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セリフ書き起こし バカリズム脚本『黒い十人の女』最終話「さよなら黒い十人の女」(最終回) 2016.12.02

(久未)私はあのまま普通に電車で帰ったよ。
(彩乃)そうなんだ?どっかいったのかと思った。
行かない行かない。
なんかこの後どうすんの的な空気になったけど明日早いアピールして帰った。
彩乃は?私は家行ったよ。
マジで?え…したの?うん。
へ〜。
どうだった?ん〜まあまあ。
そうなんだ。
ていうかお互い酔っ払っててあんま覚えてないんだよね〜。
なにそれ〜。
(穂花)なんか懐かしい。
懐かしい?何が?いやなんかその…合コン翌日の「どうだった報告」する感じが。
ん?これは嫌味と受け取っていいのかな?違う。
うんこれは嫌味だね〜。
違うよ。
2人が若くて羨ましいっつってんの。
これ嫌味だね。
彼氏できて合コンに行く必要のなくなった女がうちらみたいな下々の者の合コン話に余裕ブッこいて懐かしんでそれをわざわざ伝えるという典型的な嫌味だよ。
ねえ久未やっぱこの子一回あばらいっとこうよ。
そうだね。
なんでよヤダ。
いいからいいから1本だけ。
1本だけいいじゃん。
うわ!もうこんな時間。
今日は先行くね。
ごめん!え?彼氏か。
ひろきか。
ひろきんとこ行くのか?ひろきはどうなんだ。
まあまあか?何言ってんの。
また連絡するね。
ではお先に。
あ…ねえ来週の件なんだけどさ〜。
美容師合コン?そうそうそうそう。
なんか向こうが3人で来るって言ってんだけどあと1人どうする?どうしようね。
私は誰でもいいけど。
《一見カフェでお茶しながら世間話をするどこにでもいそうな女2人だけど私たちは2週間前人を殺した》《相手は東西テレビドラマ制作センターのプロデューサー風松吉》《12時間以内に10粒服用することで死に至らしめることができる薬》《これを私たちは10人で手分けして風に飲ませ…》《殺害した》《風松吉が死んだことで私はやっと彼のことを諦めることができた》《そして何事もなかったかのように日常に戻った私は彼と出会う前の頃のような平穏な毎日を送っていた》
(夏希)《しかし実は私にはずっと引っかかっていることがあった。
いくら病死とはいえテレビ局のプロデューサーが突然死したのに前日まで一緒に仕事をしていた私のところになんの連絡もないというのは不自然すぎるということ》
(電話の呼出音)あもしもしご無沙汰してます。
今大丈夫ですか?
(美羽)大丈夫ですよ〜。
どうしました?うん…ああこっちに?小声一応あの翌日制作の方に睦さんから連絡があって過労で倒れちゃったからしばらく休ませるって…。
うんそう…それっきりです。
一応こっちに新しい情報が入ったら連絡しますね。
はい…はい。
(佳代)うんこっちにはまだ連絡ないけど美羽ちゃんの言う通り睦さんもタイミング見て連絡するつもりなんじゃないかな。
なんか動きがあったら教えて?あそうだ来月6日からまたうちの公演があるんだけど夏希さんよかったら…。
(電話の切れた音)もしもし?《確かに美羽さんの言うことも一理ある》《しかしやっぱり気になるので私は睦さんに直接電話してみることにした》
(携帯アナウンス)おかけになった電話番号は現在使われておりません。
《睦さんはすでに電話番号を変えていた。
仕方がないので私は睦さんが経営するレストラン「カチューシャ」に再び足を運んだ》どういうこと?なんで生きてんの?
(携帯のバイブ音)もしもし…はい。
今夏希さんからLINEが入って…はい。
あ今からですか?大丈夫です。
彩乃も一緒にいるんで。
(沙英)ごめんね今大丈夫?LINE来た?そう。
まだ詳しいことわかんないんだけど今美羽さんから連絡があってねとりあえず今から集まろうって…。
(志乃)はいわかりました。
(浦上)大丈夫?ごめんなさい私ちょっと行かなくちゃ。
え?今から?うん。
もしかして風さんのとこ?ううん。
そうじゃない。
そっか。
もう終わったんだもんね。
うん…じゃあ。
あ…違う。
まだ終わってなかったの。
ごめんね。
はあ?…んだよそれ。
《風さんが生きている。
報告を受けた私たちはとりあえず夏希さんのマンションに集合することになった》久未ちゃん達来ました〜。
・お疲れ様〜・すいません。
遅くなって。
ここ座って。
これで全員だね。
みんな聞いたと思うけど風が生きてると…だよね?はい。
それは風さんに会ったってこと?いや会ったわけじゃなくて歩いてるのを見かけたんです。
それ風さんに間違いないんですか?なんか似たようなおっさんなら意外とどこにでもいるから。
確かに!私も風さんかもって思ったら知らないおっさんだったってことたまにありますよ。
あるよね?いや間違いない。
睦さんの店から出て来たし。
ほら。
なんなのもう…。
やっと忘れられると思ったのに…。
(真衣)また振り出しに戻ったってこと?ハァ〜怪しいと思ったんだよな〜。
人1人死んでるのにあまりにも静かだから…。
確かに…ドラマのPが死んでるのに局からなんの連絡もないから少し変だなあと思ってました。
私はてっきり睦さんの現場への配慮でとりあえず病欠っていう言い方してたと思ってた。
でもよく考えたら確かにおかしいとこだらけだもんね。
(夢)じゃあ睦さんのお店から出て来たってことは…。
そういうことだよね。
回想
(風)ふぅ〜。
(風睦)これで少しは落ち着くかと思うけど。
ありがとね。
あなた今日殺されかけてたのよ。
フフフ…誰に?あなたの愛人たちに。
え?じゃあ僕はこの薬を9粒まで飲んでたってことか?そう。
それであんなに具合が悪かったのか。
私も佳代ちゃんのことは何年も前から知ってるけど彼女ならそのうちこんなこと考えるんじゃないかって思ってた。
そうなの!?だって何かあるたびにあなたに死んで欲しいって言ってたもん。
ええ!?
(睦)最初は愚痴の延長で言ってるって思ってたけどどうもそんな感じじゃないように思えてきて。
だから私はとりあえず彼女の気持ちを否定せずに自分も同じだって言ってたの。
なんで?じゃないと私の目の届かないところでそんなことやられたら救うことができないでしょ?殺す時は必ず私も仲間に入れてもらえるようにず〜っと味方のふりをしてたの。
ちょっと待ってでもなんで?なんでそれで僕が殺さなきゃいけないの?ちゃんと別れたじゃない。
好きだからでしょ。
好きだから殺すの?そう。
じゃあなんでむっちゃんは薬飲まさなかったの?好きだからじゃない!意味わかんない。
わからないでしょうね。
あなたは不倫を甘く見過ぎなんじゃない?彼女たちはみんな人生をかけてわざわざ不幸せに飛び込んできてるの!そんな人たちをあなた9人も抱えたんだもん。
そりゃこんなことぐらい起こり得るでしょうよ。
むしろ今まで大した修羅場もなくやってこられたのが奇跡よ!だってそこまで思い詰めてるなんて思ってないもの。
とりあえずあなたは今日死ぬことになってるんだからちゃんと死んであげて。
え?えっえっ…死んであげてって?じゃないと生きてるなんて知ったらあなたも私もただじゃすまないよ。
むっちゃんも?そりゃそうでしょ。
裏切ったんだもの。
ハァ〜…どうすりゃいいんだよ?とりあえず今からみんなに連絡するからあなたはここで死んだふりをして。
死んだふり?証拠写真送るの。
おお!おっ!まああなたの死体写真なんて誰も見たがらないかもしれないけど。
こんな感じ?冷蔵庫にトマトジュースあるから持ってきて。
ああわかった。
はいチーズ。
(シャッター音)はいチーズ。
(シャッター音)
(LINEの送信音)あなた。
もういい?明日から仕事休んで。
えっ仕事を?当たり前でしょ。
あなた今死んだんだから。
無理だよまだ編集も残ってるしさ行かないと。
ダメ〜。
あなたはしばらく外に出ないで。
外にも出ないってどれぐらい?最低1か月?1か月!?そのあと会社にうまく話をして彼女たちに会わないような場所に異動させてもらいましょ。
無理無理無理…そんな1か月も会社休んだら戻る場所なんてなくなっちゃうよ。
そしたら私が養ってあげるってば。
そんなわけには行かないでしょ。
第一1か月後に彼女達にばったり会ったらどうすんの?生きてるってバレちゃったら。
大丈夫。
1か月もしたらもうあなたのことなんかどうだってよくなってるはず。
そんなあ!女なんてそんなもんだから〜。
今まで散々わがまま放題やってみんなを傷つけてきたんだからあなたもそれぐらいのリスク受け入れなさい。
死ぬよりはマシなんだから…私の言う通りにして。
わかった。
現在みんな一応確認するけどここにいる9人はそれぞれ薬はちゃんと飲ませたんだよね?
(愛人たち)はい。
美羽ちゃんも?飲ませましたよ!私カプセル直で口に入れましたもん。
直で!?そう寝てる時に。
ねっ見てたよね?ねっ。
一応。
あれが本当に薬なら。
何か入れるところは見ました。
えなに違う可能性もあるの?いやいやいやあれどう見ても薬でしょ。
やめてよ今そういうノリ〜。
じゃあちゃんと飲ませたのね?飲ませました!じゃあやっぱりあの人が裏切ったんだね。
許せない。
でもよく考えたらおかしくないですか?風さんのこと殺したくないのならなんであの時反対しなかったんだろ。
確かに睦さん真っ先に賛成派に回ってましたよね。
まあああは言ったけど結局ギリギリのところでひよったんじゃない?確かに。
最後の一粒は目の前で死ぬからうちらとは感じる罪悪感は全然違いますよね。
いや…あの人最初から殺す気はなかったんじゃないかな。
最初からですか?そう。
うちら9人だけで勝手に計画されると知らない間に本当に殺されちゃう危険性があるからなんとかして自分も参加してその上で失敗させようとしてたんじゃないかな?だからあの時睦さん…。
方法次第だけどね〜賛成するのはやり方次第って言ったんだ。
あ〜確かに言ってた。
そういうことだったんだ。
ちゃんと役割分担があってその上で自分がうまく邪魔できる方法かどうかを確認したかったんだよ。
完全に裏切ったんだ。
確信犯かよ。
あのババア…。
どうします?こうなったら2人とも殺っちゃいます?まあとりあえず…まずは直接話を聞きに行こうよ。

 

 

 


《私たちはレストランカチューシャの閉店を待ちお店から出てくる彼女を待ち伏せした》あら〜みなさんおそろいで…。
もう今日は閉店しちゃったけど…。
睦さんちょっとお話があるんだけど。
お話?大事なお話。
どうぞお掛けになって。
なにかお飲みになる?アイスカフェラテ。
他の方は?
(愛人たち)アイスカフェラテ。
そう。
お話って何?風さん生きてるよね。
生きてるわね。
薬飲ませなかったんだ。
飲ませなかったね。
裏切ったってこと?裏切った…ってことかな。
(美羽)なにしてくれてんの?あんた。
あんた最初からそういうつもりだったの?素人芝居で女優の私騙そうなんていい根性してる。
あんたの旦那に散々たぶらかされて挙句こんな目にあわされてうちら殺されたも同じだよ。
なんで騙したんですか?ねえなんで黙ってたんですか?あんた平気なの?うちらをこんな目にあわせといて。
やっと平和に暮らせるって思ったらやっぱり生きてるとか知らされて私もうおかしくなりそうだった。
ねえなんとか言ったら?最低。
クソババア。
死ねばいいのに。
あんたどう落とし前つけんの?とりあえず謝んなよ。
そうだね。
とりあえず手ついて謝ってよ。
騙して申し訳ありませんって。
あれ?できないの?みんな…1人じゃ謝れないみたいだから手伝おう。
こっち来いよ。
謝れよ。
謝ってよ。
謝れって言ってんだよ。
(睦)フフッ。
(美羽)何笑ってんだよ。
何なのこいつ。
頭おかしいんじゃないの?手ぇついて謝れよ!ほら!あっはっはっはっは…!あ〜おっかしい。
何言ってんの?手ぇついて謝れ?ふざけるな!!そもそも人のもんに手ぇ出してんのはどっちなんだ!!《睦さんの一言で全員の頭の中にある四文字が浮かんだ》《たしかに》今まで散々うちの旦那と不倫しといてどのツラ下げて私に謝れとか言ってるの?《だよね》《睦さんの圧倒的な正論に私たちはぐうの音も出なかった》ねえあんたさっき何て言った?女優の私を素人芝居で?笑っちゃう。
全く売れもしない五流のくせになに一流風吹かしてんだ大根!私は殺されたも同じ?おい…自分の旦那と8年間も堂々と不倫されてきたこっちの方が殺されたも同然なんだよ!ねえあんた。
毎日怖くておかしくなりそうだったって?おかしくなり「そう」ってことはまだおかしくなってないってことだよね?バカじゃないの!不倫してる時点で全員おかしいんだよ。
あんたたちがおかしいことしてるからこんなことになってんだろ〜が!自分だけまともみたいな口きいてんじゃないよ!ブス!私たちをこんな目にあわせてってどんな目?はい言ってみな?あなたどんな大変な目にあったの?すいません…。
すいませんじゃない。
どんな目にあったのか言えって言ってんの。
あの…風さんが死んだって…。
聞こえない!!ううう…。
そんだけ被害者ヅラするってことはさぞかし大変な目にあったんだろうね。
自分の旦那と不倫されるより大変な目にあったんだろうねえ!!う…痛っ…。
もうやめて…。
はあ?今やめてって言った?そこのお嬢ちゃん。
ねえかわいいお嬢ちゃん何をやめるの?不倫をやめてくれるの?私がやめてって言ったらやめてくれたの?ん?自分らは頑なにやめなかったくせに何勝手なこと言ってんの?このかわいい顔握りつぶしちゃおうか?ええマネジャーさん。
おたくの子が二度と悪さできないように顔つぶしちゃおうか?ねっ。
あ…。
(睦)え?何?はっきりしろ!!土下座。
土下座だよ土下座。
はい。
ここにいる全員今まで不倫してすみませんでしたって謝るんだよ。
手ぇついて。
泥棒みたいな真似してすみませんでしたって謝るの。
それとも法廷で争う?どっち!?
(愛人たち)すいませんでした。
聞こえないやり直し。
(愛人たち)すいませんでした!全然聞こえない。
(愛人たち)すいませんでした!!
(睦)ねえ。
あっ!あっ!あんたが一番長期にわたってやらかしてんだからあんたが一番声出して謝んなきゃ。
何みんなと同じみたいなツラしてんのさ〜。
しっかり声出して。
あれ?演技だったら何でもできるけど本当に気持ちを入れた土下座はプライドが邪魔してできない?何様?ブッ!ねえ…。
はぁはぁ…。
(睦)ねえって!ねえ?もうやめてください!は?何被害者づらしてんの?ねえ!自分は不倫やめなかったくせに何言ってんの?他人の家庭壊しといて自分たちだけ無傷で終わらそうなんて都合が良すぎるんだよ!あんたさっきから何黙ってんの?大きな声で謝れって言ってんのわからないの?あんたのしょうもないプライドいっぺんへし折ってやろうか?人のもん盗むその薄汚い両腕と一緒にへし折ってやろうか!!す…すいませんでした〜!!
(愛人たち)すみませんでした〜!!《睦さんに正論を叩きつけられて私たちは一気に目が覚めた》《そうだった私たちは不倫をしていたんだった。
この人の旦那さんに勝手に手を出していたんだった。
9人もいたり奥さんも知ってたり普通じゃ考えられない状況にずっといたから麻痺してたけど悪いのは10:0でこっち。
反論の余地はなかった》もういいよ。
ごめんねみんな。
乱暴なことしちゃって。
冷たかったでしょ?ああ…わっ!臭いねごめんね。
でもね…私もそれくらいつらかったの。
だから許してね。
これでおあいこ。
ぜ〜んぶ終わり。
あげるよあんな男。
私もうい〜らない。
欲しけりゃ誰か連れてって。
離婚するの私たち。
だから今日うちに来たのもハンコおしに来ただけ。
はぁ…。
あんたたちが離れてった後会社も休ませてうちでず〜っとかくまってたの。
何年ぶりだろ?あんなに長く2人っきりで過ごしたの。
最初はやっと取り戻したって思って安心してたけどなんだか急にむなしくなってきちゃって…。
(電話のベル)
(睦の声)私何でこんなつまんない人と結婚したんだろって。
(チャイム)
(睦の声)朝から晩まで家にいて何の役にも立たない何も面白くない。
それどころかだんだん気持ち悪くなってきちゃって。
一体何だったんだろうね。
あんなに愛してたのに自分のものになった途端もう顔も見るのも嫌になっちゃって。
今思えば…私あの人と一緒に居たかったんじゃなくて独り占めしたかっただけだったのかもしれない。
あそうそう…フフフ。
私…彼ができたの。
(睦)若いからいろんなところに連れてってくれるし流行にも詳しいからなんだか自分が若返ったような気分になってくるの。
でもねえ…。
奥さんがいるんだよね。
(愛人たち)え?あでももうすぐ別れるって言ってるからこっちもそれで了承したの。
じゃないと付き合わないよ〜。
あんたたちじゃないんだから。
フフフ…。
あんたたちもそろそろ幸せな恋を探した方がいいかもよ。
まあんなおじさんといるのが幸せなら別にいいけど。
じゃ私はこれから彼と会うから。
そろそろお開きで。
臭っ!ごめんねみんな散々な目にあっちゃったね。
でもしょうがないですよ。
あんな正論突きつけられたら手も足も出ないですよ。
佳代さん大丈夫ですか?だいぶカフェラテ食らってますけど。
うんなんとか。
たぶん1杯分ぐらい鼻から飲んだけど。
あ…。
え?あ〜いかん。
きたきた…。
どうしました?耳!?あ〜怖かった〜。
私も。
今さらだけどやっぱり不倫なんてするもんじゃないですね。
ホントだね。
ほらだから言ったじゃんあのとき。
え?あのとき?うちらが最初会った日。
不倫なんてするもんじゃないよ〜って。
ねえ佳代さん。
そんなこと言ったっけ?言いましたよ。
いやでもあのときは美羽さんただ愛人減らしたかっただけでしょ。
そんなことないよ。
絶対そうですよねえ?美羽さんそればっかだった。
それ以外ない。
やめよやめよもう終わったことだし。
それはそうとみんなこれからどうするんですか?どうするって?ほら睦さんあげるって言ってたし。
あ〜…もうさすがにいいでしょ。
私しばらく男はいいです。
私も。
仕事に集中します。
そうだね。
頑張ろ。
はぁ〜。
あ…あれ?
(奈美)え〜?でも奥さんいるんでしょ?大丈夫だよ〜もう別れちゃったもん。
(真央)そうなの?そうだよ。
あっ…。
あれ?
(奈美)え〜?でも奥さんいるんでしょ?大丈夫だよ〜もう別れちゃったもん。
そうなの?そうだよ。
だからさ毎日寂しいんだよ。
(真央)悲しい!でしょ〜?だから遊びに来てよ。
広いお家見てみたいかも!え〜ホント?確かに見てみたい。
あっもし気に入ったらさ3人で住んじゃう?3人で?う〜わっ!え…えっ?えっ?お姉さんたちちょっとこのおじさん借りるね。
はい?
(奈美)何ですか?ごめんね〜今日は帰って。
何なんですか?…てか誰?いいから去れよエキストラ!はあ?さっきから何言ってんの?消えろっつってんだよジャリ。
鼻へし折んぞ!ねえこのお姉さんたち本当にやる人たちだから怪我する前に帰った方がいいよ。
じゃないと鼻折れるときって血すっごい出るからこのお洋服ダメになっちゃうよ?大丈夫?保険証持ってる?ごめんね。
また。
ちょっと静かなとこ行こっか。
いや…あのさ…。
勝手にしゃべんな!おかしくないか?そもそもなんで…。
勝手にしゃべんな!頭カチわんぞ!奥さんと組んでうちら騙したことに関してはそりゃ仕方ないよ。
誰だって殺されるってわかったらそりゃあ騙してでも助かろうとするもんね。
じゃなんで僕を…。
勝手にしゃべんなっつってんの!さっき睦さんのところに行ってきたの。
人のもんに手ぇ出しやがってってキレられてさ全員土下座させられたよ。
(沙英)私あんな惨めな思いしたの初めて。
(美羽)私も。
みんなそうだよね?
(夏希)佳代さんかなりひどい目に遭わされてましたよね。
私カフェラテで溺れ死にそうになったわ!
(志乃)奥さん怖かったぁ。
(美羽)まあそもそも睦さんは被害者だし言ってることは100%正論だから仕方ない。
不倫してたうちらが悪いんだし。
(夢)悔しいけど何も言い返せませんよね。
問題はあんただよ。
(夏希)うちらを引きずり込んどいて何自分だけのうのうと穏やかな生活に戻ってんの?まさかもう新しい女作ってるとは思わなかった。
いや…。
しかも2人も。
やっぱり不倫はダメだとか言って急にそっちの都合で別れといて舌の根も乾かないうちにもう遊びまわっちゃうんだね。
あっ今もう不倫じゃないからいいじゃんって思った?いやいや思ってないよ。
いっつもそう!痛い思いするのは女ばっかり!私は幸せになりたいだけなのになんでこっちばっか責められて傷つかなきゃいけないの?
(沙英)さっきの子たちのこともどうせもてあそぶんでしょ?いや別にもてあそぼうなんて思って…。
へぇ〜風さんってさ結局誰でもよかったの?いやそんなことあるわけないだろ?ここにいるみんなは風さんのことが本当に好きで風さんと2人で幸せになりたかったんだよ。
みんな不倫が悪いってわかってるけどそれでもあんたがどうしようもなく好きだから罪悪感感じながら付き合ってたの。
今はたくさんの中の1人だけど自分が頑張ればもっと好きになってもらえるかもって。
そしたらいつか奥さんや他の人とも別れてくれるかもって。
そしたら誰にも文句言われずに堂々と会えるしず〜っと一緒にいれるかもって…。
心のどこかでず〜っと期待しながら我慢して付き合ってたの!
(沙英)あんたそんな気持ち考えたこともなかったでしょ?ねえ聞いてる?とりあえず謝罪しなよ!今までホントに…申し訳ありませんでした。
結婚しているにもかかわらず軽はずみに声をかけたこと振り回して迷惑をかけたこと自分の都合で突然別れを告げたこと騙したこと…謝って済むとは思わないけどホントに…ごめん。
ごめんね。
ごめん…。
申し訳ありませんでした!
(美羽)どうします?風さん…。
はい。
他のみんなはどうかわからないけど私は風さんのこと許さない。
他のみんなはどうかわからないけど私は風さんのこと許さない。
殺すね。
ええっ…。
まだ薬持ってたんですか?失敗したときのためにたくさん持ってきといたの。
あっ…でも今度は私1人で飲ませるから。
(美羽)えっ…そうなの?
(夏希)なんでですか?こんなところで殺したらさすがに病死じゃ通らないだろうから私が1人で殺して自首するね。
何言ってるんですか!そんなのやだ!佳代さん悪くないのに。
いいの!ここはリーダーの私が決着つけなきゃ。
リーダー?佳代さん1人に罪をかぶせるなんてできませんよ。
みんなで一緒に自首しましょ。
いいの!最後ぐらいカッコつけさせて。
みんなお願い。
私がこの人と一番付き合いが長いんだから最後はこの人を私のものにさせて…。
フッ…。
押さえて!
(愛人たち)はい!ちょっと動かないで!あぁ…。
風さん。
はい。
私に殺されるなら納得でしょ?ううん…。
8年間ありがとう。
一緒にはなれなかったけど楽しかったよ。
佳代ちゃん一旦ちょっと落ち着こう。
うっ…。
最後の最後にがっかりさせないで。
命乞いする風さんなんて見たくない。
最後まで私の大好きな風さんでいて。
あがっ…。
風さん…愛してる。
あぁ…。
やっぱりやだ…。
どうしたの?この人がどうなろうと知ったこっちゃないけど佳代さんが人殺しになるのはやだ!私はいいの別に。
私がやだ!私佳代さんには幸せになってほしいです。
こんな人のために佳代さんが人生を棒にふるなんて私やだ!だけど私たちみんなこの人に人生めちゃくちゃにされたでしょ?殺されたようなものじゃない!殺されてません!まだ生きてます。
だけど人生めちゃくちゃにされたでしょ?されてません!ちょっと傷ついただけです。
こんな人に私たちの大事な人生をめちゃくちゃになんかさせませんよ!そりゃ久未ちゃんはまだ若いからこれからやり直せるかもしれないけど私はもうめちゃくちゃになってるよ!なってません!なってるよ!なってません!だけど殺しちゃったらホントにめちゃくちゃになっちゃいますよ?佳代さんもうお芝居できなくなっちゃいますよ?佳代さんのお芝居つまんないし素人目から見ても才能ないし二度と行こうとは思わないけどでもお芝居やってる時の佳代さんホントに楽しそうだし今まで佳代さんを支えてきたのはお芝居だと思うから…。
そうだね。
確かに佳代さんのお芝居クソつまんないし制作側から見ても才能ないしこの先売れるとは到底思えないけど佳代さんからお芝居とったらそれこそ終わりだと思う…。
(夏希)佳代さん。
佳代さんには劇団ガマン汁があったからこそ…。
「絞り汁」ね。
「絞り汁」があったからこそやってこれたんじゃないんですか?
(志乃)この人への一番の復讐は殺すことじゃなくてみんなが今より幸せになることだと思います。
確かにそれが一番の復讐かもね。
もっといい男見つける。
こんなおっさんじゃなくて若くて独身のね。
いくらでもいるでしょ。
もっとかっこいい人。
佳代さん…こんな人と過ごした時間を思い出すこともなくなるくらい幸せになりましょうよ。
わかった。
そうだよね…私決めた!女優で成功してアカデミー賞とってこの人見返してやる!とりあえず幸せになろう。
色んな意味でね。
そうそうそう…じゃあ帰りましょっか。
帰りましょう…ねっ。
ねっ!なんかおなか空いたな〜。
・確かに・あんま女なめんなよ。
あ…あぁ…あっ…あ…。
あっ…あぁ…。
あっ…あぁ…足が痺れたぁ…あぁ…。
《こうして風松吉をめぐる十人の女たちの長い戦いは幕を閉じ私は今度こそ本当に絶望の螺旋から抜け出すことができた》
(美羽)あぁこんにちは。
こんにちは〜お久しぶりです。
美羽さん結局来たんですね。
いやぁあの人なんかかわいそうだからさ。
まあほらうちらしか友達いないしね。
でも佳代さん彼氏できたって聞きましたよ?
(愛人たち)えっ?うそでしょ!誰?劇団の人みたいですけど。
…ってことはガマン汁俳優か?「絞り汁」です。
それ意味が違っちゃうから。
そっか。
「そんなことでサンフランシスコにたどり着けると思ってるの?」
(劇団員)「たどり着いてみせるさ!サンフランシスコに!」「あなたには無理よ!」「おっ…何が無理なんだ!」「あなたの心のパスポートは期限切れだからよ!」「おぅ…」「さあ心の申請窓口に申請してらっしゃい!心の戸籍謄本などの申請書類を持ってね!」「あぁ〜」「ハッハッハ…ハーッハッハッ…ハーッ…」《ちなみに美羽さんの話では風さんは低視聴率や突然の長期休暇が原因で関連会社に飛ばされたらしい》は〜いOK!風さん!ボールペンの発注もお願いしま〜す。
はいOK!美佐ちゃん今夜食事に行かない?
(美佐)あら?私なんかでいいの?私だから誘ってるんだよ。
《きっとそっちでも彼は懲りずにいると思う》《まっうちらには関係ないけど》
(夏美)やばいやばいやばい新規新規新規。
(春江)新規?新規の不倫!
(春江・秋子)うっそ!どこどこ?すぐ見ちゃダメだよ。
あそこの着物着た女の人。
着物?
(女性)私たちを含めて9人。
9人?…何が?愛人。
そういう男なの浦上は。
どうぞどうぞ。
あ〜ありがとう。
お疲れさまで〜す。
あっどうぞ。
奥までどんどん入っちゃってごめんね狭くて。
ありがとう。
わ〜みんなで…ありがとう。
どうだった?2016/12/02(金) 00:09〜01:04
読売テレビ1
バカリズム脚本『黒い十人の女』最終話「さよなら黒い十人の女」[終][字][デ]

主演・船越英一郎、脚本・バカリズムでお送りする、史上最大の不倫劇!豪華女優陣が本気でぶつかり合う!衝撃の「不倫コメディ」!10股不倫男と十人の女の衝撃ラスト!

詳細情報
出演者
船越英一郎
成海璃子
トリンドル玲奈
佐藤仁美

佐野ひなこ
MEGUMI
平山あや
白羽ゆり
水上剣星
ちすん
新田祐里子

若村麻由美(特別出演)

水野美紀
番組内容
風(船越英一郎)を殺害し、平穏な生活を送っていた愛人たち。しかし、夏希(MEGUMI)からのLINEで全てが崩れ落ちてしまった…なんと風が生きている…というのだ。一致団結していたはずの風の妻・睦(若村麻由美)と9人の愛人たち。しかし、10人の女たちは壮絶な修羅場を迎えることに。そして、風と愛人たちの最終バトルの行方は!?様々な壮絶バトルを繰り広げてきた今年最もカオスな不倫劇は驚きの結末を迎える—。
原作・脚本
【原作】
和田夏十(映画『黒い十人の女』市川崑監督)
【脚本】
バカリズム
監督・演出
【演出】
山本大輔
音楽
兼松衆
【主題歌】
「愛/憎」CIVILIAN