（富美）さくらちゃん…。
（はな）
突然すみれのもとに紀夫君のご両親が訪ねてきました。
そして驚くすみれに…
（五郎）紀夫の事をもう諦めてもらえないだろうか。
紀夫の親として…この現実を覚悟しなければならないと思います。
すみれさん…ごめんなさいね。
本当にごめんなさい。
ごめんなさい。
許してね…。
（五郎）ここまで何の便りも知らせもないという事。
それは紀夫は…戦死した可能性もあるという事です。
ですからどうか紀夫に縛られないで下さい。
すみれさん。
あなたには未来があるのよ。
・「『雨上がりの空に七色の虹が架かる』」・「ってそんなに単純じゃない」・「この夢想家でもそれくらい理解ってる」・「大量の防腐剤心の中に忍ばせる」・「晴れた時ばっかじゃない」・「湿った日が続いても腐らぬように」・「たとえば１００万回のうちたった一度ある奇跡」・「下を向いてばかりいたら見逃してしまうだろう」・「さぁ空に架かる虹を今日も信じ」・「歩き続けよう」・「優しすぎる嘘で涙を拭いたら」・「虹はもうそこにある」・「きっと虹はもうここにある」
（五十八）そうか。
田中先生がそんな事を…。
そんですみれ。
お前自身は？
（すみれ）分かりません。
（ゆり）そらそうよ。
そう言われたからって分かりました私も諦めますとは言えないわ。
（忠一郎）ごもっともです。
わしの方で調べる。
すみれ苦しいやろうけど待ちなさい。
（玉井）場銭も取らんとどないしてもうけられるっちゅうんや！
（根本）信用を取り戻すまでは…。
（玉井）信用？そんなもんなぁ一銭にもならんわ！ここが変わり目なんや。
変わらなあかん事がまだ分からんのか！
（栄輔）すみれさん駅まで送るわ。
ありがとう。
ベビー相談室盛況なんやろ？わしも行ってみたいわぁ。
いつでもどうぞ。
ほんまか？え〜何相談すればええのやろ。
あああ…考えとくわ。
フフッ…。
栄輔さん。
ん？いつもありがとうね。
えっ？栄輔さん元気やからこっちまで元気が出るわ。
おいおいおい…ちょちょ…ちょっと待ってや！この傘…売ってくれ。
ひゃ…ひゃ…１００円や！どうしたの？これ…うちで作ったもんなんや。
えっ？わしのうち傘工場やったんや。
へぇ〜。
小さい工場やけど父ちゃんと母ちゃんが必死に働いてな残っとった傘も空襲で焼けてもうて…もうどこにもあらへんやろ思ってたんや。
こんな所で出会えるとはなぁ…。
きっと栄輔さんの思いが引き寄せたんやね。
すみれさんもきっとやで。
強う思うてたら願いはかなうもんや。
頑張りや。
（良子）うちもよ。
もうどうしたらええのか頭が痛いわ。
（君枝）やっぱり良子ちゃんの所もか…。
（明美）へぇ〜そないなもんなんや。
遅うなりました。
（良子）すみれちゃん。
お帰り。
何の話？悩み相談。
ああ…。
龍一も健ちゃんもお父さんに懐かないのよ。
あ…そうなの？うちは妊娠中に主人が出征して戻ってきて初めてお父さんに会ったから…。
うちも生まれてすぐに行ってしまったから。
徐々に慣れていけばええのやけど…。
（君枝）そうね…。
何やかんや言うて頼りになるし。
あっごめんねすみれちゃん。
ああ…ええのよ。
私も型紙作らなね…。
回想
（五郎）紀夫の事をもう諦めてもらえないだろうか。
紀夫は…戦死した可能性があるという事です。
あ…ちょっと用事思い出したわ。
ありがとう。
何かあったんか？
（時久）いらっしゃいませ〜。
あ…。
おっちゃんちょっと外してくれ。
えっ？話が終わったら呼んだるわ。
わしの店やねんけどな…。
旦那の両親が…。
そないな事か。
えっ？もっとどえらい事が起きたんかと思うたわ。
もっとどえらい事？
（明美）死んだいう知らせが来たとか。
そうやないんやろ？あんたはあんたで淡々としとき。
淡々と…？そや。
淡々とや。
そして次のベビー相談室の日がやって来ました
（女）うわ〜ぎょうさん並んでるで。
早う並ばな！
（麻田）こらまた…。
型紙？はいそうです。
わっ何や何や？申し訳ありません。
げた買わしてもらお思たんやけどもうええわ。
いや〜ねえ…あのまあ…。
ここは何屋になったんやもう〜。
この値段やったら買えるわ。
うんうん。
よかったね。
うん。
（昭一）君枝！あ…君枝。
健太郎連れてきたで。
あ…うん。
すいません。
こんにちは。
ああどうもお世話になっております。
健太郎。
お母さんおるで。
おっ？ハハハッお父さんの方がええのか！そうかそうか！フフフ…。
ちょっと向こう行こか。
（昭一）慣れたもんやなぁ。
お父さんやでお父さんやで。
ほら高い高〜い！
淡々と淡々と…。
自分にそう言い聞かせているすみれです
でも…
さくら…。
あなたのお父さんはねあなたがこの世に誕生したと知った時…。
空に向かって叫ぶほど喜んでくれたのよ。
会いたいねぇ…。
会いたいね…！2016/11/14(月) 12:45〜13:00
ＮＨＫ総合１・神戸
連続テレビ小説 べっぴんさん（３７）「未来」[解][字][デ][再]
戦死したかもしれない紀夫（永山絢斗）をもうあきらめてくれ、という義父母の頼みにすみれ（芳根京子）は混乱する。すると、明美（谷村美月）が意外なアドバイスをする。
詳細情報
番組内容
すみれ（芳根京子）のもとを訪れた紀夫（永山絢斗）の両親が、「息子は戦死したかもしれない、もうあきらめてくれ」と懇願する。混乱するすみれを、思いを寄せる栄輔（松下優也）が優しく励ます。一方、店では良子（百田夏菜子）たちが、子どもたちが復員した夫に懐かないと悩みを話し合うのを聞き、紀夫を思ってすみれはさらに落ち込む。それを見ていた明美（谷村美月）は「あんたは淡々としていればいい」とアドバイスを送る。
出演者
【出演】芳根京子，生瀬勝久，菅野美穂，高良健吾，蓮佛美沙子，谷村美月，百田夏菜子，土村芳，市村正親，永山絢斗，平岡祐太，曽我廼家文童，宮田圭子，松下優也，堀内正美
原作・脚本
【作】渡辺千穂
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