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書き起こし 古舘トーキングヒストリー 〜忠臣蔵、吉良邸討ち入り完全実況〜 2016.12.10

(大石内蔵助)かかれ!
(一同)おー!本当に広大な廊下です。
当時の討ち入りの様子をドラマで完全再現。
古伊知郎がその一部始終を実況します。
皆さんどうぞよろしくお願いいたします。
いや〜テレビ朝日がかなり力入ってまして。
まず東映とタッグを組んでもうよくご存じの京都の太秦あの撮影所に吉良邸をセットとして再現いたしまして。
そこでドラマをね例えば緒形直人さんが大石内蔵助さんでとかね。
それからあと吉良上野介が西村雅彦さんでとか。
あと笹野高史さんもいらっしゃいますし。
諸説ある『忠臣蔵』ですが今夜は100年以上研究を続ける中央義士会の見解を基に新事実を解明していきます。
『忠臣蔵』の重要人物として描かれる大石内蔵助。
実はその大石と遠い親戚に当たるという歴史学者磯田先生にも特別解説してもらいます。
非常に複合的な要因でこんな事が起きたような気がしてならないんですけど磯田先生どうですか?
(磯田さん)そのとおりでしょうね。
多面的に見ないといけないと。
ただ単に忠義心だけじゃないかもしれない。
いろんな江戸時代の武家社会のルールだとかそういうものが背後にありますね。
でそもそもこの事件47士が150人もいる吉良邸のおうちの中に討ち入ったのに47士の側には死者がゼロ。
で一方両方合わせると死者とけがした人を入れると吉良側には45人もの被害者が出てるわけですね。
だからこれはなぜこんなになっていくのかと。
そういったどうしてこういう事が出来たのかという事も最新の研究からわかってくると。
先生伸び伸びトークですもう。
(伊集院)っていうか古さんと先生ね伸び伸びしすぎてそもそも俺の聞いてる話ともうすごいすれ違っちゃってるんですけど。
そもそもね…。
それではここで今夜の『トーキングヒストリー』をより楽しむために従来の『忠臣蔵』はどのようにドラマで描かれてきたのか…。
『忠臣蔵』好きの伊集院さんにあらすじを紹介してもらいましょう。
俺ら聞いてるやつって超悪い吉良上野介…意地悪じじいがいてこいつが賄賂をよこせみたいな事を言ったけど正義感が強い浅野内匠頭はいやですよと言いました。
そしたら挑発されてすげえディスられてぶちキレたのを「お前何ぶちキレてんの?」。
「責任取って切腹して」ってなって切腹させられる。
それを見た47人のその部下たちが絶対許せないっつってみんなで敵討ちのために。
もう死ぬかもしれないのに敵討ちをして成功しました。
めでたしめでたし。
そう思って今まで生きてこられた?
(一同笑い)
(名取)みんなそうですよね?今。
すごくわかりやすかった。
良かった味方になってくれて。
良かった…そうでしょうよ?お二人そう思って生きてこられて…。
さあこれから始まる実況ドラマをより楽しく見るために従来の定番の『忠臣蔵』の疑問点を磯田先生に解説してもらいます。
ここで早速1つの疑問が。
ここ問題ですね「赤穂浪士47士はどうやって集まったのか?」。
まず1。
「赤穂浪士とバレないための工夫」。
「いろんな職業に扮して潜入していた!」。
スパイ活動をやってましたね。
(磯田さん)そうですね。
いろんな商い商売をやったりしてお店やったりしてたんですよ。
(秋元)じゃあ集合までの間をひっそりとしていたんですか。
なおかつすごいフォーメーションなんですよ無駄のないね。
あれはやっぱり大石内蔵助の力ですかね。
元禄までの武士ってすごくね自分が忍者になれるぐらい情報収集に長けてるんですよ。
出撃箇所とかも江戸の何カ所かに3カ所は少なくとも確保してですね潜伏場所まで用意してから進めるわけですね。
いろんな例えばお米屋さんになって米屋を開いて吉良邸の近くに出撃する場所の隠れ家を用意するとかですね本当に緻密ですね。
全部計算して配置もして溶け込んでっていう事…。
ここで実況ドラマの見どころを整理しましょう。
赤穂浪士47人はどうやって集まったのか?大石内蔵助の用意周到な作戦とは?更に目的地吉良邸の全貌とは?これらを気にしながら時計の針を戻してみましょう。
更に磯田先生の解説にもあった潜伏場所の米屋。
その位置にも注目しながらご覧ください。
赤穂浪士による吉良邸討ち入りの真実をお伝えしてまいります。
そこで広大な吉良の屋敷内にかなりカメラを点在させましてくまなく討ち入りの様子を伝えてまいります。
47士はひそかに米屋に集結した。
そして今ご覧いただいている長く続いているこの塀は吉良邸の塀であります。
という事はなんと吉良邸と目と鼻の先のこの米屋に集結したのであります。
そして…あっ今出て迎えに出てまいりました。
そうです表の顔は米屋の主人裏の顔は赤穂の007と言われるスパイ活動でおなじみの前原伊助。
そして来たのが町医者風情であります。
そう吉田忠左衛門プロフェッサーだ。
ぴったりと横に寄り添っているのが寺坂吉右衛門であります。
そしてあの角から出てまいりました蓑笠姿の3人衆でありますがどうやら先頭は間十次郎であります。
そして橋のところ町人風のいでたちでありますが明らかにただ者ならぬオーラが漂っております!そう大石内蔵助の入場であります。
そうです47士そろっての行軍はありませんでした。
こうしてあくまでも目立たぬように三々五々米屋に集まってきたわけであります。
さあ私もこの大石の後に付いて中に入っていきます。
前原伊助は実際に米屋の商いをしておりました。
同時に徹底したスパイ活動を展開しておりました。
米を商売度外視で徹底的に安く売るために江戸で大評判になった。
近いせいもあって吉良家からこの米の注文もあったと言います。
この奥はどうなっていたか?米屋格子1つ隔ててなんと奥は武器庫だったわけであります。
奥に薙刀そして槍弓龕灯もあります。
さまざまなものが居並んでおります。
そして史実によりますと吉良邸討ち入りで47士の死者はゼロであります。
何ゆえゼロであったのか?それは装備に工夫を凝らしていた。
そして武器も考え抜かれていた。
おっ?準備に入っています。
おっ?おなじみの胸元に大きな自分の名前が書かれているそれがありません。
どうした?47士。
そうです考えてみれば闇夜に集結してそして突入する際にそんな目立ったいでたちは全く実際はなかったのであります。
更には袖口には白い大きな布が巻かれている。
腕章のようだ。
これはそうガーッと出くわした時に相手が自分の味方かどうかを見る目印として白い布が巻かれていた。
更にはそこに小さく名前が書かれています。
斬られた時のダメージを軽減するためになんと鎖の重いかたびらを着けている。
こちらは鎖で出来た股引をはいている。
更には鉄や鎖で出来た頭巾をかぶってプロテクタートータルで10キロの重さになります。
(堀部弥兵衛)安兵衛出来たぞ。
(堀部安兵衛)かたじけない父上。
おっ弥兵衛か?という事は旧中山安兵衛。
婿入りした堀部安兵衛だ。
そしてこちらはおなじみの大石内蔵助。
手にしているものはなんだ?
(内蔵助)今宵の手はずはかねて申し合わせたとおり。
(大石主税)はい父上。
ここに書かれてある事は一言一句頭にたたき込みました。
大石内蔵助と息子の主税が向き合っています。
そして手元の巻物はというと全て内蔵助が取り決めたというその詳細。
討ち入りのあとどういうフォーメーションで動くか?あるいはまた吉良を討ち取ったあとの合図は必ず笛にするそういったところの最終確認が今行われているところであります。
それにしても息子の主税この時数えで15歳。
ジャニーズJr.的な年齢であるにもかかわらず裏門の部隊を率いるその重責を担っております。
そしてこちらは間十次郎であります。
いつもより短い槍では調子が狂うか?
(間十次郎)いえ!稽古に稽古を重ねましたゆえすっかり身になじんでおります!
(磯田さん)部屋の中の戦闘は短い方がいいんでね。
おっと堀部安兵衛と間十次郎が手合わせを始めました。
槍がかなり短いというのは狭い部屋で戦いやすくするためであります。
一方この弓も室内で使用可能な半弓と呼ばれるものであります。
腕を上げたのう。
お褒めにあずかりありがたき幸せ!
(原惣右衛門)おい!大きな声を出すな!敵に悟られたらなんとする。
浮かれるでない!原殿。
そなたの声が一番大きいぞ。
なんと…。
(一同)ハハハハハハ…。
さすれば例のものも忘れるでないぞ。
はっ!こちらに。
これはなんだ?巻き戻してください。
そうですこの包みの中に入っているものこそが討ち入りに欠かせない重要なものであります。
大夫。
そろそろ寅の一天にござりまする。
ご一同おそろいか?
(一同)はっ!討ち入りが近付いてまいりました。
そしてその前に大石内蔵助からコメントがあります。
よくぞこれまで艱難辛苦に打ち耐え武士の誇りを守り続けてくれた。
心より礼を申す。
本日やっと亡き殿のご無念を晴らす時がまいった。
狙うは吉良上野介ただ一人。
各々方存分に働かれよ。
(一同)はっ!大石鬼神の表情だ。
ただし…。
万が一吉良を討ち損じた場合は…。
我ら全員吉良邸にて割腹いたす。
ご覚悟はよろしいか?
(一同)はっ!いざ参らん。
(一同)おー!空撮の映像が入ってまいりました。
吉良邸の全貌が見て取れます。
住所は今の墨田区両国になります。
土地の面積でありますがなんと3050坪であります。
サッカー場がすっぽり入ってしまうほどの広大な屋敷となっております。
屋敷の内部のカメラに切り替わりました。
静まり返っておりますこの屋敷の内部。
部屋の数は推定でありますが30を超えると言われております。
そしてこの中の奥の部屋で吉良は今寝息を立てているはずであります。
初めて潜入していく赤穂浪士これを捜し当てていかなくてはなりません。
闇の深さが屋敷の内部すら覆っております。
考えてみれば電気の明かりもない時代にどうやって吉良を見付け出していくか。
その辺りの作戦も本当のところがだいぶわかってまいりました。
さあカメラは吉良の寝室に近付いていきます。
吉良の寝息が聞こえてまいりました。
ずっしりと綿が詰まったいかにも高そうな布団であります。
吉良です!吉良上野介が見えてまいりました。
史実によりますとこの日は屋敷で大好きな茶会が執り行われましてご機嫌な様子だったといいます。
酒も入っているのか熟睡しているぞ。
ノンレム睡眠だ。
再び吉良邸上空からの映像であります。
カメラさんちょっと寄っていただけますか?そうです。
この屋敷を取り囲むようにあるのは長屋であります。
ここが実はポイントです。
長屋の内部の映像が映し出されました。
こんな映像初めてでしょうね多分。
一応いつ討ち入りが来てもいいようにここには100人以上の家臣たちが寝泊まりしておりました。
しかし思えば刃傷松之廊下から2年の時が流れました。
同時に油断もしておりました。
そして出てまいりました。
これです剣豪で名高い清水一学であります。
その隣が山吉新八。
こちらも吉良の護衛として常駐しております。
まさに嵐の前の静けさであります。
カメラは米屋の大石内蔵助の様子です。
巨大な吉良邸をどう攻略するのか?という事なんですよ。
刻みます。
刻みます。
(一同笑い)秋元さんいかがですか?そうですねあの…『忠臣蔵』すごく詳しかったわけではないんですけどやっぱり私たちの世代も古さんの実況ですごく見やすくなったというか。
ありがとう…!そつがない!如才ない!しかもSNSとか今の時代はネットですぐ調べて伝達したりとか出来る時代なのにこの時代はもう事前に調べてお茶会が行われるのもこの日だっていうのも知って時間をかけて準備をしていたっていうところがすごいなっていうのは改めて思いました。
でもうれしいのは磯田先生があの重要な鍵を握ると言われている長屋。
そこで多くの家来たちが雑魚寝のような状態のシーン。
「よく出来てる」って言ってくれましたね。

 

 

 

 

 


はい!あれはよく出来てますね。
実はあそこで押し込められて多数の吉良の家臣たちが寝ているあの人たちの動きこそがこの事件を読み解くポイントなんですよ。
これは多くはさすがのおしゃべり野郎も言えません。
これはあと?あと?あとなんだもん!そういう事なの?っていうのはやっぱり専門家の先生からきっちりコメントをもらう場所ありますから。
今もう多くは語れません。
そこポイントの1つだし。
このあといよいよ吉良の屋敷へと侵入する赤穂浪士たち。
そのシーンでも従来の定番ドラマでは描かれなかった大石内蔵助の緻密な作戦が明らかになります。
その前に『忠臣蔵』がより楽しくなる磯田先生の特別解説。
そもそもどうですか?茶会が行われてたと。
これは吉良上野介はあの広大な敷地…両国の。
普段いなかったって知ってます?
(秋元)知らなかったです。
名取さん普段いなかったんですよ。
どこにいたの?息子の行った上杉家の方にいるんですよ。
だからたまにしか戻ってきてなくて大好きな茶会があって大パーティーだったんで家来を連れてきて茶会が行われて上機嫌でたまには泊まってくかっていうその日なんです。
(磯田さん)そうなんです。
しかもこの「12月15日」ってここ書いてあるんですけどここが大事なんです。
はい。
(磯田さん)あのね太陰暦だから15日は十五夜お月さん必ず満月なんです。
だから天然のライトが上からくる。
ここなんですよ。
(磯田さん)天然のライトがくるうえに吉良が泊まっているその日しかなかった。
ここなんですよ。
これね12月の14日ってよく言うのはもう明けちゃってますからね真夜中ですから。
12時もう超えてますから15日と正確にはなるんですけど。
本当に先生おっしゃるように月明かりがあったって事は本当に相当有利であったっていう事も言えますし。
長屋長屋って話も出てきてますしね。
長屋がどうしたんだって話なんですけども結構重要ですし。
あとポイントとして何を挙げたらいいですかね?どうですかね?やっぱ吉良だけは普通の人とヘアスタイルさっきも違いましたよね寝てたところ…。
普通は月代って言ってここのところ剃ってますけどもうここ髪がありましたよね。
あれ戦わない家柄だって事がよくわかるんです。
あれはかぶとをかぶるために…。
だからここを剃るわけですよね。
(磯田さん)だけど吉良はもう最初からそういう事をしない高貴なお公家さんのようなお家柄だって事をあれ示してる。
だからこの家の家風を示してるわけですね。
なるほど。
あと皆さんどなたかどんな風にお感じになりましたかね?僕はちょっと男の子としてワクワクしたのは武器のカスタマイズ。
要するにこの条件をみんなわかってるから…。
そしてこちらは間十次郎であります。
(安兵衛)いつもより短い槍では調子が狂うか?いえ!稽古に稽古を重ねましたゆえすっかり身になじんでおります!おっと堀部安兵衛と間十次郎が手合わせを始めました。
槍がかなり短いというのは狭い部屋で戦いやすくするためであります。
一方この弓も室内で使用可能な半弓と呼ばれるものであります。
槍は槍得意なんだろうけどあんまり長いやつだと家の中じゃ無理だとかそういう事を考えてるその…なんていうの?モバイル化してたでしょ。
弓も外ならここまで引けるけどそれはしないでいいとか。
あれがもう勝負の鍵握ってますよねはっきり言ってあの武器の改良…。
反実仮想力の高さっていうのが実は大石のポイントで。
えっなんですか?それ。
反実仮想力とはもし何々ならばこうする。
要するに何度にも場合分けをして例えば戦闘中に幕府の役人がやってきてしまったらとか援軍がやってきちゃったらとかもし吉良が発見されなかったらみんなで…とかね。
そういうこういくつも仮想の…。
もしどうだったらっていう事に備えるように徹底してその武器もカスタマイズし作戦も柔軟に何個も立ててたわけですね。
いやもう名取さんこれから出てまいりますけど本当におっしゃるようにこうだったらもう最悪こうしましょうっていうのはもう全部備えあれば憂いなしで用意されてるんですよ。
あらゆる事を想定して…。
ダメだった事もそうです。
ダメだった時の事…最悪の事態も想定して全部手当てをしていくという。
(磯田さん)なんかね討ち入りガイドブックを作ってるんですちゃんと。
討ち入り心得みたいなの。
大石内蔵助の遠い親戚に当たる磯田先生。
ここで大石内蔵助っていうのは本当に几帳面だったでしょ?
(磯田さん)いや几帳面です。
あのね手紙を読むと細かく書くうえに会計帳簿をつけたりするのも好きですし。
あと大体手紙を書く時に最初から終わりまで同じ大きさの字で同じ行間で書く人几帳面な方多いんですけど大石の手紙っていうのはそういう手紙ですね。
こちらが大石内蔵助の実際の書状。
その文字を見てみると…。
確かに几帳面な性格が伝わってきますね。
堀部安兵衛。
ものすごい強いですよね堀部安兵衛ね。
あの人はやっぱりどうしても…。
「あの人」って知り合いじゃないんですけども。
堀部安兵衛はやっぱりどうしても討ち入りしたかったんですかね?そうでしょう。
あれはもう本当に堀部安兵衛っていうのはそもそも外で立ち回りを演じてそれで剣術の腕で召し抱えられてる人ですからもうやられたらやり返すと。
自分はもう戦闘せずに死ねないという人ですので堀部安兵衛と大石内蔵助の2人がやっぱりどんどん討ち入りの方へ引きずっていったっていうのが真実じゃないかと思います。
なるほど。
他にも個性豊かな登場人物が続々登場する『忠臣蔵』。
このあとのドラマでも目が離せませんが…。
『忠臣蔵』と言えば47人の討ち入りが代名詞。
磯田先生によるとそもそも赤穂藩にはおよそ300人もの家臣がいたそうです。
僕も談志さんから聞いた事あるんですけど亡くなった有名な立川談志さんがね「何言ってんだよお前ね赤穂浪士ったって300人いたんだ家臣が浅野内匠頭のな」っつって。
「そのうちの50人弱が『忠臣蔵』っつってパッと行ってこれが歌舞伎担当」。
「美談に美談を重ねてそっちが歌舞伎担当忠誠心だ」。
「残りの250人は裏切ったやつもいるし生活のために就職活動して別なところで召し抱えられたりとかいろんな事やってた」。
「だからこっちの250人のあぶれた方を担当するのが落語の世界。
人間の業の肯定だから」っていうような事をよくおっしゃってましたよね。
だからここでみんな47士全員が行っちゃったような感じがするんだけど全く現実はそうじゃないんですよね?そうですね大体6分の1ぐらいしか行ってなくて。
ほとんどの赤穂藩の武士はやっぱり討ち入りなんか賛成出来ない。
あるいは死ぬのはやっぱりまずいと。
いろんな事情があるというので討ち入ってないと。
だから大石はいろんな方法で戦意の高くない人間をそぎ落としていって最後に残った人間…もっと多かったわけですけど本来は47よりも。
それがどんどん…。
しかもそれだけ選び抜いても脱命していくわけですねいなくなっていく。
でもうギリギリのところで討ち入りに入ったというところだと思いますね。
もうむしろ結果論と言われちゃえばそれまでかもしれませんがあの12月の14日から明けて15日にかけての討ち入りの時しかもうチャンスはなかった。
だろうと思いますね。
ねえ。
まさにギリギリの作戦だった討ち入りですがここで名取裕子さんの疑問。
あと名取さんがさっきポロッとおっしゃったそのね吉良はっていう話で言うと変なんですよ。
町は…江戸の町は当時まあ刃傷松之廊下から2年。
ずっと民衆はいろんな…いくら元禄ったっていろんな不満もあるし。
やっぱり民衆はおい赤穂浪士討ち入りしないの?っていうのが瓦版の存在も含めて今で言うマスコミの存在含めて結構盛り上がってるんですよ。
だから吉良邸だって警備をして討ち入りがないようにってやって多くの家来たちが長屋で寝てましたよね。
それなのにどこかに吉良含めて全員に油断がある。
ここがね討ち入りを想定して吉良邸だっていたのに一方ではどこかに油断が見られるっていうのは来ないと思ってるんですかね?
(磯田さん)そうでしょうね。
実は吉良が油断する理由は当時の江戸時代の文化にあったんです。
磯田先生いわく当時の仇討ちは…でしか起きなかった。
そこに大石の巧妙な作戦が。
更に実況ドラマでは次々と新事実が。
果たして大石が準備させたある秘密道具とは?今夜あなたの知らない討ち入りの光景が!討ち入りを想定して吉良邸だっていたのに一方ではどこかに油断が見られるっていうのは来ないと思ってるんですかね?
(磯田さん)そうでしょうね。
これまでの討ち入りは浄瑠璃坂仇討ちとか路上でケンカに及ぶっていう形のものが多かったので。
ましてや将軍様のおひざ元で門を破ったりあるいは乗り越えるっていう必要がある邸内へですね戦闘してやってくるっていう…。
あいつらそこまでくるかっていう油断はあったと思いますね。
だからそこなんですよ。
警戒はしているのに邸内まで踏み込んでこないだろう状態になっていたっていうのも…。
吉良邸っていうのは攻めやすかったんですか?あのねまあ要塞化されてるからある意味では攻めにくいような普通の武家屋敷や大名屋敷に近い構造を持ってるんですけどただこの家はあまり武張った家じゃない体育会系の家じゃないわけですよ。
儀式や典礼を…茶会とかそういう事をやる文化や儀礼をやるおうちなんですよ。
ですからそれに対して赤穂藩浅野家っていうのは全国の大名家の中でも最後までお城を造る築城をやっていたような体育会系の藩なんですよ。
だから究極の文化系の武家と究極の体育会系の藩がぶつかったっていうこういう事なんですね。
だからもちろんね吉良が寝ている場所なんていうのはそこまではわかってないんだけど結構そうやって家造ってたり城造ってるから間取りとかの推察はすごかったでしょうね。
間取りを書いたものを入手出来てるんですよね。
ですから吉良の側からするとですね一番危ないと思っていたのは普段暮らしてる上杉の屋敷から自分の吉良の屋敷へ移動する移動中に襲撃される事を想定はしていたけれどもおうちの中に入ってたとえその日が満月であろうと中まで押し入ってくるっていう事に対する油断はあったと思うんですよね。
いやその辺りはだから奇襲攻撃ではなくて用意周到な中で奇襲も絡めてくるっていう辺りがすごいんですよね。
確かにすごい。
だから忠誠心だけなの?ってまたそこへいってしまうんですけどね。
あいつらがもう…赤穂の志士が浪士がここへ江戸へやってきたら討ち入るだろうっていう事は大体なんとなくわかってる人もいたと。
庶民はじゃあ応援してたって事ですよね?
(磯田さん)そうですね気分的には応援してたと思いますね。
ここがまたポイントで。
今2つ出てきました。
鎖かたびらって言いましたけどすごい装備なわけですよ。
だから47士は無傷だったって事のポイントその1でしたよね?そうですね多勢の屋敷に討ち入るにもかかわらず大丈夫な装備にしなきゃいけないというので特に下半身を鎖かたびらで固めるっていう事をよくしてますよね。
足を切られると出血が多いんでまず動けなくなる。
あと失血でやっぱり気を失ってしまうんですよね。
ですからうまい事やってますね。
だからそこをプロテクトしてる分だけ重いですよ10キロね。
だからそこで動きに制約があったりしてけがする可能性すらあるようなまあ本当痛しかゆしと言ってもいいぐらいの大変重い装備も着けてるっていうのも…。
(名取)高いんでしょ?高いでしょう。
(秋元)それって大石が全てそういうルールブックとかを作って赤穂浪士たちに教えていたんですか?全部そう。
だからAKBグループで言えば秋元康が全部采配してるように大石内蔵助が全部チェックして眼鏡かけてこうやって腕組んでたりして。
(秋元)そうなんですね。
そしたらもう…。
(磯田さん)眼鏡をかけてる…?嘘言っちゃいけませんね。
ここまでを振り返ると数々の扮装を施し集結した47士。
潜伏場所の米屋には武器も隠していました。
一方吉良はというとそんな騒ぎも露知らず熟睡状態。
いよいよ吉良邸へと侵入間近というところですがここでまた1つの疑問が立ち上がります。
なぜ47士は死者を出す事なく吉良を討ち取る事が出来たのか?その疑問の答えこそ緻密なリーダー大石内蔵助が用意した大胆な作戦だったのです。
これがこのあとの実況ドラマで明らかになりますが…。
それを楽しむためにも従来の定番ドラマで描かれた討ち入りの瞬間を見てみましょう。
まずは定番シーン。
47士がそろって吉良邸へと行軍します。
吉良邸表門に到着した赤穂浪士たち。
大石の合図とともにまずははしごで2名が侵入。
その2人が中から門を開けて堂々と侵入していきます。
そして大石内蔵助が高らかに陣太鼓を打ち鳴らします。
(陣太鼓の音)
(陣太鼓の音)その音に気付いた家臣と即座に乱戦。
ここから吉良の寝床を目指し赤穂浪士たちの奮闘は続きます。
うおー!うおーうおー!従来の定番ドラマではご覧のようにいよいよ47士たちの覚悟が問われる緊張感あふれる場面ですが史実によると衝撃の新事実が明らかになりました。
一応こう見ときますかね。
こうやってここにもあるような陣太鼓であるとかですね堂々とバーンと表門が開いてダーッと入ってくるイメージないですか?えっまさかそれも違うんですか?太鼓は鳴らさないと。
太鼓なし!表門開いた突入する浪士たちなし。
違う形の潜入劇ですよ。
でもそれが醍醐味な気がしちゃいます。
醍醐味なし!現実…本当リアルなのは目立たぬように目立たぬようにですから。
(名取)じゃあそーっとそーっと抜き足差し足…。
でも抜き足差し足だって抜こうが差そうが行けないでしょ?だから大胆にして静かなんです。
でっかいハンマーと太鼓のイメージは…?ない!ない。
もう大道具さんに発注しちゃいましたよ俺心の中で。
だってもう『忠臣蔵』やるならでかい太鼓とハンマーないと。
当然そう思うでしょ。
ないこれが。
さあいよいよ歴史に名を残す47士たちの討ち入りが始まります。
注目は吉良邸への侵入方法。
従来のドラマでは表門から侵入した47士はすぐに吉良家家臣と乱戦を繰り広げていましたが…。
実際には大石内蔵助が最初に行ったある作戦によって吉良邸内の家臣は一時戦闘不能へと追い込まれる事になるのです。
これまで紹介されてないんです。
だから…。
秋元ちゃんあの小袋…。
そうなんですよ。
さっき出てきた謎の袋っていうのは…。
あれはねさしもの先生すらもなんだろう?あれって言ってるわけですよ。
これ先生あとで見たらなんだって言うかもしれないけど重要なものが入ってるんです小道具が。
当てようぜ俺ら当てようぜ。
先生何?あれ。
なんだろうねあれ。
なんだと思いますか?いきなり『ぴったんこカン・カン』みたいになってますよ。
なんだと思いますか?皆さん。
ちょっと一応やってみて…。
戦いで使うものなんですかね。
戦いで使うものって事ですよね?当然そうですね。
多分ねなんか建設資材に近いようなものかもしれない。
資材?建設資材に近いような…。
はい近いです。
ああやっぱりそうだ。
楽しみにしてください。
長屋ですからテーマは。
とにかく長屋が重要でしょ。
あそこがあんまり『忠臣蔵』って普通こういうのはね描かれてないかもしれないけど長屋をなんとかするために必要だったものなんです。
これ見てみないとわからないかもしれません。
ちょっと先いきますよ。
さっきも出てきたように赤穂浪士はね47人ですけれどもこの吉良の家臣が100人以上いた。
圧倒的に差があった。
どうしてあんな事が出来たのかなという疑問。
それから陣太鼓は持っていなかったっていう事なんですね。
(名取)持ってすらいなかった。
そう…すら持っていない。
だって音ドンドンドンドンやったら江戸中にねはい今やってますよって。
私たち捕らえるなら捕らえにきてくださいって言ってるようなもんだから。
一番怖いのは上杉家からの援軍が到達する事なんですよ吉良側の。
そうすると前と後ろに敵を抱える事になるしだから討ち入りの初期にはなるべく目立たないようにして。
それが重要なんですよ。
音立てちゃダメなんです。
ここで実況ドラマを見る前に押さえておきたい事。
果たして47士はどうやって吉良邸に侵入したのか。
更に人数差を埋めるためのキーワード。
長屋を制圧するためにどんな行動をしたのか。
時計の針を戻して新事実を見にいきましょう。
おっご覧ください。
米屋の前でいよいよ動きがあります。
そうです。
闇に溶け込むように47士がしずしずと出てまいりました。
無駄な動きは一切ありません。
そして米屋と吉良邸目と鼻の先であります。
フォーメーションどおりここで…おっ!大石内蔵助が采配を振るった。
すると部隊が真っ二つに分かれました。
そうです。
裏門部隊と表門部隊に分かれました。
打ち合わせどおりであります。
息子の大石主税率いる裏門部隊は小走りであります。
そして一方大石内蔵助率いる表門部隊ははやる気持ちを抑えるように歩いていきます。
おっ大高源五であります。
吉良と共通の茶道家に弟子入りいたしましてスパイ活動を展開してまいりました。
大手柄にございましたな。
大高殿の内偵のおかげです。
(大高源五)茶会は確かに開かれた。
招待客の出入りも見届けている。
吉良は間違いなく屋敷の中にいるぞ。
はい。
こうして浪士たちは一糸乱れず屋敷に向かって進んでいきますがしかし本当は亡き殿の仇討ちというだけではありませんでした。
殿の魂をただ鎮めるために仕方なくやろうとする者。
あるいは仕事が見付からずにこの仇討ちに参加するより他になかったという者もおります。
こうして赤穂の侍たち思いは一様ではなかったのであります。
推定時刻午前3時半。
いよいよ討ち入りの瞬間であります。
さあ大石内蔵助その采配によりまして間十次郎吉良邸へと侵入していくか。
緊張の瞬間であります。
最年長の堀部弥兵衛の姿が見える。
そして原惣右衛門動いた。
大石が振り返った。
そして…。
合図をした。
一斉に動いた。
はしごを使ってまず間十次郎が屋敷内に侵入していくぞ。
さあこのあと間は邸内からこの表門の内側のかんぬきを抜いてそして部隊が一気に門が開いて突入という場面に移っていくわけ…おっと違います。
事実は違いました。
門は開けません。
続々と部隊が屋根から下りてまいります。
事実はあくまでも静かに侵入していったわけであります。
原惣右衛門も屋根に上がってまいりました。
ご老体足元が滑ります。
ご注意を。
突入しようとしております…足を滑らせた!そのまま落下してしまった。
原殿大事ありませんか?お主が老人などと申すからじゃ。
しかし…。
苦しいぞ原惣右衛門55歳。
今どきの55歳とは違うぞ。
更には重さ10キロを超える装備を身に着けている。
あっと今度は誰だ?大事ない。
神崎与五郎だ。
右腕に強烈な痛みが走っているのか。
開始早々2名の負傷者が出てしまった。
思った以上に広い。
150名ほどの家臣がいるとの事です。
100…。
怖気付きましたか?たわけた事を。
三途の川があふれぬかと案じただけじゃ。
大石がゆっくりと近付いていく。
この屋敷の全体像をイメージしているのか大石。
ここで吉良邸の位置関係を見てみます。
23名の表門部隊。
潜入には成功いたしましたがここで大事な作戦を敢行しなければなりません。
長屋が続いている。
そしてその中には100人以上の家臣がいます。
数では全くかなわない。
この家臣たちをなんとか孤立させなくてはいけません。
突入開始か?山鹿流の陣太鼓は打ち鳴らさない。
物音を立てない。
そして眼前母屋であります。
おっ!大石が横を向いた。
采配を…別方向に振るっている。
一部浪士たちが長屋方向に向かっています。
今までのドラマとは全く違う展開。
本当の赤穂浪士たちの動きがここで展開されようとしております。
音もなくいくつもある長屋の扉の前に近寄ってまいりました。
浪士たちはそこで息を潜めております。
長屋の中であります。
家臣たちは夢の中。
茶会の宴が済んで酒も飲んでいる熟睡状態に入っている。
さあ外ではその扉の前で作戦が開始されました。
全く無駄のない動きであります。
何かを取り出している。
そう大石は一計をここで案じていたのであります。
一体この袋の中に何が入っているのか。
金づちが見えてまいりました。
そうです。
米屋で大石が例のものと言っていたもの。
例のものも忘れるでないぞ。
はっこちらに。
中には金づち以外何が入っているのか。
かすがいが見えてまいりました。
いきなりリフォームか?おっと扉と柱にかすがいを打ち込み始めました。
扉が開かないようにどんどんと打ち込んでいきます。
無駄のない動きが敢行されております。
この音が聞こえてまいりました。
ようやくこの音で家臣たちが目を覚まし始めました。
そうです。
響き渡ったのは陣太鼓ではありませんでした。
この金づちの音でありました。
家臣たちはこの音外で一体何が起こっているのか全くわからない状態。
寝ぼけ眼であります。
近寄っていく。
扉を開けてみようとするが開かない。
完全に封じ込められている。
一体何事か?勝手に想像して不安が募ってまいりました。
そして浪士が弓を構えた。
撃った。
ようやく中で事の成り行きがわかってまいりました。
閉じ込められたうえに無数の矢の襲来であります。
これには家臣たちも震え上がってまいります。
よし!あとの神崎隊50!続け!おっと外には23人しかいないのに人数を水増ししている。
そして恐怖感を募らせている。
外には大勢の敵がいる。
外に飛び出したら矢で狙い撃ちされてしまう。
そう想像させる事で動きを完全に止める作戦であります。
長屋の中は完全にパニック状態になった。
阿鼻叫喚のるつぼであります。
人数が多い事が逆に仇になった。
大石の戦略がここは功を奏した。
今まで知られていなかったが長屋制圧こそ討ち入り第一の真実であります。
ドヤ顔だ。
長屋の中カメラが1台のみなのでよくわからないかもしれませんが長屋の至るところでこういう状態になっておりました。
そして吉良の全景が見えてまいりました。
この屋敷の全景。
今いる表門付近から吉良の寝室までは直線にしておよそ100メートルあります。
民家にして10軒ほど離れております。
この距離だとこの騒ぎは吉良には全く届かない。
吉良はぐっすりと寝ている。
私これから吉良の寝室に向かってみたいと思います。
(伊集院)リポートも大変だ。
距離があるから。
家来たちを長屋に閉じ込める事には成功しました。
さああとは夜明けまでに一刻も早く吉良を捜し出さなくてはいけないわけであります。
といっても邸内は非常に広い。
吉良は奥の奥で寝ているのであります。
その吉良の寝間にやってまいりました。
外の騒ぎなど全く気付いていない様子でぐっすりと寝ているようであります。
更には捜すのが非常に困難なのは月明かりがあって外は明るくてもこの邸内は…。
真っ暗です。
見事長屋を制圧した表門の赤穂浪士たち。
そして一方裏門隊では大石内蔵助の息子大石主税が待機中。
こちらではある陽動作戦が始まろうとしています。
更に今夜明かされる吉良上野介最期のシーン。
定番ドラマとは違う衝撃のクライマックスが。
吉良が見付かって大石がこうしてって定番ありますよね最後の方。
いよいよクライマックス。
違いますよあれ。
吉良が隠れてるところも違うんです。
ビックリしちゃう。
ここで古伊知郎の素朴な疑問。
47士の仇討ち計画その資金はどこから出ていたのか?資金というのはどういうところから出て武器調達したりみんなを一部食わせたりとかやってたんですか?もうね資金が底ついてたんですよ実は。
堀部安兵衛がもうお金がないって書いてる書状が残ってるぐらいで。
だからあの14日に討ち入らなければもうお金ないと。
そのうえあのお金どこからきてるかというともちろん志士たちが赤穂で召し抱えられた時に蓄えてたものもあったでしょうけど。
浅野内匠頭の奥さんのところからもらったお金なんかもあってまたこれが西日本のすごく経済的に発達した武士たちなんで討ち入りの会計報告書を作ってるんですよね大石は。
こんなの見た事ないっていう風に歴史学者も僕に言いましたね。
討ち入り…会計報告が残ってる討ち入りなんです。
ですからそれをつぶさに見ていくともう資金は底をつきかけていてこの瞬間しか出来なかったっていう。
大石もギリギリのところでやったんだと思いますね。
きっちり会計報告書ですか。
あんまり早すぎると向こう側は油断してない。
延びすぎるとこちらの側の士気も落ちてきてもう長い昔の話だからやめようになるし金も尽きてくるという事でこの12月14日というのがギリギリのとこだったと思いますね。
さあ表門隊長屋を制圧して5分であります。
吉良は討ち入りに気付かずにまだ眠っております。
一方ご覧ください。
裏門隊の様子はどうでしょうか。
だいぶ寒さが骨身に染みる時刻となってまいりました。
大石主税を始めといたしまして表門からの連絡を今か今かと待っております。
浪士たちはとにかく早く動きたい。
うずうずしている。
しかし一方で裏門隊には周到な作戦が用意されていたのであります。
大石の描いた絵は吉良の家臣たちをろうばいさせるというそういった作戦でありました。
表門からの連絡はまだか?堀部安兵衛気が立っている。
そして表門に動きがあった。
連絡係の寺坂吉右衛門が裏門に向かって動いた。
当時38歳と言われるこの寺坂。
スピードどうだ?1人世界陸上だ!今ならもうショートメール一発の時代でありますがこの時は寺坂が伝えにいった。
裏門がいよいよ動くぞ。
来た。
(寺坂吉右衛門)長屋の閉じ込め終わりました。
相わかり申した。
さあこの時を待っていた。
ついに裏門隊の突撃開始であります。
今度は木づちを持っている。
今度はわざと騒いでおります。
江戸は火事が頻繁に起きました。
火災発生を装っております。
表門は思えば長屋に封じ込めた。
そして裏門は火事を装った陽動作戦。
間もなく裏門が…今開きました。
さあ火事から逃げようと出てくる家臣たちを待ち伏せる。
弓矢を引いて万全の態勢を作っている。
やはり取る物も取りあえず飛び出してきました。
ここは思うつぼであります。
しかし中を見てみると剣豪の清水一学吉良側の山吉新八。
こういったところが戦闘態勢を作っている。
さあ門が開いた。
更に開いた。
そこで矢で一気に奇襲攻撃であります。
さあここから戦闘開始です。
相手は寝起き状態だ。
いとも簡単に討ち取っていく。
赤穂浪士完全に勢いに乗ってまいりました。
一気呵成に攻めて攻めて攻めて吉良を捜し当てなくてはならない状況になりました。
ご覧のように一騎当千のつわものこう言う事も出来ますが一方では人は極限状態では獣になってしまうのか。
おお…!さあ裏門隊が突入いたしましたがここで表門隊にも動きが出てまいりました。
さあこれから叫びが始まろうとしている。
我ら浅野内匠頭が家来でござる。
今宵亡き主君のご無念を晴らさんがため推参いたした!我々は姑息な手段は取らないという口上だ。
さあ勝ち目が少し見えてきたこの段階であえて討ち入りの大義を表明しておく。
いよいよ正面玄関からの突入であります。
かかれ!
(一同)おー!号令一発表門隊近寄っていった。
玄関と向き合っている。
さあぶち破って突入した。
いよいよであります。
吉良側の迎え撃とうとする家臣たちを完全にぶっ倒して一気に吉良の寝室を目指していくのか。
真っ先に向かったのは武器庫であります。
さあ何をする?お?弓のつるを切断し始めました。
これは考えられた作戦だ。
カメラが寄った。
徹底的にこの弓のつるを切り続けています。
無力化を図っている。
更に槍も折った。
全く使い物にならない。
またしても抜かりないぞ大石。
勝つためにはここまで動きを練っていた。
一方吉良の家臣が寝室に向かっている。
殿!殿!殿!ごめん!ごめん!殿!殿!
(吉良上野介)何事じゃ?赤穂浅野家の仇討ちにございます。
仇討ち?ただ今応戦しておりますゆえご避難召されませ。
なぜわしが逃げねばならぬ?この大平の世に仇討ちなど時代錯誤もはなはだしい。
やつらはただの賊じゃ。
仰せのとおりでございますが…。
長屋の家臣を全員集め1人残らず斬り殺せ。
それがどうやら封鎖されたようなのです。
我が主家の家臣は20。
敵は100以上との事。
何?
(家臣)ご避難召されませ。
しょせんは赤穂のあほう侍。
恐るるに足らぬわ。
えい何をしておる!さっさと弓持て槍持て!
(一同)はっ!さあ長屋の吉良の100人以上の家臣は相変わらず閉じ込められてしまった。
屋敷内に残っている家臣は20人ほどであります。
これは赤穂浪士にとってかなり有利な展開となりそうであります。
おお?吉良の家臣たちが目を盗むようにして向かっていったのは武器庫であります。
時すでに遅し。
自分の刀以外の武器は全く使えない状態だ。
これでは赤穂浪士の一人勝ち状態になってしまう。
表門と裏門両方から吉良邸に侵入した47士。
ここから怒涛の展開。
果たして吉良を討ち取るのはどのタイミングなのか。
そしてその衝撃のラストとは…。
討ち入りについに気が付いた吉良。
そして逃げる前に吉良をなんとか仕留めたい赤穂浪士であります。
さあそしてこのあと今までのドラマとは違う結末に向かっていく。
はい急にスタジオに下りてまいりました。
いかがですか?なんか僕の常識で『忠臣蔵』はもうわかったって思ってたものがあまりに違うのでこれ見て前のもう1回見てみたいなのを繰り返していくとああここはドラマチックにするために作ったんだみたいな事もまた逆に面白いような気するんですね。
やっぱ太鼓あった方が歌舞伎的には絶対盛り上がるじゃないですか。
そりゃそうですよ。
でも今みたいな時代になればやっぱりない方がリアルだったりとか。
僕ちょっとそこをまた見比べてみたいなって思ったり。
あのいくつもあると思いますけど例えば長屋ですね。
100人以上の家来たちがいてあそこを封じ込める事に成功した事が全てにつながってるわけですよね。
あそこで封じ込められなかったらもう全然ダメですから。
どうして大石はかすがいで封じ込める事を思い付いたんですかね。
いい質問。
いい質問ですね。
俺は池上彰かって…。
いい質問ですね。
ここは先生にお伺いしましょう。
はい。
本当に封じ込めが可能だったのかも含めてどうなんですか?あのねどこの大名家でもあの構造になってるんです。
大名の屋敷っていうのは実は戦場における陣小屋になぞらえて主君を…本陣を真ん中に置いて周りにコの字形もしくはロの字形に長屋を造りまして周りは家臣を固めてる形にするんです。
それで家臣のほとんどは実は中間と呼ばれる荷物運びと足軽と言われるまあ大体アルバイターなんですよ。
これは死ぬところまでやらなくてもいいんです。
特に中間と言われる荷物運びの人たちは人数は多いんですけど戦闘参加義務がない。
軍隊に対する兵站みたいなものですね。
兵站部隊なんで戦闘参加義務がない。
一方足軽はこれは戦闘参加義務あります。
あるけれどもこれフリーアルバイターなので身分が軽いので討ち死にするところまで必ずしも期待されてないうえに足軽には物頭という武士の上司がボスがやってきてお前たち部隊を編成したぞはい槍を支給するぞさあ戦闘に参加しろって言われないと参加しないんです。
そもそも自分の武器さえ持っていないので。
だから武器庫を破壊し足止めをしちゃえば足軽は自分は武器を持っていないので兵士と同じなのでね戦闘に参加してこない。
これはもう当時の武士ならみんなわかっていた。
だから夜寝ている時にやってこの作戦をすればいいと思い付いたところが大石の勝利の第一歩なんです。
そこですね。
で更に言うならばそうやってそこまで最終最後まで命を賭す必要がないという意識を持ってる人たちに向かって閉じ込めたぞみたいな事言ってるんですよ浪士側はね。
知らせてるんですよね。
そうです。
わざとやってあげてるんです。
閉じ込めたぞと言われたら閉じ込められた…本当はね破って出られるんです。
そうですよね思いました。
なんで出てこないんだろうと…。
破って出たのはほとんどが中小姓という人たち以上で士分と言われる人たち。
これはねはかまをはいてるんです。
はかまをはいて2本を差してる二本差しの人たちは士分で中小姓以上と言われる普通の侍の身分の人たちは戦闘参加義務があるので死に物狂いで蹴破って矢を撃たれようが何しようが出ていってます。
この人たちの死傷率は非常に高くてですね。
ほとんどの人が死ぬかけがをしている。
なるほど…。
(磯田さん)一方足軽や荷物運びの人たちはですね死者はわずか1名。
だから80どころじゃなくていたのに死者1名ですよ。
ですから実はこれは身分制度の軍隊の盲点を突いた戦いなんです。
突いたんですね。
更に閉じ込めたぞっつって。
その理由があるから閉じ込められていていいよねっていうのをちゃんと促したんですよ。
アルバイトの頃とかでもストでバスが止まりました。
止まったんじゃしょうがないよね。
そういう事です!店長とか正社員はそれでもなんとかして来るけどだってバス止まったんだもんね。
しょうがないよね。
俺ら悪くないよねっていうのをちゃんと作らせたんですよ。
本当だったらもっと出ていってもいいんですよ。
すごい用意周到な考えですね大石の。
驚くべき周到さでしょ。
(名取)そうですね。
それと心理戦っていうか数を多く言ったりとか。
出てきた者は殺してしまうけど出てこない女はそのままにしておけみたいに言って出なければ助けるぞみたいな情報を敵に流して自分たちの兵の数も多いみたいな事で陽動しちゃうわけですよね。
(磯田さん)大石は本当によく兵法がわかってて心理戦の王者と言ってもいいぐらいで要するに人間って一番緊張感があってそれが終わったああうまくいったっていう時が一番油断するんですよ。
大石がやった事っていうのは普段は吉良は上杉邸にいる。
で大石が襲ってくるならば路上だと。
だから吉良の足軽たちもみんなものすごい緊張感で吉良を…路上を輸送して護衛してやってきてああ部屋の中まで帰れた。
もう今日は安心だと思って寝たところで襲ってきたわけですよ。
大石はそこが狙いだった。
忍者の本だろうが兵法の本だろうがみんな書いてる。
当時のはね。
一番人間っていうのは緊張があってそれが無事に済んだと思った時襲えと。
それにうまくそれを実行したというのが大石ですよね。
名将と言っていい。
ここまで『忠臣蔵』の新事実を見てきましたが事の発端は江戸城松之廊下でのいざこざでした。
そこで名取さんの疑問。
松之廊下事件。
そもそも浅野は我慢出来なかったのか?すごい事なんですよ。
しかもねこれはもうまた違うアングルで見てみると…。
そもそもはですねあの江戸城で大変な京都から天皇のねやっぱり使節団がやってきてそれで幕府側と大パーティーをやるっていうね。
そういう時に大プロデューサーの全ての統括プロデューサーの吉良に向かって総合演出の後輩の幹事役のですね総合演出チーフディレクター役と言ってもいいような浅野内匠頭が松之廊下で斬り付けるっていう事が尋常じゃないわけじゃないですかやってる事が。
ここで疑問なのは例えばですよ話がポンって飛ぶようですけど浅野内匠頭ってどう思いますか?ものすごい乱暴な質問ですが。
僕はねもうちょっと頑張ってほしいなっていう気持ちがあったんですよ。
なぜかって言うと浅野内匠頭が吉良をああいう風にせずにもう仕留めておけばですよ。
あれ刀振り回したから死ななかったわけでちゃんとですね…。
そういう頑張りですか?そうです。
我慢してそういう風にしないでじゃなくて?そう。
やるなら…。
はいやるなら…。
いやちょっと待ってください。
いい食い込み方だ名取さん。
だってそうでしょ。
え?だって一応やんなきゃ良かったって言った方がいいんじゃないですか先生って事でしょ?はいそうそう…。
ところがですよ先生が言いたいのはこういう事なんです。
なんで僕が言うのかおかしいんですけど。
ね?あそこでああいう事が起きちゃったがゆえにですよあとどれだけの人が死んだんですか。
どれだけの自分の家来たちが犠牲になったんですかと47士が。
最終的には自害してるわけだから。
それ考えたらおい殿様もうちょっと…偉いやつなんだからそういう事が起きないような振る舞いしろよっていうね。
そこあるでしょ?
(磯田さん)そう武士というのは刀を抜いて相手を狙った瞬間もう抜いたら相手を仕留めるか自分が腹を切るかしかないんですよ。
仕留められてなくて逃げられてるっていうのはこれはもう大変な恥辱でだからこそ恥辱のまんまにしておけないっていうのがやっぱり大石たちにもあったわけですね。
でその尻拭いをやらなきゃいけないわけですよね。
寝込みを襲って。
それなのにそれが全部図に当たっていくってのは奇跡じゃないですか?
(磯田さん)ですね。
よく心理を読んだからで僕この『忠臣蔵』をやったドラマで閉じ込められてく吉良の長屋の中での家臣の会話を映像化してない事に欠陥があると思ってるんですよ。
過去の大河ドラマも全部そうでした。
だから戸を打ち付けられたから俺たちは出なくていいよねっていう風にお互いに言い合う顔の表情がこれまで紹介されてないんです。
だから今回初めてだと思うんですよ。
ここまで撮っているのは。
ありがたい!
(磯田さん)本当は赤穂事件が成功した要因はここにある。
だって人間が本気になって…100人ぐらいの人間がですよ背後から大石たちに襲いかかったらですよ勝てるわけですよ。
そうですよね。
しかももし蹴破った者がいてもそこには飛び道具ともう腕っぷしの人間が戸口に待ってるって状態があって吉良の家臣たちはあの長屋から出る選択をしなかったわけですね。
なるほど。
(伊集院)そうなると…。
そうなるとどんどん細かい事を知りたくなるんですけどああいうねかすがいとかねそれから相当量の金づちとかを用意する段階で何かバレたりとか足がついたりとかしそうなもんじゃないですか。
なんであれだけそろえられるんですか?ああいうものを。
そうですね。
だから一部の人は知ってたんじゃないかって事に。
そうじゃないとその人が卸問屋としていないと味方になってくれないとサポーターいないと出来ませんよね。
大工の棟梁や何かそれを用立ててたりとか。
そう。
だからそれぞれの仕事があったわけですから。
米屋にしてもなんにしてもね。
(名取)応援する庶民がいたり…。
そう。
いたと思いますね。
あと問題なのは裏門隊の方です。
さっきもねチラッと出てきましたけど火事だ!火事だ!っつって。
火事だ!火事だ!火事だ!火事だ!火事だ!火事だ!火事だ!磯田先生によるとこの作戦は当時の火事というものを考え抜いた巧妙な罠。
確かに考えたなと。
表門はしずしずと静かに静かにこちらはわざと大騒ぎする。
大騒ぎして火事だ!っつったらみんなビックリしてね家来たちが出てきたところを弓矢で弓を引いてパーンと狙い撃ちするっていうそこが作戦が図に当たっているっていえばいるわけですが。
火事っていう事がちょっと今の感覚と違うと思うんですよ。
江戸の大火災っていったら木造建築ですから一気に火の手がいきますよね。
そうなった時に鎮火するってのは2種類しかなかった。
今みたいにポンプ車とか消防車があるわけじゃないから水をどんどんかけるなんて事は100パーセント出来ないわけですから消し方は2つ。
1つはとび職の登場ですね木遣りの人たちの。
屋根に上がってやりますね大火災の時。
なんで屋根上がるかっていったらあれ壊すんですよねとびの方々。
解体するわけですよね。
つまりどんどんどんどん風向きによってこっちに延焼がくるぞという時には先に燃える資材を壊してしまうんですね。
破壊消防というやつですね。
破壊消防ですね。
まず破壊しちゃうっていう事でまずドンドンドンドンたたいて壊してるっていうところが火事だなって思わせるって事。
あとは大名がいて火消大名ってあとは祈るしかないんですよね火災現場で。
にぎにぎしい格好してきて。
だからそこにまたちょっとね大石主税がいたりする事で本当に火事なんだと思ったから大慌てで吉良の家来が焦って出てきちゃったんですね。
そうだから大石もしラグビーの監督だったらすごいと思うんですよ。
裏門でドンドンたたいて火事だっつったらそっち引き付けられますよね。
それと同時に長屋の封鎖作戦は違う側の表門がやってるわけですからこっちへ引き付けといて表門から入った人たちが自由に捜索したり閉じ込めたりする作戦が遂行出来るようにしていると。
だから陽動作戦で引き付けてるわけですよね。
ねえこっちは侵入作戦こっちは陽動作戦で大騒ぎするって見事なメリハリですよ。
僕すごい感心したのは僕らやっぱり子どもの頃にはかなりもう『忠臣蔵』当たり前のようにやってたからもうちょっと飽きちゃってるわけですよ。
なんにも知らないのに飽きちゃってて古いもんだと思い込んでたら2000年以降ぐらいの最新のテレビゲームって戦争のゲームでもステルスアクションっていってとにかくね撃たないんですよ。
とにかく敵を起こさないままなんとかリアルなゲームほど侵入するっていう図式が取られてるんですね。
それ最新のゲームなんですよ。
だけどこんな古い頃から実戦ではこういう事をみんなやってんだっていうのは…。
戦争は全てそうですよ。
不完全情報ゲームでもうわからない夜の霧の中を進んでほとんど情報がない。
3割も情報があったら戦争においてはもう満点の情報だぐらいでやらなきゃいけないものでだからそういうのを描ききったやっぱり本当の『忠臣蔵』の姿って今晩見られてるわけですね。
(伊集院)ってか先生すげえワクワクしてます?
(磯田さん)ワクワクしてます…。
子どものようになってますよ。
はい子どもの頃からこういうの見たかったんですよ僕。
よくやってくれました今日。
そうですか。
いやまだ終わってないですから。
ああ…。
確かにここまでの大石内蔵助の作戦を振り返ってみてもどれも用意周到で巧妙に考え抜かれたものですね。
いい悪いは全く別にしてあとあの口上がしたたかですよね。
なんかあの紙を持って言ってたやつですよね。
我ら浅野内匠頭が家来でござる。
今宵亡き主君のご無念を晴らさんがため推参いたした!とっくに侵入してどんどん討ち入りやっちゃってるのに急に討ち入りするみたいな宣言するでしょ。
あそこはうまく幕府を敵に回さないようなやり口なんでしょうか?あれ言わないとダメなんですか?あれ一応やっとかないとですね幕府に対して歯向かってるっていう事になるとあとあとも良くないですしまずそれを口上で言うと。
それと大声で門を封鎖しておいてから赤穂浪士の討ち入りだという風に言えばですねもう長屋の中にいる人間もですねやっぱり出ていくのやめようと。
それで自分たちより数が多いみたいに錯覚してるわけですから。
いやあ…。
(秋元)じゃあ47人しかいないとは全く思っていなくて…。
思ってない。
吉良側は朝夜が明けても100人以上いると思ってた。
あっそうなんですね。
150くらいで来たと思ってたと。
一方で夜が明けちゃいけないんですよ赤穂浪士側は。
夜が明けていろんなものがつぶさに見えてきちゃったら自分たちの勝ち目ないから。
いろんな作戦を遂行するために薄暗がりじゃなきゃいけないっていうところもあってだんだんずっと功を奏してるっていう話の流れになってますがだんだん焦りも出てきますよ。
だって吉良が見付からないんだもん。
そもそももっと言うならおしゃべりだから言っちゃいますけど吉良が見付かって大石がこうしてって定番ありますよね最後の方。
いよいよクライマックス。
違いますよあれ。
吉良が隠れてるところも違うんです。
ビックリしちゃう。
だって私吉良邸にいたんだもん。
見てますからつぶさに。
ご覧ください。
吉良邸へと侵入した赤穂浪士たち。
日の出までの時間が迫る中吉良はどこなのか?更に吉良を待ち受ける最後の光景とは?こちらは裏門隊であります。
外で家臣たちと乱戦です。
大変な乱戦模様となりました。
おっとご覧ください。
家臣1人を3人で取り囲んだ赤穂浪士。
これはどういう作戦か?目の前で斬り付けていこうとする家臣。
後ろから斬り付けました。
これをずるいと見るか。
あるいはルール無用のうまいやり方と見るか。
今の場面を再生してみましょう。
吉良家臣1人を取り囲んだ。
3人で取り囲んだ。
そして前に気を取られている隙に後ろが斬り付けた。
これはまさに一向二裏という戦法であります。
1人が向き合っている隙に後ろが斬り付けていくという後の新撰組もまねしたと言われる戦術であります。
徹底的にこの作戦が功を奏していく。
どこもかしこも3人がかりで次々と吉良の家臣を倒していくぞ。
そして今私が立っておりますのは表門であります。
こちらは動きがありません。
大石内蔵助全く動かない。
どっしりと構えています。
今大石の胸中は己が練りに練ってきた作戦これが着実に実行される事を切に祈っているのか。
寺坂吉右衛門が表門にやってきた。
裏門隊表門隊共に突入。
武器の破壊も終えました。
うむ油断するな。
屋敷の中は暗いうえに勝手がわからぬ。
妙な仕かけがあるやもしれぬ。
制圧したところから明かりをともせ。
(寺坂)はっ!うわー!ああ…。
明かりがともされている。
そして多くの吉良の家来たちがかなり倒れているわけであります。
さあこの明かりの意味は一体何を意味しているんでありましょうか。
本当に広大な廊下です。
複雑な仕組みのその造りの邸内になっております。
やみくもに突き進んだって迷うだけであります。
それを大石は完全に把握していたのであります。
明かりをともす事によって吉良を捜しやすくする。
更には万が一退却する時にも逃げの経路を確保していた事が…。
不破数右衛門だ。
それにしてもまず見えない相手には「山」「川」のあの合言葉で始まるんじゃないのか。
強いぞ不破数右衛門。
一向二裏は完全に無視状態だ。
暗い屋敷内であります。
よく見るとろうそくを持った照明役を従えて戦っております。
ここも事前の準備が光っています。
さあ3人がかりで敵が丸見えだ。
用意周到な赤穂浪士だ。
やー!やー!よし!吉良は?まだ見付からぬ。
どこにおる?行くぞ!おい!おお…!さあ吉良が寝室を出ました。
すぐそこまで来てるではないか。
ご案じ召されるな。
それがしが命に代えて殿をお守りいたします。
さあさあ…どうぞこちらへお急ぎを。
よう言うた。
褒美に何かやろう。
なんでも欲しいものを言うてみろ。
そうじゃいい茶碗があった。
まあまずはこちらへ。
ありがたき幸せでございます。
赤穂浪士たちの仇討ちに気付きどこかに身を隠した吉良上野介。
この場所こそが従来の定番ドラマでは描かれなかった意外な場所だったんです。
いよいよ物語はクライマックスへ。
侍だとのたまう粗忽者は嫌いなのじゃ。
松之廊下事件からおよそ2年。
赤穂浪士たちの仇討ちに気付いた吉良上野介はある場所に身を隠した。
この事が47士の運命を大きく変える事となるのです。
吉良はいまだ見付かっておりません。
赤穂浪士たちはかなり焦っております。
それはそうです。
後々のドラマというものを見てないわけですから浪士たちは。
吉良上野介がこの炭小屋に隠れているという事を全く知らないわけであります。
おっと?吉良はここにはおりません。
どこにいるんだ?事実は違っていたのか?
(原)裏門隊表門隊…。
ただ今屋敷内中央付近で両組合流いたしました。
そうか。
吉良は?吉良はいたのか?まだ見付かっておりません。
吉良の援軍が来ると面倒だ。
一気呵成にたたきのめせ。
はっ!思えば浅野内匠頭月命日に討ち入りは決行されたのであります。
これまでも幾人もの離脱者裏切り者が後を絶ちませんでした。
資金も底をついてまいりました。
今日を逃がしたら討ち入りそのものも消滅したとも言われています。
さあ命を賭したかくれんぼが続いています。
どうだ?いや…。
クソ!赤穂浪士たちにも焦りが見えてまいりました。
しかしながらひと部屋ひと部屋隅々までチェックしていきますがなかなか見付からない。
…とある部隊が吉良の寝室にたどり着いたのか?吉良の寝室に据えられたカメラが寄っていこうとしていますがしかしながらこの中にもう吉良はいない。
クソ!だが吉良の部屋に違いない。
必死だ。
おっ?何かを見付けたのか?
(茅野和助)なんじゃ?これは。
(大高)カステイラという南蛮の菓子だ。
今日の茶会の進物であろう。
贅沢な暮らしぶりじゃ。
節約を重んじた我が殿とは雲泥の差。
うまいではないか!人は興奮状態にある時甘いものを欲するのであります。
まだ温こうございます。
(大高)何?口にカステラが入っているために何を言っているかわからない!吉良はまだ近くにいるぞ捜せ!
(一同)はっ!このシーンは本当にあったんですか?「まだ温かい」は。
ありましたありました。
ここにも吉良はいない。
吉良は一体どこに行ったというのか?万が一この「仇討ち失敗」の文字が脳裏によぎってきたのか?天井をつついている。
そして床の間方向掛け軸の裏。
抜け穴はあるのか?かなりの焦燥感というものがこの浪士たちをさいなんでいる。
ん?茅野何を見付けた?いやこれはすずり箱でしょうか?何をしようというのか?水を差している。
おっ?墨をすろうとしている。
一体何をするのか?
(伊集院)俺の見た『忠臣蔵』にないぞそれ。
(吉良)汚い足で人の家の中を歩き回りおって。
もうすぐ正月だというのに。
これだから我こそは武士だ侍だとのたまう粗忽者は嫌いなのじゃ。
茅野が柱に貼り付けました。
カメラさん寄ってください。
なるほど。
この吉良の寝室まで我々がやってきたぞという証拠を貼り付けている。
吉良が逃げてずるいというのを世間にアピールしつつもし吉良を討ち取れなかった時のための保険にもなっているぞ。
ここは浪士たちの不安これを裏打ちしているようだ。
家老の小林平八郎清水一学山吉新八ら吉良家の剣客と言われる者どもがいまだ姿を現しておらん。
もしや吉良をかくまってどこぞに隠れたか?吉良を守ろうとする剣豪たちもいよいよ登場。
清水一学と山吉新八はどこにいるのか?そして吉良の衝撃のラストとは?おっ出てまいりました。
清水一学と並ぶ吉良家の剣豪山吉新八であります。
かかってこい!田舎武士ども!
(安兵衛)待てー!この男が登場した。
堀部安兵衛参る!おぬしが堀部か。
相手いたす。
両雄相まみえた!
(2人)でやー!
(2人)やあーっ!ううっ…!ううっ…!うっ…!吉良はどこだ?吉良を捜せ!
(一同)おー!しつこいやつらめ。
さっさと諦めて帰れ。
間もなく日が昇ります。
しばらくご辛抱を。
完全な夜明けまで残りあと30分を切った。
一向に吉良が見付からない。
大石は焦る浪士たちにどんな言葉をかけるのか?この時リーダーの器が問われている。
上野介は?どこを捜しても見付かりません。
これだけ捜していないとなるともう外へ逃げてしまったやも…。
潔く全員で腹を切り大義名分を立てる他ないという事か。
いやいる。
上野介は朝を待っている。
朝?朝にはこの討ち入りが幕府の耳に入る。
我らが引っ捕らえられるまで時を稼いでいると?諦めるなまだ時はある。
門口は我らが虫一匹通さんと守っている。
(内蔵助)外へ逃げる事など絶対に出来ぬはず。
確かに。
上野介はこの屋敷のどこかに息を潜め隠れている。
この内蔵助にはその息遣いが聞こえるのじゃ。
聞き漏らすでない。
静かに…。
静かに捜せ!方々に伝えよ。
今一度隅々まで捜せと。
静かに静かにじゃ。
吉良は必ずいる。
はっ!皆を無駄死になどさせぬ。
先生の遠い親戚めちゃくちゃ格好いいじゃないですか。
いやいやもう遠すぎて恐れ多いです。
だけど大石内蔵助は戦わないんだねって見てる方は思ってる方はいらっしゃるかもしれない。
あそこは本陣に陣取ってないとダメですか?トップは。
指揮で言わないといけないのとあと怖いのが幕府の使いが目付がやってきて戸の向こう側で「お前ら何やってるんだ」っていった場合に内側でちゃんとしゃべって外交をやって時間を稼いだりしないといけないので。
だから門の側には必ずいないといけない。
なるほどそういう事か。
それからこれだけ赤穂浪士が焦りながらも吉良を捜して焦りながらもこれだけ無傷で頑張っている。
戦って強いっていうのはやっぱりあの一向二裏作戦ですか?そうですね。
1人で…1人に対して3人で襲いかかるというねこれは今でも空軍が世界各国で使ってる作戦ですよね。
複数の飛行機で1機を倒すという。
だから伝統的に…戦場で恐らく練られてきたものだと思います。
武士たちが合戦場で協力し合って敵を倒すとかいうような非常に実戦的な時代の武士ですね。
(秋元)それは卑怯だとかそういう感じにはならないんですかね?もう正しい戦法として…。
勝つのが正しいっていうのがやっぱり戦国武士のまだ気風が残っているわけですね。
さっき名取さんがポツリとねつぶやいて本当に残酷っていうねタッチの事をおっしゃったけどもやっぱり殺し合いですから無残残酷ですよね。
そうですね。
たまたま…なんだろう?自分が仕えてた家が…雇われててそこに来たら戦わなきゃならないとか。
いくら主君とはいえなんかこう今見てると殺されていった吉良家のあの家臣たちとかにだって家族もいるだろうし。
その人たちに直接何か罪があるわけでもないのに上の方がこうなんかやると関係…関係ないっていうか直接罪咎のない庶民が苦しむっていうのはなんだかなんか胸が痛いなと思っちゃいました。
本当そうです。
だからこそ民主主義なる知恵が生まれたとは思うし。
民主主義も全然万全じゃないから今も封建制とは違ったっていろんな悲しみが渦巻いてる世の中でもあるっていう。
(磯田さん)赤穂義士の方も槍でバッて刺してですね吉良側の家臣を。
で抜いて後ろを振り返って去ろうとしたらもう出血多量で死ぬ事がわかってるわけですね。
後ろの背中から「南無阿弥陀仏」って突いた相手の言葉が聞こえたのが最後まで耳元に残ってるって書き残してますんで。
悲惨な戦いなんですだから。
片や戦いと言えばなんでもありで一向二裏作戦は功を奏したという捉え方になります。
殺し合いだと見たらなんでこんな事やらなきゃいけないのと。
好き好んでやってないじゃない本当はっていう。
いいかげんにしなさいよとも思えるし。
幾層にも断面がありますねいくつも。
確かに今の時代では考えられない襲撃事件としての側面もある『忠臣蔵』。
ここで…。
赤穂浪士がこの部屋まで来たぞっていうのを残したじゃないですか。
茅野が柱に貼り付けました。
カメラさん寄ってください。
なるほど。
この吉良の寝室まで我々がやってきたぞという証拠を貼り付けている。
ああいうのを残しておくっていうのは意味があるんですか。
よくありますね。
忍者の教科書にも書いてあります。
忍び入ったらここまで来たってちゃんとなんか打ち込んどくという。
だからもし吉良が見付からなくて全員で切腹した場合にもここまでの事はやったという風に世間に言いたかったんでしょうね。
きっちりやる事やってますよっていう事ですね。
(秋元)証しとして必要なんですね。
コンサートで疲れたって握手会やりますよと。
絶対そういうところで。
握手会じゃ大評判な方ですから。
そんな事ないです…!全然。
握手会の釣り師って言われてるぐらい評判がいいんでしょ?知ってくださってる事にビックリしました。
司会者は本能的に勉強します。
(秋元)ありがとうございます。
(磯田さん)あれ…あそこまで踏み入ったって事になると大石がたとえ討ち取れなくても吉良へ処罰される事を期待してるわけですよ。
大勢に部屋に入られたうえにこれだけの荒らし回りをやったら武道不覚悟という烙印を吉良は押される事になる。
だからたとえ吉良を討ち取れなくても幕府や世間からもう吉良はあいつは武士の風上に置けんほど弱いやつだという風に思わせるためにやったと思うんですね。
だから広告代理店並みの感覚も持ってるわけですよ彼らは。
なるほどいろいろ考えてますね。
もう本当にこういう事になるとグジャグジャで『京都地検』に出てきてもらうしかないですねもう…。
本当に善悪なんてわからないですよこうなったら。
確かにこの『忠臣蔵』時代の移り変わりとともに捉えられ方は大きく違います。
江戸時代は仇討ちという事でご法度の側面。
しかし明治天皇は浪士たちの忠義を愛したとも。
そして戦後GHQは忠義をたたえたこの話を禁制したとも言われています。
だからいつも一方向から我々はそれはそれで1つのねドラマチックなものとして娯楽として楽しませてもらってきた事は感謝だけどもやっぱりもうちょっと冷静に見なきゃいけない部分も歴史上あるよね真実はっていう事の趣旨でこうやってやってるわけです。
ですからそもそもがまあ先生の前で釈迦に説法で申し訳ないんだけど明治政府以降なんですよ。
やっぱりこの『忠臣蔵』っていうのが更に活況を呈してきたっていうのは。
忠誠心っていう事で。
やっぱり時の政治模様なんかと必ずねそういうものに利用されるっていう宿命があるのかな?やっぱり。
そうじゃなかったらそもそももしかしたらとんでもない事しでかした普通じゃない偉い自分たちのお殿様があんな風に自害させられたとなるとあの当時の御霊信仰っていうのがあって怨霊となって自分たちがたたられる。
世界が変な事になってしまって飢饉が起きたりする。
だから自分たちが仇討ちでもしてきちっとその殿様の魂を静かな御霊になってもらって子々孫々を守ってもらうように仕事嫌々でもやらなきゃいけない事情があったっていう説は私は引かれるんですよいろんな説があるでしょうけど。
先生いかがですか?いやそのとおりだと思います。
どうして討ち入ったのかっていう話になった時にやっぱり一番大きかったと僕は思うのは殿様が「春の名残をいかにとやせん」。
要するに心残りでしょうがないと。
俺腹は切るけれども吉良を討ち漏らしてるしおうちはどうなるかわからない浅野家は…っていって大石内蔵助は浅野家を続かせてあげる再興してあげるっていう義務ともう1つは討ち漏らした主君が吉良を…命を奪わないとちゃんと殿様の残した命令に従った事にならないと。
死者の方が生きてる者よりも雄弁なのが実は江戸の社会なんですよ。
自分の父親いや更にもっと上の先祖。
死んだ主君がこうしろって言ったものは生きてる人間が言うよりも家来たちを捉えるんですよ。
今はそれに違和感がある時代だけど考えてみたらあの世があると信じられてた時代だから。
あの世に行った人の命令がものすごく息付いてるんですよね。
(磯田さん)そうなんですそうなんです。
だから上の…今はね現代社会だと赤ちゃんをちゃんと面倒見ないとかいうのが本当あれはけしからんって日本中の人たち思うけれどもそれと同じように逆の方向。
上の世代死んだ人に対してちゃんと義務を果たしてないっていう事があの野郎けしからん人間じゃないってみんな思ってる時代なんですよ。
ですから主君があんな恨みを残して死んでるのにそれに応えてあげないのは今で言ったら育児放棄に近いわけですよ。
今の感覚からしたら。
だからもう生理的にどうしようもない。
吉良を討ち取って亡き主君の気持ちに応えるっていうのが世間もそう思ってたし武士たちもそう思っていたと。
だから47士も本音中の本音はいろんな思いが十人十色千差万別あったかもしれないけど逆にいろんな思いを抱えながら1つじゃないのに団結したっていう。
やらなきゃしょうがないよね。
自分たちは就職先を見付けたわけじゃないしもうやるしかないよね。
脱落したやつも多かった。
だったら自分たちだけで団結して最後の仕事をやらざるを得ないってなったところにいろんなものを背負い込んでたんだなと思いますね。
(磯田さん)そうです本当に行き場を失った人たちですよね。
もう要するに主家…要するに生きる空間空気がなくなったのと同じ人たちですから。
だからそこにしか行き場がなかった…。
精神的にもギリギリの戦いだった47士。
そしていよいよ吉良を発見。
その場所で吉良は思いもよらぬ最期を遂げる事になります。
果たして『忠臣蔵』の新事実とは?ただ僕は討ち入りしたやっぱり義士の方も吉良を討ち取る以外にはそんなに主要目的はなかったので倒れてもう戦闘不能になった人間を首を刺したりですねそういった事でとどめを刺した形跡はないですね。
なるほど。
その辺りの事も…惻隠の情と言っていいかどうかわかりませんがやっぱり善善って言われてた方にも善じゃないところがしかと存在します。
悪悪と言われてた吉良側にも悪ではないところもね散見されます。
やっぱり人間模様なんですよね。
そこをやっぱりこの赤穂の両国事件は赤穂浪士のこの討ち入りはそういう風に多角的に見ないとダメですね。
あとその日以来行方不明になった吉良家の士分の者たちも結構いるんですよ。
要するに逃亡してるわけです。
なんか誰に感情移入するかの時に昔なら俺単純に47士の誰かに感情移入してたけど今会社でいけ好かない上司なんだけど俺こいつ守らなきゃいけないんだよね。
もうみすみす負け戦ですけどっていう立場の人はもしかしたら吉良を守ってた人の中に感情移入が強い人だっていますよね絶対ね。
そうですよ。
そう考えるとかなり深いですね。
47士の吉良捜索も続き夜明けまであとわずか。
いよいよ実況ドラマもクライマックス。
両者のさまざまな思惑が飛び交うところですが…。
その前に…。
ここで気になるのは吉良を討ち取る最後のシーン。
実はここにも定番のドラマとは違う新事実があったんです。
従来のドラマでは炭小屋に隠れていた吉良を見付け出し庭へ引きずり出します。
このうえはこのお刀をもって尋常のご生涯のほど願わしゅう存じまする。
いやじゃ。
わしはいやじゃ。
なぜこのわしが…。
吉良殿!この期に及んで…卑怯!自決を求められた吉良はこれを拒否。
最後は大石内蔵助によって討ち取られます。
炭小屋でどうしたって吉良は見付かって大石と相対峙するというね大団円が必ずドラマでは付きものなんですけどそのシーンはなかったんですよ。
(名取)ないですね。
なんか女物の着物着てるとかね。
掛けをかけてるとか。
そうちょっとなんかこうわからないようにしたとかね。
ところが実際は厨房。
台所の奥の方からそこの倉庫ですね。
そこに隠れていたわけですよね。
全く違う形でリアルにリアルに事が進んでるようなんですよ。
吉良はどういう最期の遂げ方をしたのか?クライマックスをご覧いただきます。
吉良は炭小屋にはいませんでした。
という事は『忠臣蔵』で有名な炭小屋シーンは全くなかったという衝撃的な事実が浮かんだのであります。
では吉良はどこに身を潜めていたのか?誰が見付けるというのか?はたまた吉良の最期はどうなってしまうのか?おっと台所付近で動きがあったか?どうだ?いえこちらにも。
お静かに!気配を感じたのか?見付けたか!おっ吉良食器を投げて応戦している。
卑怯者!潔く出てまいれ!しかしながら外からは暗くて中に誰がいるのかはわからない。
おっと身代わりとばかりに家臣の1人が飛び出していった。
吉良から目をそらせようという作戦であります。
しかし多勢に無勢だ。
赤穂勝利。
おっもう1人出てまいりました。
清水一学殿とお見受け申した!さあ吉良家最強と言われる清水一学。
清水は動いてみせる。
吉良から目をそらそうという作戦だ。
清水強いぞ。
赤穂浪士ゴール目前にいたしまして大きな壁にぶち当たったか?うわー!くっくっ…今じゃ!出た!一向二裏戦法。
これでやられたか?清水。
ああ…!でかしたぞ吉右衛門。
剣豪清水一学3人がかりを前にしてはあっけなく沈んでしまった。
他を当たるぞ。
はっ!いやしかし…。
何か感じたか?浪士の間十次郎台所の倉庫に引き返した。
(間)はっ!刺した。
刺した。
やみくもに刺している。
吉良を捉えたか?これだから武士は大嫌いじゃ…。
吉良上野介の最期は実にあっけない幕切れでありました。
吉良殿でしょうか?着物は高価そうだが。
どけ!こ…この傷は…。
亡き殿が殿中にて斬り付けた刀傷。
そうです。
きっと殿の刀傷です。
連れてきたぞ。
離せ!離せ!捕らえていた吉良の家臣を連れてまいりました。
殿…。
殿!吉良だ!殿…。
(呼子笛)
(呼子笛)おお…!おい…そうか…やったぞ!あの笛は!片岡殿!吉良が見付かったぞ!でかしたぞ。
大手柄だ。
ありがたき幸せ。
皆もよう働いてくれた。
よくぞ見付けてくれた。
勝どきを上げよ。
えいえい…。
(一同)おー!
(一同)えいえいおー!吉良邸突入から1時間半。
浪士側で大けがを負ったのは2名のみであります。
1人の死者も出す事なく吉良の亡きがらを囲む事となりました。
(一同)えいえいおー!えいえいおー!見事本懐を遂げた47士。
これまでの定番ドラマではこのあと浪士たちは泉岳寺に向かい主君浅野の墓に吉良の首を捧げるのが定番ですが実はその道中にも意外な新事実があったのです。
松之廊下事件からおよそ2年。
大石内蔵助の慎重かつ大胆な数々の作戦が功を奏し見事吉良上野介を倒した赤穂浪士たち。
このあとは亡き主君浅野内匠頭の墓のある高輪泉岳寺へと向かいますが…。
今のようにワイドショーがないですから。
だけど江戸中大変だったでしょうねこの話のあとは。
その泉岳寺に行く道程道筋でもえらい事だったでしょうね。
(磯田さん)そうですね。
まあもう本当にその段階でも大石たちは現実主義者たちですから後ろから上杉なんかの追撃があるんではないかと後ろを十分警戒しながら進んでいくわけですね。
もうその頃には見物人がみんな集まってきてワーワーこう拍手たたいたりよくやったとかいう声が飛んでるんですけどまだ臨戦態勢で泉岳寺へ向かうっていう。
なるほど。
泉岳寺のお寺さんの…お寺の中にはお坊さんがいっぱいいらしたそうで。
そしたらお坊さんたちがワーッて取り囲んで…。
来た時にもう評判がパッて今でこそねネット一発ですけどでもその当時だってもう情報はいくでしょ。
お坊さんたちがサインくださいっつってサイン攻めだったそうですよ。
(一同)えー!今でいうサイン攻めだったそうですよもう赤穂浪士たちは。
でもちょっとして一拍置いてからお坊さんたちはやっぱりある面で見たら殺し合いである。
ね?人の命を奪う殺生するの絶対ダメだっていう事でまた違う感想を述べ始めるそうですが…。
勝どきを上げよ。
えいえい…。
(一同)おー!
(一同)えいえいおー!えいえいおー…!このあと赤穂浪士は吉良邸をあとにするわけでありますが実は当初は泉岳寺への行軍は予定していませんでした。
吉良邸前の寺回向院で沙汰を待とうとしておりましたがしかし血まみれの浪士を寺は拒んだ。
結果10キロ先の浅野内匠頭の墓前へと急きょ向かう事にしたのであります。
殿…。
吉良はズブッと刺されちゃうわけですね。
はい。
その刺された時に後に幕府が検視結果を見ると両手に刃物の痕があるんで恐らく刺されたやつを必死で素手で押さえて引き抜いて…。
防御創ですね。
防御創があるのでそれでも刺されても生き延びようとした形跡はあると思いますね。
気の毒ですよ吉良も。
47士たちは本当にもうもう足がもう出ないと。
疲れきってけがも含めてっていう。
あるいはお年寄りの人そういう方はかごに乗るんですよ。
今で言えばタクシーに一部乗っていくようなもの。
10キロ先のこの泉岳寺に向かう事にして。
みんな尾羽うち枯らしながらここへ来て最終的に墓前でという事になるわけですね。
皆さんご覧なってていかがでしたか?斬り合いは怖いですね。
死んじゃうのはいやですね。
もう本当吉良超悪者ずるい。
ね?赤穂浪士いい者って言われてきたけどそれはそれとしてもやっぱり違う角度で見たら殺人事件ですから。
復讐の連鎖って事がこういう事で仇討ちで生まれるんだから冷静に見るべき部分は今の時代に必要な気がするんですよね。
ついに本懐を遂げた赤穂浪士たち。
しかしこうして事実関係を見てくると新たな疑問も出てきます。
『忠臣蔵』といいます。
でも果たして浪士たちは殿への忠誠心のみでこんな討ち入りを果たしたんでしょうか?更にもう1つの疑問。
残ったのはこの屋敷内に残ったのは死体の山です。
長年言われてきた赤穂浪士は善吉良は悪。
果たして勧善懲悪だったのか?2016/12/10(土) 20:54〜23:06
ABCテレビ1
古舘トーキングヒストリー 〜忠臣蔵、吉良邸討ち入り完全実況〜[字]

古舘伊知郎が吉良邸に潜入し『忠臣蔵』を完全実況!!
東映全面協力のもと、ドラマと実況が融合した前代未聞の歴史バラエティが誕生!
吉良邸討ち入りの新事実が明らかに!

詳細情報
◇番組内容
■古舘伊知郎が≪歴史の謎×ドラマ×実況≫という新しい枠組みで新境地に挑む!!★事件直前の江戸に潜入した古舘が、吉良邸討ち入りの新真実を明らかに!★東映京都撮影所全面協力のもと再現された吉良邸の豪華セットを舞台に、主人公大石内蔵助役に緒形直人、吉良上野介役には西村雅彦、原惣右衛門役に笹野高史をむかえ超豪華キャストで討ち入りシーンを新撮!★ドラマと実況が融合した、常識を覆す全く新しい忠臣蔵がここに誕生!
◇番組内容2
■今回、古舘が時を超えた前代未聞の実況中継に挑む現場は、元禄15年(1702年)12月15日、未明の江戸。最新CGにより現れた当時の町並みや、東映京都撮影所に再現された吉良邸の豪華セットを舞台に、臨場感あふれる討ち入りの模様をつぶさに伝えていきます。★さらにスタジオでは古舘を司会として、女優・名取裕子、伊集院光、乃木坂46・秋元真夏、歴史学者・磯田道史が忠臣蔵を熱く語ります。どうぞ、ご期待ください!