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セリフ書き起こし 土曜時代劇 忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣(12)討ち入りの朝に見た笑顔は永遠に 2016.12.17

 

 

(きよ)
来るべき時がついに来たのです。
討ち入りは明日
元禄15年12月13日。
討ち入り前日きよは潜入していた上杉家下屋敷を出た。
ところが…
氷川明神で毛利様を待つ訳にはいきませんでした。
後をつけてくる者がもしも吉良の回し者だとしたら…
心の声毛利様…来てはなりませぬ。
なりませぬ。
佐吉さん遅いじゃないの。

 

 

 


(毛利)きよ殿…。
後ろに何者かが。
え?もう来てくれないかと思いましたよ。
どこか身を隠せる所へ。
さあ。
あそこへ。
一人か。
以前にもつけられた事のある者です。
申し訳ございませぬ。
私が印などと言いださなければ。
吉良の回し者か。
さもなくば…。
え?いや。
毛利様は明日は討ち入りの御身。
私がここで引きつけておきます。
どうかお逃げ下さい。
逃げる訳にはいかぬ。
毛利様。
もしもつけられ明日の企てが漏れでもしたら…。
殿のご刃傷より1年と十月。
待ちに待ったこの日なのだ。
きよ殿に知らせたき事がある。
何でございましょう。
礒貝殿からの言づてだ。
礒貝様から?今宵は金杉の母上を見舞うと。
今宵が最後。
会いに行かれるがよい。
拙者はあやつをおびき寄せ斬る。
いけませぬ。
相手は大小を差しております。
そのような短刀では…。
見くびられたものだな。
災いの芽は取り除かねばならぬ。
きよ殿はここにいてあやつのいなくなったのを見計らい金杉町へ。
されど毛利様。
もめている時ではない!言う事を聞かれよ。
万に一つ拙者が行けぬ時にはこれを礒貝殿より大石様へ。
これは…。
きよ殿。
上杉下屋敷での働き礼を言う。
では。
毛利様。
どうかご無事で。
心配は無用。
明日は必ず皆様のもとへ。
それは毛利様の脱盟状でした
(毛利)「私儀俄によんどころなき存じよりこれあり候につきこの度申し合わせ候ご人数あい退き申し候左様お心得下さるべく候」。
心の声きよ殿さらばじゃ。
毛利様は自らの命を投げ出す覚悟で明日の討ち入りが外へ漏れぬよう阻止しようとしていたのです
心の声毛利様…どうかご無事で。
十郎左様。
よう来てくれた。

(貞柳尼)おきよ殿。
お久しゅうございます。
お体のお具合はいかがでございましょうか。
私の事は案ぜずともよい。
はあ〜。
なんと似合いの。
母上。
祝言を挙げずとも私の目にはそなたらはまことの夫婦に映る。
貞柳尼様…いえ義母上様と呼ばせて下さい。
ありがたきお言葉ありがとう存じます。
これを残して毛利殿は…。
明日もしも皆の前に現れぬ時には十郎左様から大石様へお渡ししてほしいと。
恐らく毛利様はお命を捨てる覚悟。
そして追っ手の事が知られれば皆様のお心を乱す事になると。
わざとこれを書いたというのか。
はい。
きよ。
はい。
そなたは生きよ。
生きてくれ。
生きて母を看取ってくれ。
我が妻として。
十郎左様。
十郎左様…。
討ち入りの日の朝である
心の声十郎左様…。
あなた様と過ごした時をきよは決して忘れませぬ。
そうか今宵か。
はい。
きよ無事で何より。
そなたの働き一部始終聞いておったぞ。
(滝岡)ほんに。
きよ。
昨夜夢枕に殿が。
え?それはまことでござりますか。
ああ。
今まで一度もお出ましにならなかった殿がよきお顔で笑っておられた。
いつかそなたが殿の御前で琴を披露したあの時のような。
同志は四十八名と。
はい。
今は一同が無事に本懐達する事を祈るのみじゃ。
きよは上杉の下屋敷を出たのか。
(善左衛門)ここにおらぬのであれば結構。
今宵か。
事は。
はい。
なぜそこまで赤穂の浪士に肩入れをする?分かりませぬ。
なれど浅野家四十八士のなそうとしている事は…我が夢。
夢…。
己は仕官もかなわぬ身。
なれど…いやなればこそあの方々の思いに打たれるのです。
まことの武士にはなれぬ己の血がたぎるのです。
待て。
お前に預けたいものがある。
その日米沢町の堀部弥兵衛宅では門出の祝宴が行われ次々に同志たちが顔を出した。
だがこれは単なる祝宴ではなく討ち入りに参加する四十八名の最終確認の意味もあった
(弥兵衛)さあ中へ。
(ほり)まさかおきよ殿が手伝いに来て下さるとは。
いえ。
よくぞ出てこられました。
皆も案じていたんですよ。
(條右衛門)ああ。
俺も久方ぶりにきよの顔を見てほっとしたぞ。
ほう!久しぶりにこれはごちそうだ。
おじ様!よいではないか。
俺はほらこんなものまで仕上げたんだ。
あら立派なものを!大事な口上書きを立てる青竹よ。
明るく振る舞っているのは皆を元気づけるためかもしれぬと思いました。
けれど私は毛利様の事が…
毛利様の姿がまだ…。
そうか。
毛利が帰ってこん?それはまことか?昨夜から姿が見えず今朝になっても戻っておらぬのです。
(前原)あやつこの期に及んで脱盟か。
(安兵衛)いやそうと決まった訳ではない。
あれだけの働きをした毛利だ。
どこぞでまだ隠密裏に動いてるのやもしれぬ。
言ってはならぬと思いました。
毛利様は密偵が動いている事を知られ皆を動揺させたくなかった。
そして毛利様はあの編み笠の男と…
きよ殿。
きよ殿にお会いできるとは…。
上杉の下屋敷は?昨日出てまいりました。
そうか。
村松様ご武運お祈り致しております。
きよ殿に頼みたき事がある。
はい。
弟の政右衛門だ。
これからの村松家の事は政右衛門に任せるつもりだ。
だが年も若く行き届かぬ事もあろう。
その時は是非力になってやってほしい。
ずうずうしい願いとは分かっておるが何とぞ。
承知致しました。
私が。
きよ殿…どうか息災で。
十郎左。
善左衛門。
今宵は俺も皆の助太刀だ。
まあ同志には加われぬが外回りの警護を引き受ける。
堀内先生も間もなく来られるそうだ。
お〜そうか。
(ほり)おきよ殿。
きよとは存分に話せたのか?ああ。
なぜきよは門六なんぞにほれたのか。
お前に言われたくはない。
まあな。
だがあいつは強い。
何が起ころうともきっと一人で立ち上がる。
おいしそう。
心配ご無用。
存分にお働き下され。
ああ。
それはどうした?武士を捨てた男が討ち入りのために使えと。
不破殿の刀は竹みつだ。
え?
(善左衛門)その事に林昌軒の住職はとうに気付いておったのよ。
お前の父上が…。
夜になり吉田忠左衛門様寺坂様大石様のご嫡男主税様そして大石様がお見えになりました
ご家老これを毛利小平太より預かりましてござります。
(内蔵助)毛利小平太が脱盟した。
(主税)父上。
(前原)ご家老それは一体。
(不破)毛利が脱盟。
(ざわめき)
(内蔵助)騒ぐな。
静かにせい。
去る者は追わず。
この期に及んで脱盟者の事を気に病んでなんとする。
今はひたすら本懐遂ぐるを目指すのみ。
ううん私は…。
昨夜は大雪を案じておったがあら不思議や夢の中で雪はやみかような句を得た。
それはどのような?「雪はれて心にかなふ朝かな」。
(一同)おお〜。
朝起きてみるとな句のとおりの日本晴れ。
ああ〜さい先のよい事この上なしじゃ。
(忠左衛門)なるほど。
まことに吉兆でござるな。
おっ。
おっ條右衛門善左衛門ちとこっちへ。
(2人)いやいや…。
よい。
よいから。
こっちへ。
ご家老。
この者たちはわしのせがれ安兵衛のいとこ佐藤條右衛門と親戚筋の勝田善左衛門にござります。
これまで雑事を一手に引き受けさまざまな働きをしてくれました。
本日も吉良屋敷周辺の警護に当たらせたいと思うております。
(内蔵助)そうか。
よろしく頼むぞ。
はっ。
はっ。
さあ一杯。
さあ!
その時が近づき皆様は最後の身支度を調えるためそれぞれの控えどころへ向かわれました
ご武運を。
めでたく本懐遂げられますように。
何をこんなものを。
行ってまいる。
行ってらっしゃいませ。
よう働いてくれた。
礼を言う。
ご家老様。
瑶泉院様に伝えてくれ。
末永うお健やかにと。
はっ。
あの時頂戴した頭巾は今もここに。
内蔵助はこれを持ち討ち入りに臨んだと。
かしこまりました。
ご武運を。
いよいよ時が。
ああ。
毛利殿の分も存分に戦うてくる。
十郎左様。
これを。
琴の爪でございます。
どうかこれをきよと思って…。
行ってまいる。

その後おほり様がお連れ下さったのは吉良邸に程近い細井広沢様のお屋敷でした。
細井様はご公儀にも仕えた儒学者でしたが安兵衛様とは堀内道場で知り合った友でもあったのです
にわかに参じましたる無礼の程はお許し下さりませ。
いや。
私も眠れず書見をしていたところだ。
こちらは浅野家に奉公しておりましたおきよ殿でございます。
旦那様とは親戚筋にあたります。
きよにございます。
そなたがきよ殿であるか。
安兵衛から話は聞いておる。
ところでちと不穏な話を耳にしての。
今朝方目黒不動の雑木林で半ば雪に埋もれた骸が2つ見つかったと。
心の声もしやそれは…。
一人は赤穂の浪士。
心の声毛利様。
もう片方は上様の側近柳沢様のご家来であったそうだ。
ご公儀…。
もしやご公儀がこの事を…。
・失礼致します。
先生落合様とおっしゃるお方がおいででございますが。
(広沢)落合?落合様。
(落合)きよ殿。
瑶泉院様からこれを。
これは?みかんにござる。
四十八個。
奥方様が「無事宿願を果たした折には喉も渇くであろう。
必ずこのみかんをご一同へ」と。
堀部様の所へ行くと方々は既にたたれたあと。
留守の者からきよ殿はこちらと聞き…。
しかと承った。
すぐに届けさせよう。
ご苦労でございましたな。
さあ奥へ。
(落合)いえ。
私はこれにて。
落合様。
奥方様は?奥方様はどうしておいでです?奥方様はご一同を案じ一睡もせず読経しておられる。
本懐を…ただ皆が本懐を遂げる事のみ念じられ…。
おきよ殿!きよ殿!
奥方様。
きよは…きよはこの目で見届けます。
必ず皆様がご本懐を…。
ご本懐を…
2016/12/17(土) 18:10〜18:45
NHK総合1・神戸
土曜時代劇忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣(12)討ち入りの朝に見た笑顔は永遠に[解][字]

討ち入りを前に、久しぶりに十郎左衛門と会えたきよは、「そなたは生きろ」と言われる。二人の思い出の琴の爪を自分の代わりにと渡したきよだが、ついに決行となると…

詳細情報
番組内容
討ち入りを前に、きよ(武井咲)は久しぶりに十郎左衛門(福士誠治)と会う。十郎左衛門は「そなたは生きろ」ときよに言う。そして、赤穂浪士のみなが立ち寄る堀部家へ二人は駆けつける。村松三太夫(中尾明慶)も、残していく弟の事をきよに託し、笑顔で出て行く。そして、十郎左衛門との別れが。二人の思い出の琴の爪を、自分の代わりにときよは渡す。ついに決行となり、浪士が出て行った部屋にたたずむきよは思わず…
出演者
【出演】武井咲,福士誠治,佐藤隆太,皆川猿時,笹野高史,大東駿介,石丸幹二,陽月華,中尾明慶,泉澤祐希,田中麗奈,中尾明慶,平田満,吉田栄作,風祭ゆき
原作・脚本
【原作】諸田玲子,【脚本】吉田紀子