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セリフ書き起こし おんな城主 直虎(2)「崖っぷちの姫」 2017.01.15

時は戦国ところは井伊谷。
代々井伊の一族が治めてきたこの地はそのころ駿河の名門今川氏の支配を受けていた。
これなるは井伊家当主の一人娘おとわ。
おとわには亀之丞鶴丸という2人の幼なじみがおったのじゃがおとわの父直盛は亀之丞をおとわの婿とし家督を継がせる事を決めた。
じゃが亀之丞は父の企てた謀反の廉で今川から命を狙われる身となってしまう。
その裏では鶴丸の父小野和泉守が糸を引いておった。
待て!井伊亀之丞か!亀之丞かと聞いておる!
(おとわ)違う。
井伊亀之丞ではない!井伊谷では亀之丞を捜し出すため子どもたちの人相改めが行われる事となった。
(弥吉)よし行っていいぞ。
連れてこい。
(弥吉)次の者。
名を申せ。
(与兵)井平の与兵。
(弥吉)次の者。
(助三)井平の助三です。
(弥吉)次。
そちの名は?
(権八)奥山の権八と申します。
お方様。
どちらへ。
とわが寺へ行くと言ったきり戻っておらぬのじゃ。

 

 

 


(たけ)私が目を離しましたばかりに。
・申し上げます。
井伊亀之丞と思われる者を捕らえましてございまする!
(直盛)あれは…。
(今川の使者)井伊殿お改め下さい。
この者は亀之丞殿でございますか?おとわ!父上!
(今川の使者)とわとは何者じゃ。
(直盛)我が一人娘にござる。
(今川の使者)ひ…姫?姫にございます!
(左馬助)まことでござる。
こちらは井伊の姫にて。
だからだから違うと言うたではないか!井伊の姫。
そうじゃ!ほう。
では井伊の姫が何故朝早くあのような所におられたのじゃ?それは…竜宮小僧を探しておったのです。
りゅ。
井伊の里に住むという伝説の小僧でここのところず〜っと探しておったのですが全く出会えず。
ひょっとして朝早くならと繰り出した次第にございまする。
うそだとお思いなら里の者に聞いてみて下され。
井伊殿!わざと亀之丞を逃がしたかそれとも取り逃したか…。
いずれにせよそちらの落ち度。
このまま済まされるとはゆめゆめ思われぬよう。
はっ。
最初はただ落とした笛を届けようと思ったのです。
会えるかどうか一か八かでしたが。
うわっ。
どこじゃ!茂みはどうじゃ。
藤七郎!亀!これからどこへ向かうのじゃ。
(亀之丞)知る者が多ければ感づかれる事も多くなると和尚様から言われておって。
我は誰にも言わぬ。
すまぬ。
(今村藤七郎)亀之丞様そろそろ。
(亀之丞)今行く。
あっ亀。
これを。
わざわざ届けてくれたのか。
これは父上から頂いたものじゃ。
もう二度とは手に入らぬ…。
ありがとうおとわ。
死ぬなよ亀。
何があっても決して。
俺はもっともっと強うなる。
馬も手習いも誰よりもできるようになってみせる。
誰よりも強い男になってそうなって必ず…おとわのもとに帰る。
待っておる。
亀之丞様。
追っ手が参ります。

(足音といななき)亀。
そして亀は我の着物を着て逃げ我は亀のふりをしおとりになったのじゃ。
いたぞ!しばし時を稼げればと。
(直平)ようやった!
(千賀直盛)しっ!それでこそ井伊の女子じゃ!ようやった!偉い!偉いぞおとわ!その場で斬られていたらどうするつもりだったのですか。
あ…。
少しは己の身の事を考えなさい。
しかし無事でよかったの。
はい。
さあ。
亀は無事逃げられたかの。
こればかりはお祈りするしかありませんね。
今はどの辺りかのう。
おとわは無事であったかのう。
(藤七郎)今川もまさか女子は斬りますまい。
井伊は大変な事になろうの。
生き延びる事が皆様の恩に報いる事でございますよ。
数日後今川からの使者は井伊谷から一旦引き上げ直満の葬儀が行われた。
謀反人として成敗された直満の葬儀は近しい身内だけの寂しいものでござった。
(直平)今川からは何か言うてきたか。
いえ。
まだ何も…。
もうまこと謀反でも起こすか。
ざれ言はおよし下さい。
今の井伊など今川に攻め込まれたらひとたまりもございませぬ。
(朝利)しかしまことに謀反などあったのでござりましょうかな。
(直由)拙者もおかしいと思っておりました。
でっちあげに決まっておる。
太守様は直満殿が北条に宛てた密書を手に入れておられました。
謀反を考えておられたのは事実かと。
偽書という事は。
山中の洞窟に一人斬られた男があった。
亀之丞はその男を見た事があると。
それが何じゃというんじゃ。
男は恐らくは北条と叔父上との間を取り次いでいた者で密書はそこから盗まれたものかと。
(直平)問題は誰が告げ口をしおったかじゃ!新野!はっ。
おぬしではあるまいの!はあ?それがしは太守様よりきつく叱責を賜りました。
謀反一つ見抜けず何の目付けかと。
(弥吉)あの和泉守様がお悔やみにいらっしゃいましたが。
日を改めよと。
(直平)構わん!通せ!
(弥吉)はっ。
(政直)直満殿の御最期まことに残念でございました。
かような場にて恐れ入りまするが太守様よりのお下知でございますゆえ申し上げまする。
下知!?
(左馬助)何故わしではなくそなたにお下知が届く!いや〜それがしも驚きましたがその理由についてもこのお下知の中にございますゆえ。
よろしゅうございますか。
さっさと読んでさっさと去ね。
「こたびは井伊家家臣直満が謀反を見抜けずあまつさえその子を取り逃がしたる不始末目付新野左馬助が働き甚だ心もとなし。
よって向後小野和泉守政直を目付に任ずるものなり」。
なんと!「また小野和泉守が一子を井伊の女とめあわせる事を加えて下知す」。
何じゃと。
今後はそれがしが目付を兼ね更に我が子鶴丸をおとわ様にめあわせよという下知でございます。
鶴丸とおとわを。
じじ様!離せ!直盛!こらえて下さいじじ様!
(左馬助)お気持ちは分かりますがここは!和泉。
ご苦労であった。
追って返事は致すゆえ今日のところは。
失礼つかまつる。
お前がなぜ目付になる!お前の息子が家督を継ぐ!なぜあやつばかりが得をするのじゃ!答えは火を見るより明らかじゃ!あやつが今川に擦り寄りざん言をしたからじゃ!なれど…小野がやったという証拠は何一つないのでございます。
よしんばあったとしても今川からすれば和泉の行いは正しき事。
我らに抗するすべはございませぬ。
ご隠居様飲みましょう!殿も!さあ。
さあさあ…。
(直由)直満様は酒のお好きな方でござった。
今夜は飲んで飲んで飲み明かしましょう!おとわ。

(千賀)おとわ。
(千賀)直満叔父様がそなたにと買い求めて下さっていたようです。
我に?叔父様から。
息子が笛を吹くなら娘には鼓じゃろうって。
稽古しなければなりませぬね。
亀が戻ってくるまでに。
そうですね。
(鼻歌と鼓の音)
(鼻歌と鼓の音)
(鼻歌と鼓の音)
(鼓の音)
(鼓の音)
(南渓)何じゃそれは。
おとわ。
直満叔父様から頂いたのです。
亀が戻るまでに打てるようにならねば。
ほう。
そういえば井戸の赤子は何故生きておったのですか?亀が戻ってきたら正解を教えてやりたいのです。
おとわはなぜじゃと思うた?我はご初代様は竜宮小僧であったのではないかと。
ほう。
亀は。
「井戸がかれていたから」と。
鶴は「本当は井戸の外に捨てられていた」と。
正解はございますか?皆正解じゃ。
えっ!?答えは一つとは限らぬからのう。
まだまだあるかもしれんぞ〜。
ハハハハハッ…。
お呼びでしょうか?入りなさい。
おとわ実はな…鶴と夫婦約束をしてもらわねばならなくなった。
わ…我は亀と夫婦約束をしたばかりですが。
亀はもしやもう…。
いやそうではない。
では何故!今川よりそうせよとお下知が来たからです。
小野和泉の息子鶴丸を婿に迎え井伊の家督を継がせよと。
それが謀反をたくらみ亀之丞の首引き渡しを拒んだ井伊を許す条件だという事です。
なぜなぜそこで小野なのですか?なぜ今川は小野をと言うのですか?
(千賀)とにかくもはやほかに手だてはないのです。
(鶴丸)私とおとわ様がですか?
(政直)返事はまだだがお下知とあれば十中八九断る道はなかろう。
まああのようなじゃじゃ馬じゃが姫は姫じゃからな。
どうした。
かように運のよい事はなかなかないぞ。
おぬしは井伊の次の殿になるのじゃ。
何故…何故私ばかりさように運のよい事になるのでしょうか。
(ため息)鶴丸。
何を勘違いしておるのか知らぬがわしは何もやましい事はしておらぬぞ。
新野殿がまともに役目を果たさぬゆえ代わりに今川に見込まれただけじゃ。
井伊の頭領などとても我が身には務まりませぬ。
ありがたいお話ですがお断り致しとうございます。
(政直)ではおとわ様は弟のものになるだけじゃが。
どこがよいのか分からぬが好いておるのじゃろう?何の勘違いをなさっておられるのか。
かわいげのない。
あっ…。
鶴!なぜ逃げる。
どうしたのじゃ?何か怒っておるのか?おとわ様は俺の顔など見たくもあるまい。
えっ?知っておるのだろう。
我が父のした事は。
鶴の父上が何をやったのじゃ?我が父が亀の父上の謀反を今川に密告したのじゃ。
ゆえに亀の父上は斬られ亀はこの地を追われた。
それはまことか?父上がそう言われたのか?まことかどうかなど言うわけがない。
じゃが皆そう言うておるし俺もそうじゃろうと思うておる。
鶴の父上が…。
ではな。
鶴!鶴!待て!待てと言うておろうに!それは鶴がやったのではなかろ?鶴は何もしておらぬ。
何もしておらぬのじゃから恨む筋合いなどなかろ?鶴の父上の事は恨んでも鶴を恨む筋ではなかろ?おとわ…。
あっ…ところで夫婦約束の事なのじゃがの。
ああ…。
反故にする手はないか?反故?亀は必ず戻ると言うたのじゃ。
じゃから我は亀を待っておらねばならぬ。
鶴?そうじゃな。
俺も亀をこれ以上悲しませたくはない。
どうすればよいかの。
(藤七郎)亀之丞様。
近くで汁をもらってまいりました。
ありがたい。
そなたの分は。
それがしはその場で少し頂きましたゆえ。
亀之丞様。
亀之丞様!亀之丞様!
(雷鳴)・
(たけの悲鳴)
(千賀)たけどうしたのですか。
(たけ)ひ…姫様がとわ様が!
(千賀)とわ。
(たけ)横になっておられたのに!
(千賀)とわ。
とわ!かどわかし!かどわかしでございます!これはかどわかしでございます!
(直盛)家人を集めよ!龍潭寺にも人を出すように触れを出せ!
(おなかが鳴る音)休めるか。
おお…。
暖かい。
(物音)うわっ…あっああっ…。
誰でぇ!うわっ!何で勝手に入ってくるでぇ!す…すまぬ。
誰もおらぬと思うて。
ふん…ふ〜んふ〜ん…。
おめえ腹ぁ減ってるらあ?え…?何かくれるんなら飯食わしてやってもいいにい。
(おなかが鳴る音)あっあ〜…。
そなたはここに住んでおるのか。
嫁御はおらぬのか?嫁御!嫁御〜。
はあ…おらにそんなもん持てるわけねえじゃん。
おらぁもともと流れ者だで。
村に養ってもらってるだけだで。
例えばなあっちの村ん衆らとわしらの村ん衆が喧嘩してあっちの村ん衆らが死んでしもうたとするらあ。
うむ。
それどうするだ〜って話んなるらあ。
そん時にこれで勘弁してくりょっておらが行かされるっちゅうわけで。
そのために村に養ってもらってるだに。
はあああさような商いがあるのか。
まっこのままで終わるつもりもねえしのう。
お前さんは親と喧嘩でもしたのけ?喧嘩ではないが…。
我はおらぬ方がよい子なのじゃ。
ふんじゃあ〜はみ出し者同士仲よくやるまい。
あっそれはできぬ。
我には行く所があるのじゃ。
行く所?うむ。
生き別れた幼なじみを捜すのじゃ。
そうけえ。
んじゃあ早く寝んといかんらあ。
すまぬな。
あ〜。
あ〜…。
ええもんがたんとあるにぃ。

(男)姫様〜!・
(男)おとわ様〜!・
(女)何だって?・
(男)井伊の姫様がかどわかしにあったみたいだにぃ。
(女)何〜!?
(男)えらいこったで。

(男)姫様〜!井伊の…姫?ふふふふうぅん…!
(直盛)面を上げよ。
とわ!とわ!とわ様!大事はないですか!?確かに我が娘である。
さ…さようでございますけえ!それはよろしうございましたのう。
その者の首をはねよ!はっ!へっ!?えっ!?えっえっえっどうしてでえ!?かどわかしを働き何を申すか!このっ!このっ!お…おら何も!ひ…姫様が困ってたから泊めてあげただけですにぃ!
(たけ)かどわかしたものの怖くなって連れてきたのであろう!痛え痛え!このような袋に入れておったのが何よりの!違いますにぃ!姫様が…姫様が暴れるからしょんねえでございますにぃ!えっ!?へっ!?ゆ…言うて下っせえよ!姫様。
(直盛)千賀。
おとわを向こうへ。
さあとわ。
泊めてさしあげたではねえですけえ。
粥も粥も差し上げたではねえですけえ!その者は悪うない。
泊めてくれ粥もくれた。
我が勝手に…家を出ただけじゃ。
おとわ何故そのような。
つい先日危ないまねはするなと言ったのにまたやりましたね。
皆がどれだけ心配したと思っているのですか。
皆夜を徹しそなたを捜しておったのですよ。
分かっておるのですか!?そなたは井伊のたった一人の。
だからじゃ!だから我がいなくなれば夫婦約束ものうなると思うたのじゃ!夫婦約束をなくすためにこんな事をしたのか?だってかわいそうではないか!亀は何もしておらぬのに井伊を追われ…。
戻ってくるつもりなのに我が鶴と夫婦になっていては。
亀がかわいそうではないか!
(泣き声)あ〜。
あ〜。
痛え痛え…。
(直盛)おとわが亀の事を思うておるのはよう分かった。
じゃが同じように井伊の皆の事も思うてくれぬかの。
井伊の皆。
そうじゃ。
おとわが鶴と一緒になってくれねば井伊は今川に潰されてしまうかもしれぬ。
そうなっては皆が困るのじゃ。
おとわは井伊の姫であるのだから皆の事を考えてくれねば。
亀を待っていると約束したのじゃ。
我は亀を待っておらねばならぬ。
鶴と一緒になるのは亀のためでもあります。
亀が戻ってきた時に井伊がのうなっていたら亀も困るでしょう。
ならば鶴と一緒にならず井伊も潰されぬ手を考えればよいではないですか!
(千賀)それがないからこうして頼んでおるのではないですか!答えは一つではないと和尚様は言うておった!和尚様?父上も母上もしかと考えておられぬのではないですか?それとも何も考えつかぬ阿呆なのでございますか!阿呆…。
お方様。
私が。
(千賀)手出し無用です!姫様〜。
勝手に開ければお前の首が飛びますよ!ああ〜!
(直盛)少し厳しすぎるのではないか?
(千賀)親を阿呆と言ったのです。
(直盛)しかしとわの言う事も一理。
政と子どもへのなぞかけを一緒にしてどうするのですか。
じきに観念しますよ。

(おなかが鳴る音)鶴と夫婦になるしかないのかの。
の?回想必ずおとわのもとに帰る。

(笛)
(鼓の音)
(笛)回想とにかくもはやほかに手だてはないのです。
回想答えは一つとは限らぬからのう。
まだまだあるかもしれんぞ〜。
(鼓の音)
(鼓の音)
(政直)それでは夫婦約束はご承知下さると。
殿何か。
いや承知した。
それはそれはまことにありがたい。

(たけの悲鳴)どうしたのじゃ?たけ。
だ…旦那様。
おとおとおと…とわおとわ。
お…お…。
父上聞いて下され!あっ…あああああ…!続く。
おとわを差し出さねば井伊は潰されるのです。
とわとはそちか。
戦しかあるまい!たかが人質によこせと…。
恥を知れと申し伝えよ。
あっ!諸行無常じゃ。
うわあ〜!うまく使わねばのう。
おとわ!
亀之丞の父井伊直満は謀反の疑いにより討ち取られ無言の帰国を果たしました
井伊谷の人々によって築かれた井殿の塚
直満はここに眠っています
亀之丞に追っ手が迫ると井伊家は今村藤七郎をつけ亀之丞を井伊谷から逃がしました
この逃亡劇について多くの言い伝えがあります。
山中で弓の名手に狙われた亀之丞が間一髪で難を逃れたという話もその一つ
井伊谷からおよそ15キロ離れた場所にある…
2人は数日間この寺に身を寄せたあと北を目指しました
井伊家にとって更に厳しい時代が始まろうとしています
2017/01/15(日) 20:00〜20:45
NHK総合1・神戸
おんな城主 直虎(2)「崖っぷちの姫」[解][字][デ]

命を狙われる亀之丞(藤本哉汰)を逃がすため、おとわ(新井美羽)はある秘策を思いつく。小野政直(吹越満)は、鶴丸(小林颯)とおとわを夫婦にしようと画策するが…

詳細情報
番組内容
今川の追手に命を狙われる亀之丞(藤本哉汰)を逃がすため、おとわ(新井美羽)はある秘策を思いつく。おとわの命がけの策が功を奏し、亀之丞は無事信州へと落ち延びる。井伊直満(宇梶剛士)が謀反の疑いで殺されたことにより、以前から直満と対立していた小野政直(吹越満)が今川家の目付として井伊家中の実権を握ろうとする。政直はさらに息子の鶴丸(小林颯)とおとわを夫婦にし、井伊家の家督を継がせようと画策するが…
出演者
【出演】杉本哲太,財前直見,新井美羽,吹越満,苅谷俊介,でんでん,筧利夫,市原隼人,ムロツヨシ,小松和重,梅沢昌代,芹澤興人,蔵本康文,藤本哉汰,小林颯,前田吟,小林薫
原作・脚本
【作】森下佳子
音楽
【音楽】菅野よう子