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書き起こし クローズアップ現代+「どうなる?たばこ“新ルール” 広がる波紋」 2016.12.14

たばこを吸う人!吸わない人も!ハイ注目。
まず吸われる皆さん!行きつけの居酒屋さんでの一服が「禁止!」になるかもしれませんよ。
吸わない皆さんも「臭い煙たい」だけじゃありません。
たばこの煙を吸い込む「受動喫煙」の健康リスク。
一段と深刻である事が明らかになったのです。
事態が動いたのはこれ。

 

 

 


厚生労働省が打ち出した法律のたたき台。
全国の公共施設だけでなく飲食店や遊技場を全て「原則禁煙」にするというものでした。
たばこが苦手な人の多くは大歓迎!喫煙者や飲食業界の一部は猛反発。
たばこの規制がゆるいと言われてきた日本。
そしてたばこ会社が投入したあの新商品の行方は?議論百出のたばこ規制。
何がどう変わるのか徹底検証します。
(アナウンス)SeeyouinTokyo!皆さんご存じでしょうか?実は深〜い関係があります。
「たばこの無いオリンピック」を掲げるIOCの意向を受け開催国は喫煙を法規制するのが通例となっているんです。
例えばブラジルやイギリスでは学校や病院といった公共施設だけでなく飲食店は全て禁煙。
罰則付きの法律で厳しく定めています。
では日本はどうかというと…。
たばこの自動販売機に興味津々のこちらの女性。
東京のたばこ事情を視察するためにやって来ました。
マッカイさんの目に東京はどう映るのでしょうか?都内でよく見られる喫煙スペース。
屋外での分煙は世界にほとんど例がなく進んだ取り組みと評価を得ました。
次に訪れたレストランでその評価は一変しました。
この店ではたばこを吸わない客のために喫煙スペースから煙がもれない分煙に力を入れています。
これに対しマッカイさんは……と厳しい意見を口にしました。
日本の法律では建物内の禁煙はあくまで「努力義務」。
罰則もなく世界でも遅れていると言われているんです。
日本の対策に注目が集まる中今年10月厚生労働省が受動喫煙防止に関する法律のたたき台を発表しました。
完全に区切られた喫煙目的の部屋であれば設置が認められるというものです。
…を適用するというこれまでにない厳しい案となっています。
ところがこのたたき台が波紋を広げています。
病院や大学飲食業界の関係者を集め公聴会を開いたところ反対の声が次々と上がりました。
中でも強い危機感を表したのが飲食業界。
喫煙客が減り売り上げが低下する事を懸念していました。

(カラオケ)原則禁煙に反対する店の1つ東京・新宿にあるカラオケバーです。
常連客から……という声が上がりました。
9坪しかないこちらの店では喫煙室を作るスペースや資金に余裕はないと言います。
では店内が禁煙になった場合…100m先の喫煙所まで歩かなければならないのです。
オリンピック開催を契機にわき起こった新たな禁煙ルールの議論なんですが新たなルールのたたき台もう一度ご紹介しますと公共施設が建物内禁煙もしくは敷地内禁煙。
居酒屋やパチンコ屋さんなど遊技場でも喫煙室の設置は認めているものの原則禁煙という案が公表されましたがかつてたばこを吸っていたゴリさんどうですか?もうここまで厳しくなるとやめてよかったなって思うぐらい吸ってる側はつらいですね。
だって僕ほんとにスタッフとか周りで吸ってる方も多いですけれども昔なんて自由でどこで吸おうが文句言われなかったですがもう喫煙場所探しては狭い所でギューギューでサラリーマンがこうやって吸ってたりするとなんかかわいそうに見えて。
今の時点でそうだっていう事ですもんね。
ただでさえ日本って僕は厳しいと思ってたら先ほど日本は他の国に比べたらルールが一番ゆるい国だというのに驚きました。
そうなんですよね望月さんね。
では身近な例でどうなるのかっていうところを見ていきたいんですがこちら。
ゴリさん例えば居酒屋さんの外の敷地内だったらどうでしょうか?
(ゴリ)いやOKにしましょうよ。
僕は何なら居酒屋の中でもOKにしてほしいというか居酒屋とたばこっていわゆる当たり前というか…なんか。
居酒屋でたばこ吸えなかったらどうすればいいんだろうというか。
体育館使っていいけどスポーツ禁止って言われてるみたいな感じでそんなバカなって思っちゃうんです。
あと例えばマンションのベランダはどうですか?多いですよねベランダで吸っている方も。
赤ちゃんがいるとか奥さんが嫌だとかでベランダで吸う友達も多いのでベランダもOKにはしてほしいですよね。
いっぺんに見ていきましょうこちら。
(ゴリ)ウソだもう〜。
居酒屋さんの外の敷地内は?望月さん。
お店の中は禁煙であっても外はギリギリOKかなという事なんですが先ほどゴリさんがおっしゃった居酒屋とたばこは分けられないだろうという議論なんですが世界で初めて全国の禁煙法を作ったアイルランドも同じ議論になったんですね。
パブと煙は分けられないと思ったら分けられたっていう事を保健省の方がおっしゃってました。
パブ文化は残ってしかも禁煙できる。
次の新幹線もだんだん禁煙になってきてますけども今残ってる喫煙車両は今のたたき台の中ではたばこが吸えなくなる。
ただし喫煙室は残されていると。
マンションのベランダはどうですか?既に共用部分と見なして規約で禁煙にしてる所もあると思います。
ただこのルールの中ではこの議論はほとんどされてないと思います。
ですのでケースバイケースかこれからアメリカなどでは集合住宅の禁煙も進んでる所もあるのでこれからの議論に待つところだと思います。
街の皆さんに新ルール案をどう考えているのか聞きました。
100人のうち賛成が67人反対は32人と新たなたたき台を好意的に受け止める人が多かったんですね。
番組でもご意見募集しました。
1万5,000を超す声が寄せられました。
「『吸っていい?』と聞かれても断れない。
法律で最初から禁止してほしい」と支持する意見が多い一方で「やりすぎ。
たばこが違法でない以上愛煙家の楽しみを奪わないでほしい」と反対する意見もありました。
さあ各地で波紋を呼んでいる新ルール案なんですが日本で唯一のたばこ製造販売企業である日本たばこ産業JTはどう見ているんでしょうか?これまで社会的なマナーの観点から分煙を推し進めてきたJT。
取材に対し受動喫煙対策の必要性は認めた上でそれぞれの事業者が選択できる仕組みが重要だと答えました。
望月さんいかがですか?
(望月)これが世界と日本の喫煙の規制に関する比較なんですけど先ほどジュディス・マッカイさんがおっしゃっていた世界は厳しめだけど日本がゆるめ。
最低レベルだというのは屋内に関してなんですね。
世界はなんでこういうふうに厳しくなっていったかというと受動喫煙の害に対する健康のリスクこれが前提となって特に屋内の禁煙規制から始まっていった。
日本はどうかというとJTがおっしゃるように迷惑とかマナーという事で言われてきたんですけどもこれはたばこ産業自らがリスクの問題健康の問題をマナーの問題に置き換えてここからスタートしたって事があると思います。
ですので前提がそもそも間違ってるって事が日本の遅れている1つの原因だと思います。
今回の新ルール案では屋内も厳しくなる。
それは世界と同じに健康のリスクを前提にした時に当然屋内の禁煙を求めていこうという流れになります。
今おっしゃって頂きましたここまで厳しくしようとする背景にはこの健康リスクというものがあるんですね。
健康問題として考えなければならない研究結果が出ているからなんです。
「がん」に関する調査・研究の国内拠点…ここではこの30年間に発表された「喫煙とがん」に関する…「受動喫煙による肺がんのリスク」が日本人を対象にした研究では初めて「確実」なものになったと発表しました。
たばこを吸っていない夫婦に比べ受動喫煙によって肺がんで死亡するリスクが28%アップする事が分かりました。
更に脳卒中や心筋梗塞などの死亡リスクも20%以上高まる事が明らかになりました。
国立がん研究センターはたばこを吸っていなくても…健康のリスクに加え現在の分煙では受動喫煙を十分に防げないと訴える研究者もいます。
たばこから出る煙がどれだけ拡散するかを調査しています。
喫煙者との距離はおよそ2m。
一見煙は届いていないように見えますが…。
たばこの燃焼によって発生したタールの微粒子が広がり離れて座る相手まで届いているのが分かります。
また喫煙エリアが分かれていても歩く時にできる気流が煙を外に連れ出す事も分かりました。
いや…衝撃的ですね。
このVTR。
え年間1万5,000人の方が亡くなられてるんですか?そうなんです。
え〜…。
という研究結果が出ているんですよね。
もともととはいえこの受動喫煙の影響というのはかねてから言われてきた事だと思うんですが何が今回違うんでしょうか?2つありまして1つは何となく害があるんじゃないかというところからはっきりと「死亡」の形で表した事。
それから今3つの疾患が表題に出てましたけどそれぞれ3割もリスクを上げる。
それから2つめはこれまで言われてきたのは海外の日本人のデータも含めての評価はされてきて10年前にもう議論は終わってたんですね。
ところが日本人だけ特殊なんじゃないかという議論もあって…その2つの意味で意味があると思います。
今回は日本人だけの結果だから確証があるという事なんですね。
そうですね。
だからもう待ったなしの状況だというスタートラインにようやく立てたと。
禁煙したもののまだたばこを吸いたくなるゴリさんどうですか?だってベランダで吸ってれば大丈夫ってみんな友達言ってるのにベランダで吸って部屋に入る移動の瞬間に部屋にポッて入ってきてたじゃないですか煙が。
そうなると完璧に防ぐってじゃあどうすればいいんだろうっていう。
そうなんですよね。
喫煙者がかわいそうに見えてきますね。
まあそういう…いろいろ喫煙者にとっては肩身が狭い中ゴリさんこちらご存じですか?
(ゴリ)もう芸人からスタッフからみんなそれ吸ってます!そうですよね。
加熱式たばこなんですけどたばこへの逆風が強まる中たばこ会社の中には健康に配慮したというこの新製品を開発し生き残りを図ろうとする動きもあります。
若者の街原宿で毎日行例ができるほど人気の商品があります。
それがこの…火をつけるのではなく…メーカーの発表では燃焼で生まれる有害物質を大幅にカットしたとされ…この会社では従来のたばこの生産を徐々に減らし将来的には加熱式たばこの販売に専念する方針です。
予想を超える加熱式たばこの大ブーム。
従来のたばこは吸えなくても加熱式たばこであれば使用を認める飲食店も出てきました。
こうした店舗を増やそうとこのたばこ会社では全国の飲食店組合を回り営業活動に力を入れています。
望月さん加熱式たばこにおける受動喫煙の健康リスクって現時点でどこまで言えるんでしょうか?実際に吸った方から出ているのはニコチンとかアセトアルデヒドなどの有害成分を含んだ蒸気でこれは水蒸気ではありません。
ですのでニコチンの依存性もありますので決して害がないとは言えないレベルが出ていると思います。
という事なんですよねゴリさん。
ほんとに今日スタッフが吸ってたので「やっぱ全然違いますか?」って言ったら「これ画期的ですよ。
たばこの臭いつくの嫌じゃないですか。
全く臭わないですよいいですか」って顔にフーッてやってもらって「あ〜全然臭わないっすね」って言ってたんですけど僕受動喫煙してたんですね。
そのリスクがあるって事ですよね。
(望月)はい。
厚生労働省たばこ新ルール案は来年法案提出を目指すとされているんですけれどこれオリンピックという事で東京だけの事ではなくて全国の事なのでよりまだまだみんながみんな納得するには難しいんじゃないかなと思っているんですが。
そうですねこれから段階を経て受動喫煙の害能動喫煙の害やめられない方への対策などを講じていく中で国民的な合意が出てくると思いますしそれからビジネス上影響のある方たちへのどういう保障があるのかという事もこれから熟議が求められると思います。
それから何よりも選択できない人たちそこで働く方たちとか選択できない環境に生まれる子供たちのために大人が責任を持ってたばこの害のない世界を作り出す第一歩だと思います。
…なんですよゴリさん。
元愛煙家としてはいかがですか?「たばこのない世界」まで言われるとたばこの良さを知ってた自分としてはつらくてですね。
だからやっぱりたばこの良さも僕は知ってたので。
でも受動喫煙の煙がどれだけ届くかとかどれだけ体に悪いっていうのも見せられるとやっぱり喫煙者がほんとに端に追いやられるんじゃなくてうまい具合に吸ってない方にも害の及ばないような何かいい社会作りが生まれたらなって願うだけですね。
一緒に考えていく。
一人一人が考えるって事は大事ですよね。
(望月)そうだと思います。
それはお互いの健康お互いの命それから次の世代にどういう社会を設計していくのかそのスタートラインだと思います。
今日はゴリさんと望月友美子さんと一緒にお伝えしました。
ありがとうございました。
(2人)ありがとうございました。
2016/12/14(水) 22:00〜22:25
NHK総合1・神戸
クローズアップ現代+「どうなる?たばこ“新ルール” 広がる波紋」[字]

「受動喫煙」を防ぐため「原則建物内禁煙にする」という厚生労働省のたたき台が波紋を呼んでいる。さまざまな意見があがる中、受動喫煙対策をどう進めれば良いのかを考える

詳細情報
番組内容
【ゲスト】日本対がん協会・医師…望月友美子,ガレッジセール・お笑い芸人…ゴリ,【キャスター】杉浦友紀
出演者
【ゲスト】日本対がん協会・医師…望月友美子,ガレッジセール・お笑い芸人…ゴリ,【キャスター】杉浦友紀