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セリフ書き起こし ダウントン・アビー5 華麗なる英国貴族の館(1)(新番組)<全10回>「伯爵の憂鬱」 2016.12.04

20世紀前半イギリスの貴族クローリー家が住む館ダウントン・アビー。
長女メアリーは息子の誕生の矢先に起きたマシューの死を乗り越えようとしていました
(ギリンガム)君を思ってたよ。
(ブレイク)君の事が頭から離れない。
ギリンガムとチャールズからの思わぬ告白。
心揺れるメアリーは…
(メアリー)チャールズと私は相いれないわ。
次女イーディスは行方不明の婚約者グレッグソンとの子供をひそかに出産
(イーディス)私の家族には絶対に知られないで。
(ドリュー)このことは2人だけの秘密に。
農家のドリューに託します。
亡くなったシビルの夫トムは伯爵一家が留守中に教師のサラを屋敷に招きますが…
(ブランソン)変に思わないでくれ。
(トーマス)私が何を思うかは私の自由です。
使用人の間では…
みんなを信用させて情報を集めろ。
新たな侍女バクスターがトーマスのたくらみに利用されます。
ギリンガムの従者グリーンに乱暴された侍女のアンナ
(アンナ)この汚れは消せないわ。
(ベイツ)君は汚れてなどいない。
グリーンが?死んだってどういうこと?
ベイツの関与を疑うメアリーとヒューズでしたが…
(ヒューズ)彼が妻の復讐を果たしたのだとしても私は責める気になれません。

(テーマ音楽)
(ドリュー夫人)あらもうおなかすいちゃったの?
(マリゴールド)ウーン…。
ウフフフフッ。
待っててね。
すぐ取り込んじゃうから。
終わったらおやつにしてあげるからね。
あらあら出しちゃうの?駄目よ〜。
ほらここに入れるのよ。
いい子ね〜。
(ロバート)見ろこの姿を。
哀れなものだな。
(ブランソン)誰がです?
(コーラ)国王陛下よ。
(ブランソン)どうして?労働党に政権を握られたんだぞ。
(ローズ)別に哀れには見えないわ。
いつもどおりよ。
(メアリー)どうしてマクドナルド首相が嫌いなの?小作人の息子だから?怪人フー・マンチューの息子だろうとかまわんが我々貴族の破滅をたくらむ党が政権を担うのは心穏やかではない。
まあどうなるかしばらく様子を見ましょう。
ねえイーディスは?村で人と会うって言ってたわ。
そういえば学校の用事は済んだ?学校?
(ローズ)アダムス理事に代わる新しい理事の就任式があったの。
てっきり私になるかと。
(ブランソン)僕ももっと学校の行事に協力したいな。
それなら生徒の表彰式に参加しない?
(コーラ)バローここを片づけて。
そろそろ乳母が孫たちを連れて下りてくるわ。
私はこれで。
(コーラ)あら孫たちに会っていって。
ああ言葉が話せるようになってからな。
シビーは話せるわ。
ああだが私を「ロバ」と呼ぶ。
それは一緒にロバのゲームをしたから。
もう少し威厳のある呼び名にしてもらいたいな。
まあそれもしばらくの辛抱よ。
ジョージがマネたら困る。
ウワサをすれば…。
(ジミー)ほ〜ら。
バイバイおチビさん。
(シビー)バイバイロバさん。
ウゥ…。
ハハッ。
ジョージこっちへいらっしゃい。
(シビー)イタイイタイって。
おなかが?大変だ。
(デイジー)そこに置いて。
私が。
(パットモア)いや大丈夫だよ。
エナに頼むから。
そういうわけにはいきませんよ。
キッチンメイドが足りない分は私たちでやらなきゃ。
フン…。
(ヒューズ)どうかしたの?アイビーの代わりが入らなくてむくれてんのさ。
聞いたところじゃ執事と料理人メイド2人それに洗濯係しかいないお屋敷もあるそうよ。
そんなんで手が足りる?さあどうかしらね。
ほかの使用人は辞めちゃったんですか?ええ。
工場やお店に移ったそうよ。
勤務時間が短いから。
ああ。
忘れるところだった。
土曜は旦那様と奥様の34回目の結婚記念日よ。
もしかしたらケーキが必要になるかもしれないわ。
晩餐会でも開くのかね?さあどうかしら。
34年だなんて。
今年結婚したら34周年は1958年?まああたしには関係ないね。
この仕事辞めてますかね?あんたは心配ないだろう。
失業したってメイソンさんの農場があるんだから。
でも私に農場なんてできるかしら?農具の注文やお金の管理をこなせるとは思えないんですけど。
頼むから今は目の前の料理をこなしとくれ。
まずはサーモンのパテからだよ。
(イーディス)ウフフフッ…。
エム…。
ウフフフッ…。
今日はいいお知らせが。
うちの人が消防団長になったんです。
あらすごいじゃない。
それはおめでとう。
ウフフッ…。
ウン…。
ウフフッ…。
お茶のお代わりは?いえ結構よ。
マリゴールドはどう?もうごちそうさま?この子の笑顔を見るとホントに癒やされるわ。
幸せな気分になれるの。
私たちも我が子のように感じています。
かわいい子ね。
それにとってもきれいな髪。
親譲りじゃないかって思うんです。
会ったことはないけど。
そう。
ええ。
母親はうちの人の古い友人で私の知らない人で…。
あらいけない。
もうこんな時間だわ。
おいで。
ウン…。
よいしょ。
ワーッ…。
よ〜しいい子ね。
ウフッ…。
ほら。
そろそろ失礼するわ。
クマさんよ。
バイバイして。
バイバイ。
ありがとう。
ホントに…。
ありがとう。

(扉を閉める音)あなたに気があるみたい。
(ドリュー)バカなこと言うな。

(嗚咽)
(イザベル)私夕明かりって好きよ。
(バイオレット)あらマートンに伝えなきゃ。
からかってるのね。
でもおあいにくさま。
私は彼に興味ないわ。
それは残念ね。
仲介を頼まれたのに。
えっ?あなたに会えるように昼食会を開いてほしいって言われたの。
そんな。
何を嘆くことがあるの?嫌なら会わなければいいだけよ。
随分簡単に言うのね。
嫌いな人を避けるなんて簡単なことでしょ。
難しいのは友人を避けることよ。
彼のことは好きよ。
感じのいい方だし。
でも彼の期待には応えられないわ。
殿方の期待は1つ。
何をバカなことを。
ハァ…フン。
話し相手になることを言ったのよ。
何だと思ったの?
(トーマス)おっとお邪魔だったかな?
(ジミー)いや別に。
レディー・アンストラザーからの手紙だ。
またか。
随分しつこいな。
無理もないよ。
俺の虜だから。
仕えてる時から迫ってきたのか?これほどじゃ。
ほかの使用人には隠してたし。
だったらロンドンまで行って慰めてやれよ。
けしかけるなよ。
誘惑に負ければ必ず痛い目に遭う。
(カーソン)どうやら職場にはふさわしくない会話のようだが?2人ともそういった不謹慎な雑談はいいかげんに切り上げて持ち場に戻りたまえ。
・一体どこへ?・
(ローズ)さあ知らないけど。
遅かったかしら?いいえ。
カーソンはまだよ。
それで思い出した。
あした村の代表団がうちに来る。
郵便局長たちが「会いたい」と言ってきてな。
ウィガンさん?なんで思い出したの?カーソンにも同席してほしいらしい。
(イーディス)どうして?何の用?戦争の記念碑を建てたいそうだ。
(イーディス)えっ?正しくは「戦没者の慰霊碑」と言うべきかな。
恐らく私に建設委員長を頼む気だろう。
誰から?トニー・ギリンガムよ。
仕事で来る時はうちに泊まれって言ったでしょ?いつ来るって?それが16日なの。
何か?結婚記念日よ。
ああ別にかまわん。
来てもらえ。
無理しないで。
いやぜひ会いたい。
さあ食事の時間よ。
トニーが来てもいいだろ?あなたがお望みなら。
ここはひとつ2人でトニーに結婚のよさを見せつけてやろう。
ん〜。
(ベイツ)メアリー様を巡る恋の闘いはギリンガムの勝ちか?
(アンナ)いいと思うわ。
「ギリンガム子爵夫人」なんてすてきじゃない?ジョージお坊ちゃまもお幸せよ。
だが大変だな。
前の夫の息子を育てるなんて。
ギリンガムはお優しいもの。
心配ないわ。
あの夫婦の秘密を握ってるな?
(バクスター)私は何も知らない。
少なくとも何かを疑ってることくらい分かるさ。
いつも2人を目で追ってるからな。
(モールズリー)何の話?関係ないだろ。
ヨークはどうだった?探し物は見つかった?ああ。
アァ…少し苦労したけど見つけたよ。
探し物?ああ大した物じゃ…。
あしたの朝村から客人が見える。
11時になったらコーヒーと軽食を出してくれるか?必要な時指示を出して。
それが無理なんだ。
その会合には私も出席する。
あらどうして?分からんが旦那様が同席しろと。
ウン…。
(ジミー)俺は大賛成だよ。
ようやく労働者の気持ちが分かる人が首相になったんだ。
そのことと政権運営の能力とは関係ない。
(ヒューズ)あらそうかしら。
私は大事な資質だと思うわ。
私もです。
マクドナルド首相は庶民の苦労をよく分かってますから。
労働者万歳。
(パットモア)おやおや。
ジミーは革命家になるのかい?そうじゃない。
ジミーは多数派の声を代弁してるんだ。
何が悪い?
(パットモア)悪かないさ。
けどいつみんなの代表になったんだい?そこまでだ。
ここでの言い争いは控えよう。
慰霊碑の建設委員長になるのはイヤ?いささか気が引けるよ。
ケガもしてなければ戦ってもいないんだ。
実際に戦場を知る適任者がほかにいるはずだ。
あなたは村のリーダーだしみんなもあなたと一緒に祈りをささげたいのよ。
だが先頭に立って死者を悼む資格は私にはない。

(ウィガン)厚かましいお願いですが…。
ご心配なく。
喜んで引き受けましょう。
でも建設地は決まってないんですけど…。
それで?どこに造るかも分からないのに建設に同意して下さるんですか?同意はできますが今日は領地の使用許可を取るためだけにこちらへ?
(ウィガン)それもそうなんですが建設委員長のことでご相談がありまして。
私が代わろう。
続けて。
カーソンさんにお願いしたいんです。
アッしかし…。
伯爵の間違いでは?いや皆さんは君をご指名だ。
(ウィガン)なぜならカーソンさんは戦争で亡くなった若者たちをご存じだからです。
ああ。
確かに私より親しかった。
そうなんです。
それに村で尊敬されてますし。
お茶ください。
ウン…。
カーソンどう思う?大変光栄なお話ではありますが少々考えさせていただきます。
ええもちろん。
でもなるべく早くお返事を。
ミルクを先に入れてくださいます?フン…。
また手紙が来たのか?ああ。
レディー・アンストラザーから。
ウソだろ。
何かきっかけでも?俺がバレンタインにカードを送ったから。
ああ。
でもそれは前の…。
実は今年も送ったんだ。
でもなぜ君からだとバレた?そりゃサインしたからだよ。
アァ…。
ほんの冗談のつもりだったんだ。
けど…面倒なことに。
まあ大丈夫。
俺もいつか1人の女に落ち着く。
みんなそうだろ。
例外もいるよ。
(バイオレット)どうしたの?突然来るなんて。
オーク・フィールド農場の小作人を訪ねた帰りに寄ってみたんです。
うれしいわ。
戦没者の慰霊碑を建てる件で村人たちから相談されました。
委員長になってくれと?いえ。
委員長を頼まれたのはカーソンです。
あなたじゃないの?村の意向ですよ。
先代の頃は村が伯爵家の意向を聞いていたわ。
フム…。
マートンはイザベルに気があるんですか?おかしな話でしょ?いいじゃないですか。
イザベルが彼と結婚すれば貴族の一員ですよ。
喜ばしいことだと思いますがね。
確かに喜ばしいわね。
イザベルは乗り気ではない?ええ。
もうまるっきり。
迷惑がっているくらいよ。
アハッ。
デイジー。
君宛にこれが届いてた。
ありがとうございます。
何だい?そりゃ。
頼んでおいた物。
そう。
中身は何ですの?女王様。
別に。
どうして隠すんだ?フーム。
あの年なら秘密の1つや2つあるでしょうよ。
フン。
引き受けるんですか?委員長の件。
いやまだ決めてない。
旦那様を差し置いて出しゃばるようなマネはしたくないんだよ。
君もあのガッカリしたお顔を見ればそう思うはずだ。
でも委員会があなたを選んだんでしょ?人は時に間違った選択をする。
労働党を選んだようにな。
何が不安なんですか?まるで足元が崩れていくような気分だよ。
信じてきた体制が覆され数年後には嘲笑の的になる。
カーソンさん歴史上体制は何度も覆されてきたわ。
ああ確かにそうだな。
この世に変わらないものは何ひとつない。
全ては移ろいやすい。
そのとおり。
何だかキザな表現ですけどね。

(ヒューズ)お嬢様すみません。
マッジからお出かけだと聞いて。
青の間の大掃除をしましたところこの本が棚にありました。
何なの?お忘れ物のドイツ語の入門書です。
アァ…中にグレッグソン様のお名前が。
そう。
奥様にお渡ししようか迷いましたがそれよりも…。
いいのよ。
私が預かるわ。
私の部屋のベッドの脇のテーブルに置いて。
はい。
ありがとう。
どうもヒューズさん。
失礼します。
・ご苦労モールズリー。
来てくれてありがとう。
ほかにすることがなくて。
コーラはどこだ?書斎にいるわ。
トムが学校へ行くのはあまりいい考えとは思えない。
我々がロンドンへ行っている間女性教師と親しくなったらしい。
(コーラ)それが何?詳しい説明は省くが彼にはガッカリしたよ。
あんなことをするとはな。
よく分からないわ。
詳しく話して。
知らなくていい。
お帰りなさい。
どうだった?いつもどおりよ。
退屈な会合。
委員長の話は?受けることにしたの?用件はそれじゃなかった。
私は場所を貸すだけで建設委員長にはカーソンが指名された。
カーソンが?あらすてき。
帽子を置いてくるわね。
メアリーは賛成のようだ。
(ローズ)おめでとう。
(拍手)
(校長)本日表彰式で大役を務めてくださったレディー・ローズに感謝します。
伯爵家の皆様にも。
ウン…。
最後にご来場の皆様本日はありがとうございました。
(拍手)息子さんは地理で表彰されてたわね。
おめでとう。
父親とは出来が違う。
ウフフッ…。
奥さんは今日は?家で子供たちの面倒を見ています。
内密のお話が。
あした11時に倉庫で。
久しぶり。
(サラ)村を出てたの。
手紙を書こうかとも思ったけどずうずうしいかもって。
また会えてよかった。
ウフッ。
ホッとしたわ。
あの晩屋敷に押しかけたせいで嫌われたんじゃないかと思ってたから。
(ローズ)バンティングさん。
レディー・ローズご立派でした。
やめてよそんな。
賞を渡しただけでみんな褒めすぎよ。
そういうしきたりですから。
支度の鐘が鳴る前に戻るわよ。
鐘を鳴らすの?ウフッ。
何だか修道院みたいですね。
(笑い声)
(ローズ)さようなら。
それじゃまた。
ええそうね。
アッアァ…。
スプラット。
クラークソン先生にもケーキをおすすめして。
(クラークソン)どうも。
私に給仕するのは屈辱のようだ。
ウフフッ…。
スプラットもたまには苦労を味わわないと。
ところであなたマートンとはお親しい?ああウンいえあまり。
そう。
というのも彼ねクローリー夫人とかなり親密になったのよ。
ウフン…。
彼女の私生活は私には関係ありません。
あらやだ。
不快にさせたかしら。
いえいえとんでもない。
でも何だか想像つきませんね。
彼女が応接間でおしゃべりを楽しんだり領地内で馬車に乗ってる姿なんて。
今どき馬車に乗っている人なんていないわ。
大昔の話よ。
ウン。
そうですか。
1度きちんとマートンを紹介するわ。
今度の土曜日昼食会にいらして。
クローリー夫人も見えるのよ。
私がお邪魔してもいいんですか?ええきっと楽しいわ。
できればその日レディー・シャクルトンもお招きしたいと思っているのウフン。
お母様はもう寝室に入られたわ。
私ももう寝ます。
まあちょっと座りなさい。
カーソンが委員長に選ばれたのが不満?カーソンは適任だ。
フン…。
だがつい考えてしまう。
祖父の時代だったら執事が表に立つことなどありえなかっただろうとね。
そのころとは時代が違うわ。
ああそうだな。
だから学校も村も私を必要としていない。
私には必要よ。
トムと私に力を貸して。
フン…。
早速だけど穀物の販売について相談が。
これが父と娘の会話とは思えんな。
ウフフッフフッ…。
(バクスター)バローさん…。
いいかげんじらすのはやめろ。
そっちこそ脅すのはやめて。
俺が何のためにここの仕事を世話したと思ってる?今更悪あがきするな。
ご苦労さま。
おやすみ。
どうやらマートンがイザベルに夢中らしい。
母の話では脈なしだが。
どうかしら?というと?お義母様はイザベルが「レディー・マートン」になるのは面白くないはずよ。
夫とお屋敷と確固たる地位を手に入れることになるんですもの。
素直に喜ぶとは思えない。
そんなバカな。
それがイザベルの望みなら祝福するさ。
デイジーこんな遅くに何やってるんだい?とっくに寝てると思ったよ。
これを読みたくて。
ん?何だい?ちょっと見せてごらん。
「算術」に「原価計算」?何だってそんな本を?数字が苦手だから。
フン。
そんなもん誰だって苦手だろうよ。
でもこのままじゃとてもじゃないけどメイソンさんの農場では働けないわ。
帳簿もつけられないんだから。
だけど必要かい?それは…。
私だって成長したいんです。
責任ある大人になりたい。
このまま一生下働きで終わるなんてイヤ。
そりゃ分かるけども。
問題は私の頭が悪すぎるってこと。
頭が悪いなんてそんなことないよ。
じゃ何で本に書いてあることがチンプンカンプンなの?ん…。
それは…。
それは私の頭が空っぽだからよ!おやすみなさい!ハァ…ハッ…。
ハーッ…。

(ノック)ここが秘密の隠れ家?秘密じゃないよ。
仕事場だ。
と同時に1人になれる場所ね。
ハァ…。
ウン…。
バンティング先生を屋敷に招かないの?まあいつか招くかも。
自分の家なんだし。
だけど時々僕の居場所はどこにもない気がする。
みんなあなたらしく生きてほしいと思ってるわ。
メアリーやイーディスや君はそうだろうけど伯爵夫妻はどうかな?認めさせるのよ。
「言うは易し」だ。
もう行かないと。
それでは許可を頂けるのですか?私の許可は必要ない。
仕事とは関係ないんだ。
ですが旦那様を差し置いて委員長など…。
私たちも誇らしいわ。
村のために慰霊碑建設を指揮してくれ。
しかし伝統的には旦那様のお役目かと。
これが伝統になるかもしれん。
気を落とさないで。
あなたにはほかの役職があるでしょ。
フッ。
別に気を落としてなど。
フッ…。

(イーディス)少しマリゴールドに干渉しすぎたかしら?
(ドリュー)問題は妻です。
迷惑がってる?我々の仲を疑ってます。
ハハッ…。
真実がバレるよりいいわ。
子供に会いたいと思うのは当然です。
実の母親ならば…。
いつから知ってたの?お世話を頼まれた時から。
でもご安心を。
お嬢様を批判するつもりはありません。
でも訪問は控えろと?そう言いたいですが我が子への愛情は抑えられないでしょう。
ではどうすれば?真実を言わなくても堂々と会える方法を何とか考えましょう。
旦那様に言われて建設委員長を引き受けることにしたよ。
(ヒューズ)いいじゃありませんか。
だが旦那様は時代の変化を嘆いておられるようだ。
嘆いたところで時代の流れは止められないわ。
ウン。
ギリンガムの話じゃないがもし君に連れ子がいたらどうしたかな?
(アンナ)愛してくれるでしょ?
(ベイツ)もちろん。
だが我が子と比べてしまうかも。
君は違う?そうね。
ただ「母の愛は何よりも強し」って言うし。
でも子供は授かり物。
やれることはないわ。
1つあるだろ。
あなたったららしくないこと言うのね。
これは失礼。
白状しろよ。
外の空気でも吸いに行かない?
(バクスター)ありがとうモールズリーさん。
(ベイツ)今までこういう話は…。
どうしたんだ?今日はやけに無口だな。
彼女をなだめようとして電話したんだけど…失敗だった。
ああ。
聞く耳持たずか。
そうなんだよ。
問題は彼女が年を食って焦ってるってことなんだ。
下僕なんぞに恋い焦がれるとは実に哀れだな。
失礼だな。
彼女は趣味がいいんだよ。
フン…。

 

 

 


ようこそレディー・シャクルトン。
どこか行く途中だったのでは?
(シャクルトン)ええ。
だから長居はできないわ。
息子と食事なの。
遅れると嫁が不機嫌になるから。
本を書いたら?嫁との闘いで生き抜く方法を。
お宅はどう?ああ。
コーラは申し分ない嫁よ。
まあ完璧とは言わないけれどね。
うちの嫁と交換したいわ。
ウフッ。
ところであなたマートンとはお親しい?そうね。
この40年パーティーではよく会うわ。
どうやら彼奥様を亡くして以来沈んでいるみたいなの。
あなたも夫に先立たれてつらいでしょ?まあそうだけどあそこの夫婦関係は冷え切っていたわ。
むしろいなくなって清々してるんじゃないかしら。
だったら息子さんたちが悩みの種かも。
それは私と同じね。
土曜の昼食会にぜひいらして。
彼を励ましに。
ええ喜んで。
そう。
マートンは裕福な貴族ですもの。
誰でも再婚したがるわ。
頼もしい言葉だわ。
ウフフフッウフフフッ…。
バローさんの狙いは?
(バクスター)ベイツさんの秘密を知りたがってるの。
秘密?ベイツさんには誰にも知られたくない隠し事があるみたい。
ひょっとして犯罪とか?分からないわ。
でもみんなにはないしょで外出していたの。
なあ詳しくは聞かないよ。
でもバローさんがベイツさんを陥れようとたくらんでいるのは確かだ。
ハァ…。
奥様に報告して対処してもらったほうがいい。
それは無理。
アァ…込み入った事情があるの。
どうしたの?何が?頭を変に傾けたりして。
不自然よ。
そうかな?私はどう見える?なんで?湿疹でもできた?まさか違うよ。
ならよかった。
そうじゃなくてさつまり…ハァ…私はいくつに見える?そうねえ52とかそのくらい?アァ…。
ねえいくつなの?51だ。
今妙な電話があったわ。
ほう?レディー・アンストラザーを覚えてる?亡きジョックの奥方か?ええそう。
レディー・レントンの姉妹に当たる方よ。
覚えてるよ。
美しいが思慮に欠ける女性だ。
そう。
その方がうちでお茶を飲みたいって言うの。
なに?この屋敷をパブだとでも思っているのか?どうやらそのようね。
土曜にドライブで村を通るからその途中で寄りたいそうよ。
許可したのか?ええ。
お茶だけですもの。
結婚記念日に特別な予定はある?何か考えが?ええ。
せっかくトニーも来るんだし晩餐会を開いたらどうかと思って。
だったらお前たちの友達を呼びなさい。
年寄りばかりではつまらん。
たまには若者と交流したい。
やあ。
ねえメアリーいい考えがあるの。

(ヒューズ)私はデイジーの勉強を全面的に応援するわ。
私は賛成しかねるね。
料理人が数学を学んでどうする?予算のやりくりに役立つわ。
(パットモア)まあそれくらいなら代数を究める必要はないけどね。
将来別の仕事に就くかも。
だが少なくとも数学者にはならんだろう。
悪いが応援することはできない。
(ノック)部屋に戻ります。
寝る前に勉強したいので。
勉強するのはいいことよ。
可能性を広げられますからね。
頭の悪い私には無理かも。
おやすみなさい。
ほらね。
言ったとおりだろ?あの子自信をなくしてるんだよ。
勉強はむしろ悪影響だな。
よりによって土曜に来るなんて。
レディー・アンストラザーも晩餐会に招くべき?よそに泊まるんじゃない?あした招待客の人数を教えてちょうだい。
ローズがトムのために彼の知り合いを呼びたいそうよ。
お兄さんじゃないわよね?地元の方みたい。
ローズも会ってるわ。
私も会ったわ。
立派な方よ。
そう。
それはいいわね。
ウン…。
またギリンガムにお会いできますね。
先週ロンドンで会ったばかりだから顔は覚えてるわ。
でもロンドンではゆっくり話せなかったのでは?まあそんなこともなかったけどそうね。
会えるのはうれしいわ。
プロポーズの返事ならまだ決めてないわよ。
何も言ってませんけど。
でもいつかは決めないといけませんね。
年を重ねれば重ねるほどおかしなことに思えてくるわ。
今この時代でも相手を深く知らないまま一生の伴侶を決めなきゃならないなんて。
言いたいこと分かるでしょ?ウン…。
最近の若い子は大胆よ。
レディー・キュナードのお嬢さんと話したけどあまりにあけすけでビックリしたわ。
アァ…。
だけど大事なことだと思わない?相性のよさを確かめることって。
だって一生を共にするんだから。
私は考えが古いのでそういうことは…。
じゃあベイツの前でこんな話できないわね?ええ言えません。
(呼び鈴の音)ん…。
これどう思う?
(トーマス)おいおいどういう意味だ?本日ギリンガムがお見えになるが従者が一緒に来るかどうかは分からない。
前任者は帰らぬ人になったし。
グリーンさんも気の毒にね。
その話は今はやめよう。
後任の従者がいるかどうか分からないがもしいなかった場合は…。
はいカーソンさん。
君ではなくベイツさん必要な時はお世話を頼めるかね?はい承知しました。
モールズリーさんその…。
何でしょう?カーソンさん。
ああ…いや何でもない。
(男性教師)腕を下ろして。
楽にして。
(サラ)ごめんなさい。
お待たせしてるって今聞いて。
(ローズ)ああ今来たばかりよ。
あなたの返事を読んで飛んできたの。
何かまずいことでも書きました?いえ。
でもなぜ欠席なの?それは下手に関わり合いたくなかったからです。
イタズラに。
イタズラ?ウフッ…私は貴族のお嬢様でも何でもないけど晩餐会にお客を招待するのは女主人だって事くらい知ってます。
ブランソンさんから連絡がないのも変だわ。
若いお客様を呼んだほうが楽しいだろうって伯爵夫妻が言うからトムのお友達を招きたかったの。
それだけよ。
それじゃ彼は何も知らないのね?ええ驚かせたくて。
うれしい驚きよ。
それで伯爵夫人はご存じなの?もちろんよ。
「ぜひ来てほしい」って。
ウフン…。
ベイツさんに頼まなくてもギリンガムのお世話くらいできるよ。
私が従者だってことを忘れてるんだ。
そうね。
でもベイツさんが従者の代わりなんて皮肉ね。
皮肉?どうして?別に。
何でもないわ。
詳しく聞かせてもらいたいね。
アァ…別に深い意味はないわ。
もう行かないと。
遅れちゃう。

(バイオレット)ああ…。
(マートン)ああよかった。
お会いしたかったが訪ねるのは迷惑かと。
最近は診療所の手伝いがもう忙しくて。
(スプラット)先生です。
(バイオレット)ああ。
(クラークソン)こんにちは。
こちらはクラークソン先生。
マートンはご存じね?ええ以前お会いしました。
そうだね。
今診療所の話を。
ああそれは退屈でしょう。
いやいや面白いと思って…。
(スプラット)シャクルトン様です。
(バイオレット)あ〜ら時間ピッタリよ。
お嫁さんに教育されたのね。
マートンは覚えてる?もちろんよ。
お変わりない?あのすてきなお庭も変わらず?そのままですよ。
有能な庭師のおかげでね。
フフン…。
お目にかかるのは奥様のお葬式以来だけどもう落ち着いた?みんなを呼ぶなんて。
ん〜。
お役に立ちたくて。
(扉を開ける音)準備はいい?行きましょう。
ギリンガムです。
ああ来たわね。
トニーよく来たな。
(ギリンガム)お久しぶりです。
お昼はまだだった?汽車で食べました。
コーヒーはいかが?ああ頂くよ。
カーソンそういえばおめでとう。
戦没者慰霊碑の建設委員長に選ばれたの。
慰霊碑には賛成だよ。
追悼や感謝の気持ちを形にするのはいいことだ。
私も同感です。
旦那様は私が表に立つことに納得されていますか?大丈夫。
いずれ納得するから。
(ギリンガム)養豚のほうは順調かい?おかげさまで。
予想以上の利益だ。
あとで夕食用のウサギ狩りに行くんだけど一緒にどう?よければ銃を用意するよ。
私も行くわ。
獲物を回収するのは苦手だけど。
僕の弾は当たらないから大丈夫。
ハァ…またまたご謙遜を。
(ノック)少し抜けてもいいかね?
(ヒューズ)ええ。
何も問題ないわ。
ちょっと郵便局に用事があるんだ。
すぐ戻る。
それで8月は北でライチョウ狩りとか?趣味は狩りだけではありませんよ。
クラークソン先生。
実を言うと最近はもっぱら読書をしています。
じゃ銃が恋しい?いえ特には。
ありがとう。
私も…。
(イザベル)今は娯楽より医学に興味があるそうよ。
信じられない。
彼に偏見をお持ち?とんでもない。
貴族にしては感じのいい人だ。
ねえ…あの…。
ウン…。
だが君や私は彼らとは違う。
分かるだろ?スプラット。
クラークソン先生にコーヒーを差し上げて。
失礼ですよ。
(シャクルトン)うちはシェリフハットンよ。
ぜひいらして。
屋敷を子供たちに譲って私はコテージに移ったの。
ご主人が亡くなってから?ええ正直移りたくなかったけどもう慣れたわ。
暖かくて意外と快適よ。
(笑い声)
(せきばらい)おはよう。
お先にどうぞ。
ベイツさんとギリンガムの従者がどうしたって?2人はどういう関係だ?モールズリーさんを捜そうとしても無駄だぞ。
(扉を閉める音)助けには来ない。
ウン…。
まだシラを切るのか?晩餐会のあとまで待ってやる。
それまでに白状しないなら奥様に何もかもバラすからな。
いいか?分かったな。
あなたに言えることは何もないわ。
ウソだ。
何か知ってる。
ベイツと死んだ従者に関する何かをな。
ハッハッ…。
(嗚咽)
(ギリンガム)領地の運営は順調だね。
トムがパートナーでよかったわ。
僕のほうこそ。
アメリカ行きの計画はどうした?まだ何も決めてないが心配無用だ。
領地はメアリーが守ってくれる。
(銃声)やったぞ。
君1人でお父さんを操縦する自信はある?前より父のことが分かるし父も私を分かってくれてるわ。
もう対立することもない?ええ。
父は改革に慎重だけどね。
次の課題は穀物をどうやって売るかよ。
いい結果を出せば父も認めてくれる。
随分前向きだね。
今を精いっぱい生きることに決めたのよ。
過去を憂いたり未来を恐れたりせず。
それは僕も見習いたいな。
未来が怖い?ああ。
君のいない未来がね。
トニーあなたのことは好きよ。
冷淡で無感情な私なりにね。
ウフフフッ…。
じゃなぜ「イエス」と言わない?覚悟が決まらないの。
もう一度結婚したいという気持ちはあるわ。
でも1度目と同じくらい幸せになれるという確信がほしいの。
結婚にリスクは付き物だ。
賭けに出ないと。
(ブランソン)アァ…。
こんな時間か。
戻りましょう。
ところで従者がいないならベイツがお世話をするわ。
こんなご時世だからね。
雇っていないんだ。
家のことは執事に任せてるが旅には連れてこない。
困らない?いや。
シンプルに生きたいんだ。
この先の人生もシンプルに。
ウフッ…。

(アンストラザー)ホントにお騒がせして申し訳ないわ。
ご迷惑でしょう。
いや。
まさか急に車の調子が悪くなるなんて。
何があったんです?ものすごい音がしたのよ。
ガタガタガタドンドンドンって。
そのあとエンジンがパッタリ止まってしまって。
トムを呼んで点検させましょう。
あらまあご親切に。
でもお構いなく。
運転手が何とかします。
申し訳ないけど「今夜は行けない」と友人に電話してもいいかしら?それでどうなさるの?ああ今夜は来る途中村で宿を見つけたからそこに泊まるつもり。
宿だなんていけません。
見かけよりタフなのよ。
(コーラ)うちに泊まってらして。
今夜は晩餐会ですし。
ええ。
それがいいわ。
(アンストラザー)あらそれじゃ…。
モールズリー。
何だか急にラテン系に見えるが先祖はイタリア人か?いいえ旦那様違います。
スペイン人?アイルランドか?
(コーラ)ジェームズ。
レディー・アンストラザーが今夜泊まることになったとヒューズさんに伝えて。
承知しました。

(コーラ)イーディスあとでお庭を案内して差し上げて。
奥様に全て打ち明けるんだ。
そう簡単じゃないわ。
どんな話だろうとバローさんに告げ口されるよりはマシだよ。
ええそうね。
ハァ…ありがとう。
ハァ…。
(トーマス)なんで彼女が?ご一家の友人か?だとしたら初耳だよ。
何て言う気だ?話しかけるチャンスなんてないよ。
おいおい分かってるだろ。
彼女はゲームを仕掛けてるんだよ。
ウフッ…。
ジェームズ。
レディー・アンストラザーの訪問を知っていたか?いいえ知りません。
どうして僕が?前の雇い主では?確かあの方からの推薦状があった。
ええ。
だけど随分前の話だよな?まあとにかく急な滞在でみんなの仕事が増えてしまったよ。
「バローより先に話したい」ってどういうこと?バローさんは私の過去を奥様のお耳に入れる気なんです。
私には秘密が…。
恥ずべき秘密です。
だけどどうしてバローがそれを知ってるの?彼の姉妹と幼なじみで。
でも秘密を知っててなぜあなたを推薦したの?全部話してちょうだい。
分かりました。
何年か前私はロンドンでベントン夫人の侍女をしていました。
オヴィントン・スクエアでご主人とお暮らしで。
続けて。
そこで働き始めて半年ほどたった頃…。
そこで何があったの?私は…奥様の宝石を盗んだんです。
ネックレスやブレスレットを。
それに指輪も。
盗んだ?泥棒に見せかけましたが失敗しました。
ベントン夫人は通報したの?あちこちから指紋が見つかり私は逮捕されました。
しかも私は…。
盗んだ宝石を返せなかったんです。
(コーラ)どうして?既に手放していたので。
そのあとは?3年間服役しました。
(扉を開ける音)下がっていいわ。
はい奥様。
謎の訪問者についてどう思う?トムが車を調べたところ正常だったらしい。
運転手が直したのよ。
かもな。
下へ行こう。
(ベイツ)ほかにご用は?
(ギリンガム)特にないよ。
ありがとう。
助かった。
最近は従者なしで外出を?最近というよりグリーンが死んでから後任は雇ってない。
ここへいらして間もなくグリーンさんが亡くなったのでショックでした。
ああそうだな。
古い仲でした?いやそうでもない。
行くよ。
ありがとう。

(デイジー)熱いから気をつけて持って行ってくださいね。
よろしく。
アァ…それで?話したわ。
今は詳しくは聞かないけどほかに何か隠してることは?よかった。
奥様は?驚いてたけど私を責めはしなかった。
話してる途中で旦那様が。
奥様の許しを得られればこれからは堂々とここで働ける。
クビになったら?まあ少なくとももうウソをつかずに済むじゃないか。
いつか必ず全てを話すわ。
でも今は…。
あなたに軽蔑されることが怖いの。
そんなことありえないよ。
何があっても君の味方だ。
モールズリーさん早く配膳室に運んでくれ。
はいただいま。
ジミー。
お仕置きが必要ね。
私の手紙を無視するなんてホントに悪い子。
お客様を応接間へご案内しなさいジェームズ。
はい。
こちらへどうぞ。
記念日に押しかけてしまって心苦しいわ。
場が華やかになっていいですよ。
あらお優しいこと。
ウフフッ…。
お宅ではカクテルは飲まないの?執事が1度試したんですけど気に入らないようで。
アハハハッ。
まあご両親を見て。
結婚34周年ですって?私には無理。
夫が年上だと解放されるのが早くて楽よ。
ウフッ。
サラ・バンティングさんです。
どうして彼女が?私が呼んだの。
おば様も承知よ。
何か問題でも?彼女がこの前話した教師だ。
我々の留守中の行動を考えるとここにはふさわしくない。
(ローズ)紹介するわ。
キティ・コルサースト。
サラ・バンティングさん。
彼女は教師なの。
(キティ)すごい賢いのね。
何を教えてるの?普通のことよ。
書き方に算数。
あらイヤだ。
書き方は苦手なの。
算数なんてもってのほかだわ。
そう。
それじゃお金持ちと結婚するしかないわね。
ウフッ。
あ〜久しぶり。
どうしてここに?レディー・ローズに招かれて。
ローズ。
伯爵の許可は取った?コーラおば様には話したわ。
・おばあ様。
ああ疲れたわ。
1日に2つのパーティーはさすがにこたえるわね。
昼食会はどうだった?イザベルに聞いてちょうだい。
ハァ…あらお客の幅が広いのね。
トムのお友達ですって。
(バイオレット)あらそう。
だけど彼もいいかげん自分がどこに属する人間か知るべきね。
私は知的なお客様に会えてうれしいわ。

(男性客)バンティングさんが首相を支持してるとは驚きだ。
ウフフッ。
でもたくさんの人が支持したからこそ首相になれたんでしょ。
そう言われると反論できないな。
(イザベル)そうね。
嫌な感じの同盟ができつつあるわね。
同感ですよ。
2人とも傲慢じゃない?我々は現実的なの。
あなた方若い世代と違ってね。
ハァ…。
(運転手)まったく何ともなくて。
運転手が言うには車には何の問題もなかったそうよ。
ほらな。
狙いは君だ。
そんなの知るかよ。
そうか?明らかだ。
迷惑だよ。
どうにかして彼女を納得させないともっと迷惑なことになるぞ。
運んで。
「結婚は宝くじ」とよく言いますがだとすれば私は当たりくじを引きました。
すばらしい妻を得たのですから。
美しさ賢さ優しさ全てを兼ね備えた愛するコーラにささげます。
最高の伴侶に。
お母様。
おめでとう。
すばらしい賛辞だ。
ええ本当ならね。
モールズリーの髪はどうしたの?
(イザベル)カーソン。
メアリーに聞いたけど慰霊碑の建設委員長ですって?はいそのようです。
適任だと思うわ。
(キティ)ローズあなたのお友達は賢いの?トムのお友達よ。
でも賢いわ。
さっき私のことバカにしたのよ。
(男性客)おい撃ち殺さないでくれよ。
ああ…。

(小声で)あとで読んでちょうだいね。
そうか。
いや結構。
知り合いですか?ええ。
うちで働いてたの。
懐かしい顔に会えてうれしいわ。
ハンサムな顔ならなおさらよね。
(サラ)慰霊碑の建設がいい考えとは思えないんです。
果たしてそれが意味のあることなのか?
(ギリンガム)どうして?追悼の場ができるでしょう?それに犠牲者のことを思い出せるわ。
(サラ)追悼式をやるというならまだ理解できるけど無意味な戦争を思い出すために村の真ん中に石碑を建てるなんて。
そんなもの無駄遣いでしかないわ。
失礼ながらバカげた意見だ。
どんな意見だろうと言うのは自由よ。
この家ではふさわしくない意見だ。
(ブランソン)彼女が言いたいのは…。
君の友人だから彼女をかばうんだろう?でもあの戦争が無意味な戦争だったことは事実です。
(サラ)何百万という人間が死んだけど正義は成されてない。
間違ってる。
2人とも。
我々は前向きにいきましょう。
建設委員長になれなくて残念ですね。
そんなに彼らを擁護してらっしゃるのに。
あとでお伝えするつもりだったのですが失礼をお許しください。
今日の午後の会合で建設委員会は旦那様を顧問に任命したいと。
あらいいじゃない。
もともとその予定だったのね。
恐らくそうだと思います。
喜んで引き受けよう。
(バイオレット)これでみんなが剣を収めれば礼儀正しく平和に食事が続けられるわね。
でも若い人が自分の信念を主張するのはいいことよ。
信念は祈りと同じ。
尊いものだけれどパーティーには不適切よ。
ジェームズ。
私の見間違いでなければレディー・アンストラザーからメモを渡されていたな?はいカーソンさん。
見せてもらおう。
捨てたそうです。
自分の屋敷で働いてたことを思い出してほしかったみたいで。
だとしても不謹慎だ。
でも渡してきたのは向こうですよ。
手を払うわけにもいかないし。
ウーン…。
さっさとそれを応接間へ運べ。
(ヒューズ)モールズリーさんから聞きましたよ。
旦那様が委員会の顧問に?ああそのとおりだ。
どうやってみんなを説得したの?認めないなら委員長は辞退すると言ったんだ。
旦那様はご存じ?そんなささいなことをいちいち旦那様のお耳に入れる必要はないよ。
今日は楽しかったわ。
昼も夜もそれぞれ得るものがあったもの。
マートンと親しくなさってるって聞きましたよ。
そうなの。
でもバイオレットには別の思惑がありそう。
そういえばどこへ?コーラに挨拶して早めに帰ったみたい。
さすがにパーティー疲れでしょう。
ウフン…。
(サラ)帰る前に下の階でも挨拶させて。
今夜は十分我を通しただろ?
(ローズ)あなたはどう?分かってる。
少し興奮しすぎた。
でも立派だった。
元気出して。
いつまで暗い顔をしてるの?そう?いつも笑顔でいるのはマヌケだけよ。
やれやれ。
本日の主役のお出ましだぞ。
ウフッ…。
お招きに感謝します。
楽しかったわ。
ねえ?ロバート。
使用人の皆さんにお礼を言ってもいいですか?今頃彼らは下で食事中だ。
邪魔しないでおこう。
(サラ)すぐ済みますから。
ぜひ行ってあげて。
みんな喜ぶわ。
どこまで彼女の無礼を許すんだ?気持ちは分かるけど無礼者に無礼で応えても意味がないでしょ。
万事ご満足いただけましたか?いやちっとも。
これ以上髪が変色しないうちにモールズリーを引っ込めろ。
アァ…。
何してるの?奥様とメアリー様の朝食の準備です。
レディー・ローズとレディー・イーディスは?未婚女性は食堂で食べるんです。
あらそうなの。
ホントに今日はお会いできてよかったわ。
ウワサにだけは聞いていたんだけど。
どんなウワサ?
(パットモア)ああ聞くのはやめとこう。
悪いウワサかもしれないからね。
学校の先生なの?ええ。
算数と書き方を教えてるの。
頭いいのね。
(サラ)そんなことないわ。
次はこっちへ。
さよなら。
私とは大違いだわ。
ええ。
でも人生は人それぞれよ。
あの奥様。
お話があります。
大変心苦しいのですが奥様にどうしてもお伝えしなければいけないことがあるんです。
バクスターの件かしら?彼女の犯罪歴のことなら全て知っています。
本当ですか?ただ分からないのはどうしてあなたが犯罪歴のある者を侍女に推薦したかよ。
彼女の過去を全て知りながらね。
それはやり直すチャンスを与えたくて。
この家でそれを判断するのは私でしょう?おっしゃるとおりです。
それになぜ今頃言うの?この件でバクスターを脅していたならあなたをこのままここに置いておくべきか考えなくてはいけないわ。
私はただ真実をお知らせしたくて。
それならもう知ってます。
おやすみ。
まんまと俺を出し抜いたつもりか?
(扉を開ける音)バンティングさんは帰ったのか?
(ブランソン)はい。
クローリー夫人の車に乗って。
イザベルは親切だな。
食事の席での無礼をおわびします。
彼女には参ったよ。
彼女を見ていると正直昔の自分を思い出すようです。
何が言いたいんだ?今更昔に戻りたいとでも?僕はだいぶ変わったという事です。
それは悪いことか?彼女は恋人じゃない。
ウッフッ。
何?皆さんが留守の間やましいことは何もしていません。
シビルの父親としてこういう話は気まずいが誤解だったのならすまなかった。
心配なのは彼女の影響で君がかつてのような貴族を憎む反逆者に戻ることだ。
フッ…。
僕は誰も憎んでなどいません。
ましてあなたならなおさらだ。
そうか。
おかげで今夜は気分よく休めそうだ。
・アイシス。
なぜ宝石を返せなかったの?手放したと言ってたけどどういう意味?そもそもどうして盗みを働いたりしたの?仕事も稼ぎもあったでしょ?ベントン夫人を恨んでいたの?いいえ。
奥様はいい方でした。
だったらどうしてなの?言い訳を並べ立てるつもりはありません。
弁解はしません。
弁解ではなく詳しい事情を知りたいの。
あなたの話はとてもショックだったわ。
それはごもっともです。
それでは私はクビでしょうか?でもあなたのような非の打ちどころのない侍女は今までで初めてなのよ。
同じ罪はもう繰り返さないって誓える?どんな罪も犯しません。
金輪際2度と。
私が処遇を決めるまではとりあえずここにいていいわ。
それがいつになるかは分からないけど。
はい。
それじゃ。
今日はこの辺にしておきましょう。
バンティングさんとはあまり関わりたくないわ。
ウン…ローズ様は好意的でしたし下の階ではいい方でしたよ。
でしょうね。
でも父は彼女の挑発のせいで今頃自己嫌悪に陥ってるわ。
ああモールズリーさん。
なぜ君が髪の毛に特別な細工をしたのかは知らないがただ一つ言えることは君が望むような結果は出ていないようだ。
やるならば段階を踏みたまえ。
その状態では上の階の仕事はさせられない。
ハァ…。
アァ…。

(泣き声)
(泣き声)・
(扉の開閉音)・
(ノック)驚いた。
メアリー様はもうレディーじゃなくなったのかな?次は俺だ。
どうかしてるよな?まあそれでも行くんだろ?彼女は話したいだけさ。
そんなバカなことがあるか。
問題は迫られたら拒める自信がない。
それが男ってもんだ。
いいか?3時には彼女の部屋を出て誰にも見られないように戻れよ。
俺が見張ってる間に部屋に入れ。
人が来たら合図する。
ウン…。
感謝するよ。
トーマス。
本当だ。
いい友達だ。
ああそうありたい。

(扉の開閉音)トニー。
こんなこといけないわ。
ああ分かってる。
じゃどうして?僕を好きだろ?私が?自分でそう言った。
僕とチャールズ・ブレイクの間で揺れていたこともあったが君の愛は僕がもらった。
そう。
それはおめでとう。
だが君は確信を求めてる。
健全な交際では得られない確信を。
続けて。
旅行へ行こう。
僕と。
1週間それ以下でもいいから2人きりで。
そして昼間は楽しくおしゃべりする。
で夜は?夜も一緒に過ごす。
君と恋人になりたい。
お互いについて全てを深く知りたいんだ。
そうすれば君も確信を持てる。
父が聞いたら鼻を殴るわよ。
これは遊びじゃなくて結婚を前提とした真剣な誘いだよ。
父はそう思わないわ。
この提案に乗る気はない?ハァ…。
絶対に秘密にしないと。
フーン…。

(燃える音)
(ノック)・
(トーマス)火事だ!えっ?・火事だ!大変だわ。
ジョージが!
(ブランソン)子供たちは無事だ!アッ…。
ああよかった。
メアリー子供たちを。
トニーも手を貸して。
トムはこっちだ。
消火用の砂を用意してくれ。
(ジョージの声)おい!バロー。
イーディスは?恐らく大丈夫です。
外へ運び出せ!急げトム!ホースを持ってこい。
ローズ。
ヒューズさんを起こしに行け。
あとは彼女がやる。
消防団に連絡しろ。
ドリューの番号は分かるか?私が。
アイシスも頼む。
バロー。
早くイーディスを連れ出せ!私はみんなを起こす。
いえ。
それは私が!早く娘を!アァ…。
アッ…。
ハァ…。
火事だ!ハァ…。
(アンストラザー)アアッ…アアッ…。
アッ…。
アアッ…。
火事だ。
2人とも早く避難しなさい。
アッ…。
ハァ…。
・おいみんな起きろ!火事だぞ!ジェームズ。
ジェ…ジェームズ。
どこだ?ジェームズ。
洗面所にジェームズがいないか見てくれ。
モールズリーさん早く避難して。
ハァ…ハァ…。
(せき)アァ…貸せ!トム。
(せき)
(せきこみ)パットモアさん気をつけて下りて。
おお大丈夫だ。
落ち着いて。
アァ…。
アァアァ…。
ウフッイヤ…。
(ドリュー)我々が代わります。
(せきこみ)ありがとう。
(ブランソン)アァ…。
(コーラ)気分はどう?
(イーディス)大丈夫よ。
でも私ったら何てバカなことを。
今は考えないで。
あの伯爵。
私は朝食前に失礼します。
これから長い道のりなので。
ええ。
それがいいでしょうな。
(モールズリー)旦那様。
バロー。
本当にありがとう。
みんなに危険を知らせてイーディスの命を救ってくれて。
アッ…。
どうして上の階にいたの?ああたまたま見回りをしていて。
本当に助かったわ。
さっきまであなたのことを罰するつもりでいたけれど今夜の勇敢な行動に免じて水に流します。
ああありがとうございます。
(メイド)これもねお願い。
(使用人)とりあえず全部運ぼう。
(ベイツ)どうしました?状況は?大丈夫。
もう心配ないわ。
皆様の無事を確かめようと思って来たんです。
全員無事よ。
イーディスが部屋を燃やしたけれどケガはないわ。
みんなを手伝ってきます。
夫はとても取り乱してたんです。
かなり感情的になって。
想像がつくわ。
厳しいかもしれんがジェームズには別の勤め先を探してもらう。
はい?具体的な理由は説明しないが私が思うに彼の大胆さは下僕にふさわしくない。
承知しました。
推薦状は書いてやれ。
スキャンダルは困る。
仰せのままに。
(ドリュー)火元となったお嬢様の寝室以外被害はありません。
不幸中の幸いだ。
(メイド)これも運んで。
みんな部屋に戻っていいぞ。
騒ぎは終わりだ。
(メイド)ケガ人が出なくてよかった。
戻りましょう。
よろしくね。
奥様。
イーディス様には今夜旦那様の着替え部屋で休んで頂いてもよろしいでしょうか?もちろんよ。
消防士にお礼を言ってくるわ。
ああそうか。
例の件だけど。
はい。
私にいい考えが。
あなたはマリゴールドに強い関心を示してください。
言われなくても。
これから堂々と会うためにはそれなりの根回しが必要です。
アァ…あしたお部屋を確認しますので今夜は旦那様の着替え部屋でお休みください。
ありがとうヒューズさん。
で勉強ははかどってる?全然。
そりゃ学校にも行ってないんだから大変だろうさ。
「大変」っていうより不可能です。
(トーマス)バクスターさんをお捜しならまだ上だぞ。
(デイジー)なんでいつもそうトゲのある言い方なの?バクスターさんは俺に協力する約束でここへ来たのに裏切ったんだ。
お嬢様はあの学校の先生とお知り合いなんですか?バンティングさん?家庭教師をお願いできないかと思って。
これでお別れか。
最後に謝りたいんだ。
いろいろ迷惑かけたね。
いいんだよ。
過ぎたことさ。
2016/12/04(日) 23:00〜00:13
NHK総合1・神戸
ダウントン・アビー5 華麗なる英国貴族の館(1)[新]<全10回>「伯爵の憂鬱」[二][字]

20世紀前半の英国貴族を描いた大ヒットドラマ第5章。時代の変化は伯爵家や使用人たちにも大きな転機をもたらす。メアリーは誰と結ばれるのか?イーディスと娘の未来は?

詳細情報
番組内容
1924年。戦没者慰霊碑を建てる計画があり、伯爵ロバートは建設委員会の委員長就任を依頼されると思っていた。メアリーはギリンガム卿(きょう)からある大胆な誘いを受けて心が揺れる。イーディスは、密かに産んだ娘を農家に預けていたが、なかなか会うことができず思いが募る。屋敷では伯爵夫妻の結婚記念日を祝う晩餐(さん)会が開かれる。そんな中、侍女のバクスターは、過去を知るトーマスから脅しを受けていた。
出演者
【出演】ヒュー・ボネヴィル…玉野井直樹,エリザベス・マクガヴァン…片貝薫,ミシェル・ドッカリー…甲斐田裕子,ローラ・カーマイケル…坂井恭子,アレン・リーチ…星野健一,リリー・ジェームズ…下山田綾華ほか
原作・脚本
【脚本】ジュリアン・フェローズ
監督・演出
【演出】キャサリン・モースヘッド
制作
〜イギリス カーニバル・フィルムズ/アメリカ マスターピース制作〜