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セリフ書き起こし 大河ドラマ「真田丸」総集編 第3章「栄枯盛衰」 2016.12.30

 

松〜!アハハハ!
(昌幸)松!
(松)父上〜!松!ハハハハハハ!
(信繁)武具をしまっておく蔵です。

(茶々)私が5歳の時に私の父は…。
聞いてます?聞いております。
父は信長公に攻められ小谷でお腹を召されました。
城攻めの大将は殿下でした。
存じております。
兄の万福丸はその時10歳。
殿下の命によって串刺しの刑に処されました。
その後に母が嫁いだ柴田勝家様は殿下に攻められ母を一刀のもとに斬り殺した後お腹を十文字に掻き切ってお果てになりました。
私の親しい人たちは皆殿下に殺されました。
幼い頃からおびただしい人が亡くなるのを見てきた。
ですから私は人が死んでも何とも思わない。
自分が死ぬのも怖くない。

 

 

 

 


ああっ!ごめんなさい。
死を恐れない人の驚き方ではありません。
お…お茶々様…。
このまま。
もう少しだけ。
誰も来ませぬ。
殿下に側室になるように言われました。
どうお答えに?まだ答えてません。
そなたはどう思う?私は…。
そんな事聞かれても困りますね。
殿下の側室になられる事が茶々様にとって幸せかどうか私には分かりません。
しかし側室をお断りになれば茶々様はあまり幸せな事にはならないかと。
ひと事みたいに。
ひと事ですから。
ふん!帰りますよ。

(秀吉)寧!
(寧)どうされました?茶々が側室になってくれるぞ!茶々がわしの側室になると約束してくれたのじゃ!
(大蔵局)それでお受けしたのですか?しました。
あの方は私が死ぬ時に「日の本一幸せな女子でした」と言わせると約束してくれました。
言ってみたいと私は思いました。
姫様…。
(茶々)あっそれから源次郎。
はい。
殿下から聞きました。
お役替えを望んだそうですね。
はい…。
かっこ悪い。
お望みどおりあなたは殿下のおそばに戻りなさい。
かしこまりました。
おかしな話をします。
私と源次郎は不思議な糸で結ばれている気がするのです。
離れ離れになってもあなたはいつかまた戻ってくる。
そして私たちは同じ日に死ぬの。
遠い先である事を祈っております。
下がりなさい。
はっ。

(三成)茶々様を側室に迎えるという事は殿下が信長公をのみ込み超えるという事。
この先殿下はどこへ向かわれるのか…。
独り言だ聞き流せ。
それは間違いなく秀吉政権が崩壊へ向かう最初の一歩であった。
だがこの時豊臣家の人々はその事をまだ誰も知らない。
上田合戦から1年半。
秀吉の命により真田は与力大名として徳川の傘下に入った。
(家康)ハハハハハハ!
(家康)真田と縁組みをする。
稲を真田に送り込むのだ。
(忠勝)相手は…?安房守の嫡男信幸。
どうぞ。
本多忠勝の娘稲。
家康の養女となっての輿入れである。
うう…稲…。
うう〜!
(秀吉)まことか?はい。
茶々!でかした〜!茶々!アハハハハ!この時秀吉53歳。
茶々は男児を出産した。
一度捨てられた子は元気に育つという言い伝えから捨と名付けられた。
(秀次)お捨が産まれて私ががっかりしていると皆思っている。
(きり)えっ?違うのでございますか?むしろほっとしている。
そもそも私は跡継ぎの器ではない。
それくらいの事は分かっておる。
だからお捨が産まれて胸をなで下ろしたという訳じゃ。
さようでしたか。
ようございましたね!とはいえお捨が元服するまでは私が気張らねば。
お捨にやってくれ。
ご無礼つかまつる。
務めの最中なんだ。
茶々様のそばに控えているだけでしょう。
殿下のそばに控えているんだ。
お前こそこんな所にいていいのか?中納言様に呼ばれたの。
お捨様にって。
相変わらずあのお方とは仲がよいな。
えっ?何?妬いてらっしゃるんですか?何で妬かねばならんのだ?中納言様とは別に何でもございませんから。
よいご縁だと思うがな。
側室にでもなれば大当たり。
本気で言ってるんですか?なぜ?あのですねいい加減私を振り回すのはやめて下さい。
いつ振り回した?たまに私に気があるようなそぶりをしたかと思えばいきなり突き放したり。
まるで子どもね。
何を言ってる?なぜもっと素直になれない!天正17年。
北条氏政は上洛する条件として真田が治める沼田領の返還を要求する。
秀吉は北条真田それぞれの主張を聞き判定する事にした。
沼田裁定である。
沼田はかつて上杉北条真田が三つ巴で争っていた場所。
そこへ織田が現れ横から城を奪い取った。
大事なのはその織田から誰が奪い返したかではございませぬか?
(江雪斎)それならば北条である。
沼田城に関しては真田が己の力で勝ち取った城でございます。
否!かすめ取ったではないか!おっしゃるとおり。
だまし取りかすめ取り勝ち取りました!一本!裁定の結果名胡桃城を含む3分の1が真田の所領として残された。
ところが北条は裁定に背き真田の名胡桃城を攻め落としてしまう。
(利休)おやりなはれ。
殿下は今お捨様もお生まれとなり大きな波に乗っておられる。
やはりそう思うか。
北条潰しなはれ。
とてつもない眺めでございますね。
このような布陣殿下以外にできるものではない。
まことに。
殿下の御名に恥じない戦をしなければならぬ。
(家康)おう源次郎。
殿下のお召しでございます。
ちょうどよかったつきあえ。
はい?あ〜。
(小便をする音)さあ。
殿下はまだこのわしをお信じにならぬようだのう。
わしを総大将にはなさらなんだ。
どうなのでしょう。
娘の事を気にされておるのか。
確かにあれは北条氏直のもとに嫁いだが間もなく離縁する事になっておる。
ああ〜あ…。
あ〜心配はご無用と折あらば殿下にそう伝えてくれ。
あっお待ち下さい!此度の戦わしらの相手は北条だけではない。
いまだ臣従を誓おうとしない陸奥出羽の大名ども。
やつらもこの強大な軍勢を知ればいずれ必ず頭を垂れてまいる。
それを待つ。
あっさり勝負がついてしまっては意味がない。
分かるな孫七郎。
はっ。
(秀吉)まあうちらが負ける訳にゃあで。
(秀吉)せっかくじゃつきあえ。
(家康)今でございますか?関東の連れ小便として語り継がれようぞ。
(小便をする音)徳川殿。
この戦終わったらおぬしに北条の領地全て任せようと思っておる。
ここから見える所全ておぬしのものじゃ。
(家康)ありがたき事でございます。
(秀吉)今後もわしのために働いてくれ。
はっ。
江戸は分かるかな?江戸でございますか?大体あっちだ。
あっ!江戸が何か?関八州をやる代わりに江戸に移ってもらうから。
はっ?江戸もよい所らしいぞ。
家康驚きのあまり小便止まっておったわ。
開戦から3か月。
北条方の城はほとんど陥落したが氏政はなお抵抗を続けていた。
そこで降伏を促すためひそかに小田原城内に送り込まれたのが信繁であった。
よう来てくれた源次郎殿。
お味方の城はほとんど落ちております。
下野の足利上野の厩橋箕輪館林。
もうよい。
そして…。
沼田。
真田が奪い返しました。
因縁の城もか…。
引き際をどうかお考え下さい。
ついに東国の覇者にはなれなんだ。
返す返すも心残りは…。
どうせ秀吉と一戦交えるなら伊達や…。
徳川と組んで日の本を分ける大戦をやってみたかったわ。
華々しく…。
戦国の世に幕を引きたかった…。
秀吉が恨めしいぞ…。
しかし今はその秀吉公に頭を下げる時でございます。
殿下はご隠居様と御屋形様のお命は助けると仰せられました。
命など惜しゅうない。
いや今こそ惜しまれませ!豊臣の家臣として新しい道を生き直して下さりませ。
(秀吉)氏直が!
(家康)ようやく腹をくくったようでございます。
(秀吉)長かったのう。
(家康)それでは氏政氏直の命は救いそれと引き換えに城を受け取るという事でよろしゅうございますか?氏政は死んでもらおうか。
命は取らぬという約束でござる!しかしこれだけねばられたのだ。
腹でも切ってもらわんと示しがつかんだろう。
それではだまし討ちでございます!兵は助けてやるんだからもうそれでいいだろうが。
(吉継)殿下!約束を破られてはもののふの義にもとりまする!うるさい!城の明け渡しが済んだら氏政は切腹。
それを見届けて我らも京へ帰る。
北条氏政は切腹した。
首は京に送られ聚楽第の橋にさらされたという。
これによって関東に一大王国を築いた北条家は滅亡したのである。
天正19年8月5日未明。
嫡男鶴松が病により2年2か月の短い一生を終えた。
(障子が閉まる音)・
(でんでん太鼓の音)
(でんでん太鼓の音)鶴松様のおそばにいてさしあげなくてよろしいのですか?だって…。
死んでしまったんですもの。
横にいたってしかたがないでしょう。
皆死んでしまう。
私の大切な人たち…。

(泣き声)ああ〜!
(泣き声)その年の12月。
秀吉の後継者として甥の豊臣秀次が関白となった。
秀吉は太閤となり朝鮮出兵へとまい進する。
こうしてみると我らの敵ではないな。
ここで様子を見るとしようかのう。
しかし朝鮮での戦いは次第に膠着状態に陥っていく。
(伝令)敵方が激しく打ちかかりお味方前へと押し出せませぬ!
(秀吉)味よしの瓜めされ候え。
(昌幸)味よしの瓜めされ候え。
秀吉は仮装大会を開いて大名たちを鼓舞するが士気が上がる事はなかった。
ところがである。
源次郎!はっ。
茶々がまたやってくれたぞ。
(足踏みする音)大坂城で茶々が一人の男児を出産した。
運命の子豊臣秀頼の誕生である。
(赤ちゃんの泣き声)名前は拾。
拾?
(秀吉)拾い子は丈夫に育つというからな。
(且元)お拾様。
違う!「お」はつけんでよい。
ぞんざいに扱う方がいいんだ。
ご無礼致しました。
お父上が分かるのですね。
笑ってらっしゃいます。
お顔が面白いからでしょ。
ハハハ!随分稽古をしたようだな。
はい!関白殿下はなかなか筋がおよろしゅうございます。
孫七郎!お前何をやっておるのだ!関白はほかにやるべき事がいくらでもあるだろう!申し訳ございません!そういう事をしておるから公家衆どもになめられるのだ!わしはこんなものを見せられるためにお前を関白にしたのではないわ!戦に出ればしくじり政の場で何かを成した事もない。
自信など持てる訳がありませぬ。
あの人はね孫七郎が堂々としとったらそれでええの。
取り繕う事なんて何もいらん。

(寧)ありのままの自分を見せりゃええの。
源次郎。
はい。
お前もこちらに来てだいぶたつ。
そろそろ官位を授けてやろうと思うのだがどうだ?官位でございますか?
(茶々)よかったのう源次郎。
ここで遠慮したらきっと後悔するに。
太閤殿下身に余る誉れでございます。
しかしまことに勝手ながらこのお話お受け致しかねまする。
私には一つ違いの兄がおります。
父安房守の命をひたすら守りこれまで真田のために尽くしてまいりました。
兄を差し置いて位を頂く事はできませぬ。
わしは頭が悪いんでよう分からんのだがお前は自分が官位をもらうのでは足らず兄にも与えよと申しておるのか?そうではありませぬ。
(三成)源次郎は分不相応だと申しておるのです。
断る口実として兄の事を持ち出したのでは?兄者にも同じ位をやればよい事でしょう。
(杯を投げる音)
(秀吉)思い上がるな源次郎!わしがやると言っておるのだから素直に受け取ればよいものを。
策を弄して兄弟そろって官位をせしめようとはなんたるあさましさ!決してそのようなつもりでは。
(秀吉)お前は父親に似て油断がならぬ。
「策士策に溺れる」とはこの事じゃ!底が見えたぞ源次郎!金輪際官位などやるものか!
(秀次)お待ち下さい!
(秀次)た…太閤殿下は何か思い違いをされているようでございます。
何だと?官位を与えるのは関白のつとめ。
誰にいついかなる位を授けるかこれ全て関白が致すべき事。
源次郎に官位を与えるかどうかは私が決める事です!源次郎。
はい。
そなたには従五位下の位を授ける。
そして源次郎の兄だが私はその者をよう知らぬ。
兄は全てにおいて私を上回っております。
まずはよく調べよう。
その上で支障がなければ兄にも従五位下を授けてやろう。
太閤殿下。
さようつかまつろうと存じますがよろしゅうございますか?よくぞ申した!おぬしの言うとおりこれは関白の仕事であった。
この件そちに任せる!かしこまりました!
(秀吉)それでこそ関白じゃ!こちらでございます。
文禄3年11月2日。
京の聚楽第において信幸信繁兄弟はそろって叙任された。
真田信幸は従五位下伊豆守にまた信繁は従五位下左衛門佐となった。
(昌幸)昨日つつがなく叙任の式を終える事ができました。
(秀吉)いや〜めでたいめでたい。
(昌幸)今後ともお引き立て願わしゅう存じまする。
真田伊豆守。
(信幸)はっ!おぬしもよい弟を持ったな!こやつ最初は断ってきたのだぞ。
兄を差し置いて官位は頂けませんと。
(三成)殿下その話は。
(秀吉)ん?関白の格別な計らいがなければ此度の事はなかった訳だからな。
分かっておるな伊豆守。
殿下お願いでございます。
(秀吉)伊豆守は弟に頭が上がらんな。
アハハハハ!ハハハハハ!伏見城の改築を手伝わされる事になったわ。
後にして頂いてよろしいですか。
ん?父上はご存じだったのですか?何が?此度の叙任の件です。
もともと源次郎だけに与えられるものだったと先ほど太閤殿下が。
知っとったよ。
また私だけ蚊帳の外でしたか。
お前太閤に口止めしたんではないのか?お忘れになられたようです。
しかしいずれは知れる事!その時私がどう思うかお考え下さらなかったのですか!?まあよいではないか。
理由はともあれ従五位下になったんだから。
伊豆守だぞ大したもんだ。
返上できるものなら今からでも返上しとうございます!兄上そんな事おっしゃらないで下さい。
弟の情けでもらってもうれしくも何ともない!ばかな事を言うもんではない。
もらえるものは病気以外もらっておけばいいんだ。
確かに始まりは私からでした。
しかし関白殿下は兄上の事をいろいろお調べになった上で此度の事お決めになられました。
兄上がそれにふさわしくないと殿下が思われたらこの話はありませんでした。
あの話は本当か?左衛門佐。
源義経が左衛門尉だったのにあやかり義経が兄頼朝を支えたように私も兄上をお支えしたいと思ったのです。
それだけです。
他意はありませぬ。
わしはそういうお前の何と言うか抜け目のなさに無性に腹が立つのだ!私の考えが足りませんでした!申し訳ございませぬ兄上!待て伊豆守。
伏見城の改築お前やってみろ。
太閤殿下は父上にお命じになったのです!御免!いや〜怒っとったなあ。
まあ放っておけ。
一度吐き出せばそれで終わりじゃ。
これやってみるか?父上がおやりになるべきでしょう。
これは…。
太閤殿下は伏見城で政を行うおつもりなのですか?うむ。
そのような事言っておったな。
この事関白殿下が知ったら…。
これで分かった。
叔父上にとって我らはいらぬものなのだ。
あの方は我らが邪魔なのだ!彼の不安は頂点に達した。
そして関白秀次は一つの決断をする。
どういう事でございますか?わしにもよう分からんのだ。
とにかく来てくれ!関白殿下がどこにもおられん!そんなばかな!どこを捜しても見当たらぬ。
間もなく内裏からお使者がお見えになるというのに!しかし…。
どこに行かれたんだ関白殿下は!とりあえずもう一度お屋敷内を捜してみましょう。
金吾中納言様。
殿下は多分もうここにはおられない。
(秀次)何もかもが嫌になって気が付いたらここに来ておった。
(きり)太閤殿下にお会いして謝られた方がよろしいのでは?会えばその場で首をはねられる。
叔父上は私が邪魔でしょうがないんじゃ。
だったら何で逃げたりなさったのですか?分からん!関白ともあろうお方がお考えがなさすぎます!うるさい!うるさいとは何事ですか。
それならどうしてこんな所へ逃げてこられたのです。
優しい言葉の一つでもおかけすればよろしいのですか?うっとうしい!はい私はどこへ行ってもうっとうしがられます。
相手が関白様だろうと言いたい事は遠慮なく申します。
そういう性分なんでございます!殿下の事が心配だから申し上げているのです!高野山?
(三成)人目を避けて向かったようですが道筋で噂になり始めております。
せっかく内々で済ませてやろうと思っておったのに。
(三成)いかが致しましょう?高野山にはわしの命令で蟄居させた事にしよう。
(三成)理由は何と?謀反の疑いありと。
その旨至急触れを出します。
ひとつきほど謹慎させてから疑いが晴れた事にして連れ戻す。
あいつにそう伝えろ。
はっ。
では謹慎致せば太閤殿下はお許し下さるのですね。
詳しい事は直々に申し上げる。
孫七郎は気が優しすぎるんよ。
わしは関白ようやっておったと思うなあ。
(足音)
(正則)孫七郎!孫七郎…。
どれだけわしが目をかけてやったと思っておるのだ!人の情けを踏みにじりおって!わしは精いっぱいの事をしてやったな?はい。
それをやつはこんな形で返してきおった!悪いのはあいつじゃ。
さようです。
なれど…。
悪いのはあいつじゃ!佐吉来い!お待ち下さい!わしを怒らせたらどんなに怖いか孫七郎に見せてやる。
あの子はもう死にました!全く危ないところでした。
もしも側室になっていたら私まで殺されていた訳でしょ。
冷や汗ものね。
秀次公はお前を側室にする話取りやめるおつもりだった。
ご自分の運命と死なれたあとお身内がどうなるかうすうす気付いていらっしゃったんだ。
だからお前に害が及ばないように…。
(すすり泣き)
(すすり泣き)あの方は決して愚かなお人ではなかった。
真田信繁は秀吉の肝煎りで大谷吉継の娘春を正室として迎えた。
(春)ふつつか者ではございますが行く末長くよろしくお願い申し上げます。
(薫)源次郎まことによき嫁御を頂きましたね。
あなた春殿の事お気に入りでしょう。
分かりますよ。
(昌幸)ん?なぜ分かるのじゃ?
(薫)だって…まあようございますが。
(こう)確かにお梅様に似てらっしゃいますね。
おこう!
(せきばらい)お梅様というのは?後でゆっくり。
春殿妻の稲じゃ。
稲様よしなにお願い申します。
ちなみに私は前の奥方様に似ているのですか?慶長2年伏見城の再建がなり還暦を迎えた秀吉はついに大坂城を去る。
(秀吉)この眺めも見納めじゃ。
たまに遊びに来られればよろしいではないですか。
誰も見た事のない城を築きたかった。
城の周りには大きな町を造る。
驚くほどにぎやかで騒がしくて活気にあふれた日の本一の町。
思いどおりになったではございませぬか。
思いがかなったのは半分だけ。
これでも半分ですか?ゆくゆくは京から天子様をお迎えしようと思っておった。
平清盛が成し遂げた事をわしはとうとうできなんだ。
秀頼様がきっと成し遂げて下さいます。
秀頼…。
秀頼…。
翌年3月15日。
京の醍醐寺において秀吉が催した花見は彼の人生における最後の大イベントであった。
これまでこんなにまばゆい眺めを見た事がない。
これだけ女子に囲まれとれば機嫌もよくなるわ。
フフフフフ!さあさあみんな飲んでくれ。
殿下今日は顔色がよろしいですね。
やはり殿下には華やかな場所がよく似合う。
太閤殿下若君が花咲じいが見たいそうですよ。
花咲じい。
うん!よし!
(寧)やめときゃあって!秀頼が見たがっておるんだ。
はしごを。
(小姓たち)はっ。
止めた方がいいんじゃないですか?いざ!
(阿茶局)太閤殿下はお身軽でいらっしゃる。
(茶々)ほら花咲じいさんが来ましたよ。
枯れ木に花を咲かせましょう!枯れ木に花を咲かせましょう!
(寧)あんたいい加減にしやあよ!枯れ木に花を咲かせましょう!枯れ木…。
あっ!
(一同)あっ!殿下!殿下!殿下…。
(三成)ご無事でございます。
ヘヘヘヘ…。
調子に乗り過ぎ!すまんすまん。
ヘヘヘヘ…。
(家康)どうやら我らが思うておる以上に太閤様は耄碌されたのやもしれんな。
(正信)すぐに探りを入れてみましょう。
(秀吉)うう〜。
その日から秀吉は床に伏せるようになった。
うう…。
医者によるとしばらくは立つ事も難しいという事だ。
そろそろ覚悟しておいた方がよいかもしれぬな。
源次郎。
もしまことに殿下が危ういのならもうごまかすのはよせ。
この先誰が秀頼公を支えるのか石田殿に仕切れるのかそれとも一層徳川殿が力を持つのか。
その時真田は誰につけばよいのか。
徳川は殿下のまことのお加減を知りたがっている。
ならばそれに乗るのも一つの手。
徳川に伝えどう出るのかを見極める。
(吉継)なるほど板挟みだな。
苦しゅうございます。
源次郎。
己自身で決めた道を進めばよいのだ。
石田治部に釘を刺されたとか兄に命じられたとかそのような事はどうでもよい。
己が正しいと思う道を行けばよい。
それが真田左衛門佐の進むべき道じゃ!源次郎。
(碁石の音)兄上にお伝えしたい事があります。
どうした?太閤殿下のご容体についてでございます。
あのお姿を見る限り再びお元気になられてご自分の力で歩かれる事はまずないかと。
よくぞ知らせてくれた源次郎。
どうやら殿下は危ないらしいぞ。
(吉野太夫)そうなのですか?花見で腰を打った。
以来立ち上がる事もままならんそうだ。
おかわいそうに…。
言うなよ。
言う訳あらしまへん。
ごゆるりと。
じきに戻ります。
まあ。
(刺す音)おい!
(昌相)この女は忍びだ。
忍び?佐助!
(佐助)本物の吉野太夫は京の郭におりました。
昌相…。
ん?よう気付いたのう。
同類は目を見れば分かる。

(正信)死んだか。
(舌打ち)役立たずめが。
何かございましたらこれをお振り下さい。
すぐに誰か参ります。
(ベル)ではごゆるりとお休みを。
(ベル)ええそのように。
(ベル)真田安房守の息子だな。
あの…。
後だ。
来い!遅いのう市松は。
もしや…。
秀吉じゃ。
わしは利発な若者が大好きでな。
お前も一目で気に入った。
ありがとうございます。
これよりわしに仕えろ。
殿下そろそろ横になられた方が。
市松のやつは何をしておるのだ?佐吉に見つかってしまうではないか。
福島様は今日はお見えになりませぬ。
何だと?今日はもう床へお入り下さいませ。
吉野太夫のところへはまた改めて参りましょう。
しかし約束してしまったのだ。
太夫もまた今度と申しておりました。
そうなのか。
どうか今夜はゆっくりお休み下さりませ。
私がそばにおりますので。
明日お城の中を案内して頂けるとうれしゅうございます。
茶々様とかるたもやってみたいですし寧様は芋をゆでていらっしゃると伺いました。
(寝息)一代の英雄が最期を迎えた。
太閤豊臣秀吉。
享年62。
回想
(秀吉)佐吉…。
家康を殺せ。
天下分け目の大戦が迫っていた。
(あやめ)ねえあの直親様が信濃からお戻りになられたわよ。
2016/12/30(金) 14:00〜14:58
NHK総合1・神戸
大河ドラマ「真田丸」総集編 第3章「栄枯盛衰」[解][字]

戦国時代。信州に育った真田信繁(堺雅人)の激動の人生を描いた大河ドラマ「真田丸」総集編の第3章(全4章)。信繁が仕える秀吉(小日向文世)に死期が迫る!

詳細情報
番組内容
戦国時代。信州に育った真田信繁(堺雅人)の激動の人生を描いた大河ドラマ「真田丸」総集編の第3章(全4章)。信繁は、豊臣秀吉(小日向文世)に従おうとしない北条氏政(高嶋政伸)を説得するため、決死の覚悟で小田原城に出向く。全国統一を果たした秀吉であったが、後継者の問題で豊臣家は混乱を極める。関白の重責に耐えられなくなった秀次(新納慎也)は高野山に向かう。そして、秀吉に死期が迫る!
出演者
【出演】堺雅人,大泉洋,長澤まさみ,木村佳乃,山本耕史,新井浩文,松岡茉優,吉田羊,藤本隆宏,藤井隆,片岡愛之助,遠藤憲一,斉藤由貴,岡本健一,寺島進,中川大志,中原丈雄,小林隆,近藤芳正ほか
原作・脚本
【作】三谷幸喜
音楽
【音楽】服部隆之