(花田えみり)へっ…へえ〜。
ここが創業から100年続く老舗干物屋の社長宅ですか…。
あっ…ちょっと待ってくださいよ。
な…なんだかいかにも幽霊とか住んでそうな…。
んなわけないか…。
(鳥の羽音)おお…。
(カラスの鳴き声)はっ…。
あっ…えっ…い…今のまさか幽霊!?んなわけないですよね…うんうん。
(チャイム)
(松丸保志)いらっしゃい。
どうぞ。
すいません。
今ちょっと停電してまして。
(三田園薫)失礼します。
(物音)
(松丸聖子)どうも〜。
(松丸りん)イエイ!
(保志)じゃなくてりんちゃんとごあいさつしなさい。
ハハッ…イエーイ!りんちゃんね。
あっ申し遅れました。
むすび家政婦紹介所の花田です。
三田園と申します。
奥様ぎっくり腰のお加減はいかがですか?このとおり。
あっイタタタ…。
あっついた。
ついた。
ご依頼内容は承っております。
3日後に法事を控えていらっしゃるのでその準備お掃除など。
今日から4日間住み込みという事でよろしくお願い致します。
(聖子)こちらこそ。
遠かったでしょ。
今夜はゆっくり休んで明日の朝からお願いします。
かしこまりました。
さあどうぞどうぞお上がりください。
(聖子)あの…お部屋2階に用意したんだけど同室でいいのかしら?あっ…。
おじちゃん?おばちゃん?おじちゃんおばちゃん?ご想像にお任せ致します。
同室で大丈夫でございます。
ええーっ!?
(保志)さあどうぞお上がりください。
失礼致します。
(猫の鳴き声)
(りん)あっサンマちゃん。
サンマちゃん?
(りん)うちの猫。
あらかわいい。
(保志)さあこちらへ。
(猫の鳴き声)豪邸だって聞いてたのにこれじゃあまるで幽霊屋敷みたい。
本当何もかも古いんですね。
あの…私こっちの端でいいんで…。
でも何もこんなに家が広いなら同室でなくても…。
《三田園さんの本性暴いてやる》ジャーン!お風呂どうぞって。
あっ…ありがとう。
三田園さんお風呂…入りますよね?お先にどうぞ。
じゃあ…はい。
(物音)はっ…。
(猫の鳴き声)もう…。
(荒い息遣い)
(物音)はっ!はぁ…。
(荒い息遣い)
(物音)えっ…。
はあ…もうなんだよ。
はっ…!ああーっ!ああ…ヒィーッ…ヒィーッ…!どうしました?あっ…鏡に…人の顔が…。
えっ!?失礼します。
あっ…。
はっ!これはただの腐食です。
はあ…オバケかと思いました。
残念ですがこの鏡はもう寿命ですね。
花田さん。
オバケだなんて失礼ですよ。
あっ…すみません。
大丈夫?あっ…すみません。
とんだ勘違いでして…すみません。
この家にはネズミもいればサンマ…あっいや猫の名前です。
なんせネズミ1匹捕まえないような猫もいるので色んな物音がするでしょう。
怖がらせてごめんなさいね。
あっいや…。
(水の落ちる音)
(物音)はあ…猫か…ネズミか…。
大丈夫大丈夫。
うぅ…でも寝れない。
三田園さん…寝てます?寝てますよね…?うわあ!まんまか!もしかして三田園さん怖いんですか?だから同室なんですか?あっ…。
(物音)
(2人の悲鳴)イヤッイヤッイヤーッ!イヤッ…。
うわあーっ!ああーっ!ああーっ!
(保志・聖子・りん)いただきます。
(保志)おいしそうだね。
(聖子)おいしそう。
(保志)ミルクもおいしい。
おいしいね。
うん。
いつも干物じゃね。
(聖子)本当ホテルみたい。
やっぱり助かるわね家政婦さんて。
とうとう一睡も出来ませんでしたね。
でも三田園さんにも怖いものがあったなんて。
フフフッ…。
ああ〜いいんですよお気になさらず。
フフフフ…。
いやあ〜でも…友達にも見えるっていう子がいて今まで話半分に聞いてたんですけどやっぱりいるんですかね?幽霊って。
宇宙のダークマターもなんら解明されていない以上幽霊の存在も否定出来ないと思います。
なるほど…?ごちそうさまでした。
ご丁寧に痛み入ります。
ねえねえねえ…りんちゃんはどう思う?幽霊っていると思う?幽霊ならいるよ。
えっ!?りん見た事あるもん。
えっど…どこで?りんが眠ってるとねずーっとそばで見てて時々ほっぺたを触ってくるの。
(猫の鳴き声)
(悲鳴)ああ…。
りんちゃんは怖くないの?怖くないよ。
死んだおじいちゃんたちが守ってくれてるんだって。
お父さんとお母さんが言ってた。
ああ…。
不思議な事がいっぱいあるのが人生だって。
確かに。
いってきます。
いってらっしゃい。
お気をつけて。
奥様。
頂いたリストに従い買い物に行って参ります。
料理酒残り20ミリリットルほどですが買い足しますか?それとも一升瓶の日本酒で代用致しますか?両方買っといて。
三田園さん力ありそうだから。
かしこまりました。
(女性)あらまた新しい家政婦さん?また?法事があるからってこの間の家政婦さん畳干してたと思ったら辞めちゃって。
その前は障子張り替えただけで辞めちゃって。
そうなんですか…。
出るって噂なのよ…これ。
ほ…本当ですか!?噂よ噂。
(猫の鳴き声)あらサンマちゃん!おいでおいで〜。
…って来るわけないわよね。
本当においしい干物しか食べないんですってよ。
さすが干物屋の猫ちゃんよね。
松丸さんちの物置骨董がいっぱいあるでしょ。
そうなんですか?それもなんだか不気味なものばっかり。
先々代が悪運を呼ぶ妖刀を買ってから商売が傾いて大変だったって…。
噂よ噂。
はあ…。
あとねあそこのカーテンのシミあるでしょ小さいけど。
あっあります…。
あそこが…。
でその妖刀江戸時代に試し斬りで罪人4人を一度に斬ったから四胴って言うんですって。
他にもピッタリとくっついたら顔から決して離れない能面とか幽霊画とか蔵にいっぱいあるんですって。
ねえ怖くないですか?物に憑く霊は怖くない。
嘘…。
磨く事で浄化されるから。
じゃあ人の霊は?菅原道真がまつられるまでどれだけたたった事か…。
人の霊のたたりは恐ろしい。
ご先祖様の霊なら頑張って守ってくれますが…。
もっと恐ろしいのはたまたまそこに居合わせた霊…。
通り魔のようにどうする事も出来ない。
と…通り魔?殺人鬼?あっジェイソン!?
(物音)な…なんですかね?今の。
(猫の鳴き声)なんだサンマちゃんね。
あれ?えっ…三田園さん!?あっ…か…神隠し…。
旦那様お弁当をお持ち致しました。
(保志)おお〜三田園さんありがとう。
皆様にはお味噌汁お持ち致しました。
(拍手)
(小森タキ)嬉しいわ〜。
(大村大蔵)ああこりゃ温まるよ。
嬉しいね。
(タキ)奥さんぎっくり腰って言ってたから当てにしてなかったのよ。
痛み入ります。
(大村)痛み入っちゃいけねえよ。
なあタキさん。
(大村たちの笑い声)
(タキ)こう見えて創業100年老舗です。
大したものです。
でしょう。
でもね私たちなんかいつクビになるかって時もあったのよ。
あああったあった。
先代がね新規事業に手を出して潰れかけたわけ。
(大村)そうそう8年前だなあ。
(タキ)あの時先代1人で逃げちゃって…。
先代が逃げた?
(大村)親戚や仕事関係から借りまくった借金どうにもならなくてある日突然失踪だよ。
全部ほっぽらかして六代目に押しつけてな。
(タキ)いい死に方しなかったって話。
そういやそれからだよな社長んちに呼ばれなくなったの。
…とおっしゃいますと?昔はお祝い事だなんだって社長んちで朝まで飲んでみんなで腹の底から笑ったもんだけど…。
今は全然。
どうも辛気くさいっていうか…。
(タキ)そんな事言うもんじゃないよ。
もう潰れるしかないってところを六代目が誰にも頼らず踏ん張ったから…。
まあ確かに…。
(大村)去年は新技術で特許まで取ってな。
うん。
大したもんよ。
ちょっと食べてみる?頂戴致します。
これはくさやともウォッシュタイプのチーズともちょっと違いますね。
では…。
なんてまろやか。
だろ!絶品でございます。
(タキ)でしょ!それね軽く天日干ししてから六代目が開発した液に漬け込んでまた天日干しするんだよ。
その液がね…。
(せき払い)…そうでした。
ここから先は企業秘密。
ともかくどこか頼りないと思ってた六代目がここまで盛り返してくれたってわけ。
「六代目の底力」…。
五代目四代目三代目二代目初代。
(トイレの水を流す音)えっ…?た…確か奥様はお庭に…。
どういう事?ああーっ!ごめんなさい…。
いえ私のほうこそすみません。
お…奥様…。
たった今トイレを流す音が…。
奥様と私しかいないのに…なぜ?
(聖子)えっ?本当に音がしたんです。
あの…今までにもこういう事あったんじゃないですか?奥様本当の事を教えてください。
この家には何か秘密があるんじゃないですか?家政婦がすぐ辞めてしまうような…。
あの…つまりその…りんちゃんは明るく断定してましたけど子供の想像力なんかじゃなくて本当に幽霊がいるんじゃ…。
実は私も時々そんな気がする事が…。
例えばここよく見てください。
あっ…の…呪い?だんだん濃くなってる気がして…。
ええっ…!?30分頂いてもよろしいですか?
(2人)えっ?塩素系漂白剤に片栗粉…?ちょうどカビ取り剤が切れていたので。
混ぜる割合は1対1。
塩素系漂白剤はカビ取り剤のように泡が出ません。
その分片栗粉を補う事で汚れの部分にとどまりじわじわと効果を発揮してくれます。
こうして乾燥を防ぎ放置する事…。
30分経過しました。
お湯ですと片栗粉が固まってしまいますのでここはお水で流します。
消えた…呪いが消えました!どうやらただのカビだったようですね。
よかったですね奥様。
ええ。
でも他にも…。
他にも何かあるんですか?
(柱時計の音)どうかされました?
(聖子)あっ動いてる…。
もう何年も止まったままなのにどうして急に…。
あっそういえばこの時計確かに止まってました。
はっ!ど…どうしました?ミイラ…。
ミ…ミイラ!?ミイラ化した虫です。
ゼンマイが巻いてあったのにもかかわらずどこかにこの虫が挟まっていたのでしょう。
それが時と共に干からびてゴーンと…。
はあ…心霊現象じゃなくてよかったですね奥様。
(物音)ただ…確実にネズミはいますね。
あっ…イテテテ…。
ああ〜すみません。
大丈夫ですか?フンッ。
えっ売った?ええ。
奇妙な因縁のある能面とか妖刀とか怪しくて値のつくものは全部。
だけどその掛け軸だけが残ってて…。
これですか?失礼ですが開けてみても?どうぞ。
布に描かれた美人画で珍しいものなんですがいつの間にか…。
ああっ…!元はきれいな顔だったのに…。
なんですか?勝手に血を流していたと?まさに心霊現象…。
もしかしてこの家をうろついているのは…。
…ですか?失礼します。
ちょっちょっ…三田園さん何を…?おや?落ちませんね。
本物の血液のシミであれば血液のたんぱく質が分解されて落ちるはず。
つまりこれは血液ではありません。
ただの塗料でございます。
奥様他の心霊現象的なものは?さあ漆の器と箱膳全部台所にお願いします。
えっ…?かしこまりました。
えっ?えっ?私が片づけるんですか?もう…失礼致します。
ああーっ!だ…誰も触ってないのにななな…なんで?やっぱりいるんだわ。
もう〜重いよ…。
前見えないし。
あっここ段差が…。
三田園さんこんな持てるわけないじゃないですか。
重…重…なんとか持てますけど〜。
(猫の鳴き声)うわあーっ!おお…ああ猫踏んじゃった。
ごめんサンマちゃん。
ああ…全部漆でよかった…。
ああーっ!ああ…おお…!
(結頼子)「は〜いえみりちゃん。
どう?そっちは」私がいなくなったら捜索してください!はあ!?どういう事?私無理なんで…超絶無理なんで今から帰ります!ええっ!?帰るって…三田園ちゃんは?なんでだかいません。
っていうか今回全然頼りになんないし…。
急いでるんで!あら〜?切れちゃったわ。
(有沢春希)ええ〜?六代目の底力頼もうと思ったのに…。
(阿部真理亜)まあまあ今日のところはそこのスーパーで買った干物で。
(においを嗅ぐ音)
(藤川蘭)焦げてるけど…。
(春希)あっ煙!
(真理亜)ああっ!うちから火事出したら洒落にならないから!
(真理亜)危ない危ない!所長所長所長!ねえ所長!
(せき込み)なんじゃこりゃ〜!?
(せき込み)火事だーっ!奥様!
(せき込み)中は危険です!離れてください!いいからどいて!駄目です!こちらへ!
(物音)ああ…。
出たーっ!
(聖子)早くこっちへ!奥様!大丈夫ですか?お義父さん!お…お…お…!?あらあらあら。
ネズミ駆除のため業務用強力燻煙噴射器に点火致しました。
思いのほか煙が出てしまい失礼致しました。
(せき込み)旦那様…?見たな…。
三田園と申します。
はじめまして。
あなたは松丸商店五代目保晴様でございますね?8年前ご自身のお作りになった借金で御社が潰れそうになった時に1人で逃げてそのまま死んでしまった事になっている仏間のお写真の一番右端の…。
あっそうだ!でもなんで?長い間屋根裏部屋で閉じこもっておられたんですね?閉じ込められた!?うば捨て山?虐待!?
(松丸保晴)秘密を知られたからには死んでもらうしか…!えっ私!?いやいやちょっとちょっと…。
(聖子)お義父さん!ええっ…?ああっ…!えっ?えっ?えっ?ああ…ああ…!うわっ!うう…うう…うう…。
アイタッ!ああ…!
(聖子)お義父さん!だ…大丈夫…。
アイタッ!あっ足の指が…。
どうかなさいました?
(保晴)アイタッ!あっ…すぐに病院へ!馬鹿野郎!そんなところ行けるか!
(保志)このとおり!何も見なかった事にしてください!
(聖子)お願いします!ちょっと待ってください。
そもそもどうして死んだふりなんか…?確か…人は失踪してから7年経過すると失踪届が受理されるんですよね?よって死亡扱いになりかけていれば保険金が下りる。
えっ…じゃあもしかして保険金のために死んだふりを?7年も!?正確には8年。
りんお嬢様が生まれる前に大旦那様は失踪なさってお戻りになったのは…割とすぐなのでは?三田園さんあんたどこまでお見通しなんだ?えっ…じゃあ本当にお金のためだけに8年も死んだふりを?いや…金のためだけなんかじゃない!いや…金のためです!
(保志)親父は半年も経たないうちに戻ってきました。
その時僕が親父に頼んだんです。
7年待てば保険金が下りる。
それで会社が助かるって…。
親父には新商品のアイデアがあって一か八かやってみたらうまくいったんです。
私の手柄という事にしたら債権者も期待してくれるようになって…。
借金も少しずつ返せるように…。
でもその分ますます親父は表に出られなくなって…。
去年下りた保険金で設備投資しました。
大量生産に踏み切ったんです。
特許も取れました。
そうしたら六代目の底力が馬鹿売れしてふるさと納税の人気ランキングトップ3にまで入っちゃって…。
ますます大旦那様が生きていると言えなくなってしまった。
でも成功したんですから借金全部返せるでしょ?そうしたら何もずっと隠れていなくたって…。
それが…実際親戚からの借金は返そう返そうと思いながら甘えてしまってなかなか…。
後回しにしてて…。
そんな…。
それに保険金も受け取ってしまったし…。
だから金で済む問題じゃないんだよ!親父…。
(保晴)俺のせいで一家離散した親戚もいるんだ。
義理の兄貴なんか80過ぎて熟年離婚されちまって…。
こいつは自分が頼んだみたいに言ってるが俺が表に出たくないって言ったんだよ!その後ろめたさからカビ臭い部屋で息を潜めて暮らし親子でひそかに商品開発。
(保志)保険金が下りたんだよ。
とうとう死ねたか…。
(嗚咽)ポータブルトイレで用を足し人目を盗んでトイレに流しに来たりしてたんですね。
時々かわいいお孫さんの寝顔を眺めるのがせめてもの慰め…?なんともご苦労さまな事です。
なんか…切ないです。
ただ…僭越ながらこのままあの屋根裏で暮らすのは健康上いかがなものでしょう?先ほど大旦那様を持ち上げた時の感触はとても70代の男性とは思えません。
恐らく骨はスカスカかと。
「身から出た錆」だ。
俺はもう死んだんだ。
お義父さん…。
でもお家を救ったアイデアマンでもある。
(保晴)フン…。
カビ臭い部屋で暇を持て余してりゃあくさやよりもうまい干物くらい思いつかあ!お義父さん…。
(保晴)いいから!あんたら何も見なかった事にしてくれ。
今さらのこのこ表に出て生き恥さらせるか!
(保志)親父がそう言う以上…。
とにかくこれで…。
150万入ってます。
げげっ!
(保志・聖子)お願いします!ちょっとちょっと…三田園さん!ではこれはぎっくり腰にムチ打ってからくり人形を必死に動かしていた奥様に免じて…。
気づいてたの?
(りん)ただいま!お願いします。
りんには秘密なんです!
(保志・聖子)お願いします!
(えみり・りん)おお〜!
(2人)おお〜!置いてみて。
(りん)はい。
(えみり・りん)おお〜!すごいね〜!すごいね!ああ…。
りんお嬢様は家族全員でお日様の下を歩いた事がございますか?あるよ。
本当に?「本当に」…?ああ…ああ…!からくり人形って確か江戸時代でしたっけ?戦国の世が終わり江戸時代世の中が平和になると元々武器を作っていた職人たちはこういう事で腕を競い合ったといわれています。
ああ落ちちゃう!
(手をたたく音)皆さんこんばんは。
家政夫の三田園でございます。
それでは今日の家事のおさらいをしていきましょう。
その1。
そこがポイントでございます。
その2。
布に付いた血液のシミには酸素系漂白剤が一般的ではございますが今回のようにオキシドールなど消毒液を染み込ませ歯ブラシでたたいて落とす方法がございます。
それともう1つ。
日本家屋のお掃除で一番厄介なのは…さてなんでしょう?それはさておきいよいよこのあと世にも奇妙な法事の始まりでございます。
(手をたたく音)
(からくり人形の落ちる音)
(えみり・りん)ああ〜!
(りん)壊れちゃった!頭が取れちゃった!法事の時はどちらかに行かれてはいかがですか?何…俺はこの屋根裏部屋が一番落ち着くんだよ。
(ため息)こんなにカビ臭いのに。
ご存じですか?カビってダニの餌なんです。
ダニはカビを食べて繁殖し自分の体に付いたカビをまき散らしながら移動する。
すなわちカビが増えればダニが増えてダニが増えればまたさらにカビが増えるというおぞましい悪循環。
まさに地獄絵図ですよ。
そんなもの死んだ気になりゃどうって事ねえよ。
失礼致します。
うわっ…。
あっ…おい!あっ…ああっ!畳のカビは水200シーシーに対して小さじ1杯のクエン酸をスプレーボトルに入れ布巾にスプレーし畳の目に沿って拭き最後にから拭きします。
この方法はカビ対策だけではなくダニ予防にもなります。
そして何より大事なのは日に当てる事。
太陽光の殺菌効果は素晴らしく大腸菌は99.8パーセント死滅します。
それだけじゃありません。
もちろんおいしい干物も作れます。
まさにお日様のおかげさま。
あら嫌だ。
干物屋さんには「釈迦に説法」でございましたね。
(ため息)日の光を浴びた時に自然に笑顔になれない人間はもうすでに腐っているのかもしれませんね。
どうやらこの家でまっとうな人間は…りんお嬢様だけのようです。
(読経)
(大和)あっサンマちゃんだ!こんなところで何してるの?
(大和)シーッ!
(りん)サンマちゃんおいしい干物じゃないと食べないんだけどこれよっぽどおいしいんだね。
うん。
…ん?何?これ。
開けちゃ駄目だよ!大丈夫だよ。
(保子)何してるの?こんなところで。
(いびき)
(悲鳴)
(保晴)うわっ!
(保子)兄さん!い…生きてる!?いやいや…違うんだ!兄さんが生きてた!
(保子)兄さんが生きてた!何言ってるんだよお前!落ち着け!
(鳴き声)
(保子)生きててよかった…!馬鹿野郎!いい事があるか!そうだ!誰の法事に集まったと思ってるんだ!この大馬鹿者が!
(保志)ちょ…ちょっと…。
サンマちゃん様六代目の底力完食しましたね。
(保志)あんた!なんて事をしてくれたんだ!わたくしはお約束をお守りするために「開けるな」というシールを貼ったまでですが。
謀りましたね?クソ…あの時2人まとめて殺しておけばよかったか…。
コラ!8年間もだましやがって!いくら貸してると思ってるんだ!200万耳をそろえて返せ!申し訳ない…。
おじいちゃん…なの?あっ…。
イエーイ!
(警察官)事情は署で聞きますから。
はい…。
貸してたお金って確か200万円じゃなくて150万円でしたよね?とにかくこれで…。
150万入ってます。
いつの間にか人に貸したお金っていうのは増えてしまうもんなんですかね?ではわたくしたちはこれで。
大変お世話になりました。
あっちょっと…。
(りん)もう帰っちゃうの?りんちゃん…。
私たちは帰りますよ。
家政婦ですから。
三田園さん!あなたには家族がいるじゃないですか。
本当に。
「本当に」?とうとう食べられなかったわね六代目の底力。
工場も閉鎖されちゃったし。
えっそうなんですか?うん。
まあ詐欺罪には問われるでしょうね。
お気の毒。
そんなに悪い事してないのにね。
三田園さんさえ行かなかったら見つからなかったのに。
確かに。
(物音)えっ!?えっ!?ちょっとちょっと何!?いや…。
やめてよ〜!すみません。
りんちゃん…どうしてるかな?全てを失ったとしても日の光を浴びて歩いていきさえすれば…。
人も干物も味が出る。
(5人)いつの間に!?うん。
それ…。
(5人)六代目の底力!ああ〜!六代目あるじゃないのよ!あっあっあっ…。
ああ〜!さて…どうしたもんかなあこれから。
(ため息)いいお天気でよかったねおじいちゃん。
そうだな。
こうしてお天道様が拝めるだけでいいもんだな。
本当に。
家族全員でお日様の下を歩いた事がございますか?三田園さんが言ってたとおりだ。
りんには家族がいるからね!本当に。
そうだな!行くか。
(保志)また一から頑張るか。
(聖子・保志)ねっ。
(聖子)おなかすいた。
(保志)なんか食べに行こう。
ねっ。
このドラマの主題歌CDを抽選で100名様にプレゼントします
詳しくは番組ホームページまで
(富田その子)理想の主婦とは良き女性でなければなりません。
旦那様が行方不明!?三田園さん!
衝撃の最終回
最後の大掃除と参りましょう。
ああーっ!2016/12/03(土) 00:24〜01:24
ABCテレビ1
家政夫のミタゾノ #7/幽霊と仲良く暮らす家!?“死者が蘇る”秘密の部屋[字]
三田園(松岡昌宏)が訪れたのは、幽霊屋敷のように古びた家。次々に起こる怪奇現象に、えみり(清水富美加)だけでなく、実はオバケが苦手な三田園もビビりまくり…!?
詳細情報
◇番組内容
松岡昌宏が“女装”家政夫に!史上最恐のダークヒーロー誕生!
家事スキルはプロ級、神出鬼没で不気味な女装家政夫・三田園薫(松岡昌宏)は、派遣先の事情を覗き見するのが大好き。誰にも気付かれないうちに、周到に罠を張り巡らせ、依頼人の化けの皮をはがし、その家庭に巣食う“根深い汚れ”をスッキリと落としてゆく。ひと度、彼に“覗かれた”家庭は、崩壊への道をまっしぐら…!痛快“覗き見”ヒューマンドラマ。
◇出演者
松岡昌宏、清水富美加、柴本幸、堀田茜、平田敦子、余貴美子
◇脚本
西荻弓絵
◇監督
片山修(テレビ朝日)
◇主題歌
TOKIO『愛!wanna be with you…』(J storm)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】内山聖子(テレビ朝日)
【プロデューサー】秋山貴人(テレビ朝日)、木曽貴美子(MMJ)