全文書き起こしサイト

地上波テレビの字幕を全文書き起こします

スポンサードリンク

字幕書き起こし NHKスペシャル「“がん治療革命”が始まった〜プレシジョン・メディシンの衝撃」 2016.11.20

進行した大腸がんの男性。
5回の手術と抗がん剤による治療を受けましたがその度に再発を繰り返してきました。
しかしある臨床試験に参加したところ…。
がんは2か月の間に4割縮小していました。
余命2年と言われた肺がんの女性。
同じくある臨床試験に参加したところ…1か月でがんが縮小しました。
今がん治療の革命が始まっています。
これまでの抗がん剤とは全く違う仕組みでがんを攻撃する新しいタイプの薬が次々に誕生。
そして患者の遺伝子を解析し最適な薬を選び出す新たな医療プレシジョン・メディシン。
精密医療の登場です。
この2つの相乗効果によってがん治療の革命が動き出しているのです。
全国235の病院と15の製薬会社が参加する大プロジェクトが発足。
この新しい治療法を推し進めようとしています。
進行した肺がんと大腸がんなどの患者6,658人のうち700人以上に効果が期待できる薬を見つけ出しています。
このプレシジョン・メディシンを国家戦略と位置づけるアメリカ。
今年80億円の予算を投じ2,000の病院で大規模な臨床試験を始めました。
人工知能を取り入れたかつてない試みも始まっています。
今世界で始まったがん治療の革命。
命を延ばす医療の可能性に迫ります。
週末の朝川沿いの遊歩道を走る男性がいます。
実は進行した大腸がんと闘っています。
日によりますけど…1回に走る距離は5キロ。
階段も一気に駆け上がります。
会社の同僚からは「とてもがんの患者とは思えない」と言われる事もあるといいます。
22歳でがんを患いこれまでに5回の手術と抗がん剤治療を受けました。
その度に再発に苦しめられてきました。
そして今年5月新たにリンパ節に転移が見つかりました。
医師からは今度は手術をする事はできないと告げられました。
その時勧められたのが新しい治療法を試す臨床試験への参加でした。
新たな治療法を開始して2か月。
橋さんは効果を見るための最初のCT検査を受けました。
体調がよくなっているとはいえやはりがんの状態が気になります。
結果が出ました。
ここ大動脈って所のそばのこれ大動脈周囲リンパ節っていうリンパ節。
4割以上小さくなっていた橋さんのがん。
治療は大きな効果を上げていました。
橋さんが使っているのは…この臨床試験では免疫チェックポイント阻害剤と分子標的薬を試しています。
これまでの抗がん剤とは効き方が全く異なる薬です。
そしてその効果を最大限に引き出すのがプレシジョン・メディシン。
患者のがん細胞の遺伝子を解析し最適な薬を選択する方法です。
2つを組み合わせる事で今がんの治療に革命が起きつつあるのです。
この臨床試験を進めているのはスクラム・ジャパンというプロジェクト。
国立がん研究センター東病院を中心に全国の医療機関と製薬会社が協力する大規模なプロジェクトです。
現在全国235の病院と15の製薬会社が参加しています。
今まさにこの臨床試験に参加しようとしている人がいます。
進行した肺がんを患う…骨に転移が進み手術では対処できないと診断されました。
肺がんで通常行う抗がん剤治療も効果が上がりませんでした。
今年8月には新たに肝臓への転移が見つかりました。
「ええ〜!?」って思いましたよ本当に。
食べな。
原さんには去年孫の大翔くんが生まれました。

 

 

 


幼稚園に入るまで成長を見届けたい。
それが願いです。
この日原さんは最初の検査を受けるため国立がん研究センター東病院を訪ねました。
まず行うのは…。
はいじゃあ原さんもう一回息を吸って〜。
がん細胞を取り出す事です。
プレシジョン・メディシンはこのがん細胞の遺伝子を解析する事から始まります。
原さんなど患者のがん細胞が運び込まれる検査会社。
ここで最新の装置次世代シーケンサーを使ってがん細胞の遺伝子を解析します。
異常な増殖を続けるがん細胞。
もとは正常だった細胞に異変が起きる事で生まれます。
その原因となるのが遺伝子の傷遺伝子変異です。
人間の細胞には2万余りの遺伝子があります。
その中で例えば肺がんの場合EGFRALKなどと呼ばれる遺伝子に変異が起きる事が分かってきました。
実はどの遺伝子変異ががんの原因となっているのかは患者によって異なります。
こうした遺伝子変異はそれぞれタイプの異なる異常なたんぱく質を作ります。
このたんぱく質ががん細胞を異常増殖させる犯人です。
そこでその働きを抑えるのが分子標的薬という新しいタイプの治療薬。
それぞれの異常たんぱく質に結合しその働きを抑えるように作られています。
遺伝子解析を行い変異のタイプを見極めた上でそれに適した分子標的薬を使う。
これがプレシジョン・メディシンです。
これまでの治療と効果はどれくらい違うのでしょうか。
従来の抗がん剤治療の場合進行した肺がんではがんが小さくなった患者はおよそ3割でした。
これに対しプレシジョン・メディシンではあらかじめ効果が見込まれる患者に絞り込んで投与します。
代表的な肺がんの分子標的薬の場合がんが小さくなった患者はおよそ7割。
高い確率で効く事が期待できるのです。
遺伝子の解析結果を待つ原さん。
妻の直子さんが営む店で町内会の仲間にプレシジョン・メディシンへの期待を語っていました。
原さんのような肺がんでは現時点で16の遺伝子の変異に対し延命の効果が期待される分子標的薬が存在しています。
期待する遺伝子変異が一つでも見つかれば新たな治療の可能性が開けます。
それに越した事ないけどね。
何とも言いようがないね今。
結果が出るまであと3週間です。
プレシジョン・メディシンによって新たな薬が見つかり命をつないでいる人がいます。
いいと思うよ。
あっ大丈夫?4年前進行した肺がんと診断されました。
ステージは…いきなり「4」って言われた。
肺に出来ていたがんは68ミリ。
医師からは余命は2年と告げられました。
4種類の抗がん剤を投与し治療を続けましたが十分な効果は得られませんでした。
がんと診断されてから9か月後医師の勧めで遺伝子解析を受けた大野さん。
RETという遺伝子に変異が見つかりました。
しかしこの遺伝子変異のタイプに効く肺がんの薬はありませんでした。
その時医師からある薬が示されました。
甲状腺のがんの分子標的薬でした。
実は大野さんから見つかったRET遺伝子の変異は既に甲状腺がんで見つかっていて薬も存在していました。
同じRET遺伝子の変異なら同じ薬が効くのではないか。
そう考えられ臨床試験が始まったのです。
臨床試験を受けた大野さん。
1か月でがんは68ミリから48ミリに縮小。
2か月後には更に小さくなりました。
もうほんまにありがたい限り。
本当にこういう事をやって…肺がんの大野さんは甲状腺のがんの薬が効き当初2年と言われていた余命をはるかに超え5年目を迎えています。
これこそが今起きているがん治療革命の成果なのです。
これまで臓器別に薬が考えられてきたがん治療。
遺伝子変異別に最適な薬を選ぶ事でより長く生きる事が期待できるのです。
いや〜ちょっと私自分自身ががんを2度経験していて…。
子宮のがんだったんですけど。
本当に今までのがん治療とはだいぶ違うなっていうふうに思ったんですけども。
今までの治療はそれぞれの臓器別に…。
肺がんとか大腸がんとか臓器単位で薬が選ばれてたんですけどもこれからはそうではなくてがんを起こしてる遺伝子によってがんを分類するっていう時代に入ったと思います。
その遺伝子異常に対応したお薬を使う事ができるので治療の有効性を…つまり効くかどうかですね。
それを事前にもう分かる事ができるっていうのがプレシジョン・メディシンの最大のメリットだと思います。
それ一番患者側からすると知りたい部分で例えば私だったら子宮体がんだったので体がんの患者さんにはこの抗がん剤ですよっていうのがいくつか決まっていて「じゃあこれにしましょう」って決まってもそれが確かに効果があるかどうかっていう事はやってみなきゃ分からないと言われながら副作用に苦しみながら治療しました。
プレシジョン・メディシンもし私がその時適用でやってたとしたらこの薬は効きますよ効果が期待できますとか…。
考え方はですので根本から変わってきたと…。
いや全然違いますよね。
プレシジョン・メディシンは必ずしもがんだけを意味する訳ではないんですけど…。
そうなんですね。
それ以外の病気にも適用されてる可能性が…。
ええ。
ただがんの分野が圧倒的に進んでるんですね。
プレシジョン・メディシンをもし私が適用で使ったとしたら手術をしなくてもよかったっていう事はあるんでしょうか。
今の段階ではやはり手術に勝るがんの治療法はないと思いますね。
じゃあ第1選択としてはやはり手術がまず最初にある。
手術ではなく放射線を適用する場合もあったり。
はい。
その先にプレシジョン・メディシンがあると。
そうですね。
これまで使われてきた抗がん剤っていうのは今後も重要ですけれども。
そうなんですね。
でも今までの抗がん剤は実際に投与してみて例えば2割の人が効いたとか3割の人が効いたというふうに使ってみないとその薬の効果は実際には分からなかったというのが本当のところですしまた今までの抗がん剤は増殖する細胞増える細胞を殺しますから我々の体の中にある増える細胞も死んでしまって副作用も大きかった。
髪が抜けたり…。
抜けました。
本当に大変でした。
吐き気が出たりするんですね。
ところがこれからはがんの原因となっているたんぱく質を見つけてそのたんぱく質を選択的にそれだけを抑えるようなお薬を…。
がんの分子標的療法というんですけどそれを使うようになってきましたから比較的副作用が少なくてがん細胞だけを殺す事ができる時代になったと思います。
今のがんの分子標的治療薬は余命をすごく延ばす事は確実に言えます。
ただ分子標的療法の副作用はみんな同じようなんではなくてそんなに頻度は高くないですけども重篤な副作用が出る事もあります。
まれにある。
遺伝子解析をすると誰にでも薬って見つかるんですか?残念ながらそうではないんですね。
遺伝子解析をする事で分かるがんの原因となる遺伝子変異。
最も研究が進んでいる肺がんの場合です。
全体の半数余りにあたるEGFRとALKという遺伝子に変異がある患者には既に保険適用の薬があります。
オレンジの部分に該当する患者には効果が見込まれる薬はありますがまだ臨床試験段階です。
残り2割の患者の多くはそもそも原因となる遺伝子変異が特定できていないため薬がありません。
実はがんの原因となる遺伝子の変異を特定する事は容易ではありません。
がんに関わる複数の遺伝子変異が同時に起きていてどれが直接の原因なのか特定するのが難しい場合があるからです。
特に肺がんの中の腺がんは最もよくがん遺伝子が研究されて発見されてきているがん腫なんですね。
必ずしもほかの固形腫瘍でこれほど多くのがん遺伝子は分かっていませんのでそのほかのがんの場合には臨床試験が行われているのは少ないパーセンテージである可能性もあります。
プレシジョン・メディシンを受けたいとなった場合には実際にどのような手順を踏んでいけばいいんでしょうか。
スクラム・ジャパンに参加してる施設の外来を受診されてそれで自分の遺伝子変異について解析してほしいというふうな事をおっしゃるのが一番…。
それから今では大学病院なんかでもいくつかの施設でやり始めていますので。
ただそれは今のところ保険適用ではないですから多分自費診療という形で診断を受ける事になると思います。
あっなるほど。
臨床試験の枠を超え一般の患者に向けてプレシジョン・メディシンを始めた病院の一つ北海道大学病院です。
プレシジョン・メディシンを取り入れて半年。
62人の患者の遺伝子解析を行ってきました。
保険がきかない自由診療のため検査費用はおよそ40万円から100万円です。
これまで29人に効果が期待できる薬を紹介してきました。
水野悦子さん3番診察室お入り下さい。
医師に紹介された分子標的薬で治療を始めたこちらの女性。
子宮体がんを患っています。
使っているのは乳がんや腎臓がんの薬です。
子宮体がんの治療に使う場合には保険が適用されないため毎月の薬代は90万円に上っています。
せっかく薬が見つかりましたあ〜見つかったってなってもその保険が適用されてないという事で毎月かなり高額な治療費を払わなければいけないという。
しかも薬もやめる事もできないというような。
でもやっぱり患者さんは治りたいっていうその一心で皆さん受けられたりとかされて。
やっぱりあの…新しいお薬ですからやはり日本人での有効性日本人で実際にがんの患者さんに効くっていうデータがないとなかなかそれを薬を保険で承認するっていうのは難しいんじゃないかと思います。
ただしそういう保険の適用外のお薬を違うがん腫に応用する事も昔に比べると厚生労働省もPMDAも積極的になっていますのでこれまでよりはすごく少ない患者さんの数の臨床試験でそれを認めてくれるようになってきていると思いますね。
じゃあ今後はそういった部分ではいろいろ期待ができてくると。
今後は例えば臨床試験の在り方も変わっていくと思うんですね。
何々遺伝子の異常のがんの臨床試験っていうように臓器を超えた臨床試験というのが実際に起きていくと思われます。
これまでは諦められていた事がその本当に小さな光をフッと拾い上げてくれるようなそんな感覚ですね。
日本では始まったばかりのプレシジョン・メディシン。
強力に推し進めている国がアメリカです。
去年1月。
オバマ大統領はプレシジョン・メディシンを今後の医療の柱とする事を宣言しました。
既にプレシジョン・メディシンは全米に広がっています。
がん専門に遺伝子解析を請け負うこの会社。
各地の病院から年間4万人分のがん細胞が送られてきます。
遺伝子変異のタイプ承認薬ほかの臓器で承認されている薬臨床試験の有無など詳細な情報を担当医に伝えるサービスを行っています。
拠点となるがん専門病院では遺伝子データの蓄積に力を入れています。
この病院では既に1万3,000人を超える患者のデータを蓄積。
がんの原因となる遺伝子変異を新たに見つけたり薬の開発につなげたりしています。
膨大なデータの蓄積とプレシジョン・メディシンの進展によってこれまで治療が難しかった患者に希望が見え始めています。
ジャズシンガーのメアリーアン・アンセルモさんです。
グリオブラストーマと呼ばれる極めて悪性のがんで患者数が少なく効果的な治療法はありませんでした。
遺伝子を解析したところBRAFという遺伝子に変異が見つかりました。
そこで同じBRAFの変異が原因となる皮膚がんの一種メラノーマの分子標的薬を試す事になりました。
この薬が効いて2年たった今もがんは縮小したままでいます。
更に次世代のプレシジョン・メディシンが動き始めています。
この病院ではプレシジョン・メディシンと人工知能を融合させました。
IBMが開発したワトソン。
この2年で驚くべき成果を出しました。
ワトソンが成果を上げたのは通常の遺伝子解析でがんの原因となる遺伝子変異が特定できなかった患者の治療です。
先ほど紹介した肺がんの遺伝子変異のグラフで言えば不明にあたる患者。
複数の遺伝子変異が起きていてどれががんの原因になっているのか特定が難しいケースです。
一方で年間十数万件発表されるがんの論文の中には遺伝子変異の特徴やどの薬がどの遺伝子変異に効果があるかなど新たな情報が記されています。
そこでワトソンに2,300万件以上の論文を学習させました。
その上で遺伝子変異が特定できなかった患者のデータを読み込ませました。
すると論文と照らし合わせていくつもの遺伝子変異の中から最も可能性が高いものを特定更に最適な薬を選び出したのです。
プレシジョン・メディシンを進めるアメリカ。
その背景には政府のあるねらいがあります。
膨らみ続ける医療費の抑制です。
分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤など今登場している新しい薬は価格が高いものが多いのです。
例えば免疫チェックポイント阻害剤ニボルマブの場合アメリカでは1人あたり年間およそ1,600万円もかかります。
これに対しプレシジョン・メディシンを使えばあらかじめ効果のある患者を選んで投与できるのです。
ワトソンすごいですね。
やっぱり人工知能を使うと救われていく患者さんというのは増えていきますよね。
がんの遺伝子を調べるとですね遺伝子変異って実はすごく多いんですよね。
それがどれが本当のがんの原因でどの変異が治療選択に有効なのかというのを決めないといけないんですね。
そのためには例えば膨大な文献情報を調べるっていうのはやはりコンピューターが得意とするところなので…やっぱり人間の知能というかデータの蓄積量だったりとかっていうのはどうしても限界があるなというのは感じますもんね。
もちろん最終的な判断は医師になりますけど…入りつつあるというふうに言えます。
もちろんそれが更に進化して比較的安い値段で使えるようになるといろんな病院でのがんの治療にも多分それが使われるようになるでしょうし将来性はすごくある分野だと思いますね。
遺伝子解析を受けた原進さん。
結果を聞く日が来ました。
孫の大翔くんもやって来ました。
おはようございます。
解析結果が伝えられます。
原さんには薬が存在する遺伝子変異は見つかりませんでした。
プレシジョン・メディシンによって最適な薬に出会う人がいる一方で現状では薬がない事が明らかになってしまう人もいるのです。
遺伝子解析を受けたにもかかわらず薬が見つからない患者にどう寄り添うか。
北海道大学病院では新たな試みを始めています。
薬がないと医師から告げられた患者に話しかけたのは佐藤千佳子さん。
メディカルコンシェルジュと呼ばれるスタッフです。
期待どおりの結果が得られなかった患者や家族の心のケアを担当しています。
定期的に患者と連絡を取り不安になりがちな患者と家族の心を支え続けています。
こうして患者を励まし続ける佐藤さん。
それには大きな理由があります。
近い将来新薬が登場する可能性があるからです。
実際治療薬がなかった患者に対し3か月後新しい分子標的薬が承認されたと伝えた例があります。
プレシジョン・メディシンを進めるプロジェクトスクラム・ジャパン。
集めた遺伝子変異の情報を新たな薬の開発につなげようとしています。
遺伝子変異のタイプが分かればがん細胞の異常な増殖を促すたんぱく質のタイプも特定できます。
そのたんぱく質をターゲットに新たな分子標的薬を開発していこうというのです。
遺伝子解析で薬が見つからなかったとしてもそれは治療の終わりを意味するのではなく新たな薬の誕生につながる可能性があるのです。
なるほど。
今薬が…適用する薬がないというふうに告げられてもとにかく諦めないっていう事なんですね。
次々といろんなお薬の臨床試験がスタートしてますからそうすると自分のがんの遺伝子変異のデータを持っているとそこに合えばですねその臨床試験にすぐに参加する事ができる。
だから……というふうに考えられますね。
でも実際どのぐらいのペースで新薬っていうのを開発されてたりするんですか?今は1〜2年ぐらいで臨床試験に入っていく事もまれではなくなってきてるので…そうですか。
私たちが思ってる以上に日々新薬は開発されてるっていう事なんですね。
絶対これからの…単に…診断法にしてもそうですし臨床試験の在り方もそうですし。
その心のケアなんかも大事でしょうし。
これから更にその流れは大きく変わっていくというふうに思われます。
ですからがんの患者さんには期待を持てる時代になったというふうに言えると思います。
本当にそうだと思いました。
でもやっぱり自分が実際がんを経験した時にもう訳が分からなくて…自分を責めてみたりそういった事がしばらくあったんですけど今はここまではっきりとその原因という事を究明しこれが自分が闘うべき敵ででここと頑張って向き合っていけば希望が見えてくるっていうような時代になってきたんだっていう事ですよね。
ものすごいスピードで変わっていってますから。
本当にそうですよね。
5年ですか?10年じゃなくて5年ですか?そんな時間かからないですね。
うわ〜すごいです。
遺伝子解析で効果が期待される薬が見つからなかった…従来型の抗がん剤の臨床試験に参加する事にしました。
医師からは「効果が出ず副作用だけが起きる可能性もある」と言われています。
それでも効果が高い新薬が出るのを待とうと自ら参加を決めました。
プレシジョン・メディシンによって薬が見つかった…この日CT検査を受けに来ていました。
じゃあ今からCTの検査を始めていきます。
・はいどうぞ〜。
お願いします。
お待たせでした。
まずはCTの話からですけど…。
リンパ節への転移が見られました。
薬の効果の持続には限界があります。
いいですか?はい。
しかし大野さんのRET遺伝子の変異には複数の分子標的薬があり次の臨床試験に参加できる事になりました。
ありがとうございます。
よろしくお願いします。
じゃあ用意して待っときます。
おはようございま〜す。
昨日からお楽しみのやつが入っておりますのでのんで下さい。
大野さんの持つRET遺伝子の変異に効くもう一つの分子標的薬です。
今急速に進むがんの新薬開発。
そしてプレシジョン・メディシン。
がんになっても長く充実した人生を過ごせる時代を目指して大きく動き出しています。
2016/11/20(日) 21:00〜21:50
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル「“がん治療革命”が始まった〜プレシジョン・メディシンの衝撃」[字]

日本人の2人に1人がかかるがん。その治療を大きく変えるとされるのが細胞を遺伝子解析し適切な薬を投与するプレシジョン・メディシン(精密医療)。可能性と課題を追う。

詳細情報
番組内容
日本人の2人に1人がかかる病、がん。その治療が根底から変わろうとしている。進行した大腸がんを患う48歳の男性。再発を繰り返し手術不能だったが、ある薬の投与で腫瘍が大きく縮小。その薬とはなんと皮膚がんの治療薬だ。劇的な効果をあげたのは、がん細胞の遺伝子を解析し適切な薬を投与するプレシジョン・メディシン(精密医療)だ。今、7千人近くの患者が治験に参加。先進地のアメリカの事情とともに可能性と課題を追う。
出演者
【ナビゲーター】原千晶,【出演】国立がん研究センター研究所長…間野博行