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セリフ書き起こし アニメ 3月のライオン「第10話」 2016.12.17

 

 

・「魔法の言葉覚えている虹の始まったところ」・「あの時世界の全てに一瞬で色が付いた」・「本当の声はいつだって正しい道を照らしている」・「なんだって疑っているからとても強く信じている」・「心臓が動いている事の吸って吐いてが続く事の」・「心がずっと熱い事の確かな理由を」・「雲の向こうの銀河のようにどっかで無くした切符のように」・「生まれる前の歴史のように君が持っているから」・「それだけわかっている」・「僕だけわかっている」

 

 

 


(駒音)
(カモメの鳴き声)
(駒音)
12月。
クリスマスが近くなった頃義姉香子から再び電話が来た
忘れ物?時計?んー…。
ああった。
(風の音)よかった。
もらったばかりなのよ後藤に。
してないとおこられちゃう。
くしゅっっ。
ちょっとぉ風邪ひいたかも…アンタのせいよ!?だから駅前のメックで待っててって…。
やぁよあんな騒がしいとこ。
何でアンタんちじゃダメなのよ。
何でって…。
今何考えたか当ててあげようか?零。
フフ冗談よ。
こわい顔。
ねぇ年末はどーするの?帰って来るんでしょ?いや…対局が結構詰まってるし勉強しないといけないから。
対局ぅ?アンタの今年の対局は24日の安井さんとの順位戦でラストでしょ?あっそうそう。
安井さんと言えばついに離婚決まったらしいわねぇ。
普段は腰が低くて気も弱いのに負けると飲んで暴れてギャンブルでしょ?奥さんも今までよく我慢したわよ。
可哀想なのは娘さんよねえ。
怖かったでしょうねえ。
負ける度に別人になっちゃうお父さんと同じ屋根の下だった訳でしょう?
ああ…嫌だ
でもねえ娘さんが言ったんですって。
「クリスマスまではパパと一緒にいたい」って。
たまらなく嫌だ。
この
泣かせるわよねえ…そう思わない?
べったりと張りつくような義姉の物言いが
ねえ零聞いてる?
何より
ちょっと。
こんな毒をはらんだ言葉ですら
…もう。
マフラー飛んじゃうわよ?巻くならちゃんと巻きなさいよ。
聴いていたいと思う自分が
子供ってかわいそうよね。
だって親を選ぶ事はできないもの…。
ああ…でもそうね。
あなたは違ったっけね。
自分で親を選んだんだものね。
他人の家の父親をね。
(カモメの鳴き声)
(香子と歩の笑い声)
(香子)ねぇお父さんもう開けていい?
(幸田)ああいいぞ。
ちょっと何よ!?このでかクマ。
もうっっお父さんたら私もう中学生なのよ!?おおっゲームボムだあっっ。
この家の子なら棋士を目指す人間ならその美しい駒の持つ価値が意味が父の胸の内が解らないはずが無かった…
どうだ?れい。
お前もおもちゃとかの方が良かったかな?いえ…ありがとうございます。
すっごく嬉しいです。
解らないはずが無かった。
義姉が義弟がその時どんなに傷ついたかも…
ねえ切ないわね。
勝って帰って来たパパと負けて帰って来たパパ。
さあ…最後のクリスマスの思い出にピッタリなのはどっちかしら?
(林田)うーん体育と音楽以外はまあまあかな…。
っつーか数学と物理とかスゲーいい。
てなわけでほいっ。
9時30分迄に千駄ヶ谷だろ?急がないと…。
しっかし忙しいなお前も。
終業式まで対局とは。
出席日数はギリ足りてるけど三学期これ以上対局増えるとヤバイかも☆気を付けてね☆ウフフフ。
負けろと?いえあの生活かかってるんで!!!ところで今日終業式終わったらうちのクラスのやつらクリスマス会とかやるらしいんだけどお前知ってた?ええ聞いてませんとももちろん。
教えないで下さいよ。
まこーなったら仕方ねーな。
お前さぁ対局終わったら戻って来ねぇ?男二人でムサ苦しくケーキ食いながら将棋でも…って振り返ったらもーいねーし!?ちょっと待ってよこれじゃ俺ただのいじわる教師じゃん!?話は最後まで聞こーよー!ねぇっっ桐山ー!
いつ頃からだろう。
クリスマスを苦しいと思うようになったのは。
ある時ふと思ったのだ。
「通知表みたいだ」と…その一年間の。
この一年間友達に家族に親にどれだけ愛されたか。
どんな風に愛されていたのか
(ブレーキ音)
安井六段…
(アナウンス)「ドアが閉まります。
ご注意下さい」。
回想
(香子)でも娘さんが「せめてクリスマスまでは一緒にいたい」って言ったんですって。
せめてクリスマスまでは…。

(香子)勝って帰って来たお父さんと負けて帰って来たお父さん。
最後のクリスマスの思い出にピッタリなのはどっちかしら?ねえ?零…。
(記録係)時間になりました。
(記録係)時間になりました。
(記録係)時間になりました。
(零安井)よろしくお願いします。
(棋士たち)よろしくお願いします。
負けました。
わかったよ。
よーするに君は「オレが途中で投げた」って言いたいんだろ?え?
安井さんとの対局は夕方を前にあっけなく終わりを迎えた
(安井)8六歩から嫌みをつけて9五に桂を打って…。
あーうんうん確かにそーだね。
気が付いたら絶対指してたね。
でもなぁー気が付かなかったんだもんしょーがないよね。
そりゃあ君にはわかったのかも知れないけどさ。
オレにはわかんなかったんだから仕方ないだろう?
独り言のように呟き続ける安井さんのため息にかすかに混ざるアルコールの匂いが僕の胸をざわつかせた
序盤は矢倉の駒組みで静かにゆっくり始まった。
「慎重に」「慎重に」言い聞かせる声が聞こえるような指し方だった。
「ミスするな」「ミスするな」

しかし昼食休憩ののち安井さんにミスが出た

ひと呼吸遅れて安井さんも気付いた。
いやでもこの先8六歩から玉頭を攻められたら解らない。
そして馬をひかれて粘られたら勝敗はどちらに傾くか…。
とその時安井さんの輪郭が力を失って弛んでいくのが見えた。
なんで!?まだまだ道は全て消えた訳じゃないのに!!
(香子)娘さんが言ったんですって。
ちょっと待って!!なんで!?どうして!?そんな簡単に!?手離しちゃダメだ集中を意識を
せめてクリスマスまでは。
大切なものをこんなたやすく
一緒にいたいって。
どうか頼むから手離さないでくれよ
負けました。
感想戦もこの辺でもういいだろ?今日はここいらで勘弁してくれ。
安井さんっ安井さんっっ。
いない…どっちだ。
いた!!安井さん。
どこへ行くんだ。
そっちは駅じゃないのに
ハッハッハッハッ…。
安井さん!あの…これ。
はぁはぁはぁ…。
オレんじゃない。
知らん。
安井さんっっ。
わかったようるさいな!あ〜あ…最後のクリスマスだったのにな…。
(風の音)
(鳥の羽音)
(鳥の羽音)ハッハッハッ…。
はあはあっっはあっっはあっっ…。
はっっはあっはあっ…。
ああーーーっっーーっっ!!みんなオレのせいかよ!?じゃどーすりゃ良かったんだよっっ!ふざけんなよ!弱いのが悪いんじゃんか!弱いから負けんだよっっ!勉強しろよ!してねーのわかんだよ!解ってるけどできねーとか言うんならやめろよ!!来んな!!こっちは全部賭けてんだよ!他には何も持てねーくらい将棋ばっかりだよ!酒呑んで逃げてんじゃねーよ!弱いヤツには用はねーんだよっっっ!逃げるならっ逃げられるくらいならなんで…。
戦う理由が無いと言いながら本当は身の内に獣が棲むのを知っている。
周りのモノを喰いちぎってでも生きていく為だけに走り出す獣。
戦いが始まればどうしても生きる道へと手が伸びてしまう。
誰を不幸にしてもどんな世界が待っていても
・「その声は流れ星のように」・「次々に耳に飛び込んでは光って」・「魚のように集まりだして」・「冷たかった胸に陽だまりが出来た」・「普通の触れ方を知らないから」・「戸惑っていたら触れてくれた手に」・「どれだけ夜をくぐり抜けても」・「ずっと冷めないままの熱が脈を打つ」・「君がいるそれだけで」・「命の全部が輝く」・「凍りついた心に」・「その鼓動が響き火を灯す」・「いくつもなくなったあとに」・「強く残ったひとつ残った」・「離れないいつでも側に」・「僕の中に一番近くに」
(林田)「3月のライオン」次回もお楽しみに。
みんなオレと桐山の活躍しっかり見てくれよな。
せ先生…。
2016/12/17(土) 23:00〜23:25
NHK総合1・神戸
アニメ 3月のライオン「第10話」[字]

17歳のプロ棋士・桐山零。幼い頃に事故で家族を失い、周囲にもなじめず孤独に生きていた。ある日あかり・ひなた・モモという3姉妹と出会い、零は少しずつ変わり始める…

詳細情報
番組内容
忘れ物を取りにきた香子から、クリスマスイブに対局する相手・安井学のことを聞かされる零。負けると酒を飲んでは暴れてしまう安井は、離婚することが決まっているという。家族で過ごす最後のクリスマスに安井は、勝って帰るか、負けて帰るか…零は幼い日、幸田家で迎えたクリスマスを思い出しながら、安井との対局へ向かう。
出演者
【声】河西健吾,井上麻里奈,大川透,櫻井孝宏
原作・脚本
【原作】羽海野チカ,【脚本】東冨耶子,木澤行人
監督・演出
【監督】新房昭之