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地上波テレビの字幕を全文書き起こします

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篠原涼子主演スペシャルドラマ「愛を乞うひと」2017.01.11

(陳豊子)何なんだよその目は!痛いじゃないか!行っちまえ!バカヤロ—ッ!
(陳文英)行こう照恵。
ああ行け行け!どこにでも行っちまえ〜!ああっ…。
いいさ…いいさ!こっちから捨ててやるよ!お前らなんかな!こっちから捨ててやる!台湾でもどこへでも行ってのたれ死ね〜っ!
(山岡照恵)はっ!危ねえなぁ!すいません…。
(山岡深草)逆でしょう?謝るのそちらですよね?あぁ?見てましたよ。
あなたがいきなり飛び出したの。
チッ…気をつけろ。
すみません…。
もう。
なんで謝らなくていい人にすぐ謝っちゃうの?うん…ごめんね。

 

 

 


ほらまた。
悪い癖だよそれ。
はぁ…どうだった?えっ?通知表もらったんでしょ?そういう反撃で来ますか。
はい。
(照恵・深草)フフ…。
あなた…深草の1学期。
数学と物理以外は頑張ったよお父さん。
数学と物理も頑張ってもらわないと国公立は無理ですよ。
ねえ?
(電話のベル)はいもしもし山岡です。
はい…あ少々お待ちください。
お母さん電話。
えっ…誰?警察だって…。
えっ?はい山岡照恵ですが…。
(佐藤)武蔵川警察署刑事課の佐藤です。
はい…。
(佐藤)つかぬことをお伺いしますが和知武則さん…ご存じですよね?
(佐藤)山岡さん?もしもし?ご存じないですか?はい…弟です…。
(佐藤)詐欺窃盗で現行犯逮捕されまして当署で留置中です。
お姉さんに面会させてほしいと本人が言ってましてね。
ねえお母さんってずっと1人だったんだよね?弟なんていないよね?ねえ?いるの?ねえ兄弟いるの?小さい頃親が死んじゃって1人施設で育ったって…あれ嘘だったの?ごめんね…。
イラつくそれ。
とりあえず何でも「ごめん」って。
なんで今まで騙してたの?騙してなんかいない…。
騙してたじゃん!危ない!危ないじゃない!照恵!イヤッ…だから何なんだよその目は!うわぁ…ごめんなさいごめん…。
(和知武則)久しぶり。
娘さん?どういうこと?
(武則)差し入れ頼みたいんだ。
下着と…煙草と。
なんだか顔見たくなっちゃってさ…。
(武則)そんな露骨に困った顔しなくても…。
ごめん…。
お袋には頼みたくないからさぁ。
分かるだろ?あぁ…痛いじゃないか!キャーッ!お祖母ちゃん生きてるの?お祖父ちゃんは?台湾から来て病気で死んだっていうのも嘘?それはほんと。
でもお墓がどうなってるかは分からないんだけどね。
お祖父ちゃんが亡くなってねあたししばらく施設にいたの…。
回想
(2人)ジャンケンポイ!けんけんぱっ!
(2人)ジャンケン…。
(女の子)テルちゃんこれなぁに?ねえ見せて。
何?ねえ見せて。
見るだけね。
うん。
あ〜きれい!あ〜すごい!えっこれなぁに?いいなぁ。
お守り。
(女の子達)いいなぁ。
(施設職員)照恵ちゃん!お母さん来てくれたよ。
(施設職員)きれいなお母さんね。
一緒に暮らそうって。
遅い!…ったくグズだねぇ。
新しいお父さんだよ。
こっちは弟の武則。
「お父さん」って呼んでごらん。
(武人)なんで引き取ってきたんだよ今さら。
炊事ぐらいできんだろねえ照恵?恥ずかしがってないでさ「お父さん」って呼んでごらんよ。
ほら「お父さん」だろ。
俺はいいよ別に…。
「お父さん」だろ!父さん…。
聞こえない!お父さん!はぁ…。
よしじゃあ弟連れて買い物しといで。
夕飯のおかず。
さっき店教えたろ?ほら武則。
お姉ちゃんと一緒に買い物してきな。
お母さんたちはちょっとゆっくりするからさ。
またかよ…。
(店員)いらっしゃい!おつかい?何にしよ?がんもどき2つください。
(店員)がんも2つね。
はいよ。
ただいま。
(ため息)もう1周してこい。
してこい!
(武人)もういいよもう無理だよ。
何言ってんだよ。
足んない。
洗濯終わりました。
なんなんだよこのシミ!手伝います。
ったくもう。
はあ…。
あ…なんで落ちないんだもう。
(ため息)よいしょ…。
お前…ちゃんと雑巾絞った?あごめんなさい。
バカにしてんのかい!あたしが拭いたとこわざと汚してんだろ!その目…。
だから何なんだよその目は!何なんだよ!ひゃあごめんなさい!いや〜!きゃあ!あ〜…。
(武人のいびき)♪〜あの娘可愛いやカンカン娘♪〜赤いブラウスサンダルはいて♪〜誰を待つやらランランラ…♪〜時計ながめ…う…おえっ!ゲホッゲホッおえっ!ゲホッ…。
う…おえっ!ああ。
お…。
あの…。
んっ。
ふう…。
♪〜あの娘可愛いやカンカン娘ん〜。
♪〜赤いブラウスサンダルはい…♪〜誰を待つやら銀座の街角♪〜時計…ごめんなさい…。
うまいねぇ。
ちょっとあんた仕事は?あんなしょぼい仕事俺には合わねぇよ。
ほら何やってんだよ。
はあ…。
何見てんだよ。
ごめんなさい。
ったく陰気な子だね〜。
なんか楽しくなるようなこと言ってみなよ。
今夜も母ちゃん仕事行くんだからさぁ。
あんたらの飯のために。
(ため息)♪〜あの娘可愛いやカンカン娘♪〜赤いブラウスサンダルはいて♪〜誰を待つやら銀座の街角♪〜時計ながめ…おいで…。
そんなに歌いたかったらここで歌ってな。
ごめんなさい…。
早く歌いなよ。
歌えっ!♪〜あの娘可愛いやカンカン娘いいって言うまでやめんじゃないよ。
♪〜赤いブラウスサンダルはいて♪〜誰を待つやら銀座の街角時計…♪〜…ながめてそわそわにやにや♪〜これが銀座…お〜照恵!行くよ。
引っ越し。
♪〜これが銀座のカンカン娘
(和知三郎)あ…豊子さん!あ和知さんもう。
来ちゃった!あ…フフ…。
あれっ。
子供1人って…。
細かいことはいいじゃないか。
それともやめる?ううん。
ほら武則照恵。
新しいお父さんだよ。
「お父さん」だろ。
う…嫌だお母さん!現在・ナイスシュート!・仕返ししたい。
へ?お母さんの代わりに。
その女あたしが許せないよ。
やだ。
怖いこと言わないで。
甘いよお母さん!今なら虐待だよ虐待!その頃児童相談所とかなかったの?三番目のお父さんのところに引っ越したころにはあの人も機嫌よかったんだけどね。
回想はあ〜。
気持ちいい。
武則はいい子だねぇ。
(花火が打ち上がる音)あの。
ん?お祭り行ってもいいですか。
祭り?康子ちゃんと一緒に。
いいんじゃない。
行ってくれば。
あ…あの…。
何だい?行かないのかい。
あ…。
(ため息)口パクパク開けて死にかけの金魚かい?ハハハ。
ああ…あ…お小遣いください…。
手。
(ため息)あきゃあ〜!!あ…う…。
熱いっ!うう…。
あぁ熱いっ!ごめんなさいっ!
(照恵を蹴る音)この!この!やめて!やめてぇ!!あ…あ…。
(悲鳴)きゃあやめて!ひゃあ…ああ!!ごめんなさい…。
(照恵を蹴る音)やめて!やめ…!なに見てんだよ!見てんじゃないよ!
(康子の泣く声)うう…。
(泣く声)
(照恵を蹴る音)なに…何!どうしたの?
(泣く声)黄金バットは基地の中へ!まさえさんを頂きに参った!なにをこしゃくな。
撃て撃て〜!ナゾーの銃弾の雨を受けてみろ〜!
(銅鑼の音)バンバンバン…。
あれ…あれ?あれ?あ〜あ〜!!
(子供たち)あ〜あ。
・行こ〜・・ヘタクソヘタクソ・・つまんな〜い・
(和知)まだ続きがあるよ。

(和知)ほら。
わあ…。
きっと似合うよ照恵ちゃん。
あ〜さっぱりしたね武則。
おっおかえり。
(武則)ただいま。
暑っ…あれ?何それ。
あ…制服。
四月から中学生だから。
へぇ〜。
照恵お礼は?ありがとう。
ううん…いいのいいの。
これぐらい。
何言ってんのそんなことないでしょ。
怪我する前ならともかくその脚じゃ仕事復帰できるかどうかも分かんないのにさ。
そんな上等な制服。
あ〜。
着て見せてあげなよ。
今ここで着替えて。
お父さんに見せてあげな。
照恵ちゃん向こうで…。
いいよここで。
恥ずかしがることなんかないだろ親子なんだから。
いや…でも…。
あんたは黙ってて。
ほら照恵脱ぎな。
スカートもだよ。
シュミーズも脱いだ方がいい。
俺ちょ…ちょっと外出てるから。
行こうか。
何を恥ずかしがってんだよ?お父さん困ってんだろほら。
ごめんなさい。
ほら何だこれ!色気づいてんじゃないよ。
こんなもん。
あっ…。
うっ。
ごめんなさい!あぁ!
(物が割れる音)そのへんにしといたら…。
あんた仕事探して来い!あっ…いや〜。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ああっ!あぁ…ごめんなさい。
いやぁ〜!いや〜!!キャーごめんなさい。
やめて!!
(叫び声)顔はやめなよ…顔は。
パッパ…。
迎えにきて。
パッパのとこに連れてってよ。
ふ〜ん。
憎いんだろ?あたしが。
いいよ。
ほら。
殺していいよ。
殺してみな。
ほら。
ほらやってみな。
早くやってみ…痛っ。
いやっ。
痛いじゃないか!キャー。
待ちな!ほら待ちな。
いやぁ!待ちなよ。
(叫び声)いつまで甘いこと言ってんだよ!いやぁ!あぁっ!やめてよ!!あぁ!うわぁ…ごめんなさい。
(叫ぶ声)ちょっと〜いい加減にしなよ〜。
うるさい!人んちのことに口出しすんじゃないよ。
ちょっと待ちな。
待ちな。
待ちな。
あぁっ!キャー!や〜だ〜!あっ…。
あ…あ〜!
(階段から落ちる音)うん…あ…。
う〜ん…もうんっ。
いててて…いてて…。
どうしてですか?どうしてあたしを生んだんですか?どうして施設から連れ戻したんですか。
孤児なんてみっともないだろ。
かわいかったからじゃないんですか?あたしがかわいかったから施設から連れ戻したんでしょう?ねだから生んだんでしょう?ねだから連れ戻し…。
かわいいなんて一度も思ったことなんかないよ!イヤだっ!お母さん!イヤだ!生みたかなんかなかったんだよ!あんたなんかね誰の子か分かりゃしないんだよ!あぁ熱いっ!うわぁ…ごめんなさい。
だから何なんだよその目は!現在私には…。
あの人の血が流れてる。
同じことになったらどうしようって。
いつかあなたにひどいことしたらどうしようって。
お母さんは違う。
しないよ。
お母さんは。
でも…。
したことないし。
今まで一度も。
だって…。
かわいいんだもん。
深草が。
あなたが生まれた時お腹の底から喜びがぐうってこみ上げた。
夜泣きがやまなくても乳首思いっきり噛まれてもかわいくてかわいくて仕方なかった。
小さな指笑顔眠った顔…。
見てるだけで幸せで…。
こんなにかわいい存在にどうしてあの人は…。
お祖父ちゃんは優しい人だったんだよね?とっても。
小さい頃のことだからどこの病院で亡くなったとかお骨がどうなったとか分かんないんだけどね。
怒ってるかなパッパ。
パッパ?うん。
台湾風にねパッパって呼んでた。
優しい人でね…心臓が弱くてあまり一緒には暮らせなかったんだけどね…。
回想
(許はつ)照恵ちゃんスイカ好き?
(はつ)フフフ…。
(許育徳)お〜文英。
いいのか病院抜け出してきて。
ああ今日は少し調子がいいから。
パッパ!パッパパッパ。
あ〜…。
パッパパッパ…。
よく冷えてるわよ。
ありがとうおばさん。
うん!
(文英)申し訳ない照恵のこと何から何まで…。
あ〜いえいえ。
子供なんて2人も3人もおんなじ。
(はつ)さあさあ…。
うん。
(育徳)ありがと。
(台湾語)
(台湾語)食べなさい。
(文英)ハァ…ハァ…。
ごめんななかなか一緒にいてやれなくて。
上野のおじさんたち優しいよ。
照恵。
ハァ…。
これ持ってなさい。
(文英)幸せになれるお守りだ。
パパーのマーマが日本に来る時に持たせてくれた。
照恵が大人になるまでず〜っと守ってくれるよ。
きれい…。
パパーの生まれた村にはねこれと同じ色した茶畑があるんだ。
ず〜っとどこまでもどこまでも緑の茶畑が広がってるんだよ。
どこまでも?そうどこまでも。
いつか一緒に行こうな。
パッパのふるさとに。
うん。
現在あの人が言ってたように…やっぱり私はパッパーの子じゃないのかもしれない。
そう思うと…。
血なんてただの赤血球と白血球のかたまりだよ。
そうだよね。
たとえ血が繋がらなくたってパッパーは…大切なたった一人のパッパーだからね。
どうしてそんなに優しい人が鬼みたいな女と結婚しちゃったんだろう?ん〜…あっ写真は?お祖父ちゃんの写真ないの?ううん…あの人が全部焼いちゃったみたい。
えっ…。
ねえ探さない?え?お祖父ちゃんのお骨。
(職員)ごめんなさいね。
20年前に理事長も変わってしまってそれ以前の記録はもう残されてないんですよ。
祖父がどこの病院に入院していたかだけでも分かりませんか?
(職員)ごめんなさいね…。
(職員)陳文英さんという方の記録はありませんね。
他の区で登録されていたんじゃないでしょうか?この辺?そう。
上野のおじさん台湾の友だちだって言ってた。
たぶんここだと…。
名前は?許さん。
奥さん日本人ではつさん…。
照恵〜!!キャー!!どうしてあたしを生んだんですか?生みたかなんかなかったんだよ!あんたなんかね誰の子かわかりゃしないんだよ!やっぱり私はパッパーの子じゃないのかもしれない。
探さない?お祖父ちゃんのお骨。
回想どうぞ。
ありがとう!行こう。
うん!
(はつ)照恵ちゃんアイスキャンデー食べる?うん…。
いらっしゃい。
あ…ううんいりません。
あ…遠慮なんかしなくていいの。
うちにいる間はテルちゃんはうちの子。
あたしをお母さんだと思って甘えていいんだよ。
似てきたねぇ豊子さんに…。
お母さんにそっくりだ!フフ…。
現在その人たちはどこ行っちゃったの?さぁ。
あの頃はみんな生活していくだけで精一杯だったから…。
パッパーが亡くなった頃にはもうみんなどこかに引っ越しちゃったんだよね。
ここが許さんちだとしたら…。
道渡って…あそこが氷屋さんかも。
お母さん?あの…すみません。
すみませんあの…昔この辺で氷屋さんやられてた…。
はい?あ氷屋さんです。
この辺であの…アイスキャンディー…。
あぁ…!はいはい。
許さん覚えてますか?奥さんははつさんです。
許さん…。
昔この辺で食料品店やっていた…何て言うんだろう…乾物とか。
許さん…。
う〜ん…。
茶畑。
茶畑やってるって聞いた。
どちらでですか?嘉義。
嘉義ってとこ。
カーギー…?何県?台湾。
台湾だよ。
帰ったの台湾に。
あった嘉義!これだよこれ!台湾か…。
もう手がかりなくなっちゃったな。
行こう。
え?台湾。
行こうよ。
何言ってんの外国だよ。
これで終わりじゃ終われなくない?え?う〜んなんかこのままだとなんて言うのかな…お母さん変われない気がする。
だから何なんだよその目はっ!!キャーッ!うっ…熱い…!!あんたなんかね誰の子か分かりゃしないんだよ!ハァ…。
お母さんさお祖父ちゃんにはたしかに愛されてたんでしょう?だったらお祖父ちゃん探してもう終わらせようよ。
そんな簡単に言わないでよ。
え?終わらせる終わらせるって…そんな簡単なことじゃないの。
じゃあ今のままでいいの?そんなこと言ってない。
じゃあどうしたいの?あなたに分かるわけがない!分かるわけがない…。
ごめん。
お母さんにそっくりだフフフッ…
(文英)いつか一緒に行こうな。
パーパのふるさとにうまいねぇフフッすいませんあの日本語分かります?分かんない?ああ…シェイシェイ。
台湾って結構日本語通じるって書いてあったのに。
すいませんあの日本語分かります?
(外国語)分かんない?ああオッケー。
センキューシェイシェイ。
全然…あそこ聞いてみる?
(林)ニホンの方ですか?日本語分かるんですか?地獄に仏!
(林)シェイシェイはい食べて。
はいどうぞ。
すいません…。
あなた親孝行ですね。
ぼく感心しました。
こんな遠くまで骨探しに来るなんて。
分かりました。
ぼくの車で明日行きましょう。
一緒に探しましょう。
いえそんな…。
台湾では絆大事にします。
親子兄弟夫婦家族の絆。
あなた一所懸命働いてお嬢さんひとりで育てた。
一生懸命お金貯めてここに来た。
お父さんのために。
えらいねぇ。
あなた方助けなかったらぼくぼくのパーパに怒られるよ。
暑かった〜。
うん。
でも海外も疲れるもんだね。
うん。
ああ気持ちいいな〜。
あの人についてって大丈夫かな?でもほら名刺くれたし。
ホテルの人とも知り合いみたいだし。
そうね…。
日本語も通じるしさぁ。
そうだね…。
(寝息)深草?
(寝息)ハァ…着替えぐらいしたらいいのに。
(寝息)回想
(社長)はいご苦労様。
・ありがとうございます・
(社長)和知さんねはい1か月ご苦労様ね。
ありがとうございます。
(山岡裕司)初めてのお給料なんに使うの?お金貯めて一人暮らししたいんです。
そっか。
(足音)
(ドアの閉まる音)ただいま。
5時に終わったらとっとと帰ってこいって言ってんだろ。
毎日遊んでこないと気が済まないのかよ。
ごめんなさい…。
出しな。
給料日だろ?出しな。
仕事行くんだからさとっとと出せって言ってんだよ!はいお前のお小遣い。
ちょっ…何するんだ!何するんだよ!だから何すんだよって言ってんだよ!離せって言ってんだよ!わかったか!もうイヤーッ!!アーッ!何すんだよ何すんだ…!返して!ああ…!!照恵!イヤーッ!!逃げるな!危ねぇぞ!バカ!逃げてんじゃないよ!離して!イヤーッ!!逃げてんじゃないよ!
(武則)姉ちゃん!行け!姉ちゃん!早く!!離せ!武則離せ!逃げるなっ!照恵〜っ!!照恵〜っ!!現在お母さん。
大丈夫?うん…。
大丈夫…。
(裕司)和知さん?どうしたの?山岡さん…裕司さんが助けてくれたの。
あなたのお父さんが…。
お父さんとあなたが。
お父さんと…あたし?そう。
ず〜っと…。
裕司さんが事故で亡くなった時もあなたがずっとそばにいてくれた。
だから…生きてこられた。
いるよ今も。
ちゃんと。
ありがとう。
嘉義で茶畑をやってる許さんわかってるのはそれだけね?うん。
すいません本当に。
いいのいいの。
タクシータクシー高いから。
情けは人の為ならず。
石の上にも10年!10年?はぁ…ダメでした。
わかったかもしれません。
この人があなたの探してる許さんかもしれません。
ありがとうございます。
グッドラック!ね?はい!ああの…すいません。
すみません。
(外国語)
(外国語)あの許育徳さん昔上野で暮らしていた…。
(外国語)奥さんははつさんです。
(外国語)シェイシェイ。
やっぱりダメか…台湾広いもんね。
そう簡単に見つかるわけないね。
もう一回頑張ろ。
うん。
上野の…おばさん?テルちゃん?照恵です。
陳文英の娘の照恵です。
わかりますか?わかりますよ…。
ほんとに照恵ちゃんだ…。
生きてた…よかった。
覚えててくださったんですね。
当たり前じゃない。
こんなにきれいになって…。
豊子さんにそっくり。
娘さん?はい。
娘の深草です。
あなたもまたお母さんによく似て美人さんね。
よかった幸せなのね?はい。
よかった…。
あなたを残してこっちに来ちゃったからずっと心配してた。
文さんが亡くなったって聞いてやっぱり照恵ちゃんを連れてくればよかったって…。
あの頃あたしたちも精一杯でね。
ごめんねひとりにしちゃって。
そんな風に思ってくださってたなんて…嬉しいです。
昔のあたしに教えてあげたい…。
テルちゃん…。
はい。
ありがとね。
2人とも来てくれてありがとね。

(育徳)文英のお墓は台湾にはありません。
お骨はまだ日本にあると思います。
あのこちらに父の親戚はいらっしゃるんでしょうか?いるけど日本に渡る時に反対されてね。
縁を切った状態だから…。
あの…実はもう1つだけお2人にお伺いしたいことが…。
なに?父と母のことなんですけど…。
母からよく言われました。
「お前は父親と同じ目をしてる」「腹が立つ」って…。
母はどうして父とあたしのことをあんなに恨んだのかなって。
2人が出会った時僕も一緒にいました。
まだ戦後のドサクサで大変だった頃ね。
台湾では大陸から来た軍人や役人が腐りきってて…地獄だった。
あそこには戻れなかった。
僕らは日本に残って東京と東北を行き来して闇物資を運んでた。
回想
(悲鳴)痛いよもう!あ〜っ!
(チンピラ)タダ飯食っといて見返りなしかよこの野郎!ちょっと何すんのやめてはなしてよ!
(チンピラ)来いって来いよ!持っててくれ。
おう。
あ〜!ちょっとやめて!やめて!いや〜っ!!
(文英)おい!おいよさないか!なんだてめぇ!おらっ!おらっ!!
(文英)やめなさい!なんじゃおらっ!邪魔すんな!・はなせよ!・
(悲鳴)なんじゃおりゃ!・やめなって!・
(殴る音)
(悲鳴)・危ない!・おら〜っ!!
(悲鳴)
(文英)痛くない?イタタタタッ!
(文英)大丈夫?い痛いじゃないか〜!僕らは大丈夫傷の1つや2つ残っても。
俺は痛いけどな。
大体どうかしてるよ。
全くだよあんな連中に向かっていくなんて。
あいつら飯おごったぐらいでいい気になりやがって。
大体あんたも一緒だろ?え?目的はあたしのカラダだろ?そんなことぐらいでね何とかなると思ったら大間違いなんだからね。
安くないんだよ!君なんてことを!何だよ!こんな汚いとこねとっとと出てってやるんだから。
何だその言い方!大きな怪我がなくてよかった。
何か温かいものを作りましょう。
お風呂沸いてますから。

(包丁で切る音)
(育徳の声)その日…豊子さんは文英に恋をした。

(育徳の声)そして2人は僕の家の2階で暮らした。
・ねえあんた…・あたしのこと1人にしないでね…。
突然どっか行ったりしないでね。
おっ…なんだよ。
今夜冷えそうだから…。
いやいやいい!あいつらは寒くない!え?あたしに?うん。
似合うと思って。
ありがとう!あっ…ハハハ!現在フフフ…。
生意気な割に純情で…。
(育徳・はつ)フフフフ!あたし…。
誰の子か分からないって…。
え?豊子さんがそんなこと言ったの?はい…。
(育徳・はつ)ハハハハ!嘘よ嘘!そんなわけない!アハハハ!間違いなく照恵ちゃんは文さんの娘よ。
(はつ)ねぇ?
(育徳)うん。
(育徳・はつ)フフフ…。
じゃあなぜ…。
なぜ母は私のことを…。
回想逃げちまう…。
え?逃げちまうよ。
子供なんかできたら男はみんな逃げちまうっ!豊子さん?ねぇ豊子さんてば…。
おめでた?大丈夫よ文さんは。
うん!夫婦になりましょう。
おめでとう!どうしたらいいか分かんないよ。
赤ん坊なんてさ…。
あたしが人の命授かるなんてさ…。
どうしたらいいか分かんないよ…。
愛してあげればいい。
それだけよ。
だからそれが分かんないんだよ!愛してあげればいいって…。
どうやってやったらいいか分かんないんだよ…。
分かんないよ…。
分かんない…。
(はつの声)それでも…。
現在あなたが生まれた時は本当に喜んでねぇ。
回想
(鼻歌)どう?かわいいよぉ。
ねえ〜。
(鼻歌)かわいくてかわいくてどうしたらいいか分かんないよ。
名前なにすんの?あぁ色々と考えてはいるんだけど…。
文英の文の字を取って文子?いやちょっと当たり前すぎるな。
俺の育徳から育の字を取って育子。
いや徳子?だったら豊子の豊の字を取って…。
もう決めてるよ。
え?あたしねずっとおひさまに背向けてきたから…。
この子はたくさん太陽に照らされる子であってほしい。
ねっ。
照恵。
太陽に恵まれる照恵。
現在母が…私の名前を?豊子さん言ってた。
愛したくても…どうしたらいいか愛し方が分からないって。
(はつ)あたしが思うに子供の頃愛された経験がなかったからかもしれない…。
(はつ)不器用でどうしていいか分からないから自分が愛されてる自信もないから…。
確かめたかったんだと思う。
(はつ)不安で不安で…。
「これでもあたしを愛してくれる?」。
「これでも傍にいてくれる?」って。
回想・バカ野郎!畜生!バカ野郎!!・ヘラヘラヘラヘラ笑ってんじゃないよ!もうバカ!何なんだよ答えてみろよ!畜生!はぁ…はぁ…。
もういい?もういいだろう豊子…。
分かったよ。
台湾には帰らない。
ずっと日本にいる。
豊子とず〜っと日本にいるから…。
ほんとかい?
(文英)ああ。
ほんとに?ほんとに。
やったぁ!豊子…。
やったやったぁ!
(はつの声)もろくて臆病で…。
現在そういう豊子さんを全部分かった上で…文さんは大きな愛で受け入れようとしたんじゃないかな。
うん。
じゃあ…どうして…?テルちゃんあなたのここの辺りに傷があるでしょ?あはい…。
あ〜…あ〜んあ〜!あ〜んいや〜っ…あ〜っ!は〜っ…はぁ…あ〜んあ〜っ!
(ゴン!)
(泣き声)
(泣き声)何してるんだ?照恵どうしたどうした?うんうん…
(泣き声)
(泣き声)そういうことが…何度かあって。
文さん…これだけは許せないって。
とうとうあなたを連れて出て行った…。
いいさいいさ!こっちから捨ててやるよ!お前らなんかなっ!こっちから捨ててやる!台湾でもどこでも行ってのたれ死ね〜っ!畜生!バカ野郎!!ねぇ…あたし一人で…どうしたらいいのさ〜っ!どうしたらいいのさぁ…
(はつ)自分も周りもみんな傷つけて…結局全部壊してしまう…。
寂しい人だった…。
うまいねぇ…ハハッ…あっ!あ〜はぁ…♪〜時計ながめてそわそわにやにやこれが…
(照恵・豊子)♪〜銀座の…♪〜カンカン娘〜
(照恵・豊子)♪〜これが銀座のカンカン娘
(花火が打ち上がる音)あ…。
(花火が打ち上がる音)
(花火が打ち上がる音)あの夏祭りから…花火がずっと怖かった。
(花火が打ち上がる音)きれいだね。
花火って…こんなにきれいなんだね。
はい山岡です。
ああお母さん…え?見つかった?え?見つかった?まだ…でもね杉並区の福祉事務所の人が調べてくれたの。
パッパーのお骨お寺で供養されてるんだって。
パッパーのお骨ねお寺でちゃんと供養されてるんだよ。
野ざらしにされたらどうしようって思ったのに…。
よかった…。
もしもし?深草聞いてる?あ…もちろん。
よかったね!今夜はお祝いだね!うん!うん…。
あのときは…ありがとう。
一人にして…ごめんね。
よく我慢したよな姉ちゃんは…。
(武則)逃げ出せてよかった。
うん…。
家族も…できて…。
あんただってこれから…。
もう来なくていいよ。
連絡なんかして悪かった。
つい顔見たくなっちゃってさ…。
ごめん…。
会いに行こうと思うの。
あの人に…。
お母さん…。
ん?会ってどうするの?分からない。
でももう…逃げるのはやめようって思ってる。
コーヒーしかないよ。
は〜っ…。
じゃあそれ2つお願いします。
はい。
ハァ…。
フ〜…。
お客さんどっから来たの?東京からです。
あっそ。
何しに?人に会いに…。
へぇ〜人にねぇ。
ここなぁんにもないからね。
海と船以外…。
なぁんにもない…。
フ〜…。
♪〜
(鼻歌)『銀座カンカン娘』ハァ〜…。
♪〜
(鼻歌)『銀座カンカン娘』♪〜あの娘可愛いや…♪〜カンカン娘♪〜赤いブラウスサンダルはいて〜♪〜あの娘可愛いや♪〜カンカン娘♪〜赤いブラウスサンダルはいて〜♪〜誰を待つやら銀座の街角…♪〜時計ながめてそわそわにやにや♪〜これが…♪〜銀座の…小声♪〜銀座の…
(照恵・豊子)♪〜カンカン娘…さようなら…。
娘さん?はい…娘です。
へぇ…。
かわいいね。
はい…。
ちっちゃくなってた。
え?もっと大きい人だと思ってた。
大きくて…強くて…怖い人だって。
でも違った。
いろいろ言いたくていろいろ聞きたくて…。
でもなんでもよくなっちゃった。
あの人に…愛してほしいなんて…。
「かわいいね」って…一度でいいから…。
言ってほしいなんて…!
(すすり泣き)言ってたよ。
さっき…。
「かわいいね」って。
(すすり泣き)お母さんのこと言ってたんだよ。
(すすり泣き)♪〜あの娘可愛いやカンカン娘〜♪〜
(鼻歌)『銀座カンカン娘』ふふふ…。
♪〜
(鼻歌)『銀座カンカン娘』♪〜
(鼻歌)『銀座カンカン娘』深草…。
わっ!2017/01/11(水) 21:00〜22:54
読売テレビ1
篠原涼子主演スペシャルドラマ「愛を乞うひと」【文部科学省選定】[解][字][デ]

【篠原涼子が初の一人二役】母娘のカタチを問う壮絶な愛の物語。“幼少時代の虐待”という凄惨な記憶を閉じ込めていた女性が、数十年の時を経て、再び過去に向き合っていく

詳細情報
出演者
【メインキャスト】
主演:篠原涼子〔一人二役〕
広瀬アリス
鈴木梨央

杉本哲太

ムロツヨシ
平山浩行
草村礼子
金田昭夫
若旦那

寺島進(友情出演)
豊原功補
木村多江
上川隆也ほか
番組内容
山岡照恵(篠原涼子)は早くに夫を亡くし、娘の深草(広瀬アリス)と暮らすシングルマザー。照恵は、生き別れた弟(ムロツヨシ)との再会をきっかけに、母・豊子(篠原涼子)から虐げられた凄惨な幼少時代(鈴木梨央ほか)を深草に語り始める。さらに、すべての真実を求め、亡き父(上川隆也)の故郷、台湾へ…そして、母・豊子(篠原涼子)に会うことを決意する。
原作・脚本
【原作】
「愛を乞うひと」下田治美(角川文庫)

映画「愛を乞うひと」(製作:東宝・KADOKAWA 脚本:鄭義信 監督:平山秀幸)より

【脚本】
後藤法子
監督・演出
【演出】
谷口正晃
音楽
林祐介
【主題歌】
「Alone」中島美嘉(SonyMusicAssociatedRecords)