（はな）
終戦から３年の月日が流れました
（すみれ）お孫さん喜んで下さるとよろしいですね。
（いつ子）ええ。
ねえこれどうして一番上のボタンホールだけが横向きなの？はい横向きですと襟元がずれにくいんです。
だらしなく見えないようにしてるんですよ。
（いつ子）ああ…。
どうぞ。
ワンピースは全部横向きなんやねぇ。
ええ。
かがんだり動いたりしても横向きは縦向きよりも外れにくいんです。
ああ…へぇ〜。
ありがとうございました。
（明美）ありがとうございました。
いい買い物させて頂きました。
あっそうそう。
これなんやけど…。
あ…。
（拍手）私は気が付いた事があります。
お店が私の人生の喜びになっているという事です。
仲間がいれば大きな力が生まれる事。
一人ではできない事も仲間と一緒ならできる事。
女の人もそんな夢を見る事のできる世の中になればと思っております。
２年前のファッションショー見に来て下さったんですか？ええ主人と一緒に。
（君枝）ずっと持ってて下さったなんて…。
神戸に来た時には是非にと思うて。
うれしいです。
ありがとうございます。
それにしてもすてきなお店ねぇ。
すみれたちのキアリスは時間をかけて少しずつ成長しています
・「『雨上がりの空に七色の虹が架かる』」・「ってそんなに単純じゃない」・「この夢想家でもそれくらい理解ってる」・「大量の防腐剤心の中に忍ばせる」・「晴れた時ばっかじゃない」・「湿った日が続いても腐らぬように」・「たとえば１００万回のうちたった一度ある奇跡」・「下を向いてばかりいたら」・「見逃してしまうだろう」・「さぁ空に架かる虹を今日も信じ」・「歩き続けよう」・「優しすぎる嘘で涙を拭いたら」・「虹はもうそこにある」・「きっと虹はもうここにある」
すみれたちみんなの生活も少しずつ上向いてきました
さくら。
喜代さんの言う事をちゃんと聞いてね。
うん。
（紀夫）うん。
喜代さん今日もさくらをよろしくお願いします。
（喜代）はい。
そしたら行ってきます。
行ってまいります。
（喜代）行ってらっしゃいませ。
喜代さんだっこ〜。
え？さくらお嬢様もう赤ちゃんやないんですから。
だっこ〜！
（倒れる音）・
（喜代）い…痛い！・
（さくら）喜代さん！喜代さん？喜代さん！あ…こ…腰が…。
喜代さん！大丈夫ですか？ああ…はいはいなんとか。
（良子）これ！龍ちゃん待ちなさい！早う支度せな仕事に遅れてしまう！龍ちゃん！龍ちゃん駄目！もうはだしでは外に出たら駄目やって何回も言うてるでしょ？そこになセミがおってん！
（勝二）良子。
あかん事はあかんと教えな。
はい…。
（琴子）はい健ちゃんお口あ〜ん。
（健太郎）あ〜ん。
（琴子）お口あ〜んして。
あ〜ん。
あ〜ん。
ウフフフッおいしいやろ？うん。
おいしいなぁ。
フフフッ。
健太郎。
ごはんは自分で食べなさい。
もうさくらちゃんは上手に食べるって言うてたよ。
君枝さん。
そないな言い方あかんわ。
健ちゃんは健ちゃん。
よその子はよその子。
（麻田）ああ明美ちゃん行ってらっしゃい。
行ってきます。
タケちゃんおはよう。
（足立）あっ明美さん。
おはようございます。
彼は足立武君。
大分のメリヤス工場の息子さんです。
潔君の紹介でキアリスに住み込んで掃除などの雑用をしてくれています
（足立）待て！龍ちゃん！フフッおはよう。
（良子）おはよう。
わっかわいい。
あ…生地の柄とおんなじ花を刺してみたの。
ここに飾ったらどうかな？
このころ後に団塊の世代と呼ばれる第１次ベビーブームが到来。
子ども用品を扱うすみれたちは忙しいながらものんびりと営業を続けています
（長谷川）ただいま戻りました。
（ゆり）お帰りなさい。
（潔）おう。
どやった？大急百貨店は。
いや〜潔さんの言うとおりですわ。
秋に３０周年の売り出しを開催するらしいです。
なんとか食い込めたらええんですけど。
（秋山）戦前はあの大急特選マークもらえとったのに。
（笹井）どないしたら取り戻せるんですかね？何か特別な形で売り込まないと難しいやろね。
そや。
紀夫君。
（長谷川）紀夫さんええかな？紀夫さん。
ああ！はい。
あ…あ…ああ…！もう〜！計算中に話しかけたら悪いわ。
すまんすまん。
紀夫君今夜空いてるか？あ…はい。
そやったらつきおうてくれ。
接待や。
接待…。
（潔）これからの紀夫君の事やけど。
うん。
そろそろ表に出る時期や思うてるんや。
徐々にお得意さんにも顔を売って紀夫君本人にも自分がいずれ経営者になるんやという自覚を持ってもらわな。
ああ…。
何か…何か…何かな…。
何？何？すみれちゃん。
包装紙を作ったらどうかな？
（君枝）包装紙？うん。
そうねぇ。
君ちゃんのリスを印刷したらすてきな包装紙になりそう。
そうやね。
神戸っていう字も入れたらええんちゃう？ええねぇ。
あ…あとね。
何？何？何やろ…。
一点一点にキアリスの名前を入れたいの。
私たちが作った肌着やお洋服ですって。
すてきやわ。
どんなふうにしたらええかな？それにしてもこんなに長く続くなんてね。
何やちゃんとお店になってきたわ。
本当。
長く続くとこんなうれしい事があるのね。
（田）あの〜すいません。
はい。
こちらの代表の方はいらっしゃいますか？はいすいません。
私神戸毎報新聞社で記者をしとります…田と申します。
はあ…。
新聞…？
大急百貨店の大島社長です。
五十八さん正蔵さんの時代には大変お世話になりました
なんとかもう一度大急特選マークを取り戻す事が坂東営業部の今一番の目標なんです。
そやなぁ…。
オライオンがまた紳士服に戻ってくれるならいつでもやれる。
だが婦人服となるとまた一からだねぇ。
（潔）婦人服で勝負がしたいんです。
デザインもモダンさも紳士服より断然面白いはずです。
（大島）う〜ん…。
まあゆくゆくだね。
そんなゆくゆくなんておっしゃらずに…。
だったら売れる仕掛けを考えて持ってきてくれ。
どこもやってないような新しい仕掛けをね。
はい。
（大島）まあ飲み飲み。
君たちも飲みなさい。
（潔）頂きます。
（大島）君もや。
はい。
社長。
正直今大急の方から取り引きしたい思うてる店はあるんですか？実はねぇ１軒だけあるんだよ。
どうしてもうちに来てほしい店がね。
山君。
（山）はっ。
（大島）ここや。
えっ？えっ？え…。
あの…これは？女房が言うんだよ。
間違いなくいい店だってね。
あの…この店を大急に…いう事ですか？そうや。
あっわしらが間をつなぎます！なあ紀夫君。
はい！じゃあ…。
はっ…。
すみれお嬢様が新聞に載るやなんて喜ばしい事です。
今は子どもが多いでしょう？商店街の話題のお店いう事で取り上げたいんやって。
・
（物音）紀夫さん…？紀夫さん！紀夫さん！
（紀夫）う〜ん…。
お酒飲んでるんですか？お…お水…お水お持ちします。
お願いします。
よいしょ…。
紀夫さん紀夫さん！
あの時の思いがこれからの未来が変わる大きなきっかけになるとは夢にも思っていないすみれでした
2016/11/28(月) 08:00〜08:15
ＮＨＫ総合１・神戸
連続テレビ小説 べっぴんさん（４９）「チャンス到来！」[解][字][デ]
ベビーブームの影響でキアリスは順調に成長し新聞の取材がくるほどに。紀夫（永山絢斗）と潔（高良健吾）は接待先の大急百貨店が、意外な店に興味を持っていることを知る。
詳細情報
番組内容
終戦から３年、すみれ（芳根京子）たちの暮らしも少しずつ上向き始めていた。ベビーブームの影響もありキアリスは順調に客足を伸ばし、新聞の取材の申し込みが舞い込む。紀夫（永山絢斗）は坂東営業部の経理として堅実に仕事を進めており、潔（高良健吾）も近々会社を継いでもらおうと得意先との顔つなぎを始める。ある日、大急百貨店の社長・大島（伊武雅刀）を接待していると、彼が意外な店に興味をもっていることを知る。
出演者
【出演】芳根京子，高良健吾，菅野美穂，蓮佛美沙子，谷村美月，百田夏菜子，土村芳，市村正親，永山絢斗，田中要次，平岡祐太，宮田圭子，松下優也，いしのようこ，伊武雅刀，中島広稀
原作・脚本
【作】渡辺千穂
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