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サワコの朝【梅沢富美男▽女と舞台と人情と】 2016.12.03

(阿川)おはようございます。
阿川佐和子です。
今日のゲストは下町の玉三郎様でございますがなんであんなにガァーガァーガァーガァー怒ってる方があんなにきれいになられるのかその謎を伺いたいと思います。
梅沢富美男さんにおいでいただいております。
(拍手)よろしくお願いします。
今日はよろしくお願いします。
この番組ね私好きで見てましてね。
ほんとに?いつかは呼んでくれないかないつかは呼んでくれないかなってずっと気にしてたんです。
ありがとうございます。
でももうテレビものすごくたくさん出てらっしゃいますよね今ね。
そうですね。
最近ほんとにすごいですね。
自分でもびっくりしてるぐらい。
テレビに出て緊張している様子は…。
(梅沢)あっ僕ねほんとにこれ失礼ですけどあの〜今まで緊張した事がないんですよ舞台もテレビも。
舞台も緊張した事ないんですか?映画も歌も。
やっぱ1歳半から舞台に上がっていると…。
いやあのね自分で気がついたんですよ。
なんか自分の持ってないものまで出そうとすると頑張ってやろうとすると失敗するんです。
俺は今持ってる能力なんてこれしかないのでこれ以上のものを出そうとするから失敗するんだなと思うと全然上がらなくなった。
楽になったんですか?はい。
(ナレーション)今日のゲストは知らないですよ。
あれが…。
今テレビで見ない日はないほど大人気の梅沢さん。
いつも怒っているイメージですが…。
舞台に立つと…。
あでやかな女形に大変身。
更に…。
・男と女あやつりつられ32歳の時に出した曲「夢芝居」が大ヒット。
テレビ・歌手・舞台とすべてに全力投球。
その原点は少年時代にありました。
野球やってたんででおばあちゃんに「おばあちゃんちょっと高校行きたいんだけど」って言ったら「働くんだよお前ほんとに」って言われました。
ひどいでしょ。
中学卒業したばっかりの子供…。
今日は今なぜ梅沢富美男さんの言葉が共感を得ているのか。
サワコが明らかにします!しつこいようですけれどもほんとにテレビでこれだけ出るようになると周りの反響って変わりますか?最近やっぱり若い子たちにあの〜名前を覚えてもらえるっていうか。
で中年僕らの世代になると「トミザワフミオ」みたいになっちゃうんですよね。
トミザワフミオ…。
あっちょっと混乱してね。
そうなんです「トミザワさん」って。
あの〜テレビですごく怒ったりなんかしているイメージはありますけれども…。
あっ口調がこういう口調でしたからやっぱり怒ったように聞こえるんでしょうね。
今の子たちってお父さんもお母さんものんびりしてますから。
だからこないだあの〜もうこれほんとに最近の話なんですけど公演先に行ってもう夜中お店やってないんですね。
だからコンビニになっちゃうんですね。
そうするとそこへ行った時に金髪のおにいちゃんがあぐらかいて…っていうかうんこ座りしてタバコ吸ってたんでどう見ても未成年でしたから「こんな所でタバコ吸ってんじゃねぇ!」って怒ったんですよ。
そりゃ怒ってあげなきゃいけませんから。
偉い!「こんな所でタバコなんか吸ってんな」って怒ったんですよ。
そしたらその子は飛び上がって「すみません」って言った途端に友達に「梅沢富美男に怒られたよ」って喜んでるんですよ。
あははっ!あっそうか。
この子たちってあんまり怒られた事ねぇんだなと思って。
でもね僕らの子供の時っていうか10代の頃はそういうおじいちゃんおばあちゃんいっぱいいましたからね。
うん。
他人の子なんだからあんまりねあの〜余計な事言うなっていうじじばばいっぱいいましたから。
でもああいう人たちがいると治安よくなるんですよ。
悪い事しなくなるんです。
だからおじいちゃんおばあちゃん大事にしなきゃ駄目だって思うんですけどね。
ええ。
でそもそもそのテレビのコメンテーターみたいなお仕事が来た時梅沢さんご自身はちょっと躊躇なさった…。
いや断りました。
だって断りますよだって俺学歴ないもの。
中学しか出てないんですよ。
中学を卒業してもう劇団…。
劇団に入りましたから。
だからやっぱり学歴もないしで隣を見たら東大だとかいろいろほら学校出てる人いっぱいいるのでお断りしますって断ったんですよ。
2〜3何回も言われたんですけどもう絶対駄目ですって…。
コメンテーターなんか無理ですと。
無理ですから。
そんな皆さんのような頭のいい話できませんからって。
でうちへ帰ったらうちの女房の母親とおばとお手伝いさん3人がいましてねそれがテレビ見てましてねある事件があった時にそん時にね怒るんですよテレビ見て「ばかやろう!」とかね。
ふふふっ!なんか「一生出てくんな!」とかって。
テレビに向かって。
テレビに向かってガンガン怒ってるんですよ。
「ばかやろう!」とか言って。
このばばあたちの俺代弁できそうだなと思って。
あははっ!ああ〜!はい。
それで受けたんです。
だから見てる人間は気持ちがスカッとするんですね。
(娘)ただいま〜!
(孫)おじいちゃ〜ん!《久しぶりの実家だった》おいしいお母さんの肉じゃが。
(父)やっぱりみんなで食べるとおいしいよなぁ!よく食べるよねお父さん。
(母)いつもはこんなに食べないのよ。
ごはん炊くのも少なくなったわ。
そうなの?2人っきりじゃね…。
(ナレーター)愛する家族に贈りたい家電があります。
2人分でもかまど炊きのおいしさに炊き上げる炊飯器。
パナソニック「Jコンセプト」今日は2人っきりだからおかずもこれだけよ。
量は少なくていいんだ。
おいしく食べられれば。
最高だよ炊飯器!ふふ。
また食べに行くからね。
さて2曲選んでいただいている1曲があると思いますけれども。
今でも心で響く記憶に残っている曲。
ちあきなおみさんの「矢切の渡し」。
それなんですね。
これはどこで出会われたんですか?あの〜僕をねずっと僕が二十歳の頃からずっとかわいがってくれた亡くなりました石森章太郎先生。
どうして石森さんと…。
あの〜石森先生の奥様のお母さんとうちの母親と友達だったんですよ。
あっそうなんですか。
はい。
でなんかの縁でその奥様と先生が見にくるようになってでまあ僕の事気に入ってくれたんじゃないですかね。
こんな髪の毛でね。
そうです。
で先生が急に「矢切の渡し踊ってくれないか?ちあきなおみの」って。
僕知らなかったんですよ。
あれB面に入ってたんです。
あっそうなんですか。
はい。
でもう詞を見たり曲を聴いたりするとやっぱり女形の心中の歌だなって。
駆け落ちする歌だなって。
それまでは女形は全然…。
(梅沢)全然やりません。
嫌ですよあんな腰巻きつけたりなんかするのに…。
それで勉強して化粧したんですね。
まあ先生が見にくるっていうからやらなきゃいけないですよ。
で化粧したんですけどもうびっくりしましたよ。
えっこんな顔になるんだ!と思って。
自分でもびっくりした?はい。
じゃあ石森先生も…。
驚きました「なんじゃお前それ」って。

(梅沢・スタジオ)これ「淋しいのはお前だけじゃない」のワンシーンなんです。
(阿川・スタジオ)へえ〜そうなんだ。

(梅沢・スタジオ)木の実ナナさんです。
(阿川・スタジオ)木の実ナナさん!?あらまあびっくり…。
懐かしいですね。
きれい…。
ちょっとこうなんていうかなちょっと開いてる感じが色っぽい。
僕ねとってもラッキーだったのが半分蓄のう症なんですよ。
あっそうなんですか。
で2つの穴で息があんまり長く吸えないもんですからふわっと口開いちゃうんですよ。
あははっ。
苦しくて。
あれがよかったみたいですね。
あれが功を奏したんですか。
だからあの〜兄貴に「蓄のう症治すな」って言われたんですけど。
ええ〜!治しちゃったらもう口閉じちゃうかもしれないから。
だからあれがよかったっていう。
まあもともとはお父様が座長でいらっしゃってお母様がやっぱり踊りの方で結婚なさって。
僕あの〜天才子役だったんで。
天才子役?はい。
1歳7か月でデビューして新聞に載ったんです「天才子役現れる」って。
1歳7か月は何してたんですか?いや踊ったんです「伊那の勘太郎」って歌で。
1歳7か月で踊ったんですか!?当時の子供が1歳7か月で踊るなんて…。
1歳7か月で立つ方が難しいですから。
あははっ!まだ歩いてない子もいるかもしれない。
「・影か柳か」っていう「・勘太郎さんか」ってあれを踊ったんです。
どうやって覚えたんですか?いやそれは自然におふくろが…お芝居で踊りなんかやってなかったんですよ昔は。
戦後でしたから。
でおふくろが次のお芝居やるために化粧してたらお客がうわ〜っと騒ぐもんですからなんか事故でもあったのかしらと思って上に上がっていったら僕が…花道でおしめした僕が踊ってたんですよ。
でおふくろがそれを見てよしこいつ商売になるって思ったらしいですよ。
これは使えるって。
でカツラと衣装をつけて次の日から僕を舞台に出したんです。
それで新聞に載ったんです。
「天才子役現れる」って。
天才子役現れる。
それでなんと8人兄弟?そうです。
随分たくさん…。
僕7番目なんです。
下から2番目。
そうです。
すごい貧乏したんで。
ひどい貧乏だったんですよ。
そんなに?僕がね小学校に上がった2年生か3年生の頃はもう映画とかテレビがどんどんどんどんよくなりましたんでね実演見なくなったんです。
だからおやじたちの芝居が駄目になって。
世の中でこんな貧乏した事ないだろうっていうぐらい貧乏しましたよ。
覚えているかぎり苦しかったのはなんですか?だって僕あの…教科書もないんですから。
ノートもない鉛筆もない。
学校行ってるのに。
で給食費も払えないから給食食べられないんですよ。
給食食べられないんですか。
はい。
だから学校の先生が12時5分前ぐらいになると「池田」って声かけてくれるんです。
ご本名池田さん。
そうすると「はい」って僕が校庭に出るんです。
でもね僕一人じゃないんですよ。
当時はみんな貧乏人ばっかりでしたからぞろぞろぞろぞろ出てくるんですよ校庭に。
みんなお金払えなくて。
食べ物食べられないんですか?
(梅沢)食べられない。
えっ先生呼んでなんか食べさせてくれるって話じゃないの?いや当時の学校の先生はやっぱり貧乏でしたから。
先生も貧乏だから。
うん。
給料安かったと思いますよ。
だから先生泣いてましたもん「ごめんな」って。
でも1人にあげるとこっちにあげられないじゃないですか。
だから先生も泣いてましたね当時の先生は。
中学卒業してもう劇団に…。
(梅沢)劇団に入りましたから。
ご自宅…。
だって僕らの時代は僕も野球やってたんで高校行きたかったんですよ。
でおばあちゃんに「おばあちゃんちょっと高校行きたいんだけど」って言ったら「働くんだよお前はほんとに」って言われましたもん。
ひどいでしょ中学卒業したばっかりの子供…。
みんなそうでしたから。
そしたら兄貴から呼ばれたんでで芝居出ろって言われて。
でその頂いた役が子分の役だったもんですから「親分をそこに座らせていただけませんか」っていうセリフなんですよ。
「すみませんけどちょいとそこに座らせていただけませんか」っていうセリフなんですけど敬語で…福島にいましたからなまってるんですよ。
だから「すまねけんちょそこ座らせてくなんしょ」って言ったんですよ。
福島弁で。
はい。
これ敬語ですよ。
「すみませんけどそこ座らせていただけませんか」っていうのを「すまねけんちょそこ座らせてくなんしょ」って言ったんです。
そしたらお客がうわ〜って騒いだんですよ。
いやウケたなと思って。

 

 

 

 


あれが笑われたと思ったら僕は役者になってないと思う。
僕は勘違いで役者になったんです。
ああそうかそうか。
こんなすごい商売ないなと思って。
1人の人間が100人150人のお客さんをこんなに感動させられるっていうのはこの役者しかないって思って。
それで僕はよし役者になろうって思ったんです。
(ナレーター)日本の移動シーンは進化する。
海外からのお客さまをお迎えする空港。
そこで新しい安心と快適が動き出しています。
LEDの光から情報を受け取り目的地まで自動で案内。
もちろん安全な移動もサポートします。
そのやさしさは今様々な都市空間へ。
オドロキが常識を変えていく。

(作業員)お先に失礼します。
(でんきやさん)はいお疲れさん。
《たとえですねお風呂のリフォームだとしてもここをこうしてやったらお客さんが喜ぶっていうところをいっぱい見つけてその家全部がキレイになるそこまでせんばいけんそういうふうに考えてますね》念願の風呂場できてよかったね。
(女性)は〜よかった。
お風呂以外にもこんなにキレイにしてもらってもうびっくりした!どこもここもでんきの暗いのはみんな変えてもらったしワックスかけてもらったり家中が光ってます。
よかったです。
ありがとう。
またねお願いしますね。
は〜い。
8人兄弟の中でおうちは…みんな子供たちはみんな役者に…。
そうですなりましたなりました。
まあやめていったヤツもいますけどね。
途中で。
で僕が25ぐらいの時にやめようかなと思ったんですよこの芝居を…役者を。
飽きちゃったんですか?だって売れないんですもん。
何やったって駄目なんですもん。
でそれで女形に出会っちゃって…。
石森先生に言われて女形に。
やっぱりこんな小さい組織にいるから売れないんだろうなと思って先生に「先生僕やめたいんですけど」って。
劇団をやめて外で…。
いやあの〜役者をやめようと思った。
役者自体をやめようと思ったんですか。
そしたら先生が「なんで?」って言うから説明するの面倒くさいじゃないですかいろんな話をね。
だから「壁ですかね」って言ったら先生が「何生意気な事言ってるんだバカ」って言われて。
「いいか壁っていうのは売れた人の言うセリフだよ」。
あっ…って思ったんですよ。
「俺が仮面ライダーを描いてヒットしたな。
サイボーグ009を描いて売れたな。
何描いても仮面ライダー…何描いてもサイボーグ009だったらみんながああ〜石森先生は…石森章太郎は壁だなって。
それが壁なんだよ」と。
「お前みたいに無名の役者に壁なんかねぇよ。
お前は売れるから頑張ってやれ」って。
売れるから頑張ってやれと。
もう頭トンカチで殴られたような。
あっそうだ。
俺に壁はないんだと思いましたね。
まだ壁はない。
僕はとってもそういうとこがね素直なんですよ。
へえ〜。
その「矢切の渡し」を石森さんに言われてやってこんなになるんだと思ってから一途?もうあっという間ですね。
それで人気が出たんですか。
すぐ出ました。
すぐ出ました?はい。
へえ〜こんなに変わるもんなんだと思いました。
それからじゃあやっぱり女形を磨いて磨いて磨いて…。
まあ勉強しましたね。
当時ね僕らの時にやっぱり花柳界が元気でしたから。
ああ〜。
粋な女性がたくさんいたんです。
芸者さん。
着物似合う方がね。
「あらいらっしゃい」。
(梅沢)所作がとってもいい。
今の所作いいじゃないですか。
いやいやいや…ほんと?
(梅沢)なかなかいいですよ。
やっぱりね今の若い子の駄目なのはガン見するからですよ。
ガン見。
こうやって…こうやってお話をするから。
そうやって顔を見てお話をしちゃ駄目なんですよ。
気をつけるわ。
ちょっとこうはすになってちょっとこうはすになりながらお話をする。
そうすると気になるんですよ男って。
へえ〜!そうするとねおっなんか俺に気があるのかなって。
でこの肩のこのラインが大事なんですよ。
ライン。
(梅沢)それとお椅子に座る時もしっかり座っちゃ駄目なんですよ。
ちょっとこう半分…ケツの半分出てるぐらいがちょうどいいんです。
いやそこ落ちますから。
でこう…そうするとほら安定が悪いからスッと背が伸びるじゃないですか。
あっなるほどね。
それとお尻の穴を意識するんです。
お尻の穴。
(梅沢)はい。
ここちょっと意識するだけで。
そうするとなんかこうとても女性らしい…。
それで時々…。
(梅沢)そうです。
そうです。
そうです!それはずっと僕も教わったんですよ。
じゃあそういうところから学習なさったわけですね。
(梅沢)お風呂に行くとね2時か3時ぐらいに行くと芸者さんがみんなお風呂に入るんです。
できれいにしてお座敷に出る。
夏場でしたんで浴衣がピシッと体にひっついてねこうお尻振りながら歩くんですね。
いやいやいや色っぽいなと思って電信柱の影でこう見てたら大塚の駅前の交番に捕まったんですよ。
ほんとに捕まっちゃったんですか。
はい。
ほんとに捕まった。
それは危ない男だと…。
ポンポンってやられて「何やってんだ」って言うから「いやあの〜女形の研究を」って言ったら「うそ言うんじゃねぇ」って連れてかれたんです。
あははっ。
へえ〜!ほかにもこう誰に何を習ったっていうのはあったんですか?いやあの〜僕は女性を見て女形を…女を演じるわけですからね。
じゃあほんとに玉三郎といわれているけど玉三郎さんはあんまり…。
いや玉三郎さんみたいにはできませんからね。
あの方すごいですからねやっぱり。
違います?違いますよ。
もう精神が違いますもん。
私はただ踊りを踊るだけですから。
お芝居なんかやりませんからね。
こんな太い声ですから。
踊りだけなんです。
「あなた」とか言うのはそれはやらないんだ。
僕ねほんとに「ウルトラマン」みたいで3分以上もたないんですよ。
女形は。
あっはい。
出ていく瞬間に女になるんです。
じゃあ長い…。
スパンでは無理なんです。
無理なんですか。
だんだんだんだんこうなんかこう…持続性がないんですよ。
大変ですもんだって。
あれだけ着ててね。
はい。
で初めブラジャーもみんなしたんですよ僕ちゃんと。
ブラジャーもするんですか。
しましたよ初めは。
そしたらなんかこの辺固く見えるんですね。
でそのうちにある芸者さんから「手拭い使いなさい」って。
着物来ててもブラジャー…。
しました初めはね。
で手拭いを…。
でブラジャー外して手拭いを胸に当てたらいい形丸い形になった。
形が…造形が出来たわけですか。
それをやっぱ教えていただいたのは芸者さんですね。
あと私梅沢さんのを拝見しているとこのなんていうのかな時々ニコっと笑う。
(梅沢・スタジオ)そうです。
(阿川・スタジオ)あれは…。
(梅沢・スタジオ)あれは母親ですね。
(阿川・スタジオ)そうなんですか。
(梅沢・スタジオ)「笑いなさい。
とにかく踊ってる時に笑いなさい。
あんたは舞踊家じゃないのよ。
あんたは役者さんが踊ってる踊りだから役者の踊りなんだから舞踊家と一緒に同じような事するんじゃないのよ。
笑いなさい。
何もあなたの苦しい顔をお客さん見にきたわけじゃないから。
ニヤッと笑いなさい」って。
だから僕が長谷川先生をご覧なさいって。
僕らのいちばんの先生は長谷川一夫先生ですね。
やっぱり商業演劇っていうんですかねああいうものをお作りになったのは長谷川一夫先生ですから。
じゃあ長谷川一夫さんもやっぱお芝居の中で踊りながら。
美空ひばりさんが歌って長谷川先生が踊ったんです。
はい。
そん時に僕初めてその長谷川先生の踊りを見たんですけどその時も踊りじゃなかったですね。
踊らないんですよ。
で…。
・ジャンチャチャンチャンチャンチャンチャラチャラ・チャチャチャラチャラチャラチャ〜ンって出てくるんですね。
で「・流す涙が」っていう時は長谷川先生がこうやって泣くんですこうやって。
はい。
で「・お芝居」っていう時にちょっとお客さんを流し目で見るんですよ。
ほう〜。
(梅沢)あのNHKホールでお客さんが「ぎゃあ〜!」って。
でニカッと笑って「・お芝居ならば」ってやるんですよ。
それ見た時に俺は絶対こういう踊りを踊ろうって決めたんです。
ほう〜。
(梅沢)あの流し目はもうあれができるのは亡くなった長谷川一夫先生だけですね。
花魁もほんとに美しいしあれですけども歌もお上手で。
何をそんなに大した事ないですけどね。
でもね僕歌番組ってあの…公演自分の舞台の公演やりますよ。
はい。
それからお芝居で一緒にジョイントする事はあります。
でも歌のジョイントの仕事ってあんまりやらないんですよ僕嫌で。
つらい思いもしたので。
あっなんかあったんですね。
うんありました。
誰にいじめられたんですか?
(梅沢)いじめられたわけじゃないんですけど面倒くせぇなと思って。
だって三波春夫先生と村田英雄先生の初めてのジョイントコンサートに僕出たんですから。
大阪festivalHall。
ちょっと怖い…。
怖いってもんじゃないですよ二人とも仲悪いから。
ふふふっ。
それでいろんな人に頼んだらしいですよあるイベンターが。
そしたらみんな嫌だって逃げたらしいんですよ。
で僕はその時はもう「夢芝居」売れてましたから。
ああ梅沢富美男さんなら役者だから大丈夫だろうっつって。
俺も嫌だなと思ったんですけど。
面倒くさいんですよ二人とも。
僕は村田英雄先生の「・お前」っていう歌を踊る事に演出上なってるの。
踊る方でね。
はい。
だからカツラも衣装も1ポーズしか持っていかないじゃないですか。
そしたら?そしたら三波先生に「村田君の歌で踊るんだね」って言うから「はい」って言ったら「僕のじゃ踊れないんだ」って言うんですよ。
今頃言うなよみたいな。
用意してきてない。
はい。
でなんとか断ろうと思って「あっ三波先生の歌はあの…万博の歌とかおーい船方さんとか女形の踊りじゃないんでちょっと無理だと思います」って言ったら「あっそうだね僕の歌は男歌が多いもんね。
あっそうだ僕ねアルバムにね木遣りくずしが入ってるからそれ踊ってちょうだいよ」って。
いきなりですよ!その場で?それで「新幹線でカツラと衣装持ってこい!」っつってもうほんとギリギリでしたよ。
間に合わせたんですか?はい。
だって記者会見の時にまあ三波先生と村田先生がいて僕真ん中にいるんですね。
でいろいろこうあの…どうですかって記者会見があって「じゃあ写真を」って言ったらいきなり村田先生が「123と合図するからいっぺんに撮れ。
パシャパシャパシャパシャ撮るんじゃねぇ」って。
おっしゃった。
おっしゃって。
「分かりました」って。
司会者の方を阿川さんに…。
それでは皆様私が合図をかけますので。
123。
立ち上がったの。
ええ〜!?あははっ!背伸びして…。
1ミリたりとも低くなりたくないんですよお互いに。
二人とも?はい。
ピッ!バレエ立ちしてました。
あははっ!私それ見てね墓場に持っていくのやめようと思ったんです。
俺がここにいたからこれが見れたんだ!これは死ぬまであっちこっちでしゃべってやろうって。
でお互いにあのお二人が亡くなってからですよ。
もういろんな所でしゃべってますね。
いやもう感激しましたもん。
それでは皆様123。
あははっ!すごいライバルだなと思いました。
すばらしい経験をなさったんですね。
やっぱり性格が全然違うのにやっぱりライバルだったんでしょうね。
すばらしいと思いますよ死ぬまでライバルっていう人がいたって事は。
それではもう一曲選んでいただいてると思います。
「今、心に響く曲」は?
(梅沢)小椋佳さんの「少しは私に愛を下さい」。
小椋佳さんなんですね。
大好きだったんですこの歌。
大好きだったんです。
「だった」?あの事を聞かなければ。
「あの事」?はい。
あの事を聞かなかったら大好きだったんです。
もう僕はこれ名曲中の名曲だと思いますよ。
でこれを聴いた時に涙が出たんです。
こんなかわいい子とつきあってみたいなって。
でもう小椋佳さんってどんな人なんだろうと思って写真を見たんです。
まさかこの顔でこんなかわいらしいね女の子とつきあうなんて思わないじゃないですか。
で今度「夢芝居」を作ってもらう事になったのでこれもう売れてから聞こうと思ったんです。
で小椋さんに「誰かから聞いた話ですか?」って言ったら「これ?これ女の子の歌じゃないよ」って。
「だって女の子の歌じゃないですか少しは私に愛を下さいなんていうのは。
なんでですか?」って言ったら「俺の恨み節だよ」って言うんです。
「なんですか?」って言ったら…あの〜小椋佳さんが銀行にまだいた時に出張に行ってたんですってまだそんなに偉くないうちに。
そしたらそのうちに合併したんです。
合併したら小椋さんが出張から帰って来たらテーブルがなくなってたんですって。
はいはい。
だから少しは俺に愛をくれてもいいんじゃねぇかと思ってそれを恨み節を詞に書いたわけです。
うちの女房も大好きだったんだって。
「私もこれ大好きなの」って言ったからこの話聞かせてやったんです。
あははっ!がっかり。
返せって言ってました私の涙を。
でそれで座長になられたのが…。
ちょうど5年前でしたね。
5年前。
随分太く短くって思ったんですけど皆さんが応援してくれてるんで細く長くず〜っとおんなじような人気で来れましたから。
まあちょっとできるまで頑張ってみようかな。
で役者に引退はないですから。
お客さんが決めますから。
今日こうやってテレビにも出していただいてお話してますけど明日からもしかしたら仕事なくなるかもしれませんから。
芸能界ってそういうとこですからね。
だから僕は役者は引退はないよってお客さんが決めるからね客が入らなくなったらもう舞台やめるしかないですからね。
お客さんが入るか入らないかっていうのは自分自身に懸かってるっていう事なんですね。
時代の流れだとかなんとかいう事じゃなくて。
はい。
まあ時代の流れにやっぱりのらなきゃ駄目ですからね。
その10年前20年前のお芝居やってても駄目ですからそれにどんどんどんどん変化していかないといけないので。
だからまあ頑張っていこうかなとは思ってますけど。
ありがとうございました。
ふふふっ。
来週はパリコレに35年!ファッションデザイナーの島田順子さん。
そして特別企画!サワコが変身!お楽しみに!2016/12/03(土) 07:30〜08:00
MBS毎日放送
サワコの朝【梅沢富美男▽女と舞台と人情と】[解][字]

俳優・歌手/梅沢富美男▽「斜になって話すと男は気になる!?」女を演じる梅沢富美男が語るテクニック。実は1歳7ヶ月で踊った天才子役だった!?役者の道を歩み続けた理由

詳細情報
番組内容
ゲストは、俳優で歌手の梅沢富美男さん。テレビだけでなく大衆演劇で活躍する梅沢さんは、研究しつくされた完璧なまでの“女形”で人々を魅了し続けてきました。その研究を重ねた日々の中には、熱心さが仇となり交番にお世話になったこともあったとか…。番組では、その驚きのエピソードを告白!また、長年の経験から体得した“色っぽく見せるコツ”を阿川に指南。女形をする上で、気をつけている座り方や所作を伝授します。
 
番組内容2
座長を務める父のもとで育ち、5年前には座長に就任。順風満帆な役者人生のように見えますが、映画とTVの繁栄を受け父の劇団が苦境を強いられた幼少期には、給食も食べられないほど苦しい貧乏生活を体験…。25歳の時には、何をやっても売れない辛さから役者を辞めようと思っていたと明かします。そんな梅沢さんが「役者になろう」と決意したきっかけは“勘違い”。「こんなに凄い商売はない!」と思わせたその内容とは!?
 
出演者
【司会】
阿川佐和子
【ゲスト】
梅沢富美男(俳優・歌手)
 
音楽
【番組テーマ曲】
「Tea for Two(二人でお茶を)」歌:ドリス・デイ