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セリフ書き起こし 銀と金 #2「悪対悪の心理戦」池松壮亮 リリー・フランキー 2017.01.15

骨までしゃぶれるぞ。
俺の名前は平井銀二お前は?森田鉄雄。
金をつかんでみろよ世界が曲がって見えるぞ。
この世界で生きたい。
億という金をつかんでみたい。
合格だな。
俺と組まないか?はい。
コイツらは俺が信頼する悪党共だ。
コイツは元東京地検の検事船田。

 

 

 


見てのとおり軽薄でイカレてるヤツだが今お前が感じてるよりももっとアホだハッハッ。
バカ野郎お前が来ないほうに賭けてたんだぞ。
10本な。
わかってますよ。
そしてここの店のオーナーの巽。
まあ何かと謎の多い女だが信頼はできる。
この店のものは何を食べても飲んでもいい。
警視庁OBの安田。
こう見えてコイツは捜査一課の元エースだ。
こう見えては余計でしょ銀さん。
元デカの犬何でもクンクン嗅ぎ回る。
あ?あ?フフッ。
ちょうどいいときに来たな俺たちはこれから仕事に出る。
お前もついて来い。
好っきや好っきや好っきやも〜ん。
梅谷ちゃんはエビと女の子が大好き。
梅谷哲ホテル経営者だ。
なんぼやと思う?でも高そう。
(2人)いくらですか?言うてみ〜。
100万円ほどになります。
(2人)え〜っ!うわ〜!アイツは破産寸前だ。
月に3億の利息を抱えてる。
なのに100万のワインを頼んでる。
100万。
うわ〜すごい!金は持つもんじゃのう。
わいなんか金持ってにゃサルやけんの。
名言だろテメエが人以下のサルっていうのがヤツの信念。
それでのし上がった。
金がなければ人以下のサル。
ホルスタインや〜!まずは梅谷を潰す。
梅谷を潰すってどうやって?そもそもあの人は…。
アイツは仕手戦の本尊だ。
今この戦争を繰り広げているのが本尊。
すなわち正体を隠した株の買い手である梅谷哲。
標的となっているのは自動車部品メーカー日本旭。
これまでに梅谷が買い占めた株は32%。
当初1株1,300円だった株価は現在1,800円まで値上がりしている。
日本旭にとっては誰が買い占めているかわからないから不気味だ。
梅谷はこの高騰した株をすべて日本旭に買い戻させ巨額の利益を得ようとしている。
梅谷が更に株を買い足しそれに日本旭が耐え切れず株を買い戻せば梅谷の勝ち。
耐え切れば日本旭の勝ちってことだ。
それでこの仕手戦はどう転びそうなんですか?仕手筋の分が悪い。
梅谷は資金繰りに窮して街の証券金融からも金を引っ張ってる。
「心は私の心」「あなたのハートは私のハート」「ハートハートハッとした」上手。
すごい。
(バイブ音)私石丸証券金融の真野と申しますが。
我々がご融資した金利の今月分の振り込みがまだのようですが。
期日はまだのはずや。
ですが一応念のため。
ドアホ!気分よう飲んどるんに胸糞悪い。
申し訳ございませんでした。
しかし…。
切った。
あ〜もしもし。
お久しぶりでございます。
梅谷さんどこ行くの?ちょっと待っとれアホ。
あっ例の件なんですけどよろしくお頼み申します。
金策に奔走してる。
日本旭以外の株を叩き売って仕手につぎ込む金を工面してる。
(バイブ音)はいどうした?とんでもねえことがわかったぞ。
梅谷んとこの社員が今日大阪にある梅谷の実家に寄ってとんぼ帰りで今東京に戻ってきてるそうだ。
確かか?うん。
おっ動きが出たな。
電話切るぞ。
おう。
梅谷は大阪の実家を担保にする気だ。
この時期に家を抵当に入れて金を引っ張るなんて資金が尽きましたって宣言してるみたいなもんだ。
俺たちの計画はパーだよ。
計画って?梅谷を潰し入れ替わる。
俺たちが仕手側の本尊になる。
だから梅谷が日本旭にナメられたら終わり。
実家の登記簿謄本を持ってる社員と梅谷を会わせちゃいけない。
慌てるな。
ちょうどアイツを潰すいい頃合だ。
さらっちゃえよ。
おやすみなさい。
またな。
梅谷さん。
日本旭の件でお話が。
名前は聞いたことある。
あの平井銀二さんがわしに融資してくれるいうんか。
はい。
ぜひ融資させてください。
50億。
わしがぶち込んどる額全部。
こりゃあ融資の話やないな。
察しがいいですね。
あなたの負債そっくり引き受けますよ。
お前がわしに代わって本尊になるっちゅうんけ?そうです。
お前の手は借りん!わしはまだやれる!企業殺すのにアンタじゃ力不足なんだよ。
梅谷さんアンタホントはもう解放されたいんでしょう?どうですかこの機会に。
ゆっくりされたら。
ふざけるな!おどれに何がわかるというんじゃ!いつまでおるんや?わしが帰るまでくっついとる気か。
ここ部屋はとってあるのでいつまでいても大丈夫ですと銀二さんが。
(舌打ち)あの…この仕手戦が始まる前どれくらい金持ってたんですか?50億。
えっ!?50億あったら一生遊んで暮らせますよ?利息で食うか?小僧それは死人の考えや。
血の通った人間ならわかるはずや。
もっともっと金を!これはやめられへん。
まぁでも一目置かれたのは梅谷さんが大金を手にしたからっていうより大金を手に入れられる男になったからじゃないですか?わしもヤキが回ったもんや〜。
こんな小僧に慰められるなんて。
お前は何も持ってない。
わしはどうや?裸一貫で戦ってきたつもりやったが…。
今は失うのが怖い。
帰れ。
え?帰れ!わしはまだやれる!梅谷がポッキリ折れて買い占めた日本旭の株をすべて俺に差し出す気にならないと話は進まない。
俺と梅谷が入れ代われない。
梅谷が買っても買っても日本旭が折れないのは後ろ盾に帝日銀行がいるからだ。
帝銀の弱みを握って日本旭への資金を断つ。
帝銀神保町支店内村という貸付担当が不正融資をやってる。
それをネタに帝銀をゆする?いいやそれじゃまだ小さい。
突破口だよ。
ご足労をおかけしまして。
帝日銀行の内村です。
不正融資の件が明るみに出たらアンタ退職金ももらえずに放り出されるよ。
そんな…私は上に言われてやっただけですよ。
悪いことだって知ってたんだろ?それにアンタ上司から金をもらってるはずだ。
トカゲのシッポ切りだよ。
全部アンタのせいにされる。
ただ泥をかぶる気があるなら道はある。
えっ?銀行は辞めざるを得ないが5,000万くらいなら都合しよう。
ホントですか?取り引きしたい。
何を?丸双不動産。
1,000億もの債務があるグズグズの会社になぜ帝銀は融資を続けるのか。
その情報を5,000万で買おう。
そんなことできるわけがない…。
内村さん。
コマのように使われやばくなったら責任全部背負わされてぶったぎられる。
そんな連中に恩だの義理だの感じる必要ないですよ。
前金の1,000万です。
コマで死ぬより人で死ぬんだよ。
家族もいるんだろ?わかりました。
内村さん。
コイツをガードにつける。
森田です。
10億単位の証書貸付を年に3〜4回。
残業?あっええ今週の返済分のチェックを。
お疲れさん。
お疲れさまです。
森田さん今日送ってくださるんですか?ああ銀二さんのところに行ったあと。
私の家は多摩センターですが家までは来ないでいただけますか。
妻と子に心配かけたくない。
バカやっちゃったけどこの先は絶対に負けません。
家族のために。
わかりました。
行きますけど見られないようにします。
すみません。
ちょ…ちょ…。
内村さん内村さん!内村さん!捜査一課の後輩からコピーしてもらったんだが内村のスーツの内ポケットに入っていた遺書がこれ。
内村の筆跡で確定だそうだ。
はぁウソだろ自殺なんか。
家族を殺すとでも脅されて書かされたか。
えっ?持ち物の中からデータは出てこなかったのか?一課の感触じゃ遺書以上のネタは遺品の中から見つからなかったようですね。
奪われたか。
俺が見失ったから。
すみません俺のせいです。
お前のせいじゃない。
内村の件はこれで終わりだ。
違う線を探す。
森田お前はそろそろ梅谷の返事もらってこい。
それはお前のせいや森田。
お前のせいやないなんて平井銀二も案外あまい。
あのな…。
今回の仕手の失敗でわしは会社をこかす。
嫁はたぶん娘と家を出て行くやろ。
でもな完全にわしの責任や。
勝敗は全部自分で背負わないかんのや。
もうわかっとるわ森田。
平井銀二に伝えてくれ。
わしの負けや〜。
わしの持っとる日本旭の株全部アンタに預けると。
お前も思いっきりやれや。
自分のせいやと思うんやらな。
はい。
この先は絶対に負けません。
家族のためにあっ。
あっ森田さん。
さっきのあれ…。
うわビックリした。
さっきのあれ見せてください遺書。
あぁ。
なんでこんなレシートの裏に?MEDIACAFEドルフィン神保町店No.34。
内村さんは思いっきりやろうとしてました。
家族のために途中であきらめたりしないはずなんです。
MEDIACAFE…ネカフェか漫喫。
森田でかしたかもだな。
いくぞ。
はい。
あ?ちょっと…。
ちょっとなんすか…。
あった!それで内村さんが…。
内村は最悪のケースを考えてたんだよ。
俺たちが梅谷に代わって狙う会社日本旭。
日本旭に資金を提供してる帝銀。
その帝銀とズブズブの融資の関係にある丸双不動産。
この内村が残したデータにあった売買契約書。
帝銀本部へ送ったものには6億円で土地を買ったことになっているがリアルな契約書の金額はなんと…。
4億。
2億円も上乗せして報告してやがる。
売買そのものの値を書きかえる完全な私文書偽造だ。
問題は帝銀が丸双に文書を偽造してまで融資した莫大な金が丸双以外の誰に渡ったのか。
え?丸双不動産と最も親密な関係の政治家…。
自由民生党議員海堂正行。
(安田)海堂ってたしか…。
そう帝銀頭取土門猛の義理の息子だ。
それ…つながった。
土門の一人娘の嫁ぎ先それが海堂だ。
(船田)帝銀頭取が直接義理の息子に金を渡すわけにはいかない。
そこで丸双不動産を抜け穴に使っていた。
このネタで帝銀をゆさぶるぞ。
(呼び出し音)あっ私以前海堂先生にお世話になっておりました経日新聞の者です。
失礼します。
(ノック)海堂先生東京地検が帝銀丸双海堂先生のラインを探ってるそうです。
帝銀頭取土門丸双不動産社長九石。
国会議員海堂。
この3人が会うように仕向けるんだ。
この仕掛けがうまくはまったら帝銀は俺たちの貯金箱になる。
骨までしゃぶれるぞ。
どうっすか?何すか今やってるでしょ。
聞こえますか?はい聞こえますよ。
これでよろしいでしょうか?こっちも聞こえた。
金は振り込む。
家族で何かうまいもんでも食べな。
丸石だ。
来た。
海堂だ。
(丸石)海堂先生どういうことでしょう?
(海堂)丸石さんまぁ落ち着いてください。
(丸石)我々の関係を東京地検が…。
あとは帝銀の土門が来れば…。
2人揃った。
さぁ話せ海堂と帝銀の癒着の証拠を。
(海堂)じゃあそろそろ行きましょうか。
(丸石)はい。
海堂と丸石がホテル出るぞ。
土門はまだ来てない。
会合はここじゃなかった。
(船田)一枚噛ませたんだ。
ここはただの待ち合わせ場所だ。
追うぞ。
ヤツらの行く先に土門がいる。
はい。
(ノック)何されてるんですか?無線機ですね。
免許証見せてもらっていいですか?森田踏め。
え?おい待て!2017/01/15(日) 00:20〜00:50
テレビ大阪1
土曜ドラマ24 銀と金 #2「悪対悪の心理戦」池松壮亮 リリー・フランキー[字]

ギャンブルの第一人者・福本伸行の原作を民放で初の映像化!池松荘亮、連ドラ初主演!何者でもない男が“億”という金を手にするため、欲望渦巻く裏社会で悪党と対峙する。

詳細情報
番組概要
ギャンブルで負けが続く素寒貧の森田鉄雄(池松壮亮)は、億を超える大金を手にするため、裏社会を仕切る大物フィクサー平井銀二(リリー・フランキー)と組んで仕事にかかる。まず銀二がターゲットにしたのは、自動車部品メーカーの日本旭。この会社の株取引で大金を得ようと考えた銀二だが、そこに立ちはだかるのは、同じもくろみを持つ梅谷哲(ダンカン)。銀二は梅谷を潰すため、森田とともに接触するのだが…。
出演者
 森田鉄雄…池松壮亮

 安田巌…マキタスポーツ
 巽京子…臼田あさ美
 船田正志…村上淳

 平井銀二…リリー・フランキー
出演者つづき
【ゲスト】
 梅谷哲…ダンカン
 海堂正行…丸山智己
 丸石修…羽場裕一
 土門猛…大石吾朗

原作脚本
【原作】福本伸行『銀と金』(双葉社)
【脚本】山岡潤平
監督・演出
古厩智之
音楽
【音楽】
諸橋邦行(※「諸」は旧字体)
【主題歌】
「ヒーロー」