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書き起こし SONGSスペシャル「薬師丸ひろ子〜高倉健さんが教えてくれた映画のすべて〜」 2016.12.10

あの人がお姉ちゃんを殺したから。
私薬師丸ひろ子は13歳の時「野性の証明」で映画の世界に飛び込みました
覚えてるか?分かんない。
出会ったのは銀幕の大スター高倉健さん。
私の運命を変えた人です
高倉さんのもとで始まった女優人生。
高倉さんは人としての生き方も教えてくれる私の恩師になりました
私は映画だけでなく映画音楽の魅力も高倉さんに教わりました。
今日は私の大好きな映画音楽を歌います。
「SONGSスペシャル」女優として歌手として私が映画と共に歩んだ軌跡です
先月私は高倉さんとの思い出が詰まった町金沢を訪れました
私のデビュー作「野性の証明」
お前何見たんだ?頼子ちゃん。
知人が私の写真を応募した事で偶然女優になった私
死んだお父さんやお母さんの事思い出す事ない?覚えてません。
とにかく芝居をするのがやった事がなくて恥ずかしくていつも…
主演は日本映画界のトップスター高倉健さん。
雲の上の存在です。
私は両親を亡くした少女の役。
その育ての親を高倉さんが演じました
眠れないのか?本当の親子ではないシチュエーションですけれどもでも心の通った関係性がやっぱり画面に表れるように…なるべく13歳の女の子がそのままそこに映し出されるようにという工夫を随所にして下さっていたように思います。
お父さんの誕生日だからってケーキ買ってきたのに落としちゃった。
ありがとう。
ごめんなさい。
泣く事ないじゃないか。
おいしい!食べよう。
ねっおい。
どうしたの?
この金沢には高倉さんとの思い出の場所があります
宿泊していたホテルの近く。
撮影の1か月間高倉さんと毎日通った喫茶店です
こんにちはおじゃまします。
38年前と変わらず優しく迎えてくれたのは…
高倉さんは撮影のない時はいつも私を連れてここでコーヒーを飲んでいました
子供だった私はコーヒーが飲めずいつも高倉さんの隣でココアを飲んでいました
ありがとうございます。
ありがとうございます。
いただきます。

 

 

 


おいしいです。
ここの駅弁おいしいんですって。
ふだんは冗談を言って和ませてくれた高倉さん。
しかし緊迫したシーンの撮影になると周りに人を寄せつけませんでした
中でもクライマックスに向け気持ちを高めていく姿は私の目に強く焼き付いています
子供でもそれがいつもと違うっていう事は分かるものすごくこう何て言うんですかねそばに寄るのも怖かったです。
私にもそういう姿を見せてある種の緊張感というかそういうものを与えて下さったようにも思うし。
頼子来るな!お父さ〜ん!
(銃声)
高倉さんに必死に食らいついて演じました
頼子!頼子!お父さん…ありがとう。
映画の主題歌「戦士の休息」。
愛する人との別れを歌ったこの歌が高倉さんはお好きでした

今回高倉さんへの思いを込めて初めて歌います

当時映画についていろいろ教えて下さった高倉さん。
戦争で傷ついた兵士の物語「ディア・ハンター」を私に薦めてくれた事があります
高倉さんはラストシーンの音楽の使い方に感銘を受けていました
高倉さんから教わった映画音楽の魅力。
改めて聴くとやっぱりすてきな曲が多いです
私の思い出の曲は「ベンのテーマ」。
小学生のころ初めて子供だけで見に行った映画です
それから「愛のバラード」。
ミステリアスな映画で響く美しいメロディーに心奪われました。
そして当時女性として憧れたのがオードリー・ヘップバーン
作り事の世界の中でもきちんと今そこにいる人生きている人っていう事を表現できるのがオードリー・ヘップバーンじゃないかなと思います。
私の大切な記憶を呼び覚ます映画音楽。
3曲メドレーでお聴き下さい
快感…。
高倉健さんと出会い私は映画女優の道を歩み始めました
そしてこの映画の主題歌で歌手デビューします。
戸惑いながら歌い始めた私がそれからずっと歌い続けたのは偉大なミュージシャンとの出会いがあったからです。
音楽家として映画を愛し主題歌に情熱を注いでくれました
その後も私は時代を切り開く一流のミュージシャンたちと出会いたくさんのすばらしい歌を頂きました
映画と共に私が青春をかけた大切な主題歌を聴いて下さい
女優女優女優!勝つか負けるかよ。
「Wの悲劇」で女優の卵を演じたのは二十歳の頃。
私はこの時主人公と同じように人生の岐路に立っていました
人にこういうふうに泣きなさいとかもっと泣きなさいとかこうやって笑いなさいとかそういうふうに言われる仕事は嫌だ。
解き放たれた時心に浮かんだのは私に初めて映画の魅力を教えてくれた高倉健さんの姿でした。
そして1年後私は再び映画の現場に戻る決意をします
今度は人に言われてではなく自分の意志で女優の道を歩むと決めました。
私の人生の転機にユーミンが贈ってくれた大切な歌です。
「Woman”Wの悲劇”より」

80歳を過ぎても生涯演じる事をやめなかった高倉健さん。
周りへの気配りを欠かさない方でした
私は幸運にも高倉さんの最後の現場を拝見する事ができました
どうしてラーメン屋やるのかなと思って。
スタッフの皆さんには食べて頂きました。
すごいね。
あなたが店を出すわけじゃないんだよな。
まだちょっと修業が足りないんで。
33年ぶりに私に見せてくれた演じる姿。
それは私への最後のメッセージになりました
気が付けば私は出会った頃の高倉さんの年齢を超えてしまいました。
今はあの時の高倉さんの気持ちが少し分かる気がします
高倉健さんとの出会いで始まった女優としての人生。
そして歌手デビューから35年がたちました。
原点の歌です
2016/12/10(土) 22:20〜23:04
NHK総合1・神戸
SONGSスペシャル「薬師丸ひろ子〜高倉健さんが教えてくれた映画のすべて〜」[字]

歌手デビューして35年、女優として歌手として 第一線を走り続けた薬師丸ひろ子。恩師・高倉健さんとの思い出を語り、映画音楽の名曲を歌う!「セーラー服と機関銃」ほか

詳細情報
番組内容
歌手デビューして35年、女優として歌手として 第一線を走り続けてきた薬師丸ひろ子が恩師・高倉健さんとの思い出を語り、映画音楽の名曲を歌う!彼女が健さんと出会ったのは13歳のとき、デビュー映画「野性の証明」の現場だった。今回、薬師丸は健さんとの思い出をたどるため、映画のロケ地・金沢市へと旅に出た。また「セーラー服と機関銃」「探偵物語」「ムーン・リバー」など、彼女にとって大切な映画音楽を熱唱している。
出演者
【出演】薬師丸ひろ子