友美。
話しようよ。
（悲鳴）アハハハハッ！
（警官たち）どいて下さい！どいて下さい！確保！ええ？ちょっと…え？あれ？ちょ…胸のポケット！胸のポケット！救急車！はい！よし次行こう。
（ゆかり）はい。
１１時に反対派の代表が会ってくれるそうです。
ああ。
おい昼飯にはまだ早いぞ。
主任出ました…。
え？骨です！人間の頭蓋骨！
（主任）ええ！？ちょっと待てよおい…。
・ご苦労さまです。
警務課安原です。
はい分かりました。
尾関さ〜ん。
はい？署長がお呼びです。
（ノック）・入ります。
警務課尾関警部補。
署長のお呼びで参りました。
休め。
今朝の駅前の件はご苦労さま。
署長賞も検討してるから。
今朝の男を取り調べてたんだけどねあの男駅前で負傷した女性から以前我々がストーカーの相談を受けていたまさにその男だと分かったんだ。
相談を受けたのは生活安全課だったがなにもおろそかにしていた訳じゃない。
男に厳重注意した時二度と近づきませんと男が約束したやさきに今朝ああいう事に。
本来なら生活安全課がやるべき事だが例の人骨騒ぎで人手を取られてね。
それで代わりに君に被害女性に会ってきてもらいたいんだ。
病院に行ってだね加害者であるストーカーを厳重に取り調べている事とか今朝取り押さえたのも日頃から警戒していた最中の事だったとかを伝えてもらいたい訳だ。
本庁のやり手だった君だからこそ説得力があると思うんだがやっぱり嫌かな？こんな尻拭いみたいな事。
いえ。
（父親）あの男の事は前から何度も警察に相談してたんですよ！なのにどうして娘がこんな目に遭うんですか！？警察は何もしてくれないんですか？相談したって無駄だって事ですか？
（母親）お父さん…。
こちら今朝助けてくれた人。
男を日頃から監視中でしたが今朝は一瞬間に合わずお嬢さんにケガをさせる事になってしまい申し訳ありませんでした。
いえ。
目下男の取り調べをしてますが傷害事件として起訴される事になります。
恐らく実刑かと。
でも不安なのはあの男が刑務所を出たあとなんですよ。
ああいうやつは執念深いっていいますからね。
その事については署が責任を持って対処させて頂きますので。
（ノック）はい。
（智）お花のお届けです。
どうぞ。
どちらに置けばよろしいですか？ここに。
あっはい。
すいません。
伝票にサインか何かお願いできますか？はい。
私はこれで。
どうしたの？あっねえ先行ってて。
母さん。
あっ智。
何？ううん。
配達？うん。
じゃあね。
頑張って。
うん母さんもね。
うん。
（保）お帰りなさい。
うん。
オーナー来てたんですか？
（徳枝）フフフフッ暇だから。
オーナーの差し入れ。
お茶いれるね。
火葬場の工事現場から人の骨が出たんやってね。
いつですか？午前中…昼前やったかね？昼前です。
ああ私たちが出たあとだな。
今朝は駅前でストーカーは捕まるしここら辺じゃ珍しく事件続きだなあ。
板垣はん元社会部の腕が鳴りますな。
週１回しか発行しないうちみたいな地方新聞に扱えますかね？オーナーに板垣さんの事聞きましたけど毎朝新聞辞めたあと週刊誌で特集記事書いてたんですってね。
平成１２年「週刊ジャーナル」に「痴漢冤罪の迷宮」でしょ。
平成１４年には月刊誌「視点」に「政界汚職、ある代議士の軌跡」の連載。
平成１９年は「週刊真実」に「中学一年少女はなぜ飛び降りたのか集団いじめの全貌」。
やめろ。
（保）これっていじめてた方も世間からバッシングされて自殺未遂した事件ですよね。
やめろ。
（街の喧騒）あったあった！やっぱりこっちに置いてあった。
ごはんどうすんの？要らない。
バイトだから。
バイトってね今何やってんのよ。
うんサービス業っていうのかな。
サービス業ってねえまさか…。
アハッお母さん考え過ぎ。
疲れた心を癒やすサービス。
でね…ちょっと１万。
泉あんたさあうちからの援助は受けないって約束で１人暮らししたんじゃないの？今度で何度目だと思ってんのよ。
芝居の稽古始まったからなかなかバイト行けなくてさ。
そしたら稼げないし。
それに稽古のあとねみんなで飲みに行ったりして芝居の話なんかする訳だし。
あんた飲むの？あっちょっとね。
いつから？ん？劇団入ってから。
ねえ男の人とかもいるんでしょ？いるわよ。
ねえお酒に酔ってまさか…。
ああもう聞かない！お願いします！はあ…。
・ただいま。
じゃあ私帰るね。
ちょっと！あっお帰りなさい。
どうしてお父さんに何も言わないのよ。
帰るって言ったじゃん。
いやほかに何かさあ…。
いいよそんなもん。
泉！よっ！おお。
何帰ってたの？ジャケット取りに来ただけ。
お兄ちゃん最近うちに顔出してる？いや。
嫌よね。
お父さんのイヤミ聞かされんのもさ。
お前芝居の方は？来月の公演に向けて猛稽古中。
演出家が稽古を見て配役を決める事になってるの。
やるわよ私。
お前には大学続けるよりよかったのかもな。
そう思う。
けど親は入学金と授業料ドブに捨てたって思ってるからな。
（のぞみ）泉ちゃん。
こんばんは。
こんばんは。
兄がいつもお世話になってます。
こちらこそ。
いいから行けって。
それじゃ。
すいません。
泉ちゃん大丈夫かな？能天気なだけですよ。
私はそうは思わないけどな。
（発声練習）じゃあ先行くね。
行ってらっしゃ〜い。
おはようございます！おはようございます！おはようございます！おはようございます！おはようございます！コジマさん！あっ来たよ〜！
東京西部に位置する西多摩には東西にのびるいくつもの丘陵がある。
その一つの青梅丘陵の一角に予定されていた火葬場建設計画がついに動き出し造成工事が始まった。
計画当初から反対運動を続けてきた市民グループの代表は…
それは智が持ってきたのか？何？ああこれ私。
退院する患者さんにもらったの。
智３年も続けてるんだからいい加減許したら？何を？花屋勤め。
俺は別に。
智が出版社辞めて花屋に勤めるって言った時あなた言ったじゃない。
何で花屋なんだって。
俺は許さんと言った訳じゃないよ。
でも何か道を外したみたいな言い方。
意外だっただけだよ。
目が軽蔑してた。
智あのひと言いまだに胸に刺さってんのよ。
辰郎で〜す。
お湯沸いてるよ。
あっはい。
お母さんの七回忌今年でしょ？うん。
幸子は十七回忌。
はい。
コーヒーの豆あと少ししかないですよ。
うん。
つい最近うまいコーヒー屋見つけた。
どこですか？両国。
本所警察署のすぐ近く。
今度そこのコーヒー買っとくよ。
えっ探したんですか？ウォーキングの途中に偶然。
いやここんところね清澄の方まで距離を伸ばしてるんだよ。
へえ〜。
亭主に死なれた５０くらいの女主人の店でね。
たまに美人の娘さんが手伝いに来てる。
ハハハハハッ。
今まで聞くのはばかってたけど尾関君何で再婚しなかった？幸子に操を立てての事か？そうですよ。
ウソをつけ。
ハハハハハッ。
はあ〜…再婚は無理でしたよ。
本庁から追い出されたあとでしたから。
元練馬署はともかくその次が遠い中福生署。
え〜そのあとが…。
北町田南清瀬。
それから青梅中央署か。
通勤に片道２時間前後の所ばかりでしたからうちにいる時間なんてないようなもんです。
結婚してもすぐに逃げられてましたよ。
まあ幸子は我慢してくれましたけど。
今はどれぐらいかけてるの？新宿で乗り継ぎがうまくいけば…２時間ですね。
何時起き？ま４時です。
ええ！？向こうに部屋借りゃあよかったのに。
いや〜。
あれか独り暮らしの年寄りのそばにいてやらなきゃなんて思っての事だろう？今のマンションが居心地がいいんですよ。
それに幸子と最後まで暮らしたうちですし。
幸子の位牌をこっちに移したりしてあれだろう無理してでもここに顔出す口実を作ったんじゃないのか？もうそういう気遣いはなしにしようや。
オヤジさんのそば離れたらお母さんや幸子に化けて出られそうで。
幸子はともかくうちのやつは化けて出るかもしれんぞ。
（笑い声）それに勤務先近くに部屋を借りても転勤の時にはまた遠くに行かされてましたから結局はおんなじでしたよ。
どんなに遠くに行かされても右往左往しないで今のマンションから通い続ける事にしたんです。
意地か。
遠隔地勤務というのはね言ってみれば警察を辞めなさいという肩たたきと一緒だ。
まああんたの場合は懲罰だけどね。
ハハッ。
重々承知していました。
警察辞めようとは思わなかったのか。
チクショーとは思いましたよ。
けど辞めようとは…。
（戸が開く音）・木戸さん回覧板！今お客さんだからねそこ置いといて。
・誰よ？誰だっていいだろう。
若い女の人だ。
・え？はいはい。
ハハハハハッ。
（戸を閉める音）オヤジさん警察官定年で辞めた時悔いはないって言ってたでしょ。
ああ。
僕はまだそんな心境にないんですよ。
むしろ不完全燃焼で何かやり残した事があるようで…途中で辞めたら後悔するんじゃないかなんて。
そうか。
あと２年か定年。
はい。
回想
（昭吾）何で再婚しなかった？回想
（昭吾）警察辞めようとは思わなかったのか。
まああんたの場合は懲罰だけどね。
刃物使用傷害事件犯人検挙の功ご苦労さま。
（拍手）
（渡辺）尾関さん刑事課の方ざわついてます。
この前出た人骨やっぱり他殺ですよ。
そりゃそうでしょう。
埋められてたんだから。
科捜研の鑑定ではっきりしたって事。
ちょっとみんな来てくれるか。
明日帳場が立つ。
例の人骨の？警務課は１号会議室に急ぎ本部の準備をしてくれ。
承知しました。
たま多摩新聞さんが事件の取材なんて全国紙でもないのに珍しいですね。
いやいや。
地元の事件ですからむしろうちが頑張らないと。
あの〜工事現場から出た人骨その後何か進展ありましたか？広報に聞いてもらわないとここではちょっと…。
ああ尾関さん！はい。
広報の担当は誰でしたっけ？副署長だよ。
ごちそうさま。
えらい怖い顔してはりまんな。
あっ私の義理のせがれ。
ああ以前に編集部で。
あっ私のおごり。
ごちそうさま。
徳枝さん助けて下さいよ。
いやもうお金の話はなしなし！経営が悪化した原因突き止めましたか？それもせんとお金ばっかり借りてたら…。
だから…！青山のマンション売りなはれ。
会員制のスポーツジムゴルフの会員権売れるもん売ってお金にする事だす。
ちょっといらっしゃい。
徳枝さん？この車も売んなはれ！ええ！？もういいや。
ねえ何かあったの？うん？何が。
ごちそうさま。
帰ってきてから変よ。
ため息ついたり心ここになかったり。
たま多摩新聞辞めるなんて言わないでね。
この年になってまたフリーだなんて。
恭子。
何？青梅中央署に尾関がいた。
え？尾関がいたんだよ。
じゃあやっぱり病院でお見かけしたの尾関さんだったのね。
だってほら結婚披露宴の時の写真は何度か見てたけど直接お会いしたのはその時一度だけだもの。
おぼろげにしか。
奥様お元気かしらね。
ひところ電話で話したりしてたのよ。
そう。
まだ警察にいらしたのね。
警務課だって。
警務課？事件の捜査するとこじゃなくて？うん。
２５年だものね。
いろいろあったのねお互い。
悔やんでるの？自分のせいだって。
でも今更悔や…。
分かってる。
分かってるよそんな事。
じゃね。
また何かあったらおいで。
ありがと。
どうも。
（レコード）ああ何か嫌な事とか落ち込むような事があったろう。
客商売の人はこれだから嫌だ。
すぐに見抜いてしまう。
だからさ若い女の人たちの人生相談が多いのよ。
お代わり。
あいよ。
お化けが出てきてさ。
カミさん？昔の俺の人生を変えた男が２５年目にして目の前にさ…。
（レコード）話して気が済むんだったら聞いてやってもいいよ。
（レコード）
（レコード）いいねこの曲。
その記者と因縁の再会か。
西多摩の小さな新聞社の記者になってた。
大新聞にいたのに？いたのにさ。
２５年か…。
時は残酷だね。
まだ恨んでる？そうねえ…。
忘れはしないか。
忘れろったって…。
（レコード）ただいま。
回想
（五郎）忘れはしないか。
あ〜…。
回想
（五郎）時は残酷だね。
いらっしゃいました。
（小西）お待ちしてました。
（村瀬）お世話になります。
（貝谷）よろしくお願いします。
お世話になります。
（ノック）
（小西）気を付け！
（小西）敬礼！
（小西）休め！理事官の村瀬です。
捜査本部長は本庁の石丸刑事部長であるが本件事案西多摩における殺人死体遺棄事件捜査に関しては貝谷管理官が統括する。
（小西）それでは先日管内青梅丘陵で発見された人骨の鑑定結果について説明します。
プロジェクターを。
（小西）身長１７０ｃｍから１７５ｃｍ。
年齢は…血液型Ｂ型と判明。
更に虫歯治療が２か所。
うち１か所に金属冠が装着されていた。
また人骨の周囲からは合皮製のベルト繊維片同じ繊維が付着した白色の貝ボタン３個が見つかっているが靴がなくよって白骨の発見現場以外の場所で…この可能性が高いと推察される。
以上。
よっ！よっとっと…。
おお！あともらったもらった！もらったもらった！発見された人骨の周辺から採取された繊維片および白色の貝ボタンを鑑定したところ…それを受けて多岐川強盗殺人事件の現場に当時残されていた血痕毛髪等を再鑑定したところ…それではここで１５年前の多岐川事件について説明しておきたい。
事件発生は平成１２年８月２日深夜１２時前後。
前日から埼玉県の親戚の法事に出かけていた祖父の重二郎さん当時５８歳が孫の千鶴さん当時６歳と翌日の３日午前に帰宅して発見。
１１０番通報された。
殺されていたのは上野御徒町で宝石商を営む重二郎さんの長男間島義信さん当時３３歳妻の登美子さん当時３２歳重二郎さんの妻清江さん当時５７歳の３人。
義信さんの死因は現場に持ち込まれたと見られる…登美子さん清江さんも同じもので殴打されていた。
和室の金庫からはバール様のものでこじあけようとしたあとが見つかっており窃盗目的で侵入したところ家人に見つかって凶行に及んだものと推定した。
祖父重二郎さんによれば金庫は開けられておらず奪われたものは台所寝室等にあった現金１００万円ほどと家族の個人的な宝石貴金属類が約５０万円である。
今後の捜査の焦点は当該地で見つかった白骨死体の身元の特定である。
一体この人物は誰なのか。
その確定が最優先だ。
以上。
（一同）はい！さっき尾関さんがいましたね。
尾関君をご存じで？彼が本庁にいた頃ちょっと。
いくつもの凶悪事件解決に尽力をした男なんですが。
じゃ帳場に入れるべきでしたか？いや。
彼は警務課でして。
それに各所轄からも勤務評価に上に刃向かう癖ありとありまして。
外してもらってよかったですよ。
しかし捜査が進んで捜査員が必要な時は入れざるをえんだろう。
捜査の事を外部にしゃべるような捜査員は混乱のもとです。
不要ですよ。
よ〜し！
（掛け声）
（掛け声）よ〜し！
（掛け声）お〜元気がよろしい！
（掛け声）よ〜し！
（掛け声）よ〜し！
（テレビ）「東京都西青梅市荒神の火葬場建設用地で今月３日発見された白骨死体は警察への取材によるとそのＤＮＡが平成１２年８月東京都東中区多岐川で起きた宝石商殺人事件の現場から採取された容疑者のＤＮＡと同一である可能性が出てきました。
白骨死体には頭部と肋骨に打撃による損傷の痕があり現場の状況からも何者かによって殺害され埋められたと見られ…」。
何の用だ？それが俺にもよく…。
あんたが青梅中央署にいたとなるとこれからも顔を合わせる。
何も話しなくても済む事は済むんだが…昔の事じっと胸に抱えてやり過ごすほど俺はずうずうしくもしたたかでもないんだよ。
いっぺん話でもしておけばこのあと楽かなってさ。
楽になんかなってもらいたくないね。
青梅はいつから？２年前だ。
通いか？ああ。
大変だな奥さんも。
いや女房が奥さん元気かななんて。
女房は今年が十七回忌だ。
中福生勤務の頃ガンで。
本庁から元練馬署に行ったのは聞いたんだが…。
中福生北町田南清瀬と回ってきた。
飛ばされたんだな。
なぜ黙ってる。
なんとか言ったらどうだ。
あるんだろう？言いたい事。
ゴミ箱に捨てた。
ゴミだ？ああ。
じゃあ言いたい事はないのか今。
何もないのか！？文句の一つも言われた方がこっちは…。
（子どもたち）先生ありがとうございました！これでも地元の新聞記者だ。
顔見るのも嫌だろうが署には出入りさせてもらう。
俺に断る事はない。
まそうだな。
俺の人生を変えた男が2016/12/17(土) 15:05〜15:56
ＮＨＫ総合１・神戸
特集ドラマ・クロスロード（１）＜全６回＞「再会」[字]
元刑事の尾関辰郎（舘ひろし）は青梅中央署警務課に勤める。管内で白骨死体が発見され、地元記者・板垣公平（神田正輝）が署へ取材に行くと２５年ぶりに辰郎と出くわす。
詳細情報
番組内容
青梅中央署警務課の尾関辰郎（舘ひろし）は駅前でストーカーにおそわれた友美（大浦千佳）を助けるが、被害者の家族から逆に責められる。徳枝（中村玉緒）が経営する地元新聞社の記者・板垣公平（神田正輝）は今も取材にまい進し、娘・泉（北乃きい）や妻・恭子（高島礼子）たち家族とは疎遠。管内から白骨死体が発見され署長・殿村（徳重聡）と管理官・貝谷（西村雅彦）らは捜査本部を設置する。取材に来た公平は辰郎にでくわす。
出演者
【出演】舘ひろし，北乃きい，徳重聡，西村雅彦，平泉成，中村玉緒，小野武彦，ミッキー・カーチス，高島礼子，神田正輝
原作・脚本
【作】金子成人
音楽
【主題歌】リフレクト・リフレイン，【音楽】中野雅子
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