてやるといろいろ見つかってきます。
大沢⇒12歳だものね、楽しみ。
荒川さんに質問です。
岐阜県の方です。
プログラムに使っている曲は選手が選んでいるものなんですか。
それとも振り付け師さんからの提案ですか?教えてください。
荒川⇒いろいろなケースがありまして自分が滑ってみたいという曲を見つけて提案するケースもあります。
その選手に合ったものを考えて振り付け師さんやコーチが提案するケースもあります。
選手によって選び方が違います。
荒川さんもいつもご自身で選んだりコーチの方と振り付け師の方と選んだり。
そうですね、自分で選んだ曲もありましたし自分で思っている自分のイメージではなくて人が思っている自分のイメージで新しく作ってもらうもののほうがおもしろかったりもするので提案してもらって新しいものを作っていくというおもしろさも感じたりしながらやってきました。
中野⇒荒川さんといえば「トゥーランドット」ですが思い入れがある曲ですよね。
珍しくこの曲は自分が滑りたいと提案して3シーズン使ったことがあります。
そのとき全部自分で使いたいといって最後もそうでした。
本田さんもそうですか。
本田⇒振り付け師が見た感じの曲を選んだものを滑っていたことが多いです。
メッセージもたくさん来ています。
東京都女性の方です。
本田さんのファンでした。
中学生のころテレビで見たNHK杯での4回転を成功した仮面の男は何回も当時見返したほど大好きな演技です。
すべてのジャンプすばらしかった。
あのときの映像もフルでお願いしますと。
荒川さんにです。
三重県女性の方です。
荒川さんのイナバウアーの映像を見るとそれだけで涙ぐんでしまいます。
本田さん日本はフィギュアスケートが低迷期でしたが孤軍奮闘している姿をテレビで見ていました。
お二人もこれからお体に気をつけて頑張ってくださいというメッセージです。
質問です。
鳥取県女性の方です。
お二人とも解説の仕事をよくされていますよね。
その中で忘れられないハプニングや思い出はありますか。
荒川さんは?荒川⇒NHK杯で曲が鳴らなくなってしまった選手がいましてそれをずっと生中継だったんですけれどもどうなるのか選手も分からないジャッジも分からない放送している側も分からないという時間が。
しばらくして再開したんですか。
もう1回やり直したんですがその間、選手自身が会場を盛り上げたりしながらつないだというときがあったんです。
選手の力量といいますか人の器というのもあるなと感心したり。
放送しているほうはどうなっているんだと必死だったりするというハプニングがありました。
本田さんは?本田⇒ハプニングはあまりありませんでした。
10年解説をやってる中で高橋大輔選手の日本人男子初の銅メダルに立ち会いました。
羽生選手の金メダルも目の前で見れました。
歴史が変わった瞬間も立ち会いました。
すごくよかったと思います。
2016/11/12(土) 13:50〜14:50
NHK総合1・神戸
土曜スタジオパーク▽荒川静香 本田武史[字]

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