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地上波テレビの字幕を全文書き起こします

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セリフ書き起こし しあわせの記憶【渡辺謙主演】 2017.01.08

おはよう。
おはよう。
カレーなんてあったっけ?レトルトよ。
はあ〜イチローみたいだね朝からカレーだなんて。
第一線で戦う者はランチの暇なんかないんだから朝ご飯はがっつり食べとかなきゃだめなの。
イチローもお昼食べないの?イチローは食べるでしょアスリートなんだから。
「アスリート」。
「スポーツ選手」でいいのに。
ああ〜急がなきゃ。
こっちはあんたとのんびり話してる暇はないの。
ん〜!さてとそろそろシャワーでも入ろっかな。
あっシャンプーしたら流しの髪の毛拾っといてよ。
はあ?髪の毛は臭いや詰まりの元だから髪の毛は流さないで。
ふ〜ん。
お姉ちゃんってさ会社でもそんな細かいの?当然よ。
嫌われてるねきっと。
そういうことは自分の就職を決めてから言いなさい。
うう〜!

 

 

 

 


(純子)あらおはよう。
おはよう。
(純子)ふふふっ。
・タララタ〜タラ〜今見た?口紅。
えっ?お母さん口紅してたでしょ。
だから?なんか怪しい。
パートの帰りも遅いしこのごろ。
いきなり口紅するなんてねぇ。
別にいいじゃん。
ママがきれいになるの私賛成だな。
でもさぁ…。
いいじゃん。
おはよ〜。
(純子)おはよう。

(純子)はいいいえ。
角の喫茶店?知ってますよ横浜の文化センターぐらい。
ふふふっ。
あっはい。
じゃあ4時に。
・分かりました。
楽しみにしています。
じゃあ行ってくるわね。
(純子)そろそろお迎えの車ぐらい来てもらったら?電車に乗らなきゃ世の中は見えないの。
それに専用車なんか持ったら社員の気持ちが離れるだけよ。
あっお母さんその口紅似合うわね。
そう?うれしい。
・ふんふふふ〜ん
(鼻歌)じゃあいってきます。
(純子)いってらっしゃいませ。
「いってらっしゃいませ」。
風邪ひくわよ。
早く髪の毛乾かしなさい。
ねえママ〜。
ん?私もその口紅好き。
(純子)何言ってんのよ。
ふふっ。
私たちがこの家で暮らせるのもプータローの冬ちゃんが生きていけるのもみんな夏っちゃんのおかげじゃないの。
感謝を込めて毎朝ママは夏っちゃんを見送るの「いってらっしゃいませ」って。
このごろいっつもイライラしてるよね。
あなた見てると誰でもイライラするんです。
ママじゃないよお姉ちゃん。
(純子)夏っちゃんは疲れてるの。
お仕事半端ないんだから。
お姉ちゃんも早く彼氏つくればいいのに。
(純子)いるでしょ?吉岡君が。
吉岡君は彼氏じゃないよ。
(純子)あの二人ってどうなってんのかしら?お姉ちゃんは美人すぎて地位がありすぎるんだよ。
それっていちばんモテないパターンだから。
ほんとにモテないのかしら?信じらんないわ。
早く髪の毛乾かしなさいよ。
ん〜だるぅ〜。
あっ朝ご飯フレンチトーストがいいなぁママのフレンチトースト。
自分でやってよそんなことママだってこれからお仕事なんだから。
ケチ〜!・
(純子)いってきま〜す!
(ナレーション)
最近母の様子がおかしい
口紅を付けたのは何年ぶりだろう?
父と母は私が生まれた翌年に二人で小さな弁当屋を始めた
(三浦太郎・回想)朝飯こそが命の源!
(純子)はいどうぞ。
あっ卵の方ね唐揚げ300円ポッキリ!朝抜くと早く老けるし午後からどっと疲れるべ
「ミウラ」の低価格朝食弁当は大人気となり続けて開店した2号店3号店も大繁盛した
しかし新しい家が出来5軒目の店がオープンする頃新興の弁当屋の追い上げにあって「ミウラ」の弁当はあっけなく倒産
自暴自棄になった父はまったく働かなくなった
あんた誰?お父さんは?ん?おお〜夏な…夏!最低!あっちょちょ…ちょちょ…ちょっと待ってちょちょ…ちょっと待って
(女性)ちょっと!ちょっと!夏!ちょ…ちょっと…ちょっと待て!お茶でも飲むか?いらない!離婚してお母さんと・タッタッタ…
(足音)
あれから5年。
父の消息は知れない
私たち家族の中にはもう父の存在は消えていた
ピーポーピーポー
(救急車のサイレン)いくつ?
(佐藤)4!どうもです。
・ピーポーピーポーはい。
意識レベル3桁で回復しません。
気道確保。
点滴ザイボックス。
今の見たか?お前。
だめかもしんねぇなあいつ。
(佐藤)そんなこと言うもんじゃないでしょ。
俺が代わりになってやれりゃあな。
(佐藤)何言ってんですか。
殺したって死なないくせに。
いいんだよ。
俺が死んだって誰も泣いてくれるやつはいねぇんだ。
はっ!泣きますよ俺。
何言ってんだよ。
かわいいこと言っちゃって。
(佐藤)三浦さんかみさん来週になりそうなんです。
おおっ!いよいよ産まれんのか。
はい。
やべぇなぁ。
はははっ。
何がやばいんすか?いやいややべぇぐらいかわいいってことだよ特に最初の5年はな。
ええ〜何がですか?親孝行ってのはな何も年取ってからだけじゃねぇんだ。
最初の5年間で一生分の忘れらんねぇぐれぇの思い出くれんだよ。
親孝行だべ!
(佐藤)あははっ!わあっ!おはよう。
(2人)おはようございます。
(4人)おはようございます。
おはよう。
(大西)EC事業部総力上げて捨てるのがもったいなくなるような質のいい使い捨てパンティーを提案します。
従来の旅行用品で扱っているような身も蓋もない紙パンツとは一線を画します。
矛盾してる。
捨てるのがもったいない気分になったら使い捨ての意味がないじゃない。
当たらない。
次。
(池田)科学研究所と組んでアンチエイジング疲労回復として注目されている水素発生器を販売します。
科学研究所と組むならもっと斬新なこと考えてよ。
今更水素発生器って発想はもう古いと思う。
(池田)でも一般的にも水素発生器は需要があるかと。
水素関係はこれ以上増やしても食い合うだけです。
はぁ〜…。
新しい企画それしかないの?まあみんなめげずに頑張ってくれ。
(戸谷)失礼します。
社長副社長お時間です。
(吉岡)うん。
明日までに考え直し。
明日10時から再開。
吉岡行くわよ。
うん。
あっ先行っててくれ。
書類取ってくる。
(純子)知ってますよ横浜の文化センターぐらい。
じゃあ4時に
(吉岡)お待たせ。
今日4時からの「オフィス前沢」の打ち合わせ吉岡代わりにやっといてくれる?ああいいけどなんで?代わってくれるの?くれないの?はぁ〜。
はぁ…。
で男か女かもう聞いたのかよ?
(佐藤)あえて聞いてないです。
はっ!
(社長)三浦さんちょっと。
はい。
うちの会社トラックの台数減らすんだよね来月から。
へえ〜そうなんだ。
だから悪いけど今月いっぱいということで。
えっ?すまないな。
このとおり!いやいやえっちょ…ちょっと待ってよ。
今月いっぱいって明日までじゃない!そういうことです。
えっ「そういうことです」ってさ…。
それ何?つまりリストラ?はぁ…。
・ニャー
(猫の鳴き声)沙織。
ああ〜おいで。
はい。
ただいま。
待ってた?ああ。
ご飯あげよう。
よしよし。
お前に餌やれんのもこれが最後かもしれねぇなぁ。
はぁ…。
ガスもかよ。
・タッタッタ…・コンコンコン!
(ノック)ニャー!・コンコン!・
(山瀬)大家の山瀬ですが!
(小声で)しぃ〜!いいよ食べて。

(山瀬)いますよね?いるんでしょ?もう何度もね郵便や貼り紙でお知らせしたんですが。
・もう半年も家賃振り込まれてないんですよ。
それで今日中に払ってもらわなかったら・強制的に出ていってもらいますからね。
・コンコンコン!・
(山瀬)今日中ですよ今日中!・お願いしますよ。
・コツコツ…
(足音)社長いるかな?
(新山)どちらさまでしょうか?俺?親。
(新山)アポはおありでしょうか?アポのないお客様は…。
親が来てんのに会えねぇのかよ。
それ…それになんだよ?ア…アポってのはよ?どうしたの?いや〜社長のおやじが会いてぇって言ってんのに会わしてくんねぇんだよ。
夏波のおやじ!聞いてんの?ああ〜!あっ…社長間もなく戻ると思いますのでどうぞ。
ゲストパスちょうだい。
(山下)どうぞ。
(吉岡)社長からはお父様は5年前に離婚されてそのあと亡くなったと…。
俺?生きてんじゃんこうやって。
あっはい…。
確かにお葬式にも出てないのはなんか変だなぁとは…。
人生いろいろあんだよ。
あんた何?秘書?あっいえ一緒に会社やってる吉岡といいます。
ふ〜ん。
・ガチャ
(ドアの音)ははっ久しぶり。
バタン
(ドアの音)どちらさまですか?すみませんお引き取りください。
(吉岡)次のミーティング俺やっとくから。
なんで吉岡が連れてくるの?いや下でばったり会って…。
なんで会社の中に入れるのよ!おい…そんなつんけんするなよ。
女は愛嬌だぞ。
うるさい!すぐ行くから先にやっといて。
(吉岡)うん。
あっゆっくりでいいよ。
ははっ…。
ガチャバタンあいついいやつだな。
ははっ。
みんな…元気か?いやいやすげぇビルだなぁ。
あははっ。
頑張ったんだ。
まあいっか。
なんの用なの?どうせお金の無心だと思うけど。
アパートの家賃がちょっとな…。
ははっ。
私に何か関係ある?「InterMosh」にも私にもあなたの家賃の問題は関係ありません。
へばな。
はぁ〜。
バタンったくもう。
あっ!あっ…。
・ガチャちょっと待って!いや〜…。
バタンあのころほんとに俺は…。
いいからそこにいて。
おい夏どこ行くんだよ?はぁ…。
ちょ…ちょっとちょっと。
純子。
おいおいおいおいおい随分こぎれいになったなあいつ。
はははっ。
お母さん最近変なのよ。
あの男の人がどんな人か探ってくれる?ひどいやつだったら許せないし。
そんなことお前探偵に頼めよ。
嫌よ探偵なんて。
探偵なんかにこんなこと言うのも嫌だし探偵事務所に電話するのも嫌!だからってさなんで俺がやんなきゃいけねぇんだよ?だってお金ないんでしょ?だったらやってよ。
日当払うわ1日1万。
はぁ〜お前今どき1日1万じゃ探偵だって雇えねぇっつぅんだよ。
でもさぁいいじゃねぇかよ純子が幸せになんだったら。
幸せになれるんだったらいいけど失敗したらどうすんの?お父さんのときみたいにお母さんに失敗してほしくないの。
はぁ…勝手に出てって私たちがどんなに苦労したか分かってんの?家のローンだって私が払ってるのに突然現れたと思ったら金貸してくれって少しは責任感じてよ。
そのぐらいやってもいいでしょ?おっ!おおっ…。
あっ!もう…。
ちょっとちょっとちょっと…。
ん!はいだって私が誘ったんですから。
(尾方)参ったなぁ。
お母さん完全にニコニコしてるし自分で払ってるし。
なんであの野郎払わないんだよ。
お母さんほんと変。
女の顔だなぁ。
(尾方)よいしょ。
(純子)あっすみません。
(尾方)すみませんなんかもうほんとに。
じゃああの…2軒目は僕が。
(純子)えっ!
(尾方)この近くにおいしい焼き鳥屋さんがあるんですよ。
(純子)ほんとですか。
(尾方)せっかくだからぜひ。
(純子)はい。
はははっありがとうございます。
あの男の人調べて。
分かったよ。
それはいいんだけどさ…。
何?何!?住むとこねぇんだよなアパート追い出されちゃって。
はははっ!はあ!?はぁ…。
ふぅ〜。
おいおいおいおい〜。
この階段にこの暖炉。
はははっ。
何度も設計士にだめ出しして作らしたんだよ。
アメリカ映画みたいだべ。
はははっ。
夢だったんだよな〜こういうの。
こんなの作ったからもう恥ずかしくて恥ずかしくて。
お父さん気持ちいいかもしれないけどはっきり言って邪魔なのよ。
何言ってんだ。
おめぇたちここでよくままごとしてたべ。
あははっ。
はぁ〜。
・ガチャ何?まだ送ってくれてんのかよ。
あんちゃん…。
ただいま〜。
ん?ぐぅ〜はぁ〜…ふぅ〜はぁ〜…。
・ガチャはぁ…。
ん?あっ冬花ちょっとちょっと…ちょっとこっち来て。
なんでいんの?いやあのねあの…しばらくここにいてもらおうと思って。
えっなんで?お母さんの相手の人お父さんに調べてもらおうと思うの。
調べるって?私心配なの。
お母さんには私から説明するから。
ん〜でもお母さん許さないと思うよあんなひどい別れ方したんだし。
私がなんとかするわよ。
冬花!あいやおめぇ大人みてぇだなぁ。
あははっ!ほい。
ふふふふっ。
なんだよおめぇ。
はははっ!
(純子)ただいま〜。
ああ〜ごめんね遅くなって。
今ご飯するからね。
ちょっと待ってね。
おかえり。
おう!何してんの?このシルクジャスミンさぁちょっと葉っぱ痩せてねぇか?ちゃんと手入れしてんのか?・タッタッタ…
(純子)ちょっと夏っちゃんこれどうなってんの?これにはちょっと訳があってね。
(純子)冬ちゃん何?これ。
説明して。
あっ…。
これ何?毎年送ってくんのかよ。
ああ〜!なんで俺んとこには送ってくんねぇのかな?
(純子)はぁ…なんであの人入れたのよ?ちゃんと説明しないとお母さん怒るわよ!実はねお父さん…。
リンゴちゃんはここだんべ。
はははっ。
はぁ〜。
恐れ入ります。
いただきます。
いただきます。
(純子)私はご飯食べてきたから。
珍しいわね外食してくるなんて。
ちょっと相談事があったの仕事の関係の人に。
冬花の就職のこと相談に乗ってもらったのよ。
それでお酒飲むの?
(純子)ちょっと誘われたのよ一杯だけ。
金まで払っちゃってよ。
痛っ!何言ってんのよ。
あっ!おひたしだ。
(純子)だめ!血圧が高い人はおしょうゆだめよ。
えっ?だってこのまま食べんのかよ?それじゃあおしょうゆ飲んで死んじゃってください。
はぁ…。
夏っちゃんの会社で倒れて迷惑かけるなんて最悪!えっ?
(純子)血圧安定したらさっさと出ていってくださいね!えっ?何怒ってんだよ。
やめなってば。
・ガチャふふふっ。
ふっ!コンコン入るぞ。
おっ!ごめんごめん。
あれ?なんか雰囲気変わっちゃったな。
はははっ。
前はほらピンクのタンスとかぬいぐるみとかごちゃごちゃごちゃごちゃあったじゃん。
ははっ。
いつの話してんの?それで冬花は今何やってんだ?ん?仕事。
ああ〜3丁目のコンビニでバイトしてる。
就職は?うまくいかなかったのか。
うん。
そっか。
で楽しくやってんのか?バイト。
うん。
・コンコンコンん!この中に明日の分の1万円も入ってるから。
はい。
あんまり汚い格好でウロウロされるのうっとうしいから。
それと脱いだやつは洗濯しないからゴミでまとめてください。
お姉ちゃんきれいなパパでいてほしいんだよ。
ほんとは私よりファザコンなんだからさ。
ははっ…。
ジャン!
(純子)いつもありがとうございます。
ごちそうさまでした。
(植田)ありがとうございました。
はい。
(客)おいしかったね。
(植田)あっリンゴありがとね。
あっいいえ。
ふふふっ。
(客)マスターコーヒーおかわり。
あっはい。
カランカラン…
(純子)いらっしゃいませ。
(純子)何しに来たの?ここには来ないでよ。
ホットサンドとコーヒー。
食べ終わったらさっさと帰ってくださいね。
かわいい制服だね。
ははっ!
(純子)はぁ…。
カランカラン…
(純子)尾方さんお疲れさま。
(尾方)すみません遅くなっちゃって。
(純子)いいえご苦労さまです。
(尾方)マスターどうも。
(純子)あのブレンドお客さんに評判いいんですよ。
あっそうなんですか。
うれしいな。
(純子)ふふふっ。
(尾方)これね来月入荷予定のサンプルなんですけどもしよかったら。
あら!悪いわねぇ。
「悪いわねぇ」。
(純子)ふふふっ。
あっそうだ。
青森のリンゴなんですけど。
あんちゃんのだ。
(純子)大したものじゃないんです。
ばか野郎。
あのリンゴ品評会で金賞取ったことだってあんだぞ。
遠い親戚がリンゴ農園やってて…。
だからあんちゃんのだっつの。
娘たちあんまり食べないから余っちゃって。
僕に下さい。
あの〜タルトタタン作ります。
タ…タ…タルタト?
(純子)ケーキのお勉強してるんでしたよねぇ。
あっ今度うちに取りに来てくださらない?もし来ていただけるなら全部差し上げます。
ガタッ!
(足が机に当たる音)
(尾方)ふふふっ。

(純子)あっじゃあまた。
(尾方)じゃあ近いうちに。
(純子)はい。
(尾方)マスターありがとう。
(植田)はいどうも。
(純子)「喫茶ルアン」でございます。
悪ぃ。
今持ち合わせねぇからツケといて。
えっ?あっ!君君!君ちょ…ちょっとちょっとちょっと…。
なんすか?あなたここに豆入れてる人?あっはい。
あははっうまいじゃんコーヒー。
あっどうも。
いや〜俺豆買いに行きたいなと思うんだけどなんかカードとか名刺とか…。
ああ〜!そうですか。
あの…うちね市販もやってるんですよ。
ぜひ来てください。
あっありがとう。
ああっ!ここのあのウエイトレスさんって森山さんだっけ?津島さんです。
ああ〜ああ〜。
ここ長いのかな?あの…津島さんに何か?いやいやいや…なんかいい感じかなと思って。
いや〜そりゃもうあの人が来てからやっぱもう店明るくなったしいやあの〜僕だけに…。
あれ?
(山下)今すぐ食べたい。
今すぐ。
(新山)ふふふっ。
(山下)お疲れさまです。
(新山)お疲れさまです。
何かあった?
(山下)いえ…。
そう。
(新山)ふふふっ。
(山下)おにぎりおいしそう!これでいっちょ上がりだ。
はははっ!はいやってみなやってみな。
ああ〜!だぁ〜だぁ〜だぁ〜。
粘土じゃねぇんだからよ。
(一同)はははっ!いいかいいかいいか。
おにぎりってのはな恋人の手を握るみたいに優しくそっと握ってやるんだよ。
そうすっと米粒の中に空気と愛が入るんだ。
ああ〜食ってみな食ってみな。
(村松)ん!ほんとだふわふわ!はははっ!映画やドラマのロケ弁はほとんどうちがやってたんだ!佐藤浩市もキョンキョンもこのおにぎり食べてました!
(一同)ええ〜!
(吉岡)何やってるんですか?差し入れだよ。
もうみんなよ朝からろくなもん食ってねぇんだよもう。
腹減ったらいい仕事できねぇだろ。
(吉岡)はい。
ちょっと。
何?またな!
(社員)ごちそうさまでした。
ありがとうございます。
おおっ!会社には二度と来るなと言ったでしょ?ちょっと報告にさぁ。
報告なら携帯で済むでしょ。
俺携帯持ってないし。
いやあの男の感触つかめたんだよ。
あとで聞くから帰って。
・おいおいおいおいおいおい!明日もこれな。
交通費別でな。
分かったわよ!シッシッ!はいどこから?つないで。
いいから早く。
おおっ!ありがとよ。
(2人)ごちそうさまでした。
またな。
はははっ。
(吉岡)お父さんお父さん。
おおっ!
(吉岡)さっきはどうも。
女の子たち喜んでましたよおにぎりおいしいって。
ふふっうまかったろ。
食ったか?いやみんな食べられちゃって僕食べてないんですよ。
俺も食べたかったな。
なんだよ。
腹減ったろ?はい。
飯行くか。
あっはい。
うなぎがいいなぁ。
どっか近くにいいとこねぇか?ああ〜あっ1軒ありますよ。
行くべ行くべ。
(吉岡)今日は社長に何か用だったんですか?いやいや大した用事じゃねぇんだ。
はははっ。
なあ夏はよいつもあんなにつんけんしてんのか?
(吉岡)ああ〜忙しいんですよいろいろあって。
(店員)失礼いたします。
お待たせいたしました。
特上2つでございます。
(吉岡)最初の頃はなんか楽しくやってたんですけど…。
いや〜会社もでかくなるって大変なんだな。
(吉岡)はい。
ああ〜!はははっ!久しぶりだねうなちゃん。
ははっ。
ほら人はうなぎ一つでこんなに幸せになれんだよ。
はい。
はははっ!いや俺さ東京出てきて最初に入った会社の社長に初めてごちそうになったのがうなぎでさ。
はははっ。
いやいやこんな大層な店じゃないんだけどうまかったなぁあのうなぎ。
俺青森出るまでうなぎなんて食ったことなかったから。
はははっ!えっお父さん青森なんですか?うん。
なんだよ?悪いかよ青森で。
あっいや僕生まれ東京なんですけどおやじの実家青森なんですよ。
おおっ!おおっどこ?どこ?青森。
八戸です。
はははっ八戸か。
南部だな。
俺は津軽よ。
はははっ。
うちはリンゴ農園やっててあんちゃんがおやじの後継いでやってる。
八戸か!はははっ!ああ〜一度だけおやじの田舎に連れてってもらったことあるんですけど去年おやじガンで亡くなっちゃって母も大学2年のときに亡くなりました。
そっか…。
いろいろ苦労してんだなぁ。
ふふふっ。
おやじリンゴ好きだったんすよ。
ん!リンゴ青森から届いてんだよ。
今度うちさ取りに来い。
あっありがとうございます。
うん。
ふふふっ。
(着信音)あっ。
(着信音)ははっ忙しいこと。
はははっ。
あっすみません。
(吉岡)どうした?吉岡?ちょっと話があるんだけど。
バタンコツコツ…
(吉岡)はぁ…。
吉岡「ラッキーヘブン」の城所会長と話したんですって?うん。
なんで私に黙ってたの?城所さん10億出資するから上場を目指せって私にも言ってきたわ。
はぁ…。
「ZIPタウン」に続いて「ラッキーヘブン」までみんながうちを食いものにしようとしてる!そうかな?こんなの体のいい買収じゃないよ。
だけどうちもこの1年売り上げが横ばいだから「ラッキーヘブン」とか「ZIPタウン」からの出資はありがたいって…。
上場はしないって約束だったじゃない!前はね。
弱気になってんの?弱気になってないけどこのままじゃジリ貧だろ。
上場したら「ラッキーヘブン」や「ZIPタウン」の思うつぼよ。
「InterMosh」は吉岡と私の会社でしょ?はぁ…。
ピッピッピッピロリロ…
(コンビニエンスストア出入り音)
(田島)ありがとうございました。

(店内BGM)676円になります。
チャリン
(お金を落とす音)ありがとうございました。
あれ?10円足りないんすけど。
えっ?10円足りないんすけど。
あっああ…はい。
ありがとうございました。
ピロリロ…
(田島)ありがとうございました。
(田島)お前寝てないの?えっ?
(田島)だから寝不足かよって聞いてんだよ。
いえ…。
(田島)寝不足でもねぇのになんでそんなミスばっかしてんだよ!すみません。
それから床に落とした金そのまま客に渡すな。
そういうの気分悪いだろお客さんも。
お前仕事なめてんのか?いえ。
何様だ?お前は。
分かりません。
(田島)何が分かんねぇんだよ?何様なのか。
仕事なめんなっつってんだよ!お客さんを大事にしろ。
もっとニコニコしろ!ニコニコ!はい。
ふふっ。
ピロリロ…
(田島)いらっしゃいませ。
(客)あっあるあるある。
わっ気持ち悪っレジの人。
代われ。
奥引っ込んでろ。
あっでも…。
気持ち悪ぃんだよこの役立たずが。
(田島)ほら。
いらっしゃいませ。
おいお客さんには笑顔だよな笑顔。
なあ?はははっ。
な…なんですか?あなた。
お前の言ってることは正論だよ。
間違っちゃいないよ。
でもなぁ教えるにももう少し言い方ってものがあるんじゃありませんか!?パパ〜!
(田島)「パパ」?パパ…。
あっごめんなさいすみませんほんとに。
ピロリロ…いらっしゃいませ〜。

(店内BGM)お疲れさまでした。
ピロリロ…冬花…さっきごめんな。
つい…。
お前あの仕事向いてないんじゃないの?だってあいつ気に入らないやつだけどさあいつの言ってることは間違ってない。
そうだろ?そうだよ。
私がだめだから田島さんに怒られるの。
全部私が悪いの。
はぁ…。
辞めたっていいんだぞ。
やりたくてやってるわけじゃねぇんだろ?うん…。
やりたくてやってるわけじゃないけど何したいか分かんないし。
ふっ!はなっからそんなやりたいもんなんか見つかるわけねぇだろ。
私さ就職53個落ちたんだ。
なんか何やってもだめなんだよねぇ。
生きててもしょうがないっていうか…。
ばか!痛っ!何言ってんだよ!はあ?焦ることはないんだ。
お前姉ちゃんと違うんだからゆっくりやればいい。
冬花は冬花なんだから。
ははははっ。
ニャー!ニャー!沙織だ沙織。
忘れてた。
「沙織」?うん。
ちょっと来い。
えっ?誰?「沙織」。
慌てんな沙織ほら。
ははっ。
なんかお前変なもん食ってたんじゃねぇのか?ほらちゃんと食えほら。
なんで「沙織」なの?南沙織に決まってんだろ。
・誰もいない海・タ〜ンタタッタ〜ン・二人の愛…そうか。
俺が中学生のときのアイドルだもんな。
冬花知らねぇわけだな。
はははっ。
やってみっか?うん。
ほら。
ちょっと待てちょっと待て。
もうちょっとあっから。
よし。
よっと…。
ははっ。
はい。
ふふっ。
かわいい。
ははっ。
たまにかむからな。
ママと一緒だ。
ふふふっ。
ふふっ。
よしよし。
ふふっ。
かわいい。
ニャー!ふふふっ。
ははっ。
カタカタ…
(キーボード操作音)まだ寝てないんですか。
なんか落ち着かなくてな。
血圧どう?うん。
なんだかよくないね。
いくつ?う〜ん…200?サァー
(ふすまを開ける音)明日病院で診てもらいましょう。
えっ?店長の紹介で明日お医者さんに診てもらおうと思って予約したの。
そんな大したことじゃねぇんだって。
この際ちゃんと診てもらいましょ。
そんなことよりさ冬花…あいつ大丈夫なのか?冬花ね…。
あいつもちっちゃいときから自分で物事決めらんねぇたちだったからなぁ。
思春期につらい思いしましたからねあの子も。
すみません。
ついでに一つだけ聞かせてくださいな。
はい。
なんでしょう?5年前なぜ…突然いなくなったんですか?しばらくこの家にやっかいになるつもりならそれに答える義務があると思うんですけど。
説明してくださいよ。
これ昔通販で買ったんだよな。
私の質問に答えて。
ひと言じゃ難しいなぁ。
長くても結構です。
なんか嫌になったっていうか…。
子供たちまで嫌になったんですか?私だけじゃなくて夏波や冬花まで。
いやそういうんじゃなくてさ。
自分に嫌気がさしたっていうか…。
一家の主でいられないって何なんだよって。
それだけ?いや…それだけのようなそれだけでもないような。
そんなことしか言えないんですか。
えっ?よくなったらさっさと出てってくださいね。
・ガチャバタン・トントントン…
(足音)ちっ。
まあいっか。
足りるかな。
おはよう。
(純子)おはよう。
もう行くの?病院9時に予約してんの。
えっ?どっか悪いの?何言ってんの。
あの人よ。
「あの人」?
(純子)店長の紹介で高血圧の有名な先生紹介してもらったの。
おはよう。
(純子)おはよう。
どうしたの?お母さんがお父さん病院に連れていくって。
うん…。
えっ!?あっお母さん。
ん?なんか思ったよりも元気そうだしもう少し様子見てもいいんじゃないかな?ねえ。
うん…うん。
私もそう思う。
(純子)だめよ。
昨日は血圧が200もあったそうよ。
ちゃんと診てもらわないと。
それにいつまでもここにってわけにもいかないでしょ。
やばいよ。
やばい。
(純子)入りますよ。
・ガタガタ…
(コーヒーを焙煎する音)
(赤松)いらっしゃい。
何かお探しですか?うん。
僕ちょっとコーヒーうるさいのよ。
(赤松)そうですか。
うちはねお客さんの好みの度合いに焙煎しますよ。
酸味のあるコーヒーがお好きならば浅めの焙煎。
苦みが好きならば深めにローストします。
ぶっ。
(赤松)お客さんの好みは?ところでさ今日もう一人…ええ〜なんだっけ?尾方さん休み?
(赤松)尾方をご存じですか?うん。
よく行く喫茶店で知り合ってね。
(赤松)ああ〜。
あの人いい人だよね。
コーヒーよく知ってるし真面目だし立派。
あははっ。
ここ長いの?彼。
(赤松)2年前からうちで働いてます。
そうなんだ。
(赤松)彼もね前はいろいろあって。
いろいろ?何やってたの?
(赤松)不動産屋をね。
彼も運が悪かったんですよね。
だいぶ借金もこさえたみたいでね。
借金?いくらぐらいなんだろう?えっ?いやいやその〜いくらぐらいなんだろうなぁと思ってその借金。
(赤松)さあ?でも不動産の借金だからねぇ。
100や200って話じゃないでしょうよ。
ふ〜ん。
・ブォーーッ
(車のエンジン音)バタッ
(車のドアの音)あははっ。
津島さん。
あっ。
(尾方)あははっ。
はい。
(尾方)いやすみません昼休憩なのに。
(純子)いいえ尾方さんこそ配達中なんでしょ?いやいや僕の方はもう全然大丈夫です。
どうぞ。
(純子)はい。
ふふっ。
(尾方)失礼します。
(純子)ふふっ。
(尾方)あの〜実はこれ新しいブレンドなんです。
飲んでくれますか?
(純子)ええ。
(尾方)あっ。
(尾方)よいしょ。
どうぞ。
はい。
いただきます。
あっ。
あっあの〜熱いから気をつけて。
あっはい。
おいしい。
ふふふっ。
(尾方)よかった。
はぁ…。
あの〜コクがあって苦みが少ないのが特徴なんです。
(純子)ふ〜ん。
コーヒーの話をしてると幸せそうね。
ふふっ。
津島さんと一緒にいるから幸せなんじゃないかな。
いつか自分のお店を持ちたいって思ってます。
いいわね目標があって。
いつか大切な人とおいしいコーヒーを出せる店を一緒にやれたらいいなぁって思ってます。
あの〜尾方さんも一緒に飲みませんか?ふふっ。
ふふっ。
ふふっ。
ふふふっ。
ただいま〜。
会社潰して借金こさえて…。
俺とおんなじじゃないか。
ちっ。
懲りないね純子も。
ゆうべ考えたんだけど大手の傘下に入る気持ちになれないわ。
そんなに早急に答え出さなくてもいいじゃないか。
いろんな道ゆっくり考えればいいんだから。
はぁ…。
吉岡が何を考えてるか分からない。
(吉岡)俺はこのままじゃ厳しいと思ってる。
だから会社の将来のためには…。
将来?将来ってどういう将来よ!ピロリロ…いらっしゃいませ〜…。
田島さん今日お休みじゃないんですか?休みに来ちゃ悪ぃのかよ。
いやそういう意味じゃ…。
お前ちゃんとやってんのか?はい?ちゃんとやってんですか?はい。
うそつけ。
どこがちゃんとやってんだよ。
雑誌はぐちゃぐちゃなままだしおでんの補充はできてねぇし。
あっ?それにお前制服のボタン取れかかってんじゃねぇか。
えっ?あっほんとだ。
すみません。
(田島)はぁ…。
お前おちょくってんのか?えっ?「おちょくってんのか?」っつってんだよ。
ほんとしょうがねぇな。
すみません。
俺がいねぇからって気ぃ抜くんじゃねぇぞ。
はい。
「はいはい」って口だけなんだからよ。
(根岸)なあなあなあなあ今日声優のオーディション受けに行ったんだぜ。
あの格好はそんな感じだよ。
まあたぶん落っこったな。
ああ〜あの人本当は何やっていいか分かってないんだよ。
ほんとに声優になりたいのかどうか疑問だよな。
あっあの人確か大学卒業して一部上場だかのいいとこに入ったんだけどなんか合わなくて辞めちゃったんだよな上司とぶつかって。
ふ〜ん。
結局あの人やりたいことが見つかんないんだよ。
まあ俺もそうだけどさ。
ふふっ。
で〜も冬ちゃんとデートしたいな〜ってことは分かってるんだ。
ねえ今度一緒に映画行かない?あっそれか飯食いに連れてってやろうか?まあ割り勘だけど…。
(客)あの〜すみません。
(根岸)あっはい。
なんでしょうか?あっお預かりいたしま〜す。
(客)君ちょっとうざいね。
(根岸)えっ?あっうすっ。
2点で324円になりま〜す。
お預かりいたします。

(尾方)お疲れさまでした!ふふふっ。
はぁ…。
(ホステス)ああ〜おがっちゃ〜ん。
ハロー。
ちょっと乱れちゃってるよ。
(尾方)あっ何?何?ええ〜。
(ホステス)行こう行こう。
(尾方)今日サービスいいんじゃない?
(ホステス)えっ?いつも優しいでしょ。
今日も寒いね。
お顔ぴかぴか。
いつもでしょ。
なんだあいつ。
借金抱えてんじゃねぇのかよ。
(純子)・ああ〜・ああ〜ふふふっ。
・ザクッザクッ…
(包丁で切る音)ただいま。
どこ行ってたの?病院の予約すっぽかして。
あっ…。
ちょっと知り合いに病院紹介してもらってさ薬もらったら結構調子よくなって130。
あらそう?だったらもういつでも出ていけるわね。
ははっ。
あっ…。
鍋だ。
ははっ鍋。
へへっ。
なあ純子。
お前んとこの店に出入りしてる焙煎屋の尾方…。
えっ?なんで尾方さんのこと知ってんの?いや〜お前たちがどこまでいってんのかはまあいいんだけどさあいつちょっとやばいよ。
昔不動産で失敗して結構な借金抱えてんだ。
その割にあいつキャバクラ通いしてんだよ。
知ってんのか?そのことお前。
いや俺…。
はぁ…。
俺が言うのも変だけどさお前には幸せになってほしいんだ。
俺んときみたいに二度とつらい思いしてほしくないんだ。
調べたの?えっ?尾方さんのこと調べたのね。
だから…。
うんそれにはちょっと訳があって…。
なんでそういうことするのよ。
いやだから…。
ただいま〜。
夏っちゃんこの人に頼んだのね。
なんでそういうことするのよ私にないしょで。
最初からお父さんの病気なんてうそだったんでしょ。
私のこと調べるためにお父さん連れてきたんでしょ。
夏もお前のことが心配で…。
最低よあなたたち!純子!
(純子)はぁ…。
バレちゃったか…。
まあ…でもよかったんじゃない?また苦労しなくて。
そうだな。
コーヒーに罪はない。
食おう。
ははははっ。

(純子)うぅ…。
はぁ…。
んん…。
(純子)いただきます。
お母さんごめんね。
(純子)お味噌汁冷めちゃうわよ。
いただきます。
ガチャおはよう皆の衆。
それではおいらはこれで。
まあやることやったしな。
行くとこあるの?ああ〜まあな。
ないでしょ。
大丈夫だぁ。
へばな。
・ガチャバタンあぁ…。
よいしょ。
バタンコソコソあんなことして余計なこと聞かされて腹が立つけど…。
悪かったな。
でも…これが現実よね。
なんかうきうきしちゃってばかみたい。
そんなことないよ。
お前には幸せになってほしいんだ。
あなたに言われたくないわよ。
ふふっ。
そりゃそうだな。
よし。
あっ。
もう少しいてもいいわよ。
えっ?その間に行き先決めてね。
ガチャバタンえっ?・
(純子)もったいないから早く朝ご飯食べちゃって。
参ったな。
しょうがねぇな。
・ガチャバタンんん…。
どうぞ。
(客)コロンビア。
(植田)はい分かりました。
ええ〜ミルクをお付けしますか?カランカラン…
(尾方)こんちは。
昨日はどうも。
ふふっ。
はいえ〜っといつものが2つ。
それとこれ愛情もう一個ってやつ。
ふふふっ。
え〜っとサインしてもらおうかな。
お願いします。
(尾方)昨日はすごく楽しかったです。
(純子)店長すみませんミルク少なくなったので発注してもいいですか?
(植田)あっ一応箱見てくれる?
(根岸)312円のおつりになります。
少々お待ちください。
なんだ今日あいつ来てねぇのか。
(根岸)田島さん昨日から休みなんすよ。
いいじゃないか気楽で。
ははっ。
(根岸)いやでも珍しいんすよ2日続けて休むなんて。
口ばっかりか。
あいつも大したことねぇな。
(根岸)へへっ。
あっどうぞ。
豚キムチだ今日。
ははっ。
(根岸)あっあの〜今度冬ちゃんと三人でカラオケでも行きませんか?パパさん。
気安く呼ぶな金髪。
・私のキムチは・豚キムチ〜・ピンポーン
(インターホン)はいはいはい。
ちっ。
なんだよ。
あいつだ。
なんだ?えっ?あなた…。
俺はここの…いや純子の元旦那だ。
なんだよ。
なんの用なんだよ?いや…先日頂いたリンゴでタルトを焼いたので持って…。
ああそう。
ご苦労さん。
なんだよ!ほかになんか用があんのかよ!いえ…すみません。
じゃあな。
あっ…。
(尾方)いつか大切な人とおいしいコーヒーを出せる店を一緒にやりたいなぁって思ってますはぁ…。
吉岡は何時に戻ってくるの?・
(戸谷)今日は打ち合わせが2件立て込んでいて戻ってきません。
聞いてないけど。

(戸谷)あっ副社長が社長には報告しないでいいと言ったので…。
そう。
はぁ…。
おかえり。
ふふっ遅かったな。
晩飯作った。
ああ〜せっかく作った豚キムチ冷めちゃった。
あっためるからちょっと待ってろ。
いらない。
はぁ…。
傷深し。
・ピンポーンはいは〜い。
(吉岡)あっどうも。
おう。
リンゴ取りに来ました。
おおよく来たな。
うん上がれ上がれ。
(吉岡)あっ…。
よ〜しよしよし。
どれだ?よしこれだな。
ははっ。
ああ〜。
ちょっと待ってろ。
(吉岡)はい。
あの〜ちょっと出てくるわ。
せっかく作ったからさ豚キムチ食べてね。
よいしょ。
ちょうどいい…これで入るか。
よし。
夏とはうまいこといってんのか?
(吉岡)ええまあ。
なんで結婚しねぇんだよ?
(吉岡)いや…そういうんじゃないんですよ僕らは。
ずっと二人でやってきたんだろ?
(吉岡)はい。
一回ぐらいあったんじゃないの?何がっすか?だから…ほれ。
ああ〜ありませんよ。
ええ〜!だからそういうんじゃないんですって。
じゃあどういうんだよ?ちっ。
ハツ!
(店員)はいよ。
まったく好意っていうのはないんですか?男として。
だってまったく向こうにその気がないんですもん。
聞いたのかよ?いやでもなんとなく雰囲気で分かるじゃないですかそういうの。
だから夏はさそういうの表に出すの下手なのよ。
思ってても恥ずかしいっていうのが先にきちゃうんだよ。
だから仕事仕事って。
そういうやつなのよ。
ビジネスパートナーって難しいんすよ。
何言ってんだよ。
所詮男と女じゃないか。
でも結婚うまくいかなかったんですよね。
やかましい。
それが男と女っていうんだよ。
ちっ。
一回ぐらいキスしてみろよ。
張り倒されますよ。
それでだめならはっきりすんだろう。
ちっ。
そんな顔すんなよ。
俺とお前には東北人の魂が流れてんだ。
夏も待ってるよ。
たぶん。
カチッ
(マウス操作音)カチッでね会社の名前なんだけど「InterMosh」はどう?
(吉岡)どういう意味?「Inter」はInternationalの「Inter」。
「Mosh」は「回転の中心」って意味よああ〜世界の中心ってわけか「InterMosh」いいじゃんええ〜楽しそうね。
ふふふっ
(吉岡)バイトするより効率いいかと思ってさネットショップやんだ三浦とうん
(学生)三浦と吉岡ほんと仲よしね
(学生)ねえ。
ふふふっ
(学生)行こうはぁ…。
・バタッカランカラン…
(赤松)こんちは〜。
(植田)おっ珍しいね。
社長がうちに配達に来るなんて。
おがちゃんどうしたの?
(赤松)うん。
あいつね今日無断欠勤なの。
こんなこと初めてなんだけどね。
(植田)うん。
はい。
表掃除してきま〜す。
(田島)よろしく〜。
ガタン
(缶ビールを落とす音)あっ!
(田島)あっちょっと待って。
(田島)どうもすみません。
新しいのと交換させていただきます。
ありがとうございました。
(田島)ありがとうございました。
あの…すみませんでした。
次気をつけてね。
はい。
えっ?何?あっあの…いつもみたいに怒らないんですか?ふっ…まあな。
実は俺今日で辞めるんだ。
えっ?お前のこといろいろ怒って悪かったな。
いろいろ言っちゃったけどお前頑張れよ。
辞めてどうするんですか?うん。
まあいろいろな。
沙織お前もそろそろ行き先決めとかないとな。
はぁ…。
ニャー!もう何度話し合っても平行線ね。

(吉岡)はぁ…。
「ラッキーヘブン」か「ZIPタウン」の力を借りて経営を安定させて社員が安心して仕事をできる会社にした方がいい。
俺はそう思う。
私がノーだと言ったら…。
ノーだと言ったら会社を辞める気?・あなたならどうする夏!はぁ…。
勝負するか?不思議だよな。
いろんなことは忘れちまうのにお前たちとボウリングしたことはよく覚えてるよ。
わあ〜パパすごい!
(純子)すごいねパパイエ〜イ!夏のボールはまっすぐだからスパッと真ん中狙えカーン!ほ〜ら見ろ!よし!あはっ。
あぁ…。
かっこ悪っ。
はぁ…。
おい。
ふふっ。
下手になったわね。
えっ?背中も年取ったみたい。
当たり前だ。
生きてんだ。
これで勝ってもうれしくないなぁ。
やかましい。
行け。
よし。
カン…
(ピンにボールが当たる音)あっちゃ〜。
ほんと詰めが甘い。
あ痛たた〜。
ふふっ。
よし。
これ取ったら吉岡と一緒になるか?何言ってんの?どうする?取れるわけない。
よっしゃ〜!はははっ。
まあこんなもんだ。
うわ〜。
腕痛いのか?全然。
痛いくせに。
寒いだけ。
ふふふっ。
お前吉岡のことどう思ってんだ?えっ?ただの仕事仲間ってわけじゃねぇんだろ?やめてよ。
俺あいつ好きだよ。
青森の魂も入っちゃってるしお前が一緒に仕事をしたかったのもよく分かるよ。
吉岡会社辞めるって。
えっ?ビジネスパートナーって1つの時代が終われば別れる。
そういうもんよ。
いいのか?それで。
あっ…あなたとお母さんだって簡単に別れたじゃない。
ビジネスパートナーは意見が違えばそれぞれの道を行く。
それだけよ。
・ただいま。
おかえり〜。
ただいま!
(純子)ちょっと作り過ぎちゃった。
ええ〜たくさん。
(純子)あったかいうちに食べよ。
さあさあさあさあ夏ちゃん手伝って早く。
あっは〜い。
それと…。
タンタンタン…
(包丁で切る音)お父さんこれ開けて。
なんか吹っ切ったのかな。
タンタンタン…ふふっ。
・バタンおかえり。
おうおかえり。
(純子)おかえり。
よし!冬ちゃんごちそうだぜ。
ほら一緒に食べよう。
手洗ってこい。
いらない。
(純子)唐揚げあるわよ。
あとで来なさい。
タンタンタン…
(純子)はははっ。
お前ほんと唐揚げ好きだな。
仕事行くんだもんがっつり食べなきゃ。
(純子)おはよう。
朝ご飯食べなさいよ。
おはよう。
いらない。
食欲ない。
(純子)う〜ん。
あいつゆうべもなんにも食ってねぇじゃねぇか。
部屋にこもりっきりだったしね。
糞詰まりか?もう…。
食事中。
(純子)ひどすぎる。
ピロリロ…・
(ホステス)ありがとう。

(ホステス)気をつけてね。

(ホステス)またね。
ちゃんと前見てよ。
じゃあねバイバイ。
あっありがとね。
うんまたね。
バイバ〜イ。
じゃあね気をつけてね。
バイバイ。
あれ?あれ尾方じゃん。
あ〜らおじさんいい男。
ねえねえ入ってって。
分かった分かった。
分かったからちょっと待ってね。
あっいらっしゃいませ。
尾方…。
ははっ俺さてっきりキャバクラで遊んでんのかと思ってた。
はははっ。
いや…。
お前不動産でこけて借金抱えてんだって?「まめや」のおやじに聞いたよ。
いや実は銀行で借金してある土地に投機したんですけどでもその土地が値下がりしてしまってそれでまあ結局4000万ほどの借金を抱えてしまって。
ははっ4000万か。
まだまだだな。
はははっ。
はははっ。
いやなんかあの…そのときの苦労がたたったのかあの…女房が急にあの…体壊して亡くなってしまって。
(尾方)うぅ…それで俺ももう死のうかなぁって…。
(尾方)そんなときあの…焙煎屋の店の前通りかかってぼう〜っと中のぞいてたらあの社長が一杯飲んでいけって。
あんときのコーヒーほんとおいしかったなぁ。
それ飲んだらなんだか…なぜかもう一回頑張ろうって思ってそれで「ここで働かせてください」って。
それで配達してるなかで純子さん…あっあの…元の奥さんに出会ったんです。
何度か話してるうちにだんだん奥さんと会うのが楽しくなってきてそれである日奥さんのために自分でいれたブレンド飲んでもらったんです。
そしたらすごくおいしそうに飲んでくれて…。
「おいしい」って。
そのときこの人と一緒に店が持ちたいなぁって思って。
あっ…すみません。
あの〜あなたと純子さんが元に戻ったってほんと全然知らなくて申し訳ないです。
ばか野郎。
すみません。
元になんか戻ってねぇよ。
えっ?でどうなんだ?その借金。
返したのか?いやまだ少し残ってますけどでもまああの…自分の店持つためにコツコツためてます。
それであのキャバクラで働いてたのか。
いや…。
お前本気なんだな?私…。
もう一度やり直したいんです。
もう一度大切な家族が欲しいんです。
泣くな!ううっ…。
ふふふふっ。
ただいま。
ただいま。
よっこいしょ。
ははっ。
(観客たち)あと1球あと1球!
(太郎・純子)あと1球あと1球あと1球あと1球!わあ〜!行け!わあ〜!わあ〜勝った!勝った!やった〜!やった〜!
(純子)やった〜!やった〜!バンザイ!バンザイ!
(純子)バンザ〜イ!
(太郎・純子)バンザ〜イ!バンザ〜イ!・
(純子)ただいま。
・はぁ…。
おかえり。
純子。
ん?それ…。
ははっ押し入れの奥の段ボールに入ってた。
やだ。
そんなの捨てといてよ。
ははっ。
すごかったよなぁ。
5万だぜ神宮。
(純子)うん。
掛布のホームランに佐野の犠牲フライだ。
はははっ。
あの日出会ってなけりゃ夏も冬もこの世には存在しなかった。
不思議だよな偶然知り合って好きになって家族になって。
焙煎屋の尾方あいついいやつだった。
えっ?商売に失敗して一度は死のうとまで思ったらしい。
でも一杯のうまいコーヒーを飲んでもう一回やり直そうと思ったんだって。
だからお前があんまりうまそうにコーヒー飲むもんだからほれちまったんだってよ。
キャバクラもその借金返すために必死で働いてるんだ。
もう私結婚はこりごりなの。
何も結婚しなくたっていいじゃないか。
大事に思える人と一緒に暮らせばいい。
思い出つくりゃいいんだよ。
独りの方が気楽でいいわよ。
出会っちまったんだよ。
素直になれよ。
「家族になりたい」そう言ってた。
家族…か…。
ヒュ〜ヒュ〜…
(口笛)・・おい純子。
・・しょうがねぇな。
ふぅ…。
はいはい。
ピッ
(操作音)もしもし。
あっもしもし?津島さんのお宅ですか?あの〜冬花さんがバイトしているコンビニの根岸ですけど。
おお〜お前か。
俺だ。
あっパパさんっすか。
なんだ?
(根岸)あっ冬ちゃんが朝からバイト来てないんっすよ。
えっ?
(根岸)風邪でもひいたかなってちょっと気になって。
そっち行ってないのか?
(根岸)はあ。
こっちから電話しても全然連絡取れないんっすよね。
まあ最近ため息ばっかでなんか様子おかしかったから…。
はぁはぁはぁはぁ…冬花は!?連絡あった!?これがあいつの部屋に。
はいよろしくお願いいたします。
はい失礼します。
警察には連絡しといた。
なんかあったら連絡くれるって。
まったく…。
どこで何やってんだあいつ。
(メール着信音)あっあっあっ!ちょっと…ちょっとこれ!夏っちゃん夏っちゃん夏っちゃんこれ!えっ山梨!?山梨?
(純子)なんで?ごほごほっ。
おう佐藤。
(佐藤)えっ三浦さんじゃないっすか。
鍵貸せ。
鍵貸せよ。
何?何?あっ子供生まれたのか?生まれました。
おめでとう。
ありがとうございます。
トラック1日貸してね。
ちょっと待って待って!何言ってんですか?おやじになったお前なら分かってくれるはずだ。
家族の危機なんだ。
(佐藤)はあ?ちょ…ちょっと。
み…三浦さん?ねえ。
三浦さんちょっと!何…ねえちょっとちょっと!ちょっと…ちょ…ちょっと!
(佐藤)いってらっしゃい!山梨の古村町って…。
西湖の辺りだな。
純子そっち。
はい。
冬花〜!冬ちゃ〜ん!冬花〜!
(純子)あぁ…。
冬花!
(純子)あぁ…。
冬花…。
冬花。
冬花。
冬花。
冬花!だめだめ!止まれ!止まって!そこそこ!動くな動くな動くな。
いいか!?だめ!動いちゃだめ!そこそこ止まって止まって…。
ああ〜!ああ〜!何やってんだよ!もう!おい心配かけんなよ!田島…お前か!ちょっと!ちょ…。
田島さんを責めないで!私が勝手に連れてきたんだから。
これ。
「農業体験」?この近くの農家で1年間農業するの。
農業って…。
田島さんがコンビニ辞めるときに「何をするんですか?」って言ったらこういうのがあるって聞いて。
それで田島さんこれに行くって言って…。
すごいなぁと思った。
一人で決めて一人で行動してほんとすごいなぁって。
私なんて何もできないしでも何かやりたいし。
でも今まで何やってもだめだったからって電話で話をしたら…。
俺が誘ったんですだったらこっちに来てやってみないかって。
それを聞いて続かないかもしれないけど…だめかもしれないけど…。
やってみようって思ったの。
だからって連絡ぐらいしろよばか野郎!ごめんなさい。
(田島)すみません。
いいか。
やりたいことなんて簡単に見つからねぇんだよ。
だから長〜い人生があるんだよ。
一度やるって決めたんだとりあえず続けろとことん。
とことん続けてみろ。
「冬花」って名前はな暗い冬でも1輪りんと咲いてる花を思って付けたんだ。
こいつがいたら周りが暗くてもみんな幸せになれると思って。
しおれさしたら承知しねぇからな。
はい。
私頑張る!
(純子)食べなさいこれ。
(純子)冬花。
あいつ小学5年生だっけ。
リレーのアンカー選ばれてトップでバトンもらったのにこけちゃって。
(純子)そうそう。
もう学校行きたくないってずっと泣いてた。
(純子)ピアノも習字もほんと習い事続かなくてね。
卵。
あっ。
はい。
給食もさ全部食べられないって…。
よく泣いてたねぇ。
でも今日いい顔してたいちばん。
(純子)あなたもいいお父さんしてた。
ふふっ。
ああ〜うまい。
(純子)ふふっ。
イカ。
うん。
よっこいしょ。
こうやってると弁当屋やってた頃のこと思い出すなぁ。
朝4時起きして大騒ぎだ。
必死で注文こなして配達やって…ははっ。
幸せだなんて感じてる暇なかった。
幸せだったあのころ。
そうだな。
1回失敗したぐらいでぺしゃんこになって…。
家族捨てて…。
ほんとばか。
やり直せるチャンスいっぱいあげたのに。
仕事なくなって気が付いたんだ。
向いてねぇんだな俺同じことやっておんなじとこで暮らすの。
覚悟がねぇんだな。
ははっ。
家族背負って引っ張ってく。
だから逃げたの?まあそれでも世の中の人たちは歯食いしばって頑張ってんだよなみんな。
ははっ。
うっうぅ…。
なんかたまねぎが目に入って…。
はぁ…。
それじゃがいもだろ?よし。
思い切ってあいつんとこ行ってみろよ。
新しい道歩いてみろ。
俺一応後悔してんだ。
このうち出ていったこと。
ふふっ。
うぅ…。
泣くなよ。
ばか!はははっ。
ったくよ。
しょうがねぇな。
はぁ〜あ…。
よっ!よ〜し。
(尾方)はぁ…。
(尾方)はぁ〜。
(純子)ちょっといいですか?純子さん。
あっ…おはようございます。
あの…聞きたいことがあるんです。
朝からこんなこと聞きにくいんですけど尾方さんは家族が欲しいの?私が欲しいの?両方です。
大切な人と寄り添って家族つくりたいんです。
純子さんじゃなきゃ家庭は持ちたくありません。
ふふっ。
ひきたてのコーヒーいかがですか?ふふっ。
おいしい。
ふふっ。
あははっ。
おいしい。
これから毎朝私に…。
こんなふうにコーヒーいれてくれる?はい。
もちろんです。
ふふっ。
どんなに忙しくても…。
はい。
ずっとよ?はい。
ふふっふふふっ。
ふふっふふふっ。
はい受け取れよ。
はい。
よいしょよいしょよいしょ。
ああ〜。
・お父さんトラック出るわよ。
おう。
よし。
おう終わったか?ははっ。
元気でな。
お別れね。
ははっ!ぺしゃんこになるなよ。
あなたもね。
よろしく頼みますよ。
どうぞあの…遊びに来てください。
ふふっ。
(純子)じゃあ。
ふふっ。
これ捨てといて。
じゃあね。
へばな。
うん。
(純子)ふふっ。
(尾方)乗って。
・バタッかっ飛ばせ〜純子!楽しくやれよ〜!頑張れよ。

お父さんとお母さんもう夫婦でもなんでもないはずなのに今までよりも家族って感じがした
う〜んおいしいこのコーヒー。
うん。
ちょっと悔しいけどな。
ふふっ。
2度目の結婚はうまくいくっていうからきっと幸せになれるわね。
1回も行ったことねぇやつに言われてもな。
ふっ。
結婚してれば一人前という考え方は今はありません。
はい。
ふふふっ。
はぁ〜。
なんか静かんなったな。
ほんと。
そういえばさ俺結構お前のことかわいがってたつもりなんだけどなぁ。
そう?だってほら毎週一緒にプール行ったり洋服一緒に買いに行ったりしたじゃねぇか。
あっお前俺より高い服買ったの覚えてない?あのピアノの発表会んとき。
ピアノの発表会の服!スパンコールの付いてる。
シンデレラみてぇだった。
あんなキラキラしたら嫌だって言ったのに。
嫌だったのか?そうよ。
あの服が嫌で発表会も不調だったのよ。
ええ〜!?ええ〜!?やだもう。
記憶なんだなぁ家族って。
子供が育ってしまえばいずれみんなバラバラになってしまう。
でもみんなの記憶ん中で家族は生きてんだ。
家族なんてよく分かんねぇけど…よく分かんねぇけどつながってんのが家族なんだな。
離れ離れになっても家族って糸みたいなもんでつながってんだな。
お前も家族つくりゃいい。
ふふっ。
新しい記憶つくりゃいいんだよ。
新しい記憶…。
「InterMosh」を辞めてどうするの?ミャンマーとカンボジア行ってエステサロンやろうと思ってんだ。
美容院が定着してきたところだから次はエステかなと思って。
ミャンマーとカンボジア…。
人口はどれくらいなの?ミャンマーが5100万。
カンボジアが1500万。
若い人の人口は都市部で日本の3倍。
ビジネスチャンスは必ずあるよ。
私も一緒にやろうかな。
私も一緒にやる。
会社はどうすんだよ?会社は「ラッキーヘブン」か「ZIPタウン」に吸収合併してもらって社員の生活の安定を図り経営は新しいCEOに任せるわ。
あんなに合併嫌だって言ってたじゃないか。
気が変わったの。
吉岡の話聞いてたらまた一緒にゼロからやりたくなったのよ。
だめ?
(吉岡)寒くなったな。
寒くても平気。
ふっ…。
カンボジアとミャンマーは暑いんだよ。
暑くても平気よ。
ふふっ三浦は強いからな。
どうかしら?
(夏波・純子)ふふふっ。
よく煮えたんだこれ。
(純子)なんでごまめが残ってんのかしら。
まめに働くという意味のごまめなのよ。
みんな食べなさい。
ねっはいはい。
ママ毎年同じこと言ってる。
(純子)ほら!さっきから高いものばっかり食べてる。
ちょっとは遠慮しなさいよ?だってあわびだって縁起物だべ。
1つは自分のため。
1つは皆さんのため。
やっぱ家はいいな。
こんなゆっくり座ってらんないもん。
そんなこき使われてんのか?あっ。
1月はさつまいもにほうれん草でしょあと豆もやしにパセリの出荷。
結構忙しいんだから。
今日は泊まってくんだろ?いや〜難しいかな。
ええ〜?私も夕方には帰んなきゃ。
うちの人今日も朝から仕事よ。
コーヒー豆の福袋なんて売れるのかしらと思ったらこれが結構売れるんですって。
(2人)「うちの人」。
「うちの人」だって。
なあ?ふふふっ。
(純子)夏っちゃんは?私はこれから合併交渉詰めていくってところで吉岡はひと足先にミャンマーで現地調査。
吉岡か…。
元気か?うん。
吉岡さんってほんとにお姉ちゃんのことが好きなんだね。
そういうんじゃないの。
だって一緒にミャンマーで暮らすんでしょ?一緒には暮らさない。
一緒に仕事をするの。
ビジネスパートナーっつうんだよ。
そうです。
ねえずっと気になってたんだけどさお姉ちゃんそっちの方どうなってんの?そんな美人なのに。
ノーコメントです。
遠いかの地で二人でいればなるようになるんじゃない?夏っちゃんはほら数の子食べなさい。
子だくさんの数の子。
ちょっと…子だくさんはもう関係ないんだって。
てれてる。
あっお母さんお雑煮おかわりする?太っちゃうからやめとく。
ああ〜私おかわりしよう。
私も。
よっ。
来年は日本に戻れるかどうか分からないからたくさん食べとこう。
冬も食べな。
うん。
パパさここに住めばよかったのに。
嫌だよこんな広いうち。
みんながいるからこのうちがあるんです。
だって俺なんかよ飯食うとき客間まで持ってって食ってんだよ。
さみしいんだ〜。
さみしい。
やだ〜。
さて俺も新しい人生の一歩を踏み出すとするかな。
えっ何するの?アメリカ大統領。
寒い。
寒いそれ。
だってトランプだってなれたんだよ?ガタン
(物音)ああっ…あっ腰痛い。
よし。

(佐藤)これで全部。
佐藤おい。
(佐藤)あっ三浦さん!えっ三浦さんじゃないっすか!えっ?えっ?何やってんすか?こんなとこで。
まあちょっとな。
ははっ。
それよか子供どうだ?ああ〜かわいいっすよ俺に似て。
ええ〜?ええ〜?
(2人)はははっ!これから大変だ。
いろんなとこ連れてったり写真撮ったり。
(佐藤)はい。
頑張れよ!何!?もう!頑張ります。
じゃあな。
(佐藤)はい。
バタッブォーーッ
(心の声)≪風は冷たい≫ボォーー
(汽笛)≪でも心の中はなぜかあったかい≫ボォーー≪家族の記憶がそこにはあるから≫だめだ。
寒すぎる。
はぁはぁはぁ…。
2017/01/08(日) 21:00〜23:03
MBS毎日放送
MBS開局65周年記念 新春ドラマ特別企画 しあわせの記憶【渡辺謙主演】[解][字]

渡辺謙×北川景子×二階堂ふみ×麻生祐未!豪華キャストが贈るステキなホームドラマ!!▼5年ぶりに帰ってきた父…再び始まる「新しい家族の物語」!!

詳細情報
番組内容
借金を抱えて離婚し、家を去っていった一家の主が5年ぶりに家族の元へ。元妻の再婚話や悩める娘二人の生活に首を突っ込んでいく…。太郎(渡辺謙)が家を出て5年。夏波(北川景子)と冬花(二階堂ふみ)は、最近オシャレして出かける母・純子(麻生祐未)のことが気になっていた。そんな折、夏波の元に太郎が金の無心にやって来る。相変わらずの風来坊ぶりに夏波は激怒するが、太郎に母の動向を探ってもらおうと考える…。
 
出演者
渡辺謙
北川景子
二階堂ふみ
麻生祐未
千葉雄大
三浦貴大
山崎樹範
菅原大吉 ほか
 
スタッフ
【脚本】
大石静(『長男の嫁』『ふたりっ子』『セカンドバージン』『家売るオンナ』ほか)
【プロデューサー】
志村彰 関川友理
【演出・プロデュース】
竹園元
 
音楽
【主題歌】
Uru「娘より」(ソニー・ミュージックレーベルズ)

【音楽】
吉俣良(『篤姫』『江〜姫たちの戦国〜』『冷静と情熱のあいだ』『四月は君の嘘』ほか)