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セリフ書き起こし ダーウィンが来た!「初めて見た!日本の巨大恐竜」 2017.01.15

今日の「ダーウィンが来た!」は恐竜特集の第2弾!舞台は私たちが暮らす日本です!ここ日本にかつて驚くほど多彩な恐竜たちが暮らしていたことが最近わかってきました。
群馬県では世界的にも珍しい巨大な肉食恐竜の牙が見つかり北海道で恐竜の全身骨格が見つかるなど新たな発見が相次いでいます。
極め付きは兵庫県の丹波市。
ここでとてつもなく巨大な恐竜の化石が見つかったんです!それがこちら。
全長10メートル以上にもなる丹波竜です。
日本の恐竜史上最大級の丹波竜。
最近世界に例のない新種の恐竜であることがわかりました。
番組では研究者の協力を得て丹波竜の姿と暮らしぶりを現代によみがえらせました。
とてつもなく長〜い首。

 

 

 


丹波竜は現代のどの動物とも違う独特の体つきをしています。
果たしてこんな風変わりな体で一体どんな生活をしていたんでしょうか?非常にゆっくりと。
えっスローライフって一体どういうこと?さらに最新の研究からその桁外れの大きさに生き残りの秘策が隠されていたこともわかってきました。
今日は何から何まで桁外れ!日本が誇る巨大恐竜丹波竜の秘密に迫ります。
さあ早速丹波竜が生きていた恐竜時代の兵庫県へタイムトラベルしてみましょう。
どこまでも広がる乾燥した大地。
当時兵庫県はアジア大陸の東の端に位置していました。
現れたのは大きさ5メートルほどの肉食恐竜の仲間。
この恐竜歯の特徴などからあのティラノサウルスの仲間だと考えられています。
獲物を探しているようです。
その視線の先には…。
全長50センチほどの角竜がいます。
トリケラトプスの仲間です。
当時はティラノサウルスやトリケラトプスが現れるよりも4,000万年ほど古い時代。
昔の日本には有名なトリケラトプスやティラノサウルスの祖先とも呼べる恐竜が暮らしていたんです。
あっ!肉食恐竜が角竜に襲いかかりました。
不意をつかれた角竜。
捕まってしまいました。
こんな命を懸けた厳しいやり取りが大昔の日本で繰り広げられていたんですね。
そして…。

(鳴き声)悠々とやってきたのが今日の主人公巨大恐竜丹波竜です。
最大の特徴は長〜い首。
首だけで5メートル以上。
全長は十数メートルにも達したといいます。
丹波竜は肉食恐竜ではありません。
植物を食べる恐竜です。
しかしあまりの体格差に肉食恐竜は全く手が出せません。
現在日本で丹波竜よりも明らかに大きな陸上動物の化石は見つかっていません。
丹波竜は日本の生物史上最大級を誇る陸上動物だと考えられています。
実はこの丹波竜が見つかったのはわずか10年前のこと。
その発見は偶然の出来事でした。
発見者の1人村上茂さんです。
村上さんは研究者ではなく普通のサラリーマンでした。
ある日河原を散歩していた時のこと。
周りの岩と少し違う色をした石が偶然目に留まったと言います。
ひょっとして恐竜の骨じゃないか。
村上さんたちはすぐに地元の博物館を訪ねました。
そこで対応したのが三枝春生博士。
石を見るまでは恐竜だとは夢にも思わなかったと言います。
ところが村上さんから手渡された石を見てびっくり仰天!その化石こそが今回の主役丹波竜だったんです。
この偶然の発見をきっかけに発掘調査を開始。
そしてろっ骨頭など丹波竜の体の骨が次々と見つかりました。
発掘された化石を詳しく調べた三枝さんは2014年丹波竜が世界でほかに例のない新種の恐竜であることを突き止めました。
さらに化石の分析から巨体の丹波竜ならではのユニークな暮らしぶりも明らかになってきました。
スローライフ?のんびり動かない生活って一体どういうことなんでしょう?その説明に一役買ってくれるのはこちら。
現代の最大の陸上動物ゾウです。
ゾウは長い鼻を使ってあまり動かずに離れた場所のものをつかみ取ることができます。
丹波竜の首はゾウの鼻のおよそ3倍。
その長〜い首のおかげであまり体を動かさずに暮らしていたというんです。
さあ再び恐竜時代の日本に戻りましょう。
長〜い首を生かした丹波竜ののんびりスローライフをご覧に入れますよ。
丹波竜が向かった先は…。
木々が生い茂っている場所です。
長い首を持ち上げ木の上のほうの葉を食べ始めました。
しばらくすると首だけを横に動かし隣の木の葉っぱを食べました。
今度は長〜い首だけを下に下げて地上に生える植物も食べました。
早送りで見るとその場をほとんど動くことなく首だけを動かすことで広い範囲の植物を徹底的に食べていますよね。
巨大な体の丹波竜。
歩き回ればそれだけ大量のエネルギーを消費したはずです。
だからこそ丹波竜は移動を最小限にとどめました。
なるべく動かず長い首だけを使って大量の植物を体に取り込む。
これこそが丹波竜流のスローライフなんです。
しかもそのスローライフはさらに徹底したものであったことが化石からわかってきました。
その手がかりがこちら。
鉛筆のように細長く小さな歯です。
ゾウの歯と比べてみるとほら丹波竜の歯ははるかに細くて小さいでしょ。
ゾウは巨大な歯で口に入れた植物をよくかんですりつぶしてから飲み込みます。
でも小さな歯の丹波竜は全く違いました。
なんと丹波竜は小さな歯で植物を摘み取るとかむことなくそのまま飲み込んでいました。
こうすればかむ時間まで節約できます。
巨大恐竜丹波竜は「動かない」そして「かまない」という「ないない尽くし」ののんびり生活を送っていたんです。
ちょちょっと待った!なんですか?ヒゲじい。
いや丸飲みは体によくないですぞ!よくかんで食べないとおなかを壊しちゃうって私も小さいころお母さんによく怒られました。
確かにおっしゃるとおり。
特に木の葉などの植物は繊維分が多いのでなかなか消化されません。
だからこそゾウは大きな歯で植物をよ〜くすりつぶして消化しやすくしてから飲み込むんです。
でしょ。
そんな繊維たっぷりの植物を丸飲みなんて丹波竜きっと毎日おなか壊してたんじゃないでしょうかね。
ヒゲじい心配はご無用です。
三枝さんは丹波竜がこの問題をある特別な方法で解決していたと言います。
えどんな?そのヒントは丹波竜のおなかの骨に隠されています。
こちら丹波竜のおなかの骨格の模型です。
お〜はいはいはい。
ほら!おなかを囲むろっ骨が大きく横に膨らんでいるのがわかりますか?あ確かに大きく膨らんでますな。
試しに人が入ってみると大人が6人すっぽりと入れるほどの広さです。
ほうこりゃ大きい!ですよね。
この大きなおなかには胃や腸などの消化器官が収まっていました。
三枝さんはこの桁外れに大きな消化器官こそ植物丸飲みの秘策だったと考えています。
どういうこと?巨大な消化器官の中に大量の微生物を住まわせることで丸飲みにした植物を分解させ消化していたと考えているんです。
消化は微生物任せってこと?はい。
丹波竜は微生物に分解を任せることで植物丸飲みという大胆な食事法を手に入れました。
結果かむ時間をも節約。
一日中ひたすら食べ続けることで巨大な体を維持できたんです。
丸飲みが大きな体を維持する秘けつだったとは丹波竜のスローライフの理由しっかりゴックン飲み込めましたぞ。
なんてね!丹波竜が生きていた時代は弱肉強食の世界。
小さなものは常に天敵の脅威にさらされていました。
でも独特の食事法で巨体を手に入れた丹波竜は違いました。
たとえ目の前に肉食恐竜が現れたとしても意に介すことはなかったでしょう。
まさに無敵。
誰にも邪魔されることなく大昔の日本をのし歩いていたに違いありません。
誰よりも大きくなること。
これこそが巨大恐竜丹波竜の生き残りの秘策でした。
現代の動物とは全く違う独自のスローライフでたくましく命をつないでいたんです。
第2章では丹波竜の赤ちゃんが誕生します。
でも巨大さを武器に生きる丹波竜にとって幼い赤ちゃんは向かうところ敵だらけ。
あっ食べられちゃった!大ピンチを切り抜けるため丹波竜の赤ちゃんに秘められた驚きの能力が明らかになります。
恐竜たちの王国だったここ日本。
群馬県ではなんと子どもたちがとっても珍しい化石を掘り出しました。
金井大成くんと寛仁くんの兄弟です。
2015年金井くんたちは「化石発掘体験会」に家族で参加。
そこで奇妙な石を見つけました。
それがこちら。
鑑定の結果日本では大変珍しいスピノサウルスの仲間の歯だとわかったんです!うれしいです!わかんない。
今から1億3,000万年前。
海か湖かはわかりませんがそこは確かに水辺だったといいます。
やってきました。
スピノサウルスの仲間です。
今回の発見だけでは全身の姿はわかりません。
研究者の監修のもとほかの国から見つかった化石も参考に全身を再現しました。
顔つきはまるでワニみたい。
あ水に入っていきます。
顔を水に突っ込んで…。
口を開けたまま待ち構えます。
魚が近づいてきました。
お見事!一瞬の早業です。
見つかった歯の形から研究者はスピノサウルスの仲間は水辺で魚を主食にしていたと考えています。
恐竜研究の第一人者真鍋真博士は化石の発見には金井兄弟や丹波竜を見つけた村上さんのような一般の人の存在が重要だと言います。
さあ今度はテレビの前の皆さんが新たな日本の恐竜を見つける番かもしれませんよ。
圧倒的な巨大さを武器に生きる丹波竜。
しかし超えなくてはならない大きな問題があります。
それは生まれた直後のこと。
最近アルゼンチンから丹波竜の仲間の卵が大量に見つかりました。
大きさわずか20センチほどの卵。
それが30個以上1か所に産み落とされていました。
現地ではこうした化石が数千個以上も同じ場所から見つかったんです。
丹波竜の仲間はあまりに巨大なため子どもを踏みつける危険があり子育ては難しかったと見られています。
赤ちゃんは親に守られることなく弱肉強食の世界を自力で生きていかなければならなかったんです。
さあ再び1億1,000万年前の恐竜時代の日本です。
こちら丹波竜が産み落とした卵です。
親の姿はありません。
もう産卵場所を離れたようです。
この日卵に変化がありました。
赤ちゃんです。
重さは3キロほど。
人間の赤ちゃんとあまり変わらないんですね。
しばらくすると…。
たくさんの赤ちゃんがかえっていました。
かわいいですね。
でもここは弱肉強食の厳しい世界。
のんびりしている場合ではありません。
赤ちゃんのそばに忍び寄ってきたのは…。
肉食恐竜あのティラノサウルスの仲間です。
あっ!襲いかかりました。
1匹が丸飲みにされてしまいました。
ほかの赤ちゃんは一斉に逃げ出します。
岩陰を目指して必死に走ります。
大きな体の大人とは大違い。
丹波竜といえども生まれて間もないころは命を狙われる弱い存在だったんです。
ところが最新の研究で丹波竜の仲間はこの苦境を思わぬ方法で打開していたことがわかってきました。
その事実を明らかにしたのはドイツのマーティン・サンダー博士。
サンダー博士は丹波竜の仲間の骨の断面を詳しく分析し骨の成長の様子を調べました。
すると…。
骨の断面に見える縦の筋は成長が遅くなった時にできるものです。
骨全体を見るとこうした線が見えるのは画面右大人になってから。
それより以前の子どものころは筋が見当たりません。
このことから丹波竜の仲間は子どものころ成長の速度を緩めることなく急激に巨大化していたことがわかったんです。
生まれたばかりの丹波竜の赤ちゃんは人間の赤ちゃんと同じか少し小さいくらいでした。
しかし成長スピードは圧倒的。
人間が2メートル近くに成長するのとほぼ同じ期間でここまで巨大になれたんです!ではなぜ丹波竜は急激に大きくなることができたんでしょうか。
最新の研究で丹波竜の頭蓋骨から脳の形を推定するとある特徴が浮かび上がってきました。
成長に深く関わる脳下垂体と呼ばれる部分が極端に大きくなっていたんです。
三枝さんはここから成長ホルモンが大量に放出されることで丹波竜の仲間は急激に大きく成長できた可能性があると考えています。
弱々しい小さな体で生まれる丹波竜の赤ちゃん。
その体には急成長できる力が秘められていたんです。
とはいえ無事に大人になれるのはほんの一握り。
多くの仲間が子どものうちに命を落としていったに違いありません。
(鳴き声)天敵から逃げ隠れする生活。
そんな過酷な日々もしばらくの辛抱です。
数年もすると…。
体は5メートルほどにまで大きくなります。
人間でいえば小学生になったばかりといったところでしょうか。
悠々と食事を始めました。
おや赤ちゃんをひと飲みにしたあの肉食恐竜がいます。
襲いかかりました!あっ首をかまれました!なんとか振り切った丹波竜の子ども。
今度は反撃です。
成長すれば長い尻尾は身を守る武器になったはずです。
そこに大人の丹波竜が現れました。
子どもだけで生きるより大人の群れに加わったほうが安全です。
この子どもはもう大人に踏まれることも足手まといになる恐れもありません。
無事大人の群れに合流できました。
これで一安心ですね。
丹波竜の仲間はその圧倒的な巨体ゆえ100年以上生きただろうという研究者もいます。
日本史上最大級の恐竜丹波竜。
独自のスローライフで桁外れの巨体を手に入れました。
かつての日本には現代の動物とは全く違う進化の道を突き進んだ巨大生物が生きていたのです。
時は戦国ところは井伊谷。
2017/01/15(日) 19:30〜20:00
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!「初めて見た!日本の巨大恐竜」[字]

恐竜特集第二回は、日本の恐竜史上最大級の丹波竜。その暮らしは超スローライフ。長い首と巨体を駆使した驚きの生活が明らかに。超高精細CGで日本の巨大恐竜の謎に迫る。

詳細情報
番組内容
恐竜特集・第二回は、日本の恐竜史上最大級の丹波竜。その大きさは全長10数メートルにも達したという。最近、化石の研究から、丹波竜はのんびり動かない超スローライフを送っていたことが判明。弱肉強食の恐竜世界で、どうやってスローライフを実現させたのか?謎を解く鍵は「長い首と巨大なお腹」。独特の体型を活かして、厳しい時代を生き抜いた丹波竜。超高精細CGを駆使して、恐竜時代の日本へタイムトラベル!歌:平原綾香
出演者
【語り】和久田麻由子,龍田直樹,豊嶋真千子